(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290211
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】容器のための搬送スターホイール、容器搬送区間及び容器を処理するための設備
(51)【国際特許分類】
B65G 47/84 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
B65G47/84 B
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-526893(P2015-526893)
(86)(22)【出願日】2013年7月27日
(65)【公表番号】特表2015-524780(P2015-524780A)
(43)【公表日】2015年8月27日
(86)【国際出願番号】EP2013002230
(87)【国際公開番号】WO2014026732
(87)【国際公開日】20140220
【審査請求日】2016年7月25日
(31)【優先権主張番号】102012016124.7
(32)【優先日】2012年8月15日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598125028
【氏名又は名称】カーハーエス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ブルッフ・ベルント
(72)【発明者】
【氏名】クリュセラート・ルートヴィヒ
【審査官】
岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−533108(JP,A)
【文献】
実開昭62−095595(JP,U)
【文献】
特開2009−190784(JP,A)
【文献】
米国特許第05581975(US,A)
【文献】
実公昭50−024425(JP,Y1)
【文献】
特開2002−293398(JP,A)
【文献】
特表2010−514631(JP,A)
【文献】
米国特許第05081953(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/84−47/86
B65G 47/90−47/96
B65G 47/52、47/56−47/80
B07C 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直な機械軸(MA1〜MA4)を中心として回転駆動可能なロータ状の搬送要素(13)を有し、この搬送要素(13)に、容器(2)を保持するためのそれぞれ1つの容器キャリヤ(14)を備える複数の搬送位置(14.1)を有する、容器処理機械又は容器処理ユニット(3,4,5)を結合する容器搬送区間(8,10)上で瓶等の容器(2)を搬送するための搬送スターホイールにおいて、
容器(2)の汚染を回避する層流システムを形成するために、容器キャリヤ(14)の上、従って搬送位置(14.1)に配置された容器(2)の移動軌道の上に、蒸気状及び/又はガス状の無菌の媒体又は流体のための複数の出口(18)が設けられ、しかも容器(2)の容器外面に沿って上から下へ流体流を形成するために設けられていること、及び、出口(18)が、無菌の流体の供給及び分配をするための通路(16)の、搬送要素(13)と共に回転する穴付き板又はラミネータ板の形態の遮蔽板(17)に設けられ、出口(18)が、それぞれ複数の出口(18)のグループ(22)を構成する、及び/又は、出口(18)又はそのグループ(22)が、それぞれ搬送位置(14.1)の上だけに設けられていること、を特徴とする搬送スターホイール。
【請求項2】
グループ(22)の出口(18)が、それぞれ1つのリング構造体内に配置され、このリング構造体が、機械軸(MA1〜MA5)に対して平行に整向された、搬送位置(14.1)の軸を包囲すること、を特徴とする請求項1に記載の搬送スターホイール。
【請求項3】
出口(18)が、搬送位置(14.1)の移動軌道に沿って延在しかつ容器キャリヤ(14)に向かって開放したリング空間(16.1)内に設けられ、このリング空間内へ、搬送位置(14.1)に保持された容器(2)が、その容器開口(2.2)でもって到達すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の搬送スターホイール。
【請求項4】
無菌の流体の供給及び分配をするための通路(16)が、リング空間を構成する第1の通路部分(16.1)と、機械軸(MA1〜MA4)に対して半径方向又は実質的に半径方向に流体を分配するための、流体の流れ方向とは反対に第1の通路部分に続く第2の通路部分(16.2)と、流体を供給するための、機械軸(MA1〜MA4)と同軸に配置された第3の通路部分(16.3)とを備えること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送スターホイール。
