特許第6289947号(P6289947)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289947
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】ブラシレスモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/24 20060101AFI20180226BHJP
   H02K 5/00 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   H02K5/24 A
   H02K5/00 B
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-53192(P2014-53192)
(22)【出願日】2014年3月17日
(65)【公開番号】特開2015-177667(P2015-177667A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年1月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(74)【代理人】
【識別番号】100180068
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 怜史
(72)【発明者】
【氏名】原 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】森 崇徳
(72)【発明者】
【氏名】川原井 広美
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−251833(JP,A)
【文献】 特開2002−176757(JP,A)
【文献】 特開2014−007114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ回転を制御する制御回路が設けられた回路基板と、
前記回路基板を保護する保護ケースと、
前記回路基板から放出される電磁ノイズを遮蔽可能に前記保護ケース内に配設されたシールドプレートと、を備えるブラシレスモータにおいて、
前記シールドプレートの中央部が前記保護ケースのケース底壁の中央部に固定手段で固定されていると共に、
前記シールドプレートの周縁部を係止可能に前記保護ケースのケース周壁に設けられた係止部と、
前記保護ケースのケース底壁に設けられ、且つ、前記係止部との間で前記シールドプレートを保持可能に前記シールドプレートを当接させる突当突部と、を備え、
前記シールドプレートは、自己の弾性力により前記係止部と前記突当突部とに弾接させられて、前記シールドプレートに応力がかかることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、前記シールドプレートはプレート底壁とプレート周壁から箱状に形成され、前記プレート周壁の上端が前記係止部に弾接させられ、前記プレート底壁が前記突当突部に弾接させられることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項3】
請求項2に記載のブラシレスモータにおいて、前記固定手段は、前記保護ケースのケース底壁の中央部に設けられた固定用突部と、前記シールドプレートのプレート底壁の中央に設けられ且つ前記固定用突部の外周面に弾接する環状の弾接保持部を備えることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項4】
請求項3に記載のブラシレスモータにおいて、前記突当突部は前記固定用突部と前記係止部とを結ぶ線上に設けられていることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載のブラシレスモータにおいて、前記ケース底壁には補強リブが複数設けられ、前記突当突部は前記補強リブ上に設けられていることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項6】
請求項5に記載のブラシレスモータにおいて、前記複数の補強リブは互いに交差する交差部を有し、前記突当突部は前記交差部に設けられていることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項7】
請求項6に記載のブラシレスモータにおいて、前記交差部には円形台座が設けられ、前記突当突部は前記円形台座に設けられていることを特徴とするブラシレスモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回路基板を保護する保護ケースと、回路基板から放出される電磁ノイズを遮蔽するシールドプレートと、を備えるブラシレスモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブラシレスモータでは、保護ケースと、この保護ケースに固定されたステータと、このステータ内に回転自在に配設されたロータシャフトと、このロータシャフトに設けられたロータと、保護ケース内に配設された回路基板等を備えているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
