特許第6289832号(P6289832)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新電元工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6289832-インダクタ装置および電源装置 図000002
  • 特許6289832-インダクタ装置および電源装置 図000003
  • 特許6289832-インダクタ装置および電源装置 図000004
  • 特許6289832-インダクタ装置および電源装置 図000005
  • 特許6289832-インダクタ装置および電源装置 図000006
  • 特許6289832-インダクタ装置および電源装置 図000007
  • 特許6289832-インダクタ装置および電源装置 図000008
  • 特許6289832-インダクタ装置および電源装置 図000009
  • 特許6289832-インダクタ装置および電源装置 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289832
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】インダクタ装置および電源装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 21/08 20060101AFI20180226BHJP
   H01F 37/00 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   H01F21/08
   H01F37/00 N
   H01F37/00 K
   H01F37/00 C
   H01F37/00 R
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-158114(P2013-158114)
(22)【出願日】2013年7月30日
(65)【公開番号】特開2015-29018(P2015-29018A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2016年1月15日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】岡部 和也
【審査官】 右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−088492(JP,U)
【文献】 特開2010−178608(JP,A)
【文献】 特開昭49−128258(JP,A)
【文献】 特開2009−201242(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 21/08
H01F 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉磁路のコアと、
前記コアに巻かれている主巻線と、
前記コアに巻かれ、巻数が前記主巻線の巻数と異なる補助巻線と、
前記主巻線に流れる電流の大きさに応じた電流の大きさで、前記主巻線に流れる電流が前記コアに生成する磁束の方向に対して反対方向の磁束を生成するように、前記補助巻線に電流を流す駆動部と、
を備え、
電源が生成した電流または電圧に基づいて伝送部が電流を前記主巻線に供給し、
前記伝送部は、該伝送部に流れる電流に関する電流信号を検出する電流検出部を備え、
前記駆動部は、前記電流検出部が検出した電流信号に基づいて、前記補助巻線に流す電流を制御し、
前記駆動部は、前記電源から供給された電流または電圧を用いて、前記補助巻線に前記主巻線に流れる電流と同一の大きさの電流を流すインダクタ装置。
【請求項2】
前記駆動部は、前記主巻線に流れる電流の大きさが大きくなるほど、前記補助巻線に流す電流を大きくする
請求項1に記載のインダクタ装置。
【請求項3】
前記駆動部は、前記主巻線に流れる電流の大きさが予め決められた閾値を超えた場合に、前記補助巻線に電流を流す
請求項1に記載のインダクタ装置。
【請求項4】
前記主巻線に流れる電流の大きさに応じた電流の大きさは、前記主巻線に流れる電流の大きさと同じ電流の大きさである
請求項1から3のいずれか一項に記載のインダクタ装置。
【請求項5】
前記コアは、磁路上にギャップを有さない請求項1から4のいずれか一項に記載のインダクタ装置。
【請求項6】
閉磁路のコアと、
前記コアに巻かれている主巻線と、
前記コアに巻かれ、巻数が前記主巻線の巻数と異なる補助巻線と、
電圧または電流を生成する電源と、
前記電源が生成した電流または電圧に基づいて、電流を主巻線に供給する伝送部と、
前記主巻線に流れる電流の大きさに応じた電流の大きさで、前記主巻線に流れる電流が前記コアに生成する磁束の方向に対して反対方向の磁束を生成するように、前記補助巻線に電流を流す駆動部と、
