特許第6289719号(P6289719)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289719
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】オーディオのスマートライン入力処理
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20180226BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   H04R3/00 310
   G11B20/10 301Z
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2017-180283(P2017-180283)
(22)【出願日】2017年9月20日
(62)【分割の表示】特願2016-28196(P2016-28196)の分割
【原出願日】2012年4月17日
(65)【公開番号】特開2018-11349(P2018-11349A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2017年9月21日
(31)【優先権主張番号】13/089,167
(32)【優先日】2011年4月18日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・ミリントン
(72)【発明者】
【氏名】トム・カレン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・レイマン
(72)【発明者】
【氏名】ブレント・レーマン
【審査官】 渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−217116(JP,A)
【文献】 特開2007−323789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00− 3/14
G11B 20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生デバイス(1102)を操作する方法であって、
再生デバイスは、第1オーディオソース(1104)から第1オーディオ信号を受信すると共に、第2オーディオソース(1106)から第2オーディオ信号を受信するように構成されており、
前記方法は、
第2オーディオ信号が第2オーディオソースから送られてきているとの決定がなされると、再生デバイスによって再生されている第1オーディオ信号の再生よりも優先して、再生デバイスに第2オーディオ信号を再生させるステップ、
第2オーディオ信号が第2オーディオソースから送られ続けている間、再生デバイスによる第2オーディオ信号の再生を停止させる命令を受信すると、再生デバイスによる第2オーディオ信号の再生を停止させるステップ、
第2オーディオ信号が送られて来ていないとの決定がなされると、次に第2オーディオ信号が第2オーディオソースから送られてきているとの決定がなされたときに、再生デバイスが第2オーディオ信号を再生するように再生デバイスを自動的に切り替えるステップ、
を含む、方法。
【請求項2】
更に、再生バイスによって、第1オーディオ信号の少なくとも一部を別の再生デバイスに送信するステップ、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更に、再生デバイスによって、第2オーディオ信号の少なくとも一部を別の再生デバイスに送信するステップ、を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
更に、再生デバイスによって、別の再生デバイスとグループを形成する命令を受信するステップ、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記別の再生デバイスとグループを形成する命令は、別の再生デバイスとステレオペアを形成する命令を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
プロセッサ(204、276)、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法をプロセッサによって実行される命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、
を備える、デバイス。
【請求項7】
前記デバイスは、再生デバイス(1102)であって、
前記再生デバイスは、
第1オーディオソース(1104)用の第1インタフェース、
第2オーディオソース(1106)用の第2インタフェース、
を備える、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
第2インタフェースは、無線インタフェースである、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
第2インタフェースは、無線規格IEEE802.15.1に準拠した無線インタフェースである、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか一項に記載のデバイス、および
第2オーディオソース(1106)、
を備える、装置。
【請求項11】
第1オーディオソースは、インターネット上にある、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
請求項7〜9のいずれか一項に記載のデバイス、および
第2オーディオソース(1106)、
を備え、
第1オーディオソースは、インターネット上にある、メディアシステム。
【請求項13】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法をプロセッサによって実行される命令を記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書に記載される技術は、家庭用電化製品の分野で使用するための技術に向けられる。特に、特定の実施形態は、オーディオ環境において使用するためのスマートライン入力処理に向けられる。
【0002】
音楽は、広く私たちの日常生活の一部となっている。そして、技術の進歩のおかげで、音楽コンテンツは、現在これまで以上にアクセスしやすいものになっている。同じことが、テレビ、映画などの他のタイプのメディアと、他のオーディオおよびビデオコンテンツとにも言うことができる。実際には、現在、ユーザーは、オーディオとビデオコンテンツとにアクセスする従来の手段に加えて、オンラインストア、インターネットラジオステーション、オンライン音楽サービス、オンライン映画サービス等を通してインターネット上のコンテンツにアクセスすることができる。
【0003】
このようなオーディオおよびビデオコンテンツの需要は、急増し続けている。長年にわたって高い需要を考えると、そのようなコンテンツにアクセスして再生するために使用される技術は、同様に向上している。それでもまだ、コンテンツへのアクセスおよびそのようなコンテンツの再生に使用される技術は、市場やエンドユーザーが予期し得ない方法で、大幅に向上すること、または開発することができる。
【0004】
本明細書に記載される技術のこれらおよび他の特徴、態様、及び利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、および添付の図面に関する技術における当業者にとってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、特定の実施形態が実施され得る構成の例を示す。
図2A図2Aは、特定の実施形態に係るプレーヤーの例示的な機能ブロック図を示す。
図2B図2Bは、図2Aの1つ以上のプレーヤーを遠隔制御するために使用され得るコントローラの一例を示す。
図2C図2Cは、図2Aの1つ以上のプレーヤーを遠隔制御するために使用され得るコントローラの一例を示す。
図2D図2Dは、特定の実施形態に係るコントローラの内部の機能ブロック図の一例である。
図3A図3Aは、ゾーンシーン構成の図を提供する。
図3B図3Bは、ユーザーが同時に収集される複数のグループを定義することを示す。
図4図4は、コントローラまたは図1のコンピュータに表示され得るユーザーインターフェースの例を示す。
図5A図5Aは、ユーザーがシーンを形成することを可能にするユーザーインターフェースの例を示す。
図5B図5Bは、ユーザーがシーンを形成することを可能にするユーザーインターフェースの別の例を示す。
図5C図5Cは、ユーザーが個別にまたは集合的に、ゾーンシーン内のゾーンプレーヤーの音量レベルを調整することを可能にするユーザーインターフェースの例を示す。
図6図6は、複数のプレーヤーのプレーヤーテーマまたはゾーンシーンを提供するフローチャートまたはプロセスを示し、1つ以上のプレーヤーがゾーンに配置される。
図7図7は、オーディオソースが実施形態に係る2つのプレーヤーで再生される構成の例を示す。
図8図8は、実施形態に係る複数のプレーヤーの間でのペアリングの構成の例を示す。
図9図9は、複数のオーディオ製品をグルーピングし、別々のサウンドトラックを同期して再生してマルチチャンネルリスニング環境をシミュレートするフローチャートまたは工程を示す。
図10A図10Aは、特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
図10B図10Bは、特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
図10C図10Cは、特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
図10D図10Dは、特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
図10E図10Eは、特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
図10F図10Fは、特定の実施形態において使用されるコントローラのスナップショットの一例を示す。
図11図11は、特定の実施形態に係るスマートライン入力処理の構成の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
さらに、図面は、特定の実施形態を説明することを目的としているが、本発明は、図面に示した配置および手段に限定されるものではないことを理解されたい。
I.概要
【0007】
本明細書に記載された実施形態は、スマートライン入力処理に関する。実施形態は、ネットワーク環境に特に有用であり、再生デバイスが2つ以上の異なるソースからのオーディオデータを再生することができ、ソースの少なくとも1つがライン入力接続を介してオーディオデバイスからそのオーディオデータを受信する。本明細書に記載された特定の実施形態の利点は、他の多くの利点の中でも、リスナーがオーディオデバイスそれ自体を制御し、システムにライン入力信号を検出させ、再生デバイスのソースを自動的に切り替え、オーディオデバイスから再生することである。このように、リスナーは、オーディオデバイスを再生する前に再生デバイスのソースを手動で切り替える必要がない。本明細書に記載された他の利点は、ライン入力信号がまだ存在する間も、システムによって、リスナーが再生デバイスを異なるソースに切り替え可能なことである。本明細書に記載されたさらなる別の利点は、システムが、それ自体をリアームすることができることであって、再度システムがライン入力信号を検出すると、システムがソースをオーディオデバイスに戻すように切り替えることができる。実施形態では、マルチソース再生が望まれるいくつかの環境と関連する機能が見つかるかもしれない。
【0008】
実施形態では、再生デバイスは、アイドル状態であり、サウンドを出していない、即ち再生デバイスは、第1のソースからの第1のオーディオデータストリームを受信及び再生するように構成される。再生デバイスは、第2のソースからの第2のオーディオデータストリームを受信及び再生することがさらに可能である。第2のソースは、第2のソース上のライン入力コネクタを通してオーディオデバイスに接続される。リスナーは、オーディオデバイスにコマンドを出し、オーディオを再生する。第2のソースは、信号がライン入力コネクタ上で検出されたとき、第2のソースが再生デバイスを自動的に切り替えるように構成され、第2のオーディオデータストリームを介してオーディオデバイスからのオーディオを再生する。オーディオデバイスからのオーディオを再生するスイッチは、必要に応じて第2のソースが閾値時間の間にライン入力コネクタ上の信号を検出した後にのみ実行されてもよい。第2のオーディオデータストリームの再生は、第1のオーディオデータストリームの再生をオーバーライドしてもよい。再生デバイスおよび第1のソースと第2のソースのいくつかは、単一の装置のコンポーネントであってもよいし、または再生デバイスは、第1のソースと第2のソースのいずれかから分離され、例えば、ネットワーク上で、互いに通信してもよい。
