【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売された者:平松工業株式会社 販売した場所:平松工業株式会社(愛知県豊川市白鳥町京次66−1) 販売日:平成25年8月1日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0005】
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、荷物を安定的に固定することができる荷締め用
ベルトを提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、長さ調整用ベルト体、二股用ベルト体およびロック体を備えて
外表面に凹凸を有する異形物からなる荷物を縛って固定する荷締め用ベルトであって、長さ調整用ベルト体は、ベルトの一方の端部にフックが設けられるとともに他方の端部が自由端で構成されており、二股用ベルト体は、ベルトの両端部にそれぞれフックが設けられて構成されており、ロック体は、長さ調整用ベルト体のベルトを通して任意の位置で留めることができるベルト固定具と、二股用ベルト体のベルトを
遊動的に通して前記ベルト固定具に連結されるリング体と
、記荷物の形状に沿って柔軟に変形する素材で構成されてベルト固定具における荷物に面する下面を覆う状態で設けられた荷物保護体とを備え、荷物保護体は、荷物への配置時にベルト固定具の幅方向の側面部を介して上面まで覆うことができる長さに形成されていることにある。
【0007】
このように構成した本発明の特徴によれば、荷締め用ベルトは、ロック体を介して連結された
長さ調整用ベルト体および二股用ベルト体によって荷物となる物体を3点で固定することができるため、立方体や直方体などの比較的整った形状の荷物は元より凹凸が激しい異形物からなる荷物であっても安定的に固定することができる。また、荷締め用ベルトは、ロック体が
長さ調整用ベルト
体を任意の位置で固定できるとともにロック体に対する二股用ベルト体を掛ける位置が自由に設定できるため、幅広い大きさおよび形状の荷物を固定できる。また、荷締め用ベルトは、ロック体を比較的自由な位置に配置することができるため、作業の作業性を向上させることができるとともに、荷物表面で突出した凸部への干渉を避けた位置にロック体を配置することによって荷物に無理な力や損傷を与えることなく固定することができる。
【0008】
また、本発明の特徴によれば、荷物の形状に応じて荷物保護体の形状を変化させながらロック体と荷物との間に配置することができるため、荷物を縛った際におけるロック体と荷物との接触を防止して荷物の損傷を効果的に防止することができる。
【0009】
また、本発明の他の特徴は、前記荷締め用ベルトにおいて、荷物保護体は、リング体における荷物に面する側も覆う状態で設けられていることにある。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、前記荷締め用ベルトにおいて、荷物保護体は、ベルト固定具
の幅方向の側面部から張り出す長さに形成されるとともに同張り出した部分に切れ目が設けられていることにある。
【0011】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、荷締め用ベルトは、荷物保護体がベルト固定具からはみ出す大きさに形成されるとともに、このはみ出した部分に切れ目が設けられているため、物品の形状に柔軟に対応して荷物保護体を変形させることができ荷物の損傷をより効果的に防止することができる。
【0012】
また、
本発明の特徴は、長さ調整用ベルト体、二股用ベルト体およびロック体を備えて荷物を縛って固定する荷締め用ベルトであって、長さ調整用ベルト体は、ベルトの一方の端部にフックが設けられるとともに他方の端部が自由端で構成されており、二股用ベルト体は、ベルトの両端部にそれぞれフックが設けられて構成されており、ロック体は、長さ調整用ベルト体のベルトを通して任意の位置で留めることができるベルト固定具と、二股用ベルト体のベルトを通すことができるリング体とを備え、長さ調整用ベルト体および二股用ベルト体における各フックは、平板状に延びる基部の一方の端部側にベルト接続部が設けられるとともに他方の端部側が屈曲して折り返された引掛け部が形成されたフラットフック本体と、フラットフック本体における引掛け部の前方下の基部上に同基部側に向かって押下可能に張り出すゲート体とを備え
