(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述した特許文献に記載されている構成では、バケットの投入装置は、開閉手段と、搬送手段と、支持手段との3つの手段を必須としており、装置構成が大がかりになるという不都合がある。
【0005】
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ゴミ収容体をシュート内に投入するように構成されたゴミ収容体の投入装置において、その装置構成を簡略化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示する技術は、高層建築物の各フロアを貫通するように設置されかつ、ゴミを収容したゴミ収容体が降下するように
、前記ゴミ収容体と内壁面との間に所定の微少空間を設けるよう構成されたシュート内に、前記ゴミ収容体を投入するように構成されたゴミ収容体の投入装置に係る。ここで、上下方向に延びる前記シュートには、前記フロアに対応して前記ゴミ収容体を投入するための投入口が設けられている。
【0007】
前記ゴミ収容体の投入装置は、前記シュートの投入口を開閉するよう構成された開閉扉と、前記ゴミ収容体を支持した状態で、前記シュート内の第1位置と、前記シュート外の第2位置との間を、前記投入口を通じて水平方向に進退可能に構成された搬送支持部と、前記開閉扉の開閉及び前記搬送支持部の進退を制御する制御器と、を備える。
【0008】
前記開閉扉は、前記投入口を全閉にする全閉位置と、前記投入口を、前記ゴミ収容体を支持した状態の前記搬送支持部が通過可能となるように開ける全開位置と、前記全閉位置と前記全開位置との間で、前記投入口を、前記搬送支持部とは干渉せずにその通過を許容する一方、前記搬送支持部に支持された前記ゴミ収容体とは干渉してその通過を阻止するように開ける中間位置と、に位置付けられ、前記制御器は、前記搬送支持部に支持された前記ゴミ収容体を前記シュートに投入するときには、前記開閉扉を前記全開位置に位置付けて、前記ゴミ収容体を支持した搬送支持部を、前記第2位置から前記第1位置へと移動させ、前記開閉扉を前記中間位置に位置付けて、前記ゴミ収容体を支持した前記搬送支持部を、前記第1位置から第2位置へと移動させることによって、前記ゴミ収容体を前記シュート内に残したままで、前記搬送支持部だけを当該第2位置まで移動させ、
それによって、前記ゴミ収容体は、前記シュート内で降下し、そして、
前記搬送支持部が前記第2位置まで移動した後、前記開閉扉を前記全閉位置に位置付ける。
【0009】
この構成によると、ゴミを収容したゴミ収容体をシュート内に投入するときには、先ず、ゴミ収容体が、シュート外の第2位置に位置づけられた搬送支持部に支持される。そして、シュートの投入口を全開にするように、開閉扉が全開位置に位置づけられ、搬送支持部は、ゴミ収容体を支持した状態のままで、第2位置から第1位置へと移動する。こうして、ゴミ収容体を支持した搬送支持部は、投入口を通じてシュート内に移動する。搬送支持部はシュート内でゴミ収容体を支持することになる。その後、開閉扉は、全開位置から中間位置へと位置を変え、その状態で、搬送支持部は、第1位置から第2位置へと移動をする。これにより、搬送支持部に支持されているゴミ収容体も、搬送支持部の移動と共に、第2位置の方向、つまりシュートの外に向かって移動しようとするものの、ゴミ収容体は、中間位置に位置している開閉扉と干渉する(つまり、当たる)ようになる。一方、搬送支持部は、中間位置に位置している開閉扉とは干渉せずに、投入口を通過して第2位置へと移動することが可能である。つまり、搬送支持部とそこに支持されたゴミ収容体とは相対移動をして、ゴミ収容体はシュート内に残ったまま、搬送支持部はシュートの外に移動する。ゴミ収容体は、シュート内において搬送支持部に支持されなくなるから、シュート内を降下することになる。開閉扉は、搬送支持部が第2位置まで移動した後に全閉位置に位置付けられ、投入口が閉まる。こうして、ゴミ収容体の投入動作が完了する。開閉扉を全閉位置に位置づけることによって、シュート内を密閉することが可能になり、臭気漏れ等が可能になる。また、例えばシュート内の圧力調整によってゴミ収容体の降下制御を行う構成においては、開閉扉を閉めることによってシュート内の圧力調整、ひいてはゴミ収容体の降下制御が可能になる。
【0010】
このように、前記の構成では、投入装置は、投入口を開閉する開閉扉(つまり、開閉手段の機能)と、ゴミ収容体をシュート内に搬送すると共に、シュート内においてゴミ収容体を支持しかつ、その支持を解除してゴミ収容体を降下させる搬送支持部(つまり、搬送手段及び支持手段の機能)とを備えて構成されている。搬送支持部は、搬送手段と支持手段とを兼用しており、これによって、投入装置の装置構成が簡略になる。このような搬送支持部は、例えばゴミ収容体を載置する載置面を有するテーブルによって構成することが可能である。また、ゴミ収容体の上部に係合して、当該ゴミ収容体を吊り下げ支持する構成を採用することも可能である。
【0011】
装置の簡略化は、例えばマンション等の、一般の高層建築物のフロアに設置されかつ、マンションの住人といった一般の人が操作を行う、一般住居用の投入装置においては、特に有効である。
【0012】
前記ゴミ収容体は、前記シュートの内壁面に対し所定の微少隙間を空けた状態で、当該シュート内を降下し、前記開閉扉は、前記全閉位置では、その裏面の少なくとも一部が、前記シュートの前記内壁面に対し面一となる構成において、前記ゴミ収容体の投入装置は、前記開閉扉を、前記シュートの外側で当該シュートに沿ってスライドするように、前記全閉位置と、前記全開位置との間で往復移動可能に案内するよう構成されたガイド部をさらに備え、前記ガイド部は、前記開閉扉を、前記全閉位置から前記全開位置に向かう方向に移動させるときには、前記投入口に対して水平方向に離間させながら、前記シュートに沿って移動をさせると共に、前記全開位置から前記全閉位置に向かう方向に移動させるときには、前記投入口に対して水平方向に接近させながら、前記シュートに沿って移動をさせる、としてもよい。
【0013】
ゴミ収容体が、シュートの内壁面との間に微少隙間を空けた状態で降下するときには、ゴミ収容体をスムースに降下させる上で、シュートの内壁面には段差等が無いことが好ましい。従って、開閉扉は、全閉位置では、その裏面の少なくとも一部が、シュートの内壁面に対し面一になることが好ましい。
【0014】
一方で、開閉扉を、シュートの外側で当該シュートに沿ってスライドするように、全閉位置と、全開位置との間で往復移動可能に案内するよう構成したときには、開閉扉を開閉する際に、少なくともシュートを構成する管の肉厚分だけ、その開閉扉の位置をずらす必要がある。ガイド部は、開閉扉を全閉位置から全開位置に向かう方向に移動させるときには、投入口に対して水平方向に離間させながらシュートに沿って移動させることで、開閉扉とシュートとの干渉を回避して、開閉扉を開けることが可能になり、逆に、開閉扉を全開位置から全閉位置に向かう方向に移動させるときには、投入口に対して水平方向に接近させながら、シュートに沿って移動させることで、全閉位置に位置づけたときには、その裏面の少なくとも一部を、シュートの内壁面に対し面一にすることが可能になる。
【0015】