【0009】
特定の実施形態では、再生デバイスは、ソースからのオーディオを受信及び再生するように構成され、そのソースは、ライン入力コネクタを介してソースと接続されるオーディオデバイスからオーディオを受信する。オーディオデバイスからのオーディオの再生期間に、リスナーは、再生デバイスにコマンドを出し、異なるソースからの新しいオーディオデータストリームを再生する。コマンドを受信すると、再生デバイスは、新しいオーディオデータストリームを再生するように切り替える。再生デバイスは、続いてソースに指令を出し、オーディオデバイスのオーディオを再生デバイスに送信することを停止する。ソースは、オーディオを再生デバイスに送信することを停止し、一定の時間、そのライン入力コネクタ上で信号を検出しなくなるまで待機する。信号が、一定の時間、ライン入力コネクタ上で検出されないとき、再度ソースがそのライン入力コネクタ上で検出されると、再生デバイスを自動的に切り替えるように準備され、オーディオデバイスからのオーディオを再生する。再生デバイスおよびソースと異なるソースのいずれかは、単一の装置のコンポーネントであってもよいし、または再生デバイスは、ソースと異なるソースのいずれかから分離し、例えば、ネットワーク上で、互いに通信してもよい。
【0010】
特定の実施形態では、再生デバイスは、第1のボリュームレベルに応じてオーディオデータを出力するように構成される。再生デバイスが自動的に切り替えられ、新しいソースからのオーディオを再生する場合、新しいソースが、ライン入力コネクタを介して新しいソースに接続されるオーディオデバイスからのオーディオを受信すると、再生デバイスのボリュームは、第2のボリュームレベルに変更される。ダイナミックレンジが大きくされ、ライン入力を介して新しいソースに接続されるオーディオデバイスのボリュームコントロールに与えられるように、第2のボリュームレベルが設定される。再生デバイスがソースからのオーディオを再生するように切り替える場合であって、そのソースがライン入力コネクタを有する新しいソースと異なる場合、再生デバイスのボリュームは、セーフボリュームに戻され、ハイレベルのオーディオがリスナーに対して再生されない。
【0011】
特定の実施形態では、再生デバイスは、ネットワークインターフェース、プロセッサ、および必要に応じて、アンプとスピーカードライバのいずれかを備える。ネットワークインターフェースは、ネットワーク上のオーディオを受信及び送信するように構成されてもよい。アンプは、再生デバイスがそのように備える場合、任意のスピーカードライバに電力を供給する。プロセッサは、オーディオデータを処理し、実際の再生、再生デバイスがそのように構成されている場合にスピーカードライバを介しての出力、またはその両方のために別のデバイスに送信される。再生デバイスは、ライン入力コネクタをさらに備え、オーディオデバイスからオーディオを受信する。再生デバイスは、自動ソーススイッチングを実行してもよく、信号がライン入力コネクタ上で検出されたとき、再生デバイスが、オーディオデバイスからのオーディオを自動的にトリガーし、再生デバイス自体によって再生される、またはこの再生デバイスと通信する別のデバイスによって再生される、またはその両方によって再生される。オーディオデバイスからオーディオを再生する自動スイッチは、信号が閾値時間の間にライン入力コネクタ上で検出された後のみに、必要に応じて実行されてもよい。
【0012】
特定の実施形態では、再生デバイスは、ネットワークインターフェース、プロセッサ、アンプ、及びスピーカードライバを備える。ネットワークインターフェースは、ネットワーク上のオーディオデータを受信及び送信するように構成されてもよい。アンプは、スピーカードライバに電力を供給する。プロセッサは、オーディオデータを処理し、スピーカードライバを介して出力する。再生デバイスは、自動的に切り替えられ、ソースデバイスから受信されるストリーミングオーディオデータを再生してもよい。再生デバイスは、オーディオデバイスが接続されるライン入力コネクタを含む。信号がソースデバイスのライン入力コネクタ上で検出され、それによってリスナーがオーディオデバイスからオーディオを聞きたいと示されたとき、再生デバイスは、ソースデバイスからのコマンドを受信し、オーディオデバイスからストリーミングオーディオデータを自動的に再生する。オーディオデバイスからのオーディオを再生する自動スイッチは、信号が閾値時間の間にライン入力コネクタ上で検出された後のみに、必要に応じて実行されてもよい。
【0013】
これらの実施形態およびいくつかの別の実施形態が、これ以降に多く記載されている。さらに、詳細な説明は、例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、およびネットワークに接続されたデータ処理デバイスの動作に直接的又は間接的に似た他の記号表現に関して主として提示される。これらのプロセスの記載および表現は、一般的に、当業者によって使用され、最も効果的に他の当業者にそれらの仕事の内容を伝えられている。多数の特定の詳細が本発明の完全な理解を提供するために説明される。しかしながら、本発明の特定の実施形態は、ある種の特定の詳細なしに実施できることが当業者に理解される。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネント、及び回路は、簡略化して説明されており、不必要に実施形態の態様を不明瞭にすることを避けている。
【0014】
「実施形態」への本明細書での言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも一実施形態に含まれ得ることを意味する。明細書における様々な部分でのこのフレーズの出現は、全てが同じ実施形態を参照しているのではないし、他の実施形態を互いに除いた別個のまたは代替的な実施形態でもない。本明細書に記載された実施形態は、他の実施形態と組み合わせてもよいことが、明示的および暗黙的に当業者によって理解される。
II.環境の例
【0015】
図を参照すると、その中の同様の数字は、いくつかの図を通して同様の部品を表すことができる。図1は、特定の実施形態が実施され得る構成100の例を示す。構成100は、限定されるものではないが、住宅、家庭、ビジネスビルディングの一部、または複数のゾーンとの複合体を表すことができる。オーディオデバイスとして3つの例102、104、および106の多数のマルチメディアプレーヤーが示されている。オーディオデバイスのそれぞれは、1つの特定の領域またはゾーンに設置されてもよく、または提供されてもよく、それ故に本明細書では、ゾーンプレーヤーと呼ばれる。
【0016】
本明細書に使用されるように、明示的に特に記載がされていない限り、オーディオソースまたは複数のオーディオソースは、一般的にデジタル形式であり、そしてデータネットワーク上で送信され得る、または流され得る。図1の環境の例の理解を可能にするため、構成100は、ホームを表すものとする。しかし、この技術は、アプリケーションのその場所に限定されないことが理解される。図1に戻って、ゾーンプレーヤー102と104は、寝室の1つまたは2つに配置されてもよく、一方でゾーンプレーヤー106は、リビングルームにインストールされてもよいし、または位置してもよい。ゾーンプレーヤー102、104及び106のすべては、直接的または間接的にデータネットワーク108に接続される。さらに、コンピュータデバイス110が表示され、ネットワーク108に接続される。実際には、例えば、ホームゲートウェイデバイス、またはMP3プレーヤーなどのいくつかの他のデバイスが、同様にネットワーク108に接続されてもよい。
【0017】
ネットワーク108は、有線ネットワーク、無線ネットワークまたは両方の組み合わせであってもよい。1つの例において、ゾーンプレーヤー102、104、および106を含むすべてのデバイスは、IEEE802.11などの工業規格に基づく無線手段によってネットワーク108と接続される。さらに別の例では、ゾーンプレーヤー102、104、および106を含むすべてのデバイスは、ワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット)と通信するローカルエリアネットワークの一部である。また別の例では、ゾーンプレーヤー102、104、106とコントローラ142を含むすべてのデバイスは、アドホックネットワークを形成し、例えば、家族識別:カーライ家族と具体的に名付け、例えば、スミス家族などの家族識別と同様の近隣の設定と区別される。
【0018】
ネットワーク108上の多くのデバイスは、オーディオソースをダウンロードおよび保存するように構成されている。例えば、コンピュータデバイス110は、インターネット(例えば、「クラウド」)またはいくつかの他のソースから、音楽またはビデオに関連するオーディオなどのオーディオソースをダウンロードでき、ダウンロードされたオーディオソースを保存し、インターネットまたはネットワーク108上で他のデバイスとローカルに共有することができる。コンピュータデバイス110またはゾーンプレーヤー102、104および106のいずれかは、ストリーミングオーディオを受信するように構成することもできる。ステレオシステムとして示されるように、デバイス112は、(例えば、ブロードキャスティングから)アナログオーディオソースを受信するように、または(例えば、コンパクトディスクから)デジタルオーディオソースを取り出すように構成される。アナログオーディオソースをデジタルオーディオソースに変換することもできる。特定の実施形態によれば、様々なオーディオソースがネットワーク108上のデバイス間で共有されてもよい。
【0019】
2つ以上のゾーンプレーヤー(例えば、任意の2つ以上のゾーンプレーヤー102、104、および106)は、共にグループ化され、新しいゾーングループを形成してもよい。ゾーンプレーヤーと既存のゾーングループのいくつかの組み合わせが共にグループ化されてもよい。1つの例において、別のゾーンプレーヤーまたは既存のゾーングループに1つのゾーンプレーヤーを加えることによって、新しいゾーングループが形成される。
【0020】
特定の実施形態では、1つの環境(例えば、家のリビングルーム)に2つ以上のゾーンプレーヤーがある。これらのゾーンプレーヤーをグルーピングし、同じオーディオソースを同期して再生する代わりに、これらの2つのゾーンプレーヤーが、左と右のチャンネルで2つの異なるサウンドを再生するように構成されてもよい。言い換えれば、サウンドのステレオ効果が、これらの2つのゾーンプレーヤー、一方の左のサウンドと他方の右のサウンドを通して再現される、または強化される。同様に、3チャンネル(または2.1サウンドエフェクト)サウンドでは、3つのそのようなゾーンプレーヤーが、まるで3つのスピーカーであるように再構成され、左右のスピーカーとサブウーファーがステレオサウンドを形成してもよい。ゾーンプレーヤーの再構成およびこれらのオーディオ製品の操作の詳細は、さらに以下に記載される。複数のチャンネル(3つより多い、例えば、4、5、6、7、9チャンネルなど)を備える同様の構成が適用されてもよい。例えば、2チャンネル以上を使用する構成は、テレビおよび映画館タイプの設定において有用であって、それによってテレビおよび映画の形式などのビデオコンテンツが2チャンネル以上含むオーディオコンテンツと共に再生される。さらに、特定の音楽が2つ以上のチャンネルサウンドで同様にエンコードされてもよい。
【0021】
特定の実施形態では、2つ以上のゾーンプレーヤーが統合され、単一の統合されたゾーンプレーヤーを形成してもよい。統合されたゾーンプレーヤーは、単一のゾーンプレーヤーまたはさらにもう1つの統合されたゾーンプレーヤーとさらにペアになってもよい。統合されたゾーンプレーヤーは、1つ以上の個々の再生デバイスを備えてもよい。統合された再生デバイスのうちそれぞれの再生デバイスは、好ましくは統合モードに設定される。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、所望の構成が完成するまでグループにする、統合する、およびペアにする、のいずれかを実行し続けることができる。グルーピング、統合、ペアリングの動作は、好ましくは制御インターフェースを通して実行され、そして、スピーカーワイヤーを、例えば、個々の別々のスピーカーに物理的に接続するおよび再接続して異なる構成を作っているのではない。そのような場合、本明細書に記載される特定の実施形態は、音響再現をエンドユーザーに提供することが可能な、より柔軟で動的なプラットフォームを提供する。
【0023】
