特許第6289982号(P6289982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6289982天井裏点検口を新増設するための線引用抜型定規
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6289982
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】天井裏点検口を新増設するための線引用抜型定規
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/18 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   E04G21/18 A
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-80642(P2014-80642)
(22)【出願日】2014年4月10日
(65)【公開番号】特開2015-200143(P2015-200143A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2017年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】508203507
【氏名又は名称】株式会社関東LGS
(74)【代理人】
【識別番号】100061310
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 郁二
(72)【発明者】
【氏名】小池 徹
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−074761(JP,A)
【文献】 特開2006−200278(JP,A)
【文献】 特開2001−280967(JP,A)
【文献】 米国特許第05396710(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/18
B43L 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルディングなどの家屋の天井に天井裏の点検口を新増設するための線引用の抜型定規であって、該定規は四辺の外端面と内端面に沿ってJIS規格が定める大中小の点検口を線引する大小の2種にて形成し、それぞれの一面の相対辺間に取手を渡設するとともに各辺に天井線に合わせる合わせ線と仮止め用のルーズ穴を設け、他面を滑り止め面にて形成したことを特徴とする天井裏点検口を新増設するための線引用抜型定規。
【請求項2】
大小2種の抜型定規は取手の高さを高低して一体に嵌め並べ可能とする請求項1に記載の線引用抜型定規。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天井裏点検口を新増設するための線引用抜型定規に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビルディングなどの家屋の天井には天井裏に配管されているダクト設備,電気設備などを点検するために適所に例えば特開2014−12963号公報に記載されている天井裏の点検口を設けている。
【0003】
この天井裏の点検口は大中小のJIS規格サイズがあり、各サイズのひとつを天井に線引し穴明けして点検口器具を嵌め取付けするようにしている。しかしながらダクト設備等の変更等により近年天井裏の点検口を新増設することが多くなっている。
【特許文献1】特開2014−12963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
点検口の線引作業をメジャー定規などで行うときは天井を仰ぐ上向きの作業によって容易でなく、天井ボードの天井線に合わせてズレのない線引きをすることが難しく、多大な労苦と時間を要して、なお不確実にしているという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、四辺の外端面と内端面にて大中小の点検口を線引することができる大小2種の抜型定規を形成し、それぞれの一面の相対辺間に取手を渡設するとともに各辺に天井線に合わせる合わせ線と仮止め用のルーズ穴を設け、他面を滑り止め面にして、労苦なしに能率よく線引することができるようにして、かかる課題を解決する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の抜型定規は新増設しようとする天井裏点検口の線引を労苦なしに能率よく行うことができるという効果を生ずる。
【0007】
取手を持つことで上向き作業を楽に行えるという効果を生ずる。
【0008】
各辺に天井線に合わせる合わせ線を設けたので、天井との間の位置合わせが至極容易にできるという効果を生ずる。ズレ,傾きのない線引ができるという効果を生ずる。
【0009】
各辺のルーズ穴を用いて定規を天井に仮止めすることで、線引作業をスムーズに行うことができるとう効果を生ずる。
【0010】
抜型定規は天井に当たる一面を滑り止め面としたので、仮止めまたは線引作業時に定規がズレ動くことがないという効果を生ずる。
【0011】
取手の高さを高低することで大小2種の抜型定規を嵌め並べてセットにすることができるという効果を生ずる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、四辺の外端面と四辺の内端面にてJIS規格寸法の大中小の天井裏点検口の線引が行えるように大小2種の抜型定規を形成し、一面の相対2辺間に取手を渡設し、各辺に天井線に合わせる合わせ線と天井に仮止めするためのルーズ穴を設け、他面を滑り止め面にしてなる。
【0013】
新増設する点検口の大きさによって大小2種の型抜定規のうちのいずれかを選択し、取手を持って定規の合わせ線を天井線に合わせてビスなどによりルーズ穴を通して仮止めしておいて、四辺の外端面または四辺の内端面を定規にしてJIS規格大きさの正四角形の点検口を線引し、線引に沿って穴明けして、天井裏点検口の器具を嵌付け蓋閉めする。
