(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
有料道路の利用に対する料金体系の一つとして、利用者が最初に到達した料金所において通行料金を支払う料金体系がある。この料金体系を採用する有料道路を利用する場合、各利用者は、特定の入口から有料道路に進入した後、最初に料金所に到達したときに、何らかの決済手法(例えば、現金やクレジットカード等)で有料道路の通行料金を支払う。その後、所望の出口において有料道路から退出する。このような有料道路は、基本的には、入口から有料道路に進入し、一度料金所を通過した後は、出口に到達するまでは、二度と料金所を通過しないように設計される。
【0003】
しかしながら、有料道路のトポロジーや料金体系の複雑化を背景として、最初に到達した料金所において通行料金を支払う料金体系を採用する有料道路において、複数の料金所を通過するような経路が生じてしまうことが起こり得る。このような場合、2回目以降に到達した料金所において、通行料金の徴収を行わないか、又は、2回目以降に到達した料金所において支払うべき通行料金を徴収することが求められる。ここで、2回目以降に到達した料金所において、通行料金の徴収を行わず、又は、2回目以降に到達した料金所において支払うべき通行料金を低廉な料金に設定すれば、割引サービスを提供することと実質的に等価であることにも留意されたい。
【0004】
図1は、このような有料道路100の具体例を示す図である。有料道路100は、本線101と支線102とを有しており、本線101に料金所103、支線102に料金所104が設けられている。本線101には、入口105と出口106とが設けられ、支線102には入口107が設けられている。
【0005】
ここで、まず、本線101と支線102とで別料金でない料金体系が採用されている場合を考える。即ち、本線101と支線102の一方について料金を支払った場合、本線101と支線102の両方の走行が許可される料金体系が採用されている場合を考える。
【0006】
本線101に設けられた入口105から進入した利用者は、料金所103に到達したときに通行料金を支払う。通行料金を支払った後、当該利用者は、所望の出口(例えば、出口106)から有料道路100を退出する。一方、支線102に設けられた入口107から進入した利用者は、料金所104に到達したときに通行料金を支払う。そして、当該利用者が、料金所104を出発した後、本線101に進入したとする。この場合、当該利用者は、支線102に設けられている料金所104で通行料金を支払っているから、本線101に設けられている料金所103では通行料金を支払う必要がない。そこで、料金所103では、当該利用者が料金所104において既に通行料金を支払っていることを確認し、当該利用者からは料金を徴収しない。
【0007】
また、本線101と支線102とが別料金であっても、支線102について通行料金を支払った利用者については本線101の利用について割引を提供する場合もあり得る。例えば、支線102の入口107から進入した利用者が、料金所104において通行料金を支払った後、本線101の料金所103に到着したとする。この場合にも、料金所103では、当該使用者が料金所104において既に通行料金を支払っていることを確認できた場合には、当該利用者の本線101の通行料金について割引を行う。言い換えれば、料金所103において、支線102について既に通行料金を支払っている場合に支払うべき通行料金が、当該利用者から徴収される。
【0008】
上記から理解されるように、有料道路の料金体系によっては、料金所において、各利用者が、既に他の料金所において通行料金を支払ったか否かを確認することが必要になる場合がある。ある利用者が既に通行料金を支払ったことを確認するための一つの手法としては、通行料金を支払った料金所(即ち、利用者が最初に到達した料金所)において受取証書(例えば、領収書や通行証)を発行し、2回目以降に到達した料金所において受取証書の提示を求める方法がある。
【0009】
例えば、ある特定の料金所において、ある利用者が他の料金所で発行された受取証書を提示した場合を考える。この場合、該特定の料金所では、当該利用者は既に通行料金を支払済みであると判断され通行料金を徴収されないか、又は、2回目以降に到達した料金所において支払うべき通行料金を徴収される。
【0010】
このような料金収受方法を実施する上で留意すべきことは、受取証書の確認が必要となる点である。例えば、通行料金を支払った料金所や車種等の情報を受取証書から確認し、その情報から、利用者からの通行料金の徴収の是非や、徴収すべき通行料金の額を判断することが求められる。
【0011】
受取証書の確認に必要な労力は低減されることが望ましく、そのための技術の提供が望まれている。
【0012】
なお、二次元コードその他のコードを用いて料金収受を行う手法は、例えば、特許文献1(特開2012−155371号公報)、特許文献2(特許第4352433号)、特許文献3(特開2010−108240号公報)、特許文献4(特開2013−73325号公報)に開示されている。
【0013】
また、キャッシュレスシステムによる有料道路等の料金収受において、定額券の印字欄にデータが未印字であるか否かを判定し、その判定結果によって該定額券が不正定額券か否かを判断する技術が、特許文献5(特開昭61−237186号公報)に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の目的は、通行料金を支払った料金所において発行される受取証書の確認に必要な労力を低減するために有用な料金自動収受システム及び料金自動収受機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一の観点では、有料道路の通行料金の収受に用いられる料金自動収受システムが提供される。当該料金自動収受システムは、料金所の車線に沿って設けられたアイランドに設けられた料金自動収受機と、2次元コード認識手段とを具備する。料金自動収受機は、第1撮像装置と、利用者によって操作される、前記有料道路の通行料金を決済するために用いられる決済装置とを備えている。2次元コード認識手段は、前記第1撮像装置によって撮像された撮像画像に、他の料金所における前記有料道路の通行料金の支払いを証明する受取証書に印刷された2次元コードが撮像されたことを検出すると、前記撮像画像から前記2次元コードに符号化されているデータを認識する。
【0017】
一実施形態では、料金自動収受システムが、更に、表示部を備え、料金自動収受機は、更に、操作手段を備えている。この場合、操作手段に所定の操作がなされたことに応答して、第1撮像装置によって撮影された撮像画像が、該表示部に表示されることが好ましい。
【0018】
一実施形態では、料金自動収受システムが、更に、前記アイランドから離れて設けられ、且つ、該表示部を備えた操作端末装置を具備しており、料金自動収受機が、更に、第1マイクを備えており、操作端末装置が、更に、第1スピーカーを備えている。この場合、操作手段に該所定の操作がなされると、第1マイクに入力された音声が第1スピーカーから出力されることが好ましい。このとき、料金自動収受機が更に第2スピーカーを備え、操作端末装置が更に第2マイクを備え、操作手段に該所定の操作がなされ、且つ、操作端末装置に所定の操作がなされると、第2マイクに入力された音声が第2スピーカーから出力されることが好ましい。
【0019】
該操作手段は、係員呼び出しボタンであってもよく、身障者用レバーであってもよい。
【0020】
料金自動収受機が、表示装置を具備している場合には、第1撮像装置によって撮像された撮像画像を含む表示画像が、表示装置に表示されてもよい。この場合、表示画像には、表示画像における2次元コードの適正な位置の目印が表示されることが好ましい。
【0021】