前述の通り、シュートの内壁面には段差を設けないことが、ゴミ収容体をスムースに降下させる上で有利であり、開閉扉を全閉位置に位置づけたときには、その裏面の少なくとも一部がシュートの内壁面に対し面一とされる。ここで、開閉扉の裏面の全面が、シュートの内壁面に対して面一となる必要はなく、その少なくとも一部が面一となっても、ゴミ収容体をスムースに降下させることが可能である。つまり、シュートの内壁面に、上下方向に対する段差が、水平方向に連続するように形成されるときには、ゴミ収容体の降下を阻害する可能性がある。しかしながら、シュートの内壁面に、上下方向に対する段差が、水平方向の途中で分断されるときには、ゴミ収容体の降下を阻害しない。例えば以下のような構成は、開閉扉の位置において段差が生じ得るものの、その段差にゴミ収容体が引っ掛かることはなく、ゴミ収容体をスムースに降下させることが可能である。
【0016】
つまり、前記開閉扉の裏面には、前記全閉位置に位置付けられたときに、前記シュートの前記内壁面と面一となる案内面を有しかつ、前記投入口内で上下方向に延びる帯状板が貼り付けられており、前記投入口の開口縁部には、上下方向に延びると共に、前記開閉扉が前記全閉位置に位置づけられたときに、前記帯状板の端部が内挿される溝状切り欠きが形成されており、前記開閉扉が前記全閉位置から前記全開位置に向かって移動するときには、前記帯状板が前記溝状切り欠き内を通るように構成されている、としてもよい。
【0017】
この構成によると、開閉扉を全閉位置に位置づけたときに、開閉扉の裏面に貼り付けられた帯状板の端部と、投入口の開口縁部に形成されかつ、帯状板の端部が内挿される溝状切り欠きとの間には、帯状板の板厚による段差が生じ得る。しかしながらこの段差は、帯状切り欠き内にのみ形成され、シュートの内壁面において水平方向に連続しない。また、開閉扉によって閉塞される投入口において、帯状板を挟んだ両側にも段差が生じ得る。しかしながらこの段差も、帯状板によって分断される。このため、ゴミ収容体の降下が阻害されず、ゴミ収容体は、帯状板の案内面等に案内されながらスムースに降下をする。
【0018】
一方で、全閉位置に位置づけられた開閉扉が、全開位置に向かって移動するときには、帯状板が溝状切り欠き内を通るようになり、開閉扉とシュートとの干渉を回避しながら、開閉扉を開けることが可能になる。つまり、溝状切り欠き内において、帯状板の端部と溝状切り欠きの端部との間の上下方向の距離を十分に確保しておけば、開閉扉がこの距離分だけ移動する間に、開閉扉を水平方向に離間させるように移動させれば、開閉扉とシュートとの干渉を回避することが可能になる。このことは、開閉扉を全閉位置に位置づけたときに、その裏面の少なくとも一部がシュートの内壁面に対して面一になること、及び、開閉扉とシュートとの干渉を回避しつつ、開閉扉を開閉すること、という2つの条件を満足する開閉扉の開閉構造を、簡易に実現可能にする。
【0019】
前記開閉扉は、前記全閉位置と、それよりも上方の前記全開位置との間で往復移動し、前記開閉扉の下端部には、当該開閉扉を全閉位置に位置付けたときに、前記投入口の下端開口縁部に当接するよう構成された当接部が、上下方向に変位可能に設けられている、としてもよい。
【0020】
こうすることで、上下方向に往復移動する開閉扉を全閉位置(つまり、最下位置)に位置づけたときには、当接部が投入口の下端開口縁部に当接するようになって、シュート内が密閉状態となる。これは、前述したように、臭気漏れを回避すると共に、ゴミ収容体の降下制御を可能にする。当接部は、上下方向に変位可能であるため、開閉扉の組み付け誤差や、寸法誤差を吸収しつつ、投入口を確実に全閉にすることが可能になる。つまり、当接部を上下方向に変位可能にすることは、結果として、製造コストの低減に有利になる。
【0021】
前記搬送支持部は筐体内に配設されており、当該筐体には、前記搬送支持部に前記ゴミ収容体を支持するために開閉される投入扉が設けられ、前記投入扉は揺動開閉式に構成されていると共に、当該投入扉の裏面には、前記投入扉を閉めたときに、前記搬送支持部に支持された前記ゴミ収容体に当たって、当該ゴミ収容体を所定位置に位置付ける押圧部材が取り付けられている、としてもよい。
【0022】
こうすることで、ゴミ収容体をシュート内に投入しようとする利用者は、筐体に設けられた投入扉を(例えば手動で)開け、ゴミ収容体を搬送支持部に支持させた後に、その投入扉を閉める。そうすると、投入扉の裏面に取り付けられた押圧部材がゴミ収容体に当たってゴミ収容体を押すようになり、搬送支持部に支持されたゴミ収容体が自動的に、所定位置に位置付けられる。このことにより、前述した投入動作が適切に行われて、ゴミ収容体が確実にかつ正確にシュート内に投入される。これは、ゴミ収容体の投入ができなかったり、シュート内を降下するゴミ収容体が途中で引っ掛かったりするエラーの発生を抑制する。つまり、利用者は、投入扉を開けて、閉めるという動作をすることだけで、ゴミ収容体を適切にセットすることが可能であり、利用者の利便性が向上する。
【0023】
前記シュートは、その上端部から吸引することによって空のゴミ収容体を上昇可能に構成されているとしてもよい。つまり、シュートは、ゴミを収容したゴミ収容体を降下させると共に、空のゴミ収容体を上昇させる機能を有する。
【0024】
この構成において、前記搬送支持部は、前記ゴミ収容体を載置する載置面を有するテーブルであり、前記制御器は、前記上昇してきた空の前記ゴミ収容体を回収するときには、前記開閉扉を前記全閉位置に位置付けて、前記空のゴミ収容体が当該フロアに到達することを待機し、前記空のゴミ収容体が、当該フロアに到達した後に、前記開閉扉を前記中間位置に位置付けかつ、前記テーブルを前記第2位置から前記第1位置へと進め、前記ゴミ収容体の吸引が停止されることに伴い前記シュート内で降下するゴミ収容体を、前記テーブル上に載置させ、そして、前記開閉扉を前記全開位置に位置付けて、前記ゴミ収容体が載置された前記テーブルを、前記投入口を通じて、前記第1位置から前記第2位置へと移動させる、としてもよい。
【0025】
こうすることで、前記の投入装置を、空のゴミ収容体の回収装置としても兼用することが可能になる。つまり、開閉扉とテーブルとを備えた簡略な構成で、投入装置兼回収装置が実現する。
【0026】
前記テーブルには、前記第1位置から第2位置へと移動させるときに前記載置面に載置された前記ゴミ収容体に係合しかつ、当該ゴミ収容体が前記テーブルから落下することを防止する落下防止部材が取り付けられている、としてもよい。
【0027】
空のゴミ収容体が載置されたテーブルをシュート内からシュートの外に移動させる際には、そのゴミ収容体とテーブルの上面との摩擦力によって、ゴミ収容体はテーブルと共に移動をすることになる。しかしながら、回収動作の際にはゴミ収容体は空であって、比較的軽い状態であるため、場合によっては、移動の最中にテーブル上から落下することも起こり得る。テーブルが第1位置から第2位置へと移動して空のゴミ収容体を回収するときには、載置面に載置されたゴミ収容体に係合して落下を防止する落下防止部材を取り付けることが好ましい。
【0028】
