【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明の第1の観点は、好ましくは上述した欠点の1つ以上を更に少なくとも部分的に取り除く代替の照明デバイス及び/又は代替の変換体を提供することである。更に、本発明の一観点は、そのような(透過性の)変換体、特に長い寿命を有する変換体を製造する代替の方法を提供することにある。
【0008】
従って、我々は、混合物の処理中にルミネセンス分子がポリエステル相内にとどまるようにルミネセンス染料分子がポリエステルに共有結合される芳香族ポリエステルとPMMAのような他のポリマとの非相溶性混合物の使用を提案する。このやり方では、射出成形可能な系が優れた寿命及び高い効率で生成され得る。
【0009】
従って、第1の観点では、本発明は、(a)光源光を生成する光源と、(b)(光源光の少なくとも一部をルミネセンス(光)に変換する)変換体(「変換体」)とを有し、上記変換体が第1のポリマのマトリクスを有し、このマトリクスはルミネセンス機能を持つ第2のポリマを有する離散的領域を含み、上記第2のポリマが(上記光源光の少なくとも一部を上記ルミネセンス(光)に変換する機能を備えた)ルミネセンス部分を有する芳香族ポリエステルを有するとともに、上記第1のポリマは芳香族ポリエステルとは化学的に異なる照明デバイス(「デバイス」)を提供する。上記変換体は、(ルミネセンス部分によって光源光の少なくとも一部をルミネセンス(光)に変換するために、)光源に放射結合されている(radiationally coupled)。従って、この変換体は、「光変換体」とも示され得る。
【0010】
更に他の観点では、本発明は、変換体が、第1のポリママトリクスを有し、上記マトリクスがルミネセンス機能を持つ第2のポリマを有する離散的領域を含み、上記第2のポリマがルミネセンス部分を有する芳香族ポリエステルを有し、上記第1のポリマは芳香族ポリエステルとは化学的に異なっている(光をルミネセンスに変換する)そのような(光)変換体自体を提供する。
【0011】
更に他の観点では、本発明は、(a)ルミネセンス部分を有する芳香族ポリエステル及び上記芳香族ポリエステルとは化学的に異なる第1のポリマを与えるステップと、(b)第1のポリマ内にルミネセンス部分を有する芳香族ポリエステルを埋め込むステップと、オプションで、得られた生成物を成形するステップとを有する変換体を与える方法を提供する。
【0012】
本発明によれば、押出及び/又は射出成形によってのように例えば変換体内に比較的容易に成型又は成形され得る材料が製造されるようであり、これは、例えば平坦な変換体プレート又は湾曲品のような成形品を与える。このタイプの材料中の有機染料は比較的安定であるようでもある。複数のポリマが試されたが、芳香族ポリエステルタイプのポリマが全ての試されたポリマのうちで最も安定であるように思われた。例えば、ポリイミド系はかなり低い安定性を与える。更に、有機染料が芳香族ポリエステルに共有結合するという事実のために、変換体は、主マトリクス、すなわち、第1のポリマの低い光吸収と離散的領域の有機染料の安定性とを兼ね備えている。更に、第1のポリマのマトリクスは、例えば(ルミネセンス材料の)寿命の改善の観点で有益である障壁、例えば、酸素障壁として機能もする。
【0013】
上記照明デバイスは、光源を有している。この光源は、変換体に光源光を与えるために照明デバイスにおいて用いられ、変換体に少なくとも部分的に埋め込まれていてもよい。例えば、自己支持形の変換体は、1つ以上の光源を少なくとも部分的にそれぞれ受け入れるために、1つ以上の圧痕又はくぼみを有している。更に他の実施形態では、上記光源及び変換体は、変換体の縁部に光源光を与えるように構成されている。光源は、変換体と接していてもよいが、変換体からゼロではない距離で配されていてもよい(「リモート光源」)。従って、一実施形態では、光源は変換体から離れて配されている。幾つかの実施形態では、光源と波長変換部材との距離は、かなり小さく、所謂周辺蛍光体モード(vicinity phosphor mode)である。しかしながら、そのような実施形態では、波長変換部材は依然として光源に接していない。LEDダイのような光源と変換体の1つ以上との最短距離は、0mmよりも大きく、特に、0.2mm以上のような0.1mm以上であり、幾つかの実施形態では、10ないし100mmのような10mm以上でさえもあり得る。
【0014】
上記光源は、任意の光源であり得るが、特に、実質的に紫及び/又は青色を発することが可能な光源である。従って、一実施形態では、上記光源は、青色を発する発光デバイスを有している。前の実施形態と組み合わせられ得る更に他の実施形態では、光源は、紫色を発する発光デバイスを有している。従って、光源という用語は、特に、LED(発光ダイオード)と関連している。好ましくは、光源は、動作中に少なくとも400ないし480nm、特に420ないし460nmの範囲から選択される波長の光を発する光源である。この光は、光変換素子により部分的に用いられ得る(以下を参照されたい。)。
【0015】
特定の実施形態では、上記光源は、(LED又はレーザダイオードのような)固体LED光源を有している。「光源」という用語は、2ないし20の(固体)LED光源のような複数の光源にも関連がある。一実施形態では、(一次元又は二次元の)光源のアレイが変換体に光を当てるために適用される。他の実施形態では、光源は、有機LED(OLED)を有している。オプションで、光源は、青色光(及びオプションで紫色光)を生成するように構成されており(以下も参照されたい。)、青色光及び/又はオプションの紫色光の一部は励起光としてルミネセンス材料の1つ以上により用いられ、少なくとも部分的にルミネセンスに変換される。異なるタイプの光源の組み合わせが適用され得る。
