(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
(1)
基本構成
以下、
冷蔵庫の基本構成について、
図1から
図8を参照して説明する。
図1は
、冷蔵庫本体1の外観構成を概略的に示している。この冷蔵庫本体1は、前面が開口した縦長矩形箱状の断熱箱体2内に、複数の貯蔵室を設けて構成されている。具体的には、断熱箱体2内には、上から順に冷蔵室3、野菜室4が設けられ、この野菜室4の下方に製氷室5と第2冷凍室(切替室)6とが左右に並べて設けられ、最下部に第1冷凍室7が設けられている。
【0008】
このうち、冷蔵室3及び野菜室4は、庫内温度が例えば1℃から5℃程度の冷蔵温度に制御される冷蔵温度帯の貯蔵室である。製氷室5、第2冷凍室6及び第1冷凍室7は、庫内温度が例えば−18℃以下の冷凍温度に制御される冷凍温度帯の貯蔵室である。前記冷蔵室3の前面には、断熱性を有する観音開き式の扉、即ち左右2枚のヒンジ開閉式の扉8、9が設けられている。後述するように、そのうち左側の扉8(以下、左扉8という)には、
図2等にも示すように、操作パネル部10が設けられる。前記野菜室4、製氷室5、第2冷凍室6、第1冷凍室7の前面は、夫々、背面部に貯蔵容器を連結した引出し式の断熱扉11、12、13、14によって開閉される。
【0009】
詳しく図示はしないが、前記冷蔵庫本体1には、冷凍サイクルが組込まれている。
図3に一部示すように、この冷凍サイクルは、前記冷蔵室3及び野菜室4を冷却するための冷蔵室用冷却器と、前記製氷室5及び第1、第2冷凍室7、6を冷却するための冷凍室用冷却器との2つの冷却器を備えると共に、圧縮機15(
図3にのみ図示)、凝縮器、前記2つの冷却器に対する冷媒の流れを切替えるための切替弁16等を備えて構成される。
【0010】
また、
図3に示すように、冷蔵庫本体1内には、冷蔵室3及び野菜室4に冷蔵室用冷却器からの冷気を循環供給するための冷蔵用送風機17、製氷室5及び第1、第2冷凍室7、6に冷凍室用冷却器から冷気を循環供給するための冷凍用送風機18、前記冷凍室用冷却器の除霜を行うための除霜ヒータ19.冷蔵室温度センサ20、冷凍室温度センサ21等が設けられている。
【0011】
さらに、冷蔵庫本体1内には、コンピュータを主体として構成され、全体を制御する主制御装置22が設けられている。この主制御装置22は、後述する操作制御部23にも接続され、前記操作制御部23からの信号や、前記冷蔵室温度センサ20、前記冷凍室温度センサ21の信号などに基づいて、前記冷蔵用送風機17、冷凍用送風機18、圧縮機15、切替弁16、除霜ヒータ19を制御し、もって、冷蔵庫本体1の冷却運転を実行するようになっている。
【0012】
次に、前記冷蔵室3の左扉8に設けられる操作パネル部10の構成について、
図2から
図8も参照して詳述する。ここで、詳しく図示はしないが、前記左扉8は、前面側に配置される前面板24と、その裏面側に配置される前面が開放した前後に薄型のプラスチック製の箱体との間に、断熱材を配置して構成されている。前記前面板24は、例えばガラス製の透光性を有するものとされている。
【0013】
このとき
、図8にのみ図示するように、前面板24の裏面側には、冷蔵庫本体1の外観の着色と同等の色(例えば、白、黒、シルバー等)の塗料からなる薄い塗装膜24aが形成されている。ここでは、例えば白色の塗装膜24aが設けられている。
図5、
図6に示すように、前記操作パネル部10は、前記前面板24の裏面側に、後述する操作ユニット25を配設して構成されている。この操作パネル部10は、
図1に示すように、左扉8の前面のうち、ヒンジとは反対の開動側、つまり右側の辺部寄り部分の縦長な矩形状の領域に設けられている。
【0014】
図2は、操作パネル部10(操作ユニット25)において、後述する操作部及び表示部の全ての表示がなされた(全ての光源が点灯された)状態を例示している。
図2に示すように、この操作パネル部10は、右側に、ユーザが手の指でタッチ操作する複数、この場合6個の操作部26〜31を縦一列に並んで備えている。これと共に、それら操作部26〜31の左側に、各操作部26〜31に対応した表示部32〜36が縦に並んで設けられている。
【0015】
