特許第6289723号(P6289723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6289723-エクササイズ用マット 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6289723
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】エクササイズ用マット
(51)【国際特許分類】
   A63B 6/00 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   A63B6/00
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-232058(P2017-232058)
(22)【出願日】2017年12月1日
【審査請求日】2017年12月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509292010
【氏名又は名称】軽部 央
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】特許業務法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】軽部 央
【審査官】 砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−44457(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0180048(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0240508(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0057460(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3158537(JP,U)
【文献】 実開昭52−148523(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面層と、
前記表面層に積層された裏面層と、を具備する略矩形状のマットであって、
前記表面層のうちの前記裏面層とは反対側の面に、ポーズの図柄と目盛りとを含む印刷層を有し、
前記目盛りが、前記表面層において、対向する二辺の端部に設けられ
前記裏面層が、前記表面層とは反対の面に、並列する略波状の凸部を有すること、
を特徴とするエクササイズ用マット。
【請求項2】
前記表面層及び前記裏面層がポリ塩化ビニルで形成されていること、
を特徴とする請求項1に記載のエクササイズ用マット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種エクササイズに用いられるマット
【背景技術】
【0002】
従来から、体操やストレッチ、ピラティスやヨガ等のために種々のマットが使用されている。かかるマットとしては、小学校の体育の授業等で使用される厚みを有するマットや、ジムや自宅でストレッチやピラティス、ヨガ等をする際に個別に使用されるマット等がある。
【0003】
例えば特許文献1(特開2007−307046号公報)では、「アパート、マンション住まいの熟年層(概ね50歳以上の人)が、階下の人に騒音の問題を起こすことなく、室内で手軽に体操する際に用いるマットと、その際の室内用体操の方法を提供すること」を目的として、「熟年層の体力低下を防止する為に、音楽に合わせて、下肢および上腕を上下させる体操を行うにおいて、階下の部屋に体操の振動音が伝わらないようにするために、弾性体から成ることを特徴とする、室内体操用マット。」が提案されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2012−236406号公報)においては、「エクササイズマットはユーザーによって平坦な表面に設置され、クッション性、グリップ、サポート、もしくは安定性、またはこれらの任意の組み合わせを与え、ユーザーがより容易かつ効果的にヨガまたは他のエクササイズを行うことを可能にするマットの提供」を目的として、「少なくとも1つのトップ層であって、ポリウレタンを含む少なくとも1つのトップ層と、 前記少なくとも1つのトップ層に隣接する少なくとも1つのボトム層であって、少なくとも1つの熱可塑性エラストマーを含む少なくとも1つのボトム層とを含むエクササイズマット。」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−307046号公報
【特許文献2】特開2012−236406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような従来のマットを用いてストレッチやピラティス、ヨガ等をする際、使用者は、例えば近くにいる指導者の動きを真似したり鏡に写る自分の姿を見たりするものの、必ずしも自らの身体の位置やポーズをコントロールできないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ストレッチやピラティス、ヨガ等をする際に、自らの身体の位置や体勢をコントロールしたりポーズをとったりすることを効果的にサポート可能なエクササイズ用マットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決すべく、本発明は、
表面層と、
前記表面層に積層された裏面層と、を具備する略矩形状のマットであって、
前記表面層のうちの前記裏面層とは反対側の面に、ポーズの図柄と目盛りとを含む印刷層を有し、
前記目盛りが、前記表面層において、対向する二辺の端部に設けられ
前記裏面層が、前記表面層とは反対の面に、並列する略波状の凸部を有すること、
を特徴とするエクササイズ用マットを提供する。
【0009】
このような構成を有する本発明のエクササイズ用マットによれば、ポーズの図柄及び目盛りが設けられているため、ストレッチやピラティス、ヨガ等をする際に、使用者が容易に自らの身体の位置や体勢をコントロールしたりポーズをとったりすることができる。
【0011】
更に、上記のような構成を有する本発明のエクササイズ用マットによれば、接地面(床等)との接触面が並列する略波状の凸部を有するため、使用者が上にのって種々の位置や体勢、ポーズを取る際に、滑りにくく、より確実に自らの身体の位置や体勢をコントロールしたりポーズをとったりすることができる。