一実施形態では、料金自動収受システムが、更に、車線への車両の進入を検知する車両検知器を具備していてもよい。この場合、車両検知器によって車両の進入が検知されると、決済装置が、該決済装置の操作によって通行料金の決済ができる状態に設定されると共に、2次元コード認識手段が撮像画像に2次元コードが含まれているかを検出する状態に設定される。
【0022】
このとき、当該料金自動収受システムは、更に、アイランドに設けられ、車線からの車両の退出を制御するための発進制御機を具備していてもよい。一実施形態では、2次元コードに符号化されているデータから受取証書を確認できたとき、又は、決済装置を用いて通行料金の決済が完了したとき、発進制御機が開状態に設定される。
【0023】
他の実施形態では、2次元コードに符号化されているデータから受取証書を確認できた場合、料金自動収受機は、有料道路の通行料金に割引が行われた割引料金を算出し、決済装置を用いて割引料金の決済が完了したとき、発進制御機が、開状態に設定される。
【0024】
一実施形態では、当該料金自動収受システムが、更に、アイランドに設けられた、車線に進入した車両の構造の特徴を表す第1特徴データを取得する特徴データ取得手段と、2次元コードに符号化されているデータに基づいて、受取証書の真正性を確認するための受取証書確認手段とを具備していてもよい。受取証書に印刷された2次元コードには、他の料金所において取得された、車両の構造の特徴を表す第2特徴データが書き込まれる。受取証書確認手段は、第1特徴データと第2特徴データとを照合して受取証書の不正を検知する。
【0025】
このとき、特徴データ取得手段は、車線に進入した車両を撮影して車両撮像画像を取得する第2撮像装置を備えていてもよく、この場合、第1特徴データは、車両撮像画像から抽出されることが好ましい。
【0026】
一実施形態では、料金自動収受システムが、更に、アイランドに設けられた、車線に進入した車両に関するデータである第1車両データを取得する車両データ取得手段と、2次元コードに符号化されているデータに基づいて、受取証書の真正性を確認するための受取証書確認手段と、車両データベースを具備するホストコンピュータとを具備する。他の料金所において受取証書に印刷された2次元コードには、管理IDが符号化される。車両データベースには、他の料金所において収集された車両に関するデータである第2車両データが管理IDと対応づけて登録される。受取証書確認手段は、第1車両データと第2車両データとを照合して受取証書の不正を検知する。
【0027】
このとき、車両データ取得手段は、アイランドに設けられた、車線に進入した車両の構造の特徴を表す第1特徴データを取得する特徴データ取得手段を含んでいても良い。この場合、第1車両データは、第1特徴データを含み、第2車両データは、他の料金所において取得された、車両の構造の特徴を表す第2特徴データを含み、受取証書確認手段は、第1特徴データと第2特徴データとを照合して受取証書の不正を検知することが好ましい。
【0028】
本発明の他の観点においては、料金所の車線に沿って設けられたアイランドに設けられ、有料道路の通行料金の収受に用いられる料金自動収受機が提供される。該料金自動収受機は、撮像装置と、利用者によって操作される、有料道路の通行料金を決済するために用いられる決済装置と、2次元コード認識手段とを備えている。2次元コード認識手段は、撮像装置によって撮像された撮像画像に、他の料金所における有料道路の通行料金の支払いを証明する受取証書に印刷された2次元コードが撮像されたことを検出すると、撮像画像から2次元コードに符号化されているデータを認識する。
【0029】
本発明の更に他の観点では、有料道路の通行料金の収受に用いられる料金自動収受システムが、料金所の車線に沿って設けられたアイランドに設けられた料金自動収受機を具備している。該料金自動収受機は、2次元コード読み取り手段と、撮像装置と、表示装置と、利用者によって操作される、有料道路の通行料金を決済するために用いられる決済装置とを備えている。表示装置は、撮像装置によって撮像された撮像画像を含む表示画像を表示するように構成される。2次元コード読み取り手段は、他の料金所における有料道路の通行料金の支払いを証明する受取証書に印刷された2次元コードに符号化されているデータを認識する。
【0030】
このとき、表示画像には、表示画像における2次元コードの適正な位置の目印が表示されることが好ましい。
【0031】
また、当該料金自動収受システムが、更に、表示部を備え、アイランドから離れた位置に設けられた操作端末装置を具備しており、且つ、料金自動収受機が、操作手段を備えている場合、操作手段に所定の操作がなされたことに応答して、撮像装置によって撮影された撮像画像が、操作端末装置の表示部に表示されることが好ましい。
【0032】
本発明の更に他の観点では、料金所の車線に沿って設けられたアイランドに設けられ、有料道路の通行料金の収受に用いられる料金自動収受機が提供される。当該料金自動収受機は、2次元コード読み取り手段と、撮像装置と、表示装置と、利用者によって操作される、有料道路の通行料金を決済するために用いられる決済装置とを備えている。表示装置は、撮像装置によって撮像された撮像画像を含む表示画像を表示するように構成されている。2次元コード読み取り手段は、他の料金所における有料道路の通行料金の支払いを証明する受取証書に印刷された2次元コードに符号化されているデータを認識する。
【0033】
本発明の更に他の観点では、有料道路の通行料金の支払いを証明する領収書を挟むための領収書ホルダが提供される。当該領収書ホルダは、第1透明部材及び第2透明部材を具備する。第1透明部材及び第2透明部材は、それらの間に領収書を挟むことができるように接合されている。第1透明部材には、領収書に印刷された2次元コードを内部に収容可能な矩形形状の枠が印刷されている。第1透明部材の第2透明部材と対向する表面と反対側にある外側表面には、無反射コーティングが施されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、通行料金を支払った料金所において発行される受取証書の確認に必要な労力を低減するために有用な料金自動収受システム及び料金自動収受機が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図2は、本発明の一実施形態の料金自動収受システム及び料金自動収受機が適用される有料道路10の構成の例を示す図である。
図2に示されている有料道路10は、理解を容易にするための簡略な構成の例として図示されており、現実には、本実施形態の料金自動収受システムは、より複雑な構成の有料道路にも適用可能であることに留意されたい。
【0037】
有料道路10は、本線1と支線2とを有しており、本線1に料金所3、支線2に料金所4が設けられている。本線1には入口5と出口6とが設けられており、支線2には、入口7が設けられている。料金所3に近接して営業所8が設けられ、料金所4に近接して営業所9が設けられている。後述のように、営業所8、9には、それぞれ料金所3、4の機器を操作するための操作端末装置が設けられている。
【0038】
本実施形態の有料道路10では、利用者が最初に到達した料金所(
図2では、料金所3又は料金所4)で通行料金を支払う料金体系が採用されている。例えば、入口5から進入した利用者は、料金所3において通行料金を支払い、入口7から進入した利用者は、料金所4において通行料金を支払う。料金所で通行料金を支払った後、利用者は、通行料金を支払ったことを証明する受取証書を受け取る。
【0039】
本実施形態では、料金所4で通行料金を既に支払った利用者が料金所3に到達したときに、料金所4で受け取った受取証書を提示した場合には、料金所3において通行料金を支払わなくてもよい、又は、料金所3において通行料金の割引を受けることができるという料金体系が採用されている場合について考える。この場合には、料金所3において受取証書を確認することが必要になる。利用者から提示された受取証書が確認できた場合(より詳細には、受取証書の記載内容が正当であると確認できた場合)には、当該利用者から通行料金を徴収せず、又は、当該利用者に割引が提供される。