、ゲート体は、先端上面が中心部から外側に向かって基部側に傾斜する傾斜面で構成されており、引掛け部は、先端部が前記ゲート体の先端上面の外周における前記引掛け部側の形状に沿った形状に形成されていることにある。
【0013】
このように構成した
本発明の特徴によれば、荷締め用ベルトは、
長さ調整用ベルト体および
二股用ベルト体における各フックが平板を略J字状に屈曲させたフラットフック本体とこのフラットフック体における屈曲部に対向する開口部分に同開口部分を開閉するゲート体とが設けられている。すなわち、荷締め用ベルトは、フックにおけるフラットフック体が平板を屈曲させて構成されているため、フックを引掛ける被引掛け体がフラットフック体を構成する平板に平行に延びる形状に限定されるため、フックを誤った箇所に引掛けることを防止できるとともに引掛けられたフックの捻じれやズレを防止することができる。また、荷締め用ベルトは、フックにおけるフラットフック体の開口部にゲート体が設けられているため、フックが被引掛け体から外れることを防止することができる。特に、荷締め用ベルトで荷物を縛る際においては、各ベルトの一時的な緩みによるフックの脱落を防止できるため荷締め作業を効率的に行うことができる。
【0014】
また、本発明の特徴によれば、荷締め用ベルトは、フックにおけるゲート体の先端上面が傾斜面で形成されているため、被引掛け体を円滑に引掛け部の内側に導くことができる。また、荷締め用ベルトは、引掛け部の先端部がゲート体の先端上面の外周部に沿った形状に形成されているため、ゲート体と引掛け部の先端部との対向する長さが長くなって被引掛け体が引掛け部内から外れることを効果的に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る荷締め用ベルトの一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る荷締め用ベルト100の外観構成の概略を示す平面図である。また、
図2は、
図1に示した荷締め用ベルト100を用いて荷物WKをパレット90上に固定した使用状態を示す斜視図である。この荷締め用ベルト100は、荷役用のパレット90上に載置された物品を荷物WKとして縛ってパレット90上に固定するための荷役用の道具である。
【0018】
(荷締め用ベルト100の構成)
荷締め用ベルト100は、主として、長さ調整用ベルト体110、二股用ベルト体140およびロック体150で構成されている。長さ調整用ベルト体110は、
図2および
図3(A),(B)にそれぞれ示すように、荷締め用ベルト100の全体の長さ調整を可能としつつ二股用ベルト体140およびロック体150と協働して荷物WKを荷役用のパレット90上に固定するためのものであり、主として、ベルト111、保護スリーブ120およびフック130によって構成されている。
【0019】
これらのうち、ベルト111は、荷物WK上に掛けられる長尺に延びる部材であり、樹脂材(例えば、ナイロンやポリプロピレンなど)を引っ張り強度に優れた幅広の帯状に形成して構成されている。このベルト111は、一方の端部にフック130が取り付けられているとともに他方の端部が何も取り付けられていない自由端で構成された挿込み部111aとなっている。
【0020】
この場合、ベルト111における他方の端部である挿込み部111aは、ロック体150に対して最初に挿し込まれる部分であり、先端部が鋭角に尖って形成されている。そして、このベルト111は、様々な形状および大きさの荷物WKに対応するために、想定される標準的な大きさの荷物WKに対して十分に長い長さに形成されている。
【0021】
保護スリーブ120は、ベルト111が荷物WKを縛る際にベルト111の損傷を防止するための部品であり、長尺に延びるベルト111における長手方向の一部の範囲の外周部を覆う筒状に形成されている。この場合、保護スリーブ120は、ベルト111上を自由に移動可能な大きさの内径に形成されている。この保護スリーブ120は、本実施形態においては、樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル)製のシート材を筒状に形成して構成されている。
【0022】
フック130は、
