特許第6289949号(P6289949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星ダイヤモンド工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6289949-ブレイク装置 図000002
  • 特許6289949-ブレイク装置 図000003
  • 特許6289949-ブレイク装置 図000004
  • 特許6289949-ブレイク装置 図000005
  • 特許6289949-ブレイク装置 図000006
  • 特許6289949-ブレイク装置 図000007
  • 特許6289949-ブレイク装置 図000008
  • 特許6289949-ブレイク装置 図000009
  • 特許6289949-ブレイク装置 図000010
  • 特許6289949-ブレイク装置 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289949
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】ブレイク装置
(51)【国際特許分類】
   B26F 3/00 20060101AFI20180226BHJP
   B28D 1/22 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   B26F3/00 A
   B28D1/22
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-54695(P2014-54695)
(22)【出願日】2014年3月18日
(65)【公開番号】特開2015-174209(P2015-174209A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2016年11月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】390000608
【氏名又は名称】三星ダイヤモンド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】富永 圭介
(72)【発明者】
【氏名】高松 生芳
(72)【発明者】
【氏名】秀島 護
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第00/012439(WO,A1)
【文献】 特開2012−197225(JP,A)
【文献】 特開2010−128407(JP,A)
【文献】 特開2009−173019(JP,A)
【文献】 特開2004−216742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26F 3/00
B28D 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクライブラインが形成された脆性材料基板を前記スクライブラインに沿ってブレイクするブレイク装置であって、
前記脆性材料基板が載置される載置面を有し、前記脆性材料基板を搬送するように構成され、可撓性を有する搬送ベルトと、
前記載置面の上方において前記搬送ベルトの搬送方向に沿って配置され、昇降可能に構成された第1及び第2支持部材と、
前記載置面の上方において前記第1支持部材と前記第2支持部材との間に配置され、昇降可能に構成された第1ブレイクバーと、
前記載置面の下方において前記搬送方向に沿って配置され、昇降可能に構成された第3及び第4支持部材と、
前記載置面の下方において、前記第3支持部材と前記第4支持部材との間に配置され、昇降可能に構成された第2ブレイクバーと、
を備え、
前記第3支持部材は、前記搬送ベルトを介して、前記第1支持部材の下方に配置され、
前記第4支持部材は、前記搬送ベルトを介して、前記第2支持部材の下方に配置される、
ブレイク装置。
【請求項2】
前記脆性材料基板は、前記スクライブラインと前記基板の端縁とによって画定される端部と、前記端部を除く本体部と、を有し、
前記第2支持部材と前記第4支持部材とは、前記搬送ベルトとともに前記本体部を挟持可能に構成され、
前記第1ブレイクバーは、前記端部を下方に押圧可能に構成される、
請求項1に記載のブレイク装置。
【請求項3】
前記第1及び第2支持部材は、前記搬送方向に沿って移動可能に構成されている、
請求項1又は2に記載のブレイク装置。
【請求項4】
前記第3及び第4支持部材は、前記搬送方向に沿って移動可能に構成されている、