【0016】
「放射結合される」という用語は、特に、光源及び変換体が、光源により発せられる放射の少なくとも一部が変換体(特に、ルミネセンス部分)により受け取られる(及びルミネセンス部分によりルミネセンスに少なくとも部分的に変換される)ように互いに関連していることを意味する。
【0017】
本明細書における白色光という用語は、当業者には既知である。これは、特に、約2000から20000K、とりわけ、2700ないし20000K、一般照明に関してはとりわけ約2700K及び6500Kの範囲、バックライティングの目的に関してはとりわけ約7000K及び20000Kの範囲の相関色温度(CCT)を持ち、特に、BBL(黒体軌跡)から約15SDCM(等色標準偏差)以内、特に、BBLから約10SDCM以内、更に特には、BBLから約5SDCM以内の光に関連している。
【0018】
一実施形態では、上記光源、例えば、直接蛍光体変換型LED(例えば10000Kを得るように薄い蛍光体の層を有する青色発光ダイオード)は、約5000から20000Kの間の相関色温度(CCT)を持つ光源光も与える。従って、特定の実施形態では、上記光源は、5000ないし20000Kの範囲内、更に特には、8000ないし20000Kのような6000ないし20000Kの範囲内の相関色温度の光源光を与えるように構成される。相対的に高い色温度の利点は、光源光に相対的に高い青色成分が存在し得ることである。この青色成分は、ルミネセンス材料により部分的に吸収され、ルミネセンス材料光に変化される。オプションで、独立した(固体LEDのような)青色光源が光源に含まれ得る。
【0019】
「紫色光」又は「紫色発光」という用語は、特に、約400ないし440nmの範囲内の波長を有する光に関連している。「青色光」又は「青色発光」という用語は、特に、約440ないし490nm(幾らかの紫及びシアンの色相を含む。)の範囲内の波長を有する光に関連している。「緑色光」又は「緑色発光」という用語は、特に、約490ないし560nmの範囲内の波長を有する光に関連している。「黄色光」又は「黄色発光」という用語は、特に、約560ないし590nmの範囲内の波長を有する光に関連している。「橙色光」又は「橙色発光」という用語は、特に、約590ないし620nmの範囲内の波長を有する光に関連している。「赤色光」又は「赤色発光」という用語は、特に、約620ないし750nm、とりわけ、620ないし650nmの範囲内の波長を有する光に関連している。「可視」、「可視光」又は「可視発光」という用語は、約380ないし750nmの範囲内の波長を有する光を指している。「IR」(赤外線)という用語は、特に、約750ないし3000nmに関連し、とりわけ、約750ないし1100nmの範囲内に関連している。
【0020】
上記照明デバイスは、更に、上記の変換体を有している。特に、上記変換体は光源に放射結合されている。「放射結合される」という用語は、特に、光源により発せられる放射の少なくとも一部がルミネセンス材料により受け取られる(及びルミネセンスに少なくとも部分的に変換される)ように光源及びルミネセンス材料が互いに関連していることを意味する。一般に、上記変換体は、透過モードで適用されるように、すなわち、光源の光が変換体の上流部を照らし、下流部においてルミネセンス部分からのルミネセンスが得られるように構成される。しかしながら、一実施形態では、変換体は、反射モードで適用されるようにも構成され得る。前者の実施形態では、変換体は出口窓又は出口窓の一部であり、後者の実施形態では、変換体は、例えば、光収集チャンバの壁の一部である。
【0021】
上記「上流」及び「下流」という用語は、光生成手段(ここでは、特に光源)からの光の伝播に対するアイテム又は特徴部の配置に関連しており、光生成手段からの光ビーム内の第1の位置に対して、光生成手段により近い光ビーム内の第2の位置は「上流」であり、光生成手段からより遠い光ビーム内の第3の位置は「下流」である。
【0022】
当業者には明らかであるように、変換体は、複数の(光)変換体を有していてもよい。従って、一実施形態では、「変換体」という用語は、複数の変換体のことも指す。これらの1つ以上は透過モードで構成され得る及び/又はこれらの1つ以上は反射モードで構成され得る。一実施形態では、2つ以上の(光)変換体が互いに下流に配されている。従って、一実施形態では、(光)変換体という用語は、多量の光変換体のことも指す。
【0023】
特に、可視光を生成するように構成された光源を適用する場合、可視範囲において高い光透過率を有する(ほぼ光を吸収しない)第1のポリマを伴う変換体が適用され得る。第1のポリマは、高度に透過可能でなければならない。ルミネセンス分子の存在のために、変換体は光の吸収を示す。しかしながら、ルミネセンス材料の吸収度についての補正後(変換体に関して測定された吸収度からルミネセンス分子からの吸収度の寄与を差し引いた後)、(2mmの厚さを有する変換体の場合、)可視範囲における変換体の吸収は0ないし4%の範囲内である。
【0024】