図4(A)〜(
E)にそれぞれ示すように、ベルト体111の一方の端部をパレット90の被引掛け体92に着脱自在に引っ掛けるための金属製の部品であり、主として、フラットフック本体131およびゲート体132によって構成されている。これらのうち、フラットフック本体131は、ベルト111に連結される部分であるとともに被引掛け体92に引っ掛けられる部分であり、平板を略J字状に折り曲げて形成されている。
【0023】
より具体的には、フラットフック本体131は、平板状に延びる基部131aの一方の端部側が幅広に形成されて長孔状のベルト接続部131bが形成されるとともに、他方の端部側が前記幅広の部分より狭い幅で延びた後、屈曲して折り返された引掛け部131cが形成されて構成されている。この場合、フラットフック本体131における折り返す方向に屈曲された引掛け部131cは、先端部が基部131aに対して離隔する傾斜面で構成されている。
【0024】
引掛け部131cの先端部は、ゲート体132の先端部133b上面の外周における引掛け部131c側の形状に沿った形状に形成されている。具体的には、引掛け部131cの先端部は、ゲート体132の先端部133bが対向する部分が凹んだ円弧状に形成されるとともに、その両側がそれぞれ凸状に突出して全体として平面視で凹状の曲線状に形成されている。
【0025】
ゲート体132は、フラットフック本体131における引掛け部131cの内側に引掛けられた被引掛け体92が引掛け部131cから外れることを防止するためのものであり、引掛け部131cの前方下の基部131a上に同基部131a側に向かって押下可能に張り出して形成されている。このゲート体132は、主として、ピン体133およびスプリング134によって構成されている。
【0026】
これらのうち、ピン体133は、金属製の棒体であり、フラットフック本体131の基部131aに対して摺動可能な状態で貫通して設けられている。このピン体133は、円柱状に延びるピン本体133aの両端部がそれぞれフランジ状に張り出して形成されるとともに、これらの両端部のうちの引掛け部131c側の先端部133bが上面中心部から外側に向かって基部131a側に傾斜する傾斜面で構成されている。
【0027】
本実施形態においては、ピン体133における先端部133bは、球面によって構成されている。また、ピン体133は、先端部133bの上面がフラットフック体131における引掛け部131cの上面よりも低いとともに先端部133bの下面が引掛け部131cの先端部の下面よりも低い位置に位置するように形成されている。なお、ピン体133における先端部133bとは反対側の端部は、カシメ加工によってフランジ状に成形されることにより基部131aからの抜け防止となっている。
【0028】
スプリング134は、ピン体133の先端部133bを基部131aから離隔する方向に弾性的に押すための部品であり、先端部133bと基部131aの上面との間におけるピン本体133aの外周部上に設けられている。すなわち、スプリング134は、本実施形態においては、コイルスプリングによって構成されている。
【0029】
二股用ベルト体140は、
図2および
図5(A),(B)にそれぞれ示すように、長さ調整用ベルト体110およびロック体150と協働して荷物WKを荷役用のパレット90上に固定するためのものであり、主として、ベルト141、保護スリーブ120およびフック130によって構成されている。
【0030】
これらのうち、ベルト141は、前記ベルト111と同様に、荷物WK上に掛けられる長尺に延びる部材であり、樹脂材(例えば、ナイロンやポリプロピレンなど)を引っ張り強度に優れた幅広の帯状に形成して構成されている。この場合、ベルト141は、ベルト141の両端部にそれぞれ設けられるフック130がパレット90の被引掛け体92にそれぞれ引っ掛けられた状態でパレット90上の荷物WKの一部に掛かる長さに形成されている。
【0031】
このベルト
141には、ベルト
141を保護するための保護スリーブ120が設けられているとともに、ベルト
141の両端部にベルト
141の両端部をそれぞれ被引掛け体92に引っ掛けるためのフック130がそれぞれ取り付けられている。これらの保護スリーブ120およびフック130は、前記長さ調整用ベルト110における保護スリーブ120およびフック130と同じ構成であるため、その説明を省略する。なお、ベルト