各操作部26〜31は、周知の静電容量式タッチセンサから構成されており、前面板24の前面に仮想的に設定される操作ボタン26a〜31aと、その裏面側に位置する静電容量検出部26b〜31b(
図3にのみ図示)とを有している。静電容量式タッチセンサは、前面板24の操作ボタン26a〜31aにユーザが指を触れた(接近させた)ことを静電容量の変化として検出するものである。このとき、最下部を除いた上部に位置する5つの操作部26〜30が、通常モードにおいて冷蔵庫の運転に関する設定操作を行うための操作部とされており、最下部の操作部31が、待機モードと通常モードとの間でのモードの切替え指示等を行うための操作部とされている。
【0016】
具体的には、
図2に示すように、上から順に、「冷蔵」の操作部26(操作ボタン26a)、「冷凍」の操作部27(操作ボタン27a)、「冷凍機能」の操作部28(操作ボタン28a)、「製氷」の操作部29(操作ボタン29a)、「節電」の操作部30(操作ボタン30a)、「ホーム」の操作部31(操作ボタン31a)が設けられている。そのうち、「冷蔵」、「冷凍」、「冷凍機能」、「製氷」、「節電」の操作ボタン26a〜30aについては、円の中にそれらの文字を配置して構成される。「ホーム」の操作部31の操作ボタン31aは、ほぼ五角形のマーク(家のイメージ)とされている。尚、
この基本構成では、「ホーム」の操作ボタン31aが、決定操作ボタンを兼用している。
【0017】
これに対し、最上段の表示部32は、「冷蔵」、「冷凍」の操作部26、27に対応してそれらの中間の高さに設けられ、全体で円形に配置された5個の円弧ライン状のマークつまりインジケータと、その上部に位置する「明るさ調整」の文字と、下部に位置する「強」、「弱」の文字とからなる。
図7にも示すように、表示部32のインジケータの点灯の数が強度レベル(或いは明るさ)を表すものとなる。
【0018】
その一つ下の表示部33は、「冷凍機能」の操作部28に対応し、上から順に「一気冷凍」、「熱もの冷凍」、「野菜冷凍」、「ドライ」の文字が、選択的に表示される。その下の表示部34は、「製氷」の操作部29に対応し、「一気製氷」、「製氷オフ」の文字が、選択的に表示される。その下の表示部35は、「節電」の操作部30に対応し、上から順に「節電」、「おでかけ」、「ピークシフト」の文字が、選択的に表示される。最下段の表示部36は、「ホーム」の操作部31に対応し、「ecoモード」の文字と、「キー(鍵)」のマークとが表示される。
【0019】
尚、
この基本構成では、
図8にのみ図示するように、前面板24の裏面側には、例えば白色の塗料による薄い塗装膜24aが形成されており、全体として半透明状態とされている。このとき、後述するように、表示機構により、光源としてのLEDが点灯された時のみ、操作ボタン26a〜31a(円及び文字、並びにマーク)が投影表示され、明輝して見える構成となっている。表示部32〜36についても、表示機構により、光源としてのLEDの点灯時のみ、操作部26〜31で選択された文字やマークが投影表示され、明輝して見える構成となっている。
【0020】
次に、前記操作パネル部10を構成する操作ユニット25について、
図4から
図7も参照して述べる。即ち、
図4〜
図6に示すように、操作ユニット25は、裏面側から順に、回路基板37、遮蔽板38、ばね部材39、可撓性スイッチプリント板40、銘板フィルム41を重ねるように配置して構成される。
【0021】
図4に示すように、そのうち回路基板37は、やや縦長の矩形状に構成され、その表面(前面)に、前記各操作部26〜31及び各表示部32〜36に対応して、それらの光源となる複数個のLED42が実装されている。これと共に、回路基板37には、そられLED42に対する通電用回路や、後述する静電容量検出部26b〜31bの信号処理回路(検出部)を含む操作制御部23(
図3にのみ図示)が設けられている。更に、回路基板37は、外部との接続用の外部接続用コネクタ43、44等を備えている。
【0022】
前記遮蔽板38は、着色された(光が透過しない)リジッドなプラスチック成型品からなり、全体として縦長矩形状に構成されており、その板面には、複数の光ガイド部45を一体に有している。これら各光ガイド部45は、前記回路基板37の各LED42の光を、光の漏れが無いようにしながら、前方の各操作部26〜31及び各表示部32〜36に向けて夫々案内するためのものである。