ここで、ゴミ収容体のテーブルからの落下は、テーブルが第1位置から第2位置に向かって水平方向(つまり、回収方向)に移動をする際に、テーブルの移動方向とは逆向きにテーブル上から落下してしまう可能性が最も高い。そこで、落下防止部材は、テーブルの載置面において、第1位置から第2位置に向かうテーブルの移動方向の奥側でゴミ収容体と係合して、テーブルの移動方向とは逆向きにテーブル上から落下してしまうことを阻止するように取り付けることが好ましい。しかしながら、回収装置を兼ねた投入装置がゴミ収容体を投入する際には、開閉扉を中間位置に位置づけた上で、ゴミを収容しているゴミ収容体を載置した状態のテーブルが、第1位置から第2位置へと移動をすることに伴い、テーブルとゴミ収容体とを相対移動させて、ゴミ収容体をシュート内に残しつつ、テーブルのみをシュート外へと移動させることになる。このため、前述した回収動作における落下防止部材は、投入動作の際のテーブルとゴミ収容体との相対移動を阻止するように機能してしまう。そこで、投入装置兼回収装置では、落下防止部材は、ゴミ収容体と係合する状態と、ゴミ収容体と係合しない状態とに切り替え可能にしてもよい。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、前記のゴミ収容体の投入装置によると、開閉扉と、搬送支持部とを備えた簡略な構成の投入装置によって、ゴミ収容体をシュート内に投入し、的確に降下させることが実現する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、ゴミ収容体の投入装置を、図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態の説明は例示である。
図1は、ゴミ搬送システム1の全体図を示している。このゴミ搬送システム1は、高層建築物(図示省略)において、各フロアから排出されるゴミを、地階に設けたゴミ処理室4にまで搬送するシステムである。ゴミ搬送システム1は、縦搬送装置2と、縦搬送装置2が接続される横搬送装置3とが組み合わさって構成される。高層建築物は、例えばマンション等の人が居住するような建築物や、いわゆるオフィスビル等の建築物等を例示することができ、その種類や用途の制限はない。以下の説明では、マンションを例に、そこに設置されたゴミ搬送システム1について説明する。
【0032】
縦搬送装置2は、高層建築物の各フロアで排出されるゴミを、各フロアから地階に効率よく搬送する装置である。縦搬送装置2は、高層建築物について一つのみ設けてもよいし、高層建築物の各所に複数設けてもよい。例えばマンションにおいては、各フロアに複数の居住スペースが設けられているときには、一つの居住スペースが一つの縦搬送装置2を占有するように、居住スペース毎に縦搬送装置2を設置してもよいし、複数の居住スペースで一つの縦搬送装置2を共有するように複数の縦搬送装置2を設置してもよい。
図1の例では、第1及び第2の2つの縦搬送装置2を設置しているが、第2の縦搬送装置2は、その一部のみを図示している。縦搬送装置2は、高層建築物に沿うように、縦方向に延びて設置される。
【0033】
これに対し、横搬送装置3は、各縦搬送装置2によって地階に搬送されたゴミを、ゴミ処理室4に搬送する装置である。横搬送装置3は、高層建築物の地階(ここでは一例として地下駐車場とするが、横搬送装置が配置される場所は、地下駐車場に限定されない)において、水平に広がって設置される。尚、この例では、各フロアから排出されるゴミは、再利用可能な箱状容器であるゴミ収容体5(
図2等も参照)に収容されており、縦搬送装置2及び横搬送装置3は、ゴミを収容したゴミ収容体5又は空のゴミ収容体5を搬送する。
【0034】
縦搬送装置2は、各フロアから排出されるゴミ収容体5を地階にまで降下させるシュート21、シュート21に対してゴミ収容体を投入するための投入装置22、シュート21に並列となるように配設されかつ、空のゴミ収容体5を地階から各フロアにまで上昇させるダクト23、及び、ダクト23によって搬送されてきた空のゴミ収容体5を回収する回収装置24等を有して構成されている。シュート21及び投入装置22は、ゴミ収容体5を降下させる降下機構を構成し、ダクト23及び回収装置24は、後述の通りゴミ処理室4でゴミを捨てた後の、空のゴミ収容体5を上昇させる上昇機構を構成する。
【0035】
シュート21は、管状に構成されると共に、
図1では仮想的に示す各フロアを貫通して垂直方向に直線状に延びて配設されている。シュート21の内法は、ゴミ収容体5の外法よりも僅かに大きく形成されている。シュート21の上端部は、詳細な図示は省略するが、高層建築物の上部機械室に突出しており、シュート21の下端部は、地階に到達している。
【0036】
シュート21の上端部は開口していると共に、この上端開口を開閉する吸気部25が、シュート21の上端部に取り付けられている。吸気部25は、例えば、シュート21の上端開口を開閉可能でかつ、その開度が調整可能な開度調整ダンパによって構成される。吸気部25のダンパ開度は、後述するサブ制御器62によって制御され、通常の状態、言い換えると無通電の状態では、吸気部25のダンパは閉じている。
【0037】
シュート21の下端部もまた、上端部と同様に開口していると共に、この下端部には下部ゲート装置212が設けられている。下部ゲート装置212は、その詳細な図示は省略するが、シュート21内を降下してきたゴミ収容体5を受け止めて、その受け止めたゴミ収容体5を、後述する無人搬送車(例えばRailGuided Vehicle:RGV)7に積み込む機能を有している。また、シュート21の下端部には、側方に開口する排気口211が開閉可能に設けられている。この排気口211は、後述するように、ゴミ収容体5がシュート21内を降下している最中に、そのゴミ収容体5よりも下側を少なくとも大気圧に維持して、シュート21からの臭気漏れを防止する機能を果たす。
【0038】
シュート21の側面にはまた、
図1では図示を省略するが、ゴミ収容体5をシュート内に投入するための投入口が、フロア毎に形成されている。投入装置22は、投入口に隣接して各フロアに設置されており、
図1では詳細な図示は省略するが、利用者によって搬入されたゴミ収容体5を、投入口を通じてシュート21内に投入する機能を有する。投入装置22の構成の詳細は、後述する。投入装置22はまた、ゴミを捨てる利用者が操作をする操作盤を備えている。この操作盤は、利用者がゴミの種類(例えば、生ゴミ等を含む可燃性ごみ、不燃性ごみ、及び、ビン・カン等であり、後述のとおり、ゴミ処理室4におけるゴミの分別に関係する種類である)を入力するための、ゴミ種類選択スイッチと、投入スイッチ(つまり、スタートスイッチ)とを少なくとも有している。利用者は、選択スイッチの操作によって、投入装置22にセットしたゴミ収容体5内のゴミの種類を入力した上で、投入スイッチをオン操作する。このことによって投入装置22は、シュート21に形成されている投入口を一時的に開いて、利用者がセットしたゴミ収容体5をシュート21内に投入し、その投入後に、投入口を閉める動作を行う。投入装置22はまた、入力されたゴミの種類の情報と、ゴミ収容体5を投入した投入装置22の識別情報(つまり、ゴミ収容体5を投入したフロア及びシュートに関する情報)とを、サブ制御器62に出力する。
【0039】
シュート21には、垂直方向に等間隔を空けて、具体的には各フロアに、通過センサ28が設置されている。各通過センサ28は、シュート21内を降下するゴミ収容体5が通過したことを検知する。各通過センサ28は、
図1に破線で示すように、サブ制御器62に対して電気的に接続されており、検知信号をサブ制御器62に出力する。サブ制御器62は、投入装置22や各通過センサ28から出力される信号を受けて、吸気部25及び下部ゲート装置212等の駆動を制御し、ゴミ収容体5を地階まで降下させる。