141の両端部にそれぞれ設けられた2つのフック130は、それぞれ表裏面が逆に取り付けられている。
【0032】
ロック体150は、
図2および
図6(A),(B)にそれぞれ示すように、荷締め用ベルト100の全体の長さ調整を可能としつつ長さ調整用ベルト体110および二股用ベルト体140と協働して荷物WKを荷役用のパレット90上に固定するためのものであり、主として、ベルト固定具151、連結ベルト152、リング体153および荷物保護体154によって構成されている。
【0033】
これらのうち、ベルト固定具151は、ベルト固定具151の内部に通される長さ調整用ベルト体110のベルト111を作業者の任意の位置で固定することができる留め具(所謂バックル)である。本実施形態においては、ベルト固定具151は、ローレット加工が施された押圧片151aをトーションコイルスプリング151bの弾性力でベルト111に押し付けてベルト111を固定する所謂スプリングバックルで構成されている。なお、このベルト固定具151は、ベルト111を作業者の任意の位置で固定することができる留め具であればよく、スプリングバックル以外のバックル、例えば、ラチェットバックルやオーバセンタバックルの他、スプリングの弾性力を利用しないバックル、例えば、カムバックルやラダーバックルで構成することもできる。
【0034】
このベルト固定具151における一方(図示右側)の端部には、連結ベルト152を介してリング体153が連結されている。連結ベルト152は、ベルト固定具151とリング体153とを連結するための部品であり、前記ベルト111および前記ベルト141と同じ素材によって構成されている。これにより、ベルト固定具151とリング体153とは、連結ベルト152の変形によって互いに変位および変向
可能に連結されている。
【0035】
リング体153は、前記二股用ベルト体140を遊動的に通してロック体150と連結するための部品であり、金属製の丸棒を円形のリング状に形成して構成されている。この場合、リング体153は、二股用ベルト体140の幅よりも十分に大きな内径のリング状に形成されている。
【0036】
連結ベルト152の下面には、荷物保護体154が取り付けられている。荷物保護体154は、ベルト固定具151およびリング体153が荷物WKに接触して損傷を与えることを防止するための部品であり、少なくともベルト固定具151およびリング体153における物品WK側の面を覆う大きさおよび形状で構成されている。本実施形態においては、荷物保護体154は、人手で屈曲変形可能な素材(例えば、前記ベルト111および前記ベルト141と同じ素材)からなる本体部154aと拡張部154bとで構成されている。
【0037】
これらのうち、本体部154aは、ベルト固定具151とリング体153との間の両端部間よりも長い長さに形成されるとともにベルト固定具151とリング体153の幅よりも長い幅の平面視で長方形状に形成されている。この本体部154aが連結ベルト152に対して縫合により連結されている。
【0038】
一方、拡張部154bは、平面視で長方形状に形成されており、本体部154aにおけるベルト固定具151が配置される部分上にロック体150の長手方向に沿って2つ並べた状態で本体部154aに対して縫合によりそれぞれ取り付けられている。これにより、互いに隣接配置された2つの拡張部154b間には切れ目154cが形成されている。これらの各拡張部154bは、ベルト固定具151の幅方向における長さがベルト固定具151の両側面部を包囲した後、ベルト固定具151の上面で拡張部154bの両端部が少なくとも互いに接し合う長さ、すなわち、ベルト固定具151の上面を覆うことができる長さにそれぞれ形成されている。
【0039】
また、ロック体150の長手方向に沿って並べられた2つの拡張部154bのうち長さ調整用ベルト110側(リング体153とは反対側)の拡張部154bは、ベルト固定具151における長さ調整用ベルト110側の側面を覆うことができる長さ分だけ同側面から張り出して形成されている。すなわち、本実施形態においては、ロック体150は、連結ベルト152に対してベルト固定具151、リング体153および荷物保護体154がそれぞれ連結されて構成されている。そして、荷締め用ベルト100は、このロック体150に対して長さ調整用ベルト体110および二股用ベルト体140がそれぞれ着脱自在に連結されて構成されている。