【0023】
従って、
図5、
図6にも示すように、各操作部26〜31に対応した光ガイド部45は、後方に向けてすぼまっていくようなテーパ状(すり鉢状)をなし、遮蔽板38の中央右寄りに位置して全体で6個が縦に並んで形成されている。また、各表示部32〜36(各文字やマーク)に対応した光ガイド部45は、前後に深さをもった枠状(例えば文字に対応する部分は横長な枠状)をなし、遮蔽板38の左側に位置して縦に並んで形成されている。この遮蔽板38は、前記回路基板37の表面側に、位置決め状態で被せられようにして結合される。尚、
図4に示すように、この遮蔽板38の左辺部には、左方に突出するばね性を有した3個のストッパ部49が上下方向に並んで一体に形成されている。
【0024】
前記ばね部材39は、柔軟性(弾性)を有する透明なプラスチック材料からなり、各操作部26〜31(操作ボタン26a〜31a)に対応した(一回り大きい)円形状をなす肉厚な円形部39aと、ほぼ「く」の字型をなすようにしてそれらを順に上下につなげる連結部39bとを一体的に有して構成されている。このばね部材39は、遮蔽板38の前面右寄り部分に形成された凹所に嵌り込むように取付けられる。これにて、ばね部材39は、可撓性スイッチプリント板40の各静電容量検出部26b〜31b(
図3にのみ図示)の裏面側に配置されるばね性を有したクッション材として機能し、それら各静電容量検出部26b〜31bを、銘板フィルム41を介して前記前面板24の裏面に対して押当てる機能を果たす。
【0025】
そして、前記可撓性スイッチプリント板40は、全体として前記遮蔽板38の右半部を覆うような縦長矩形状の薄型シート状をなしている。詳しく図示はしないが、この可撓性スイッチプリント板40は、可撓性を有する例えばPETからなる透明なベースフィルムの表面に、前記静電容量検出部26b〜31b(
図3にのみ図示)及び、配線、誤検出防止用電極等を印刷形成し、その表面をやはりPETからなる透明なカバーフィルムで覆った構成を備える。前記各静電容量検出部26b〜31bは、ベースフィルムの表面に、例えば一定の透明性を有する導電性ポリマーを、夫々円形(最下部の静電容量検出部31bのみ五角形)に印刷塗布して構成されている。この可撓性スイッチプリント板40は、右辺部の下端部に位置して、外部との電気的を行うための接続部40aが、細幅に下方に延びて設けられている。
【0026】
前記銘板フィルム41は、詳しく図示はしないが、縦長矩形状の透明フィルムの表面に、遮光部及び表示用透光部41a(
図7に一部のみ図示)を設けて構成されている。そのうち表示用透光部41aは、前記各操作ボタン26a〜31aを表示するためのマークや文字、並びに、各表示部32〜36を構成する各文字やマークに対応して(透明に抜かれた状態で)形成されている。上記した可撓性スイッチプリント板40及び銘板フィルム41は、前記遮蔽板38の前面に位置決め状態で重ね合わせられるように取付けられ、以て、ユニット化された操作ユニット25が構成される。
【0027】
上記したように、前記LED42が点灯されることによって、銘板フィルム41の表示用透光部41aを光が通され、もって前面板24(操作パネル部10)に文字やマークが投影表示されるようになる。これにて、操作ユニット25内に表示機構を含んで構成され、表示機構(各LED42)は、前記操作制御部23により制御される。
【0028】
この操作ユニット25は、
図5、
図6に示すように、左扉8の内部に断熱材が除かれて形成された収納空間(収納ケース46)内に、前面板24の裏面に当接するようにして収納される。このとき、
図6に示すように、左扉8の右側の側壁部8aには、操作ユニット25を出し入れするための縦長な開口部8bが設けられている。開口部8b部分には、蓋部材48が着脱(開閉)可能に取付けられる。この組付け時に、操作ユニット25(操作制御部23)は、前記コネクタ43を介して前記主制御装置22との電気的接続がなされる。
【0029】
さて、前記操作制御部23は、コンピュータ(CPU)を含んで構成され、そのソフトウエア構成等により前記各LED42を制御して、各操作部26〜31の操作ボタン26a〜31aの表示を行うと共に、表示部32〜36について、現状の設定情況に対応した形態で表示を行う。このとき、
