特許第6289712号(P6289712)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6289712-ファンモータ装置およびその製造方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6289712
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】ファンモータ装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/056 20060101AFI20180226BHJP
   H02K 5/173 20060101ALI20180226BHJP
   H02K 15/14 20060101ALI20180226BHJP
   F16C 19/06 20060101ALI20180226BHJP
   F16C 35/063 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   F04D29/056 B
   H02K5/173 A
   H02K15/14 A
   F16C19/06
   F16C35/063
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-106673(P2017-106673)
(22)【出願日】2017年5月30日
【審査請求日】2017年9月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲田 直哉
(72)【発明者】
【氏名】掛山 将人
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 篤史
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−150908(JP,A)
【文献】 実開平03−035295(JP,U)
【文献】 特開2014−129743(JP,A)
【文献】 特開2001−186713(JP,A)
【文献】 特開平10−146007(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/093335(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/056
F16C 19/06
F16C 35/063
H02K 5/173
H02K 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータを収容するフレームブッシュ部と、
前記フレームブッシュ部に対してシャフトを回転可能に支持するベアリングと、を備え、
前記シャフトに設けられ、前記ベアリングをベアリング不保持方向から保持するシャフト抜け防止用止め部材を有し、
前記シャフト抜け防止用止め部材は、前記シャフトの外周に設けられたリング状に前記ベアリングを押さえる前記ベアリングの圧入部よりも高い圧入力を有する円筒状の止め輪であることを特徴とするファンモータ。
【請求項2】
請求項に記載のファンモータの製造方法であって、
前記ベアリングを前記シャフトに第1の圧入力で圧入する工程と、
前記シャフト抜け防止用止め部材を前記シャフトに前記第1の圧入力よりも大きい第2の圧入力で圧入する工程と
を有することを特徴とするファンモータの製造方法。
【請求項3】
前記シャフト抜け防止用止め部材は、一部に切れ目が形成されており、圧入後に、リングをかしめて固定することを特徴とする請求項2に記載のファンモータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンモータ装置に関し、特に、ファンモータ装置のシャフト抜け防止技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファンモータ装置に関しては様々な構造が提案されている。ファンモータ装置においては、ファンモータのベアリングとシャフトとの固定構造には、スナップリング(C型止め輪、E型止め輪等)を用いていた(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−138989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図3は、従来のファンモータ装置において、ファンモータのベアリングとシャフトとの固定構造であり、スナップリング(C型止め輪、E型止め輪等)を用いた固定構造の一例を示す図である。
【0005】
図3に示すように、スナップリングを用いたファンモータ装置のベアリング固定構造においては、ベアリング123の一端をスナップリング101により、固定している。スナップリング101は、シャフト121に形成された溝部151に挿入されて固定されている。
【0006】
しかしながら、図3に示す構造では、ファンモータの回転軸であるシャフトの延在方向に対して大きなアキシアル荷重が掛かる環境下においては、この固定構造が壊れやすく、シャフトが抜けやすいという問題があった。
【0007】
本発明は、シャフトの抜けを抑制するような固定構造を有するファンモータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、ステータを収容するフレームブッシュ部と、前記フレームブッシュ部に対してシャフトを回転可能に支持するベアリングと、を備え、前記シャフトに設けられ、前記ベアリングをベアリング不保持方向から保持するシャフト抜け防止用止め部材を有することを特徴とするファンモータが提供される。
【0009】
前記シャフト抜け防止用止め部材は、前記シャフトの外周に設けられた円筒状の止め輪であることが好ましい。前記シャフト抜け防止用止め輪は、圧入止め輪であることが好ましい。
【0010】