特定の実施形態によれば、特定のゾーンプレーヤー(例えば、ゾーンプレーヤー102、104、及び106のいずれか)は、第1のソースから第1のオーディオデータストリームを受信するように構成されてもよい。第1のソースは、ダウンロードされた曲(例えば、アクセス可能なハードドライブに保存された音楽ファイル)、インターネットラジオステーション、オンライン音楽サービス、オンライン映画サービスなど、さらにはアクセスするオーディオおよびビデオコンテンツの従来の手段のいずれかから第1のオーディオデータストリームを得てもよい。ゾーンプレーヤーは、第2のソースから第2のオーディオデータストリームを受信および再生することがさらに可能であってもよい。第2のソースは、第2のソース上でライン入力コネクタを通してオーディオデバイスと接続されてもよい。特定の実施形態では、オーディオデバイスは、例えば、レコードプレーヤー、ラジオ、カセットプレーヤー、CDプレーヤー、DVDプレーヤーなどのオーディオ信号ソースデバイスのいずれかを含んでもよい。特定の実施形態では、オーディオソースは、アップル・インコーポレイテッドによって商業的に販売されているオーディオデバイス、例えば、エアポートエキスプレスなどのワイヤレスネットワークデバイスを含んでもよい。エアポートエキスプレスは、ストリーミングオーディオデバイスを第2のソースのライン入力接続に提供してもよい。エアポートエキスプレスデバイスからのオーディオデータは、例えば、iTunes音楽プレーヤーなどのグラフィカルインターフェースを介して制御されてもよく、グラフィカルインターフェースは、再生デバイスまたは第2のソースのコントローラから分離され得る。第1と第2のソースは、ゾーンプレーヤー(例えば、ゾーンプレーヤー102、104、および106のいずれか)を含んでもよいことが理解される。
【0024】
リスナーは、オーディオデバイスにコマンドを出し、(例えば、ゾーンプレーヤー上のソースを手動で切り替えことなく)オーディオを再生してもよい。例えば、オーディオデバイスがエアポートエキスプレスである場合、リスナーは、例えば、iTunes音楽プレーヤーを有するエアポート対応コンピュータまたはスマートフォンを使用して、オーディオデバイスに再生のコマンドを出してもよい。第2のソースは、信号がライン入力コネクタ上で検出されたとき、ゾーンプレーヤーを自動的に切り替え、第2のソースが第2のオーディオデータストリームを介してオーディオデバイスからのオーディオを再生するように構成されてもよい。オーディオデバイスからのオーディオを再生するスイッチは、第2のソースが閾値時間の間にライン入力コネクタ上で信号を検出した後のみに、必要に応じて実行されてもよい。任意のプログラムされた時間で動作可能であるが、例えば、閾値時間は、300ミリ秒またはそれより小さい。第2のオーディオデータストリームの再生は、第1のオーディオデータストリームの再生をオーバーライドしてもよい。ゾーンプレーヤーと、第1のソースと、第2のソースとは、単一の装置のコンポーネントであってもよく、または再生デバイスは、第1のソースと第2のソースのいずれかと分離され、そして例えば、ネットワーク上で互いに通信してもよい。
【0025】
多少遅れて、未だ再生しているオーディオデバイスは、そのライン入力コネクタを介して第2のソースと接続されており、リスナーは、異なるソースから新しいオーディオデータストリームを再生することを決定してもよく、それに応答してゾーンプレーヤーと通信するコマンドを入力し、新しいオーディオデータストリームを再生してもよい。ゾーンプレーヤーは、コマンドを受信し、リスナーの所望のソースに切り替え、そして新しいオーディオデータストリームを再生する。ゾーンプレーヤーは、その後、ライン入力コネクタを有する第2のソースに指令を出し、そのオーディオデータストリームをゾーンプレーヤーに送信することを停止させる。この時点では、第2のソースは、一定の時間、そのライン入力コネクタ上で信号を検出しなくなるまで、待機する。任意のプログラムされた時間で動作可能であるが、例えば、一定の時間は、13秒又はそれより小さい。第2のソースが再度オーディオデバイスからそのライン入力コネクタ上で信号を検出した場合、第2のソースは、すぐにアームされ(またはリアームされ)、再度ゾーンプレーヤー上での再生を第2のソースからのオーディオデータストリームに自動的に切り替える準備をする。
【0026】
前述された特定の実施形態の利点は、リスナーが(例えば、オーディオデバイス上の「再生」または「停止」を押すことによって、またはオーディオデバイスと関連するグラフィカルインターフェース上の「再生」または「停止」を押すことによって)オーディオデバイスそれ自体を制御し、そしてシステムにライン入力信号を検出させ、そして、ゾーンプレーヤーを手動で切り替える必要があることをリスナーに要求することなく、ゾーンプレーヤーのソースを自動的に切り替え可能なことである。
【0027】
前述された特定の実施形態の別の利点は、ライン入力信号がまだ存在する間も、システムによって、ユーザーが異なるソースに再生デバイスを切り替え可能なことである。
【0028】
前述の特定の実施形態のさらなる別の利点は、システムがそれ自体をリアーム可能であり、システムが再度ライン入力信号を検出する場合、システムがソースをオーディオデバイスに戻すように切り替え可能なことである。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、特定のゾーンプレーヤー(例えば、ゾーンプレーヤー102、104、及び106のいずれか)は、第1のボリュームレベルに応じてオーディオデータを出力するように構成される。ゾーンプレーヤーが自動的に切り替えられ、ライン入力コネクタを有する新しいソースからのオーディオデータストリームを再生するとき、ゾーンプレーヤーのボリュームが第2のボリュームレベルに変更される。ダイナミックレンジが大きくされ、ライン入力を介して新しいソースに接続されるオーディオデバイスのボリュームコントロールに与えられるように、第2のボリュームレベルが設定される。例えば、第2のボリュームレベルは、総ボリュームの75%である。ゾーンプレーヤーが切り替えられ、ライン入力コネクタを有する新しいソースと異なるソースからオーディオストリームを再度再生するとき、ゾーンプレーヤーのボリュームは、セーフボリュームレベルに戻され、ハイレベルのオーディオがリスナーに対して再生されない。例えば、セーフボリュームレベルは、総ボリュームの25%である。
【0030】
本明細書に記載された技術は、アプリケーションのその場所に限定されないことが理解される。例えば、ゾーンとゾーンプレーヤー、本明細書に記載された実施形態は、車、水上オートバイ、飛行機、円形劇場、屋外、村または都市の街路に沿ってなどに加えて、家庭、オフィス、ジム、学校、病院、ホテル、映画館、ショッピングモール、店、カジノ、美術館、テーマパーク、またはオーディオコンテンツが再生される任意の他の場所などに使用されてもよい。このように、当然のことながら、本明細書に記載された実施形態は、マルチチャンネルペアリングが望まれる任意のシステムまたはアプリケーションに関連して使用されてもよい。
III.再生デバイスの例
【0031】
図2Aを参照すると、実施形態に係るゾーンプレーヤー200の例示的な機能ブロック図が示されている。ゾーンプレーヤー200は、ネットワークインターフェース202、プロセッサ204、メモリ206、オーディオ処理回路210、モジュール212を含みさらに、任意で、内蔵または外付けのオーディオアンプ214、およびオーディオアンプ214と接続される任意のスピーカーユニット218を含む。ネットワークインターフェース202は、データネットワーク(即ち、図1のデータネットワーク108)とゾーンプレーヤー200との間のデータフローを可能にし、特別のルール(即ち、プロトコル)を一般的に実行し、データを相互に通信する。インターネットで使用される一般的なプロトコルの一つは、TCP/IP(伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル)である。一般的に、ネットワークインターフェース202は、オーディオソースまたはファイルをより小さいパケットへの圧縮を管理し、そのパケットはデータネットワーク上で送信され、または受信したパケットを元のソースまたはファイルに展開する。さらに、ネットワークインターフェース202は、各パケットのアドレス部を扱い、各パケットが正しい宛先に到達する、またはゾーンプレーヤー200に向かうパケットを傍受する。したがって、特定の実施形態では、パケットのそれぞれは、IPベースのソースアドレスだけでなくIPベースの宛先アドレスも含む。
【0032】
ネットワークインターフェース202は、無線インターフェース216と有線インターフェース217の一方または両方を含んでもよい。無線インターフェース216は、RFインターフェースとも呼ばれ、ゾーンプレーヤー200の無線手段によってネットワークインターフェース機能を提供し、通信プロトコル(例えば、無線規格IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、または802.15.1)に応じて他のデバイスと通信する。有線インターフェース217は、有線手段(例えば、イーサネット(登録商標)ケーブル)によってネットワークインターフェース機能を提供する。一実施形態では、ゾーンプレーヤーは、インターフェース216と217の両方を含み、他のゾーンプレーヤーは、RFまたは有線インターフェースのみを含む。したがって、これらの他のゾーンプレーヤーは、ネットワーク上の他のデバイスと通信する、またはゾーンプレーヤーを介してオーディオソースを読み出す。プロセッサ204は、ゾーンプレーヤー200で他の部品の動作を制御するように設定されている。メモリ206は、プロセッサ204によって実行可能な1つ以上のソフトウェアモジュールをロードし、所望のタスクを達成することができる。一実施形態によれば、例えば、本明細書に記載される実施形態に実装されるソフトウェアモジュールが実行されると、プロセッサ204は、ユーザーによって創られたゾーングループを特徴付ける保存されたゾーングループ構成を参照してソフトウェアモジュールに応じて動作し、ゾーンプレーヤー200がネットワーク上の別のゾーンプレーヤーまたはデバイスからオーディオソースを読み出し、ゾーングループ内のプレーヤーを同期させ、要望通りにオーディオソースを再生する。別の実施形態によれば、本明細書に記載される実施形態を実施するソフトウェアモジュールは、2つ以上のゾーンプレーヤーとの間でペアを創り、所望のマルチチャンネルオーディオ環境を創る。
【0033】
別の実施形態によれば、本明細書に記載される1つ以上の実施形態を実施するソフトウェアは、自動化されたソース切り替えを可能にする。例えば、プロセッサ204は、ソフトウェアモジュールに応じて動作し、オーディオ信号がライン入力コネクタ220に存在すると決定し、それに応答してゾーンプレーヤーのソースまたは再生デバイスをオーディオデバイスに切り替えることができる。プロセッサ204は、ソフトウェアモジュールに応じて、オーディオ信号がライン入力コネクタ220に存在する場合でも、指令を受信し、さらにオーディオデバイスからのオーディオデータの再生を停止してもよい。プロセッサ204は、ソフトウェアモジュールに応じて、オーディオ信号がライン入力コネクタ220にもはや存在しないことを決定し、それに応答してリアームし、その後の前記オーディオ信号の存在がソースをオーディオデバイスに切り替えてもよい。
【0034】
ライン入力接続220は、ジャックプラグまたは他のオーディオコネクタのソケットを含むことができ、オーディオ処理回路210に接続されてもよい。特定の実施形態では、ライン入力接続220は、0.25インチのプラグ、3.5mmのプラグ、及び2.5
mmのプラグのいずれかのソケットを含む。例えば、セットアップは、エアポートエキスプレスの3.5mmのステレオミニジャック接続とゾーンプレーヤー200の3.5mm接続(例えば、ライン入力接続220)とを接続することを含んでもよい。
【0035】
一実施形態によれば、メモリ206は、1つ以上の保存されたゾーン構成ファイルを保存するように使用され、いつでも読み出して、変更することができる。一般的に、保存されたゾーングループ構成ファイルは、ユーザーが制御デバイスを操作するとき、コントローラ(例えば、図1の制御デバイス140または142、コンピュータ、ポータブルデバイス、またはテレビ)に送信される。ゾーングループ構成は、対話型ユーザーインターフェースを提供し、ゾーンプレーヤーの様々な操作または制御が実行され得る。
【0036】
特定の実施形態では、オーディオ処理回路210は、オーディオ再生デバイスの回路のようなものであり、1つ以上のアナログ−デジタル変換器(ADC)、1つ以上のデジタル−アナログ変換器(DAC)、オーディオ前処理部、オーディオ強化部またはデジタル信号プロセッサなどを含む。動作中、オーディオソースがネットワークインターフェース202を介して読み出され、オーディオ処理回路210で処理され、アナログオーディオ信号を生成する。処理されたアナログオーディオ信号は、次にオーディオアンプ214に送信され、スピーカーで再生される。さらに、オーディオ処理回路210は、デジタル信号を生成するための入力としてアナログ信号を処理するのに必要な回路を含み、ネットワーク上の他のデバイスと共有してもよい。
【0037】