【0040】
本実施形態の料金自動収受システム及び料金自動収受機は、各料金所(本実施形態においては、料金所3)における受取証書の確認を支援するためのものである。料金所において、収受員が、人手で受取証書の確認作業をすることは、料金収受のためのコストを増大させる。本実施形態の料金自動収受システム及び料金自動収受機は、各料金所における受取証書の確認を支援し、これにより、料金収受のためのコストを低減することに寄与する。以下、本実施形態の料金自動収受システム、料金自動収受機、及び、料金収受方法について詳細に説明する。
【0041】
本実施形態では、受取証書の確認を容易にするために2次元コードが印刷された受取証書が用いられる。より具体的には、本実施形態では、料金を支払ったことを証明する受取証書として「領収書/通行証」と表記された証紙(以下では、単に、「領収書」という。)が用いられ、該領収書に2次元コードが印刷される。
【0042】
図3は、本実施形態において用いられる領収書90の例を示す図である。領収書90には、「領収書/通行証」と記載された標記91と、案内情報92と、2次元コード93とが印刷されている。2次元コード93としては、たとえば、QRコード(登録商標)が使用され得る。本実施形態では、2次元コード93に、車両番号、車種、支払日時(料金が支払われた日時)、料金所ID(料金が支払われた料金所を示すID(identification))が符号化される。後述されているように、2次元コード93を読み取って得られたデータが、領収書90の確認に用いられる。なお、2次元コード93に書き込むべきデータが暗号化され、暗号化されたデータが2次元コード93に符号化されてもよい。
【0043】
図4Aは、料金所3の構成、特に、料金所3の一の車線11に設けられた車線機器の配置を概念的に示す概念図である。車線11は、アイランド12、13に挟まれており、該車線機器は、該アイランド12、13に設けられる。該車線機器は、車種判別装置14と、車線制御装置15と、料金自動収受機17と、発進制御機18と、発進検知器19とを備えている。
【0044】
車種判別装置14は、車線11に進入した車両の車種を判別するための装置群である。
図4Bは、車種判別装置14の構成を概念的に示す斜視図である。車種判別装置14は、車両分離器14aと、車高検知器14bと、踏板14cと、オーバーハング検知器14dと、車長検知器14eと、撮像機14fと、画像処理装置14gと、処理部14hとを備えている。車両分離器14aは、車両の車線11の進入口11aへの進入を検知する車両検知器である。車高検知器14b、踏板14c、オーバーハング検知器14d、車長検知器14eは、車両の諸元データを検出するための装置群である。詳細には、車高検知器14bは、車両の車高を検知し、踏板14cは、車両の軸数、タイヤ幅及び輪距の算出に用いられる信号を得るセンサーとして機能する。また、オーバーハング検知器14dは、車両のオーバーハング長(即ち、車両を真上から見たときにおける、車両の前輪の接地中心点から車体の先端までの距離)を検出し、車長検知器14eは、車両の車長を検出する。なお、
図4Bには、アイランド12に設けられた車両分離器14a、車高検知器14b、オーバーハング検知器14d及び車長検知器14eしか図示されていないが、実際には、一対の車両分離器14a、車高検知器14b、オーバーハング検知器14d及び車長検知器14eが、アイランド12、13にも設けられる。撮像機14fは、車両の画像を撮影する撮影装置と照明とを備えており、画像処理装置14gは、該撮影装置によって撮影された画像からナンバープレート画像を切り出し、更に、ナンバープレート認識を行う。処理部14hは、車高検知器14b、踏板14c、オーバーハング検知器14d、車長検知器14eによって得られた車両の諸元データ、及び、ナンバープレート認識で得られた車両番号に基づいて、車両の車種を判別する。
図4Bの構成では、処理部14hは、車両分離器14aの筺体に収容されている。
【0045】
図4Aを再度に参照して、車線制御装置15は、当該車線11に設けられた車線機器を制御し、更に、料金収受に関連した様々な演算を行う機能を有している。具体的には、車線制御装置15は、通行料金の決済のための演算(例えば、通行料金の算出)や、料金自動収受機17及び発進制御機18の制御を行う。通行料金の算出では、車種判別装置14によって判別された車両の車種が用いられる。
【0046】
料金自動収受機17は、車線11に進入した車両に搭乗している利用者から通行料金を徴収する装置である。料金自動収受機17は、現金又はETC(electronic toll collection system(自動料金収受システム又は電子料金収受システム);登録商標)カードによって通行料金を決済するための決済装置を備えている。利用者は、料金自動収受機17を操作することで(より具体的には、現金を投入したり、ETCカードをカードリーダに読み取らせたりすることで)、通行料金を決済することができる。なお、通行料金の決済は、現金やETCカード以外の様々な決済手段(例えば、クレジットカードやプリペイドカード)で行っても良い。
【0047】
発進制御機18は、料金自動収受機17よりも車線11の下流側の位置(車線11の退出口11bにより近い位置)の近傍に設けられており、車両の車線11の退出を制御する(即ち、許可し、又は抑止する)ために用いられる。詳細には、発進制御機18は、阻止棒18aと、垂直面内、且つ、車線11に平行な回転軸の周りに阻止棒18aを旋回(swing)させることで阻止棒18aを開閉する駆動部18bとを備えている。発進制御機18は、車線11の退出を抑止する場合に阻止棒18aを閉状態(車線11の路面に略平行な向きに阻止棒18aが向けられた状態)にし、車線11の退出を許可する場合に阻止棒18aを開状態(阻止棒18aの先端が路面から十分に離された状態)にする。なお、
図4Aでは、発進制御機18は、アイランド12、13の両方に設けられているが、アイランド12、13の一方にのみ設けられていてもよい。
【0048】
発進検知器19は、車線11の退出口11bからの車両の退出を検出する。
【0049】
図4Aには、一の車線11について設けられた車線機器が図示されているが、複数の車線のそれぞれに
図4Aに図示された車線機器(即ち、車種判別装置14、車線制御装置15、料金自動収受機17、発進制御機18、及び、発進検知器19)が設けられても良い。
【0050】
営業所8には、操作端末装置21とレイヤスイッチ22とが設けられる。操作端末装置21は、営業所8にいる監視員によって操作される端末であり、料金所3の各車線に設けられた車線機器を監視し、操作する機能を有している。営業所8は、料金所3のアイランド12、13から離れた位置に設けられているから、操作端末装置21は、アイランド12、13に設けられた車線機器を遠隔的に監視し、操作する機能を有していることになる。車線11に設けられた車線制御装置15と料金自動収受機17とは、通信回線を介して、より具体的には、ネットワーク20及びレイヤスイッチ22を介して操作端末装置21に接続される。
【0051】
図5は、営業所8に設けられる操作端末装置21と、車線11の近傍に設けられる料金自動収受機17の構成を示す図であり、
図6A、
図6Bは、料金自動収受機17の前面パネル(車線11に面するパネル)に設けられた操作部の構造を示す正面図である。
【0052】