前記シャフト抜け防止用止め部材の圧入力を、前記ベアリングの前記シャフトへの圧入力よりも高くしたことを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記のいずれか1に記載のファンモータの製造方法であって、前記ベアリングを前記シャフトに第1の圧入力で圧入する工程と、前記シャフト抜け防止用止め部材を前記シャフトに前記第1の圧入力よりも大きい第2の圧入力で圧入する工程と、を有することを特徴とするファンモータの製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ファンモータ装置において、シャフトの抜けを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態によるファンモータ装置の一構成例を示す側断面図である。
図2図1の固定構造の要部の断面図である。
図3】従来のファンモータ装置の固定構造の要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態によるファンモータ装置について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態によるファンモータ装置の一構成例を示す側断面図である。すなわち、ファンモータ装置1を、回転シャフト軸の中心を通る面に沿って切断した断面図である。図2は、図1の固定構造の要部の断面図である。図1の左側が送風側AR1である。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施の形態によるファンモータ装置Aは、フレーム1と、羽根3と、フレーム(ブッシュ)部4と、羽根ボス部5の内面に設けられるロータカバー14と、ロータカバー14の内面に設けられるマグネット13とを有する。ロータカバー14はシャフト21とロータブッシュ18により接続されている。
【0017】
これらの内側には、ステータコア7と、その外側に設けられるコイル15及びそれらを絶縁するインシュレータ11と、による回転駆動部が設けられている。回転駆動部の一方側(送風側AR1)には基板17が設けられ、回転駆動部から基板17への導通体19が設けられている。
【0018】
これら回転駆動部を収容するフレーム(ブッシュ)部4の下方には、ベアリング23を介してシャフト21が設けられている。ベアリング23は、フレーム(ブッシュ)部4に設けられた段差部4aとベアリング23の一端との間にスプリング25が介装されており、図1の外側に向けてベアリング23を付勢する。そして、ベアリング23の他端側には、ベアリングの他端部に接触する位置において、ベアリング不保持方向(スプリング25と反対方向)からベアリング23を押さえるシャフト抜け防止用止め部材31が設けられている。シャフト抜け防止用止め部材31は、例えば、シャフトの外周に設けられた円筒状の止め輪であり、このシャフト抜け防止用止め輪が例えば圧入により嵌め込まれている。リング状のシャフト抜け防止用止め輪31は、図3のスナップリングよりも軸方向の寸法が大きい。さらに、シャフト21との接触面積が広い。
【0019】
また、リング状のシャフト抜け防止用止め輪31のシャフト21に対する(41)圧入力は、ベアリング23のシャフト21に対する(43)圧入力よりも高くされている。すなわち、リング状のシャフト抜け防止用止め輪31はシャフト21に対して強固に嵌め込まれている。
【0020】
上記の構造では、ベアリング23の先端側の端部に接触する位置に円筒状のリング状のシャフト抜け防止用止め輪31が圧入により嵌め込まれており、かつ、リング状にベアリング23を押さえることができる。従って、従来よりもベアリング23を強固に固定することができる。
【0021】
加えて、ベアリング23の圧入部よりも高い圧入力を有するリング状のシャフト抜け防止用止め輪31の圧入部が形成されるため、シャフト21の固定を強固にすることができる。
【0022】
従って、軸方向に大きな荷重や強い衝撃が加わった場合でもファン本体、ファン装置に与える損傷の影響が抑制され、ファンモータ装置の信頼性を向上させることができる。
【0023】
また、シャフトの抜けを抑制するような固定構造を有するファンモータ装置を提供することができる。
【0024】
上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
【0025】
例えば、リング状のシャフト抜け防止用止め輪31は、ファンの全周に亘って形成されていなくても、一部に切れ目が形成されていても良い。切れ目があれば、容易に圧入が可能である。この場合に、圧入後に、リングをかしめて固定するようにすると良い。
【0026】
また、ベアリングの両側にリング状圧入止め輪を設けても良い。一部に切れ目を形成し、リング状のシャフト抜け防止用止め輪31とシャフト21の間に凹凸を設けて嵌合するようにしても良い。
【0027】
また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は、ファンモータ装置の固定構造に利用可能である。
【符号の説明】
【0029】
A…ファンモータ装置
1…フレーム
3…羽根(ブレード)
4…フレーム(ブッシュ)部
5…羽根ボス部
7…コア
11…インシュレータ
13…マグネット
14…ロータカバー
15…コイル
21…シャフト
23…ベアリング
31…リング状のシャフト抜け防止用止め輪(シャフト抜け防止用止め部材)
【要約】
【課題】シャフトの抜けを抑制するような固定構造を有するファンモータ装置を提供する。
【解決手段】ステータを収容するフレームブッシュ部と、前記フレームブッシュ部に対してシャフトを回転可能に支持するベアリングと、を備え、前記シャフトに設けられ、前記ベアリングをベアリング不保持方向から保持するシャフト抜け防止用止め部材を有することを特徴とするファンモータ。
【選択図】図1
図1
図2
図3