尚、この回路基板には、ステータのコイルに流れる電流をオン・オフさせるスイッチング素子と、このスイッチング素子のON・OFF制御をさせるスイッチング回路が設けられている。
【0004】
このようなブラシレスモータでは、駆動時に回路基板から放出される電磁ノイズが保護ケースの底部側から漏れるのを防止するため、保護ケースの底部側にシールドプレートを配設して、電磁ノイズの遮蔽をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001−251833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなブラシレスモータでは、シールドプレートの上縁部を係止爪等で係止させることにより、シールドプレートを保護ケースの底部側に固定するようにしている。
【0007】
しかしながら、保護ケースの底壁とシールドプレートとの間には製造時の寸法公差等による隙間が生じるために、ブラシレスモータの駆動時にシールドプレートが振動して保護ケースとの間で振動音を発生させ、騒音の原因となるという問題があった。
【0008】
そこで、この発明は、駆動時にシールドプレートが振動するのを抑制して、振動音の発生を防止することができるブラシレスモータを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、本発明は、ロータ回転を制御する制御回路が設けられた回路基板と、前記回路基板を保護する保護ケースと、前記回路基板から放出される電磁ノイズを遮蔽可能に前記保護ケース内に配設されたシールドプレートと、を備えるブラシレスモータにおいて、前記シールドプレートの中央部が前記保護ケースのケース底壁の中央部に固定手段で固定されていると共に、前記シールドプレートの周縁部を係止可能に前記保護ケースのケース周壁に設けられた係止部と、前記保護ケースのケース底壁に設けられ、且つ、前記係止部との間で前記シールドプレートを保持可能に前記シールドプレートを当接させる突当突部と、を備え、前記シールドプレートは、自己の弾性力により前記係止部と前記突当突部とに弾接させられて、前記シールドプレートに応力がかかることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この構成によれば、駆動時にシールドプレートが振動するのを抑制して、振動音の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明に係るブラシレスモータの断面図である。
図2図1の保護ケースが保持されたアッパーケースを下側から見た説明図である。
図3図1のシールドプレートが嵌着されたロアケースの正面図である。
図4図3の平面図である。
図5図4のD−D線に沿う断面図である。
図6図5の部分拡大断面図である。
図7図4のA−A線に沿う断面図である。
図8図7の拡大断面図である。
図9図3のシールドプレートを取り外した状態のロアケースの正面図である。
図10図9のロアケースの平面図である。
図11図10のA1−A1線に沿う断面図である。
図12図11の部分拡大断面図である。
図13】ロアケースの変形例1を示す平面図である。
図14】ロアケースの変形例2を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のブラシレスモータに係る実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1はこの発明に係るブラシレスモータの断面図、図2図1の保護ケースが保持されたアッパーケースを下側から見た説明図、図3図1のシールドプレートが嵌着されたロアケースの正面図である。
【0014】
図1に示したアウターロータ型のブラシレスモータ1は、自動車用空気調和装置のブロアファンモータとして使用されるものである。このブラシレスモータ1は、回転子(アウターロータ)2と、この回転子2が取り付けられたモータシャフト3を有する。このモータシャフト3の上端部には送風用のシロッコファン(図示せず)が取り付けられるようになっている。
【0015】
回転子2は、導磁性材料製のヨーク4と、複数のマグネット(永久磁石)5を有する。このヨーク4は、モータシャフト3に取り付けられた端壁4aと、端壁4aと一体に形成され且つモータシャフト3と同芯の筒状ケース部4bを有する。そして、複数のマグネット5は、筒状ケース部4bの内周面に周方向に等間隔で固定されている。
【0016】
また、ブラシレスモータ1は、ヨーク4の筒状ケース部4b内に挿入された固定子(ステータ)6を有する。この固定子6は、中央に軸支持用の筒状部7a,7bが設けられたインシュレータ7と、半径方向に突出する複数のティース8aが設けられ且つインシュレータ7に保持されたステータコア8と、ステータコア8の複数のティース8aにそれぞれ捲回された複数のコイル9を有する。しかも、筒状部7bの下端部には外方に突出するフランジ7cが設けられている。そして、モータシャフト3は、筒状部7a,7bに挿通されていると共に、軸受10,11を介して筒状部7a,7bに回転自在に保持されている。