請求項1から3のいずれかに記載のブレイク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレイク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、脆性材料基板をブレイクする方法は、まず、スクライブ装置によって脆性材料基板にスクライブラインを形成する。そして、ブレイク装置によって、脆性材料基板を押圧して脆性材料基板を撓ませる。この結果、脆性材料基板がスクライブラインに沿ってブレイクされる。このブレイク装置は、上流側搬送ベルトと下流側搬送ベルトとの間に設置されている(特許文献1参照)。そして、ブレイク装置は、上流側搬送ベルトと下流側搬送ベルトとに亘って配置された脆性材料基板を、上述した方法でブレイクする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−126580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したブレイク装置のように上流側搬送ベルトと下流側搬送ベルトとの間で脆性材料基板をブレイクすると、種々の問題が発生する。例えば、ブレイク後の脆性材料基板の寸法が小さい場合、上流側搬送ベルトと下流側搬送ベルトとの間に落下してしまうという問題が生じる。
【0005】
本発明の課題は、上流側搬送ベルトと下流側搬送ベルトとの間で基板をブレイクすることによって生じる問題を解消することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1側面に係るブレイク装置は、スクライブラインが形成された脆性材料基板をスクライブラインに沿ってブレイクする。このブレイク装置は、搬送ベルトと、第1及び第2支持部材と、第1ブレイクバーと、第3及び第4支持部材と、第2ブレイクバーとを備えている。搬送ベルトは、基板が載置される載置面を有している。搬送ベルトは、基板を搬送するように構成されている。搬送ベルトは可撓性を有している。第1及び第2支持部材は、載置面の上方において搬送ベルトの搬送方向に沿って配置されている。第1及び第2支持部材は、昇降可能に構成されている。第1ブレイクバーは、載置面の上方に配置されている。第1ブレイクバーは、第1支持部材と第2支持部材との間に配置されている。第1ブレイクバーは、昇降可能に構成されている。第3及び第4支持部材は、載置面の下方において搬送方向に沿って配置されている。第3及び第4支持部材は、昇降可能に構成されている。第2ブレイクバーは、載置面の下方に配置されている。第2ブレイクバーは、第3支持部材と第4支持部材との間に配置されている。第2ブレイクバーは、昇降可能に構成されている。第3支持部材は、搬送ベルトを介して、第1支持部材の下に配置されている。第4支持部材は、搬送ベルトを介して、第2支持部材の下に配置されている。
【0007】
本発明によれば、例えば、以下のような方法で基板をブレイクすることができる。まず、搬送ベルトを下方から支持するよう、第3及び第4支持部材を上方に移動させる。次に、第1ブレイクバーが基板を下方に押圧するよう、第1ブレイクバーを下方に移動させる。搬送ベルトは可撓性を有しているため、基板は搬送ベルトとともに撓むことができる。この結果、基板はスクライブラインに沿ってブレイクされる。
【0008】
また、本発明は、基板を以下のようにしてブレイクすることもできる。まず、基板を上方から支持するように、第1及び第2支持部材を下方に移動させる。次に、第2ブレイクバーを上方に移動させる。これによって、第2ブレイクバーは、搬送ベルトを介して、基板を上方に押圧する。この結果、基板が搬送ベルトとともに撓み、基板はスクライブラインに沿ってブレイクされる。
【0009】
以上のように、本発明では、基板をブレイクするために、上流側搬送ベルトと下流側搬送ベルトとの隙間を必要としない。このため、上流側搬送ベルトと下流側搬送ベルトとの隙間で基板をブレイクすることによって生じる問題を解消することができる。
【0010】
また、上述した本発明によれば、次のような方法によって基板をブレイクすることができる。例えば、第2支持部材と第4支持部材とによって基板を上下方向から挟む。この状態で、第1ブレイクバーを下方に移動させて、第1ブレイクバーによって基板を下方に押圧する。この結果、搬送ベルトごと基板が撓み、基板はスクライブラインに沿ってブレイクされる。以上の方法は、例えば、基板の端縁とスクライブラインとの距離が短い場合に有用である。
【0011】
好ましくは、基板は、端部と、本体部とを有している。端部は、スクライブラインと基板の端縁とによって画定される。本体部は、端部を除く部分である。第2支持部材と第4支持部材とは、搬送ベルトとともに本体部を挟持可能に構成されている。第1ブレイクバーは、端部を下方に押圧可能に構成されている。
【0012】
好ましくは、第1及び第2支持部材は、搬送方向に沿って移動可能に構成されている。この構成によれば第1及び第2支持部材は、適切な位置で基板を上方から支持することができる。
【0013】
好ましくは、第3及び第4支持部材は、搬送方向に沿って移動可能に構成されている。この構成によれば、第3及び第4支持部材は、適切な位置で搬送ベルトを下方から支持することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、上流側搬送ベルトと下流側搬送ベルトとの隙間で基板をブレイクすることによって生じる問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ブレイク装置の概略図。