図3に示すように、各LED42に対する輝度(電流値)を例えばPWM制御により調整するための周知の輝度調整回路47が設けられている。操作制御部23は、輝度調整回路47により、各LED42の点灯状態(オン・オフ及び輝度)を制御することが可能となっている。
【0030】
これと共に、操作制御部23は、静電容量式タッチセンサ(静電容量検出部26b〜31b)の検出信号に基づく各操作ボタン26a〜31aのタッチ操作(近接操作)を監視する。このとき、操作制御部23は、各静電容量検出部26b〜31bの検出信号に基づいて、各操作ボタン26a〜31aのタッチ操作を認識したときに、その操作結果に応じて表示部32〜36の表示の変更を行うと共に、ブザーにより例えば「ピッ」という報知音を鳴動させる。更に、操作制御部23は、操作に応じた設定信号を、前記冷蔵庫本体1の主制御装置22に送信する。
【0031】
また、操作制御部23は、操作パネル部10の動作モードを、通常モードと待機モードとの間で切替えるようになっている
。通常モードにあっては、全ての操作ボタン26a〜31aが点灯表示されると共に、表示部32〜36の必要な点灯表示がなされ、全ての操作部26〜31(操作ボタン26a〜31a)の操作が有効とされる。尚、表示部32のうち「明るさ調整」の文字部分については、後述する調整モードになったときにのみ点灯されるようになっている。
【0032】
これに対し、待機モードでは、
図1に示すように、表示部32〜36の表示が消灯されると共に、各操作ボタン26a〜30aの表示も消灯される。このときには、「ホーム」の操作ボタン31aのみが点灯表示状態とされて、この操作ボタン31aの操作のみが有効とされる。
【0033】
操作制御部23は、通常モードにあって、「ホーム」の操作ボタン31aが操作されたとき、或いは、全ての操作ボタン26a〜31aの操作がない状態が所定時間継続したとき(例えば最後に操作されてから30秒が経過したとき)に、待機モードに切替える。操作パネル部10の待機モードにおいて、「ホーム」の操作ボタン31aの操作があったときに、待機モードを解除して通常モードに戻すようになっている。
【0034】
そして、後の作用説明でも述べるように
、操作パネル部10における視認性の変化を伴う表示態様の一つとして、各LED42の輝度、つまり、表示部32〜36及び操作部26〜31の操作ボタン26a〜31aの表示の明るさを調整することが可能とされている。この場合、ユーザの操作パネル部10の操作によって、操作パネル部10の表示の明るさを調整(設定)することが可能とされ、操作制御部23は、設定された明るさに応じて、LED42の点灯する際の輝度を制御するようになっている。
【0035】
操作制御部23は、例えば、輝度「1」(輝度が比較的低い)から輝度「5」(最高の明るさ)までの5段階の輝度レベルでLED42を制御するようになっている。ユーザは、設定操作により、表示部32〜36及び操作部26〜31の輝度(明るさ)を5段階のうちいずれかに調整することができる。従って、操作制御部23が調整手段として機能する。
【0036】
具体的には、操作制御部23は、操作パネル部10の通常モードにおいて、操作部26〜31の特殊操作、例えば、離間して配置された2個の操作ボタンである、「冷凍」の操作ボタン27aと「節電」の操作ボタン30aとが同時にオン操作されたことを検出すると、調整モードに切替える。操作制御部23は、この調整モードでは、
図7に示すように、表示部32を「明るさ調整」の文字部分を含めて点灯させると共に、「節電」の操作ボタン30a及び「ホーム」の操作ボタン31aを、現在の輝度レベルで点灯させる。
【0037】
この調整モードでは、表示部32のうち、庫内の冷却強さの強弱を示すインジケータが、調整されるべき(現在の)輝度を示す表示に切替えられる。この場合、操作制御部23は、輝度「1」では、インジケータのうち左下の1個を点灯させ、輝度のレベルが、「2」〜「5」に上昇するにつれ、時計回り方向に順次点灯数を増やしていく。
図7は、輝度「3」の場合を例示している。
【0038】