本明細書における「透過可能である(transmissive)」という用語は、特に、2mmの厚さの場合、可視波長範囲から選択される波長を持つ光について0ないし4%の範囲内の光の吸収を有する第1のポリマのことを指している。ここで、「可視光」という用語は、特に、400ないし700nmの範囲から選択される波長を持つ光に関連がある。透過は、垂直放射の下で第1の強度を持つ特定の波長の光を導波路に与え、当該材料を通って透過した後測定される当該波長における光の強度を特定の波長で当該材料に与えられる光の第1の強度に関連付けることにより決定される(E-208 and E-406 of the CRC Handbook of Chemistry and Physics, 69th edition, 1088-1989も参照されたい。)。変換体プレートは、ルミネセンス材料の存在のために着色され得ることに注意されたい(以下も参照されたい。)。特に、第1のポリマの透過率は、そのようなポリマよりなるプレートを仮定すると、400ないし700nmの全波長にわたって96%以上の平均透過値を有する。一実施形態では、この全波長範囲において最も低い透過率は75%よりも低くない。
【0025】
上記変換体は、層又は自己支持形の本体部のような任意の形状であり得る。変換体は、平坦であってもよいし、湾曲していてもよいし、成形されていてもよいし、円形状、六角形状、球状、管状、立方体状等であってもよい。自己支持形の本体部は、剛性であってもよいし、フレキシブルであってもよい。変換体の厚さは、一般に、0.1ないし10mmの範囲内である。長さ及び/又は幅(若しくは径)は、例えば、0.02ないし5mのような0.01ないし5mの範囲内であり、例えば0.1ないし50mmの範囲内である。
【0026】
「マトリクス」という用語は、本明細書では、第1のポリマのマトリクスのような離散的領域についてのマトリクスである他の材料を受け入れる層、本体部又は成形品等を示すために用いられる。上記変換体は、例えば透過可能な支持部にコーティングされた層であってもよいが、一般に、成形された(フレキシブルな)本体部である。上記変換体は、自己支持形であってもよく、例えば、プレート又は(フレキシブルな)構成要素(entity)である。
【0027】
上記第1のポリマのマトリクスは、原理的には、可視光に関して透過可能である又は透過可能にされ得る任意のポリマであり、特に、PC(ポリカーボネート)、ポリアクリル酸メチル(PMA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)(プレキシガラス又はペースペクス)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、ポリ塩化ビニル(PVC)、COC(シクロオレフィン共重合体)及びポリスチレンより成る群から選択される1つ以上にポリマを有するマトリクスであり得る。更に他の実施形態では、第1のポリマは、特に、ポリウレタン、ポリアルカン、ポリアクリレート及び(ポリジメチルシロキサン(PDMS)のような)シロキサンの1つ以上を有している。これは、特に、フレキシブルな用途に適切である。従って、一実施形態では、第1のポリマは、フレキシブルなマトリクスを与えるように構成される。このやり方では、変換体はフレキシブルユニットである。特に、第1のポリマは、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PS(ポリスチレン)及びPC(ポリカーボネート)より成る群から選択されるポリマを有しており、好ましくは、本質的にそれより成っている。
【0028】
他の実施形態では、変換体又は照明デバイスの第1のポリマは、可視領域(400ないし700nm)においてほぼ光の吸収を示さない(1mmの厚さのサンプルの場合、4%未満)非常に透明な材料である。第2のポリマは、特にルミネセンス部分が長い寿命を有する低い酸素透過率を有している。特性値は、PVDC−ポリ塩化ビニリデン(0.8cm
3/m
2・day・bar)、PVDF−ポリフッ化ビニリデン(0.8cm
3/m
2・day・bar)、EVOH−エチレンビニルアルコール(0.5cm
3/m
2・day・bar)、PBT−ポリブチレンテレフタレート(5cm
3/m
2・day・bar)、PEN−ポリエチルナフタレート(8cm
3/m
2・day・bar)、PAN−ポリアクリロニトリル(9cm
3/m
2・day・bar)、PA6−ナイロン6(10cm
3/m
2・day・bar)又はPET−ポリエチレンテレフタレート(20cm
3/m
2・day・bar)である。
【0029】
上記離散的領域は、任意の形状を有し得る。この形状は、変換体が製造されるやり方にも依存する。一実施形態では、上記変換体は、第2のポリマが2つの第1のポリマの間に挟まれる層状の変換体である。更に他の実施形態では、第2のポリマは第1のポリマにより成型され(以下も参照されたい。)、更に他の実施形態では、第1のポリマのマトリクスがその中に混合された第2のポリマを含んで作製され、その後、得られた生成物が成形された変換体の本体部に成型される。
【0030】
上記離散的領域は、100nmないし5mmの範囲内の(長さ、幅、高さ、径のような)寸法を有している。粒子は、球状、立方体状、星型、円柱状、ランダムな形状等のような任意の所望の形状を有している。しかしながら、第2のポリマは第1のポリマ内にネットワークを形成もする。変換体は、異なる形状の離散的領域を有していてもよい。
【0031】