【0040】
具体的に縦搬送装置2の降下機構は、ゴミ収容体5がシュート21内に投入される際には、吸気部25の開度調整ダンパを閉じておく。こうすることで、ゴミ収容体5の降下時には、そのシュート21内のゴミ収容体5より上方の空間は、空気の流入が制限されて負圧になる。一方、シュート21の下端の排気口211は開けておく。これにより、ゴミ収容体5が降下してもその下側の空間は、空気が抵抗なくシュート21から流出する。従って、シュート21の下方の空間は大気圧に保持される。こうして、ゴミ収容体5の降下時に、シュート21の内圧は大気圧がそれ以下に保持されるため、臭気漏れを効果的に抑制し得る。
【0041】
また、ゴミ収容体5よりも上方の空間の負圧による吸引力によってゴミ収容体5の降下速度は減少する。そのため、吸気部25の開度調整ダンパの開度を調整して、負圧を調整することにより、ゴミ収容体5の質量に応じて、降下速度を調整することが可能になる。サブ制御器62は、各通過センサ28からの検知信号に基づいて、ゴミ収容体5の降下速度を算出し、その降下速度の高低に基づいて、開度調整ダンパの開度を調整する。
【0042】
さらに、ゴミ収容体5が、シュート21の下端から所定高さの基準位置に達したことを、通過センサ28からの検知信号によって検知したときには、サブ制御器62は、吸気部25の開度調整ダンパを全閉にする。これによって、ゴミ収容体5の降下速度を低下させることができ、下部ゲート装置212がゴミ収容体5を受け止める際の衝撃を和らげて、騒音の発生やゴミ収容体5の破損を、効果的に回避することができる。
【0043】
ゴミ収容体5が下部ゲート装置212に受け止められた後は、サブ制御器62は、その下部ゲート装置212を制御することによって、ゴミ収容体5をRGV7に積み込む。
【0044】
これに対しダクト23は、シュート21と同様に、管状に構成されると共に、各フロアを貫通して垂直方向に直線状に延びて配設されている。ダクト23の内法は、ゴミ収容体5の外法よりも僅かに大きい。ダクト23の上端部も、高層建築物の上部機械室に突出しており、ダクト23の下端部は、地階に到達している。
【0045】
ダクト23の上端部もまた開口していると共に、その上端部には、シュート21とは異なり、ダクト23内の空気を強制的に外部に排出する排気装置27が取り付けられている。排気装置27は、例えばファンによって構成されており、ファンはサブ制御器62によって駆動制御される。
【0046】
ダクト23の下端部には、詳細な図示は省略するが、RGV7に積載されている空のゴミ収容体5を吸い上げて、ダクト23内に引き込むための下部ゲート装置232が設けられている。前述したシュート21の下端部に取り付けられた下部ゲート装置212と、ダクト23の下端部に取り付けられた下部ゲート装置232とは、互いに同じ構成である。また、ダクト23の下端部には、側方に開口する吸気口231が開閉可能に設けられている。この吸気口231は、後述するように、排気装置27が駆動をしてダクト内の空気を上から強制排出しているときに、ダクト23の下から中に空気を吸い込む機能を果たす。
【0047】
ダクト23の側面にはまた、
図1では図示を省略するが、ダクト23内のゴミ収容体5を回収するための回収口が、フロア毎に形成されている。回収装置24は、回収口に隣接して各フロアに設置されており、詳細な図示は省略するが、ダクト23内を上昇してきた空のゴミ収容体5を、回収口を通じてダクト23の外に引き出して回収する機能を有する。回収装置24の構成の詳細は、後述する。
【0048】
また、ダクト23にも通過センサ29が設置されており、ダクト23の通過センサは、各フロアに設置されている。各通過センサ29は、ダクト23内を上昇するゴミ収容体5が通過したことを検知する。各通過センサ29は、
図1に破線で示すように、サブ制御器62に対して電気的に接続されており、その検知信号をサブ制御器62に出力する。
【0049】
このように構成された縦搬送装置2の上昇機構は、サブ制御器62の制御によって、次のように動作して、空のゴミ収容体5を上昇させる。つまり、空のゴミ収容体5を積載したRGV7が、ダクト23の下方位置で停止すれば、排気装置27が作動をすることで、ダクト23内が負圧になり、後述の通り、下部ゲート装置232を通じて、空のゴミ収容体5がダクト23内に吸い上げられると共に、空のゴミ収容体5はダクト23内を上昇する。サブ制御器62は、通過センサ29の検知信号に基づいて、ダクト23内を上昇しているゴミ収容体5が、当該ゴミ収容体5が排出されたフロア(以下、排出フロアという)を通過したか否かを判断する。
【0050】
そうして、通過センサ29の検知信号によって、空のゴミ収容体5が排出フロアを通過したことを検知したときには、サブ制御器62は、当該排出フロアの回収装置24に対し、ゴミ収容体5の回収を指令する。回収装置24は、空のゴミ収容体5を受け取る。この際に、排気装置27は停止する。回収装置24は、受け取った空のゴミ収容体5を、回収口を通じてダクト23の外に引き出す。こうして、空のゴミ収容体5の回収が完了する。
【0051】
このように、このゴミ搬送システム1では、各フロアにおいて投入装置22を通じて排出したゴミ収容体5が、当該フロアの回収装置24を通じて空の状態で戻ることになる。
【0052】
尚、図例では、ゴミ収容体5を降下させるシュート21と、空のゴミ収容体5を上昇させるダクト23とを個別に設けているが、一つのシュート(又はダクト)によって、ゴミ収容体5を降下させると共に、空のゴミ収容体5を上昇させるようにしてもよい。前述の通り、シュート21の下端部に取り付けられた下部ゲート装置212と、ダクト23の下端部に取り付けられた下部ゲート装置232とは、互いに同じ構成であり、ゴミ収容体5を受け止めて排出する機能、及び、ゴミ収容体5を吸い上げて引き込む機能の双方を有している。また、詳細は後述するが、投入装置22及び回収装置24も、実質的に同じ構成であり、ゴミ収容体5をシュート21内に投入する機能、及び、空のゴミ収容体5をダクト23から回収する機能を、実質的に有している。
【0053】
横搬送装置3は、地下駐車場の地面に所定の経路となるように設けられた走行路31と、走行路31に沿って走行するRGV7と、を備えて構成されている。走行路31は、各縦搬送装置2と、ゴミ処理室4との間をつなぐように構成されている。具体的に、走行路31は、各縦搬送装置2のシュート21と、ゴミ処理室4とをつなぐ往路311と、ゴミ処理室4と各縦搬送装置2のダクト23とをつなぐ復路312とが無端となるように接続されたループ状に構成されている。尚、
図1では、図示の関係上、往路311と復路312とを、一点鎖線よりも上側を往路311とし、一点鎖線よりも下側を復路312とするように上下に位置をずらして描いているが、往路311と復路312とは、実際は同じ高さ位置に設けられる。RGV7は、ループ状の走行路31に沿って、
図1における時計回り方向に(つまり、一方向に)走行する。RGV7は、各シュート21から排出されたゴミ収容体5を積載した状態で、ゴミ処理室4までそれを搬送すると共に、ゴミ処理室4においてゴミを捨てることによって空になったゴミ収容体5を積載した状態で、それをダクト23にまで搬送する。尚、
図1においては、説明の便宜上、多数のRGV7を図示しているが、RGV7の数は、適宜の数にすることが可能である。また、走行路31はループ状に構成することに限定されない。