操作端末装置21は、処理部23と操作表示部24とスピーカー25と受話器26とを備えている。処理部23は、監視員による操作表示部24への操作に応答して、車線11に設けられている車線機器(料金自動収受機17を含むことに留意されたい)を操作する操作信号を生成する。加えて、本実施形態では、処理部23は、料金自動収受機17に設けられた撮像装置によって撮影された領収書90の2次元コード93の撮像画像に対して画像処理を行って2次元コード93に符号化されたデータを抽出する機能を有している。2次元コード93に符号化されたデータを抽出する機能は、画像処理のためのソフトウェアプログラムを処理部23に含まれる演算装置で実行することで実現されても良い。操作表示部24は、操作端末装置21と監視員の間のマン−マシンインターフェースであり、表示装置と操作盤とを備えている。スピーカー25は、音声出力(例えば、監視員の呼び出し音)を出力するために用いられる。受話器26は、料金自動収受機17の近傍にいる利用者と通話をするために用いられ、スピーカーとマイクとを内蔵している。
【0053】
料金自動収受機17は、スピーカー31と、上段操作部32と、下段操作部33と、制御装置44と、外部インターフェース45とを備えている。なお、本実施形態では料金自動収受機17の筺体に車線制御装置15が収容されており、
図5は、このような態様を表現した図になっていることに留意されたい。スピーカー31は、様々な音声出力、例えば、料金自動収受機17による自動音声案内のための音声や、営業所8の操作端末装置21の前にいる監視員からの音声を出力するために用いられる。制御装置44は、料金自動収受機17の各装置を制御し、また、料金収受において必要なデータ処理を行う。外部インターフェース45は、料金自動収受機17と外部装置(具体的には、車線制御装置15及び操作端末装置21)と間の通信を行う。
【0054】
上段操作部32及び下段操作部33は、料金収受に当たって利用者によって操作されるユーザインターフェースである。上段操作部32は、下段操作部33よりも空間的に上方に位置している。上段操作部32は、高い位置に座席がある車両に搭乗する利用者のために設けられ、下段操作部33は、低い位置に座席がある車両に搭乗する利用者のために設けられている。
【0055】
図6Aは、料金自動収受機17の上段操作部32の構成を示す正面図である。上段操作部32には、と、領収書発行機35と、硬貨収受機36と、紙幣処理機37と、ETCカードリーダ39と、インターフォンカメラ40aと、マイク40bと、係員呼び出しボタン41と、証明書確認カメラ42と、表示装置43とが設けられている。
【0056】
領収書発行機35は、硬貨収受機36、紙幣処理機37又はETCカードリーダ39によって通行料金の支払いが行われたとき、通行料金の受領を証明する領収書を発行する。領収書発行機35によって発行される領収書は、
図3に示された領収書90と同様のフォーマットを有しており、該領収書には、様々なデータ、例えば、車両番号、車種、支払日時(料金が支払われた日時)、料金所ID(料金が支払われた料金所を示すID(identification))が符号化された2次元コードが印刷されている。
【0057】
硬貨収受機36と、紙幣処理機37とは、現金によって通行料金を決済するために使用される一連の装置である。硬貨収受機36は、硬貨の投入口を有しており、投入口に投入された硬貨を受け取る。紙幣処理機37は、紙幣の挿入口を有しており、挿入口に挿入された紙幣を受け取る。現金による通行料金の決済において釣銭が発生した場合、硬貨収受機36の釣銭取出し口38に、釣銭が払い出される。また、釣札が発生した場合には、紙幣処理機37によって紙幣が返却される。
【0058】
ETCカードリーダ39は、ETCカードによって通行料金を決済するために使用される装置である。ETCカードとETCカードリーダ39の間で通信を行うことで、通行料金を決済するために必要なデータがETCカードとETCカードリーダ39の間で交換され、通行料金が決済される。本実施形態では、料金自動収受機17がETCカードを用いて決済が可能であるように構成されるが、他のキャッシュレスでの決済手段(例えば、クレジットカードやプリペイドカード)が通行料金の決済に用いられても良い。この場合、当該決済手段に対応したリーダが設けられる。
【0059】
スピーカー31、インターフォンカメラ40a、マイク40b、及び、係員呼び出しボタン41、は、料金自動収受機17と操作端末装置21の間のインターフォン機能を提供するために用いられる装置である。詳細には、利用者が係員呼び出しボタン41を操作すると(具体的には、係員呼び出しボタン41を押すと)、操作端末装置21のスピーカー25から呼び出し音が出力される。このとき、監視員が操作端末装置21に所定の操作を行うと、インターフォンカメラ40aによって撮影された撮像画像が操作端末装置21の操作表示部24の表示装置に表示され、また、操作端末装置21が、受話器26を用いて料金自動収受機17の前にいる利用者と通話できる状態に設定される。即ち、料金自動収受機17のマイク40bで採取された音声(即ち、利用者の音声)が、操作端末装置21の受話器26のスピーカーから出力され、受話器26のマイクで採取された音声(即ち、監視員の音声)が料金自動収受機17のスピーカー31から出力される。これにより、操作端末装置21の前にいる監視員は、料金自動収受機17の前にいる利用者の状況を把握することができる。また、操作端末装置21に設けられた撮像装置(図示されない)によって撮像された監視員の映像が、料金自動収受機17の表示装置43に表示されても良い。
【0060】
証明書確認カメラ42は、障害のために割引が適用される利用者が持つ証明書を撮影するための撮像装置である。利用者が係員呼び出しボタン41を操作すると、証明書確認カメラ42で撮影された撮像画像が操作端末装置21の操作表示部24の表示装置に表示される。この機能は、操作表示部24の表示装置に表示された画像により障害者証明書(例えば、身体障害者手帳等)を確認するためのものである。画像により障害者証明書を確認できた場合、監視員は、操作端末装置21の操作表示部24を操作して、当該利用者が支払うべき通行料金(割引後の通行料金)を料金自動収受機17に設定する。
【0061】
なお、後に詳細に説明するように、本実施形態の料金自動収受システムでは、証明書確認カメラ42が、領収書90の2次元コード93の読み取りにも兼用される。証明書確認カメラ42を用いた2次元コード93の読み取りについては、後に詳細に説明する。
【0062】
表示装置43は、料金自動収受機17による料金収受を行う際に利用者に提示したい情報を表示するために用いられる。制御装置44は、上記されている料金自動収受機17の各装置を制御し、また、料金収受において必要なデータ処理を行う。外部インターフェース45は、料金自動収受機17と外部装置(具体的には、車線制御装置15及び操作端末装置21)と間の通信を行う。また、操作端末装置21の操作表示部24に撮像装置が設けられる場合には、監視員の操作端末装置21への操作に応じて、該撮像装置によって撮影された撮像画像(例えば、監視員が撮像された画像)が料金自動収受機17の表示装置43に表示されても良い。
【0063】
一方、
図6Bは、料金自動収受機17の下段操作部33の構成を示す正面図である。下段操作部33は、上段操作部32とほぼ同様の構成を有しているが、身障者レバー34を追加的に備えている点で相違している。身障者レバー34は、身体障害者によって操作しやすい構造となっており、身障者レバー34は、操作方法は異なっているが係員呼び出しボタン41と同様の機能を有している。詳細には、利用者が身障者レバー34を操作すると(具体的には、身障者レバー34を下方に押し下げると)、操作端末装置21のスピーカー25から呼び出し音が出力される。加えて、証明書確認カメラ42で撮影された撮像画像が操作端末装置21の操作表示部24の表示装置に表示される。上述のように、この機能は、操作表示部24の表示装置に表示された画像により障害者証明書(例えば、身体障害者手帳等)を確認するためのものである。このとき、監視員が操作端末装置21に所定の操作を行うと、インターフォンカメラ40aによって撮影された撮像画像が操作端末装置21の操作表示部24の表示装置に表示され、また、操作端末装置21が、受話器26を用いて料金自動収受機17の前にいる利用者と通話できる状態に設定される。この場合、マイク40bで採取された音声(即ち、利用者の音声)が、操作端末装置21の受話器26のスピーカーから出力される。これにより、操作端末装置21の前にいる監視員は、料金自動収受機17の前にいる利用者の状況を把握することができる。