上記離散的領域は、第1のポリマのマトリクスと区別することが可能であるので、「離散的」として示される。離散的領域と第1のポリマのマトリクスとの境界は観察され、第1のポリマのマトリクスと粒子との化学組成の違いは評価され得る。上記離散的領域からルミネセンスを観察し、上記マトリクスからルミネセンスを実質的に観察しないことも可能である。有利なことに、ルミネセンス部分は、芳香族ポリエステルに結合されているので、離散的領域にとどまる。特定の実施形態では、離散的領域は、透過可能な変換体の体積の1ないし20体積%、1ないし5体積%のような0.5ないし50体積%の範囲内を占める。
【0032】
上記第1のポリマのマトリクスは、第2のポリマを有する離散的領域を有するだけではなく、他の成分を有していてもよい。オプションで、ルミネセンス機能を持つ第2のポリマに加えて(従って、離散的領域により構成されるルミネセンス材料に加えて)、マトリクスは他のルミネセンス材料も含んでいる。一実施形態では、他のルミネセンス材料は、ランタニドをベースとするルミネセンス材料、遷移金属をベースとするルミネセンス材料及び量子ドット材料より成る群から選択される無機ルミネセンス材料を有している。従って、例えば、固体照明から、低圧若しくは高圧ランプから又はプラズマアプリケーションから知られている無機ルミネセンス材料が適用される。例えば適用され得る無機ルミネセンス材料は、YAG:Ce
3+のような三価のセリウムがドープされたガーネット系、SrGa
2S
4:Eu
2+のような二価のEuがドープされたチオガリウム酸塩及びSrS:Eu
2+のような硫化物であり、これらは全て当該技術分野においてよく知られている(例えば、米国特許US7,115,217号公報及び米国特許US6,850,002号公報を参照されたい。)。また、量子ドット(QD)も適用され得る。他の実施形態では、上記変換体は、例えば、変換体からの光の取り出しを促進するために、Al
2O
3含有粒子及び/又はTiO
2含有粒子等の粒子のような構造を更に含んでいる。しかしながら、特定の実施形態では、離散的領域は、本質的に第2のポリマより成っている。ルミネセンス材料及び反射性材料のような添加物の組み合わせも適用され得る。
【0033】
上記第2のポリマは、上記のように芳香族ポリエステルを有している。芳香族ポリエステル分子に有機染料を組み込むことにより、ルミネセンス機能が得られる。「組み込む」という用語は、有機染料と芳香族ポリエステルとの1つ以上の共有結合のことを指す。従って、一実施形態では、ルミネセンス部分の1つ以上が芳香族ポリエステルの骨格の一部である。代替又は追加として、一実施形態では、ルミネセンス部分の1つ以上(官能基)は、芳香族ポリエステルの骨格に化学的に結合されている。
【0034】
特に、上記芳香族ポリエステルは、PET(ポリエチレンテレフタレート)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)に基づくものである。これは、特に、芳香族ポリエステルがPET又はPENの骨格を有しているが、骨格に及び/又は官能基として(骨格に化学的に結合された)ルミネセンス部分も含んでいることを意味している。ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリマの一例は、例えば、PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)である。従って、第1のポリマは、とりわけ、PET(ポリエチレンテレフタレート)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)に基づくものではない。
【0035】
上記芳香族ポリエステルは、好ましくは、熱可塑性ポリマであり、オプションで、架橋可能な基を更に有している。また、第1のポリマも、好ましくは、熱可塑性ポリマである。オプションで、第1のポリマも架橋可能な基を更に有している。
【0036】
上記「ルミネセンス部分」という用語は、ルミネセンス種がポリマ骨格又はポリマ鎖に組み込まれ得ることを示すために用いられ、ポリマ骨格又はポリマ鎖に対して側基又は官能基として存在していてもよい。勿論、特定の実施形態では、芳香族ポリエステル鎖は、骨格内部のルミネセンス部分及び骨格に結合されたルミネセンス部分の両方を有している。「ルミネセンス部分」という用語は、複数のルミネセンス部分にも関連している。一実施形態では、ルミネセンス部分を有する芳香族エステルは、線状ポリマ、(多)分岐ポリマ、架橋ポリマ、星形ポリマ、デンドリマ、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体及びターポリマより成る群から選択されている。
【0037】
一実施形態では、第2のポリマにおけるルミネセンス部分の含量は、第2のポリマの総重量に対して0.2ないし5重量%等の1重量%以下、0.1ないし10重量%のような10重量%以下である。
【0038】
有機ルミネセンス材料又は有機染料は、現在、白色光を得るために例えば緑ないし赤色発光ルミネセンス材料をポンピングするために青色発光ダイオードが用いられるリモートルミネセンス材料の用途に考えられている。有機ルミネセンス材料は、無機ルミネセンス材料と比較して幾つかの利点を有している。ルミネセンススペクトルの位置及び帯域幅は、高い効率を得るために可視範囲のどこにでも存在するように容易に設計され得る。有機ルミネセンス材料は、また、非常に少ない光の散乱しか示さず、より高い量子効率を示し、これは系の効率を改善する。更に、有機性及び持続性のために、有機ルミネセンス材料は無機LEDルミネセンス材料よりも数桁安価であり、大面積のアプリケーションに用いられ得る。有機ルミネセンス材料は、本明細書においては有機染料としても示されている。