【0017】
また、図1において、ブラシレスモータ1は、回転子2の回転制御を行わせる制御回路(図示せず)が設けられた回路基板12(図2参照)と、この回路基板12を収容する保護ケース13を有する。この保護ケース13は、図1のように上端が開口する箱状のロアケース13a(図3参照)と、ロアケース13aの上端を閉成するアッパーケース13bを有する。このアッパーケース13bには、固定子6の筒状部7bに設けたフランジ7cがネジ14を介して取り付けられている。しかも、回路基板12は、アッパーケース13b内に配設されている。
【0018】
この回路基板12に設けられた制御回路(図示せず)は、固定子6の複数のコイル9に流す電流を制御して、複数のティース8aに発生する磁界を変化させることにより、固定子6から回転子2の複数のマグネット5に作用する磁力を変化させて、回転子2の回転を制御する。この制御には周知の制御方法が適用できるので、その説明は省略する。
【0019】
この制御に伴い、アッパーケース13b内の回路基板12からは電磁ノイズが放射される。この電磁ノイズのケース外部への放射を遮蔽する箱状のシールドプレート(シールドケース)24が、図1に示したようにロアケース13a内に配設されている(図3図4参照)。
【0020】
このシールドプレート24を保持するためのロアケース13aの形状、及びシールドプレート24の形状を以下に詳説する。
【0021】
このロアケース13aは、図4図10に示したように平面形状が横長の長辺を有する形状に形成されている。このロアケース13aは、図5図7に示したように厚肉のケース底壁15と、薄肉の下ケース周壁16を有する。
【0022】
この下ケース周壁16は、ケース底壁15の外周縁から外側上方に傾斜する傾斜周壁部16aと傾斜周壁部16aから起立する起立周壁部16bを有する。
【0023】
この傾斜周壁部16aは、ケース底壁15の周縁の左側の辺から外側上方に傾斜する傾斜壁部16a1と、同様にしてケース底壁15の周縁の左側の辺から時計回り方向の各辺に設けられた傾斜壁部16a2〜16a8(図9参照)を備えている。また、起立周壁部16bは、各傾斜壁部16a1〜16a8から起立する起立壁部16b1〜16b8を備えている。
【0024】
この傾斜壁部16a1〜16a8のうち、長辺方向に延びる側縁には傾斜壁部16a3,16a7が設けられている。尚、起立壁部16b3,16b7には、図10に示したように長辺方向の中央に切欠17,18が設けられている(図9図11参照)。しかも、起立壁部16b3,16b7には、切欠17,18に対応して外方に突出する結合片19,20が一体に設けられている。
【0025】
この結合片19には結合孔19a,19aが設けられ、結合片20には結合孔20a,20aが設けられている(図4参照)。さらに、傾斜壁部16a3の左右方向の中央部近傍の部分には、ケース底壁15側に位置させてボス部B1,B2が突設されている。
【0026】
また、図2に示したように、アッパーケース13bには、ロアケース13aの下ケース周壁16に対向する上ケース周壁21及びロアケース13aの結合孔19a,20aに対向する結合孔22、23が設けられている。そして、このアッパーケース13bの上ケース周壁21を図1に示したようにロアケース13の下ケース周壁16に突き合わせて、図4図10のロアケース13aの結合孔19a,20aに下側から挿通したネジ(図示せず)を図2のアッパーケース13bの結合孔22,23に螺着することにより、アッパーケース13bがロアケース13aに取り付けられている。
【0027】
図4図10に示したように、ロアケース13aの起立壁部16b1,16b5の上端部中央には、ケース内側に突出するプレート係止爪25,26が設けられている。しかも、ロアケース13aの起立壁部16b3の左右端部近傍の部分にはケース内側に突出するプレート係止爪27,28(図11参照)が設けられ、ロアケース13aの起立壁部16b7の左右端部近傍の部分にはケース内側に突出するプレート係止爪29,30が設けられている。
【0028】
また、ロアケース13aのケース底壁15の中央部には、シールドプレート24の中央部を固定する際に用いる筒部31が固定用突部として設けられている。この筒部31内には、保護ケース13内と外部を連通させる連通孔31aが設けられている。
【0029】
しかも、ケース底壁15には、図10に示したように、連通孔31aの中心Oを通る方向に延びる対角方向補強リブ32,33が設けられていると共に、対角方向補強リブ32,33の一端部間および他端部間に連設された横補強リブ34,35が設けられている。また、ケース底壁15には、プレート係止爪27,29間に位置する縦補強リブ36と、プレート係止爪28,30間に位置する縦補強リブ37と、縦補強リブ36,37間に位置する複数の縦補強リブ38を有する。縦補強リブ36はケース底壁15の左側端部近傍に位置し、縦補強リブ37はケース底壁15の右端部近傍に位置している。
【0030】
