特許第6290046号(P6290046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290046
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】映像装置および映像装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/76 20060101AFI20180226BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20180226BHJP
   G11B 27/10 20060101ALI20180226BHJP
   G11B 27/22 20060101ALI20180226BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20180226BHJP
   H04N 5/91 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   H04N5/76
   H04N5/93
   G11B27/10 A
   G11B27/22 D
   G06F17/30 170D
   G06F17/30 220B
   H04N5/91
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-179401(P2014-179401)
(22)【出願日】2014年9月3日
(65)【公開番号】特開2016-54398(P2016-54398A)
(43)【公開日】2016年4月14日
【審査請求日】2017年2月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】東芝映像ソリューション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 恵
(72)【発明者】
【氏名】中川 智貴
【審査官】 川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−281856(JP,A)
【文献】 特開2014−112280(JP,A)
【文献】 特開2009−118168(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 − 5/956
G11B 27/10 − 27/34
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
字幕情報を含む映像コンテンツが記録される記録手段と、
キーワードを含む検索パラメータが設定される設定手段と、
前記映像コンテンツから、前記キーワードが字幕に表示される区間を含むチャプタを抽出するチャプタ生成手段と、を具備し、
前記チャプタ生成手段が、
前記キーワードを含む字幕が最初に表示される期間の始点位置を前記チャプタの始端に設定し、
前記キーワードを含む字幕が表示されなくなってから、無音区間の出現位置、所定時間経過位置、または、複数のパケットからなる前記映像コンテンツのパケットの終端位置のうち、最初に出現した位置を前記チャプタの終端に設定することを特徴とする映像装置。
【請求項2】
前記チャプタ生成手段が抽出した複数のチャプタを連結してプレイリストを作成するプレイリスト作成手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の映像装置。
【請求項3】
前記検索パラメータが、前記映像コンテンツの記録日時、ジャンル、および提供者の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載の映像装置。
【請求項4】
前記映像コンテンツの前記字幕情報を解析し、出現回数の多い複数の単語をキーワード候補として抽出するキーワード抽出手段を具備し、
前記設定手段において、前記複数のキーワード候補の中から前記キーワードが設定されることを特徴とする請求項3に記載の映像装置。
【請求項5】
字幕情報を含む映像コンテンツが記録手段に記録されるステップと、
キーワードを含む検索パラメータが設定手段により設定されるステップと、
前記映像コンテンツから、前記キーワードが字幕に表示される区間を含むチャプタがチャプタ生成手段により抽出されるテップと、を具備する映像装置の制御方法であって、
前記チャプタ生成手段が、
前記キーワードを含む字幕が最初に表示される期間の始点位置を前記チャプタの始端に設定し、
前記キーワードを含む字幕が表示されなくなってから、無音区間の出現位置、所定時間経過位置、または、複数のパケットからなる前記映像コンテンツのパケットの終端位置のうち、最初に出現した位置を前記チャプタの終端に設定することを特徴とする映像装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、記録部に録画された映像コンテンツからユーザーの興味のあるシーンを抽出する映像装置および前記映像装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