を備え、
前記伝送部は、該伝送部に流れる電流に関する電流信号を検出する電流検出部を備え、
前記駆動部は、前記電流検出部が検出した電流信号に基づいて、前記補助巻線に流す電流を制御し、
前記駆動部は、前記電源から供給された電流または電圧を用いて、前記補助巻線に前記主巻線に流れる電流と同一の大きさの電流を流す電源装置。
【請求項7】
負荷の動作モードを取得し、該取得した動作モードに応じて前記補助巻線に流す電流値を決定し、該取得した動作モードに応じて前記伝送部が前記主巻線に供給する電流を制御する制御部を更に備え、
前記駆動部は、前記制御部が決定した電流値で前記補助巻線に電流を流す
請求項6に記載の電源装置。
【請求項8】
閉磁路のコアと、
前記コアに巻かれている主巻線と、
前記コアに巻かれ、巻数が前記主巻線の巻数と異なる補助巻線と、
電圧または電流を生成する電源と、
前記電源が生成した電流または電圧に基づいて電流を主巻線に供給し、前記電源の電圧に関する電圧信号を検出する電圧検出部を備える伝送部と、
前記電圧検出部が検出した電圧信号に基づいて、前記主巻線に流れる電流が前記コアに生成する磁束の方向に対して反対方向の磁束を生成するように、前記補助巻線に電流を制御する駆動部と、
を備え、
前記駆動部は、
前記電源の両端にかかる電圧が閾値より高い場合、前記補助巻線に電流を注入しないか、前記主巻線に流れる電流より小さい所定の電流を流し、
一方、前記駆動部は、前記電源の両端にかかる電圧が前記閾値以下の場合、前記補助巻線に電流を流し、
前記駆動部は、前記電源から供給された電流または電圧を用いて、前記補助巻線に前記主巻線に流れる電流と同一の大きさの電流を流す、電源装置。
【請求項9】
前記駆動部は、前記電源の電圧と閾値との比較に基づいて、前記補助巻線に流す電流を制御する
請求項に記載の電源装置。
【請求項10】
前記駆動部は、前記電源の電圧が低いほど、前記補助巻線に流す電流を大きくする
請求項に記載の電源装置。
【請求項11】
前記コアは、磁路上にギャップを有さない請求項6から10のいずれか一項に記載の電源装置。
【請求項12】
電源が生成した電流または電圧に基づいて電流を主巻線に供給する伝送部を備えた電源装置に、接続可能なインダクタ装置であって、
閉磁路のコアと、
前記コアに巻かれている前記主巻線と、
前記コアに巻かれ、巻数が前記主巻線の巻数と異なる補助巻線と、
前記主巻線に流れる電流の大きさに応じた電流の大きさで、前記主巻線に流れる電流が前記コアに生成する磁束の方向に対して反対方向の磁束を生成するように、前記補助巻線に電流を流す駆動部と、を備え、
前記伝送部は、該伝送部に流れる電流に関する電流信号を検出する電流検出部を備え、 前記駆動部は、前記電流検出部が検出した電流信号に基づいて、前記補助巻線に流す電流を制御し、
前記駆動部は、前記電源から供給された電流または電圧を用いて、前記補助巻線に前記主巻線に流れる電流と同一の大きさの電流を流すインダクタ装置。
【請求項13】
前記電源装置は、
前記主巻線の一端が接続されるとともに、負荷の一端が接続される第1出力端子と、
前記負荷の他端が接続される第2出力端子と、を備え、
前記伝送部は、
前記電源の陽極に接続された電源陽極端子と、
前記電源の陰極に接続された電源陰極端子と、
一端が前記電源陽極端子に接続され、他端が前記電源陰極端子に接続されたキャパシタと、
一端が前記電源陽極端子に接続され、トランスを構成する一次巻線と、
一端が前記一次巻線の他端に接続されたMOSトランジスタと、
前記MOSトランジスタの他端と前記電源陰極端子との間に接続された、前記電流検出部を構成する抵抗と、
PWM信号を前記MOSトランジスタのゲートに供給して前記MOSトランジスタを制御する制御回路と、
前記トランスを構成する二次巻線と、
アノードが前記二次巻線の一端に接続され、カソードが前記主巻線の他端に接続された第1のダイオードと、
アノードが前記二次巻線の他端に接続され、カソードが前記第1のダイオードのカソードに接続された第2のダイオードと、を備え、
前記電流検出部は、前記抵抗の両端にかかる電圧を前記電流信号として前記駆動部へ出力する
ことを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタ装置および電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チョークコイルを使う際に使用電圧、電流などに対してインダクタンス値を確保する必要があるため、仕様に応じた巻線を選定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−7542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のインダクタ技術では、飽和電流以下では一定のインダクタンス値を示し、飽和電流を超えるとインダクタンス値が0になるので、インダクタン値は二つの値しかとれなかった。よって、所望のインダクタンス値を得ることができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、所望のインダクタンス値を得ることを可能とするインダクタ装置および電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るインダクタ装置は、