正確な実装次第で、モジュール212は、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせとして実行されてもよい。一実施形態では、モジュール212は、シーンを保存するために使用される。オーディオアンプ214は、提供されたアナログオーディオ信号に電力を供給する一般的なアナログ回路であって、1つ以上のスピーカーを駆動する。
【0038】
ゾーンプレーヤー200は、再生デバイスの一例であることが理解される。例えば、再生デバイスは、カリフォルニア州のサンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドによって商業的に販売される、それらのゾーンプレーヤーが含まれる。それらは現在、ゾーンプレーヤー90、ゾーンプレーヤー120、およびソノズS5を含む。ゾーンプレーヤー90は、アンプを内蔵しないゾーンプレーヤーの例であり、一方、ゾーンプレーヤー120は、アンプを内蔵するゾーンプレーヤーの例である。S5は、アンプとスピーカーを内蔵するゾーンプレーヤーの例である。特に、S5は、2つのツイーター、2つのミッドレンジドライバ、および1つのサブウーファーを含む5つの駆動スピーカーシステムである。S5を介してオーディオコンテンツを再生する場合、トラックの左のオーディオデータは、左のツイーターと左のミッドレンジドライバから送信され、トラックの右のオーディオデータは、右ツイーターと右ミッドレンジドライバから送信され、そしてモノラルバスは、サブウーファーから送信される。さらに、両方のミッドレンジドライバと両方のツイーターは、同じイコライゼーション(または実質的に同一のイコライゼーション)を有する。即ち、それらは両方の、オーディオの異なるチャンネルからのみ、同じ周波数で送信される。S5は、スピーカーを備えるゾーンプレーヤーの例であるが、スピーカーを備えるゾーンプレーヤーは、特定の数のスピーカー(例えば、S5のように5つのスピーカー)を備えるものに限定されるものではなく、むしろ1つ以上のスピーカーを含むことができることが理解される。さらに、ゾーンプレーヤーは、オーディオとは異なる主目的を果たすこともできる、別のデバイスの部分であってもよい。
IV.コントローラの例
【0039】
図2Bを参照して、コントローラ240の例を示し、それは図1の制御デバイス140または142に対応し得る。コントローラ240は、マルチメディアアプリケーション、自動化、および複雑な他のものなどの制御を可能にするために使用することができる。特に、コントローラ240は、ネットワーク上で入手可能な複数のオーディオソースを選択すること、図2Aの無線インターフェース216に対応するRFインターフェースを通して1つ以上のゾーンプレーヤー(例えば、ゾーンプレーヤー200)の動作を制御することを可能にするように構成される。一実施形態によれば、無線手段は、工業規格(例えば、赤外線、無線通信、無線規格IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、または802.15.1)に基づいている。特定のオーディオソースがゾーンプレーヤー200で再生される場合、もしあれば、オーディオソースに関連するイメージがゾーンプレーヤー200からコントローラ240のディスプレイに送信されてもよい。一実施形態では、コントローラ240は、グループ内のゾーンプレーヤーをグルーピングすることによって1つ以上のゾーンプレーヤーのオーディオの再生を同期するように使用される。別の実施形態では、コントローラ240は、ゾーングループ内のそれぞれのゾーンプレーヤーのボリュームを個別にまたは一緒に制御するように使用される。
【0040】
一実施形態では、コントローラ240は、2つ以上の再生デバイスとの間でペアリングを創るために使用され、マルチチャンネルリスニング環境を創る、または強化する。例えば、コントローラ240は、2つ以上の再生デバイスを選択し、ペアにするように使用されてもよい。さらに、コントローラ240は、ペアリングをオンまたはオフするように使用されてもよい。コントローラ240は、再生デバイスを統合し、さらに特定の再生デバイスを統合モードに設定するために使用されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、コントローラ240は、動的なマルチチャンネルオーディオ環境を構成するためのフレキシブルなメカニズムを提供する。いくつかの例では、ペアリングは、マルチチャンネルリスニング環境を創る。いくつかの例では、ペアリングは、デバイス間の距離を大きくすることによってマルチチャンネルリスニング環境を向上させる。例えば、互いに距離を置いて配置されている2つの個々の再生デバイスは、単一のデバイスからのオーディオよりもリスナーに複数のチャンネルの分離を提供することができる。
【0041】
コントローラ240のユーザーインターフェースは、スクリーン242(例えば、液晶ディスプレイ画面)と、次のような機能ボタンのセット:「ゾーン」ボタン244、「戻る」ボタン246、「音楽」ボタン248、スクロールホイール250、「ok」ボタン252、トランスポートコントロールボタン254のセット、ミュートボタン256、ボリュームアップ/ダウンボタン264、スクリーン242に表示されたラベル268に対応するソフトボタン266のセットを含む。
【0042】
スクリーン242は、ユーザーの選択に応じて、様々な画面メニューを表示する。一実施形態では、「ゾーン」ボタン244は、以下でより詳細に説明されているゾーン管理画面、即ち「ゾーンメニュー」をアクティブにする。「戻る」ボタン246は、現在の画面に応じて異なる動作を行わせてもよい。一実施形態では、「戻る」ボタンは、現在の画面表示をトリガーし、前の画面に戻る。別の実施形態では、「戻る」ボタンは、ユーザーの誤選択を否定する。「音楽」ボタン248は、音楽メニューをアクティブにし、オーディオソース(例えば、曲)の選択を、ゾーンプレーヤーで再生する音楽キューに追加可能にする。
【0043】
スクロールホイール250は、スクリーン242上に常に表示されているリスト内の項目を選択するために使用される。リストの項目が多すぎて、1つの画面表示に収まらない場合、スクロールバーまたはスクロール矢印などのスクロールインジケータがリストの横に表示される。スクロールインジケータが表示される場合、ユーザーは、スクロールホイール250を回し、表示された項目を選択するか、それともリスト内の隠れた項目を表示してもよい。「OK」ボタン252は、スクリーン242上のユーザー選択を確認するために使用される。
【0044】
現在の再生している曲のエフェクトを制御するために使用される3つのトランスポートボタン254がある。例えば、トランスポートボタンの機能は、曲の再生/一時停止、早送り/巻き戻し、次の曲のトラックに進む、または前のトラックに戻ることを含む。一実施形態によれば、ミュートボタン262またはボリュームアップ/ダウンボタン264などのボリューム制御ボタンの1つを押すことは、ボリュームパネルをアクティブにする。さらに、スクリーン242上のラベル268に応じてアクティブにされ得る3つのソフトボタン266がある。マルチゾーンシステムにおいて、1つ以上のゾーンプレーヤーでそれぞれ再生される複数のオーディオソースがあってもよいことが理解される。本明細書で記載される音楽トランスポート機能は、ゾーンプレーヤーまたはゾーングループの1つに対応するものが選択された場合、ソースの1つを選択して適用される。
【0045】
図2Cは、図1の制御デバイス140または142に対応し得るコントローラ260の例を示す。コントローラ260は、ユーザーがコントローラと対話できるタッチスクリーンを備えており、例えば、多くの項目のプレイリストをナビゲートし、1つまたは複数のプレーヤーの動作を制御する。図10Aから図10Fにさらに示されるような一実施形態では、ユーザーが、コントローラと対話し、例えば、ステレオペアを創るなどのマルチチャンネルオーディオ環境を作り、そしてステレオペアを外すなどのマルチチャンネルオーディオ環境を分けるように使用してもよい。iPhone(登録商標)、iPad(登録商標)、任意の他のスマートフォンまたはネットワーク対応デバイスなどの他のネットワーク対応の携帯デバイスが、環境において複数のゾーンプレーヤーと対話するため、または制御するためのコントローラとして使用されてもよい(例えば、PCまたはMacなどのネットワークコンピュータがコントローラとして使用されてもよい)。一実施形態によれば、アプリケーションがネットワーク対応デバイスにダウンロードされてもよい。そのようなアプリケーションは、デバイス内のナビゲーションメカニズムまたはタッチスクリーンを使用してコントローラ240に前述した機能のほとんどを実装することができる。当業者には、アプリケーションの柔軟性と本明細書の詳細な説明を前提とする特定のポータブルデバイスの新しいタイプに移植できることを理解する。
【0046】
図2Dは、図2Bのコントローラ240、コンピュータデバイス、スマートフォン、または任意の他の通信デバイスに対応し得るコントローラ270の例の内部機能ブロック図を示す。コントローラ270のスクリーン272は、液晶ディスプレイ画面であってもよい。スクリーン272は、マイクロコントローラ(例えば、プロセッサ)276によって制御されるスクリーンドライバ274と通信し、コマンドが出される。メモリ282は、ユーザーインターフェース278を介してのユーザーの入力の有無にかかわらず、マイクロコントローラ276によって実行可能な1つ以上のアプリケーションモジュール284をロードし、所望のタスクを達成してもよい。一実施形態では、アプリケーションモジュールは、選択されたゾーンプレーヤーをゾーングループにグルーピングすることと、1つのオーディオソースに対してゾーンプレーヤーを同期することとを可能にするように構成される。別の実施形態では、アプリケーションモジュールは、ゾーングループのゾーンプレーヤーのオーディオソース(例えば、ボリューム)を一緒に制御するように構成されている。動作中、マイクロコントローラ276がアプリケーションモジュール284のうちの1つまたは複数を実行する場合、スクリーンドライバ274は、結果的に制御信号を生成し、スクリーン272を駆動し、アプリケーションの特有のユーザーインターフェースを表示するものであって、それは以下により多く説明されている。
【0047】
コントローラ270は、その対応するRFインターフェースを介してゾーンプレーヤーと無線通信することを可能にするRFインターフェース280と呼ばれるネットワークインターフェース280を含む。一実施形態では、例えば、ボリュームコントロールまたはオーディオの再生の同期などのコマンドは、RFインターフェースを介して送られる。別の実施形態では、保存されたゾーングループの構成は、RFインターフェースを介してゾーンプレーヤーとコントローラとの間で送信される。コントローラ270は、1つ以上のゾーンプレーヤー、例えば、図1の102、104、及び106などを制御してもよい。それにもかかわらず、そこにそれぞれの好ましいゾーン(例えば、部屋または互いに近い部屋)に複数のコントローラがあってもよく、ゾーンプレーヤーのいずれか1つとすべてを制御するように構成されていてもよい。
【0048】
一実施形態では、ユーザーは、ゾーンプレーヤーの1つに信号またはデータを送信するコントローラ240から、少なくとも2つのゾーンプレーヤーを含むゾーングループを創る。すべてのゾーンプレーヤーがネットワーク上で接続される場合、1つのゾーンプレーヤーで受信した信号は、グループ内の他のゾーンプレーヤーを同期させ、タイムリーな同期の方法でグループ内のすべてのゾーンプレーヤーが同一のオーディオソースまたは同一のオーディオソースのリストを再生し、音ずれまたは音飛びが聞こえない(またはほぼ聞こえない)。同様に、ユーザーがコントローラからオーディオボリュームを大きくした場合、グループのオーディオボリュームを大きくする信号またはデータは、ゾーンプレーヤーの1つに送信され、グループ内の他のゾーンプレーヤーを一緒に同じくらいのボリュームに大きくする。
【0049】
一実施例によれば、アプリケーションモジュールがメモリ282にロードされ、ゾーングループの管理を行う。所定のキー(例えば、「ゾーン」ボタン244)がコントローラ240上でアクティブにされた場合、アプリケーションモジュールがマイクロコントローラ276において実行される。マイクロコントローラ272に接続され、制御される入力インターフェース278は、ユーザーからの入力を受信する。「ゾーンメニュー」は、スクリーン272上に表示される。ユーザーは、「リンクゾーン」または「追加ゾーン」ソフトボタンをアクティブにすることによってゾーンプレーヤーをゾーングループにグルーピングすること、もしくは「リンク解除ゾーン」または「ドロップゾーン」ボタンをアクティブにすることによってゾーングループを非グルーピングすることを開始してもよい。ゾーングループの操作の詳細は、さらに以下に説明される。
【0050】