図2】ブレイク装置の概略図。
図3】ブレイク装置の概略図。
図4】ブレイク装置の概略図。
図5】ブレイク装置の概略図。
図6】ブレイク装置の概略図。
図7】ブレイク装置の概略図。
図8】ブレイク装置の概略図。
図9】ブレイク装置の概略図。
図10】ブレイク装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るブレイク装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、ブレイク装置の概略図である。
【0021】
図1に示すように、ブレイク装置1は、脆性材料基板10をスクライブライン11に沿ってブレイクする装置である。脆性材料基板10には、スクライブライン11が形成されている。脆性材料基板10は、端部12と本体部13とを有している。端部12は、基板10の端縁14と、スクライブライン11とによって画定されている。本体部13は、脆性材料基板10から端部12を除いた部分である。なお、本体部13は、端部12よりも搬送方向の長さが長い。
【0022】
本実施形態では、脆性材料基板10は、貼り合わせ基板である。すなわち、脆性材料基板10は、第1基板15と第2基板16とによって構成されている。第1基板15には、第1スクライブライン11aが形成されており、第2基板16には第2スクライブライン11bが形成されている。スクライブライン11は、第1スクライブライン11aと第2スクライブライン11bとによって構成されている。なお、第1スクライブライン11aと第2スクライブライン11bとは対向している。
【0023】
第1基板15と第2基板16との間で例えば液晶層を構成する。また、脆性材料基板10は、第1基板15と第2基板16との間に配置されたシール部材(図示省略)を有している。このシール部材によって液晶層を囲んでいる。本実施形態における脆性材料基板10は、第1基板15が上側、第2基板16が下側に配置された状態で搬送される。
【0024】
ブレイク装置1は、搬送ベルト2、第1ブレイクバー3、第1支持部材4、第2支持部材5、第2ブレイクバー6、第3支持部材7、及び第4支持部材8を備えている。
【0025】
搬送ベルト2は、基板10が載置される載置面21を有している。搬送ベルト2は、基板を搬送するように構成されている。また、搬送ベルト2は可撓性を有している。例えば、搬送ベルト2は、天然ゴム、合成ゴム、布、又は合成樹脂などによって形成することができる。搬送ベルト2は、弛まない程度に張力が掛かった状態で設置されている。
【0026】
この搬送ベルト2は、図1において、反時計周りに回転している。すなわち、本実施形態では、搬送ベルト2は、基板10をY方向(図1の左方向)へと搬送する。具体的には、搬送ベルト2は、複数の搬送ローラ22によって駆動される。各搬送ローラ22は、モータによって駆動される。
【0027】
第1ブレイクバー3は、搬送ベルト2の載置面21の上方に配置されている。第1ブレイクバー3は、搬送方向において、第1支持部材4と第2支持部材5との間に配置されている。
【0028】
第1ブレイクバー3は、載置面21上に載置された基板10を上方から押圧し、基板10をスクライブライン11に沿ってブレイクするための部材である。詳細には、第1ブレイクバー3は、先端部(下端部)で基板10を押圧する。
【0029】
第1ブレイクバー3の先端部は、先端に向かって徐々に厚さが薄くなるように構成されている。第1ブレイクバー3は、水平方向であって搬送方向と直交する方向に延びている。具体的には、第1ブレイクバー3は、図1の紙面垂直方向に延びている。
【0030】
第1ブレイクバー3は、昇降可能に構成されている。すなわち、第1ブレイクバー3は上下方向に移動可能に構成されている。例えば、第1ブレイクバー3は、流体シリンダ(図示省略)によって駆動され、上方及び下方に移動可能である。詳細には、第1ブレイクバー3は、載置面21上に載置された基板10を上方から押圧するように、下方へ移動可能である。また、第1ブレイクバー3は、載置面21上に載置された基板10と接触しない程度に上方へ移動可能である。
【0031】
第1支持部材4は、載置面21上に載置された基板10を支持するための部材である。詳細には、第1支持部材4の下面が基板10の上面と接触することによって、第1支持部材4は基板10を支持する。
【0032】
第1支持部材4は、搬送ベルト2の載置面21の上方に配置されている。本実施形態では、第1支持部材4は、第1ブレイクバー3に対して搬送方向上流側に配置されている。
【0033】
第1支持部材4は、昇降可能に構成されている。すなわち、第1支持部材4は、上下方向に移動可能に構成されている。例えば、第1支持部材4は、流体シリンダ(図示省略)によって駆動され、上方及び下方に移動可能である。詳細には、第1支持部材4は、載置面21上に載置された基板10を支持するように、下方へ移動可能である。また、第1支持部材4は、載置面21上に載置された基板10と接触しない程度に上方へ移動可能である。