閉磁路のコアと、
前記コアに巻かれている主巻線と、
前記コアに巻かれている補助巻線と、
前記主巻線に流れる電流の大きさに応じた電流の大きさで、前記主巻線に流れる電流が前記コアに生成する磁束の方向に対して反対方向の磁束を生成するように、前記補助巻線に電流を流す駆動部と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様は、上記インダクタ装置において、
前記駆動部は、前記主巻線に流れる電流の大きさが大きくなるほど、前記補助巻線に流す電流を大きくする。
【0008】
本発明の一態様は、上記インダクタ装置において、
前記駆動部は、前記主巻線に流れる電流の大きさが予め決められた閾値を超えた場合に、前記補助巻線に電流を流す。
【0009】
本発明の一態様は、上記インダクタ装置において、
前記主巻線に流れる電流の大きさに応じた電流の大きさは、前記主巻線に流れる電流の大きさと同じ電流の大きさである。
【0010】
本発明の一態様は、上記インダクタ装置において、
前記コアは、磁路上にギャップを有さない。
【0011】
本発明の一態様に係る電源装置は、
閉磁路のコアと、
前記コアに巻かれている主巻線と、
前記コアに巻かれている補助巻線と、
電圧または電流を生成する電源と、
前記電源が生成した電流または電圧に基づいて、電流を主巻線に供給する伝送部と、
前記主巻線に流れる電流の大きさに応じた電流の大きさで、前記主巻線に流れる電流が前記コアに生成する磁束の方向に対して反対方向の磁束を生成するように、前記補助巻線に電流を流す駆動部と、
を備える。
【0012】
本発明の一態様は、上記電源装置において、
前記伝送部は、該伝送部に流れる電流に関する電流信号を検出する電流検出部を備え、
前記駆動部は、前記電流検出部が検出した電流信号に基づいて、前記補助巻線に流す電流を制御する。
【0013】
本発明の一態様は、上記電源装置において、
負荷の動作モードを取得し、該取得した動作モードに応じて前記補助巻線に流す電流値を決定し、該取得した動作モードに応じて前記伝送部が前記主巻線に供給する電流を制御する制御部を更に備え、
前記駆動部は、前記制御部が決定した電流値で前記補助巻線に電流を流す。
【0014】
本発明の一態様は、上記電源装置において、
前記駆動部は、前記電源から供給された電流または電圧を用いて、前記補助巻線に前記主巻線に流れる電流と同一の大きさの電流を流す。
【0015】
本発明の一態様に係る電源装置は、
閉磁路のコアと、
前記コアに巻かれている主巻線と、
前記コアに巻かれている補助巻線と、
電圧または電流を生成する電源と、
前記電源が生成した電流または電圧に基づいて電流を主巻線に供給し、前記電源の電圧に関する電圧信号を検出する電圧検出部を備える伝送部と、
前記電圧検出部が検出した電圧信号に基づいて、前記主巻線に流れる電流が前記コアに生成する磁束の方向に対して反対方向の磁束を生成するように、前記補助巻線に電流を制御する駆動部と、
を備える。
【0016】
本発明の一態様は、上記電源装置において、
前記駆動部は、前記電源の電圧と閾値との比較に基づいて、前記補助巻線に流す電流を制御する。
【0017】
本発明の一態様は、上記電源装置において、
前記駆動部は、前記電源の電圧が低いほど、前記補助巻線に流す電流を大きくする。
【0018】
本発明の一態様は、上記電源装置において、
前記コアは、磁路上にギャップを有さない。
【0019】
本発明の一態様に係るインダクタ装置は、
電源装置に接続可能なインダクタ装置であって、
閉磁路のコアと、
前記コアに巻かれている主巻線と、
前記コアに巻かれている補助巻線と、
前記主巻線に流れる電流の大きさに応じた電流の大きさで、前記主巻線に流れる電流が前記コアに生成する磁束の方向に対して反対方向の磁束を生成するように、前記補助巻線に電流を流す駆動部と、
を備える。
【発明の効果】
【0020】
したがって、本発明の一態様に係るインダクタ装置は、主巻線の電流の大きさに応じて補助巻線に流れる電流が変化することで、主巻線に流れる電流とインダクタンス値との関係を変更することができる。その結果、主巻線にある電流を流したときに、所望のインダクタンス値を得ることができる。
【0021】
したがって、本発明の一態様に係る電源装置は、主巻線の電流の大きさに応じて補助巻線に流れる電流が変化することで、主巻線に流れる電流とインダクタンス値との関係を変更することができる。その結果、主巻線にある電流を流したときに、所望のインダクタンス値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、第1の実施形態に係るインダクタ装置1の構成の一例を示す図である。