この調整モードでは、例えば「節電」の操作ボタン30aが輝度の変更を指示する操作ボタンとして機能し、操作制御部23は、「節電」の操作ボタン30aが押されるたびに、輝度のレベルを一段階ずつ増やしていく。輝度「5」の場合に「節電」の操作ボタン30aが押された場合には、輝度「1」に戻す。またこのとき、操作制御部23は、実際に点灯しているLED42の輝度を、現在の設定輝度レベルに対応した輝度に変更させるようになっている。
【0039】
上記したように、「ホーム」の操作ボタン31aが決定操作ボタンとして機能し、「ホーム」の操作ボタン31aが操作されると、現状の輝度レベルに設定(決定)がなされる。「ホーム」の操作ボタン31aの操作がなくても、「節電」の操作ボタン30aの操作がない状態が所定時間(例えば10秒以上)続いた場合にも、その時点の輝度レベルに設定(決定)される。決定がなされると、調整モードから、通常モード(又は待機モード)に切替えられる。
【0040】
尚、表示部32〜36及び操作部26〜31の表示の輝度(明るさ)のデフォルト値(工場出荷時の設定値)としては、前面板24の塗装膜24aの色が、黒やシルバーの場合には、輝度「4」又は輝度「5」と高く設定されている。これに対し、塗装膜24aの色が白の場合には、デフォルト値が、複数段階の輝度のうち所定輝度以下、つまりやや低めの輝度である輝度「3」に設定されている。その理由は、次の通りである。
【0041】
即ち、
図8に示すように、前面板24に白色の塗装膜24aを有しているものにあっては、LED24の輝度が高いと、光が銘板フィルム41の表示用透光部41aを通して前面板24を真直ぐ透過するものに加えて、前面板24の内部で反射した上で、前面板24を透過する光も多くなり、その分、表示用透光部41aの文字やマークが不明瞭(ぼやけた状態)になってしまう。従って、ユーザにとって見やすい初期設定とするためには、低めの輝度に設定されている方が望ましいのである。塗装膜24aが黒やシルバーの場合には、そのような現象は少なく、輝度が高いほど文字やマークが鮮明になる。
【0042】
次に、上記構成の作用・効果について述べる。上記構成の操作パネル部10においては、通常モードでは、LED42の設定された輝度での点灯により、操作部26〜31の全ての操作ボタン26a〜31aが投影表示されると共に、表示部32〜36の必要な表示がなされる。ユーザは、それら操作ボタン26a〜31aをタッチ操作することにより、冷蔵庫の運転に関する各種の設定操作を行うことができる。例えば、「冷蔵」の操作ボタン26aを操作して、冷蔵室3及び野菜室4の冷却強度を5段階で設定(変更)することができる。尚、このときには、表示部32のうち「明るさ調整」の文字は表示(点灯)されない。
【0043】
また、「ホーム」の操作ボタン31aが操作されたとき、或いは、全ての操作ボタン26a〜31aの操作がない状態が所定時間継続したときに、通常モードから待機モードに切替えられる。この待機モードでは、操作ボタン26a〜30aの表示(LED42)が消灯されて操作が無効とされると共に、表示部32〜36の表示が消灯され、「ホーム」の操作ボタン31aのみが点灯表示されている(
図1参照)。この待機モードにおいては、「ホーム」の操作ボタン31aの操作により、待機モードから通常モードへの切替え指示を行うことができる。この待機モードにより、消費電力を抑えることができる。
【0044】
上記の操作パネル部10にあっては、例えば周囲環境によっては、ユーザが、表示部32〜36や操作部26〜31(操作ボタン26a〜31a)が、明る過ぎる或いは明るさが足らず、見にくく感じることがある。表示部32〜36や操作ボタン26a〜31aの視認性が低いと、ユーザが誤認識したり、操作ボタン26a〜31aを誤操作したりしてしまう虞が考えられる。そこで
、表示部32〜36及び操作部26〜31の表示態様としての輝度を、次のように調整することができる。
【0045】
即ち、上記したように、ユーザは、操作パネル部10の通常モードにおいて、「冷凍」の操作ボタン27aと「節電」の操作ボタン30aとを同時にタッチ操作する。すると、調整モードに切替えられ、「明るさ調整」の文字部分を含めて表示部32が点灯表示されると共に、「節電」の操作ボタン30a及び「ホーム」の操作ボタン31aが点灯表示される。このとき、表示部32のインジケータには、現在の輝度のレベルが点灯数によって表示される。
【0046】