また、対角方向補強リブ32,33と左端の縦補強リブ36との交差部Cr1,Cr2には円形台座39,39がそれぞれ設けられ、対角方向補強リブ32,33と右端の縦補強リブ37との交差部Cr3,Cr4には円形台座40,40がそれぞれ設けられている。各円形台座39,40の中央部には,図10に示したように、突当突部39a,40aが設けられている(図8図12参照)。
【0031】
更に、箱状のシールドプレート24は、図1図4に示したように、プレート底壁24aおよびプレート周壁(側壁)24bを有する。
【0032】
また、このプレート底壁24aの中央部には、図4に示したように、挿通孔50aを形成している環状の弾接保持部50が設けられている。この弾接保持部50は、挿通孔50a側の縁部に半径方向に延びる切込51を周方向に間隔をあけて設けることにより、形成されている。そして、ケース底壁15の筒部31がプレート底壁24aの挿通孔50aに挿通されている。しかも、プレート底壁24aの弾接保持部50は、ケース底壁15の筒部31の外周面に弾接させられて、プレート底壁24aの中央部をケース底壁15の筒部31に固定している。
【0033】
この下ケース周壁16の傾斜壁部16a3には、図10に示したように、左右方向の中央部に近接してケース内の上方に突出するボス部B1,B2が形成されている。また、プレート周壁24bには、図4に示したように、ボス部B1,B2を挿通する挿通孔52,52が形成されていて、この挿通孔52,52にはボス部B1,B2が挿通されている。
このシールドプレート24は、プレート底壁24aが図1に示したようにロアケース13aのケース底壁15の内面に沿うと共に、プレート周壁24bが図4に示したようにロアケース13aの下ケース周壁16の内面に沿うように、ロアケース13a内に嵌合配設されている。しかも、プレート周壁24bの上端はプレート係止爪27〜30に係止されて、シールドプレート24のプレート底壁24aが図5図8に示したようにロアケース13aの突当突部39a,39a及び40a,40aに弾接させるようになっている。
【0034】
この突当突部39a,39aはプレート係止爪27,29間に位置し、突当突部40a,40aはプレート係止爪28,30間に位置しているので、シールドプレート24のプレート周壁24bをプレート係止爪27,29および28,30に係止させて、シールドプレート24のプレート底壁24aを突当突部39a,40aに弾接させたときに、シールドプレート24の左右端部近傍の部分をロアケース13aに遊び無く保持させることができる。
【0035】
このような構成において、回路基板12に設けた制御回路(図示せず)により、固定子6の複数のコイル9に流れる電流を制御させて、回転子2を回転駆動させると、回転子2を保持するモータシャフト3が回転させられる。この回転により、図示しないシロッコファンが回転させられて、空調装置における送風が行われる。
【0036】
このような駆動に伴ってブラシレスモータ1は、回転子2と固定子6との間のコギングトルクの変化やシロッコファンに作用するトルクの変動等その他により保護ケース13が振動して、この振動が保護ケース13およびシールドプレート24に伝達される。
【0037】
これに伴い、シールドプレート24が保護ケース13のロアケース13aに対して振動しようとしても、シールドプレート24は中央部および左右の部分が保護ケース13のロアケース13aに対して遊び無く保持されているので、シールドプレート24がロアケース13aに対して相対的に振動するのを防止して、シールドプレート24の振動がロアケース13aとの間に異音を発生させる原因となるのを防止できる。
【0038】
即ち、シールドプレート24のプレート底壁24aは、中央部がロアケース13aのケース底壁15の中央部の筒部31に固定されていると共に、ケース底壁15の中央部と周縁との中間部の4箇所に設けた突当突部39a,39a,40a,4oaに弾接支持されている。このようにして、プレート底壁24aは、ロアケース13aのケース底壁15に5箇所で遊び無く支持されている。これにより、シールドプレート24のプレート底壁24aがロアケース13aに対して相対的に振動するのを防止して、シールドプレート24の振動がロアケース13aとの間に異音を発生させる原因となるのを防止できる。
(変形例1)
以上説明した実施例では、ロアケース13aのケース底壁15に縦補強リブ36,37と対角方向補強リブ32,33を設け、この縦補強リブ36,37と対角方向補強リブ32,33との交差部Cr1〜Cr4に突当突部39a,40aを設けた例を示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図13に示したように、補強リブが設けられていないケース底壁15に突当突部39a,40aを設けた構成としても良い。
(変形例2)
また、図14に示したように、プレート係止爪27,30と筒部31の中心Oとを結ぶ線上に突当突部39a,40aを設けると共に、プレート係止爪28,29と筒部31中心Oを結ぶ線上に突当突部39a,40aを設けた構成としても良い。
[発明の実施の形態の作用・効果]
以上説明した発明の実施の形態のブラシレスモータ1の作用・効果を以下に説明する。