図2図2は、補助巻線L2に電流を流す場合と流さない場合における、主巻線L1に流れる電流値とインダクタンス値との関係を示すグラフの一例である。
図3図3は、第2の実施形態に係る電源装置10の構成の一例を示す図である。
図4図4は、第3の実施形態に係る電源装置20の構成の一例を示す図である。
図5図5は、第4の実施形態に係る電源装置30の構成の一例を示す図である。
図6図6(A)は、第4の実施形態に係るインダクタンス値と電流の関係を示すグラフの第1の例である。図6(B)は、第4の実施形態に係る磁束と磁界の関係を示すグラフの第1の例である。
図7図7(A)は、第4の実施形態に係るインダクタンス値と電流の関係を示すグラフの第2の例である。図6(B)は、第4の実施形態に係る磁束と磁界の関係を示すグラフの第2の例である。
図8図8は、第5の実施形態に係る電源装置40の構成の一例を示す図である。
図9図9(A)は、第5の実施形態に係るインダクタンス値と電流の関係を示すグラフの一例である。図9(B)は、第5の実施形態に係る磁束と磁界の関係を示すグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る各実施形態について図面に基づいて説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
図1に示すように、本発明の一態様である第1の実施形態に係るインダクタ装置1は、閉磁路のコアCOと、コアCOに巻かれている主巻線L1と、コアCOに巻かれている補助巻線L2と、主巻線L1の両端及び補助巻線L2の両端に接続されている駆動部DRVと、を備える。
【0025】
本実施形態では、一例として、コアCOは、磁路上にギャップを有さない。これにより、磁束が周囲に漏れ出すことを防ぐことができるので、漏れ磁束に起因するノイズを周囲のデバイスに生じさせないようにすることができる。なお、以降の実施形態においても、一例として、コアCOは、磁路上にギャップを有さない。
【0026】
駆動部DRVは、一例として、図1の矢印A1の向きに、主巻線L1に電流を供給する。これにより、コアCOを中心として右回りの向き(図1の矢印A3の向き)にコアCOに磁束が生成される。
【0027】
駆動部DRVは、主巻線L1に流れる電流の大きさに応じた電流の大きさで、主巻線L1に流れる電流がコアCOに生成する磁束の方向に対して反対方向の磁束を生成するように、補助巻線L2に電流を流す。本実施形態では、主巻線L1に流れる電流の大きさに応じた電流の大きさは、一例として、主巻線L1に流れる電流の大きさと同じ電流の大きさである。
【0028】
これにより、主巻線L1に流れる電流がコアCOに生成する磁束が、補助巻線L2に流れる電流がコアCOに生成する磁束によって少なくとも一部打ち消される。主巻線L1と補助巻線L2の巻数が異なる場合、巻数の多い方の巻線に流れる電流がコアCOに生成する磁束の一部が、巻数の少ない方の巻線に流れる電流がコアCOに生成する磁束によって打ち消される。例えば、主巻線L1の巻き数が、補助巻線L2の巻数より多い場合、主巻線L1に流れる電流がコアCOに生成する磁束の一部が、巻補助巻線L2に流れる電流がコアCOに生成する磁束によって打ち消される。これにより、主巻線L1の飽和電流を補助巻線L2に電流を流さないときの飽和電流より、大きくすることができる。
【0029】
一方、主巻線L1と補助巻線L2の巻数が同じである場合、補助巻線L2に流れる電流がコアCOに生成する磁束と主巻線L1に流れる電流がコアCOに生成する磁束が完全に打ち消しあって、コアCOに生成される磁束が飽和することがないので、主巻線L1のインダクタンス値が一定に保たれる。
【0030】
その際、駆動部DRVは、一例として、図1の矢印A2の向きに、補助巻線L2に電流を供給する。これにより、コアCOを中心として左回りの向き(図1の矢印A4の向き)にコアCOに磁束が生成される。この磁束の向きは、主巻線L1に流れる電流がコアCOに生成する磁束の方向に対して反対方向である。
【0031】
なお、駆動部DRVは、主巻線L1に流れる電流の大きさが大きくなるほど、補助巻線に流す電流を大きくしてもよい。これにより、主巻線L1に流れる電流がコアCOに生成する磁束が大きくなるほど、それに応じて補助巻線L2に流れる電流がコアCOに生成する磁束を大きくなる。そのため、主巻線L1に流れる電流の大きさが大きくなるほど、主巻線L1に流れる電流がコアCOに生成する磁束のうち打ち消される磁束が大きくなるので、コアCOに生成される磁束が飽和するのを防ぐことができる。その結果、主巻線L1の飽和電流を補助巻線L2に電流を流さないときの飽和電流より大きくすることができる。
【0032】
