(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の農作業機用リモコン操作装置でリモコン操作部に電池を装着した場合の一実施形態を示し、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が背面図である。
【0025】
リモコン操作部30は、表面に、操作パネル31を有しており、そこに操作スイッチである操作ボタン32を有している。操作ボタン32は、トラクタに装着する農作業機の操作に必要な数を形成する。そして、リモコン操作部30には、操作ボタン32の操作による信号を無線で送信する送信部を有している。また、必要に応じて無線による受信機能も追加して、送受信部とすることもできる。なお、リモコン操作部30の側面には、表面へ向けて面積が小さくなる方向に勾配が形成される勾配部33を有している。これは、例えば、樹脂の抜き勾配等を利用して形成することができる。
【0026】
一方、リモコン操作部30の背面には、電池収納部35を有しており、形状としては凹部内に電池201を収納する。電池201は必要な数を収納できるようになっている。また、電池収納部35の内側の面にはそれぞれの電池201の正極端子と負極端子に接触する接点35aを複数有している。
図1では、電池201は上下方向に並んで3つ収納されており、接点35aは上下の内面に有している。また、電池収納部35はリモコン操作部30の背面において中央より下側部分に設置されている。
【0027】
さらに、電池収納部35の外側(背面側)付近では、カバー36を装着できるようになっており、カバー部36aで電池201が収納された電池収納部35を覆うことができる。カバー36と電池収納部35の間に周囲に沿ってパッキン37を装着できるようになっており、パッキン37を介してリモコン操作部30にカバー36を装着することで、防水や防塵の機能を発揮することができる。また、固定ネジ38で固定することで、カバー36をリモコン操作部30にしっかり固定することができる。
図1では、固定部36bは、カバー36の下側に配置されている。また、カバー36を装着した状態では、リモコン操作部30の背面は略平らな状態となる。
【0028】
これらの構成により、リモコン操作部30の電源は、電池201によりまかなうことができる。
【0029】
図2は、本発明の農作業機用リモコン操作装置で電源接続部品を装着した場合の一実施形態を示し、(a)が電源接続部品の接続前の側面図、(b)が電源接続部品を接続した状態の側面図、(c)が電源接続部品を接続した状態の背面図である。
【0030】
図1の状態で電池201が切れた場合に、作業者は、リモコン操作部30からカバー36を取り外し、電池201を出して、その代わりに、電源接続部品40を接続することで、トラクタからの電源確保を可能とする。これにより、リモコン操作部30による操作を継続することができる。
【0031】
電源接続部品40は、電池収納側接続部41、カバー部42、ハーネス部43、電源コネクタ44、配線45、外部コネクタ46を有している。電池収納側接続部41とカバー部42により、電源接続部品40の本体部49を形成している。
【0032】
電池収納側接続部41は、電池収納部35内に挿入して配置する部分であり、側面に、電池収納部35の接点35aと接触する接点41aを有している。接点41aは、電力を供給するために必要な接点35aと接触する位置に設けられる。このため、接点41aは、少なくとも複数個有し、例えば、電池201が直列で接続されている場合は、2つの接点41aを直列の端と端になる位置(電池が3本なら左右及び上下が対称の位置)に備えればよい。
【0033】
カバー部42は、電池収納側接続部41と一体に形成され、電池収納側接続部41より広く形成されており、電池収納部35を電池収納側接続部41を接続した状態でカバー36の代わりに全体的に覆うものである。このため、電池収納側接続部41からカバー部42へは外側への段部42aを有している。この段部42aに、パッキン80が装着されることで、カバー部42の電池収納部35側の周囲にそって、リモコン操作部30との間にパッキン80が介在される。これにより、防水や防塵の機能を発揮することができる。さらに、後述するコンバータ48を本体部49に内蔵する。必要に応じてカバー部42は一定の厚さを有している。
【0034】
固定部47は、カバー部42と同一面に延長する形で形成され、カバー36と同様に固定ネジ38で固定することで、カバー部42で電池収納部35を覆いながら、本体部49をリモコン操作部30にパッキン80を介してしっかり固定することができる。
【0035】
ハーネス部43は、本体部49と、電源コネクタ44を電気的に接続するための配線を有するハーネスである。ハーネス部43の接続部43aはカバー部42と接続されており、接続部43aは、リモコン操作部30と干渉しないよう(カバー部42がカバーできるように)に外側(背面側)へ突出している。
【0036】
本体部49がリモコン操作部30に装着された状態では、リモコン操作部30の背面はカバー36を接続した時と同様に平らな状態となる。そして、ハーネス部43の接続部43aは外側(背面側)へ突出しており、そこから、ハーネス部43は下側に向けて延びている。
【0037】
電源コネクタ44は、トラクタに有する電源からの接続部と接続可能なコネクタである。例えば、
図4で後述するトラクタ1に有するバッテリ11から接続される外部電源としての電源接続部12aに接続できるようにすることができる。このとき、トラクタ1の接続部12aが日農工規格に従っている場合は、電源コネクタ44は日農工規格で規定されるコネクタ形状とすることができる。
【0038】
配線45は、電源コネクタ44から、ハーネス部43の配線とは別に分岐している配線であり、外部コネクタ46へ接続されている。