【0064】
続いて、本実施形態の料金自動収受システムの動作、特に、通行料金の決済と領収書90の確認のための動作について説明する。以下に述べられる料金自動収受システムの動作の一つの特徴は、料金自動収受機17に設置された証明書確認カメラ42を用いて領収書90に印刷されている2次元コード93に符号化されているデータを読み取り、読み取られたデータを用いて領収書90の確認を行う点である。利用者が、領収書90を証明書確認カメラ42にかざすと、証明書確認カメラ42によって撮像された撮像画像に対して画像処理が行われ、2次元コード93の検出と読み取りが行われる。このような動作は、追加的なコストを低減しながら、領収書90の確認の自動化を実現するために有効である。以下、本実施形態の料金自動収受システムについて詳細に説明する。
【0065】
図7は、本実施形態の料金自動収受システムの動作の一例を示すフローチャートである。
図7は、領収書90の確認ができたときには利用者から通行料金を徴収しない場合の動作を示している(なお、領収書90の確認ができた場合に通行料金の割引を行う場合の動作は、後述する)。
【0066】
車線11に車両が進入したことが車両分離器14aによって検知されると(ステップS01)、当該車両のナンバープレート画像が撮像機14f及び画像処理装置14gによって取得され、更に、車種判別が行われる(ステップS02)。詳細には、撮像機14fによって取得されたナンバープレート画像に対して画像処理装置14gによってナンバープレート認識が行われ、当該車両の車両番号が認識される。更に、車種判別装置14の各機器によって取得された当該車両の諸元データと、ナンバープレート認識によって得られた車両番号その他のデータとから該車両の車種が判別される。
【0067】
続いて、料金自動収受機17が、領収書90の2次元コード93の読み取り、及び、現金又はETCカードによる通行料金の決済を待機する状態に設定される(ステップS03)。また、ステップS03では、領収書90の2次元コード93を証明書確認カメラ42にかざすように促す案内画面が表示装置43に表示される。その後、利用者が領収書90の2次元コード93が証明書確認カメラ42にかざさずに通行料金を支払うと判断される場合には(例えば、表示装置43への案内画面の表示が開始されてから一定時間が経過した場合には)、利用者が支払うべき通行料金が表示装置43に表示されると共に硬貨収受機36と紙幣処理機37とが現金(硬貨及び紙幣)を受け取ることができる状態に設定され、更に、ETCカードリーダ39がECTカードと通信可能な状態に設定される。
【0068】
このとき、証明書確認カメラ42が動作し、証明書確認カメラ42によって撮像された撮像画像が、営業所8の操作端末装置21の処理部23に逐次に送られる。処理部23は、証明書確認カメラ42から送られた撮像画像に2次元コード93が含まれていることを検出する画像処理を開始する。
【0069】
このとき、同時に、上段操作部32及び下段操作部33のそれぞれにおいて、証明書確認カメラ42によって撮像された撮像画像を含む表示画像が表示装置43に表示される。これは、領収書90を持つ利用者が、適切な位置において領収書90を証明書確認カメラ42にかざすことを容易にするためのものである。利用者は、表示装置43に表示された表示画像を見ながら、適切な位置で領収書90をかざすことができる。このとき、表示装置43に表示された表示画像には、当該表示画像における2次元コード93の適正な位置の目印(例えば、枠)が表示されることが好ましい。これにより、利用者は、領収書90を適切な位置において証明書確認カメラ42にかざすことが一層に容易になる。
【0070】
続いて、料金自動収受機17は、利用者による操作を待つ待機状態になる(ステップS04〜S07)。
【0071】
上段操作部32及び下段操作部33のいずれかの係員呼び出しボタン41が操作されると(又は、押下されると)(ステップS04)、インターフォン機能が有効になり、料金自動収受機17は、料金自動収受機17の前にいる利用者と営業所8の操作端末装置21の前にいる監視員との間での対話を行う状態に設定される(ステップS08)。詳細には、利用者が上段操作部32及び下段操作部33のいずれかの操作部の係員呼び出しボタン41を操作すると、操作端末装置21に設けられたスピーカー25から呼び出し音が出力される。更に、監視員が操作端末装置21に所定の操作を行うと、該操作部のインターフォンカメラ40aで撮影された撮像画像が操作端末装置21の操作表示部24の表示装置に表示され、また、操作端末装置21が、受話器26を用いて料金自動収受機17の前にいる利用者と通話できる状態に設定される。この場合、該操作部のマイク40bで採取された利用者の音声が、操作端末装置21の受話器26のスピーカーから出力され、操作端末装置21の受話器26のマイクで採取された監視員の音声が、料金自動収受機17のスピーカー31から出力される。また、操作表示部24に撮像装置が設けられる場合には、その撮像装置によって撮影された監視員の画像が、料金自動収受機17の表示装置43に表示されても良い。利用者との対話が終わると、監視員は、操作端末装置21を操作してインターフォン機能を停止させる。
【0072】
また、身障者用レバー34が操作されると(ステップS05)、営業所8にいる監視員が呼び出され、障害を持つ利用者に対するマニュアル対応が行われる(ステップS09)。詳細には、身障者用レバー34が操作されると、営業所8の操作端末装置21に設けられたスピーカー25から呼び出し音が出力される。更に、監視員が操作端末装置21に所定の操作を行うと、操作端末装置21が、受話器26を用いて料金自動収受機17の前にいる利用者と通話できる状態に設定される。この場合、下段操作部33のマイク40bで採取された利用者の音声が、受話器26のスピーカーから出力され、操作端末装置21の受話器26のマイクで採取された監視員の音声が、スピーカー31から出力される。
【0073】
このとき、下段操作部33の証明書確認カメラ42によって撮影された撮像画像が、操作表示部24の表示装置に表示される。表示装置に表示された画像から障害者証明書を確認できた場合、監視員は、操作端末装置21を操作して、割引された通行料金を徴収するように料金自動収受機17を設定する。
【0074】
また、操作端末装置21の処理部23による画像処理において、上段操作部32及び下段操作部33のいずれかの証明書確認カメラ42から送られた撮像画像に2次元コード93が含まれていることが検出されると(ステップS06)、処理部23は、画像処理によって2次元コード93に符号化されているデータ(本実施形態では、車両番号、車種、支払日時、料金所ID)を認識し、当該データを用いて領収書90の確認を行う(ステップS10)。このとき、上段操作部32及び下段操作部33それぞれにおいて、証明書確認カメラ42によって撮像された撮像画像の表示装置43への表示が停止される。撮像画像の表示装置43への表示が停止された場合、2次元コード93が検出されたことを示す表示が表示装置43に表示されても良い。
【0075】