【実施例1】
【0014】
ビルディングなどの家屋の天井には耐火性,吸音性などにすぐれたロックウール(岩綿)製,石膏製などの天井ボードAが張設されている。これらの天井ボードAは図7に示すように300mm×600mm、455mm×910mmなどの規格サイズにて提供されていて、半長ずらしで突合せ並列して張設される。
【0015】
天井裏点検口Bを形成する器具としては図8に示すように天井に挿嵌する正方形の角枠体Cであり、その一辺を606mmとするもの、同、455mmとするもの、同、303mmとする大中小のJIS規格サイズにて提供されていて、一般的に455mmのものが広く採用されている。Dは旋回開閉自在または取外し自在の蓋である。
【0016】
図1乃至図4はJIS規格の中サイズとしての一般的な抜型定規1を示す第1実施例であって、アルミ等の軽金属または強化プラスチックなど剛性に優れた薄平板にて等長の四辺を有す正四角形として形成する。
【0017】
抜型定規1の各辺の外端面2の長さは前記した天井裏点検口Bの一辺455mmの角枠体Cを挿嵌することができる456mm〜458mm内の同一長さとし、また内端面3の長さは天井裏点検口Bの一辺303mmの小の角枠体Cを挿嵌することができる304mm〜306mm内の同一長さとする。
【0018】
抜型定規1の四辺の外端面2と内端面3間の中央と、中央を挟んで150mmの等距離の両側に天井ボードAの突合せにて表れる天井線A1に位置合わせするための位置合わせ線4a,4b,4cを横断形成する。
【0019】
また抜型定規1の各辺の角部と内外中間の適所に位置合わせした抜型定規1をビスDで仮止めするための細長なルーズ穴5を設ける。
【0020】
6は抜型定規1を天井に押し当て支えするための取手であり、さらに抜型定規1の天井側に面する一面7は位置決めした抜型定規1がずれないようにゴム板8aなどを貼着して滑り止め面8にて形成する。ゴム板にかえて複数本の短針(図示してない)を植立して滑り止め面8とすることもできる。
【0021】
天井裏点検口Bを新増設するときは、図2に示すように取手6を持って抜型定規1の合わせ線4a,4b,4cのいずれかを天井線A1に合わせて2〜4本のビスEを以って抜型定規1を天井ボードA面に動かないように仮止めして、定規1の四辺の外端面2に沿って筆記具(図示してない)を用いて線引Fし、また一辺を303mmの小サイズの角枠体Cを新増設するときは図3に示すように内端面3の四辺に沿って天井ボードA面に線引Fをするのである。定規1は天井側を滑り止め面8としているので線引作業の反動などで抜型定規1がズレ動いたりすることが全く生じないものとなる。なお線引Fは筆記具にかえてカッターなどにて切込線を入れることでもできる。
【0022】
なお抜型定規1の位置合わせは点検口Bを新増設する天井の個所如何によって、300mm×600mmの天井ボードAにあっては図2に示す芯割り合わせとして中央の合わせ線4a,4aを天井線A1に合わせ、図3に示す芯跨ぎ合わせとして両側の合わせ線4b,4cを両端の天井線A1に合わせる2通りがある。450mm幅の芯跨ぎ合わせの際は、相対する外端縁2,2を基準にして芯合わせすることができる。
【0023】
仮止めを解いて抜型定規1を外し、線引Fのとおりに下材を含む天井ボードAに穴Hを明け、天井裏点検口Bを構成する角枠体Cを挿嵌して吊金具Gにて固定して天井ボードAに対して平行且つ対称形にてズレ、傾きなどのない正確な天井裏点検口Bを新増設することとなる。明けた穴Hと角枠体Cとの間の数mmの隙間は天井裏点検口Bの底面周囲に設けてある飾り縁Jにて被覆されるので外視されることはない。
【実施例2】
【0024】
図5はJIS規格の大サイズと中サイズの天井点検口Bを新増設するための抜型定規11を示す第2実施例であって、四辺の内端面3の長さをそれぞれ456mm〜458mm内の同一長さとし、四辺の外端面2の長さを607mm〜609mm内の同一長さとし、内端面3に沿った線引により中サイズ、外端面2に沿った線引により角枠体Cの一辺長さを606mmとする大サイズの天井裏点検口Bを線引Fするようにしたのである。なお、四辺に設ける合わせ線は前例と同じ中央線4aと両側の300mm間隔の合わせ線4b,4cのほか、その外側に中央線4aより等距離で相互の間隔を455mm(中央線から各227.5mm)の合わせ線4d,4eを設けて、455mm幅の天井ボードAの天井線A1において芯跨ぎ取付けにて合わせることができるようにしている。その他の構成と作用は前例と同じである。
【0025】
中小用の抜型定規1は大中用の抜型定規11内にぴったり入るサイズとなるので、図6に示すようにそれぞれの取手5の高さを高低することで、2つを嵌め並べて一体にすることができ、保管と持ち運びに便利なものとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、ビルディングなどの家屋の天井に天井裏点検口を新増設する際の線引用定規として広く利用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】(a)は抜型定規を取手側から見た図、(b)は反対側の一面図
図2】抜型定規を天井線に対して芯割り合わせして仮止めした状態にて示す仰瞰図
図3】同、天井線に対して芯跨ぎ合わせした状態の仰瞰図
図4】線引に沿って明けた穴に点検口器具を取付けた状態にて示す側断面図
図5】大サイズと中サイズ用の抜型定規の実施例を示す取手側から見た図
図6】2種の抜型定規の側断面図(a)とこれを嵌め並べて一体にした状態(b)にて示す側断面図
図7】天井ボードの張設例を示す仰瞰図
図8】点検口器具の1例を示す斜視図
【符号の説明】
【0028】
1,11は線引用の抜型定規
2は外端面
3は内端面
4a,4b,4c,4d,4eは合わせ線
5はルーズ穴
6は取手
7は定規の一面
8は滑り止め面
8aはゴム板
Aは天井ボード
A1は天井線
Bは天井点検口
Cは挿嵌用の筒体
Dは蓋
Eはビス
Fは線引
Gは吊金具
Hは穴
Jは飾り縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8