前述したように、入力インターフェース278は、複数の機能ボタンだけでなくスクリーングラフィカルユーザーインターフェースを含む。図2Bのコントローラ240は、実施形態を実施し得る制御デバイスだけではないことが指摘されるべきである。同等の制御機能を提供する他のデバイス(例えば、コンピュータデバイス、ハンドヘルドデバイス)が本発明を実施するように構成されてもよい。上記説明では、他に特に記載のない限り、キーまたはボタンは、通常、物理的ボタンまたはソフトボタンと称されることは明白であり、ユーザーがコマンドまたはデータを入力できる。
【0051】
音楽再生のために一緒に「接続している」ゾーンプレーヤーの1つのメカニズムは、複数のゾーンプレーヤーを一緒にリンクし、グループを形成することである。複数のゾーンプレーヤーを一緒にリンクするために、ユーザーは、それぞれのゾーンプレーヤーまたは部屋を互いに手動でリンクしてもよい。例えば、以下のゾーンを含むマルチゾーンシステムがある。
浴室
寝室
書斎
ダイニングルーム
ファミリールーム
玄関
【0052】
ユーザーが現在のメカニズムを使用する6つのうち5つのゾーンプレーヤーをリンクしたい場合、ユーザーは、単一のゾーンで開始し、その後、手動でそのゾーンに各ゾーンをリンクしてもよい。このメカニズムは、かなりの時間がかかる場合があり得る。一実施形態によれば、ゾーンのセットがコマンドを使用して一緒に動的にリンクすることができる。テーマまたはゾーンシーンとして本明細書で呼ばれるものを使用して、ゾーンは、特定のシーン(例えば、モーニング、アフタヌーン、または庭)に構成することができ、所定のゾーングルーピングとグルーピングのための属性の設定が自動的に達成される。
【0053】
例えば、「モーニング」ゾーンシーン/構成コマンドは、1つの動作で寝室、書斎及びダイニングルームを一緒にリンクする。このシングルコマンドがない場合、ユーザーは、手動で個別に各ゾーンをリンクさせる必要がある。図3Aは、1つのゾーンシーンの例を提供しており、左の列は、ゾーングルーピングの開始−すべてのゾーンが分かれているのを示し、右の列は、ゾーンのグルーピングの結果を示し、「モーニング」にちなんで名づけられた3つのゾーンのグループを作っている。
【0054】
さらにこのアイディアを拡大し、ゾーンシーンは、リンクされたゾーンの複数のセットを創るように設定することができる。例えば、シーンは、3つの別々のゾーンのグループを創り、階下のゾーンは一緒にリンクされ、上階のゾーンはそれら自身のグループ内で一緒にリンクされ、外側のゾーン(この場合、パティオ)はそれ自身のグループの中に移動する。
【0055】
図3に示されるような一実施形態では、ユーザーは、同時に集められる複数のグループを定義する。例えば、「イブニングシーン」は、以下のゾーンをリンクするように望まれる。
−グループ1
○寝室
○書斎
○ダイニングルーム
−グループ2
○ガレージ
○庭
ここで、浴室、ファミリールーム、および玄関は、ゾーンシーンが呼び出される前に、それらがグループの一部であるならば、いずれのグループからも分けられるべきである。
【0056】
特定の実施形態の特徴は、そのゾーンがゾーンシーンを呼び出す前に分けられる必要がないことである。一実施形態では、呼び出された場合、コマンドが提供され、1つのステップですべてのゾーンとリンクする。コマンドは、ゾーンシーンの形式である。適切なゾーンにリンクした後、ゾーンシーンコマンドは、以下の属性を適用できる。
各ゾーンにおけるボリュームレベルを設定する(各ゾーンは異なるボリュームを有する)
ゾーンをミュートする/ミュート解除する
ゾーン内の特定の音楽を選択して再生する
音楽の再生モードを設定する(シャッフル、リピート、シャッフル―リピート)
各ゾーンの音楽再生イコライゼーションを設定する(例えば、低音高音)
【0057】
本実施形態のさらなる拡張は、アラーム時計機能としてゾーンシーンコマンドをトリガーすることである。例えば、ゾーンシーンが午前8:00に適用されるように設定される。それは、自動的に適切なゾーンにリンクし、特定の音楽を再生し、所定の期間経過後に停止するように設定することができる。単一のゾーンがアラームに割り当てられてもよいが、アラーム時計としてのシーン設定は、同期されたアラームを提供し、シーン内のリンクされたいくつかのゾーンが予め定められたオーディオ(例えば、好きな曲、予め定義されたプレイリスト)を特定の時間または特定の期間再生することを可能にする。何らかの理由で、スケジュールされた音楽を再生することに失敗した場合(例えば、空のプレイリスト、共有への接続なし、UPnPの失敗、インターネットラジオステーションのインターネット接続なし)、バックアップブザーが鳴る。このブザーは、ゾーンプレーヤーに保存されているサウンドファイルである。
【0058】
図4は、図1のコントローラ142またはコンピュータ110に表示され得るユーザーインターフェース400の例を示す。インターフェース400は、ユーザーによって設定可能な項目のリストを表示し、特定の時間にシーンを機能させる。図4に示される実施形態において、項目のリストは、「アラーム」、「時間」、「ゾーン」、「音楽」、「頻度」、および「アラームの長さ」を含む。「アラーム」は、オンまたはオフが設定できる。「アラーム」がオンに設定されている場合、「時間」は、アラームをオフに設定するための特定の時間である。「ゾーン」は、ゾーンプレーヤーが特定の時間に指定されたオーディオを再生するように設定されていることを表示する。「音楽」は、特定の時間になったときに何が再生されているのかを表示する。「頻度」は、ユーザーがアラームの頻度を定義することを可能にする。「アラームの長さ」は、どれくらい長くオーディオが再生されるかを定義する。ユーザーインターフェース400は、アラームの設定に関連する機能のいくつかを示すために本明細書に提供されることに留意されるべきである。正確な実装次第で、例えば、表示のためのタイムゾーン、夏時間調整、時間同期、および時間/日付形式などの他の機能も提供されてもよい。
【0059】
一実施形態では、シーン内の各ゾーンは、異なるアラームのために設定されてもよい。例えば、「モーニング」シーンは、3つのゾーンプレーヤーが、それぞれ寝室、書斎、ダイニングルームにある。シーンを選択した後、ユーザーは、全体としてシーンのためのアラームを設定してもよい。結果として、ゾーンプレーヤーのそれぞれが特定の時間にアクティブにされる。
【0060】
図5Aは、ユーザーがシーンを形成することを可能にするユーザーインターフェース500を示す。左のパネルは、家庭で使用できるゾーンを示す。右のパネルは、選択され、このシーンの一部としてグループ化されたゾーンを示す。ユーザーインターフェースの正確な実装次第で、追加/削除ボタンがパネル間でゾーンを移動させるように提供されてもよく、またはゾーンがパネルに沿ってドラッグされてもよい。
【0061】
図5Bは、ユーザーがシーンを形成することを可能にする別のユーザーインターフェース520を示す。ユーザーインターフェース520は、コントローラまたはコンピュータデバイスに表示し、システム内の利用可能なゾーンを示すことができる。チェックボックスは、ゾーンのそれぞれの隣に提供されており、ユーザーがシーンに関連するゾーンをチェックすることができる。
【0062】
図5Cは、ユーザーが個別にまたは一括して、ゾーンシーン内のゾーンプレーヤーのボリュームレベルを調整できるユーザーインターフェース510を示している。ユーザーインターフェース510に示されるように、「ボリューム...」ボタン(スライダー、他の可能な形態で示される)は、ゾーンシーンが呼び出された場合、ユーザーが関連するゾーンプレーヤーのボリュームに影響を与えることができる。一実施形態では、シーンが呼び出された場合、ゾーンプレーヤーは、それらが現在有しているボリュームがなんであろうと維持するように設定することができる。さらに、ユーザーは、シーンが呼び出されたときにボリュームをミュート解除するか、またはミュートするかどうかを決定することができる。
V.プレーヤーテーマまたはゾーンシーンの例の提供
【0063】
図6は、複数のプレーヤーのためのプレーヤーテーマまたはゾーンシーンを提供するフローチャートまたはプロセス600を示し、ここで1つ以上のプレーヤーは、ゾーン内に配置されている。プロセス600は、本発明の一実施形態に従って示されており、図2Cのメモリ282にロケートされるモジュールで実行されてもよい。
【0064】
プロセス600は、ユーザーが602でゾーンシーンを続行することを決定したときに開始される。プロセス600は、次に、ユーザーがどのゾーンプレーヤーをシーンに関連付けるかを決定することができる604に移動する。例えば、家庭で10個のプレーヤーがあり、そしてシーンが「モーニング」と名付けられる。ユーザーは、シーンに関連付けられる10個のプレーヤーのうち4個を選択するインターフェースを与えられてもよい。606では、シーンが保存される。シーンは、シーンにおけるメンバーのいずれかに保存することができる。図1の例において、シーンは、ゾーンプレーヤーの1つに保存されてもよく、コントローラ142に表示されてもよい。動作中、シーンに関連するデータのセットは、複数のパラメータを含む。一実施形態では、パラメータは、限定されるものではないが、関連付けられたプレーヤーとプレイリストの識別子(例えば、IPアドレス)を含む。パラメータは、シーンにおいて関連付けられたボリューム/トーン設定を含んでもよい。ユーザーは、602に戻って、好みで別のシーンを構成してもよい。
【0065】
保存したシーンを考えると、610で、ユーザーは、いつでもシーンをアクティブにすること、またはタイマーを設定し、シーンをアクティブにすることができる。プロセス600は、保存されたシーンが610でアクティブにされた場合に継続することができる。612で、保存されたシーンをアクティブにする際に、プロセス600は、シーンに関連付けられたプレーヤーのステータスをチェックする。プレーヤーのステータスは、プレーヤーのそれぞれが同期された方法において、反応する状態でなければならないことを意味する。一実施形態では、プレーヤーの相互接続は、シーン内にそのようなコントローラプレーヤーがある場合、プレーヤーがそれら自体の間でおよび/またはコントローラに通信することを必ず確認するようにチェックされる。
【0066】
シーンに関連付けられているすべてのプレーヤーが良い状態であると仮定する。614で、コマンドが、パラメータ(例えば、関連するプレイリストおよびボリューム)とともに実行される。一実施形態では、パラメータを含むデータは、メンバー(例えば、コントローラ)からシーンにおける他のメンバーに送信され、プレーヤーがシーンにおいて構成された動作と同期させられる。動作は、すべてのプレーヤーが同一または異なるボリュームで曲を再生させること、または予め保存されたファイルを再生させることを可能にする。
VI.マルチチャンネル環境の例
【0067】
図7は、例示の実施形態に係るオーディオソースが2つのプレーヤー702と704で再生される構成の例を示す。これらの2つのプレーヤー702と704は、1つの場所(例えば、ホール、部屋、または近くの部屋)とその周辺に配置されてもよいし、それぞれ2つのサウンドトラックを再生するように指定されてもよい。例えば、オーディオソースは、左と右のサウンドチャンネルまたはトラック(例えば、ステレオサウンド)を有していてもよい。プレーヤー702と704をグルーピングしてオーディオソースを一緒に同期して再生する代わりに、それぞれのプレーヤー702と704がほぼ同時に同じオーディオコンテンツを再生する場合、プレーヤー702と704は、ペアにされ、同期してオーディオソースの異なるサウンドを再生することができる。ペアリングの結果、ステレオサウンドエフェクトは、例えば、1つのプレーヤーまたはプレーヤーなしに対して、2つのプレーヤー702と704を介してシミュレートされ得る、または強化され得る。
【0068】
特定の実施形態では、プレーヤー702と704のそれぞれのプレーヤーは、図2Aなどに示される、ネットワークインターフェース、1つ以上のスピーカードライバ(例えば、プレーヤーがペアリングなしのステレオモードで再生できる場合など、いくつかの例における2つ以上のスピーカー)、アンプ、およびプロセッサを含む。ネットワークインターフェースは、ネットワーク上のオーディオデータを受信する。1つ以上のアンプは、スピーカードライバに電力を供給する。プロセッサは、オーディオソースがスピーカードライバを通して出力されるように処理する。プロセッサは、第1のタイプのペアリングに応じてスピーカードライバからの出力の第1のイコライゼーションを構成し、さらに第2のタイプのペアリングに応じてスピーカードライバからの出力の第2のイコライゼーションを構成してもよい。
【0069】