また、駆動部DRVは、主巻線L1に流れる電流の大きさが予め決められた閾値を超えた場合に、補助巻線L2に電流を流してもよい。例えば、予め決められた閾値は、主巻線L1がコアCOに生成する磁束が飽和する直前の電流値である。これにより、主巻線L1に流れる電流がコアCOに生成する磁束が飽和しそうになった場合に、補助巻線L2に電流を流すことができる。このため、主巻線L1に流れる電流がコアCOに生成する磁束が、補助巻線L2に流れる電流がコアCOに生成する磁束によって少なくとも一部打ち消されるので、主巻線L1の飽和電流を補助巻線L2に電流を流さないときの飽和電流より、大きくすることができる。
【0033】
続いて、本実施形態において、インダクタンス値Lと主巻線L1に流れる電流Iとの関係について説明する。
【0034】
図2の線F21に示すように、補助巻線L2に電流が流れない場合、飽和電流I5未満では、一定のインダクタンス値L5を示し、飽和電流I5以上の電流では、インダクタンス値が0になる。
【0035】
それに対して、図2の線F22に示すように、補助巻線L2に主巻線L1に流れる電流と同じ大きさの電流が流れる場合、インダクタンス値は、電流が増加するにしたがって、単調に減少し、飽和電流I6のときに0となる。このように、駆動部DRVが、補助巻線L2に主巻線L1に流れる電流と同じ大きさの電流を流すことにより、取り得るインダクタンス値の範囲が広がる。
【0036】
以上、第1の実施形態に係るインダクタ装置1において、閉磁路のコアCOと、上記コアCOに巻かれている主巻線L1と、上記コアCOに巻かれている補助巻線L2と、上記主巻線L1に流れる電流の大きさに応じた電流の大きさで、上記主巻線L1に流れる電流がコアに生成する磁束の方向に対して反対方向の磁束を生成するように補助巻線に電流を流す駆動部DRVと、を備える。
【0037】
これにより、主巻線L1の電流の大きさに応じて補助巻線L2に流れる電流が変化することで、主巻線L1に流れる電流とインダクタンス値との関係を変更することができる。その結果、主巻線L1にある電流を流したときに、所望のインダクタンス値を得ることができる。
【0038】
なお、インダクタ装置1は、電源装置に接続可能であってもよい。その場合、インダクタ装置1は、電源装置1から供給された電流を主巻線L1及び補助巻線L2に流してもよい。
【0039】
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態におけるインダクタ装置を電源装置に適用した一例である。図3に示すように、本発明の一態様である第2の実施形態に係る電源装置10は、閉磁路のコアCOを備える。電源装置10は、更に、一端が伝送部TRの後述するダイオードD1のカソードとダイオードD2のカソードに、他端が第1出力端子TOUT1に接続され、コアCOに巻かれている主巻線L1を備える。
【0040】
電源装置10は、更に、一端が伝送部TRの後述するダイオードD2のアノードと後述するトランスXFの2次巻線SWの他端に接続され、他端が第2出力端子TOUT2に接続され、コアCOに巻かれている補助巻線L2を備える。本実施形態では、一例として、主巻線L1の巻数が補助巻線L2の巻数よりも多い。
【0041】
電源装置10は、更に、陽極が電源陽極端子THに接続され、陰極が電源陰極端子TLに接続された電源BATを備える。
【0042】
電源装置10は、更に、電源BATの陽極、電源BATの陰極、主巻線L1の一端、及び補助巻線L2の一端に接続されている伝送部TRを備える。
【0043】
伝送部TRは、電源BATの陽極とコンデンサCの一端とトランスXFの一次巻線とに接続された電源陽極端子THを備える。
【0044】
伝送部TRは、更に、電源BATの陰極とコンデンサCの他端とNMOSトランジスタNM1のソースに接続された電源陰極端子TLを備える。
【0045】
伝送部TRは、更に、NMOSトランジスタNM1のソースと接続された制御回路CTCを備える。
【0046】
伝送部TRは、更に、ゲートが制御回路CTCに接続され、ソースが電源陰極端子TLとコンデンサCの他端に接続され、ドレインが後述するトランスXFの1次巻線PWの他端に接続されたNMOSトランジスタNM1を備える。
【0047】
伝送部TRは、更に、1次巻線PWと2次巻線SWを備えるトランスXFを備える。1次巻線PWの一端は、電源陽極端子THとコンデンサCの一端に接続されている。1次巻線PWの他端は、NMOSトランジスタNM1のドレインに接続されている。2次巻線の一端は、ダイオードD1のアノードに接続され、他端はダイオードD2のアノード及び補助巻線L2の一端に接続されている。
【0048】
なお、伝送部TRは、トランスXFの代わりに、ドレインがコンデンサCの一端及び電源陽極端子THに接続され、ゲートが制御回路CTCに接続され、ソースがNMOSトランジスタNM1のドレインに接続されたFET(Field Effect Transistor)を備えていてもよい。