【0039】
外部コネクタ46は、さらに他の出力機器へ接続するためのコネクタである。トラクタ1に有する電源からの電源接続部12aにおける形状と同じにすることで、電源接続部12aに接続可能な出力機器のコネクタへ接続することができる。
【0040】
図3は、本発明の農作業機用リモコン操作装置の実施例1における電源接続部品の回路状態を示す概略図である。トラクタ1のバッテリ11とは、外部電源ハーネス12とそれと接続されるハーネス部43を介して、本体部49内のコンバータ48へ接続される。コンバータ48では、バッテリ11側の電圧Aをリモコン操作部30に合わせた電圧Bに変換する。そして、電池収納側接続部41に有する接点41aと電池収納部35の接点35aを介して、リモコン操作部30へ接続される。例えば、バッテリ11の電圧Aである12Vを、リモコン操作部30の電圧Bの4.5Vに変換する。電圧Bの4.5Vは、乾電池3本が直列に接続されている場合を想定した一例である。
【0041】
図4は、本発明の農作業機用リモコン操作装置が適用されるトラクタと農作業機の配置の一例を示す平面概略図である。本発明は、トラクタ1に装着して農作業を行う農作業機2に適用することができる。トラクタ1には、バッテリ11を有しており、農作業機2には、無線送受信部21、制御部22、アクチュエータ23を有している。バッテリ11はトラクタ1の電源として使用することが可能である。
【0042】
バッテリ11には、外部電源ハーネス12が接続されスイッチ12bを介してその先端は電源接続部12aとなっている。電源接続部12aは、外部の機器に電源を接続できるようになっている。なお、スイッチ12bはトラクタ1のエンジン始動のスイッチと共有でき、例えば、エンジン始動のためのキーを回転させるときにONとなるキースイッチの構成とすることができる。これにより、トラクタ1による作業を行わないときの無駄な電力消費を防止できる。なお、コネクタ12aの形状は、例えば、日農工規格で規定されるコネクタ形状とすることができる。
【0043】
リモコン操作部30の電源として電池201を使用しているときは、電源接続部品40は使用せずに、外部電源ハーネス12の電源接続部12aは、作業機側ハーネス25のコネクタ25aと直接接続される。このため、バッテリ11を電源として、無線送受信部21、制御部22、アクチュエータ23等の農作業機2側の機器を作動させることができる。
【0044】
一方、リモコン操作部30の電源として電池201を使用しないときは、電源接続部品40をリモコン操作部30に接続する。そして、外部電源ハーネス12の電源接続部12aは、電源接続部品40の電源コネクタ44と接続される。一方、電源接続部品40の外部コネクタ46は、作業機側ハーネス25のコネクタ25aと接続される。このため、バッテリ11を電源として、リモコン操作部30、及び、無線送受信部21、制御部22、アクチュエータ23等の農作業機2側の機器を作動させることができる。
【0045】
作業者はリモコン操作部30を操作すると、リモコン操作部30からの操作信号は、無線送受信部21へ送られ、制御部22により、アクチュエータ23を作動させる。アクチュエータ23の具体例については後述する。また、必要に応じて、制御部22からの情報を無線送受信部21からリモコン操作部30へ送信することを可能としてもよい。
【0046】
図5は、本発明の農作業機用リモコン操作装置が適用される農作業機の一例を示す背面図である。
図6は、本発明の農作業機用リモコン操作装置が適用される農作業機の一例を示す正面図である。
図5と
図6の農作業機2は折り畳み機構を備えた代掻き作業機50であり、入力軸51側をトラクタ1に装着し、トラクタ1からの動力を入力軸51を介して入力して、カバー52や第1の整地体53の内側で代掻き爪が回転することにより代掻き作業を行う。代掻き作業機50を用いて、アクチュエータ23の例について説明する。
【0047】
電動油圧シリンダ56は、シリンダが伸び縮みすることにより、回動機構57を作用させサイド作業部55を(
図6の左側のように)内側に折りたたみ、代掻き機50の全幅を短くすることができる。延長整地体駆動装置60は、内部のモーターが回転することにより、アーム62やワイヤ63を介して延長整地体61を回動軸61aを中心に回動させ、延長整地体61を外側に延長するか内側に折り畳むかを選択することができる。第2の整地体駆動装置66は、内部のモーターが回転することにより、第2の整地体リンク手段67を介して第2の整地体65を回動させ下側で固定した土引き状態とするか回動が固定されていない通常の代掻き状態とするかを選択することができる。
【0048】
これら、電動油圧シリンダ56や、延長整地体駆動装置60(のモーター)、第2の整地体駆動装置66(のモーター)をアクチュエータ23として、リモコン操作部30の操作により作動させることができる。
【0049】
なお、アクチュエータ23の例としては、代掻き作業機に限らず、トラクタに装着して農作業を行う農作業機で使用されるアクチュエータであれば広く適用することができる。
【0050】
図7は、本発明の農作業機用リモコン操作装置を保持するためのホルダーの一実施形態を示し、(a)が正面図、(b)が側面図である。
図8は、
図7のホルダーに農作業機用リモコン操作装置を装着した状態の一実施形態を示し、(a)が正面図、(b)が側面図である。
【0051】
ホルダー100は、全体的には板状の背面部110と背面部110の周囲に表側に向けて形成される側面部(151、152、153、154、155)により構成されている。ホルダー100は、例えば樹脂などで形成することができる。
【0052】