ユーザは、表示部32のインジケータ点灯数と明るさとを見ながら、「節電」の操作ボタン30aを操作して所望の輝度に調整することができる。ユーザが明る過ぎると感じていた場合には、輝度を下げれば良く、暗いと感じていた場合には。輝度を上げれば良い。この場合、「節電」の操作ボタン30aの操作と同時に、表示部32等の明るさ(輝度)が変更されるので、ユーザにとって判り易いものとなる。ユーザがちょうど良いと感じた輝度に調整した上で、「ホーム」の操作ボタン31aを操作すれば(或いは操作を終了して所定時間の経過を待つようにすれば)、その輝度に決定され、操作パネル部10は通常モードに戻るようになる。
【0047】
このように
基本構成によれば、操作部26〜31及びそれら操作部26〜31に対応した表示部32〜36を有する操作パネル部10を左扉8に設けてなるものにおいて、表示部32〜36及び操作ボタン26a〜31aの表示態様この場合輝度の変更を可能に構成した。これにより、例えばユーザが感じる明るさが明る過ぎる場合には輝度を下げ、暗いと感じたならば輝度を上げるといったように、操作パネル部10の視認性を、周囲環境やユーザの嗜好に応じて任意に変更することが可能となる。この結果、ユーザにとっての操作パネル部10の視覚的な識別性を高いものとすることができ、誤認識や誤操作を減少させることができる。
【0048】
このとき
、操作パネル部10を、透光性を有する前面板24に対し表示部32〜36及び操作部26〜31を投影表示させるように構成したので、ユーザに対して視認性の高い操作パネル部10を構成することができ、また、光源としてのLED42の輝度の変更(調整)により、調整手段として機能を容易に実現することができる。
【0049】
また
、操作部26〜31の操作ボタン26a〜31aが操作されることに基づいて、操作パネル部10の輝度を変更するように構成したので、ユーザが輝度調整のための操作を容易に行うことができ、また構成の複雑化を招くこともない。特
に、調整モードにおいて、表示部32の既存のインジケータを、輝度(明るさ)の高低を示す表示に兼用するようにしたので、簡単な構成で済ませながら、輝度の高低についての効果的な表示を行うことができる。
【0050】
更に
、所定の2個の操作ボタン、即ち、「冷凍」の操作ボタン27aと「節電」の操作ボタン30aとが同時操作されることにより、調整モードに切替えられるように構成したので、調整モードに切替えるための別途の操作ボタンを設けるといったことなく、簡単な構成で済ませることができる。しかも、「冷凍」の操作ボタン27aと「節電」の操作ボタン30aとは、離間して配置されているので、それら2個の操作ボタンが偶然同時に操作されて、誤って調整モードに切替わってしまうといった誤操作を、効果的に防止することができる。「ホーム」の操作ボタン31aを決定操作ボタンとして兼用したので、決定操作用の操作ボタンを増やすことなく、簡単な構成で済ませることができる。決定操作を省略しても良いので、ユーザの手間を省くことも可能となる。
【0051】
(2)
参考例、第1〜第3の実施形態、その他の実施形態
図9は、
参考例を示すものであり、操作パネル部50の構成を、全ての表示部及び操作ボタンの表示(点灯)状態で示している。この操作パネル部50が、上記
基本構成の操作パネル部10と異なる点は、操作パネル部50のうち「ホーム」の操作部31(操作ボタン31a)の下方に、操作パネル部50の表示態様として輝度(視認性)を変更(上下)させるための、「アップ」、「ダウン」の2個の操作部51、52(操作ボタン51a、52a)を設けた構成にある。
【0052】
この構成にあっては、ユーザは、調整モードに切替えた上で、「アップ」の操作部51(操作ボタン51a)を操作することにより、操作パネル部50の表示の輝度(明るさ)を段階的に上昇させて行くことができ、「ダウン」の操作部52(操作ボタン52a)を操作することにより、操作パネル部50の表示の輝度(明るさ)を段階的に下降させて行くことができる。これにより、上記
基本構成と同様の作用・効果に加えて、調整操作は「アップ」、「ダウン」のいずれかの操作部51、52の操作で済むので、ユーザにとって、輝度の調整操作が一層しやすいものとなる。
【0053】
図10は、