一実施形態では、2つのプレーヤー702と704は、互いに独立した複数のオーディオチャンネルを出力するように構成される。例えば、それぞれのプレーヤー702と704は、互いに独立したステレオでオーディオコンテンツを出力するように構成されてもよい。ペアリングの後で、1つの再生デバイス(例えば、プレーヤー702)は、複数のオーディオチャンネルの第1のサブセットを出力するように構成され、他の再生デバイス(例えば、プレーヤー704)は、複数のオーディオチャンネルの第2のサブセットを出力するように構成される。第1と第2のサブセットは、互いに異なる。この例において、プレーヤー702と704のペアリングの後、プレーヤー702は、右チャンネルを再生し、プレーヤー704は、左チャンネルを再生できる。別の例では、プレーヤー702は、右チャンネルに加えてセンターチャンネルを再生でき(例えば、テレビまたはシアターモード)、プレーヤー704は、左チャンネルに加えてセンターチャンネルを再生することができる。さらに後の例では、第1と第2のサブセットは、プレーヤー702がチャンネル右+センターを再生し、プレーヤー704がチャンネル左+センターを再生している点で異なる。さらに別の実施形態では、ペアリングの後、プレーヤー702は、特定のバス周波数を除いてすべてのチャンネルを再生してもよく、プレーヤー704を介して再生し、それによって、プレーヤー704をサブウーファーとして使用してもよい。
【0070】
別の実施形態では、3つ以上の再生デバイス(例えば、プレーヤー702、704および1つ以上の別のプレーヤー)のコレクションは、コレクションにおける別の再生デバイスの独立した複数のオーディオチャンネルを出力するようにそれぞれ構成される。ペアリングの後、再生デバイスのそれぞれは、コレクションから、通常、異なるオーディオチャンネルを出力するように構成される。この実施形態は、テレビまたは映画館の設定において特に有用であり、複数の再生デバイスのうち特定の再生デバイスが一度に(例えば、曲を再生しているとき)2つのチャンネルまたはステレオモードで出力されるように構成され、そしてペアリングの後、フロント右チャンネル、フロントセンターチャンネル、フロント左チャンネル、リア右チャンネル、リア左チャンネルなど(例えば、映画またはテレビを見ているとき)として、出力するように構成されている。
【0071】
別の実施形態では、ペアになった再生デバイスの1つ(例えば、プレーヤー702またはプレーヤー704)は、オーディオ項目のデータを処理し、例えば、データをチャンネルに実質的に分け、チャンネルのそれぞれが単一のサウンドトラックを表し、そして再生デバイスのうち1つで再生され、次にマルチチャンネルリスニング環境を創る、または強化する。別の実施形態では、両方の再生デバイス(例えば、プレーヤー702と704)は、オーディオ項目のデータを受信および処理してもよく、各再生デバイスは、それぞれのプレーヤーに指定されたオーディオコンテンツのみを出力してもよい。例えば、プレーヤー702は、左チャンネルのみを再生するが、左と右の両方のチャンネルオーディオを受信してもよく、一方でプレーヤー704は、右のチャンネルのみを再生するが、左と右のチャンネルオーディオを受信してもよい。
【0072】
別の実施形態では、2つ以上の再生デバイス(例えば、プレーヤー702または704)は、単一のまたは統合された再生デバイスにグループ化される、そして統合された再生デバイス(例えば、統合されたプレーヤー702+704)は、1つ以上の再生デバイスとペアにされてもよい。例えば、2つの再生デバイスは、第1の統合再生デバイスにグループ化されてもよく、そして2つの別の再生デバイスは、第2の統合再生デバイスにグループ化されてもよい。次に、第1と第2の統合再生デバイスは、ペアにされ、マルチチャンネルリスニング環境を創ってもよく、または強化してもよい。
【0073】
特定の実施形態では、再生デバイス(プレーヤー702または704のどちらか)は、オーディオチャンネルを出力するよう構成され、1つ以上の別の再生デバイスとペアになって、再生デバイスが以前に構成したものと異なるオーディオチャンネルを出力するように構成される。例えば、再生デバイスは、1つ以上の別の再生デバイスとペアになった後であっても、ステレオモードで右チャンネルを出力するように設定されてもよく、シアターモードでリア、右チャンネルを出力するように構成されてもよい。再生デバイスは、1つ以上の他の再生デバイスとペアになってもよい。
【0074】
特定の実施形態では、再生デバイス(例えば、プレーヤー702または704のどちらか)は、複数のオーディオチャンネルを出力するよう構成され、1つ以上の別の再生デバイスとペアになって、再生デバイスが1つ以上の別の再生デバイスに関連する複数のオーディオチャンネルのサブセットを出力するよう構成される。例えば、再生デバイスは、2つのチャンネルまたはステレオモードで出力されるように構成されてもよいが、ペアになった後の1つ以上の別の再生デバイスが右または左のチャンネルを出力するように構成されてもよい。再生デバイスは、1つ以上の他の再生デバイスとペアになってもよい。
【0075】
特定の実施形態によれば、2つ以上の再生デバイスのペアリングの動作は、制御インターフェースを介するユーザーからのコマンド(例えば、手動のコマンド)に基づいて、またはイベント(例えば、自動のコマンド)に応答してトリガーされる。例えば、コントローラを使用して、ユーザーは、2つ以上の再生デバイスとの間でペアリングを創る、または2つ以上の再生デバイスとの間でペアリングを解除することができる。別の例では、ペアリングは、オーディオコンテンツそれ自体によって、ソースデバイスから受信された信号によって、またはいくつかの他の所定のイベントによって、トリガーされ、例えば、イベントがコントローラまたは再生デバイスによって検知されたときにペアリングが生じてもよい。さらに、別のデバイスが、イベントを検出し、そしてペアリング信号をコントローラおよび/または再生デバイスに提供するようにプログラムされてもよい。
【0076】
さらに、ノーペアリング(ペアになっていないまたは非ペア)構成からペアリングの構成へ、または1つの種類のペアリング(例えば、ステレオモードまたはシアターモードのタイプで使用されるペアリング)から異なる種類のペアリング(例えば、ステレオモードまたはシアターモードのタイプで使用される別のペアリング)へ移行することは、特定の実施形態によって生じ得るすべての様々なタイプの「ペアリング」であることは、理解される。さらに、複数の再生デバイスとの間でペアリングを解除することは、例えば、ペアリングからノーペアリングへ、または最初の種類のペアリングから前の種類のペアリングに戻ることであってもよい。
【0077】
第1の例では、第1のタイプのペアリングは、別の再生デバイスとの「ノーペアリング」を含んでいてもよく、第2のタイプのペアリングは、1つ以上の別の再生デバイスとのペアリングを含んでいてもよい。第2の例では、第1のタイプのペアリングは、第2の再生デバイスとのペアリングを含んでいてもよく、第2のタイプのペアリングは、複数の再生デバイスとのペアリングを含んでいてもよい。第3の例では、第1のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介して2つのチャンネルサウンドを再現することを含んでもよく、第2のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介して2つのチャンネルサウンドのうち1つしか再現しないことを備える。第4の例では、第1のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介して第1のオーディオチャンネルを再現することを備えてもよく、第2のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介して第2のオーディオチャンネルを再現することを含んでもよい。第5の例では、第1のタイプのペアリングは、ステレオモードでスピーカードライバを介してオーディオコンテンツを再現することを含んでもよく、第2のタイプのペアリングは、シアターモードでスピーカードライバを介してオーディオコンテンツを再現することを含んでもよい。第6の例では、統合モードの場合において、第1のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介してオーディオコンテンツを再現することを含んでいてもよく、第2のタイプのペアリングは、スピーカードライバを介してオーディオコンテンツを再現することを備えてもよい。様々な変更または修正が本明細書に記載された技術の一部または全ての利点の実現と共に先ほど上述した実施例に対してなされ得ることが理解される。
【0078】
特定の実施形態によれば、再生デバイスの構成は、1つ以上の特定のスピーカードライバのイコライゼーションを変更することによって再生デバイスのイコライゼーションを変更すること、ペアとなったデバイスとの間での同期を最適化することのいずれかを含む。再生デバイスのイコライゼーションを変更することは、1つ以上の特定のスピーカードライバのオンまたはオフ(または効果的なミューティング)を切り替えること、1つ以上のスピーカードライバのチャンネル出力を変更すること、1つ以上の特定のスピーカードライバの周波数応答を変更すること、任意の特定のスピーカードライバのアンプゲインを変更すること、全体として再生デバイスのアンプゲインを変更すること、のいずれかを含んでもよい。
【0079】
特定の実施形態では、再生デバイスのイコライゼーションを変更すること(例えば、再生デバイスの1つ以上のスピーカードライバのイコライゼーションを変更すること)は、周波数依存パラメータに影響を与えることができる。実施例は、オーディオデータ内の周波数の強度の調整、位相調整、および時間遅延調整を含んでもよい。さらに、特定のイコライゼーションは、例えば、他の周波数がフィルタなしで(または実質的にフィルタなしで)通過することを可能にしながら、高、中、または低の周波数を減衰させるものなどの、第1のタイプのパスフィルタを使用することができる。フィルタは、異なる種類または異なる順序(例えば、1次フィルタ、2次フィルタ、3次フィルタ、4次フィルタなど)であってもよい。例えば、再生デバイスの第1のイコライゼーションは、第1のタイプのペアリングに基づいて出力を変更させる第1のタイプのパスフィルタを使用することを含んでもよく、再生デバイスの第2のイコライゼーションは、第2のタイプのペアリングに基づいて出力を変更させる第2のタイプのパスフィルタを使用することを含んでもよい。この例では、第1と第2のタイプのパスフィルタは、1つまたは異なる性質および/または動作を有し、デバイスのイコライゼーションおよび音の挙動を変更している。
【0080】
例示の目的として、2つのS5デバイスがペアにされ、ステレオペアを創る場合、例えば、1つのS5デバイスは、「左」として構成されてもよく、他のS5デバイスは、「右」として設定されてもよい。一実施形態では、ユーザーは、どちらが左か右かを決定してもよい。この構成において、例えば、左と右のオーディオデータは、両方のS5デバイスに送信されてもよいが、トラックの左オーディオデータは、左として構成されたS5デバイスから再生され、トラックの右オーディオデータは、右として構成されたS5デバイスから再生される。さらに、それぞれのS5デバイスのイコライゼーションは、特定の構造的なまたは破壊的な干渉を低減する、または除去する目的で変更される。例えば、それぞれのS5デバイスの1つのツイーターは、オフまたはほぼミュートに切り替えられてもよい。特定の実施形態では、それぞれのドライバに対するクロスオーバー周波数は、前回の構成からさらに変更してもよく、それによって2つ以上のドライバが必ずしも正確に同じオーディオデータを出力せず、他の点で構造的および/または破壊的干渉が生じてもよい。特定の実施形態では、アンプゲインは、特定のスピーカードライバおよび/または全体として再生デバイスを調整する。
【0081】
動作において、特定の実施形態によれば、コントローラ706(例えば、図1のコントローラ142または図2Bの240またはポータブルデバイス)が動作を開始するために使用される。ユーザーインターフェースを通して、コントローラ706は、オーディオソースがネットワーク708(例えば、インターネットまたはローカルエリアネットワーク)上にあるならば、プレーヤー702にオーディオソースを読み出させる。同様に、コントローラ706はまた、指定されたデバイス(例えば、別のネットワークデバイス)に、要求されたオーディオソースを送信するためプレーヤー702との通信セッションを確立させてもよい。いくつかの場合、プレーヤー702と704のいずれか1つまたは両方は、オーディオソースを示すデータにアクセスすることができる。
【0082】
特定の実施形態では、プレーヤー702のモジュールは、アクティブにされ、データを処理する。一実施形態によれば、右と左のサウンドトラックに分けられる。1つのサウンドトラックは、1つのプレーヤーでローカルに保持され、他のサウンドトラックは、(例えば、アドホックネットワークを介して)他のデバイスにプッシュされる、またはアップロードされる。右と左のサウンドトラックが同時に、またはほぼ同時に再生される場合、ステレオサウンドエフェクトが得られる。
【0083】
別の実施形態では、いくつかのトラックが、例えば、テレビまたはシアターモードに分けられる。例えば、トラックは、センターチャンネル、右フロントチャンネル、左フロントチャンネル、左フロントチャンネル、右リアチャンネル、左リアチャンネルなどに分けられてもよい。したがって、1つ以上のサウンドトラックが1つのプレーヤーにローカルに保持されてもよく、他のサウンドトラックが他のデバイスにプッシュされる、またはアップロードされる。