背面部110から、複数の凸部120がリモコン操作部30を取り付ける側に形成されている。凸部120は、リモコン操作部30の背面を支えるために必要な形状や数で形成されており、図の例では、上側から、第1凸部121、第2凸部122、第3凸部123と3つの凸部が形成されている。このとき、一番下の第3凸部123は、接続部43aを含むハーネス部43と干渉しないように、これらからずれて形成されている。
【0053】
ホルダー100には、取付孔140を有しており、図の例では、背面部110の上側に背面延長部111を有し、背面延長部111に第1取付孔141を有している。さらに、第1凸部121と第2凸部122の間の背面部110には第2取付孔142が、第2凸部122と第3凸部123の間の背面部110には第3取付孔143を有している。ホルダー100は、運転席の近傍等のトラクタ1の適した場所に設置することができる。設置は、複数の取付孔140を利用して取り付けることもでき、また、第1取付孔141をフックに引っかけるなどの方法も考えられる。また、背面部110に磁石や両面テープで取り付ける等であってもよい。
【0054】
ホルダー100に形成される切欠き部130は、リモコン操作部30に付着した土がホルダー100内に溜まった場合に排出するための孔である。内部に溜まった土により、リモコン操作部30を取り外しできなくなることやホルダー内に水が溜まること等を防止することができる。切欠き部130は、横側に複数設置するなどして、土や水を排出しやすくできる。図の例では、背面部110と側面部の間の両側に形成されており、上側から第1切欠き部131、第2切欠き部132、第3切欠き部133が両側に形成されている。一番下の第3切欠き部133を大きくして溜まった土の排出をしやすくすることができる。
【0055】
側面部は、リモコン操作部30の側面を保持するために設けられている。図の例では、側面部は、上側面部151、上部横側面部152、傾斜部153、下部横側面部154、下側面部155で形成されており、リモコン操作部30を装着した場合に、リモコン操作部30の周囲に沿った形状となっている。さらに、側面部に設けられた複数の突起160により、リモコン操作部30がホルダー100から前側に落ちないように保持することができる。図の例では、上側面部151に内側に向けて設けられた第1突起161と、下部横側面部154にそれぞれ内側に向けて設けられた第2突起162とを有している。
【0056】
上側面部151は、リモコン操作部30の上面側に形成される側面で、第1突起161が形成されており、このために必要な一定の高さを有している。
【0057】
上部横側面部152は、リモコン操作部30の上部横側に形成される側面で、リモコン操作部30を取り出し易くするために、高さは低く形成されている。具体的には、リモコン操作部30の厚さの半分よりも低い程度の位置までの高さで形成されている。
【0058】
下部横側面部154は、リモコン操作部30の下部横側に形成される側面で、第2突起162がそれぞれ形成されており、このために必要な一定の高さを有している。なお、上部横側面部152と下部横側面部154の間は、傾斜部153となっている。
【0059】
下側面部155は、リモコン操作部30の下面側に形成される側面で、下部横側面部154と同じ高さに形成して、リモコン操作部30が下側にずれないようする。また、下側面部155には、表面側へ開口した切欠き部である溝170が形成されており、これによりハーネス部43が外側へ通過できるようになっている。
【0060】
図8の状態では、背面部110はリモコン操作部30の背面に位置し、側面部はリモコン操作部30の側面に位置する。そして、リモコン操作部30の背面側は、背面部110の凸部120に当接して、リモコン操作部30の表面側は、突起160に引っかかり保持される。突起160による保持は、第1突起161はリモコン操作部30の上側の勾配部33の途中に引っかけて止められている。また、第2突起162はリモコン操作部30の下部横側面の勾配部33の途中に引っかけて止められている。
【0061】
図8の状態から、作業者が、リモコン操作部30をホルダー100から取り出す場合は、高さの低い上部横側面部152付近のリモコン操作部30をつかんでホルダー100から表面側に引き出す。ことのとき、勾配部33にそって、第1突起161と第2突起162が押されて、上側面部151と下部横側面部154の弾性によりわずかに変形して、第1突起161と第2突起162を乗り越えてリモコン操作部30を引き出すことができる。同時に、ハーネス部43は、表面側に開口している溝170から取り出される。また、リモコン操作部30をホルダー100に装着するときも、上側面部151と下部横側面部154の弾性により、第1突起161と、第2突起162を乗り越えて装着することができる。
【0062】
図8では、このホルダー100への設置について、リモコン操作部30に電源接続部品40を接続している場合について説明したが、リモコン操作部30に電源接続部品40を接続していない場合(電池201を装着している場合)でも、リモコン操作部30は、ホルダー100に保持させることができる。これは、
図8からも分かるように、ハーネス部43や接続部43aが存在しない構成でも、リモコン操作部30はホルダー100へ取り付けることができる。
【実施例2】
【0063】
図9は、本発明の農作業機用リモコン操作装置の実施例2における電源接続部品の回路状態を示す概略図である。実施例2では、電源接続部品40にキャパシタ85を追加した構成であり、それ以外については実施例1と同様である。
【0064】
キャパシタ85は、コンバータ48と並列に接続され、コンバータ48よりもリモコン操作部30側(バッテリ11と反対側)の回路に接続されている。キャパシタ85は、電源接続部品40の本体部49内に配置され、一定の電気エネルギーを蓄えておくことができる。
【0065】