【0049】
伝送部TRは、更に、アノードが2次巻線SWの一端に接続され、カソードがダイオードD2のカソードと主巻線L1の一端に接続されたダイオードD1を備える。
【0050】
伝送部TRは、更に、アノードが2次巻線SWの他端と補助巻線L2の一端に接続され、カソードがダイオードD1のカソードと主巻線L1の一端に接続されたダイオードD2を備える。
【0051】
電源BATは、電圧または電流を生成し、生成した電圧または電流を伝送部TRに供給する。
伝送部TRは、電源BATが生成した電流または電圧に基づいて、電流を主巻線L1に供給する。
【0052】
制御回路CTCは、例えば、予め決められたデューティー比のPWM(Pulth Width Modulation)信号をNMOSトランジスタNM1のゲートに供給する。これにより、NMOSトランジスタNM1のゲートにハイレベルの電圧が供給された場合、NMOSトランジスタNM1がオン状態になる。これにより、トランスXFの電源BATから供給された一次巻線PWに電流が流れるので、トランスXFの2次巻線SWに電流が供給される。そして、トランスXFの2次巻線SWに電流が流れることで、一次巻線L1と補助巻線L2に同じ電流が流れる。
【0053】
このように、伝送部TRは、一例として、電源BATから供給された電流または電圧を用いて、補助巻線L2に主巻線L1に流れる電流と同一の大きさの電流を流す。これにより、主巻線L1に流れる電流の大きさが変わっても、補助巻線L2には、主巻線L1と同じ大きさの電流が流れる。本実施形態では、一例として、主巻線L1の巻数が補助巻線L2の巻数よりも多いので、主巻線L1がコアCOに生成する磁束の方が、補助巻線L2がコアCOに生成する磁束よりも大きくなる。補助巻線L2がコアCOに生成する磁束の向きは、主巻線L1がコアCOに生成する磁束の向きと反対であるので、主巻線L1がコアCOに生成する磁束の一部が、補助巻線L2がコアCOに生成する磁束で打ち消される。これにより、補助巻線L2に電流を流さない場合よりも主巻線L1の飽和電流を大きくすることができる。
【0054】
また、主巻線L1の飽和電流に近づくに連れて、主巻線L1のインダクタンス値が徐々に低下する。この特性を利用して、伝送部TRが、主巻線L1と補助巻線L2に流れる電流の大きさを調整することで、主巻線L1について所望のインダクタンス値を得ることができる。
【0055】
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、補助巻線に流れる電流を主巻線に流れる電流に対して独立に変更する電源装置の第1の例である。第3の実施形態における電源装置20は、動作モードに応じて、補助巻線に流れる電流を変更する。図4に示すように、第3の実施形態における電源装置20の構成は、第2の実施形態における電源装置10の構成に対して、伝送部TRが伝送部TR1に変更され、NMOSトランジスタNM1のゲートに接続された制御部CONと、制御部CONと電気配線で接続された駆動部DRV1と、を更に備える。ここで、伝送部TR1は、第2の実施形態の伝送部TRから制御回路CTCが削除されたものになっている。そして、第3の実施形態における電源装置20の構成は、第2の実施形態における電源装置10の構成に対して、補助巻線L2がダイオードD2のアノード及び第2出力端子TOUT2と接続する代わりに駆動部DRV1と接続されている。なお、図4において、図3と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。
【0056】
制御部CONは、外部から、不図示の負荷の動作モードを取得し、取得した動作モードに応じて、補助巻線L2に流す電流値を決定する。ここで、負荷は、第1出力端子TOU1と第2出力端子TOUT2に接続される。また、動作モードは、例えば、車の走行モードである。車の走行モードには、一例として、スポーツモード、コンフォートモードなどがある。
【0057】
具体的には、例えば、制御部CONは、予め動作モード毎に電流値を保持する。そして、制御部CONは、例えば、外部から入力された動作モードに対応する電流値を読み出すことで、補助巻線L2に流す電流値を決定する。制御部CONは、決定した電流値を示す電流値信号を駆動部DRV1へ供給する。
【0058】
また、制御部CONは、取得した動作モードに応じて伝送部TR1が主巻線L1に供給する電流を制御する。具体的には、例えば、制御部CONは、動作モードに応じてデューティー比を決定し、決定したデューティー比のPWM信号をNMOSトランジスタNM1のゲートに供給する。具体的には、例えば、制御部CONは、動作モード毎にデューティー比を保持する。そして、制御部CONは、動作モードに対応するデューティー比のPWM信号をNMOSトランジスタNM1のゲートに供給する。
【0059】