長時間録画が可能なハードディスク装置等の普及によって、テレビ放送等の映像コンテンツを長時間録画することが一般的になっている。さらに、受信可能な全放送局の全番組を所定時間分だけ録画しておき、後から希望の番組だけを視聴することも広く行われている。
【0003】
しかし、ユーザーの視聴時間は限られているため、録画された多くの映像コンテンツからユーザーの所望のシーンを容易に抽出する方法が開発されている。
【0004】
例えば、クラウドに公開されている番組の詳細情報を利用して、ユーザーがキーワード検索すれば、録画番組の中から該当のシーンだけをピックアップすることができる。好きなアーティストの名前等をキーワードに検索すれば、出演シーンおよび出演CMを抽出することができる。
【0005】
ユーザーは、検索されたシーンが列挙されたシーンリストから見たいシーンを選ぶだけで簡単に所望のシーンを再生できる。さらに、検索されたシーンをプレビュー画面で表示することにより、よりスムーズにシーンが選択できる。
【0006】
また、キーワード検索には、字幕情報を用いることもできる。すなわち、聴覚障害者が放送番組を楽しめるように、俳優のせりふ、ナレーションおよび効果音などをそのまま字幕として表示するクローズドキャプションが提供されている。クローズドキャプションでは字幕表示のための文字を放送信号に字幕ES(Elementaly Stream)として重畳しておくことで、ユーザー設定に応じて、映像に同期した字幕を表示する。字幕ESの文字情報をもとに検索する場合には、クラウド等への接続は不要である。
【0007】
しかし、従来の検索ではシーンリストは各シーンの始端情報しか有していない。このため、ユーザーはシーンを選択することで、所望のカットから視聴開始することはできるが、カットがキーワードと関係のある映像から関係の無い映像に変更になっても、映像は再生され続ける。また、次の検索されたシーンを視聴開始するには、表示されているシーンの表示終了操作を行ってから、再びシーンリストから選択操作を行う必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−172381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態は、利便性のよい映像装置および映像装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様の映像装置は、字幕情報を含む映像コンテンツが記録される記録手段と、キーワードを含む検索パラメータが設定される設定手段と、前記映像コンテンツから、前記キーワードが字幕に表示される区間を含むチャプタを抽出するチャプタ生成手段と、を具備し、
前記チャプタ生成手段が、前記キーワードを含む字幕が最初に表示される期間の始点位置を前記チャプタの始端に設定し、前記キーワードを含む字幕が表示されなくなってから、無音区間の出現位置、所定時間経過位置、または、複数のパケットからなる前記映像コンテンツのパケットの終端位置のうち、最初に出現した位置を前記チャプタの終端に設定する。
【0011】
本発明の一態様の映像装置の制御方法は、字幕情報を含む映像コンテンツが記録手段に記録されるステップと、キーワードを含む検索パラメータが設定手段により設定されるステップと、前記映像コンテンツから、前記キーワードが字幕に表示される区間を含むチャプタがチャプタ生成手段により抽出されるテップと、を具備する映像装置の制御方法であって、
前記チャプタ生成手段が、前記キーワードを含む字幕が最初に表示される期間の始点位置を前記チャプタの始端に設定とし、前記キーワードを含む字幕が表示されなくなってから、無音区間の出現位置、所定時間経過位置、または、複数のパケットからなる前記映像コンテンツのパケットの終端位置のうち、最初に出現した位置を前記チャプタの終端に設定する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の映像装置の構成図である。
図2】放送信号の構造を説明するための図である。
図3】第1実施形態の映像装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
図4】第1実施形態の映像装置のメニュー画面である。
図5】第1実施形態の映像装置の検索設定画面である。
図6A】第1実施形態の映像装置のチャプタ設定方法を説明するための図である。
図6B】第1実施形態の映像装置のチャプタ設定方法を説明するための図である。
図6C】第1実施形態の映像装置のチャプタ設定方法を説明するための図である。
図7】第1実施形態の映像装置のチャプタ、および、プレイリストを説明するための図である。
図8】第2実施形態の映像装置の構成図である。
図9】第2実施形態の映像装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
図10】第2実施形態の映像装置の検索設定画面である。
図11】第2実施形態の映像装置のキーワード候補表示画面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態>