【0084】
さらに別の実施形態では、1つのプレーヤーは、データを処理し、1つ以上のトラックをローカルに保持し、一方で残っているデータを別のプレーヤー上に送信してもよい。受信するプレーヤーは、その後、データを処理し、1つ以上のトラックをローカルに保持し、いくつかの残っているデータを別のプレーヤーに送信してもよい。このプロセス、またはそのようなものは、対応するプレーヤーデバイスによってすべてのトラックがローカルに保持されるまで続けてもよい。
【0085】
さらに別の実施形態では、それぞれのプレーヤーは、データを受信し、そして処理し、プレーヤーのために指定されているチャンネルまたは複数のチャンネルのみを再生してもよい。
【0086】
特定の実施形態では、良好な同期を維持することが重要であり、特に、独立してクロックされた2つ以上の再生デバイスをペアリングする場合に、マルチチャンネルオーディオコンテンツが最初に意図されたように再生される。実施の形態によれば、メッセージが、1つのデバイスからアクティブにされる別のデバイスへ開始され、確認応答を送り返してもよい。確認応答を受信する際に、1つのデバイスから他のデバイスへ送信されるデータの時間遅延を測定することができる。時間遅延は、2つのプレーヤーを同期して2つの分かれたサウンドトラックを再生する場合に考慮される。特定の実施形態では、パケット(例えば、SNTPプロトコルに係るパケット)を再生デバイスに送信し、応答を受信することが、例えば、15ミリ秒以上かかる場合、クロック情報などの、パケット内に含まれるタイミング情報が破棄される。パケットを送信することと受信することが15ミリ秒以内である場合、その必要に応じて、次にパケットからの情報が使用され、再生の調整を行う。
【0087】
独立してクロックされた2つ以上のプレーヤーの動作を同期することのさらなる詳細は、同一出願によって2004年4月1日に出願された、「複数の独立したクロックされたデジタルデータ処理デバイス間での動作の同期をするためのシステムおよび方法」で表題づけられる、本明細書に参照によって組み込まれた米国出願番号10/816,217に提供される。
【0088】
図8は、実施の形態に係るシアターのような環境での複数のプレーヤー802、804、806、808、810、および812との間でのペアリングの構成の例を示す。プレーヤー802は、フロント左チャンネルとして動作してもよく、プレーヤー804は、センターチャンネルとして動作してもよく、プレーヤー806は、フロント右チャンネルとして動作してもよく、プレーヤー808は、サブウーファーとして動作してもよく、プレーヤー810は、リア、右チャンネルとして動作してもよく、プレーヤー812は、リア、右チャンネルとして動作してもよい。この例では、プレーヤー802、804、806、808、810、および812は、ネットワーク815上で無線接続され、ワイヤレスネットワーク上のデータを受信および送信し、壁のパワーアウトレットからまたは他の電源(例えば、バッテリー)を通して電力を得られる。プレーヤー802、804、806、808、810、および812は、別の実施形態でそのように構成されている場合に、配線してもよい。コントローラ814は、例として、スマートフォン、タブレット・コンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、またはテレビを含む、ネットワーク対応デバイスであってもよい。
【0089】
一実施形態では、プレーヤー804などの指定されたプレーヤーは、ソース816からマルチチャンネルオーディオコンテンツを受信する。ソース816は、インターネット、DVDまたはブルーレイディスクから、もしくはオーディオおよび/またはビデオコンテンツのいくつかの他のソースからダウンロードもしくはストリーミングされたオーディオおよび/またはビデオコンテンツを含んでもよい。プレーヤー804は、マルチチャンネルオーディオに分け、それぞれのオーディオチャンネルをその再生オーナーに送信する。例えば、特定のオーディオチャンネルがフロント、リアスピーカーに指定されている場合、そのコンテンツは、無線でプレーヤー804からプレーヤー802などに向かう。プレーヤー802、804、806、808、810、および812は、オーディオコンテンツを同期して再生し、マルチチャンネルリスニング環境を創る。さらに、ソース816がオーディオコンテンツとともにビデオコンテンツを提供する場合、オーディオコンテンツは、好ましくはビデオコンテンツと同期して再生される。
【0090】
別の実施形態では、プレーヤー802、804、806、808、810、および812のそれぞれのプレーヤーは、再生のための独自の1つ以上のチャンネルに分けることができる。即ち、すべてのオーディオコンテンツ、またはそれらの一部が、(例えば、ソース816または別の再生デバイスから)それぞれのプレーヤーに送信され、プレーヤー自体が再生のための独自のデータを取得する。
【0091】
さらに、プレーヤー802、804、806、808、810、および812は、上述したように再構成され、多くの異なる構成で動作してもよい。例えば、プレーヤー802と806は、ペアにされてステレオモードで動作してもよく、一方で他のプレーヤーは、スリープモードで維持されるまたはオフに切り替えられる(プレーヤー808が、そう望まれて構成される場合、それがサブウーファーとして動作しているため、任意の特定の構成のままであってもよい)。別の例では、プレーヤー802と810が統合され、左チャンネルオーディオを出力し、一方でプレーヤー806と812が統合され、右チャンネルオーディオを出力する。さらに別の例では、プレーヤー802、804、806、808、810、および812のいくつかは、例えば、隣の部屋などで、単一のプレーヤーに統合され、別の再生デバイスとペアにされる。さらなる例では、プレーヤー802、804、806、808、810、および812は、(例えば、ムービーコンテンツに対して)オーディオコンテンツが音楽である場合、グループ化され、ペアにされない。これらはほんの一部の設定の例である。多くの他の構成が本明細書に記載された教示を使用して可能となる。
【0092】
図9は、複数のオーディオ製品をグルーピングするフローチャートまたはプロセス900を示し、分けられたサウンドトラックを同期して再生し、マルチチャンネルリスニング環境をシミュレートする。プロセス900は、特定の実施形態に従って示されており、図2Dのメモリ282にロケートされるモジュールで実施されてもよい。プロセス900の説明を可能にするために、左と右チャンネルでのステレオサウンドのリスニング環境が記載されている。当業者は、その説明がマルチチャンネルリスニング環境の他の形態(例えば、3、5、7チャンネル環境)に同様に適用され得ることは理解できる。
【0093】
一般的に、1つ以上のコントローラによって制御される複数のプレーヤーがあり、これらのプレーヤーは、様々な位置に配置されている。例えば、家に5つのプレーヤーがあって、それらのうち3つが3つの部屋にそれぞれ配置され、一方で2つのプレーヤーは、より大きい部屋に配置される。したがって、これらの2つのプレーヤーは、グループ化された方法で両方から同期されたオーディオを単に再生する代わりに、ペアとされる候補となり、ステレオリスニング環境をシミュレートする。別の例では、大きいスペースと隣接したスペースに4つのプレーヤーがあって、プレーヤーの2つのペアがペアになってステレオリスニング環境をシミュレートでき、一方の統合されたペアの2つのプレーヤーは、グループ化して1つの(左)サウンドトラックを再生でき、他方の統合されたペアの他の2つは、グループ化して1つの(右)サウンドトラックを再生できる。
【0094】
いずれの場合も、プレーヤーの2つのグループまたは2つのプレーヤーが902でペアにされるか決定される。プレーヤーがペアにならない場合、プロセス900は、アクティブにならない。902で、コントローラによって制御されるプレーヤーのグループから2つのプレーヤーが選択され、ペアになっているものとする。プロセス900が進む。
【0095】
904で、ユーザーは、どのプレーヤーがどのサウンドトラックを再生するかを決定してもよい。選択されたプレーヤーに対するユーザーまたはリスナーの位置に応じて、プレーヤーまたはユニットAが選択され、左サウンドトラックを再生し、そして別のプレーヤーまたはユニットBが選択され、右サウンドトラックを再生する。別の実施形態では、プレーヤー自体(またはコントローラ)は、ユーザーからの入力なしで、どのユニットが右チャンネルを再生するように構成されているのか、そしてどのユニットが左チャンネルを再生するように構成されているのかを自動的に決定してもよい。
【0096】
一実施形態によれば、2つのユニットAとBとの間でのデータを送信する時間遅延は、906で測定される。この時間遅延は、2つのユニットとの間でサウンドの同期を可能にすることができ、ユニットの1つが他から処理されたサウンドトラックを受信する。ユーザーは、コントローラの操作を継続し、910でタイトル(例えば、オーディオソースまたはプレイリストからの項目)を選択して2つのユニット上で再生してもよい。
【0097】
912で一度タイトルが決定すると、タイトルのデータがアクセスされる。データがどこにロケートされるかに応じて、コントローラは、2つのユニットのうちの1つがデータを取得するように、またはストリームするように構成されてもよい。一実施形態では、コントローラまたはユニットAは、データを提供する、または保存するリモートネットワークデバイスへの要求を開始する。認証手続きが正常に完了したと仮定すれば、リモートデバイスは、ユニットAにデータをアップロードすることを開始する。同様に、データがユニットAにローカルに保存される場合、データは、ネットワークから同じ要求をすることなくローカルにアクセスされ得る。ユニットAにおいてデータが受信される、またはアクセスされるように、処理モジュールは、ユニットAにおいてアクティブになり、データを処理し、914でサウンドトラックの2つのストリームにデータを実質的に分ける。別の実施形態では、各ユニットは、データを受信して処理し、それぞれのユニットによって再生されるストリームにデータを実質的に分ける。
【0098】
916で、ストリームの1つがローカルネットワーク(例えば、コントローラによって制御されるすべてのプレーヤーにより形成されるアドホックネットワーク)を介して、ユニットAからユニットBにアップロードされる。ストリームが配信されるように、2つのユニットは、それぞれストリームを再生するように構成されており、918での単一のサウンドトラックのサウンドをそれぞれ再現する。同時に、同期中に、2つのユニットがステレオサウンドリスニング環境を創る。
【0099】
顕著な場合、遅延時間がユニットAに組み込まれ、遅延時間までストリームの消費を遅らせ、ユニットBと同期してもよいことに留意すべきである。あるいは、選択されていないプレーヤーは、タイトルのストリーミングデータを処理するように使用されてもよく、プレーヤーのペアに2つのストリームを供給するように構成され、そして別の方法において、ユニットBによって経験される遅延時間を均一化する。
【0100】
図10A−10Fは、特定の実施形態に係るステレオペアを創るためのコントローラのスクリーンショットの例を示す。スクリーンショットは、コントローラとして使用されるコンピュータデバイス(例えば、タブレットコンピュータ、ラップトップ、またはデスクトップ)からである。当業者は、図10A−10Fが、容易に変更され、ネットワーク機能を備えたポータブルデバイス、例えば、iPhoneまたはiTouchもしくは他のスマートフォンまたは他のネットワーク対応デバイスなどに使用されてもよいことは理解できる。さらに、コントローラは、プレーヤーの一部として存在する、または直接的に/間接的にプレーヤーに接続されてもよく、したがって、そのようなスクリーンショットは、それに応じて変更されてもよく―そのようなコントローラは、ネットワーク機能を有しておらず、プレーヤーがネットワーク接続を有する。
【0101】
図10Aは、ユーザーがストリームにおいて2つのプレーヤーでステレオペアを創るように所望した場合、コントローラに表示され得るグラフィックインターフェース1000を示す。システムが2つ以上のプレーヤーを含んでもよいことが理解される。ステレオペアが所望される場合、図10A−10Fの例に関して説明されるように、次にシステム内の任意の2つのプレーヤー(片方または両方の統合可能なプレーヤー)がペアになってもよい。しかしながら、2つ以上のプレーヤーのペアリングが所望される場合、例えば、2つ以上のチャンネルオーディオデータを再生することが可能である環境を創る場合、グラフィックインターフェース1000が、別のオプションまたは複数のオプションを含んでもよい。例えば、オプションは、「ムービー・サラウンド・サウンド・ペアリングの作成」、「ミュージック・サラウンド・サウンド・ペアリングの作成」、または「ドルビー・プロ・ロジック・ペアリングの作成」を含んでもよい。任意の記述の言語が、ユーザーに対して作成することができるペアリングのタイプを適切に示すように使用されてもよい。オプションを選択する際に、コントローラ上の設定ウィザードは、ユーザーがシステムを適切に構成することを助け、マルチチャンネルディスクリートオーディオがシステムによって効果的に実現されてもよい。