【0039】
そのような有機ルミネセンス材料又は染料のほぼ無制限の取り合わせが存在する。関連のある例は、(BASF社、ルードヴィヒスハーフェン、ドイツからルモゲンの商標名の下で知られている染料:ルモゲンF240オレンジ、ルモゲンF300レッド、ルモゲンF305レッド、ルモゲンF083イエロー、ルモゲンF170イエロー、ルモゲンF850グリーンのような)ぺリレン、Neelikon Food Dyes & Chemical Ltd.社、ムンバイ、インドからのイエロー172及びクマリン(例えば、クマリン6、クマリン7、クマリン30、クマリン153、ベーシックイエロー51)、ナフタルイミド(例えば、ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116)、フルオロール7GA、ピリジン(例えば、ピリジン1)、(ピロメテン546、ピロメテン567のような)ピロメテン、ウラニン、ローダミン(例えば、ローダミン101、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、スルホローダミン101、スルホローダミン640、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2)、シアニン(例えば、フタロシアニン、DCM)、スチルベン(例えば、Bis−MBS、DPS)のような多くの業者から入手可能な染料である。酸性染料、塩基性染料、直接染料及び分散染料のような幾つかの他の染料が、使用目的のために十分に高い蛍光量子収率を示す限り用いられ得る。従って、上記ルミネセンス部分の1つ以上はペリレン基を有していてもよく、更に特には、ルミネセンス部分の1つ以上は、本質的にペリレン基から成っている。とりわけ、1つ以上の上記ルミネセンス部分は、青及び/又は紫色光により励起されると赤色ルミネセンスを生成するように構成されている。
【0040】
適用され得る特に興味深い有機材料は、例えば、緑色ルミネセンスについてはBASF社のルモゲン83、黄色ルミネセンスについてはBASF社のルモゲンF170、橙色ルミネセンスについてはBASF社のルモゲンF240、赤色ルミネセンスについてはBASF社のルモゲンF300又はF305等と同様のペリレン構造体を有しているが、ルモゲンFレッド305又はルモゲンFブルー650も有している。従って、第2のポリマは、例えば1つ以上のペリレン誘導体を有していてもよい。オプションで、上記染料は数時間のような長い減衰時間を有するリン光性の染料を有しており、これは、(十分な)昼光が存在しない中で照明するために適用され得る。
【0041】
しかしながら、そのような染料自体は、光化学的に安定ではなく、劣化する。染料自体の光化学的安定性は、当該染料を芳香族ポリエステル内にもたらすことにより改善され得る。しかしながら、そのような芳香族ポリエステルは、残りの吸収を示し、従って、この残りの吸収が系の効率の低下を招くので、厚い層として用いられることができない。PPMA又はPCのようなポリマを使用することがより望ましい。しかしながら、そのようなマトリクスでは、ルミネセンス染料の光化学的安定性が比較的低いようである。従って、本発明は、これらの問題の解決策を提供する。
【0042】
光源の光のタイプ(上記を参照されたい。)に依存して、ルミネセンス部分は、例えば緑色発光材料と赤色発光材料との組み合わせ又は黄色発光材料と赤色発光材料との組み合わせ等を有している。(主として)紫色光を生成する光源が適用される場合、青、緑及び赤色を発するルミネセンス部分の組み合わせ又は青、黄及び赤色を発するルミネセンス部分の組み合わせ等が適用される。一実施形態では、上記照明デバイスは、光源光及び変換体の組み合わせに基づいて白色光を生成するように構成されている。光源光は、(紫色光の場合には)実質的に変換され、(青色光の場合には)照明デバイス光に寄与する。
【0043】
上記のように、第1のポリマは透明性が高い。更に、特に、第1のポリマは芳香族ポリエステルとは化学的に異なる。従って、第1のポリマは、特に、PEN又はPETに基づいていない。一般に、第1のポリマの化学組成は、第2のポリマの組成とは実質的に異なっている。更に、一般に、第1のポリマのマトリクスの化学組成は、(ルミネセンス部分と全く関係なく)離散的領域とは異なっている。従って、一実施形態では、第1のポリマは第1のポリマを有し、第2のポリマは第2のポリマを有し、第1及び第2のポリマは実質的に異なっている。一般に、PETに基づいていない又はPENに基づいていないいかなるポリマもが、PET及びPENそれぞれと非相溶性である。従って、特に、第1のポリマは、PENに基づいておらず、PETに基づいていない。
【0044】
波長変換分子の安定性及び寿命は、波長変換分子を芳香族ポリエステルマトリクスに組み込むことによって改善され得る(参照することにより本明細書に組み込まれることとされる国際特許出願公開WO2012042438号公報も参照されたい。)。しかしながら、波長変換部分をポリマ材料に共有結合させることは、寿命を更に一層改善するようである。従って、波長変換部分の移動性の低下及びそれにより例えば凝集によるクエンチングのような波長変換分子の光化学的劣化の低減もが回避される。本願発明者等は、驚くべきことに、芳香族ポリエステルのような半結晶性ポリマは、結晶化後にかなり低い酸素透過性を有するので、この目的のために特に有用であることを見出した。