【0034】
第2支持部材5は、載置面21上に載置された基板10を支持するための部材である。第2支持部材5は、載置面21の上方に配置されている。本実施形態において、第2支持部材5は、第1ブレイクバー3に対して搬送方向下流側に配置されている。第2支持部材5は、昇降可能に構成されている。なお、第2支持部材5は、配置されている位置以外は上述した第1支持部材4と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。また、第1及び第2支持部材4,5は、搬送方向に沿って移動可能に構成されている。すなわち、第1及び第2支持部材4,5は、搬送方向上流側に移動したり、搬送方向下流側に移動したりできる。
【0035】
以上のように、搬送ベルト2の載置面21の上方に配置された第1支持部材4、第1ブレイクバー3、及び第2支持部材5は、この順に配置されている。搬送方向において第1支持部材4と第2支持部材5とは間隔sをおいて配置されている。
【0036】
第2ブレイクバー6は、搬送ベルト2の載置面21の下方に配置されている。第2ブレイクバー6は、搬送方向において、第3支持部材7と第4支持部材8との間に配置されている。
【0037】
第2ブレイクバー6は、載置面21上に載置された基板10を下方から押圧し、基板10をスクライブライン11に沿ってブレイクするための部材である。詳細には、第2ブレイクバー6は、搬送ベルト2を介して基板10を押圧する。なお、第2ブレイクバー6は、先端部(上端部)で基板10を押圧する。
【0038】
第2ブレイクバー6の先端部は、先端に向かって徐々に厚さが薄くなるように構成されている。第2ブレイクバー6は、水平方向であって搬送方向と直交する方向に延びている。具体的には、第2ブレイクバー6は、図1の紙面垂直方向に延びている。
【0039】
第2ブレイクバー6は、昇降可能に構成されている。すなわち、第2ブレイクバー6は、上下方向に移動可能に構成されている。例えば、第2ブレイクバー6は、流体シリンダ(図示省略)によって駆動され、上方及び下方に移動可能である。詳細には、第2ブレイクバー6は、載置面21上に載置された基板10を下方から押圧するように、上方へ移動可能である。また、第2ブレイクバー6は、搬送ベルト2と接触しない程度に下方へ移動可能である。
【0040】
第3支持部材7は、搬送ベルト2を下方から支持するための部材である。詳細には、第3支持部材7は、搬送ベルト2を支持することによって、載置面21上に載置された基板10を支持する。なお、第3支持部材7の上面が搬送ベルト2の載置面21の反対側面23と接触することによって、第3支持部材7は搬送ベルト2を支持する。
【0041】
第3支持部材7は、載置面21の下方に配置されている。また、第3支持部材7は、第2ブレイクバー6に対して搬送方向上流側に配置されている。
【0042】
第3支持部材7は、昇降可能に構成されている。すなわち、第3支持部材7は、上下方向に移動可能に構成されている。例えば、第3支持部材7は、流体シリンダ(図示省略)によって駆動され、上方及び下方に移動可能である。詳細には、第3支持部材7は、搬送ベルト2を支持するように、上方へ移動可能である。また、第3支持部材7は、搬送ベルト2と接触しない程度に下方へ移動可能である。
【0043】
第4支持部材8は、搬送ベルト2を支持するための部材である。第4支持部材8は、載置面21の下方に配置されている。また、第4支持部材8は、第2ブレイクバー6に対して搬送方向下流側に配置されている。第4支持部材8は、昇降可能に構成されている。なお、第4支持部材8は、配置されている位置以外は上述した第3支持部材7と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。また、第3及び第4支持部材7,8は、搬送方向に沿って移動可能に構成されている。すなわち、第3及び第4支持部材7,8は、搬送方向上流側に移動したり、搬送方向下流側に移動したりできる。
【0044】
以上のように、搬送ベルト2の載置面21の下方に配置された第3支持部材7、第2ブレイクバー6、及び第4支持部材8は、この順に配置されている。
【0045】
次に、上述したように構成されたブレイク装置を用いたブレイク方法について説明する。なお、基板10の端縁14とスクライブライン11との距離は、第1支持部材4と第2支持部材5との間隔sの最小値の半分よりも小さい。例えば、基板10の端縁14とスクライブライン11との距離は、1mm以上3mm以下程度である。なお、間隔sの最小値とは、第1支持部材4と第2支持部材5とによって基板10を上方から支持して第2ブレイクバー6によって基板10を上方に押圧してスクライブライン11に沿って基板10をブレイクすることができる範囲で、第1支持部材4と第2支持部材5とを最も近付けたときの間隔sを意味する。
【0046】
まず、図1に示すように、搬送ベルト2の載置面21上に脆性材料基板10を載置する。そして、搬送ベルト2によって脆性材料基板10を搬送する。詳細には、搬送ローラ22によって搬送ベルト2を駆動し、脆性材料基板10を搬送する。