図1に示すように本実施形態の映像装置1は、信号処理部10と、コンテンツ記録部11と、モニタ12と、設定部13と、リモコン14と、字幕解析部15と、チャプタ生成部16と、プレイリスト作成部17と、チャプタ記録部18と、制御部19とを具備するテレビジョン受信機である。なお、コンテンツ記録部11およびモニタ12の少なくともいずれかは、いわゆる外付けであってもよい。
【0014】
信号処理部10は放送信号を受信し映像コンテンツに復号処理するとともに、映像信号/音声信号/字幕信号に分離する。すなわち、信号処理部10はチューナー機能も有するが、信号処理機能部とチューナー機能部とは独立した構成要素であってもよい。放送信号は、放送局からの無線伝送もしくはケーブルによる有線伝送による信号、外部サーバーからのインターネット回線により伝送による信号、または、DVDもしくはメモリーカード等の記録メディア等から入力される。
【0015】
コンテンツ記録部11は、字幕情報を含む複数の映像コンテンツ(番組)が記録される記録手段である。コンテンツ記録部11は、ハードディスク装置、不揮発性半導体メモリを有するシリコンディスク装置、または、書き込み可能DVD等の記録メディアであり、電力が供給されていない状態でも記録された映像信号が消失することのない非一時的な情報記録装置である。コンテンツ記録部11は複数の記録装置、例えば、1台の内蔵ハードディス装置と2台の外付けハードディスク装置とから構成されていてもよい。
【0016】
モニタ12は、液晶、EL(エレクトロミネッセンス)、プラズマディスプレイ、SED(表面電界ディスプレイ)、ビデオプロジェクタ、リアプロジェクション(背面投影型)、またはブラウン管(平面型を含む)などである。
【0017】
設定部13は、ユーザーが操作するリモコン14等により各種の設定、例えば、キーワードを含む検索パラメータが設定される設定手段である。字幕解析部15は、字幕信号を解析しキーワードが含まれる字幕を抽出する。
【0018】
チャプタ生成部16は、映像コンテンツからキーワードが字幕に表示される区間(カット)を含むチャプタを抽出するチャプタ生成手段である。チャプタは映像コンテンツの一部区間を特定する情報で、始端位置情報と終端位置情報とを含む。プレイリスト作成部17は、チャプタ生成部16が抽出した複数のチャプタを連結してプレイリストを作成するプレイリスト作成手段である。プレイリストを用いることで、ユーザーはプレイリストに含まれる複数のチャプタを連続して視聴することができる。
【0019】
チャプタ記録部18は、チャプタ生成部16が抽出したチャプタおよびプレイリスト作成部17が作成したプレイリストの少なくともいずれかを記憶する。制御部19は、映像装置1の全体動作を制御する。チャプタ記録部18はコンテンツ記録部11と共用の記録装置でもよいし、RAM等の一時的記録部であってもよい。
【0020】
なお、信号処理部10、設定部13、字幕解析部15、チャプタ生成部16、プレイリスト作成部17、および制御部19は、CPU等の半導体からなるが、1つのCPUが複数の機能部を構成していてもよい。逆に1つの機能部が複数のCPUから構成されていてもよい。
【0021】
次に、図2を用いて放送信号の構成について説明する。放送信号は、複数のコンテンツから構成されている。それぞれのコンテンツが1つの番組の場合もあるし、1つの番組が複数のコンテンツに分割されている場合もある。また、分割された番組のコンテンツの間に、コマーシャル等の別の内容のコンテンツが挿入されている場合もある。
【0022】
コンテンツは、適当な大きさの複数のパケットから構成されている。パケットでは、情報を示すPMT(Program Map Table)の下に、映像信号、音声信号、字幕信号が多重化されている。
【0023】
ここで、番組は、複数の「カット」で構成されている。「カット」は連続して撮影された映像、または、連続して撮影された映像が短く編集された映像である。字幕は、複数のカットにまたがって表示される場合もある。例えば、図2に示したカットC2には、2つの字幕2、字幕3が順に表示される。
【0024】
次に、図3のフローチャートに沿って、映像装置1の制御方法について説明する。
【0025】
<ステップS11>
信号処理部10が、例えば、受信アンテナを介して入力された放送信号を受信し、その放送信号に対して復号処理を行うとともに、多重化されていた映像信号/音声信号/字幕信号を分離する。
【0026】
信号処理部10が処理した放送信号は、ハードディスク装置等のコンテンツ記録部11に録画される。
【0027】
なお、複数のチューナーを有する信号処理部10は、同時に受信された複数の放送局の放送信号を処理することもできる。そして、コンテンツ記録部11は、信号処理部10が受信した全ての放送、例えば、地上デジタル放送6チャンネル分の全放送を72時間分、録画することができる記録容量を有する。コンテンツ記録部11は記録スペースが無くなると古い番組が記録されている領域に新しい番組を録画することで、常に、最新の72時間分の番組が録画されている。
【0028】
<ステップS12>
コンテンツ記録部11に記録されている膨大な番組(コンテンツ)の中から、所望のシーンだけを視聴するための検索条件がユーザーにより、設定部13に設定される。
【0029】