【0054】
ゴミ処理室4は、高層建築物の各フロアから排出されたゴミを、その種類によって分別した状態で、ゴミ収集車が収集に来るまで一時的に貯留する部屋であり、この例では、高層建築物の地下駐車場における一郭に設けられている。このゴミ処理室4には、図例では第1〜第3の3つの貯留容器41、42、43が、RGV7の走行方向に並んで設置されている。各貯留容器41、42、43は、ゴミを、その種類毎に貯留する容器である。ゴミ処理室4にはまた、RGV7に積載されたゴミ収容体5内のゴミを、第1〜第3の貯留容器41、42、43それぞれに投入するための、第1〜第3の反転装置44、45、46が、各貯留容器41、42、43に対応して設置されている。尚、ゴミ処理室4内に設置する貯留容器及び反転装置の数は、分別すべきゴミの種類の数に応じて、適宜の数にすることが可能である。
【0055】
RGV7は、詳細な図示は省略するが、ゴミ収容体5が積載される荷台を備えた4輪車両であり、RGV7は、走行路31に沿って設けられたレールに案内されながら、走行路31に沿って自動走行をする。つまり、各シュート21とゴミ処理室4との間で、ゴミを収容したゴミ収容体5を搬送すると共に、ゴミ処理室4と各ダクト23との間で、空のゴミ収容体5を搬送する。
【0056】
ゴミ搬送システム1は、メイン制御器61と、各縦搬送装置2に対応して設けられるサブ制御器62(
図1では一つのみ図示する)とによって制御される。メイン制御器61は、ゴミ搬送システム1全体の制御を行い、サブ制御器62は、主に縦搬送装置2についての制御を行う。メイン制御器61にはPC63が接続されており、メイン制御器61は、ゴミ搬送システム1の稼働状況(ゴミの総投入量や、投入履歴等)に関する情報をPC63に提供する。ゴミ搬送システム1の管理者は、PC63を通じて、ゴミ搬送システム1の稼働状況を確認することができる。
【0057】
(投入/回収装置の構成)
次に、
図2〜4を参照しながら、シュート21に設けられた投入装置の構成を説明する。前述したように、ダクト23に設けられる回収装置も、実質的に同じ構成であるため、以下では、投入/回収装置80として、その構成を説明する。尚、以下の説明では,便宜上、
図2を投入/回収装置80の左側面、
図3を投入/回収装置80の正面、
図4を投入/回収装置80の平面として、
図2の紙面における右側を前、左側を後とし、
図3の紙面における右側を右、左側を左とし、紙面における上側を上、下側を下とする。
【0058】
投入/回収装置80は、ゴミ収容体5が載置される搬送支持部としてのテーブル81と、シュート21に形成されかつ、ゴミ収容体5が通過する投入口、又は、ダクト23に形成されかつ、ゴミ収容体5が通過する回収口を開閉する開閉扉82とを備えている。以下の説明においては、シュート21及びダクト23を総称して、縦管20と呼び、投入口及び回収口を総称して通過口201と呼ぶ。
【0059】
テーブル81は、ゴミ収容体5が載置可能な程度の大きさの、上向きの載置面810を有している。テーブル81は、縦管20の前方に隣接する筐体801内に収納されており、この筐体801の待機位置(つまり、第2位置)と、縦管20内の支持位置(つまり、第1位置)との間を、前後方向に往復移動可能に構成されている。つまり、
図3に概念的に示すように、テーブル81の左右の側面には、例えば入れ子状の複数段でかつ前後方向に伸縮可能な、公知構成のスライドレール811、811が取り付けられており、テーブル81は、このスライドレール811、811に支持された状態で、前記の待機位置から支持位置へと前進すると共に、支持位置から待機位置へと後退する。尚、スライドレール811は、テーブル81が待機位置に位置しているときには、筐体801内にのみ配置され、テーブル81が支持位置に位置しているときのみ、縦管20内に配置される。従って、ゴミ収容体5が縦管20内を降下又は上昇する際に、スライドレール811は、ゴミ収容体5と干渉することがない。
【0060】
筐体801内には、前後方向に進退可能に構成されたテーブル81を往復移動させるための進退駆動手段83が配設されている。この進退駆動手段83は、電動モータ831と、その基端が電動モータ831の回転軸に固定されたアーム832と、テーブル81の下面に取り付けられかつ、前記アーム832の先端が係合する係合チャンネル833とを備えて構成されている。係合チャンネル833は、
図8に拡大して示すように、下向きに開口する横断面逆U字状のチャンネル材であり、テーブル81の下面における最も前側の縁部で、左右方向に延びて配設されている。アーム832の先端には、この係合チャンネル833内に配置され、係合チャンネル833に案内されながら左右方向に相対移動が可能なローラ834が取り付けられている。テーブル81が待機位置に位置している状態で電動モータ831が駆動し、アーム832が、
図4において時計回り方向に回転したときには、一点鎖線で示すように、アーム832の先端のローラ834が、係合チャンネル833に係合した状態で相対的に左右方向に移動をしながら、スライドレール811に支持されたテーブル81を後方に移動させることが可能になる。こうしてテーブル81は、筐体801内の待機位置から、縦管20内の支持位置まで、水平方向に移動する。一方、テーブル81が支持位置に位置している状態で電動モータが駆動をし、アーム832が、
図4において反時計回り方向に回転したときには、前記とは逆に、ローラ834が係合チャンネル833に係合した状態で相対的に左右方向に移動をしながら、スライドレール811に支持されたテーブル81を前方に移動させることが可能になる。こうしてテーブル81は、縦管20内の支持位置から、筐体801内の待機位置まで、水平方向に移動する。
【0061】
図8に示すように、テーブル81の載置面810の前側位置には、この載置面810上に載置されたゴミ収容体5の下端部に係合するアングル状の係合部812が、載置面810から突出するように、取り付けられている。この係合部812は、詳細は後述するが、シュート21内に投入するゴミ収容体5を載置したテーブル81を待機位置から支持位置へと移動させるときに、ゴミ収容体5の下端部に係合することで、ゴミ収容体5がテーブル81から落下することを防止する。尚、係合部812は、当該投入/回収装置80が、回収装置としてのみ用いられるときには、省略してもよい。
【0062】
また、投入/回収装置80が、回収装置として用いられるとき(つまり、投入/回収装置80がダクト23に配置される場合、又は、シュート兼ダクトの縦管に配置される場合)には、テーブル81の載置面810の後側位置には、この載置面810上に載置されたゴミ収容体5の下端部に係合する第2の係合部813が取り付けられる。尚、第2の係合部813は、当該投入/回収装置80が、投入装置としてのみ用いられるときには、省略してもよい。第2の係合部813は、空のゴミ収容体5を回収すべく、この空のゴミ収容体5を載置したテーブル81を支持位置から待機位置へと移動させるときに、ゴミ収容体5のテーブル81からの落下を防止する。尚、投入/回収装置80が、投入装置兼回収装置として機能するときには、
図8に一点鎖線で示す第2の係合部813は、テーブル81の上面から突出する状態と、テーブル81の上面から突出しない状態とに、切り替え可能に構成される。なぜなら、詳しくは後述する投入装置としての機能時に、第2の係合部813は、テーブル81とゴミ収容体5との相対移動を阻止して、ゴミ収容体5の投入動作ができなくなるためである。こうした第2の係合部813の切り替え構成は、例えばバネ丁番のような構成により起立と倒伏とを切り替えることによって実現可能である。