キャパシタ85を有することで、電源接続部品40が電源(バッテリ11)と接続されているときは、キャパシタ85に充電される。そして、電源接続部品40が電源と接続されていない状態では、キャパシタ85を電源として一定時間、リモコン操作部30を使用することができる。
【0066】
例えば、作業者は、トラクタ1の運転席から離れてリモコン操作部30を使用したい場合は、ハーネス部43の長さ以上は移動することができない。このとき、電源接続部品40を外部電源ハーネス12の電源接続部12aから取り外しても、一定時間リモコン操作部30を使用することができ、アクチュエータ23を作動させることができる。例えば、農作業機2の洗車時や、農作業機2のアクチュエータ23の動作をトラクタ1から降りて確認したい場合などに有効である。ここで使用出来る一定時間として、キャパシタ85の容量にもよるが、数分〜数十分が考えられる。
【実施例3】
【0067】
図10は、本発明の農作業機用リモコン操作装置の実施例3における図を示し、(a)がリモコン操作部330の操作パネル31を示す正面図であり、(b)が電池201を装着したときのリモコン操作部330のブロック図を含む概略背面図であり、(c)が電池201に代えてDCアダプターである電源接続部品340を装着したときのブロック図を含む概略背面図を示す。実施例3では、実施例1や実施例2と比べて、電源接続部品の接続判定による制御を追加した構成であり、電圧検知部311を追加している。実施例3では、実施例1や実施例2に追加する箇所や異なる箇所について説明し、実施例1や実施例2と同一の箇所は同一の符号を付してある。
【0068】
図10(a)に示すように、リモコン操作部330の操作パネル31には、電源ボタン32aと、操作用ボタン32bと、表示灯318を有している。これらの構成は、実施例1や実施例2のリモコン操作部30でも適用できる。
【0069】
電源ボタン32aは、操作パネル31の上部に設けられ、ボタンを押すことで、リモコン操作部330の電源をOFF(切)からON(入)、又は、ONからOFFとすることができる。このとき、誤って押して電源が入らないように一定時間(例えば、数秒以内)押し続けることで電源がONとなるようにすることもできる。
【0070】
操作用ボタン32bは、農作業機2のアクチュエータ23等の農作業機2側の機器を作動させるためのスイッチであり、必要に応じて複数配置される。例えば、操作用ボタン32bを押している間だけアクチュエータ23を作動させるなどして、安全性を高めることもできる。
【0071】
表示灯318は、操作パネル31上の分かりやすい位置に配置され、
図10(a)では、電源ボタン32aの横に配置されている。表示灯318は、電源の状態や通信の状態、電池の容量を知らせるものとして適用できる。具体例は後述する。
【0072】
図10(b)(c)に示すように、リモコン操作部330には、電圧検知部311と、リモコン操作部用制御部312と、送受信部315と、配線316を有している。
【0073】
電圧検知部311は、電池201及び電源接続部品340の接点41a間の電圧を検知するものである。すなわち、電池201をリモコン操作部330の電池収納部35に装着している
図10(b)の状態の時は、電池201の(出力)電圧を配線316を介して検知する。直列ならば、直列の端と端の位置の電圧、並列ならば、電池201間の電圧を検知する。また、電源接続部品340をリモコン操作部330の電池収納部35に装着している
図10(c)の状態のときは、電池201に対応する電池収納側接続部41の接点41a間の(出力)電圧を配線316を介して検知する。電圧検知部311としては、例えば、ICや抵抗で構成することができる。
【0074】
リモコン操作部用制御部312は、CPU等で構成され、リモコン操作部330の制御を行うものであり、電圧検知部311で検知した電圧に基づき後述する
図11の制御を行う。また、送受信部315から操作ボタン32による信号を送信させる制御も行う。なお、電圧検知部311は、リモコン操作部用制御部312内に構成してもよい。
【0075】
送受信部315は、操作ボタン32による操作信号を、農作業機2側の無線送受信部21へ無線で送信する。また、必要に応じて、無線送受信部21から制御部22からの情報を無線で送受信部315が受信して、リモコン操作部用制御部312へ送ることも可能である。
【0076】
電源接続部品340は、実施例1、2の電源接続部品40と比べ、形状は同じであるが、後述するように、接点41a間の電圧(
図3、9のB)を電池201による電圧に比べ大きくなるように設定しておく。それ以外は電源接続部品40と同じである。
【0077】
リモコン操作部330は、電池201を電源として使用する時は、電池の電力消費量を減らすため一定時間後にスタンバイモードや電源OFFとなる機能を有している。この場合の例は、後述する
図11のS110〜S118に示してある。ここで、スタンバイモードや電源OFFの状態となった場合、リモコン操作部330の操作ボタン32を押してもすぐには、アクチュエータ23を動かすことはできない。電源OFFとなっていれば、電源を入れ直す必要があり、スタンバイモードであれば、スタンバイモード解除のための制御が必要となり、一定時間を要する。なお、実施例3で説明する以外のリモコン操作部330の構成は、
図1、2等で説明したリモコン操作部30と同様である。
【0078】
図11は、本発明の農作業機用リモコン操作装置の実施例3における制御を示すフローチャートである。
図11の制御は、リモコン操作部用制御部312で行う。
【0079】
まず、制御がスタートすると(S101)、電源接続部品340がリモコン操作部330に接続されているか否かを判定する(S102)。このS102の判定は、電源ボタン32aを押した後に判定をするようにしてもよい。このS102の判定については後述する。これにより、電源接続部品340が接続されていると判定されれば、リモコン操作部330の電源をONとし(S103)、DCアダプタモードとする(S104)。