これにより、伝送部TR1は、主巻線L1に、動作モードに応じて要求される電流を流すことができるので、動作モードで要求される電流を負荷に供給することができる。
【0060】
駆動部DRV1は、例えば、制御部CONから供給された電流値信号が示す電流値で、補助巻線L2に電流を流す。すなわち、駆動部DRV1は、制御部CONが決定した電流値で補助巻線L2に電流を流す。
【0061】
以上、第3の実施形態において、制御部CONは、負荷の動作モードを取得し、該取得した動作モードに応じて補助巻線L2に流す電流値を決定し、該取得した動作モードに応じて伝送部TR1が主巻線L1に供給する電流を制御する。駆動部DRV1は、制御部CONが決定した電流値で補助巻線L2に電流を流す。これにより、動作モードで要求される電流が主巻線L1に流れたとしても、その動作モードに応じた電流値で補助巻線L2に電流が流れることで、主巻線L1に流れる電流がコアCOに生成される磁束の一部が、補助巻線L2に流れる電流がコアCOに生成される磁束によって相殺される。これにより、
主巻線L1は、その動作モードに応じたインダクタンス値をとることができる。
【0062】
(第4の実施形態)
続いて、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、補助巻線に流れる電流を主巻線に流れる電流に対して独立に変更する電源装置の第2の例である。第4の実施形態における電源装置30は、主巻線に流れる電流値との関係が予め決められた電流に応じて、補助巻線に流れる電流を変更する。図5に示すように、第4の実施形態における電源装置30の構成は、第2の実施形態における電源装置10の構成に対して、伝送部TRが伝送部TR2に変更され、駆動部DRV2を更に備える。第4の実施形態における伝送部TR2は、第2の実施形態における伝送部TRに対して、一端がNMOSトランジスタNM1のソースに、他端が電源陰極端子TLに接続された電流検出部CSが追加されたものになっている。そして、第4の実施形態における電源装置30の構成は、第2の実施形態における電源装置10の構成に対して、補助巻線L2がダイオードD2のアノード及び第2出力端子TOUT2と接続する代わりに駆動部DRV2と接続されている。なお、図5において、図3と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。
【0063】
電流検出部CSは、伝送部TRに流れる電流に関する電流信号を検出する。その伝送部TRに流れる電流は、主巻線に流れる電流値との関係が予め決められている。具体的には、例えば、電流検出部CSは、一端がNMOSトランジスタNM1のソースに、他端が電源陰極端子TLに接続された抵抗R1を備える。そして、電流検出部CSは、例えば、抵抗R1の両端にかかる電圧を電流信号として駆動部DRV2へ出力する。
【0064】
駆動部DRV2は、電流検出部CSが検出した電流信号に基づいて、補助巻線L2に流す。例えば、駆動部DRV2は、電流検出部CSが検出した電流信号が示す電圧の大きさに応じた電流を補助巻線L2に流す。
【0065】
例えば、駆動部DRV2は、電流信号が示す電圧の大きさが大きくなるほど、補助巻線L2に流す電流を大きくするこれにより、例えば、図6(A)の線F51に示すように、主巻線に流れる電流値Iが大きくなるほど、インダクタンス値を減らすことができる。その場合、主巻線L1に流れる電流が生成する磁束と磁界の関係は、図6(B)の破線G51になる。例えば、補助巻線L2に流れる電流が生成する磁束と磁界の関係は、図6(B)の破線G52になる。その場合、主巻線L1がコアCOに生成する磁束が補助巻線L2のコアCOに生成する磁束によって少なくとも一部打ち消されるので、コアCOに生成される磁束と磁界の関係は、図6(B)の線G53になる。
【0066】
例えば、駆動部DRV2は、電流信号が示す電流の大きさが、予め決められた電流以上になった場合、補助巻線L2に電流を供給する。これにより、駆動部DRV2は、コアCOの磁束が飽和しそうになったら、補助巻線L2に電流を供給する。これにより、例えば、図7(A)の線F61に示すように、主巻線に流れる電流値Iが電流値I1になったら、補助巻線L2に電流を供給されることで、インダクタンス値が主巻線に流れる電流値Iの増加に応じて徐々に減少する。
【0067】
その場合、主巻線L1に流れる電流が生成する磁束と磁界の関係は、図7(B)の破線G61になる。例えば、補助巻線L2に流れる電流が生成する磁束と磁界の関係は、図7(B)の破線G62になる。その場合、主巻線L1がコアCOに生成する磁束が補助巻線L2のコアCOに生成する磁束によって少なくとも一部打ち消されるので、コアCOに生成される磁束と磁界の関係は、図7(B)の線G63になる。
【0068】