【請求項5】
無菌の流体の供給及び分配をするための通路(16)が、少なくとも部分的に、機械軸(MA1〜MA4)の方向に搬送要素(13)から間隔を置いた第1の壁要素(20)と、機械軸(MA1〜MA4)の方向に、第1の壁要素(20)に対して低減された間隔を備えかつ搬送要素(13)と共に回転する又は搬送要素(13)の一部である第2の壁要素(21)との間に構成されていること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の搬送スターホイール。
【請求項6】
第1の壁要素(20)が、搬送要素(13)と共に回転しないように機械フレーム(8.1)に設けられていること、を特徴とする請求項5に記載の搬送スターホイール。
【請求項7】
第1及び/又は第2の壁要素(20,21)が、機械軸(MA1〜MA4)に対して半径方向又は実質的に半径方向に延在する又は円錐形でその円錐内側が搬送位置(14.1)の方向に整向されて形成された第1の壁部分(20.1,21.1)と、この第1の壁部分(20.1,21.1)の、機械軸(MA1〜MA4)に対して外側に位置する周縁に続きかつこの機械軸をリング状に包囲するように形成された少なくとも1つの第2の壁部分(20.2,21.2)とを備えること、及び、第2の壁部分(20.2,21.2)の間に、遮蔽板(17)の出口(18)を備えるリング空間(16.1)が構成されていること、を特徴とする請求項5又は6に記載の搬送スターホイール。
【請求項8】
リング空間(16.1)が、搬送スターホイール入口と搬送スターホイール出口で、機械軸(MA1〜MA4)に対して半径方向に開放していること、を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の搬送スターホイール。
【請求項9】
出口(18)を備える遮蔽板(17)が、搬送位置(14.1)の上のその標準位置から少なくとも部分的に離隔するために、少なくとも1つの部分領域内を、機械軸(MA1〜MA4)に対して移動可能な可動のセグメント(17.1)によって構成されていること、を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の搬送スターホイール。
【請求項10】
容器キャリヤ(14)がこれに付属する搬送位置(14.1)に配置された第1の標準位置と、容器キャリヤ(14)が搬送位置(14.1)の外側に存在する第2の位置との間を、少なくとも1つの容器キャリヤ(14)が移動可能であり、容器キャリヤの移動が、少なくとも1つのセグメント(17.1)の移動と共に行なわれること、を特徴とする請求項9に記載の搬送スターホイール。
【請求項11】
容器搬送区間(8,10)が、少なくとも1つの搬送スターホイール(9.1〜9.5)によって構成されている、少なくとも2つの容器処理機械又は容器処理ユニット(3,4,5)の間で瓶等の容器を搬送するための容器搬送区間において、
搬送スターホイールが、請求項1〜10のいずれか1項により形成されていること、を特徴とする容器搬送区間。
【請求項12】
容器引渡し領域(15)において、少なくとも2つの搬送スターホイール(9.1〜9.5)が互いに隣接し、容器搬送方向に連続する搬送スターホイール(9.1〜9.5)の、出口(18)を構成する遮蔽板(17)は、これら遮蔽板(17)の出口(18)が、容器引渡し領域(15)において互いにオーバーラップするように、即ち一致する又は実質的に一致するように設けられるように、機械軸(MA1〜MA4)の方向に位置ズレさせられていること、を特徴とする請求項11に記載の容器搬送区間。
【請求項13】
容器ブロー成形機械(3)及び充填機械(4)又は閉栓機械(5)又は相応のユニットの形態の少なくとも2つの容器処理機械又は容器処理ユニットと、容器処理機械又は容器処理ユニット(3,4,5)の間の少なくとも1つの容器搬送区間(8,10)とを有する、瓶等の容器(2)の製造及び/又は処理をするための設備において、
少なくとも1つの容器搬送区間(8,10)が、請求項11又は12により形成されていること、を特徴とする設備。
【請求項14】
層流システムが、容器処理機械の少なくとも1つ内で続いていること、を特徴とする請求項13に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による転送又は搬送スターホイールと、請求項12の上位概念による容器搬送区間と、請求項14の上位概念による容器の処理をするための設備とに関する。
【背景技術】
【0002】