【0045】
本発明の概念は、ルミネセンス分子が良好な光化学的安定性を有する射出成形のような技術により生成され得る光変換体、特に、かなり厚い(1mmよりも厚い)フォームファクタ及び更に高い透過性を有する光変換体を生成する能力にある。芳香族ポリエステルと高度に透過可能な第1のポリマとの非相溶性混合物の作製は、かなり厚い(1mmよりも厚い)形に混合物を処理することを可能にし、芳香族ポリエステルマトリクスが良好な光化学的安定性を受け持つ。これは、良好な安定性を有する高度に透過可能な光変換体をもたらす。ルミネセンス分子をポリエステルに共有結合させることは、特に有利であり、ルミネセンス分子を高度に透過可能な第1のポリマと非相溶的にする。このやり方では、ルミネセンス分子は芳香族ポリエステル内にとどまり、安定性がより悪い他のポリマに入り込まない。
【0046】
本発明の実施形態では、透過可能なポリマは、高い透過性を示すポリマである。400ないし700nmの波長範囲で5%/mm(mmのポリマの厚さ当たり)未満、より好ましくは2%/mm未満、特に1%/mm未満の平均吸収率が好ましい。従って、一実施形態では、第1のポリマは、400ないし700nmの波長範囲で5%/mm未満、より好ましくは2%/mm未満、最も好ましくは1%/mm未満の吸収率を有するポリマである。第1のポリマの透過率及び吸収率は、第1のポリマ自体に関連しており、変換体の透過率には関連しないことに注意されたい。特に、(第1のポリマの)最大吸収率は、400ないし700nmの波長範囲全体にわたって20%/mm未満であり、更に特には10%/mm未満である。透過率(T)及び吸収率(A)は、A=1−To/Tiとして関連があり、ここで、Tiは(第1のポリマ又は変換体のような)アイテムに衝突する可視光の強度であり、Toは上記アイテムの他の側において抜ける光の強度である。
【0047】
本発明の実施形態では、上記ポリマ材料は、有利なことに、ポリエステルを有している。本発明の実施形態では、波長変換部分はペリレンから得られる。
【0048】
本発明の実施形態では、ポリマ骨格を有する上記ポリマ材料は、波長変換部分を有するランダムポリエステル共重合体を有しており、ランダムポリエステル共重合体は、以下の一般式n
1、n
2、n
3、n
4の少なくとも2つの異なる繰り返しユニットを有している。
ここで、上記繰り返しユニットはポリマ骨格の長さに沿ってランダムに分布し、AAは芳香族部分の以下の第1の群、すなわち、
から選択される。BBは、以下、すなわち、−(CH
2)
2−、−(CH
2)
4−又は
から選択され、CC及びDDは、以下の一般式I、II又はIII、すなわち、
の1つを有する波長変換部分である。ここで、G
1は、直鎖若しくは分岐アルキル基、酸素含有アルキル基C
nH
2n+1O
m(nは1から44までの整数であり、m<n/2)、Y又は結合基であり、A及びCのそれぞれは、独立して、水素、イソプロピル、t−ブチル、フッ素、メトキシ基又は非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)であり、B、J及びQのそれぞれは、独立して、水素、イソプロピル、t−ブチル、フッ素、メトキシ基、非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)又は結合基であり、G
2、G
3、G
4及びG
5のそれぞれは、独立して、水素、フッ素、メトキシ基、非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)、X又は結合基であり、D及びMのそれぞれは、独立して、水素、フッ素、メトキシ基又は非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)であり、E、I及びLのそれぞれは、独立して、水素、フッ素、メトキシ基、非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)又は結合基であり、T、T′、R、R′のそれぞれは、独立して、水素、イソプロピル、t−ブチル、フッ素、アルキルオキシ、アリールオキシ、シアノCO
2R
xOCOR
x又は非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)であって、R
xはアリール、飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)又は結合基であり、各波長変換部分は、G
1、G
2、G
3、G
4、G
5、E、I、L、B、J、Q、T、T′、R、R′の位置のいずれか2つに2つの結合基を有しており、上記結合基は、ランダム共重合体骨格のエステル及び/又はアルコール機能性部への波長変換部分の共有結合を与える。
【0049】
これにより、上記波長変換部分は、ランダム共重合体骨格に組み込まれる。
【0050】
ランダムポリエステル共重合体中の波長変換部分の含量は、一般式n
1及びn
3の繰り返しユニットの総量に対して波長変換部分を有する繰り返しユニット、すなわち、一般式n
2及びn
4の繰り返しユニットの量を制御することにより所望の通りに適合され得る。典型的には、ランダム共重合体骨格において、一般式n
1及びn
3の繰り返しユニットの総数は、一般式n
2及びn
4の繰り返しユニットの総数よりも大きく、これらの両方が波長変換部分を有している。
【0051】