(1).この発明の実施の形態のブラシレスモータ1は、ロータ回転を制御する制御回路が設けられた回路基板12と、前記回路基板12を保護する保護ケース13と、前記回路基板12から放出される電磁ノイズを遮蔽可能に前記保護ケース13内に配設されたシールドプレート24と、を備えている。しかも、ブラシレスモータ1は、前記シールドプレート24の中央部が前記保護ケース13のケース底壁15の中央部に固定手段で固定されている。また、前記シールドプレート24の周縁部を係止可能に前記保護ケース13のケース周壁(下ケース周壁16)に設けられた係止部(プレート係止爪27〜30)と、前記保護ケース13のケース底壁15に設けられ、且つ、前記係止部(プレート係止爪27〜30)との間で前記シールドプレート24を保持可能に前記シールドプレート24を当接させる突当突部(39a,40a)と、を備えている。そして、前記シールドプレート24は、自己の弾性力により前記係止部(プレート係止爪27〜30)と前記突当突部(39a,40a)とに弾接させられて、テンションがかかるようになっている。
【0039】
この構成によれば、駆動時にシールドプレート24が振動するのを抑制して、振動音の発生を防止することができる。即ち、シールドプレート24が保護ケース13のロアケース13aに対して振動しようとしても、シールドプレート24は中央部および左右の部分が保護ケース13のロアケース13aに対して遊び無く保持されているので、シールドプレート24がロアケース13aに対して相対的に振動するのを防止して、シールドプレート24の振動がロアケース13aとの間に異音を発生させる原因となるのを防止し、振動音の発生を防止できる。
(2).この発明の実施の形態のブラシレスモータ1において、前記シールドプレート24はプレート底壁24aとプレート周壁24bから箱状に形成され、前記プレート周壁24bの上端が前記係止部(プレート係止爪27〜30)に弾接させられ、前記プレート底壁24aが前記突当突部(39a,40a)に弾接させられるようになっている。
【0040】
この構成によれば、シールドプレート24のプレート底壁24aは、中央部および左右の部分が保護ケース13のロアケース13aに対して遊び無く保持されるので、シールドプレート24のプレート底壁24aがロアケース13aに対して相対的に振動するのを防止して、プレート底壁24aの振動がロアケース13aとの間に異音を発生させる原因となるのを防止し、振動音の発生を防止できる。
(3).この発明の実施の形態のブラシレスモータ1において、前記固定手段は、前記保護ケース13のケース底壁15の中央部に設けられた固定用突部(筒部31)と、前記シールドプレート24のプレート底壁24aの中央に設けられ且つ前記固定用突部(筒部31)の外周面に弾接する環状の弾接保持部50を備えている。
【0041】
この構成によれば、ロアケース13aのケース底壁15の中央部に設けた固定用突部(筒部31)を、シールドプレート24のプレート底壁24aの中央部に設けたプレート底壁24aの中央部の環状の弾接保持部50に挿通することにより、プレート底壁24aの中央部をケース底壁15の中央部に簡易且つ迅速に固定させることができる。
(4).この発明の実施の形態のブラシレスモータ1において、前記突当突部(39a,40a)は前記固定用突部(筒部31)と前記係止部(プレート係止爪27〜30)とを結ぶ線上に設けられている。
【0042】
この構成によれば、シールドプレート24をロアケース13aのケース底壁15に確実に弾接支持させることができる。
(5).また、この発明の実施の形態のブラシレスモータ1において、前記ケース底壁15には補強リブ(32〜38)が複数設けられ、前記突当突部(39a,40a)は前記補強リブ(32,33,36,37)上に設けられている。
【0043】
この構成によれば、突当突部(39a,40a)は、補強リブ(32〜38)より僅かに高く形成するのみで良いので、簡単に形成できる。
(6).この発明の実施の形態のブラシレスモータ1において、前記複数の補強リブ(32,33,36,37)は互いに交差する交差部(Cr1〜Cr4)を有し、前記突当突部(39a,40a)は前記交差部(Cr1〜Cr4)に設けられている。この構成によれば、突当突部(39a,40a)を容易に形成できる。
(7).この発明の実施の形態のブラシレスモータ1において、前記交差部(Cr1〜Cr4)には円形台座(39,40)が設けられ、前記突当突部(39a,40a)は前記円形台座(39,40)に設けられている。
【0044】
この構成によれば、突当突部(39a,40a)の大きさや形状を補強リブ(32,33,36,37)の幅に影響されずに形成することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 ブラシレスモータ
12 回路基板
13 保護ケース
13a ロアケース
15 ケース底壁
16 下ケース周壁(側壁)
24 シールドプレート
25〜30 プレート係止爪(係止部)
31 筒部(固定用突部)
32,33 対角方向補強リブ
34.35 横補強リブ
36,37 縦補強リブ
38 縦補強リブ
39,40 円形台座
39a,40a 突当突部
Cr1〜Cr4 交差部
図1
図2
図3
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図14