【0080】
この状態は、電池201の装着時に電源ボタン32aによりONとした直後の状態(S111)と同様である。また、農作業機2側においても、無線送受信部21や制御部22がOFFとなっていた場合に送受信部315から情報を受信してこれらをONとする。そして、この状態においては、リモコン操作部330の送受信部315と農作業機2側の無線送受信部21との間で連続的な通信を行う状態となっている。このとき、操作用ボタン32bを操作すれば、すぐにレスポンスよくアクチュエータ23を操作することができる。この制御中は後述するS111とは異なり、スタンバイモードには移行しない。このため、このS103、S104の制御は、S111の制御とは別の制御として設定しておく必要がある。
【0081】
一方、この他の制御方法として、後述するS110〜S113の制御を利用しながら、DCアダプタモードを継続する制御方法があげられる。スタンバイモード条件の一つとして、一定時間、操作ボタン32の操作がない場合にスタンバイモードに移行するが、この一定時間より短い時間間隔で、操作ボタン32の操作による信号入力に代えて、電源信号などの信号を与える制御を追加し、スタンバイモードに移行しないようにするものである。電源信号であれば、例えば、電源ボタン32aを押し続けることにより反応する時間よりも短い時間の信号を与えて、この信号により勝手に電源がOFFとならないようにすると共に、スタンバイモードに移行することを防止する。
【0082】
さらに、この状態は、電源接続部品340がリモコン操作部330に接続されていると判定(S105)され続けている間は維持される。そして、電源接続部品340がリモコン操作部330に接続されていないと判定されると、リモコン操作部330の電源をOFFとする(S106)。これは、電池201の装着時に電源ボタン32aをOFFとしたS118の状態と同様であり、リモコン操作部330の送受信部315と農作業機2側の無線送受信部21との間の通信は行わない。
【0083】
上述したS102とS105の判定は、電圧検知部311で検知される電圧によって行う。電池は一般的に、定格(公称)の電圧に対して、実際の電圧は一定の幅を持っている。例えば、表示されている定格電圧がDC1.5Vの電池であれば、実際の電圧は最大1.7V程度有する場合もあり、使用に従って、電圧が落ちてきて、1.0V以下に落ちてくるなどである。
【0084】
ここで、電源接続部品340の接点41a間の電圧を、リモコン操作部用制御部312で作動可能な有効電圧内で、かつ、想定される電池201による電圧よりも高い電圧としておく。このことで、この電圧を電圧検知部311で検知した場合に、リモコン操作部用制御部312でその電圧の違いにより電源接続部品340が接続されているか否かの判定を行うことができる。
【0085】
例えば、1.5Vの電池201を直列に3つ接続して、定格の電圧が4.5Vである場合、電池の実際の最大電圧は、1.7(V)×3=5.1(V)程度が想定される。このとき、5.2(V)等、これ以上の電圧を電源接続部品340の接点41a間で出力するようにしておけば、電池201による電圧と電源接続部品340の電圧を区別することができる。すなわち、想定される電池201により出力される最大電圧<電源接続部品340の接点41a間で出力される電圧、ということになる。
【0086】
また、リモコン操作部用制御部312においては、上記いずれの電圧でも作動するようにしておけばよい。例えば、上述した例なら10Vぐらいまでの範囲で、作動するようにしておけば十分となる。
【0087】
S104のDCアダプタモードにより、連続してリモコン操作部330の電源がONの状態となっていれば、作業者は、すぐにアクチュエータ23等の出力機器を操作用ボタン32bで操作することができる。このとき、電源接続部品340によりトラクタ1の電源に接続されているため、バッテリ11等から電力を確保できるため、電池201のときにくらべ容量は大きく、電源消費の問題は少ないものとなる。
【0088】
図11のS102において、電源接続部品340が接続されていないと判定されれば、電源ボタン32aがONとなったか否かを判定する(S110)。電源ボタン32aを押すこと等によるONの条件となる信号を検知したらリモコン操作部330の電源をONとする(S111)。また、農作業機2側においても、無線送受信部21や制御部22がOFFとなっていた場合に送受信部315から情報を受信してこれらをONとする。この状態は、リモコン操作部330の送受信部315と農作業機2側の無線送受信部21との間で連続的な通信を行う状態である。電源接続部品340が接続されていない場合は、電池使用が想定される。電池201が入っていない場合、もしくは電池201の容量がない場合は、電源ボタンがONとならず、リモコン操作部330の電源はONの状態とならない。
【0089】
一方、電源がONとなっている状態で電源ボタン32aを再び押すなどして、電源ボタンがOFFとなれば、リモコン操作部330の電源はOFFとなる(S112、S118)。また、そのまま電源がONの状態であればスタンバイモード条件を判定し(S113)、条件に適合すればスタンバイモードとする(S114)。
【0090】
スタンバイモード条件は、一定時間、操作ボタン32の操作がない場合に、リモコン操作部330の送受信部315と農作業機2側の無線送受信部21との間の通信を連続通信から間欠的な通信に切り替えるものである。スタンバイモードにおける間欠通信は、S111の連続的な通信に比べ、間隔をおいて通信をするものであり、例えば、数秒から数十秒程度の間隔等である。間欠的な通信に切り替えることで、連続的な通信を行うときより電池201の消費を抑えることができる。