【0063】
筐体801内にはまた、テーブル81に載置されるゴミ収容体5の左右方向の位置を規制する、一対のガイド802が、前後方向に延びて設けられている。また、筐体801には、
図2に示すように、利用者がゴミ収容体5をテーブル81上に載置する(つまり、ゴミ収容体5をセットする)ために開閉する投入扉803が設けられている。投入扉803は、
図2に一点鎖線の矢印で示すように、揺動開閉式に構成されている。投入扉803の表面には、利用者が把持する把手8031が取り付けられており、投入扉803は、利用者が手動で開閉を行う。尚、投入扉803を、例えばボタン操作により自動で開閉するように構成してもよい。投入扉803の裏面には、押圧部材8032が取り付けられている。押圧部材8032は、利用者がテーブル81の上にゴミ収容体5を載置して、投入扉803を閉めたときに、テーブル81上のゴミ収容体5に当たって、このゴミ収容体5をテーブル81上の所定位置に位置づける機能を有している。この押圧部材8032と、前記のガイド802とによって、ゴミ収容体5は、テーブル81上の所定位置に、確実に位置づけられるようになる。このことは、後述するゴミ収容体5の投入動作を、確実に行いかつ、ゴミ収容体5をシュート21内でスムースかつ確実に降下させる上で有利になる。また、利用者は、投入扉803を開閉することだけで、ゴミ収容体5を適切にセットすることができ、利便性が高い。
【0064】
開閉扉82は、
図5、6に示すように、平板状に構成された扉本体821を有している。扉本体821の左右の両側縁部には、ガイドローラ823及びボールローラ824が取り付けられる取付部822が、前後方向に拡がるように立設している。ガイドローラ823は、後述するガイド部86に係合して、開閉扉82を上下方向及び前後方向に案内するローラであり、開閉扉82の左右両側のそれぞれで、その上端部及び下端部の、合計4箇所に取り付けられている。また、ボールローラ824は、ガイド部86に当接して、開閉扉82の左右方向の位置を規制するローラであり、上下左右の合計4箇所に取り付けられたガイドローラ823のそれぞれに隣接して、合計4箇所に取り付けられている。
【0065】
開閉扉82の下端部には、縦管20の通過口201における下端開口縁部2011に当接し、開閉扉82がこの通過口201を閉めたとき(後述する、全閉位置に位置づけられたとき)に、縦管20内を密閉する当接部84が設けられている。この当接部84は、
図5、6に示すように、上下方向にスライド可能なスライド板841と、このスライド板841を扉本体821に対して上下方向に変位可能に取り付ける取付部842と、スライド板841の下端に取り付けられかつスライド板841と共に上下方向にスライドするシール部材843とを備えて構成されている。
【0066】
扉本体821の下端部には、
図5から明らかなように、上向きに凹陥した凹部8211が形成されており、スライド板841は、この扉本体821の凹部8211に、一部が重なるように、扉本体821の前面側に積層するように配設されている。取付部842は、このスライド板841を挟んで、扉本体821とは逆側(つまり、スライド板841の前側)に配置されている。取付部842は、左右方向に延びる帯板状であり、その左右の両端部が扉本体821にビス844により固定されることで、スライド板841を、扉本体821に対し、上下方向にスライド可能に取り付ける。尚、スライド板841は、図示省略の付勢部材によって、下向きに付勢してもよい。
【0067】
シール部材843は、スライド板841の下端部に固定されており、このスライド板841と共に、上下方向に変位する。シール部材843は、
図6に示すように、スライド板841の下端縁を挟んで前面側から後面側へと連続するよう横断面でU字状に構成されていると共に、左右方向に延びており、
図5に示すように、扉本体821の凹部8211内の左端から右端の全域に亘って連続して延びている。
【0068】
ここで、通過口201の下端開口縁部2011は、
図6に端的に示すように、縦管20内の降下するゴミ収容体5が引っ掛かることを防止して、スムースに落下させるべく、縦管20の外方に向かって、上向きに傾斜した傾斜面を有している。つまり、縦管20内を降下しているゴミ収容体5は、この傾斜した下端開口縁部2011に当たったとしても、その傾斜面に沿って、縦管20の内方へと案内されるようになる。
【0069】
開閉扉82は、通過口201を全閉にすべく、全閉位置に位置づけられたときには、当接部84のシール部材843が、この通過口201の下端開口縁部2011に当接をして、縦管20内を密閉状態にする(
図3及び
図6参照)。このときに、前述の通り、下端開口縁部2011は傾斜面を有しているため、シール部材843の、下端開口縁部2011に対する当接位置が前後方向にずれると、その上下方向の位置もずれることになる。従って、仮に当接部84が上下方向に変位不能に構成されている場合に、シール部材843と下端開口縁部2011との当接状態を確実に確保しようとすれば、シール部材843の前後方向の位置精度を高めなければならず、ひいては開閉扉82の寸法精度や組み付け精度を高めなければならなくなる。これに対し、当接部84を上下方向に変位可能に構成することは、シール部材843と下端開口縁部2011との当接位置が前後方向に多少ずれたとしても、スライド板841及びシール部材843が上下方向に変位することで、シール部材843と下端開口縁部2011との当接状態を確実に確保することを実現する。つまり、この構成は、開閉扉82の寸法精度や組み付け精度を高める必要性を無くして、製造コストの低減に有利になる。
【0070】
開閉扉82の、扉本体821の後面には、
図5、6に示すように、案内板85が取り付けられている。この案内板85は、縦管20内を降下又は上昇するゴミ収容体5を案内するための板である。案内板85は、上下方向に延びる帯板状であり、扉本体821の左右方向の中央位置であって、扉本体821の上端部を除いた所定の範囲で、上下方向に延びて配設されている。この案内板85は、開閉扉82が全閉位置に位置づけられたときに、
図6に示すように、その後面が縦管20の内壁面202に対して面一となるように構成されている。
【0071】
また、
図3に示すように、縦管20に形成された通過口201は、基本的には、正面視で矩形状であるものの、その上端開口縁部には、左右方向の中央位置から上向きに延びる溝状切り欠き2012が形成されている。
図3に拡大して示すように、開閉扉82を全閉位置に位置づけたときには案内板85の上端部が、溝状切り欠き2012内に内挿するように構成されている。つまり、案内板85と溝状切り欠き2012とは、上下方向に重なる部分を有している(同図の矢印参照)。
【0072】