【0040】
(荷締め用ベルト100の作動)
次に、上記のように構成した荷締め用ベルト100の作動について説明する。この荷締め用ベルト100は、荷役用のパレット90上に載置された荷物WKをパレット90に固縛するために用いられるものである。この場合、パレット90は、荷物WKを載置可能な大きさの平面視で方形状に形成された平たい台である。このパレット90における4つの側面のうち、互いに対向する2つの側面からなる1組の側面にはフォークリフトの爪を挿入するためのフォーク挿入孔91が貫通した状態で形成されている。
【0041】
また、パレット90における4つの側面のうちの前記1組の側面とは異なる互いに対向する残りの2つの側面からなるもう1組の側面にはフック130を引っ掛けるための被引掛け体92がそれぞれ張り出した状態で設けられている。この場合、被引掛け体92は、フック130における引掛け部131c内に収まる外径の丸棒で構成されており、各側面の長手方向に沿って延びて形成されている。なお、図
2においては、互いに対向する2つの側面にそれぞれ形成される被引掛け体92のうちの一方(図示手前側)のみ示している。
【0042】
パレット90上に荷物WKを固縛する作業者は、まず、パレット90上に荷物WKを載置した後、荷締め用ベルト100を用意する。この場合、作業者は、ロック体150に対して予め
長さ調整用ベルト体110および二股用ベルト140体がそれぞれ連結された状態の荷締め用ベルト100を用意することができるが、荷物WKの大きさや形状に合った荷締め用ベルト100を調製して用意することもできる。すなわち、作業者は、予め複数種類の長さの長さ調整用ベルト体110および二股用ベルト体140をそれぞれ製作しておき、固縛作業時に荷物WKの大きさや形状に合った長さの長さ調整用ベルト体110および二股用ベルト体140を選択してロック体150とともに用意することができる。
【0043】
次に、作業者は、長さ調整用ベルト体110、二股用ベルト体140およびロック体150をそれぞれ個別に用意した場合には、ロック体150に対して長さ調整用ベルト体110および二股用ベルト体140
をそれぞれ連結する。具体的には、作業者は、ロック体150におけるベルト固定具151に
長さ調整用ベルト体110におけるベルト111を通すとともに、ロック体150におけるリング体153に二股ベルト体140におけるベルト141を通す。この場合、作業者は、ロック体150に長さ調整用ベルト110を連結する際、ベルト固定具151からフック130側に延びるベルト111の長さを荷物WKを固縛するために最終的に必要となる長さ以上の長さに調整しておく。これにより、ロック体150に対して長さ調整用ベルト体110および二股用ベルト体140
がそれぞれ連結されて一体となった荷締め用ベルト100が形成される。
【0044】
次に、作業者は、荷締め用ベルト100を荷物WKを介してパレット90に掛ける。具体的には、作業者は、
二股用ベルト体140における2つのフック130をそれぞれパレット90における被引掛け体92にそれぞれ引掛ける。より具体的には、作業者は、
図7(A)に示すように、フック130におけるピン体133の先端部133bに被引掛け体92を押し付ける。これにより、フック130におけるピン体133は、スプリング134の弾性力に抗しながらスライドして先端部133bが基部131a側に向かって変位する(図において破線矢印参照)。
【0045】
この場合、被引掛け体92は、ピン体133の先端部133bが頂上部から外側に向かって基部131a側に傾斜する傾斜面で構成されているため、フック130の引掛け部131c内に円滑に案内される。また、この場合、フック130は、フック130における基部131aおよび引掛け部131cが平板状に形成されているため、被引掛け体92における屈曲部やこの屈曲部からパレット90の側面に延びる引掛け部131cの幅より短い部分に引掛け部131cを誤って引っ掛けるというミスを未然に防止することができる。
【0046】
そして、引掛け部131c内に被引掛け体92が位置した場合には、