例えば、図4に示すメニュー画面から、「キーワード検索」が、ユーザーのリモコン操作により選択される。すると、図5に示す検索条件設定画面がモニタ12に表示される。検索条件設定画面には、少なくともキーワード、例えば「富士山」が、ユーザーのリモコン操作により設定部13に設定可能となっている。
【0030】
多くのコンテンツ、例えば6つの放送局の72時間分の番組がコンテンツ記録部11に録画されている場合には、より適切なチャンプタ設定のために、キーワードに加えて追加の検索条件が設定できることが好ましい。
【0031】
例えば、図5に示した検索条件設定画面では、映像コンテンツの記録(録画)日時(起点〜終点)、ジャンル、および放送局(提供者)が設定される。放送信号またはクラウドを介して取得するジャンルは、ニュース、映画、スポーツ、グルメ等の予め設定されている分類である。
【0032】
また、番組表から番組(コンテンツ)を選択することもできる。例えば、番組として前日放送されたサッカー中継番組を設定し、キーワードとして選手名を設定することで、その試合の中で好きな選手が活躍しているシーンを抽出できる。
【0033】
なお、日時、放送局、およびジャンル等が「全て」と設定されている場合には、キーワードだけが検索条件となる。また、複数のキーワードまたはジャンル等が設定される場合には、複数のキーワード等を全て含むAND検索、または、いずれかのキーワード等を全て含むOR検索が行われる。
【0034】
<ステップS13>
字幕解析部15は、コンテンツ記録部11に記録されたコンテンツのうち、設定部13で設定されたコンテンツについて、字幕ESを解析し、設定部13で設定されたキーワードが含まれる字幕を抽出する。キーワード以外の条件が設定されている場合には、その条件に合致するコンテンツについて解析を行う。
【0035】
図6A図6Cには、あるパケットの字幕4と字幕5とに、キーワード「富士山」が含まれていた場合を示している。
【0036】
<ステップS14>
設定部13は、字幕解析部15が抽出したキーワードが含まれている字幕が表示されている期間の始点位置をチャプタの始端として設定する。
【0037】
図6A図6Cでは、キーワードとして、「富士山」が設定されている場合を示している。最初の「富士山」が含まれている字幕4が含まれるカットC2の始点位置T0がチャプタの始端として設定される。すなわち、字幕が表示されている期間として、連続して撮影されたカットを基準にしている。字幕が表示されている期間として、字幕そのものを基準にしてもよい。ただし、カットを基準にすることで、ユーザーが、より自然に感じるチャプタを設定できる。
【0038】
<ステップS15>
そして、図6A図6Cに示すように、チャプタ生成部16は、キーワードを含む字幕が表示されなくなってから、(ケースA:図6A)無音区間の出現位置T2、(ケースB:図6B)所定時間Tset経過した位置T3、または、(ケースC:図6C)パケットの終端位置T4のうち、最初に出現した位置をチャプタの終端とする。
【0039】
図6Aに示すケースAでは、T2がT3、T4より早い。このため、チャプタ生成部16は、キーワードを含む字幕が表示されなくなってから(T1)、無音区間が出現すると、出現した位置(T2)をチャプタの終端として設定する。すなわち、設定部13は、音声が途切れる無音区間は、キーワードである「富士山」とは異なる話題に移行したと見なす。
【0040】
図6Bに示すケースBでは、T3がT2、T4より早い。このため、キーワードを含む字幕5が表示されなくなってから(T1)、所定時間Tset(例えば、3分間)経過した場合には、所定時間経過位置(T3)を設定部13は、チャプタの終端として設定する。すなわち、設定部13は、所定時間経過すると異なる話題に移行したと見なす。
【0041】
コンテンツ中にはキーワードを含む字幕が、続けて、または、短時間の間に何回も表示されることが多いと考えられる。図6Bに示すように、終端位置となる場所が検知される前に、キーワードを含む字幕が再び表示される場合には、最後にキーワードを含む字幕5が表示されたカットC3が所定時間の算出始点となる。
【0042】
なお、所定時間の始点は、最後に表示されたキーワードを含む字幕の終点(T1)ではなく、始点(T1A)であってもよいし、チャプタの始端T0であってもよい。
【0043】
そして、図6Cに示すケースCでは、T4が、T2、T3より早い。無音区間出現(T2)、および、キーワードを含む字幕5が表示されなくなってから所定時間Tset経過する(T3)前に、映像コンテンツのパケットの終端位置(T4)が出現する場合には、パケットの終端位置(T4)を設定部13は、チャプタの終端として設定する。パケットの終端位置(T4)は、次のパケットの始点であり、PMTが変化する位置である。
【0044】
<ステップS16>
設定部13で設定されたコンテンツについてのチャプタ抽出が終わるまで、ステップS14からのチャプタ抽出処理が繰り返し行われる。
【0045】
図7、Xに示すように、映像装置1では、キーワードが字幕に表示される区間の始端情報だけでなく、終端情報も含む区間が抽出され、例えば、3つのチャプタ1〜3が設定される。
【0046】
例えば、チャプタ1〜3のプレビュー画像がモニタ12にリスト表示される。チャプタ数が多い場合には、追加検索条件を入力して再検索を行うように構成されていてもよい。