より具体的には、ステップS10では、処理部23は、ステップS02において取得されたナンバープレート画像から得られた車両番号と、2次元コード93に符号化されている車両番号とを照合し、車両番号が一致しない場合には、領収書90に不正の可能性があると判断する。また、処理部23は、ステップS02における車種判別によって得られた車種と、2次元コード93に符号化されている車種とを照合し、車種が一致しない場合には、領収書90に不正の可能性があると判断する。更に、現在の時刻と2次元コード93に符号化されている支払日時とが照合され、支払日時から現在の時刻までの経過時間が異常に長い場合(より具体的には、支払日時から現在の時刻までの経過時間が所定の時間よりも長い場合)、領収書90に不正の可能性があると判断する。更に、処理部23は、2次元コード93に符号化されている料金所IDを参照し、有料道路10の構成を考えると想定できない料金所の料金所IDが2次元コード93に符号化されている場合(例えば、2次元コード93に符号化されている料金所IDが、通行が想定される料金所の料金所IDを列挙したリストに掲載されていない料金所IDである場合)、領収書90に不正の可能性があると判断する。
【0076】
2次元コード93に符号化されているデータから領収書90に不正の可能性があると判断した場合(ステップS11:NG)、処理部23は、操作表示部24からアラームを出力し、監視員にマニュアル対応を行うことを要求する(ステップS12)。例えば、処理部23は、操作端末装置21の操作表示部24の表示装置にアラームを表示し、更に、スピーカー25からアラーム音を出力させる。この場合、監視員は、領収書90を自ら確認し、不正がないと判断した場合には、操作端末装置21を操作して不正がない旨を入力する。この場合、発進制御機18が開状態に設定される(ステップS14)。一方、不正があると判断した場合には、監視員は、不正に対応する操作を行う。例えば、監視員は、操作端末装置21を操作して、追加の通行料金を徴収するように料金自動収受機17を設定する。これにより、利用者は、現金又はカードで通行料金を支払うことが要求されることになる。
【0077】
一方、2次元コード93に符号化されているデータに基づいて領収書90を確認できた場合(即ち、領収書90に不正の可能性があると判断されなかった場合)(ステップS11:OK)、発進制御機18が開状態に設定される(ステップS14)。これにより、車両は、車線11から退出することが許可される。その後、発進検知器19によって車両の車線11からの退出が検出されると、発進制御機18が閉状態に戻される。
【0078】
また、上段操作部32及び下段操作部33のいずれかの操作部によって現金又はETCカードによる決済が行われた場合には(ステップS07)、該操作部の領収書発行機35によって領収書が発行され(ステップS13)、更に、発進制御機18が開状態に設定される(ステップS14)。詳細には、いずれかの操作部の硬貨収受機36に硬貨が投入されると、硬貨収受機36は、その硬貨を受け取る。また、該操作部の紙幣処理機37に紙幣が挿入されると、紙幣処理機37は、その紙幣を受け取る。硬貨収受機36への硬貨の投入又は紙幣処理機37への紙幣の挿入が検知されると、上段操作部32及び下段操作部33の証明書確認カメラ42によって撮像された撮像画像の表示装置43への表示が停止され、投入された硬貨又は挿入された紙幣の金額が上段操作部32及び下段操作部33の両方の表示装置43に表示される。更に、通行料金に相当する現金が上段操作部32及び下段操作部33のいずれかの操作部の硬貨収受機36又は紙幣処理機37に投入されると、必要な場合には該操作部の硬貨収受機36によって釣銭が払いだされ、更に、該操作部の領収書発行機35による領収書の発行(ステップS13)と発進制御機18の開状態への設定が行われる(ステップS14)。
【0079】
また、上段操作部32及び下段操作部33のいずれかの操作部のETCカードリーダ39とETCカードとの間の通信が確立されると(例えば、ETCカードが非接触カードであるときにはETCカードがETCカードリーダ39に近づけられると)、ETCカードとETCカードリーダ39との間で必要なデータが交換され、通行料金の決済が行われる。ETCカードとETCカードリーダ39との間の通信の確立が検知されると、上段操作部32及び下段操作部33のそれぞれにおいて、証明書確認カメラ42によって撮像された撮像画像の表示装置43への表示が停止され、ETCカードによる決済が開始されたことを示す表示が表示装置43に表示される。ETCカードによる通行料金の決済が行われた後、領収書発行機35による領収書の発行(ステップS13)と発進制御機18の開状態への設定(ステップS14)が行われる。
【0080】
なお、ステップS13において発行される領収書は、
図3に示された領収書90と同様のフォーマットを有していてもよい。該領収書には、様々なデータ、例えば、車両番号、車種、支払日時(料金が支払われた日時)、料金所ID(料金が支払われた料金所を示すID(identification))が符号化された2次元コードが印刷される。このとき、2次元コードに符号化されるべきデータが暗号化され、暗号化されたデータが2次元コードに符号化されてもよい。
【0081】
図8は、本実施形態の料金自動収受システムの動作の他の例を示すフローチャートであり、領収書90の確認ができたときに通行料金の割引を行う場合の動作を示している。領収書90の確認ができたときに通行料金の割引を行う料金体系が採用されている場合、ステップS11において領収書90を確認できた場合(即ち、領収書90に不正の可能性があると判断されなかった場合)の動作が、
図7に図示された動作から変更される。
【0082】
領収書90を確認できた場合、操作端末装置21の処理部23によって割引された通行料金を計算する処理が行われる(ステップS15)。更に、料金自動収受機17が、現金又はETCカードによる通行料金の決済を待機する状態に設定される(ステップS16)。現金又はETCカードによる決済が行われた場合には(ステップS17)、領収書発行機35によって領収書が発行され(ステップS13)、更に、発進制御機18が開状態に設定される(ステップS14)。
【0083】
以上に述べられた本実施形態の料金自動収受システムの動作によれば、領収書90を確認できた利用者に対しては通行料金を徴収せず、又は割引された通行料金を徴収する処理を収受員の手を介さずに自動的に行うことができる。また、証明書確認カメラ42が、領収書90の2次元コード93の読み取りにも兼用されるので、領収書90の確認に要する追加的コストを低減させることができる。
【0084】
上述の実施形態において、証明書確認カメラ42の代わりに、インターフォンカメラ40aを用いて領収書90の2次元コード93の読み取りを行っても良い。この場合、証明書確認カメラ42によって撮像された撮像画像の代わりに、インターフォンカメラ40aによって撮像された撮像画像が2次元コード93の読み取りに用いられる。インターフォンカメラ40aを用いて領収書90の2次元コード93の読み取りを行う場合の料金自動収受システムの他の動作は、証明書確認カメラ42が用いられる場合と同様である。
【0085】
詳細には、
図7、
図8のステップS03における、領収書90の2次元コード93の読み取りの待機においては、上段操作部32及び下段操作部33のそれぞれにおいて、インターフォンカメラ40aが動作し、インターフォンカメラ40aによって撮像された撮像画像が、営業所8の操作端末装置21の処理部23に逐次に送られる。処理部23は、インターフォンカメラ40aから送られた撮像画像に2次元コード93が含まれていることを検出する画像処理を開始する。また、上段操作部32及び下段操作部33のそれぞれにおいて、(証明書確認カメラ42によって撮像された撮像画像の代わりに)インターフォンカメラ40aによって撮像された撮像画像が表示装置43に表示される。
【0086】
また、上段操作部32及び下段操作部33のいずれかの操作部の係員呼び出しボタン41が操作されると(又は、押下されると)(ステップS04)、上述されたインターフォン機能が有効になる(