縦管20内を、ゴミ収容体5が降下又は上昇する際に、縦管20の内壁面202に段差があると、ゴミ収容体5がこの段差に引っ掛かり、ゴミ収容体5の降下又は上昇に支障が生じる虞がある。開閉扉82の後面に取り付けられた案内板85は、開閉扉82によって閉められる通過口201内において縦管20の内壁面202と面一に配置されることで、内壁面に、ゴミ収容体5が引っ掛かってしまう段差が生じることを防止する。つまり、縦管20の内壁面202に形成される段差の内でも、水平方向に連続するような段差は、ゴミ収容体5が引っ掛かるようになって、その降下や上昇を阻害する可能性がある。しかしながら、水平方向の一部のみに形成される段差は、ゴミ収容体の降下を阻害することにはならない。前述したように、開閉扉82の後面に取り付けた案内板85は、その上端部位置において、板厚分の段差を生じさせるが、この段差は、溝状切り欠き2012内に位置しているため、水平方向に連続しない。また、通過口201の上端開口縁部も、段差を生じさせるが、この段差は、案内板85によって分断される。従って、前述した案内板85を、開閉扉82の後面に取り付けることによって、縦管20の内壁面202には、段差が無い状態と実質的に同じになって、ゴミ収容体5の降下や上昇がスムースに行われる。
【0073】
溝状切り欠き2012は、前述したように、案内板85の上端部が内挿される部位よりもさらに上方に延びており、案内板85の上端と溝状切り欠き2012の上端との間には、所定の間隔が設けられている。この間隔によって、開閉扉82が開閉する際に、開閉扉82と縦管20とが干渉することが回避される。つまり、開閉扉82は、
図3に示すように、この開閉扉82を挟んだ左右の両側それぞれに配設されたガイド部86、86によって支持されることで、縦管20の前側で、この縦管20に沿ってスライドするように、通過口201を全閉にする全閉位置と、通過口201を全開にする全開位置との間で、上下方向に往復移動可能に構成されている(
図8も参照)。
【0074】
一対のガイド部86は対称形状に構成されており、
図7に示すガイド部86は、右側に配設されているガイド部86を示している。ガイド部86は、開閉扉82の左右の上部に配置されたガイドローラ823及びボールローラ824が係合する上側ガイド861と、開閉扉82の左右下側に配置されたガイドローラ823及びボールローラ824が係合する下側ガイド862と、を備えている。上側ガイド861と下側ガイド862とは、互いに同じ形状である。上側ガイド861及び下側ガイド862はそれぞれ、前後方向に所定の間隔を開けて並んで配置された一対のレール部材を有している。
図7においては仮想的に示すガイドローラ823は、この一対のレール部材の間に配設されかつ、この一対のレール部材によって、その前後方向の位置を規制されながら、上下方向に延びるレール部材に沿って、その上端と下端との間を上下方向に相対移動をする。
【0075】
一対のレール部材には、その上下方向の途中位置に、より正確には、上端と下端との中央位置よりも下側の位置に、上下方向に対して前後方向に傾く屈曲部863が形成されており、これにより、一対のレール部材は、この屈曲部863を挟んだ上側の部分と下側の部分とでは、前後方向に位置がずれるように構成されている。この構成により、ガイドローラ823は、一対のレール部材の間を、その下端から上端に相対移動するときには、その途中において、後ろから前に位置をずらしながら上方へと移動し、逆に、一対のレール部材の間を、その上端から下端に相対移動するときには、その途中において、前から後ろに位置をずらしながら下方へと移動する。
【0076】
ガイド部86に、こうした屈曲部863が形成されていることに伴い、このガイド部86にガイドされて上下方向に往復移動をする開閉扉82は、通過口201を全閉にする全閉位置では、相対的に後側に位置し、通過口201を全開にする全開位置では、相対的に前側に位置するようになる。そして、全閉位置と全開位置との間を移動する途中において、開閉扉82は、前後方向に変位するようになる。これにより、開閉扉82に貼り付けられた案内板85の後面は、開閉扉82が全閉位置に位置づけられたときに、縦管20の内壁面202と面一となるように位置する。一方で、開閉扉82が全閉位置から全開位置に向かって上方に移動をするときには、通過口201に対して離間するように前方に変位しつつ、上方へと移動するようになり、開閉扉82と縦管20との干渉が回避される。この前方への変位は、開閉扉82の案内板85が、通過口201の溝状切り欠き内を上方に移動している最中に行われる。また、開閉扉82が全開位置から全閉位置に向かって下方に移動をするときには、通過口201に対して接近するように後方に変位しつつ、下方へと移動するようになる。そうして、全閉位置においては、案内板85の後面は、縦管20の内壁面202と面一となる。つまり、ガイド部86は、全閉位置においては、その後面の一部が、縦管20の内壁面202に対し面一となるように構成された開閉扉82と縦管20との干渉を回避しつつ、開閉扉82の開閉を実現する。また、溝状切り欠き2012は、開閉扉82が十分に前方に移動するまで、案内板85と縦管20との干渉を遅らせる機能を有しており、これによって、開閉扉82の開閉構造が簡略になるという利点がある。
【0077】
筐体801内にはまた、上下方向に開閉可能に構成された開閉扉82を往復移動させるため開閉駆動手段87が配設されている。この開閉駆動手段87は、開閉扉82の上端及び下端にそれぞれ連結されるワイヤ871と、このワイヤ871の途中位置で、ワイヤ871が巻き掛けられるプーリ872と、このプーリ872を回転駆動する電動モータ873とを備えて構成されている。
【0078】
プーリ872及び電動モータ873は、
図3に示すように、開閉扉82に対し上部の右側方に配置されている。ワイヤ871は、この位置に配置されたプーリ872から上向きに引き出された後、開閉扉82が全開位置に位置づけられたときよりも上方位置で、左方向に引き出し方向を変更されかつ、開閉扉82の左右の中央位置で、下向きに引き出し方向を変更されるように、配設されている。ワイヤ871の端部(つまり、一端部)は、開閉扉82における上端部の左右の中央位置で、この開閉扉82に連結されている。プーリ872に巻き掛けられたワイヤ871はまた、プーリ872から下向きに引き出された後に、開閉扉82が全閉位置に位置づけられたときよりも下方位置で、その引き出し方向を上向きに変更されるように配設されている。そうして、ワイヤ871の他端部は、開閉扉82における下端部の右端部で、この開閉扉82に連結されている。この構成により電動モータ873が駆動をしてプーリ872が所定方向に回転すると、プーリ872を挟んだ一側のワイヤ871は、プーリ872に巻き取られる一方、他側のワイヤ871はプーリ872から繰り出されるようになって開閉扉82が上方へと移動をするのに対し、プーリ872が逆方向に回転をすると、プーリ872を挟んだ一側のワイヤ871がプーリ872から繰り出される一方、他側のワイヤ871がプーリ872に巻き取られるようになって、開閉扉82が下方へと移動をするようになる。このようなワイヤ871を利用した開閉駆動手段87は、前述したように、上下方向に往復移動をしている最中に、前後方向に変位をするように構成された開閉扉82の開閉駆動においては、前後方向の変位をワイヤ871によって吸収することが可能であるという利点がある。
【0079】
そうして、この開閉駆動手段87は、開閉扉82を、通過口201を全閉にする全閉位置、つまり最も下方の位置と、通過口201を全開にする全開位置、つまり、最も上方の位置と、
図8に示すように、全閉位置と全開位置との間の中間位置との3つの位置にそれぞれ位置づけるように構成されている。このうち、全閉位置は、前述したように、開閉扉82のシール部材843が通過口201の下端開口縁部2011に当接し、縦管20を密閉する位置である。また、全開位置は、