本発明の実施形態では、ランダムポリエステル共重合体は、(上記に与えられているような)繰り返しユニットn
1、n
3及びn
4の混合物を有しており、繰り返しユニットは、ポリマ骨格の長さに沿ってランダムに分布されており、ポリマ骨格において、式n
1及びn
3の繰り返しユニットの総数は、式n
4の繰り返しユニットの総数よりも大きい。
【0052】
本発明の実施形態では、ランダムポリエステル共重合体は、(上記に与えられているような)繰り返しユニットn
1、n
2及びn
4の混合物を有しており、繰り返しユニットは、ポリマ骨格の長さに沿ってランダムに分布されており、ポリマ骨格において、式n
1の繰り返しユニットの総数は、式n
2及びn
4の繰り返しユニットの総数よりも大きい。
【0053】
本発明の実施形態では、ランダムポリエステル共重合体は、(上記に与えられているような)一般式n
1、n
2、n
3、n
4の少なくとも2つの異なる繰り返しユニットの繰り返しユニットを有しており、AAは、以下の、すなわち、
の芳香族部分である。
【0054】
本発明の実施形態では、ポリマ骨格を有する上記ポリマ材料は、波長変換部分を有するランダムポリオレフィン共重合体を有しており、ランダムポリオレフィン共重合体は、以下の一般式m
1及びm
2の少なくとも2つの異なる繰り返しユニットを有している。
ここで、X
1は、独立して、水素、フッ素、塩素、メチル基又はエチル基であり、X
2は、独立して、水素、メチル基、水酸化物、酢酸塩、ニトリル、C
6H
5又はCO
2C
nH
2n+1(nは1から16までの整数)であり、X
3は、以下の一般式I、II又はIII、すなわち、
の1つを有する波長変換部分である。ここで、G
1は、直鎖若しくは分岐アルキル基、酸素含有アルキル基C
nH
2n+1O
m(nは1から44までの整数であり、m<n/2)、Y又は結合基であり、A及びCのそれぞれは、独立して、水素、イソプロピル、t−ブチル、フッ素、メトキシ基又は非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)であり、B、J及びQのそれぞれは、独立して、水素、イソプロピル、t−ブチル、フッ素、メトキシ基、非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)又は結合基であり、G
2、G
3、G
4及びG
5のそれぞれは、独立して、水素、フッ素、メトキシ基、非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)、X又は結合基であり、D及びMのそれぞれは、独立して、水素、フッ素、メトキシ基又は非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)であり、E、I及びLのそれぞれは、独立して、水素、フッ素、メトキシ基、非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)又は結合基であり、T、T′、R、R′のそれぞれは、独立して、水素、イソプロピル、t−ブチル、フッ素、アルキルオキシ、アリールオキシ、シアノCO
2R
xOCOR
x又は非置換飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)であって、R
xはアリール、飽和アルキルC
nH
2n+1(nは1から16までの整数)又は結合基であり、上記繰り返しユニットは、ランダム共重合体の長さにわたってランダムに分布されており、ポリマ骨格において、式m
1の繰り返しユニットの数は式m
2の繰り返しユニットの数よりも大きく、各波長変換部分は、G
1、G
2、G
3、G
4、G
5、E、I、L、B、J、Q、T、T′、R、R′の位置のいずれか1つに1つの結合基を有しており、上記結合基は、−CH
2−、−O−又は−CO
2−の少なくとも1つを有し、それにより、ポリオレフィンのポリマ骨格に波長変換部分の共有結合を与える。
【0055】
それによって、上記波長変換部分は、ポリマ骨格に側鎖として結合される。
【0056】
ランダムポリオレフィン共重合体中の波長変換部分の含量は、一般式m
1の繰り返しユニットの総量に対して波長変換部分を有する繰り返しユニット、すなわち、一般式m
2の繰り返しユニットの量を制御することにより所望の通りに適合され得る。
【0057】
本発明の実施形態では、ランダムポリオレフィン共重合体は、(上記に与えられているような)一般式m
1及びm
2の少なくとも2つの異なる繰り返しユニットを有しており、X
1は、独立して、水素、塩素、メチル基であり、X
2は、独立して、C
6H
5、CO
2C
nH
2n+1(nは1から16までの整数)又はニトリルであり、X
3は、結合基がランダムポリオレフィン共重合体のポリマ骨格への波長変換部分の共有結合のために−CO
2−を有する波長変換部分である。
【0058】
本発明の一実施形態では、波長変換部分は、G
1、B、J又はQの位置の1つに1つの結合基を有する(上記に示されているような)一般式I又はIIの1つを有している。
【0059】
本発明の実施形態では、上記ポリマ材料は、(上記に与えられているような)一般式n
1、n
2、n
3及びn
4から又はm
1及びm
2から選択される第1の繰り返しユニットを有するとともに、一般式n
1、n
2、n
3及びn
4から又はm
1及びm
2から選択される第2の繰り返しユニットを有するランダムポリエステル又はランダムポリオレフィン共重合体を有しており、一般式n