図7、
図8のステップS04)。このとき、該操作部のインターフォンカメラ40aによって撮影された撮像画像が、操作表示部24の表示装置に表示される。利用者との通話が終わると、監視員は、操作端末装置21を操作してインターフォン機能を停止させる。
【0087】
一方、操作端末装置21の処理部23による画像処理により、上段操作部32及び下段操作部33のいずれかのインターフォンカメラ40aから送られた撮像画像に2次元コード93が含まれていることが検出されると(
図7、
図8のステップS06)、処理部23は、該撮像画像に対する画像処理によって2次元コード93に符号化されているデータ(本実施形態では、車両番号、車種、支払日時、料金所ID)を認識し、当該データを用いて領収書90の確認を行う(ステップS11)。
【0088】
追加コストの増大を容認するのであれば、
図9A、
図9Bに図示されているように、上段操作部32及び下段操作部33のそれぞれに、証明書確認カメラ42及びインターフォンカメラ40aとは別に、2次元コードカメラ46が設けられても良い。ここで、
図9Aは、車線11の近傍に設けられる料金自動収受機17の構成を示す図であり、
図9Bは、料金自動収受機17の前面パネル(車線11に面するパネル)に設けられた操作部の構造を示す正面図である。この場合、証明書確認カメラ42又はインターフォンカメラ40aによって撮像された撮像画像の代わりに、2次元コードカメラ46によって撮像された撮像画像が2次元コード93の読み取りに用いられる。2次元コードカメラ46を用いて領収書90の2次元コード93の読み取りを行う場合の料金自動収受システムの他の動作は、証明書確認カメラ42又はインターフォンカメラ40aが用いられる場合と同様である。
【0089】
詳細には、
図7、
図8のステップS03における、領収書90の2次元コード93の読み取りの待機においては、2次元コードカメラ46が動作し、2次元コードカメラ46によって撮像された撮像画像が、営業所8の操作端末装置21の処理部23に逐次に送られる。処理部23は、2次元コードカメラ46から送られた撮像画像に2次元コード93が含まれていることを検出する画像処理を開始する。このとき、2次元コードカメラ46によって撮像された撮像画像が表示装置43に表示される。
【0090】
操作端末装置21の処理部23による画像処理により、2次元コードカメラ46から送られた撮像画像に2次元コード93が含まれていることが検出されると(
図7、
図8のステップS06)、処理部23は、該撮像画像に対する画像処理によって2次元コード93に符号化されているデータ(本実施形態では、車両番号、車種、支払日時、料金所ID)を認識し、当該データを用いて領収書90の確認を行う(ステップS11)。
【0091】
また、
図10A、
図10Bに図示されているように、上段操作部32及び下段操作部33のそれぞれにおいて、2次元コードカメラ46の代わりに、2次元コードを読み取る機能を有する2次元コードリーダ47が用いられても良い。2次元コードリーダ47としては、例えば、レーザスキャナ式のリーダが用いられても良い。2次元コードリーダ47は、インターフォンカメラ40a又は証明書確認カメラ42に近接して、詳細には、2次元コードリーダ47によって2次元コードが読み取り可能な領域が、インターフォンカメラ40a又は証明書確認カメラ42の視野に入っているように設けられる。
【0092】
この場合、
図7、
図8のステップS03における領収書90の2次元コード93の読み取りの待機においては2次元コードリーダ47が動作する。2次元コードリーダ47は、領収書90の2次元コード93に符号化されたデータの読み取りを開始する。領収書90が2次元コードリーダ47にかざされ、2次元コードリーダ47によって2次元コード93が検知されると(ステップS06)、2次元コードリーダ47によって2次元コード93が読み取られる。2次元コードリーダ47によって読み取られたデータ(即ち、2次元コード93に符号化されていたデータ)は、営業所8の操作端末装置21の処理部23に送られ、処理部23により領収書90の確認が行われる(ステップS10)。処理部23による領収書90の確認の処理は、
図7を参照しながら上述されている通りである。
【0093】
このとき、2次元コードリーダ47がインターフォンカメラ40aに近接して設けられる場合には、2次元コードリーダ47によって2次元コード93が検知されるまで、インターフォンカメラ40aによって撮像された撮像画像が表示装置43に表示される。また、2次元コードリーダ47が証明書確認カメラ42に近接して設けられる場合には、2次元コードリーダ47によって2次元コード93が検知されるまで、証明書確認カメラ42によって撮像された撮像画像が表示装置43に表示される。このような動作は、領収書90を持つ利用者が、適切な位置において領収書90を2次元コードリーダ47にかざすことを容易にする。利用者は、表示装置43に表示された画像を見ながら、適切な位置で領収書90をかざすことができる。また、更に、撮像画像が表示装置43に表示される場合には、表示装置43に表示された画像における2次元コード93の適正な位置の目印(例えば、枠)が表示装置43に表示されることが好ましい。このような動作は、利用者が、領収書90を適切な位置において証明書確認カメラ42にかざすことを一層に容易にする。
【0094】
なお、上述の実施形態では、営業所8に設けられた処理部23によって、撮像画像における2次元コード93の検出と2次元コード93に符号化されたデータの読み取りのための画像処理が行われるが、これらの画像処理は、他の演算手段、例えば、車線制御装置15や、料金自動収受機17の制御装置44によって行われても良い。
【0095】
また、料金自動収受機17と操作端末装置21を接続するネットワーク20が正常に動作している場合と、ネットワーク20において障害が発生した場合とで動作が切り換えられても良い。詳細には、料金自動収受機17と操作端末装置21を接続するネットワーク20が正常に動作している場合には営業所8に設けられた処理部23によって2次元コード93の検出と2次元コード93に符号化されたデータの読み取りのための画像処理が行われる。一方、ネットワーク20において障害が発生した場合、撮像画像における2次元コード93の検出と2次元コード93に符号化されたデータの読み取りのための画像処理が、料金自動収受機17の制御装置44又は車線制御装置15によって行われる。このような動作は、ネットワーク20において障害が発生しても料金自動収受システムの運用を停止させる必要がないという利点がある。
【0096】
上述の実施形態の料金自動収受システムの運用においては、領収書90の真正性を確実に確認できること、即ち、領収書90の偽造等の不正を確実に検知できることが望ましい。領収書90の偽造等の不正を確実に検知するためには、車両番号、車種、支払日時、料金所ID以外の、様々な車両データを2次元コード93に符号化してもよい。
【0097】
例えば、各料金所において車両の構造の特徴を表す特徴データが取得され、料金を支払った料金所(
図2の有料道路10においては、例えば、料金所4)において発行される領収書90の2次元コード93に特徴データが符号化されても良い。この場合、領収書90の確認が行われる料金所(
図2の有料道路10においては、例えば、料金所3)においても車両の構造の特徴を表す特徴データが取得され、取得された特徴データが、2次元コード93に符号化されている特徴データと照合される。特徴データが一致しない場合、
図7、
図8のステップS11では、領収書90に不正の可能性があると判断される。
【0098】
例えば、各料金所に
図4A、