異物パーティクル、例えば塵埃、細菌又は他の不所望の物質による容器の汚染を回避するために、充填中に容器を、周囲に対してハウジングによって切り離された空間内に配置し、この空間内で、上から下へ整向された、無菌の空気から成る層流の作用を与えることが公知である(独国特許出願公開第103 41 965号明細書)。
【0003】
設備の処理機械から容器搬送方向に後に続く容器処理機械へ容器を搬送するための容器処理機械又は容器処理ユニットの間の搬送区間も公知である。この場合に欠点であるのは、特に、空の又は充填されたまだ閉栓されてない容器が、例えば充填機械への又は充填機械からのその搬送中には、汚染に対して保護されていないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第103 41 965号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、容器搬送区間上での搬送中、容器搬送区間への引渡し時、及び容器搬送区間からの取出し時の容器の汚染を回避する、容器搬送区間を構成するための搬送スターホイールを示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するため、搬送スターホイールは、請求項1に応じて形成されている。容器搬送区間は、請求項12の対象である。容器の処理をするための設備は、請求項14の対象である。
【0007】
以下で無菌の流体と呼ばれ、特に無菌の空気である蒸気状及び/又はガス状の無菌の媒体のための出口は、特に搬送スターホイールもしくはそのロータと共に回転する層流システムを構成し、この層流システムによって、容器は、容器が搬送スターホイールによってもしくは容器搬送区間上を搬送されるときにも作用を受ける。層流システムは、容器の処理をするための設備においても、特に容器処理機械又は容器処理ユニットでも続くので、容器は、汚染を回避するために少なくとも、搬送時及び/又は処理時に容器がまだ閉栓されていないところではどこでも、無菌の流体の層流の作用を受ける。
【0008】
本発明の好ましい実施形態の場合、少なくとも1つの容器搬送区間が、容器の充填及び閉栓をするための設備の構成要素であり、これら容器は、設備内で、ブロー成形機械又はブロー成形による予備成形器から成る相応のユニットによって製造される。ブロー成形機械と容器搬送方向に続く充填機械又は相応の充填ユニットとの間の容器搬送区間と、充填機械と容器搬送方向に続く閉栓機械もしくは相応のユニットとの間の容器搬送区間も、それぞれ層流システムを有する少なくとも1つの本発明による搬送スターホイールによって構成されている。この層流システムは、処理機械又は処理ユニット内でも続くので、開放した容器は、少なくともブロー成形機械からの引受け以降は閉栓機械まで、一貫して、容器と共に移動する、無菌の流体の層流下にあり、これにより容器の汚染は、必ずその閉栓まで有効に阻止されている。
【0009】
無菌の流体のためのもしくはこの流体の層流を発生させるための出口は、搬送スターホイールと共に回転する遮蔽板もしくは相応の穴付き板又はラミネータ板に設けられているので、この遮蔽板に“全面”に出口を備えさせることは、必要ない。このため、本発明によれば、出口を搬送位置に集中させることが、しかも好ましくは、出口が、そこでそれぞれ複数の出縁のグループを構成し、これらグループが、その場合特にリング構造体内に機械軸に対して平行に整向された、当該搬送位置の軸を中心として配置されるようにすることが、提案される。
【0010】
搬送位置だけに出口を配置することにより、特に無菌の媒体の消費量の著しい低減が得られ、この無菌の媒体の流れは、搬送スターホイール又は容器搬送区間を備える設備の運転中に持続的に維持される。容器処理機械又は容器処理ユニットで層流システムを継続する場合、そこにも好ましくは、容器処理位置だけに無菌の流体のための出口を備える、回転する搬送要素(ロータ)と共に移動されるそれぞれ1つの遮蔽板が設けられている。
【0011】
“処理機械”は、本発明の意味では、容器の製造及び処理をするための、特に容器のブロー成形、殺菌、充填及び閉栓をするための機械、装置又はユニットである。
【0012】
“実質的”もしくは“ほぼ”との表現は、本発明の意味では、±10%だけ、好ましくは±5%だけのそれぞれ正確な値からの偏差及び/又は機能にとって些細な変化の形態の偏差があることを意味する。
【0013】
“無菌の”との表現は、本発明の意味では、無菌のと呼ばれる流体又は媒体が、細菌及び/又は汚れパーティクルのいずれも含んでいないことを意味する、又は、しかしながら“無菌の”との表現は、無菌のと呼ばれる媒体が、僅かな細菌及び/又は汚れパーティクルしか含んでいない、及び/又は、充填物の特性を考慮して充填物に損害を与える作用がないことを期待できるような細菌及び/又は汚れパーティクルしか含んでいないことを意味する。
【0014】