【0091】
スタンバイモードからの復帰は、スタンバイモード中に操作ボタン32を押すなどすると、間欠的な通信からS111の連続的な通信に切り替わり、通常の操作が行える。しかし、連続的な通信に切り替わる時に、多少の時間がかかり、作業者にとってレスポンスよくアクチュエータ23が作動する感覚とはならない。
【0092】
一方、スタンバイモードの状態で電源ボタン32aを再び一定時間以上押すなどして、電源ボタン32aのOFF操作をすれば、リモコン操作部330の電源はOFFとなる(S115、S118)。一方、そのまま電源がONの状態であればオートパワーオフモード条件を判定し(S116)、条件に適合すればオートパワーオフモードとなり、リモコン操作部330の電源はOFFとなる(S117、S118)。
【0093】
オートパワーオフモード条件は、一定時間、操作ボタン32の操作がない場合にオートパワーオフモードにするものである。これは、電源ボタン32aの操作により電源をOFFとしたときと同様である。このときは、リモコン操作部330の電源はOFFとなり、リモコン操作部330の送受信部315と農作業機2側の無線送受信部21との間の通信は行わない。これにより、電池201の消費はきわめて少ないものとなる。また、農作業機2側の無線送受信部21の受信機能もOFFとすることも可能であり、制御部22の電源を落としてもよい。このオートパワーオフモード条件の一定時間は、スタンバイモード条件に移行する時間より長いものであり、例えば数分〜数時間の間で適用できる。
【0094】
この他のオートパワーオフモード条件として、スタンバイモード中において、リモコン操作部330の送受信部315と農作業機2側の無線送受信部21との間欠的な通信が(電波が届かない等の原因で)一定時間出来ない場合にオートパワーオフモードとしてもよい。農作業機2側の無線送受信部21と通信ができなければ、スタンバイモードから復帰しても操作が出来ないことが想定されるからである。この場合の一定時間は、上述した操作ボタン32の操作がない場合の一定時間よりも短く、例えば、数分〜数十分等である。
【0095】
オートパワーオフモードからの復帰は、S110のように電源ボタン32aを押すなどしてON操作をする必要がある。電源ボタン32aを(場合によっては一定時間)押すと、リモコン操作部330の電源がONとなる。また、農作業機2側においても、無線送受信部21の受信機能や制御部22がOFFとなっていた場合にこれらをONとする必要がある。このため、オートパワーオフモードからの復帰は、スタンバイモードからの復帰よりも立ち上がりに時間がかかる。
【0096】
この他の制御として、電池201の電圧が落ちてきた場合は、表示灯318で知らせ、さらにそれよりも電圧が落ちた場合は、リモコン操作部330の電源OFFとする制御を適用してもよい。これは、電池201の電圧が落ちてくれば、電池の容量がなくなってくることによる。例えば、定格電圧の数割程度の電圧が落ちてきた場合に上記制御を行う等である。
【0097】
表示灯318の表示は、表示色を変えたり、点灯と点滅を分けて表示したりして、状態を知らせることができる。例えば、リモコン操作部330の電源がONの状態のときは緑色を点灯し、農作業機2側の無線送受信部21が電波の届く範囲にいるときは赤色を点灯し、電池容量が低下したときは赤色を点滅し、リモコン操作部330の電源がOFFのときは消灯する等である。
【実施例4】
【0098】
図12は、本発明の農作業機用リモコン操作装置の実施例4における図を示し、(a)が電源接続部品440の側面図を示し、(b)が電源接続部品440の正面図を示し、(c)がリモコン操作部430に電池201を装着したときのブロック図を含む概略背面図を示す。実施例4では、実施例3と異なる点を説明し、実施例1〜3と同一の箇所は同一の符号を付してある。
【0099】
実施例4では、実施例3と比較して、
図11のS102とS105における電源接続部品接続の判定の制御が異なる。実施例4では電圧の違いではなく、接点が接続されたことによる判定とし、そのための構成を電源接続部品440に有している。
【0100】
電源接続部品440は、板状の接点接続部材410を有している。この接点接続部材410は、例えば、銅板など、電気を伝導する材質(電気伝導体)で形成される。接点417は、パッキン480より内側に形成される。
図12では、接点接続部材410は、電池収納側接続部441とパッキン480の間で、カバー部442の収納側(正面側)面に形成されている。電池収納側接続部441、カバー部442、パッキン480は、
図2で説明した、電池収納側接続部41、カバー部42、パッキン80と機能が同じであるが、接点接続部材410を配置するためのスペースを確保するために形状は必要に応じ変更してもよい。なお、電源接続部品440は、実施例3の電源接続部品340のように出力する電圧の変更は必要ない。実施例4で説明する以外の電源接続部品440の構成は、
図2等で説明した電源接続部品40と同様である。
【0101】
リモコン操作部430は、電源接続部品接続確認入力部411と、リモコン操作部用制御部412と、送受信部315と、配線416と、接点417とを有している。実施例4で説明する以外のリモコン操作部430の構成は、
図1、2等で説明したリモコン操作部30と同様である。
【0102】
2つの配線416は、それぞれ先端で2つの接点417と接続されている。この2つの接点417は、一定距離を有しており、電源接続部品440をリモコン操作部430に接続したとき、接点接続部材410を介して電気的に接続される。このため、接点接続部材410は少なくとも2つの接点417の間の距離分の長さを有している。また、2つの接点417は、接点接続部材410と接続し易いように、接続方向(リモコン操作部430の背面方向)に弾性部材を利用するなどして伸縮可能としてもよい。