第1の実施形態を示すもので、操作パネル部60の要部の構成を示している。この操作パネル部60には、「強」、「弱」が左右にペアとなった操作部(操作ボタン)が設けられるのであるが、ここでは、操作部の表示形態として、その「強」、「弱」の操作部(操作ボタン)の位置を、縦方向(高さ方向)に4段階に変更することができるように構成されている。
【0054】
即ち、操作パネル部60には、この場合、横に2列、縦に4段の合計8個の操作部61〜68(操作ボタン)が設けられる。詳しく図示はしないが、各操作部61〜68には、静電容量式タッチセンサ(静電容量検出部)が設けられている。操作パネル部60の各操作部61〜68(前面板24)の前面には、銘板フィルムの表示用透光部や、その裏面側に配設された光源(LED)等から、操作ボタンが仮想的に設定される。
【0055】
前記各操作部61〜68の光源としてのLEDや静電容量式タッチセンサ(静電容量検出部)は、操作制御部により制御される。このとき、操作制御部は、いずれか1段(2個)の操作部(操作ボタン)のみを選択的に有効(アクティブ)とし、残りの3段分(6個)の操作部(操作ボタン)については無効とする。有効とされた操作部は、操作ボタンの表示(LEDの点灯)がなされると共に、静電容量検出部によるタッチ検出がなされる。無効とされた6個の操作部(操作ボタン)については、表示(LEDの点灯)がなされず、タッチ検出もなされない。
【0056】
図10(a)は、最上段の操作部61、62の操作ボタン61a、62aが有効とされた(表示された)様子を示しており、
図10(b)は、上から3段目の操作部65、66の操作ボタン65a、66aが有効とされた(表示された)様子を示している。この場合も、ユーザの操作パネル部60の操作により、どの段の操作部61〜68を有効にするかを調整(変更)することができるようになっている。従って、操作制御部が調整手段として機能する。
【0057】
この
第1の実施形態によれば、操作パネル部60の表示形態として、操作部61〜68の位置を、ユーザの所望のものに調整することが可能となる。この結果、例えば、ユーザの身長に合わせて、操作部61〜68(操作ボタン)を、見やすく、操作しやすい位置(高さ位置)に配置することが可能となり、操作部61〜68の視認性、操作性の向上を図ることができる。
【0058】
図11は、
第2の実施形態に係る操作パネル部70の要部を示すものであり、上記
第1の実施形態とは次の点が異なる。即ち、操作パネル部70は、例えば9個の操作部71〜79(操作ボタン)を縦一列に並んで備えているのであるが、上段の3個の操作部71〜73、中段の3個の操作部74〜76、下段の3個の操作部77〜79のうち、いずれかの組が選択的に有効(アクティブ)とされるようになっている。残りの操作部は無効とされる。
【0059】
図11(a)は、上段の3個の操作部71〜73の操作ボタン71a〜73aが有効とされた(表示された)様子を示しており、
図11(b)は、下段の3個の操作部77〜79の操作ボタン77a〜79aが有効とされた(表示された)様子を示している。この場合も、ユーザの操作パネル部70の操作により、どの組の操作部71〜79を有効にするかを調整(変更)することができるようになっている。従って、この
第2の実施形態によっても、上記
第1の実施形態と同様に、ユーザの身長に合わせて、見やすく、操作しやすい位置(高さ位置)に操作部71〜79(操作ボタン)を配置することが可能となる。尚、各操作部71〜79の左側部にそれら操作部71〜79に対応した表示部を設けた場合には、それら各表示部についても、操作部に併せて有効、無効とすることができる。
【0060】
図12は、
第3の実施形態に係る操作パネル部80の要部を示している。この
第3の実施形態においては、操作パネル部80における表示態様として、操作部(操作ボタン)の大きさを変更(調整)できるように構成されている。
【0061】
即ち、操作パネル部80には、例えば、「強」の操作部81と、「弱」の操作部82とが上下に並んで設けられている。図に破線で示すように、「強」の操作部81には、円形の静電容量検出部(静電容量式タッチセンサ)81a,81bが左右に2個接近して並んで設けられている。「弱」の操作部82にも、同様に、円形の静電容量検出部82a,82bが左右に2個接近して並んで設けられている。
【0062】
