【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1態様においては、能動コンデンサ回路が提供され、該能動コンデンサ回路は、
− これらの間に結合されるべき負荷を駆動する駆動電圧及び/又は駆動電流を供給するための結合端子と、
− これら結合端子の間に結合されて、周期的電流を上記駆動電流に変換する出力電力段と、
− 該出力電力段のコンデンサ出力端子と結合端子との間に結合された低周波コンデンサと、
− 上記駆動電圧のフィードバック、上記低周波コンデンサの両端間のコンデンサ電圧及び/又は該低周波コンデンサを経るコンデンサ電流から得られる制御信号を使用して上記出力電力段を制御する制御ユニットと、
を有する。
【0013】
本発明の他の態様においてはドライバ装置が提供され、該ドライバ装置は、
− 外部電源から周期的電源電圧を入力するための電力入力端子と、
− 上記電力入力端子に結合されて、上記周期的電源電圧を駆動電圧に変換すると共にコンバータ出力端子に中間電流を出力する入力コンバータ段と、
− 上記入力コンバータ段のコンバータ出力端子に結合された本発明による能動コンデンサ回路と、
を有する。
【0014】
本発明の更に他の態様においては照明装置が提供され、該照明装置は、
− 1以上の照明ユニット、特には1以上のLEDを備えたLEDユニットを有する照明アセンブリと、
− 該照明アセンブリを駆動するための、提案されたドライバ装置と、
を有する。
【0015】
本発明の好ましい実施態様は従属請求項に記載されている。尚、請求項に記載されるドライバ装置及び請求項に記載される照明装置は、請求項に記載された能動コンデンサ回路であって従属請求項に記載されたものと同様の及び/又は同一の好ましい実施態様を有することが理解されるべきである。
【0016】
提案される能動コンデンサ回路は、負荷(例えば、1以上のLED又はLEDパッケージ)に対して並列に結合されるか、又は負荷に組み込まれると共に、小さなコンデンサが接続される(負荷に組み込むこともできる)モジュールを呈する。対照的に、殆どの従来の方法においては、電力段は縦続接続される。
【0017】
更に、提案された能動コンデンサ回路は、独立した、極めて小型の高次ローパスフィルタエレメント(即ち、負荷から第1段の全てのAC成分を効果的に除去する)と考えることができる。しかしながら、一実施態様において、当該スペクトルの幾つかの帯域は通過されて、幾らかのレベルの負荷変調を可能にすることもできる。
【0018】
先に引用したQ. Hu及びR. Zaneにより開示されたドライバによれば、第1段及び第2段の両方とも負荷に対して並列である。この従来技術に対する提案された能動コンデンサ回路の利点は、該提案された能動コンデンサ回路が大幅に向上された性能で単独で、即ち受動フィルタ回路のように動作することができることにある。このような動作は、モジュール性、集積性及び既存の出力フィルタ回路の容易な置換のようなプラグ&プレイ的使用を容易にする。更に、負荷電流又は他の電力段電流の測定も、如何なる電力段との信号接続も必要としない。
【0019】
好ましくは、前記コンデンサ電流及び/又はコンデンサ電圧を制御するために、本発明によれば1以上のフィードバックループ、特には2つの縦続接続されたフィードバックループが設けられる。特に、好ましい実施態様によれば、前記制御ユニットは上記コンデンサ電流を基準コンデンサ電流に従うように制御するための第1フィードバックループを有する。好ましくは、該制御ユニットは、前記駆動電圧をハイパスフィルタ処理すると共に該ハイパスフィルタ処理された駆動電圧を駆動電圧増幅係数により増幅することによって該駆動電圧から上記基準コンデンサ電流を決定するよう構成される。更に、一実施態様では、該制御ユニットは前記結合端子間に結合されるべき前記負荷の動抵抗の電圧降下に依存して上記駆動電圧増幅係数を決定するように構成される。
【0020】