図7(B)に示すように、フック130はピン体133がスプリング134の弾性力によって先端部133bが基部131aから離隔して引掛け部131cに接近する方向に変位するため、引掛け部131c内がピン体133によって閉じられる(図示において破線矢印参照)。これにより、フック130は、引掛け部131c内に位置させた被引掛け体92が引掛け部131c内から外れることが防止されたロック状態となる。なお、本実施形態においては、
図1および
図7(A),(B)にそれぞれ示すように、フック130を被引掛け体92の外側から掛ける所謂外掛けで引っ掛けたが、フック130を被引掛け体92の内側から掛ける所謂内掛けで引っ掛けることもできる。
【0047】
次いで、作業者は、
長さ調整用ベルト体110におけるフック130を
二股用ベルト体140における2つのフック130と同様の要領でパレット90の被引掛け体92に引っ掛ける。この場合、作業者は、既にパレット90の
一方の被引掛け体92に
二股用ベルト体140における2つのフック130がそれぞれゲート体132によってロック状態となっているため、
長さ調整用ベルト体110のフック130をパレット90の被引掛け体92に引掛ける際に
二股用ベルト体140の2つのフック130が被引掛け体92から外れることが防止される。
【0048】
次に、作業者は、荷締め用ベルト100で荷物WKをパレット90に対して固縛する。具体的には、作業者は、長さ調整用ベルト体110のベルト111の自由端である挿込み部111a側を引っ張ることによってベルト固定具151が固定するベルト111の位置を変化させてベルト固定具151から長さ調整用ベルト体110のフック130までのベルト111の長さを短くしていく。この長さ調整用ベルト体110を締めていく過程において作業者は、ベルト固定具151によるベルト111の固定位置およびベルト141がリング体153に掛かる位置をそれぞれ調整しながらロック体150の荷物WK上での位置を決めることができる。
【0049】
この場合、作業者は、荷物WK上に突起物からなる凸部P1,P2が存在する場合においては、これらの凸部P1,P2を避けた位置にロック体150を配置することができる。また、ロック体150は、ベルト固定具151およびリング体153と荷物WKとの間に荷物保護体154が介在しているため、ベルト固定具151およびリング体153の接触による荷物WKの損傷を防止することができる。
【0050】
また、長さ調整用ベルト体110を締めていく過程においては、作業者は、荷物WKの角部上に位置するベルト111,141に保護スリーブ120をそれぞれ位置させるとともにベルト固定具151の近傍に凸部P2が存在する場合にはベルト固定具151と凸部P2との間に荷物保護体154の拡張部154bを配置する。この場合、作業者は、荷物保護体154の拡張部154bに切れ目154cが形成されているため、換言すれば、拡張部154bが2枚で構成されているため凸部P2の形状に合わせて的確に拡張部154bに配置することができる。
【0051】
これらの作業を経て作業者は、荷締め用ベルト100を用いて荷物WKをパレット90に対して固縛することができる。なお、作業者は、荷締め用ベルト100を用いて荷物WKをパレット90に対して固縛する作業において、長さ調整用ベルト体111のフック130を被引掛け体92に掛けた後に二股用ベルト体140の2つのフック130を被引掛け体92にそれぞれ掛けるようにしてもよいことは当然である。また、作業者は、フック130におけるピン体133の先端部133bを指などで押し下げることによって被引掛け体92に引っ掛けることもできる。
【0052】
次に、作業者は、パレット90上に荷締め用ベルト100によって固縛された荷物WKを輸送または保管する。この場合、荷締め用ベルト100は、ロック体150を介した
長さ調整用ベルト体110および二股ベルト体140によって荷物WKを3点で固定するため、荷物WKを安定的に固定することができる。また、荷締め用ベルト100は、フック130の基部131aおよび引掛け部131cがそれぞれ平板状に形成されてフック130が被引掛け部92の長手方向に沿って引っ掛かっているため、外部から振動や突発的な力が作用した場合であっても被引掛け体92からの位置ずれが防止されて緊縛力を維持することができる。また、この場合、荷締め用ベルト100は、ゲート体132によってフック130が被引掛け体92から外れることも防止されている。
【0053】