【0102】
図10Aに戻って、インターフェース1000は、ユーザーが「ZPS5−Black」と名付けられたゾーンプレーヤーとステレオペアを開始することを可能にする。特定の実施形態では、システムは、ZPS5−Blackが特定のゾーン(例えば、台所、ファミリールーム、寝室など)の部分であることを認識する。システムは、ユーザーが同じゾーンのみで他のプレーヤーとZPS5−Blackとをペアにしてもよく、あるいは、システムは、ユーザーが異なるゾーン(例えば、隣接するゾーンなど)で他のプレーヤーとZPS5−Blackとをペアにしてもよい。異なるゾーンでのプレーヤーのペアリングは、オープンスペースが2つ以上のゾーン(例えば、オープンスペースが台所とファミリールームを含む)に分けられた場合、特に有用であり得る。
【0103】
さらに、システムは、異なるゾーンからのプレーヤーのペアリングが、別のゾーンを創るようにプログラムされ、プレーヤーをペアリングモードに反映させてもよい(例えば、ペア動作期間の単一の台所−ファミリールームゾーンが、非ペア動作期間の台所ゾーンおよびファミリーゾーンから作られてもよい)。そのような実施形態では、ユーザーは、ゾーン間で切り替えること、または新しいゾーンを動的に創ることが可能であってもよい。
【0104】
特定の実施形態では、同じような他のプレーヤーをペアにすることができる場合、図10Bのスクリーンショットを表示できる。ユーザーがペアを創ることを継続したい場合、ユーザーは「OK」を選択できる。そうでない場合、ユーザーは、「キャンセル」を選択できる。別の実施形態では、異なるプレーヤー(例えば、S5ではないプレーヤー)が一緒にペアにされる。即ち、プレーヤーがペアになるように設計されている場合、異なるタイプのプレーヤーがペアになる。プレーヤータイプの違いに対応するために、1つ以上のプレーヤーのイコライゼーションが、状況に応じて調整され、他のプレーヤーに対して1つのプレーヤーに使用されるスピーカードライバの数およびサイズなどを補償してもよい。さらに別の実施形態では、システムにおけるプレーヤーのリスト(図示なし)が表示されてもよく、ユーザーは、2つ以上のプレーヤーを選択してステレオペアを作る。プレーヤーのリストは、例えば、家、部屋の中のプレーヤーの特定の位置、または部屋の中の他のプレーヤーとの構成に基づいて、システムによって自動的に決定されてもよい。
【0105】
図10Cに戻って、この例では、ユーザーは、「ZPS5−Black」とペアになる「ZPS5−White」と名付けられたゾーンプレーヤーを選択し、ステレオペアを創ることができるものとする。そう望む場合、ユーザーは、「OK」を選択し、ペアリングを進めることができる。そうでないならば、ユーザーは、「キャンセル」を選択できる。特定の実施形態では、ZPS5−Whiteは、ZPS5−Blackと同じゾーンにあってもよい。他の実施形態では、ZPS5−Whiteは、ZPS5−Blackと異なるゾーンにあってもよい。
【0106】
図10Cにおいて「OK」を選択すると、図10Dのようなスクリーンショットがユーザーに表示され、それによって指令を出して、ユーザーがステレオペアの「LEFT」プレーヤー上のミュートボタン(またはいくつかの他の指定されたボタン)を押してもよい。さらに、プレーヤーのライトは、点滅であって、プレーヤーのそれぞれが左チャンネルペアリングの可能性があることをさらに示してもよい。左プレーヤーの選択の際に、そう望む場合、図10Eが表示され、ペアが創られたことをペアの名前とともにユーザーに知らせてもよい。それに応答して、システムは、ユーザーが指定したプレーヤーから左チャンネルオーディオを再生し、他のプレーヤーから右チャンネルオーディオを自動的に再生する。図10Fは、そう望む場合、ユーザーがステレオペアを分けることを可能にするスクリーンショットの例を提供する。
【0107】
別の実施形態では、ステレオペアの作成は、特定のゾーンまたはゾーンの数(例えば、ゾーンの家庭)のためのオプションであってもよい。例えば、「ステレオペア」を作るオプションがあってもよく、例えば、選択する際、設定ウィザードがユーザーに、ゾーン、ゾーンの一部、またはゾーン全てにおいて、ユーザーが左スピーカーにしたいいずれかのスピーカー上で点滅するミュートボタン(またはいくつかの他の指定されたボタン)を押すことを要求して起動してもよい。一実施形態では、点滅は、すべての同じスピーカータイプで起こる。別の実施形態では、点滅は、ペアとすることができるすべてのスピーカータイプで起こる。左スピーカーを選択した後、ウィザード画面は、右スピーカーに同じことを行うようにユーザーに求める。好ましくは、右のスピーカーとしてペアとなることが可能であるスピーカーのみが適切にユーザーの選択肢を狭めるように点滅している。
【0108】
さらに、一実施形態では、図3A図3Bに示されるように、画面表示は、ユーザーにシステムにおけるすべてのプレーヤーとそれらがどのようにグループ化され、名付けられるかを示すために提供される。ステレオペアが完了した後に図3Aが変更される場合、ディスプレイ1040のステレオペアのニックネームが強調表示され、さらに図3Aに表示される。
【0109】
同様のグラフィックインターフェースが2つ以上のチャンネルを有する環境にペアを創るために使用されてもよい。例えば、ホームシアター環境において、システムは、ユーザーがフロント右、センター、フロント左、リア右およびリア左として動作するようになっているプレーヤーを選択することによりペアリングを創ることから、2つ以上の別個のプレーヤーをリストアップしてもよい。サブウーファーはまた、リストに追加され、ユーザーによってマルチチャンネルペアリングに組み込まれ得る。
【0110】
例として、前述したステレオペアを創ることに関連する様々な実施形態の記載と同様に、システムは、関連するすべてのプレーヤーでインジケータライトを点滅させてもよく、設定ウィザードは、すべてのスピーカーが適切なペアになるまで、ユーザーに「フロント左」、次に「フロント右」、次に「フロントセンター」、次に「リア左」、次に「リア右」などを選択するように求めてもよい。好ましくは、次のスピーカーとしてペアになることが可能であるスピーカーのみが点滅し、ユーザーの選択肢を適切に狭めている。
VII.スマートライン入力処理の例
【0111】
図11は、実施形態に係るスマートライン入力処理の構成の例を示す。システム1100は、再生デバイス1102、第1のソース1104、ライン入力コネクタ1108を有する第2のソース1106、及びオーディオデバイス1110を含む。再生デバイス1102および、第1のソース1104と第2のソース1106のいずれかは、単一の装置(例えば、単一の再生デバイス)のコンポーネントであってもよく、または再生デバイス1102は、第1のソース1104と第2のソース1106のいずれかから分かれ、そして例えば、有線または無線のネットワーク上などで、互いに通信してもよい。例示の目的として、再生デバイス1102は、例えば、図1、2A、7、及び8に示されるゾーンプレーヤー又は再生デバイスであってもよい。さらに、第1のソース1104と第2のソース1106は、それぞれ、例えば、本明細書に記載されるような、再生デバイスであってもよいことが理解される。
【0112】
特定の実施形態では、再生デバイス1102は、アイドル状態であって、サウンドを出していない。その代わりに、再生デバイス1102は、第1のソース1104からの第1のオーディオデータストリームを受信し、再生するように構成されている。再生デバイス1102は、第2のソース1106からの第2のオーディオデータストリームを受信し、再生することをさらに可能とする。第2のソース1106は、第2のソース1106上のライン入力コネクタ1108を通ってオーディオデバイス1110に接続される。ライン入力コネクタ1108は、TRSタイプのコネクタ/ソケット(例えば、TRSコネクタは、オーディオジャック、ジャックプラグ、ステレオプラグ、ミニジャック、及びミニステレオと呼ばれる)を含んでもよい。他のタイプのコネクタもまた、アプリケーションに応じて使用されてもよい。さらに、デジタルオーディオ接続がアナログオーディオ接続の代わりに作られてもよい。上述したように、オーディオデバイス1110の例は、例えば、アップル・インコーポレイテッドによって商業的に販売されているオーディオデバイス、例えば、エアポートエキスプレスなどのワイヤレスネットワークデバイスを含んでもよい。
【0113】
リスナー(例えば、1100のユーザー)は、オーディオデバイス1110にコマンドを出し、(例えば、iTunes音楽コントローラのような別個の制御インターフェースを介して)オーディオを再生する。第2のソース1106は、信号がライン入力コネクタ1108上で検出されたとき、再生デバイス1102を自動的に切り替え、第2のソースが第2のオーディオデータストリームを介してオーディオデバイス1110からのオーディオを再生するように構成される。オーディオデバイス1110からのオーディオを再生するスイッチは、第2のソース1106が閾値時間(例えば、300ミリ秒又はそれ以下)の間にライン入力コネクタ1108上で信号を検出した後のみに、必要に応じて実行されてもよい。第2のオーディオデータストリームの再生は、再生デバイス1102が第1のソース1104からのオーディオを受信及び/又は再生していた場合、第1のオーディオデータストリームの再生をオーバーライドすることができることを理解する。さらに、再生デバイス1102は、自動的に切り替えられて第2のソース1106からのオーディオを再生するとき、第2のソース1106がライン入力コネクタ1108を介して第2のソース1106に接続されるオーディオデバイス1110からのオーディオを受信すると、再生デバイス1102のボリュームが第2のボリュームレベルに変更される。ダイナミックレンジを大きくし、ライン入力を介して第2のソース1106に接続されるオーディオデバイス1110のボリュームコントロールに与えられるように、第2のボリュームレベルが設定される。
【0114】
別の説明では、再生デバイス1102は、第2のソース1106からのオーディオを受信及び再生するように構成される。再生中、リスナーは、(例えば、図2Dに示されるように)コントローラを介して再生デバイス1102にコマンドを出し、第1のソース1104からの第1のオーディオデータストリームを代わりに再生する。コマンドを受信すると、再生デバイス1102は、第1のオーディオデータストリームを再生するように切り替える。再生デバイス1102は、次に第2のソース1106に指令を出し、再生デバイス1102にオーディオデバイス1110のオーディオを送信することを停止する。第2のソース1106は、再生デバイス1102にオーディオを送信することを停止し、一定の時間、そのライン入力1108上で信号がもはや検出されなくなるまで待機する。信号が一定の時間(例えば、13秒又はそれ以下)、ライン入力コネクタ1108上で検出されない場合、第2のソース1106がそのライン入力コネクタ1108上で信号を再度検出すると、第2のソース1106は、再生デバイス1102を自動的に切り替える準備をし、オーディオデバイス1110からのオーディオを再生する。さらに、再生デバイス1102が第1のオーディオデータストリームを再生するように切り替えるとき、再生デバイス1102のボリュームは、セーフボリュームレベルに戻り、オーディオがリスナーに対してハイレベルで再生されない。ハイレベルが味わえるようにプログラムされていてもよいが、セーフレベルの例は、100db未満である。
VII.結論
【0115】
前述したシステムのコンポーネント、要素、および/または機能は、例えば、ハードウェア、ファームウェアにおいておよび/またはソフトウェアの指令のセットとして様々な形態で、単独または組み合わせて実装することができる。特定の実施形態は、コントローラおよび/または再生デバイスなどの処理デバイス上で実行される、メモリ、ハードディスク、CD−ROM、DVD、および/またはEPROMなどのコンピュータ読み取り可能な媒体上に常駐する指令として提供されてもよい。
【0116】
様々な発明が、ある程度の具体性を持って十分に詳細に記載されている。本開示の実施形態は、例示の目的のみで作られており、部品の変更および組み合わせにおいて多くの変更が、特許請求の範囲として本発明の精神および範囲から逸脱せずに行われてもよい。本明細書に記載された実施形態は、情報単位の提示に関していくつかの制限を含むように見えるかもしれないが、形式または配置の点で、実施形態は、そのような実施形態をはるかに超えて適用可能であり、当業者によって理解され得る。したがって、本発明の範囲は、上記した実施形態よりむしろ添付された請求項によって定義される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11