当該能動コンデンサ回路が1以上のLEDを駆動するためのドライバ装置に使用されると仮定すると、LED技術(及び駆動電流)に依存して、LEDは理想電圧源及び直列抵抗(後者は動抵抗と呼ばれる)からなると見なすことができる。従って、負荷の動抵抗の電圧降下に依存して上記駆動電圧増幅係数を決定することは、当該制御をどうにかしてLEDに対して、プリセット値(ハードウェア若しくはソフトウェア)により適合し、自動的に(適応的に)適合し又は全く適合しないようにすることができることを意味する。
【0021】
他の実施態様によれば、上記制御ユニットは上記コンデンサ電圧を基準コンデンサ電圧の周りで振れるように制御するための第2フィードバックループを有する。好ましくは、該制御ユニットは上記基準コンデンサ電圧を前記低周波コンデンサの電圧定格に対して決定するように構成される。
【0022】
殆どの又は全ての主電源リップルを効果的に濾波するために、上記コンデンサは好ましくは少なくともエネルギEcapmin>Po/(2PIfm)を蓄積することができるものとし、ここで、Poは出力電力であり、fmは主電源の周波数である。しかしながら、このようなコンデンサは100%のリップル(平均電圧に対するピークの比は2である)を生じる。許容誤差及び経年変化に対処すると共に、出力電力段における部品のストレスを緩和するために、該コンデンサは好ましくは幾らか高い蓄積容量Ecapat=N*Ecapminを示すようにする。この結果、約Vpk/Vavg=2/(1+√(1−1/N))のピーク対平均電圧が得られる。例えばN=2はVpk/Vavg=1.2を意味する。実用的な比は、好ましくは、1.05と1.3との間に入る。
【0023】
好ましくは、先に簡単に述べたように、前記第1フィードバックループ及び第2フィードバックループは、第1フィードバックループが内側制御信号を導出するための内側ループを形成すると共に第2フィードバックループが外側制御信号を導出するための外側ループを形成するように、縦続接続される。更に、好ましくは、前記基準コンデンサ電流は、前記駆動電圧をハイパスフィルタ処理し、該ハイパスフィルタ処理された駆動電圧を駆動電圧増幅係数により増幅し、該増幅され且つハイパスフィルタ処理された駆動電圧から上記外側制御信号を減算することによって、該駆動電圧から決定される。
【0024】
縦続接続することの利点は、2つの制御動作、即ち負荷電流を一定にするための制御及び蓄積コンデンサ電圧を所定の限界内に留めるための制御を別個に処理することができることである。上記第1フィードバックループ(内側ループ)の利点は、出力電力段内で容易に測定可能である前記コンデンサ電流を制御することにより負荷電流が定常状態動作において実質的に一定になることである。第2フィードバックループ(外側ループ)の利点は、第1に入力コンバータ段の定常状態電流リップル(ハイパスフィルタ処理された負荷電圧を介して)及び第2に平均コンデンサ電圧を考慮に入れることにより前記基準電流を容易に導出することができ、そのようにすることにより、入力コンバータ段の電流の過渡状態(例えばオン/オフ)に対処することもできることである。
【0025】
一実施態様において、前記制御ユニットは、前記基準コンデンサ電流を第1制御ループにおいて前記コンデンサ電流を制御するために使用する前に、該基準コンデンサ電流に変調信号を加算するように構成される。好ましくは、該制御ユニットは上記変調信号を前記駆動電圧及び/又は前記コンデンサ電圧から決定するように構成される。該変調信号は、通常は、例えばデータを目に見えない光変動を介して送信するために使用される外部信号である。目に見える歪を回避するために、即ち当該光応答を上記変調信号に等しくさせるために、該変調信号に事前補償のためのフィードフォワード伝達関数を適用することができ、その結果、基準電流結合点に注入される修正された変調信号が得られる。
【0026】
当該能動コンデンサ回路の用途の種類及び負荷の種類に主に依存して、前記出力電力段の種々の構成が存在する。好ましい実施態様によれば、該出力電力段は、特には双方向ブーストコンバータ、双方向バックコンバータ又は双方向バックブーストコンバータ等の双方向コンバータを有する。例えば、該双方向コンバータの双方向ブーストコンバータとしての構成の場合、当該コンバータは該双方向コンバータのスイッチングノードと結合端子との間に結合された出力インダクタ、及び前記結合端子の間に結合された出力コンデンサを有する。