【0047】
脆性材料基板10のスクライブライン11が第1ブレイクバー3の真下に位置したとき、搬送ベルト2による脆性材料基板10の搬送を停止する。そして、図2に示すように、第3及び第4支持部材7,8を上方に移動させ、第3及び第4支持部材7,8によって下方から搬送ベルト2を支持する。なお、第4支持部材8は、搬送ベルト2を介して基板10の下に位置しているが、第3支持部材7は、搬送ベルト2を介して基板10の下に位置していない。
【0048】
次に、図3に示すように、第1ブレイクバー3を下方に移動させる。これによって、第1ブレイクバー3は基板10を下方に押圧し、基板10は搬送ベルト2とともに撓む。なお、第1ブレイクバー3は、スクライブライン11上を押圧する。この結果、第2基板16に形成された第2スクライブライン11bに沿って第2基板16がブレイクされる。
【0049】
次に、搬送ベルト2による基板10の搬送を再開する。詳細には、第3及び第4支持部材7,8を下方に移動させ、第1ブレイクバー3を上方に移動させた後、搬送ベルト2による基板10の搬送を再開する。
【0050】
図4に示すように、端部12が第1ブレイクバー3の真下に位置したとき、搬送ベルト2による脆性材料基板10の搬送を停止する。そして、図5に示すように、第2支持部材5を下方に移動させ、第4支持部材8を上方に移動させる。この結果、基板10は、第2支持部材5と第4支持部材8とによって挟まれて支持される。具体的には、第2及び第4支持部材5,8は、基板10の本体部13を挟む。すなわち、基板10の端部12は、第2及び第4支持部材5,8によって挟まれていない。なお、第2支持部材5と第4支持部材8とは、基板10のみではなく搬送ベルト2も挟んでいる。
【0051】
次に、図6に示すように、第1ブレイクバー3を下方に移動させる。これによって、第1ブレイクバー3は基板10の端部12を下方に押圧し、端部12が下方に撓む。この結果、第1基板15に形成された第1スクライブライン11aに沿って第1基板15がブレイクされる。
【0052】
以上のように、ブレイク装置1は、基板10をスクライブライン11に沿ってブレイクすることができる。また、基板10の端部12の幅が狭い場合、第1支持部材4と第2支持部材5とによって基板10を支持できないことがある。このような場合であっても、上述した方法によって、基板10をスクライブライン11に沿ってブレイクすることができる。
【0053】
基板10の端縁14とスクライブライン11との距離が、第1支持部材4と第2支持部材5との間隔sの最小値の半分よりも大きい場合は、以下のような方法によって、第1基板15をブレイクすることができる。
【0054】
詳細には、脆性材料基板10のスクライブライン11が第1ブレイクバー3の真下に位置したとき、搬送ベルト2による脆性材料基板10の搬送を停止する。そして、図7に示すように、第3及び第4支持部材7,8を上方に移動させ、第3及び第4支持部材7,8によって下方から搬送ベルト2を支持する。ここで、第3及び第4支持部材7、8は、搬送ベルト2を介して、基板10の下に位置していることが好ましい。
【0055】
次に、図8に示すように、第1ブレイクバー3を下方に移動させる。これによって、第1ブレイクバー3は基板10を下方に押圧する。なお、第1ブレイクバー3は、スクライブライン11上を押圧する。この押圧力によって、基板10は搬送ベルト2とともに撓む。この結果、第2スクライブライン11bに沿って第2基板16がブレイクされる。
【0056】
次に、第3及び第4支持部材7,8を下方に移動させ、第1ブレイクバー3を上方に移動させる。そして、図9に示すように、第1及び第2支持部材4,5を下方に移動させる。これによって、第1及び第2支持部材4,5によって上方から基板10を支持する。
【0057】
次に、図10に示すように、第2ブレイクバー6を上方に移動させる。これによって、第2ブレイクバー6は、搬送ベルト2を介して、基板10を上方に押圧する。この結果、基板10は搬送ベルト2とともに撓み、第1スクライブライン11aに沿って第1基板15がブレイクされる。
【0058】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0059】
変形例1
上記実施形態では、第1及び第3支持部材4,7が搬送方向の上流側に位置し、第2及び第4支持部材5,8が搬送方向の下流側に位置しているが、各部材の位置関係は特にこれに限定されない。例えば、第1及び第3支持部材4,7が搬送方向の下流側に位置し、第2及び第4支持部材5,8が搬送方向の上流側に位置していてもよい。
【0060】
変形例2
上記実施形態では、脆性材料基板10は貼り合わせ基板であったが、脆性材料基板10は特にこれに限定されない。
【符号の説明】
【0061】
1 ブレイク装置
2 搬送ベルト
21 載置面
3 第1ブレイクバー
4 第1支持部材
5 第2支持部材
6 第2ブレイクバー
7 第3支持部材
8 第4支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10