以上、第4の実施形態において、制御部CONは、負荷の動作モードを取得し、該取得した動作モードに応じて補助巻線L1に流す電流値を決定し、該取得した動作モードに応じて伝送部TRが主巻線L1に供給する電流を制御する。駆動部DRV2は、制御部CONが決定した電流値で補助巻線L2に電流を流す。これにより、インダクタンス値が主巻線L1に流れる電流に応じて変化するので、所望のインダクタンス値を得ることができる。
【0069】
(第5の実施形態)
続いて、第5の実施形態について説明する。第3の実施形態は、補助巻線に流れる電流を主巻線に流れる電流に対して独立に変更する電源装置の第3の例である。第5の実施形態における電源装置40は、電源の電圧に応じて、補助巻線に流れる電流を変更する。図8に示すように、第5の実施形態における電源装置40の構成は、第2の実施形態における電源装置10の構成に対して、伝送部TRが伝送部TR3に変更され、駆動部DRV3を更に備える。伝送部TR3は、第2の実施形態における伝送部TRに対して、一端が電源陽極端子TH、コンデンサの一端及びトランスXFの一次巻線PWに、他端が電源陰極端子TL、コンデンサの他端及びNMOSトランジスタNM1のソースに接続された電圧検出部VSが追加されたものになっている。そして、第5の実施形態における電源装置40の構成は、第2の実施形態における電源装置10の構成に対して、補助巻線L2がダイオードD2のアノード及び第2出力端子TOUT2と接続する代わりに駆動部DRV3と接続されている。なお、図8において、図3と共通する要素には同一の符号を付し、その具体的な説明を省略する。
【0070】
電圧検出部VSは、電源BATの電圧に関する電圧信号を検出し、検出した電圧信号を駆動部DRV3へ供給する。
駆動部DRV3は、電圧検出部VSが検出した電圧信号に基づいて、補助巻線L2に流す電流を制御する。例えば、駆動部DRV3は、電源BATの電圧と閾値との比較に基づいて、補助巻線L2に流す電流を制御する。
【0071】
具体的には、例えば、駆動部DRV3は、電源BATの両端にかかる電圧が閾値より高い場合、補助巻線L2に電流を注入しないか、主巻線L1に流れる電流より小さい所定の電流を流す。これにより、電源BATの両端にかかる電圧が比較的大きい場合、図9(A)の線F81に示すように、主巻線L1の飽和電流は小さくなるが、インダクタンス値を大きくとることができる。
【0072】
その場合、主巻線L1に流れる電流が生成する磁束と磁界の関係は、図9(B)の破線G81になる。例えば、補助巻線L2に流れる電流が生成する磁束と磁界の関係は、図9(B)の破線G82になる。その場合、主巻線L1がコアCOに生成する磁束が補助巻線L2のコアCOに生成する磁束によって少なくとも一部打ち消されるので、コアCOに生成される磁束と磁界の関係は、図9(B)の線G83になる。
【0073】
一方、例えば、駆動部DRV3は、電源BATの両端にかかる電圧が閾値以下の場合、補助巻線L2に電流を流す。これにより、電源BATの両端にかかる電圧が比較的小さい場合、図9(B)の線F82に示すように、インダクタンス値は小さくなるが、主巻線L1の飽和電流を大きくとることができる。
【0074】
その場合、主巻線L1に流れる電流が生成する磁束と磁界の関係は、図9(B)の破線G81になる。例えば、補助巻線L2に流れる電流が生成する磁束と磁界の関係は、図9(B)の破線G84になる。その場合、主巻線L1がコアCOに生成する磁束が補助巻線L2のコアCOに生成する磁束によって少なくとも一部打ち消されるので、コアCOに生成される磁束と磁界の関係は、図9(B)の線G85になる。
【0075】
以上、第5の実施形態において、電圧検出部VSは、電源BATの電圧に関する電圧信号を検出する。駆動部DRVは、電圧検出部VSが検出した電圧信号に基づいて、補助巻線L2に流す電流を制御する。これにより、電源BATの電圧に応じて補助巻線L2に流す電流の大きさが変更される。補助巻線L2に流す電流の大きさが変更されると、インダクタンス値が変更され、主巻線L1の飽和電流が変更される。すなわち、電源BATの電圧に応じて、インダクタンス値及び主巻線L1の飽和電流を変更することができる。
【0076】
なお、例えば、駆動部DRV3は、電源BATの電圧が低いほど、補助巻線L2に流す電流を大きくしてもよい。これにより、電源BATの両端にかかる電圧が比較的高い場合、主巻線L1の飽和電流は小さくなるが、インダクタンス値を大きくとることができる。一方、電源BATの両端にかかる電圧が比較的小さい場合、インダクタンス値は小さくなるが、主巻線L1の飽和電流を大きくとることができる。
【0077】
なお、実施形態は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。
【符号の説明】
【0078】
1 インダクタ装置
10、20、30、40 電源装置
L1 主巻線
L2 補助巻線
DRV、DRV1、DRV2、DRV3 駆動部
TR TR2、TR3 伝送部
CON 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9