【0027】
有利には、前記制御ユニットは上記双方向コンバータを準矩形波モードで動作するように制御するよう構成される。この構成は、ZVS(ゼロ電圧スイッチング)を得ることを可能にし、従って高いスイッチング周波数(例えば、>1MHz)を高い効率でさえも可能にする。
【0028】
他の実施態様において、上記制御ユニットは上記双方向コンバータを、提案されたドライバ装置の好ましい実施態様において設けられる入力コンバータ段よりも高い(好ましくは、大幅に高い)スイッチング周波数で動作するように制御するよう構成される。この構成は、該入力コンバータ段の出力フィルタを完全に省略することを可能にする。
【0029】
Bogdan Bucheru, Ionel Dan Jitaru, Delta Energy Systems, USA, PCIM Europe 2011, 17-19 May 2011, Nuremberg, Germanyの“Single Stage Isolated PFC with AC Line Ripple Steering”なる論文は、低周波数リップルのステアリングのための解決策を提供する電力アーキテクチャを開示している。しかしながら、この開示されたアーキテクチャは、本発明とは異なり、出力電圧制御(電流ではない)を備えた充電器回路及び第1及び第2段の特定の組み合わせを示すもので、両段の組み合わせ制御を用いている。特に、第1段は、該第1段の出力電圧を制御する第2段のコンデンサ電圧を制御する。
【0030】
本発明の更に他の態様によれば、照明装置が提供され、該照明装置は、
− 外部電源から周期的電源電圧を入力するための電力入力端子と、
− 該電力入力端子に結合されて、上記周期的電源電圧を駆動電圧に変換すると共に、コンバータ出力端子において中間電流を出力する入力コンバータ段と、
− 該入力コンバータ段のコンバータ出力端子に結合される結合端子であって、これら結合端子の間に結合されるべき負荷を駆動するための駆動電圧及び/又は駆動電流を供給する結合端子と、
− 上記結合端子の間に結合されて、周期的電流を上記駆動電流に変換する出力電力段と、
− 該出力電力段のコンデンサ出力端子と結合端子との間に結合される低周波コンデンサと、
− 上記出力電力段を、上記駆動電圧のフィードバック、上記低周波コンデンサの両端間のコンデンサ電圧及び/又は該低周波コンデンサを経るコンデンサ電流から得られる制御信号を使用して制御する制御ユニットと、
− 上記結合端子に結合された、特には1以上のLEDを有するLEDユニット等の1以上の照明ユニットを有する照明アセンブリと、
を有する。
【0031】
従って、本発明の照明装置の種々の実施態様によれば、前記制御ユニット及び/又は出力電力段は当該能動コンデンサ回路又は照明アセンブリの一部であり得る。
【0032】
本発明の更に他の態様によれば、前記入力コンバータ段は当該照明装置の一部ではない。即ち、提案された照明装置は、
− 外部電源から周期的電源電圧を入力するための電源入力端子と、
− これら電力入力端子に結合される結合端子であって、これら結合端子の間に結合されるべき負荷を駆動するための駆動電圧及び/又は駆動電流を供給する結合端子と、
− これら結合端子の間に結合されて、周期的電流を上記駆動電流に変換する出力電力段と、
− 該出力電力段のコンデンサ出力端子と結合端子との間に結合された低周波コンデンサと、
− 上記出力電力段を、上記駆動電圧のフィードバック、上記低周波コンデンサの両端間のコンデンサ電圧及び/又は該低周波コンデンサを経るコンデンサ電流から得られる制御信号を使用して制御する制御ユニットと、
− 上記結合端子に結合された、特には1以上のLEDを有するLEDユニット等の1以上の照明ユニットを有する照明アセンブリと、
を有する。
【0033】
従って、本発明の照明装置の種々の実施態様によれば、前記制御ユニット及び/又は出力電力段は当該能動コンデンサ回路又は照明アセンブリの一部であり得る。
【0034】
本発明の上記及び他の態様は、後述する実施態様から明らかとなり斯かる実施態様を参照して解説されるであろう。