図12(c)では、接点417は、リモコン操作部430における電池収納部35の上部に設置されており、リモコン操作部430に電源接続部品440を装着したときに、接点接続部材410は2つの接点417を接続する位置に配置されている。このとき2つの接点417もパッキン480よりも内側に位置している。
【0103】
電源接続部品接続確認入力部411は、2つの接点417が接点接続部材410を介して電気的に接続されるときにそれを検知する。
【0104】
リモコン操作部用制御部412は、CPU等で構成され、リモコン操作部430の制御を行うものであり、電源接続部品接続確認入力部411で検知した情報に基づき制御を行う。また、送受信部315から、操作ボタン32による信号を送信させる制御も行う。なお、電源接続部品接続確認入力部411は、リモコン操作部用制御部412内に構成してもよい。
【0105】
図11のS102とS105における電源接続部品接続の判定について説明する。リモコン操作部430の電池収納部35に電池201を装着しているときは、2つの接点417は離れており、この間には何も介在しないため、電源接続部品接続確認入力部411は接点間の通電を確認しない。この場合は、リモコン操作部用制御部412は、電源接続部品440は接続されていないと判定される。一方、リモコン操作部430の電池収納部35に電源接続部品440を装着すると、リモコン操作部430側の2つの接点417が、電源接続部品440側の接点接続部材410を介して接続され、電源接続部品接続確認入力部411が接点間の通電を検知する。この場合は、リモコン操作部用制御部412は、電源接続部品440を接続していると判定する。
【実施例5】
【0106】
図13は、本発明の農作業機用リモコン操作装置の実施例5における図を示し、(a)が電源接続部品540の正面図を示し、(b)がリモコン操作部530に電池201を装着したときのブロック図を含む概略背面図を示す。実施例5では、実施例3と異なる点を説明し、実施例1〜3と同一の箇所は同一の符号を付してある。
【0107】
実施例5では、実施例3と比較して、
図11のS102とS105における電源接続部品接続の判定の制御が異なる。実施例4では電圧の違いではなく、マイクロスイッチが押されたことによる判定とし、そのための構成を電源接続部品540に有している。
【0108】
電源接続部品540は、スイッチ当接面510を有している。このスイッチ当接面510は、必要に応じて、突起形状でも、平ら形状でも、へこみ形状でもよい。スイッチ当接面510は、パッキン580より内側に形成される。
図13では、電池収納側接続部541とパッキン580の間で、カバー部542の収納側(正面側)面に形成されている。電池収納側接続部541、カバー部542、パッキン580は、
図2等で説明した、電池収納側接続部41、カバー部42、パッキン80と機能が同じであるが、スイッチ当接面510のためのスペースを確保するために形状は必要に応じ変更してもよい。また、実施例5の電源接続部品540は、実施例3の電源接続部品340のように出力する電圧の変更は必要ない。実施例5で説明する以外の電源接続部品540の構成は、
図2等で説明した電源接続部品40と同様である。
【0109】
リモコン操作部530は、電源接続部品接続確認入力部511と、リモコン操作部用制御部512と、送受信部315と、配線516と、マイクロスイッチ517とを有している。実施例5で説明する以外のリモコン操作部530の構成は、
図1、2等で説明したリモコン操作部30と同様である。
【0110】
2つの配線516は、それぞれの先端でマイクロスイッチ517と接続されている。そして、マイクロスイッチ517が押されずOFFのときは2つの配線516は接続されず、マイクロスイッチ517が押されてONとなったとき2つの配線516は接続される。マイクロスイッチ517は、スイッチ当接面510と当接する方向(リモコン操作部530の背面方向)に突出しており、スイッチ当接面510に押されると、リモコン操作部530の正面方向(電池収納部35奥側)に引っ込みONとなる。そして、スイッチ当接面510に押されないときは弾性部材を利用するなどして突出方向に復元してOFFとなるようになっている。
図13(b)では、マイクロスイッチ517は、リモコン操作部530における電池収納部35の上部に設置されており、リモコン操作部530に電源接続部品540を装着したときに、スイッチ当接面510がマイクロスイッチ517を押してONとする位置に配置されている。このときマイクロスイッチ517もパッキン580よりも内側に位置している。
【0111】
電源接続部品接続確認入力部511は、マイクロスイッチ517が押されてONとなり2つの配線516が電気的に接続されるときにそれを検知する。
【0112】
リモコン操作部用制御部512は、CPU等で構成され、リモコン操作部530の制御を行うものであり、電源接続部品接続確認入力部511で検知した情報に基づき制御を行う。また、送受信部315から、操作ボタン32による信号を送信させる制御も行う。なお、電源接続部品接続確認入力部511は、リモコン操作部用制御部512内に構成してもよい。
【0113】
図11のS102とS105における電源接続部品接続の判定について説明する。リモコン操作部530の電池収納部35に電池201を装着しているときは、マイクロスイッチ517は押されず、電源接続部品接続確認入力部511は2つの配線516間の通電を確認しない。この場合は、リモコン操作部用制御部512は、電源接続部品540は接続されていないと判定される。一方、リモコン操作部530の電池収納部35に電源接続部品540を装着すると、リモコン操作部530側のマイクロスイッチ517が、電源接続部品540側のスイッチ当接面510に押されてONとなり、電源接続部品接続確認入力部511が2つの配線516間の通電を検知する。この場合は、リモコン操作部用制御部512は、電源接続部品540を接続していると判定する。