本発明の発展形、利点及び適用の可能性は、実施例の以下の説明及び図からもわかる。この場合、説明される及び/又は図示された全ての特徴は、請求項またはその引用請求項におけるその要約に依存せずに、単独で又は任意に組み合わせて基本的に本発明の対象である。また、それぞれの請求項の内容は、明細書の構成要素となされる。
【0015】
本発明を、以下で実施例の図に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】プラスチック瓶の形態の容器のブロー成形並びにこの瓶の無菌条件下での充填及び閉栓をするための設備の概略平面図
【
図2】容器の搬送方向に互いに隣接する、
図1の設備の容器搬送区間の2つの搬送スターホイールの簡略化した斜視図
【
図5】本発明の別の実施形態における容器搬送方向に互いに隣接する2つの搬送スターホイールの簡略化した斜視図
【
図6】
図5の両搬送スターホイールの一方の垂直断面図
【
図7】一運転状態の
図5の両搬送スターホイールの下からの斜視図
【
図8】異なった運転状態の
図5の両搬送スターホイールの下からの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
それぞれの図で一般に1で示した設備は、無菌条件下でのプラスチックボトル又はPETボトルの形態の容器2のブロー成形、充填及び閉栓をするために使用される。このため、設備1は、予備成形器を使用してブローすることによって容器2を製造するブロー成形機械3と、液状の充填物を容器に充填するための充填機械4と、充填された容器2の閉栓をするための閉栓機械5とを有し、容器は、次にこれに続く搬送スターホイール6を介して外側の搬送機7に転送される。ブロー成形機械3、充填機械4及び閉栓機械5は、例えば、機械全体のブロック化されたユニットでもある。
【0018】
容器搬送方向でブロー成形機械3もしくはそこの容器出口3.1と充填機械4もしくはそこの容器入口4.1との間に、容器搬送区間8が設けられ、この容器搬送区間は、図示した実施形態の場合、それぞれ1つの垂直な機械軸MA9もしくはMA10を中心として反対方向に回転駆動される2つのロータ状の搬送スターホイール9及び10によって構成されている。充填された容器の充填機械4もしくはその容器出口4.2から閉栓機械5への転送をするため、容器搬送区間10が設けられ、この容器搬送区間は、図示した実施形態の場合、垂直な回転軸MA3を中心として回転駆動される搬送スターホイール9.3のみによって構成されている。
【0019】
少なくとも搬送スターホイール9.1,9.2及び9.3は、特にそれぞれ同一に形成されている。更に、ブロー成形機械3、充填機械4、閉栓機械及び搬送スターホイール6及び9.1〜9.3は、好ましくは無菌室を周囲に対して切離すハウジング11内に収容されている。
【0020】
図2〜4は、容器搬送区間8を構成する両搬送スターホイール9.1及び9.2を詳細に示す。これら搬送スターホイールは、これに付属する垂直な機械軸MA1もしくはMA2を中心として回転駆動されかつ垂直な支柱12に回転可能に支承された例えばスポークホイール状のそれぞれ1つのロータ13から成り、その周囲には、機械軸MA1もしくはMA2を中心として均等な角度間隔で分配され、この機械軸から同じ半径方向の間隔を置いて、容器キャリヤとしてトング状のグリッパ又は保持クランプ14が設けられ、しかも、容器開口2.2の直下もしくはそこに設けられたネックリングの容器ネック2.1のところでそれぞれ1つの容器2を吊下げ保持するために設けられている。
【0021】
両搬送スターホイール9.1及び9.2のロータ13のクランプ14に対する“噛合い”を、これにより容器2の搬送スターホイール9.1から搬送スターホイール9.2への引渡しを可能にするため、これら搬送スターホイールのロータ13は、同期して反対方向に駆動されるだけでなく、搬送スターホイール9.1のクランプ14は、搬送スターホイール9.2のクランプ14とは違う水平面内に存在し、即ち、図示した実施形態の場合、搬送スターホイール9.1のクランプ14は、搬送スターホイール9.2のクランプ14の水平面の若干下に位置する水平面内に配置されている。
【0022】
無菌条件下での容器搬送区間8に沿った容器2の搬送を達成するため、即ちブロー成形機械3において無菌で製造された容器2内への異物パーティクルもしくは汚れ及び/又は細菌の侵入を回避するため、容器は、容器搬送区間8に沿った搬送中、常時、
図3に矢印Aで示したような上から下へ整向された、無菌流体の層流の、例えば無菌の空気の層流の作用を受ける。無菌流体の供給及び分配をするため、通路16が設けられ、この通路は、容器2又はクランプ14の運動軌道の上の通路部分16.1と共に、それぞれの機械軸MA1もしくはMA2をリング状に包囲するリング空間を構成し、このリング空間へ、該当する搬送スターホイール9.1もしくは9.2もしくは底のクランプ14に保持された容器2が、上の容器領域2.1及び容器開口2.2でもって到達し、リング空間内の容器開口2.2の運動軌道の上に、無菌流体のための多数の出口18を備える穴付き板又はラミネータ板の形態の遮蔽板が配置されている。