【0012】
上記の本発明のエクササイズ用マットにおいては、前記表面層及び前記裏面層がポリ塩化ビニルで形成されていること、が好ましい。
【0013】
このような構成を有する本発明のエクササイズ用マットによれば、ポリ塩化ビニルという材料が接地面(床等)との間で滑りにくく、使用者はより容易かつ確実に自らの身体の位置や体勢をコントロールしたりポーズをとったりすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ストレッチやピラティス、ヨガ等をする際に、自らの身体の位置や体勢をコントロールしたりポーズをとったりすることを効果的にサポート可能なエクササイズ用マットを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係るエクササイズ用マットの正面図である。
図2図1に示すエクササイズ用マット1の背面図である。
図3図1に示すエクササイズ用マット1の側面図である。
図4図1に示すエクササイズ用マット1の上面図である。
図5図1に示すエクササイズ用マット1の裏面層1bの表面形状の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るエクササイズ用マットの代表的な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本発明は図示されるものに限られず、また、各図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。更に、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係るエクササイズ用マット1の正面図であり、図2は、図1に示すエクササイズ用マット1の背面図である。また、図3は、図1に示すエクササイズ用マット1の側面図であり、図4は、図1に示すエクササイズ用マット1の上面図である。
【0018】
図面に示すように、本実施形態のエクササイズ用マット1は、表面層1aと、表面層1aに積層された裏面層1bと、を具備する略矩形状のマットであって、四隅は丸みを帯びるようにR形状に形成されている。
【0019】
本実施形態のエクササイズ用マット1は、縦の幅(図1に示すX方向の長さ)が約70cmで、横の長さ(図1に示すY方向の長さ)が約180cmであるが、使用者の体格や用途に合わせて適宜選択できるように、縦の幅は160〜200cmの範囲であるのが好ましく、横の長さは60〜100cmの範囲であるのが好ましい。
【0020】
表面層1aのうちの裏面層1bとは反対側の面には、図1に示すように、ヨガのポーズ13種類とそれらのポーズ名との組合せ(図柄)2及び目盛り4を含む印刷層が設けられている。この印刷層は、図柄2と目盛り4を含むものであるため、連続していても不連続(例えば島状)であってもよく、したがって、文字、図形、記号若しくは模様又はこれらの結合を含んでいてもよい。
【0021】
目盛り4は、図1に示すように、表面層1aにおいて、対向する上側及び下側の二辺の端部領域において、矢印Yの方向に延びるように設けられている。図柄2の内容に応じてこの目盛り4の全長は適宜選択すればよいが、エクササイズ用マット1の横方向(図1に示すY方向の長さ)において一端から他端まで設けられているのが、エクササイズにとっても好ましい。
【0022】
本実施形態においては、上側の目盛り4aはインチ表示であり、1インチ毎に65インチまでの目盛りが設けられており、下側の目盛り4bはセンチメートル表示であり、1センチメートル毎に160センチメートルまでの目盛りが設けられている。
【0023】
このような構成を有する本実施形態のエクササイズ用マット1によれば、ポーズの図柄2及び目盛り4が設けられているため、ストレッチやピラティス、ヨガ等をする際に、使用者が容易に自らの身体の位置や体勢をコントロールしたりポーズをとったりすることができる。
【0024】
ここで、エクササイズ用マット1においては、裏面層1bが、表面層1aとは反対側の面に、並列する略波状の凸部1Bを有すること、が好ましい。本実施形態における凸部1Bの波形は、5mm〜1cmの振幅A及び2cm〜5cmのピッチλを有するのが、滑りにくさを確保するという観点から好ましい。また、凸部1Bの高さは、同様の理由から、1mm〜3mmであるのが好ましい。
【0025】
エクササイズ用マット1は、接地面(床等)との接触面にこのような範囲の各種パラメータを有する凸部1Bを有するため、使用者が上にのって種々の位置や体勢、ポーズを取る際に、滑りにくく、より確実に自らの身体の位置や体勢をコントロールしたりポーズをとったりすることができる。
【0026】
本実施形態のエクササイズ用マット1は、本発明の効果を損なわない範囲で種々の材料(例えば、ゴムや樹脂)を用いて製造することができるが、表面層1a及び裏面層1bがポリ塩化ビニルで形成されていること、が好ましい。なかでも発泡ポリ塩化ビニルが特に好ましい。
【0027】
また、表面層1a及び裏面層1bの厚みはそれぞれ1mm〜3mmであるのが好ましく、エクササイズ用マット1の厚みは、3mm〜7mmであるのが好ましい。この範囲の厚みを有する発泡ポリ塩化ビニル製の表面層1a及び裏面層1bを有するエクササイズ用マット1が最適である。また、この場合、接地面との滑りにくさをより確実にするという観点から、裏面層1bの発泡率を表面層1aの発泡率より高くするのが好ましい。
【0028】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の精神及び教示を逸脱しない範囲でその他の改良例や変形例が存在する。そして、かかる改良例や変形例は全て本発明の技術的範囲に含まれることは、当業者にとっては容易に理解されるところである。
【符号の説明】
【0029】
1 エクササイズ用マット
1a 表面層
1b 裏面層
2 図柄
4 目盛り
4a 上側の目盛り
4b 下側の目盛り

【要約】
【課題】ストレッチやピラティス、ヨガ等をする際に、自らの身体の位置や体勢をコントロールしたりポーズをとったりすることを効果的にサポート可能なエクササイズ用マットを提供する。
【解決手段】表面層と、前記表面層に積層された裏面層と、を具備する略矩形状のマットであって、前記表面層のうちの前記裏面層とは反対側の面に、ポーズの図柄と目盛りとを含む印刷層を有し、前記目盛りが、前記表面層において、対向する二辺の端部に設けられていること、を特徴とするエクササイズ用マット。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5