次に、荷締め用ベルト100による固縛状態を解く場合には、作業者は、ロック体150におけるベルト固定具151を操作して長さ調整用ベルト体110におけるベルト111の固定状態を解除した後、長さ調整用ベルト体110および二股用ベルト体140における各フック130を被引掛け体92からそれぞれ取り外す。この場合、作業者は、フック130におけるピン体133の先端部133bを指などで押し下げることによってフック130を被引掛け体92から取り外すことができる。
【0054】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、荷締め用ベルト100は、ロック体150を介して連結された調整用ベルト体110および二股用ベルト体130によって荷物WKとなる物体を3点で固定することができるため、立方体や直方体などの比較的整った形状の荷物は元より凹凸が激しい異形物からなる荷物WKであっても安定的に固定することができる。また、荷締め用ベルト100は、ロック体150が調整用ベルト体110を任意の位置で固定できるとともにロック体150に対する二股用ベルト体130を掛ける位置が自由に設定できるため、幅広い大きさおよび形状の荷物WKを固定できる。また、荷締め用ベルト100は、ロック体150を比較的自由な位置に配置することができるため、作業の作業性を向上させることができるとともに、荷物WKにおける凸部P1,P2への干渉を避けた位置にロック体150を配置することによって荷物WKに無理な力や損傷を与えることなく固定することができる。
【0055】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0056】
例えば、上記実施形態においては、荷締め用ベルト100は、ロック体150に荷物保護体154を備えて構成した。しかし、荷締め用ベルト100は、荷物WKへの損傷を考慮する必要がない場合には荷物保護体154を省略して構成することもできる。また、荷物保護体154は、ベルト固定具151またはリング体153にのみ設けることもできる。また、荷物保護体154は、拡張部154bを一枚の部材で構成、すなわち切れ目154cを省略して構成してもよいし、3枚以上の部材で構成することもできる。また、荷物保護体154は、人手で変形可能な素材(例えば、織物、不織布、ゴム材など)以外の素材、すなわち、人手では変形が困難な素材、例えば、樹脂製やゴム製のプレート体で構成することもできる。
【0057】
また、上記実施形態においては、荷締め用ベルト100は、ゲート体132を備えたフック130で構成した。しかし、フック130は、少なくとも被引掛け体92に引っ掛けることができる金具であればよく、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、フック130は、ゲート体132を省略して構成することができる。また、フック130は、フラットフック本体131を平板を折り曲げて形成した所謂フラットフックで構成した。しかし、フック130は、フラットフック以外で構成、例えば、カギフック(ナローフックともいう)、デルタリングフック、ナスカンフック、スイベルフック、チェーンフックまたはスナップフックなどで構成することもできる。
【0058】
また、上記実施形態においては、フック130は、ピン体133の先端部133bが上面中心部から外側に向かって基部131a側に傾斜する傾斜面、具体的には球面で構成した。しかし、ピン体133の先端部133bは、球面以外、例えば円錐形に形成することもできる。また、ピン体133の先端部133bは、平面視で円形以外の形状、例えば、方形や多角形に形成することができるとともに、先端部113bを平らに形成することもできる。これらの場合、フック130における引掛け部131cの先端部は、ピン体133の先端部133bの外形に沿って形成してもよいし、単に直線状や先端部133bの一部を包囲する曲線状に形成することもできる。
【0059】
また、上記実施形態においては、荷締め用ベルト100は、荷物WKをパレット90上に固定した。しかし、荷締め用ベルト100は、荷物WKを運搬や保管のために固定する際に用いられれば、必ずしも上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、荷締め用ベルト100は、パレット90の他に、例えば、車両の荷台やアンカーが設置された床面に荷物WKを固定することができる。