そして、詳しく図示はしないが、各操作部81、82には、銘板フィルムの表示用透光部や、その裏面側に配設された光源(LED)等から、前面板(操作パネル部80)の前面に操作ボタンが仮想的に設定されるのであるが、「強」の操作部81には、第1態様操作ボタン83(
図12(a)参照)と、第2態様操作ボタン84(
図12(b)参照)とが選択的に設定(表示)されるようになっている。
図12(a)に示すように、第1態様操作ボタン83は、静電容量検出部81bを囲むような円形に表示される。また、
図12(b)に示すように、第2態様操作ボタン84は、静電容量検出部81a、81bの両方を囲むような横長な長円形に表示される。
【0063】
このとき、操作制御部は、第1態様操作ボタン83が設定されている場合には、右側の静電容量検出部(静電容量式タッチセンサ)81bのみを有効とし、左側の静電容量検出部81aについては無効(タッチ検出を行わない)とする。これに対し、第2態様操作ボタン84が設定されている場合には、静電容量検出部81a,81bの双方を有効とする(どちらか一方でもオンしたらタッチ操作があった判断する)ようになっている。
【0064】
また、「弱」の操作部82についても、同様に、第1態様操作ボタン85(
図12(a)参照)と、第2態様操作ボタン86(
図12(b)参照)とが選択的に設定(表示)されるようになっている。そして、操作制御部は、第1態様操作ボタン85が設定されている場合には、右側の静電容量検出部82bのみを有効とし、第2態様操作ボタン86が設定されている場合には、静電容量検出部82a,82bの双方を有効とするようになっている。このとき、第1態様操作ボタン83,85に設定するか、第2態様操作ボタン84,86に設定するかは、ユーザが操作パネル部80の操作によって調整(変更)することができるようになっている。
【0065】
これにて、
図12(a)に示すように、第1態様操作ボタン83,85が設定されている場合には、操作ボタン83,85は円形の比較的小さいものとなる。これに対し、
図12(b)に示すように、第2態様操作ボタン84,86が設定されている場合には、見かけ上、操作ボタン84,86が大型になる。このように、操作部81,82の操作ボタンの大きさを、ユーザの所望のものに調整することが可能となり、ひいては視認性、操作性を向上させることができるものである。
【0066】
尚、図示はしないが、上記第1の実施形態等では、表示部及び操作部(操作ボタン)をLED42により単色で表示するようにしたが、表示部及び操作部の光源として、例えば多色発光型のLEDを用い、操作制御部が各LEDの点灯の色を制御することにより、表示態様として表示の色を変更可能に構成することができる。この場合、表示部及び操作部(操作ボタン)の色を、表示単位毎に例えばユーザの所望のものに調整することが可能となり、ひいては、視認性や操作性を高めることができる。
【0067】
また、上記
基本構成では、表示部32〜36及び操作部26〜31の輝度を5段階で調整するようにしたが、それに限定されず、4段階以下で変更したり、6段階以上(無段階)に変更するようにしても良い。扉(前面板)の色に応じて、輝度の調整度合いを変えるようにしても良い。さらに、上記
基本構成では、表示部32〜36及び操作部26〜31の双方について輝度を調整するように構成したが、表示部と操作部とのいずれか一方のみの表示態様を変更するようにしたり、表示部と操作部とで別々に表示態様を変更するようにしたりしても良い。操作部については、タッチ操作だけでなく、フリック操作やドラッグ操作等を検出できるような構成のものを採用しても良い。
【0068】
上記実施形態では、観音開き式の扉のうち左扉8に操作パネル部10(操作ユニット25)等を設けるようにしたが、右側の扉9に設けるようにしても良い。上記実施形態では、操作部に静電容量式タッチセンサを採用したが、それ以外の各種センサやスイッチを採用しても良い。その他、上記した各実施形態に限定されるものではなく、例えば、冷蔵庫本体の各室の構成(配置)や、操作パネル部における操作部(操作ボタン)の種類や数、表示部の表示の形態等についても様々な変形例が考えられる。更には、操作ユニットの具体的な構造、例えば回路基板における光源の種類や遮蔽板の構造等に関しても種々の変形が可能である等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。