【実施例6】
【0114】
図14は、本発明の農作業機用リモコン操作装置の実施例6における図を示し、(a)がリモコン操作部30に電源接続部品640を接続する前の側面図、(b)がリモコン操作部30に電源接続部品640を接続した状態の側面図、(c)がリモコン操作部30に電源接続部品640を接続した状態の背面図を示す。
図15も、本発明の農作業機用リモコン操作装置の実施例6における図を示し、(a)が電源接続部品640を接続したリモコン操作部30を電源ホルダー700に装着した状態の正面図、(b)が電源接続部品640を接続したリモコン操作部30を電源ホルダー700に装着した状態の側面図、(c)が電源ホルダー700の正面図を示す。
【0115】
実施例6では、主に
図1から8(実施例1)で説明した箇所と異なる点を説明する。
【0116】
リモコン操作部30は、
図2等で説明したリモコン操作部30と同様である。
【0117】
電源接続部品640は、電池収納側接続部641とカバー部642で構成される本体部649を有している。これらは、
図2等で説明した電源接続部品40の電池収納側接続部41とカバー部42で構成される本体部49と外側の形状は同じで適用でき、接点41aも電池収納側接続部641の側面に有している。一方、電池収納側接続部641とカバー部642で構成される本体部649の内部には、ワイヤレス受電部670を有している。また、電源接続部品640は、電源接続部品40のようにハーネス部43やコネクタ44、46は有していない。また、接点41aからは、ワイヤレス受電部670で変換した電力を出力して、電池201に代えて、リモコン操作部30の電源電力として供給できる。
【0118】
電源ホルダー700は、
図7、8で説明した、ホルダー100と異なる点は以下の通りである。まず、ホルダー100の第2凸部122、第3凸部123の代わりに、ワイヤレス給電側凸部722を有している。この部分(内部)には、ワイヤレス給電部770が設置され、ハーネス部743と接続されている。ワイヤレス給電側凸部722の高さは、第1凸部121と同様である。ハーネス部743は、ワイヤレス給電部770下方より、溝170を通過して、電源ホルダー700の外側へ接続される。ハーネス部743におけるワイヤレス給電部770と反対側の先端は、電源コネクタ44や外部コネクタ46と接続されており、この点は
図2等で説明したハーネス部43と同様である。
【0119】
ワイヤレス給電部770とワイヤレス受電部670の間は、ワイヤレスで電力を伝送可能とする。ワイヤレス給電の種類として、例えば、「電磁誘導」、「磁気共鳴」、「マイクロ波・レーザ光」の方式が挙げられる。「電磁誘導」の方式は、電磁誘導により一次側のコイルから二次側のコイルに電力を送る方式である。「磁気共鳴」の方式は、共振を利用して電力を伝送する方式である。「マイクロ波・レーザ光(無線)」の方式は、マイクロ波やレーザ光による送電を行う。ワイヤレス給電部770とワイヤレス受電部670は、選択された方式に合うように構成される。
【0120】
図15(b)に示されるように、リモコン操作部30を電源ホルダー700に装着した状態では、ワイヤレスでの電力送信がし易いように、ワイヤレス給電部770とワイヤレス受電部670が、お互いの距離が近くの位置になるように配置される。具体的には、ワイヤレス受電部670は、リモコン操作部30の背面側近傍に位置するように、電源接続部品640内のカバー部642側の表面付近に設置されている。また、ワイヤレス給電部770は、リモコン操作部30を電源ホルダー700に装着した状態で、ワイヤレス受電部670の近傍となるように、ワイヤレス受電部670に対応する位置で対向してワイヤレス給電側凸部722の表面付近に設置されている。
【0121】
作業者は、電池201を装着した状態でリモコン操作部30を操作していた場合、電池201がなくなる等して、電力が十分に供給されなくなると、電池201に代えて、電源接続部品640を電池収納部35に接続する。そして、作業者は、リモコン操作部30を電源ホルダー700に装着する。このとき、電源ホルダー700に有するハーネス部743は、
図4で説明したのと同様に、トラクタ1の電源(電源接続部12a)に接続させておく。すると、トラクタ1からの電力は、外部電源ハーネス12、ハーネス部743、ワイヤレス給電部770、ワイヤレス受電部670と伝達されてリモコン操作部30を作動させることができる。
【0122】
なお、リモコン操作部30を電源ホルダー700に装着した状態では、(
図7、8で説明したホルダー100と同様に)リモコン操作部30は、第1突起161、第2突起162と第1凸部121、ワイヤレス給電側凸部722との間で保持されているため、リモコン操作部30を電源ホルダー700に装着した状態で一定範囲(ハーネス部743が届く範囲)、移動させることができる。
【0123】
なお、実施例6の構成は、実施例2〜5も適用することができる。実施例6の構成で実施例2を適用する場合は、実施例2のキャパシタ85を追加すればよい。実施例6の構成で実施例3を適用する場合は、電源接続部品640における接点41aの出力電圧を、実施例3の電源接続部品340の出力電圧と同様にして、リモコン操作部30は実施例3のリモコン操作部330とすればよい。実施例6の構成で実施例4を適用する場合は、電源接続部品640に電源接続部品440と同様に接点接続部材410を設ければよく、リモコン操作部30は実施例4のリモコン操作部430とすればよい。実施例6の構成で実施例5を適用する場合は、電源接続部品640に電源接続部品540と同様にスイッチ当接面510を設ければよく、リモコン操作部30は実施例5のリモコン操作部530とすればよい。