図2に示すように、ゴミ収容体5を載置したテーブル81が、通過口201を通過可能にする位置である。さらに、中間位置は、
図8に示すように、テーブル81の通過を許容する一方で、テーブル81に載置されているゴミ収容体5の通過を阻止する位置である。
【0080】
次に、この投入/回収装置80の動作について
図9、10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図9は、ゴミ収容体5の投入時の動作に係るフローであり、このフローは、サブ制御器62によって実行される。スタート後のステップS91では、利用者が、操作盤に設けられたスタートボタンを操作し、それによって、続くステップS92で、投入扉803を解錠する。利用者は投入扉803を手動で開けて、テーブル81上にゴミを収容したゴミ収容体5を載置することになる。
【0081】
続くステップS93では、テーブル81上にゴミ収容体5が載置されたか否かを判定し、載置されていないときには(つまり、NOのときには)、ステップS94に移行して、利用者に対してゴミ収容体5のセットを促す表示を行う。一方、テーブル81上にゴミ収容体5が載置されているときには(つまり、YESのときには)、ステップS95に移行する。
【0082】
ステップS95では、ゴミ収容体5をシュートに投入するか否かを確認し、投入しないとき(つまり、NOのとき)にはステップS96に移行して、利用者に対して、ゴミ収容体5をテーブル81から取り除いて、投入扉803を閉めることを促す表示を行う。その後、投入扉803が閉められれば、ステップS97で施錠をし、フローを終了する。
【0083】
これに対し、ステップS95の判定でYESのときには、ステップS98に移行し、利用者が操作盤を操作することにより、投入したゴミの種類を選択し、その後、ステップS99でスタートボタンが操作されれば、フローは、ステップS910に移行する。
【0084】
ステップS910では、ゴミ収容体5の投入運転(つまり、投入動作)の開始条件が成立したか否かを判定する。ここでの開始条件には、ゴミ収容体5がテーブル81上に載置されていること、投入扉803が閉められていること、及び投入扉803が施錠されていること、を例示することができる。いずれかの条件が成立していないときには、ステップS911でエラー表示を行う。一方、全ての条件が成立しているときには、投入運転の準備が全て完了したとし(ステップS912)、投入運転を待機する(ステップS913)。そうして、投入運転が許可されたか否かを判定する(ステップS914)。つまり、他のフロアからゴミ収容体5が既に投入されていないか否かを判定し、当該フロアからゴミ収容体5を投入することが可能になるまで、ステップS913、S914を繰り返す。ゴミ収容体5を投入することが可能になれば、ステップS914からステップS915に移行する。
【0085】
ステップS915では、投入/回収装置80は、全閉位置にあった開閉扉82を全開位置まで移動させ、それによって通過口201を全開にする。その状態で、ゴミ収容体5が載置されたテーブル81を後退させる。ゴミ収容体5及びテーブル81は、
図2、4に仮想的に示すように、通過口201を通過して、縦管20内の支持位置へと移動する。そうして、支持位置へと移動した後に、開閉扉82は、全開位置から中間位置へと移動される(ステップS917、
図8参照)。開閉扉82を中間位置に位置づけた状態で、テーブル81を待機位置に向かって前進させる。これにより、テーブル81は、開閉扉82とは干渉することなく、開閉扉82の下側で通過口201を通過可能であるものの、テーブル81の上に載置されたゴミ収容体5は開閉扉82に干渉し、その通過が阻止される。その結果、テーブル81は待機位置まで移動する一方で、ゴミ収容体5は縦管20内に留まる。こうしてゴミ収容体5は縦管20内で支持が無くなるため、縦管20内を降下する。テーブル81が待機位置に戻り、ゴミ収容体5が降下を開始すれば、開閉扉82は、中間位置から全閉位置へと移動をする。こうして、縦管20を密閉状態にして、投入動作が完了することになる。
【0086】
図10は、空のゴミ収容体5の回収時の動作に係るフローであり、このフローも、サブ制御器62が実行する。スタート後のステップS101は、回収運転が開始されることを待機する状態であり、続くステップS102で回収運転が開始されたか否かを判定する。回収運転が開始されるまでステップS101、S102を繰り返し、回収運転が開始されればステップS103に移行する。
【0087】
ステップS103では、前述したように、縦管20内をゴミ収容体5が上昇をし、当該投入/回収装置80が設置されたフロアを通過する。ゴミ収容体5が通過した後のステップS104では、開閉扉82を全閉位置から中間位置へと位置づけ、その後、ステップS105で、テーブル81を後退させ、待機位置から支持位置へと移動させる。このとき縦管20内においてゴミ収容体5は、支持位置に位置づけられたテーブル81よりも上方に位置している。
【0088】
ステップS106では、縦管20内の吸引を停止し、それによってゴミ収容体5は落下して、テーブル81の上に載置される。そうして、ステップS107で開閉扉82を中間位置から全開位置へと移動させて、ステップS108でテーブル81を前進させることにより、テーブル81上に載置されたゴミ収容体5を待機位置へと移動させる。テーブル81が待機位置へと移動をすれば、開閉扉82を全開位置から全閉位置へと移動させ、これにより、ゴミ収容体5の回収が完了する。
【0089】
その後は、ステップS1010で、利用者に対して、空のゴミ収容体5が戻ったことをアナウンスすると共に表示をし、手動の投入扉803を解錠する(ステップS1011)。利用者は、投入扉803を開けて、テーブル81の上に載置されている空のゴミ収容体5を取り出し(ステップS1012)、投入扉803を閉める。ステップS1013では、投入扉803を施錠して、フローが終了する。
【0090】
このように、前記の構成の投入/回収装置80によると、縦管20の通過口201を開閉する開閉扉82と、前後方向に進退するテーブル81とによって、ゴミ収容体5を縦管20に投入すること、及び、空のゴミ収容体5を縦管20から回収することが可能である。つまり、テーブル81は、ゴミ収容体5の搬送と、縦管20内での支持との2つの機能を兼用しているから、機構の数を減らして投入/回収装置80の構成を、簡略化することができる。このような投入/回収装置80の簡略化は、例えばマンション等の、一般の高層建築物のフロアに設置されかつ、マンションの住人といった一般の人が操作を行う投入装置においては、特に有効である。
【0091】
また、搬送支持部をテーブル81によって構成することによって、投入装置と、回収装置とを実質的に同じ構成にすることを可能にする。これは、ゴミの搬送システムのコスト低減に有利になる。
【0092】
尚、前記の構成では、搬送支持部をテーブル81によって構成しているが、搬送支持部の構成はこれに限定されるものではない。例えばゴミ収容体5の上部に係合し、このゴミ収容体5を吊り下げ支持する構成を採用することも可能である。
【0093】
また、開閉扉82は、全閉位置から上方に向かって移動する構成に限らず、全閉位置から下方に向かって移動する構成を採用してもよい。このような構成は、前述した搬送支持部の構成との組み合わせに応じて、適宜採用することができる。