2、n
4又はm
2の第1の繰り返しユニットは(上記に与えられているような)一般式I、II又はIIIの1つの第1の波長変換部分を有し、一般式n
2、n
4又はm
2の第2の繰り返しユニットは一般式I、II又はIIIの1つの第2の波長変換部分を有しており、第1及び第2の波長変換部分は異なっている。
【0060】
異なる光学特性を有する1つよりも多くのタイプの波長変換分子を用いることにより、変換される光のスペクトル組成が所望の通りにより都合よく適合され得る。
【0061】
本発明の実施形態では、ポリマ材料における波長変換部分の含量は、好ましくは、0.1重量%以下のような10重量%以下、例えば、1重量%以下である。上述したように、ポリマ材料における波長変換部分の望ましい含量は、一般式n
1、n
3及びm
1それぞれの波長変換部分を含まない繰り返しユニットの総数に対して波長変換部分を含む繰り返しユニット、すなわち、一般式n
2、n
4及びm
2それぞれの繰り返しユニットの総数を適合させることにより達成される。
【0062】
更に、「ランダムに分布する」という表現により、この出願の中では、ランダム共重合体を与えるランダム共重合に関して考えられるような統計的分布に従って分布していると理解されるべきである。
【0063】
上記のように、本発明は、(a)ルミネセンス部分を有する芳香族ポリエステル及び上記芳香族ポリエステルとは化学的に異なる第1のポリマを与えるステップと、(b)上記ルミネセンス部分を有する芳香族ポリエステルを上記第1のポリマに交ぜる(blend)ステップと、オプションで、得られた生成物を成形するステップとを有する変換体を与える方法も提供する。一実施形態では、上記ルミネセンス部分を有する芳香族ポリエステルは、ルミネセンス部分を有する架橋芳香族ポリエステルである。そのような実施形態では、芳香族ポリエステルは、粒子(架橋ポリマ粒子)としても与えられ得る。
【0064】
成形は、種々のやり方で行われ得る。一実施形態では、射出成形のような成形が適用される。一実施形態では、上記方法は、ルミネセンス部分を有する芳香族ポリエステルを第1のポリマに交ぜるステップと、得られた生成物を成形変換体に成型するステップとを有している。更に他の実施形態では、上記方法は、ルミネセンス部分を有する芳香族ポリエステル及び第1のポリマを成形変換体に成型するステップを有している。
【0065】
このやり方では、光をルミネセンスに変換する変換体であって、第1のポリマのマトリクスを有し、上記マトリクスはルミネセンス機能を持つ第2のポリマを有する離散的領域を含み、上記第2のポリマがルミネセンス部分を有する芳香族ポリエステルを有し、上記第1のポリマが上記芳香族ポリエステルとは化学的に異なる当該変換体が得られる。
【0066】
「実質的に全ての放射」又は「実質的に構成される」のような本明細書における「実質的に」という用語は、当業者には理解されるであろう。「実質的に」という用語は、「全部」、「完全に」、「全て」等を伴う具体例も含んでいる。従って、実施形態では、形容詞的な実質的には取り除かれ得る。適用可能である場合、「実質的に」という用語は、95%以上のような90%以上、特に99%以上、更に特には100%を含む99.5%以上にも関係がある。「有する」という用語は、「有する」という用語が「から成る」を意味する形態も含んでいる。
【0067】
更に、詳細な説明及び特許請求の範囲における第1、第2、第3等は、類似の構成要素を区別するために用いられており、必ずしも連続する順序又は発生順を説明するために用いられるものではない。そのように用いられている用語は適切な状況下において置き換え可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書中に説明されている又は示されている順序ではない他の順序で動作可能であることを理解されたい。
【0068】
本明細書におけるデバイスは、とりわけ動作中について説明されている。当業者には明らかであるように、本発明は、動作の方法又は動作中のデバイスに限定されるものではない。
【0069】
上述した実施形態は本発明を限定するものではなく説明しており、当業者であれば添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多数の代替の実施形態を考案することができることに注意されたい。特許請求の範囲では、括弧内に配されたいかなる参照符号もが特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。動詞「有する」及びその活用の使用は、特許請求の範囲において述べられている構成要素又はステップ以外の構成要素又はステップの存在を排除するものではない。構成要素の前に付された冠詞「a」又は「an」は、複数のそのような構成要素の存在を排除するものではない。本発明は、幾つかの別個の構成要素を有するハードウェア及び好適にプログラムされたコンピュータにより実現され得る。幾つかの手段を列挙しているデバイスの請求項では、これらの手段の幾つかがハードウェアの全く同一のアイテムにより具現化され得る。或る方策が互いに異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの方策の組み合わせが有利に用いられないことを示してはいない。
【0070】
本発明は、更に、詳細な説明において説明される及び/又は添付の図面に示される特徴的なフィーチャの1つ以上を有するデバイスに当てはまる。