図4Bに図示されている車線機器が設けられる場合には、撮像機14fによって車線11に進入した車両が撮影され、車両が撮影された撮像画像から当該車両の構造の特徴を表す特徴データが取得されてもよい。この場合、車両番号の認識に用いられるナンバープレート画像は、車両が撮影された撮像画像から切り出されても良い。また、車線11に進入した車両を撮影する撮影装置が撮像機14fとは別に設けられ、その撮影装置で撮影された撮像画像から当該車両の構造の特徴を表す特徴データが取得されてもよい。2次元コード93に符号化される特徴データは、車両の色を示すデータ、車両のフロントグリル近傍に存在するロゴを示すデータ、車両のボディに記載された文字、ナンバープレートとヘッドライトの位置関係(相対位置)を示すデータ、ナンバープレートとフロントガラスの位置関係(相対位置)を示すデータの少なくとも一のデータを含んでいても良い。
【0099】
また、2次元コード93に符号化される特徴データは、車種判別装置14によって得られた車両の諸元データ(例えば、車両の軸数、タイヤ幅、輪距、車高等)の少なくとも一部を含んでいても良い。
【0100】
領収書90の偽造等の不正を確実に検知するためには、不正の検知に用いられるデータ(車両データ)の量を増やすことが望ましい。例えば、上述された特徴データの多くを2次元コード93に符号化することで、領収書90の不正の検知の確実性を向上させることができる。その一方で、2次元コード93に符号化可能なデータの容量には、現実的には制約があり、無制限に大きな車両情報を2次元コード93に符号化することはできない。
【0101】
図11及び
図12は、このような制約による問題に対処するための料金自動収受システムの構成を示している。
図11、
図12に図示されている料金自動収受システムでは、有料道路10の全体を統括する管理センター50が設けられ、その管理センター50にホストコンピュータ51とレイヤスイッチ52とが設けられる。ホストコンピュータ51は、車両データベース54を保持する記憶装置53を備えている。各料金所では、進入した車両のそれぞれの車両データが、車線機器(例えば、
図4A、
図4Bに図示されている車線機器)によって収集され、収集された車両データが、車両データベース54に蓄積される。車両データは、車両番号、車種、支払日時、料金所IDを含んでいても良い。車両データは、車種判別装置14によって得られた車両の諸元データ(例えば、車両の軸数、タイヤ幅、輪距、車高等)の少なくとも一部を含んでいても良く、また、上述されているような、車両の構造の特徴を表す特徴データを含んでいても良い。
【0102】
各車両の車両データには管理IDが付与され、車両データベース54には、車両データが管理IDと関連づけて記憶される。加えて、通行料金が支払われた料金所(
図2では、料金所3)では、その管理IDを含む小さな容量のデータが領収書90の2次元コード93に符号化される。
【0103】
領収書90の確認(
図7、
図8のステップS10)においては、領収書90の確認が行われる料金所(
図2では、料金所3)に設けられた営業所(
図2では、営業所8)に設けられた操作端末装置21の処理部23は、領収書90の2次元コード93から管理IDを読み取る。処理部23は、更に、ネットワーク20を介してホストコンピュータ51の車両データベース54にアクセスし、2次元コード93から読み取られた管理IDと関連付けられた車両データをダウンロードする。処理部23は、領収書90の確認が行われる料金所の車線機器によって取得された車両データと車両データベース54からダウンロードした車両データとを照合する。車両データが一致しない場合には、処理部23は、領収書90に不正の可能性があると判断する。
【0104】
このような手法によれば、2次元コード93に符号化可能なデータの容量の制約の問題を解消しながら、領収書90の偽造等の不正の検知の確実性を向上することができる。
【0105】
また、各料金所に撮像機が設置される場合(例えば、各料金所に
図4A、
図4Bに図示されている車線機器が設置される場合)、料金を支払った料金所において撮像機によって撮影されたナンバープレート画像が管理IDと関連付けて車両データベース54に記憶されても良い。この場合も、通行料金が支払われた料金所(
図2では、料金所3)では、その管理IDを含む小さな容量のデータが領収書90の2次元コード93に符号化される。
【0106】
領収書90の確認(
図7、
図8のステップS10)においては、領収書90の確認が行われる料金所(
図2では、料金所3)に設けられた営業所(
図2では、営業所8)に設けられた操作端末装置21の処理部23は、領収書90の2次元コード93から管理IDを読み取る。処理部23は、更に、ネットワーク20を介してホストコンピュータ51の車両データベース54にアクセスし、2次元コード93から読み取られた管理IDと関連付けられたナンバープレート画像をダウンロードする。処理部23は、領収書90の確認が行われる料金所の撮像機によって取得されたナンバープレート画像と車両データベース54からダウンロードしたナンバープレート画像とを照合する。ナンバープレート画像の照合の結果から、処理部23は、領収書90に不正の可能性の有無を判断する。
【0107】
このような手法でも、2次元コード93に符号化可能なデータの容量の制約の問題を解消しながら、領収書90の偽造等の不正の検知の確実性を向上することができる。
【0108】
上述の実施形態においては、料金自動収受機17のカメラ(即ち、証明書確認カメラ42、インターフォンカメラ40a、及び、2次元コードカメラ46)の近傍に領収書をかざすことが利用者に求められる。しかしながら、領収書発行機によって発行される領収書は、一般に、薄い紙でできているため、料金自動収受機17のカメラに領収書をかざすときに、領収書が風で飛ばされたり、領収書が折れ曲がったりする懸念がある。
【0109】
このような問題への対策としては、領収書ホルダを用いても良い。
図13は、領収書ホルダ(符号94で参照される)の構造の一例を示す平面図であり、
図14は、
図13の領収書ホルダ94の構造を示す断面図である。
図13、
図14に図示されているように、領収書ホルダ94は、2枚の透明部材95、96を備えている。透明部材95、96は、いずれも透明な樹脂材料で形成された矩形の板状部材である。
【0110】
透明部材95、96は、それらの間に前記領収書を挟むことができるように接合されている。詳細には、領収書ホルダ94は、2つの短辺94a、94cと、2つの長辺94b、94dとを有しており、透明部材95、96は、2つの短辺94a、94c及び長辺94bの近傍において接着されている。透明部材95の外側表面95a(透明部材96に対向する面と反対側の面)には、無反射コーティングが施されており、また、該外側表面95aには、枠95bが印刷されている。枠95bは、領収書90に印刷された2次元コード93よりも大きな矩形形状を有している。また、透明部材96の外側表面96a(透明部材95に対向する面と反対側の面)にも、無反射コーティングが施されていてもよい。
【0111】
図15は、領収書ホルダ94の好適な使用方法を示す平面図である。透明部材95、96の間に領収書90が挟まれる。透明部材95、96の間に領収書90を挟んで料金自動収受機17のカメラに領収書90をかざすことで、領収書90が風で飛ばされたり、領収書90が折れ曲がったりする問題を軽減することができる。このとき、領収書90が挟まれる位置を、領収書90に印刷された2次元コード93が枠95bの内部にあるように調節することで、2次元コード93の認識しやすさを向上させることができる。
【0112】
図13、
図14に図示されている構造の領収書ホルダ94を利用者に配布し、領収書90を領収書ホルダ94に挟んで料金自動収受機17のカメラにかざすことを呼びかけることで、領収書が風で飛ばされたり、折れ曲がったりする問題を緩和することができる。
【0113】
以上には、本発明の実施形態が具体的に記述されているが、本発明は、上記の実施形態に限定されない。本発明が様々な変更と共に実施され得ることは、当業者には容易に理解されよう。