【0047】
ユーザーが、キーワード検索結果として、モニタ12に表示されるチャプタを選択することで、コンテンツのキーワードと関係のある区間の再生が開始され、キーワードと関係のある区間が終了すると、再生は自動的に終了する。
【0048】
なお、映像装置1では、チャプタ1〜3を表示しないで、自動的にステップS17のプレイリスト作成ステップに移行してもよい。ただし、プレイリスト作成部17は映像装置1の必須の構成要素ではない。キーワードが字幕に表示される、始端情報だけでなく終端情報も含むチャプタが設定されることで、キーワードと関係のある映像が終了すると、映像再生は自動的に終了する。このため、プレイリストが作成されなくても、映像装置1は利便性がよい。
【0049】
<ステップS17>
プレイリスト作成部17が、チャプタ生成部16が抽出した複数のチャプタ1〜3を連結してプレイリストI(図7、Y参照)を作成する。
【0050】
<ステップS18>
プレイリストに含まれる複数の区間(チャプタ1〜3)の映像/音声が連続的に自動再生される。すなわち、ユーザーは、1回の検索パラメータ設定操作だけで全てのチャプタを視聴できる。
【0051】
例えば、キーワードとして、「東京」と設定する1回の検索パラメータ設定操作だけで、コンテンツ記録部11に記録されている地上デジタル放送6チャンネル分の全放送72時間の映像の中から、「東京」が字幕に登場する全てのシーン連続して視聴できる。このため、チャプタ生成部16を具備する映像装置1は特に利便性がよい。
【0052】
なお、ユーザーがプレイリストの複数のチャプタの中から不要なチャプタを削除したり、プレイリストを結合したりできることが好ましい。また、プレイリストが作成されていることで、プレイリストの映像だけをDVDに記録することもできる。
【0053】
<ステップS19>
ユーザーが、新たなキーワードによる検索を選択する((S18、No)と、ステップS12からの処理が再び行われる。そして、例えば、図7、Zに示すように、チャプタ1〜5が連結された新たなプレイリストIIが作成される。
【0054】
なお、ユーザーがプレイリストを不揮発性の記録部のあるチャプタ記録部18に記録しておくことで、後日、再度、視聴することもできる。
【0055】
一方、ユーザーが、検索を終了すると(S18、Yse)と、検索処理は終了する。
【0056】
映像装置の制御方法では、ユーザーの嗜好に基づいてチャプタを抽出し、さらにプレイリストを作成する。このため、映像装置の制御方法は利便性が高い。
【0057】
<第2実施形態>
次に第2実施形態の映像装置1Aについて説明する。映像装置1Aは映像装置1と類似しているので同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0058】
図8に示すように、映像装置1Aは、キーワード抽出手段としてキーワード抽出部20を具備する。キーワード抽出部20は、映像コンテンツの字幕情報を解析し、出現回数の多い複数の単語をキーワード候補として抽出するCPUからなる。キーワード抽出部20は、他の機能部、例えば、字幕解析部15と共通のCPUにより構成されていてもよい。
【0059】
図9に示したフローチャートにおいて、ステップS12Aにおいて、キーワード候補抽出処理が行われる。キーワード抽出部20は、コンテンツ記録部11に録画されている番組で、話題となっている流行の用語を抽出する。
【0060】
そして、ステップS12において、ユーザーにより複数のキーワード候補の中からキーワードが選択され設定される。
【0061】
映像装置1Aでは、例えば、図10に示すように、検索条件設定画面のキーワード設定欄に「候補」との選択肢が表示される。ユーザーが、「候補」を選択すると、図11に示すような、キーワード候補がリスト表示される。図11に示したキーワード候補表示画面では、キーワード候補が、出現回数とともに、リスト表示されている。
【0062】
検索条件設定画面において、映像コンテンツの記録等が設定されている場合には、キーワード抽出部20は、設定された範囲のコンテンツを集合として、キーワード候補を抽出する。
【0063】
例えば、番組として前日放送されたサッカー中継番組を設定し、キーワード候補を表示することで、活躍した選手の名前等が把握できる。すなわち、字幕に多く登場した選手は活躍した選手と推定される。
【0064】
映像装置1Aは、話題となっている映像だけを短時間で視聴できるため、利便性がよい。また、所定の番組(コンテンツ)に検索条件を限定しておくことで、大凡の内容を把握することもできる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更ができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1、1A…映像装置
10…信号処理部
11…コンテンツ記録部
12…モニタ
13…設定部
14…リモコン
15…字幕解析部
16…チャプタ生成部
17…プレイリスト作成部
18…チャプタ記録部
19…制御部
20…キーワード抽出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11