【0023】
通路16は、更に、通路部分16.2と通路部分16.3を構成し、この通路部分を介して、無菌流体が、運転中持続的に供給され、この通路部分は、それぞれの機械軸MA1もしくはMA2と同軸に配置されている。通路部分16.3は、実質的にチューブ19によって構成されている。機械軸MA1もしくはMA2に対して半径方向に、この機械軸から出発して斜め下方へ延在する通路部分16.2は、上のフード状の壁要素20と下の同様にフード状の壁要素21の間に構成され、下のフード状の壁要素は、該当するロータ13と結合されている。引渡し領域15において互いに移行する又は互いに結合された並びに容器搬送区間8の機械フレーム8.1に保持された両フード状の壁要素20は、それぞれ、機械軸MA1もしくはMA2に対して内側に位置して通路部分16.3を構成するチューブ19に移行する、該当する機械軸MA1もしくはMA2に対して円錐状に形成された上の壁部分20.1と、引渡し領域15並びに容器搬送区間8の容器入口及び容器出口において中断された、該当する機械軸MA1もしくはMA2をリング状に包囲する、下方へ離れた壁部分20.2とから成る。各下の壁要素21は、それぞれの機械軸MA1もしくはMA2に対して円錐状の壁部分21.1と、この機械軸を円形リング法に包囲する、壁部分20.2と共にそれぞれの通路部分16.1を横から制限する下方へ整向された壁部分21.2とを有する。壁部分21.2に、円形リング状のラミネータ板17が固定されているので、このラミネータ板は、壁要素21と同様に該当するロータ13と共に回転する。
【0024】
搬送スターホイール9.1及び9.2の両ラミネータ板17は、更にまた、異なった水平面内に配置され、しかも、図示した実施形態の場合、搬送スターホイール9.2のラミネータ板17が、搬送スターホイール9.1のラミネータ板17の平面の上の平面内に配置されているので、両ラミネータ板17は、引渡し領域15において垂直な方向に上下に配置されて互いに傍らを移動することができる。
【0025】
特に
図2及び4が示すように、出口18は、クランプ14を備える容器搬送位置14.1がそれぞれ構成されているところにだけに設けられている又は実質的にそこだけにしか設けられていない。詳細には、出口18は、更に、これら開口が、各搬送位置14.1に、リング状及び篩状に形成された、多数の出口18の装置又はグループ22を構成するように配置され、各グループ22は、機械軸MA1もしくはMA2に対して平行に整向された、搬送位置14.1の軸をリング状に包囲し、この軸内に、搬送位置14.1に保持された容器2も、その軸が配置されている。
【0026】
各グループ22は、更に、出口を経て流出する流体が少なくとも、主に該当する容器2の外面に沿って上から下へ流れ、全く又は実質的に全く容器2の内部空間へ達しないように形成されている。グループ22の形成は、また更に、搬送位置14.1が引渡し位置15に達した時には常に、そこで両ラミネータ板17の出口18が、一致する又は実質的に一致するように配置され、これにより、上から下への無菌流体の邪魔されることのない流出が可能であるように行なわれている。
【0027】
搬送スターホイール9.3は、搬送スターホイール9.1又は9.2と同様に形成されている。容器搬送区間10が容器搬送方向に連続する複数の搬送スターホイールから成るのであれば、これら搬送スターホイールは、搬送スターホイール9.1及び9.2に応じて互いに隣接する。
【0028】
前記のことは、容器搬送区間8が、容器搬送方向に連続する2つの搬送スターホイール9.1及び9.2だけから成ることを前提とした。相応の容器搬送区間が、容器搬送方向に互いに隣接する3つの又はしかしながら3つより多くの搬送スターホイールによって構成される形成も可能である。この場合、その場合には、容器搬送方向に別の引渡し領域15において搬送スターホイール9.2に別の搬送スターホイール9.1が続き、この別の搬送スターホイールに、例えば別の搬送スターホイール9.2等が続く。
【0029】
図5〜8は、別の実施形態として容器搬送区間8を示し、この容器搬送区間は、容器搬送方向に連続する、互いに隣接する両搬送スターホイール9.1及び9.2から成り、例えば容器処理機械、例えば充填機械の容器入口を構成する搬送スターホイール9.4は、ラミネータ板17が複数のセグメント17.1から成り、これらセグメントが、それぞれ搬送スターホイール9.4の垂直な機械軸MA4に対して半径方向に移動可能であり、しかも、標準位置でありかつ開口18もしくはそのグループ22がこれに付属する搬送位置14.1の上の通路部分16.1内に存在する第1の外側位置と、それぞれのセグメント17.1が機械軸MA4に対して、2重矢印Bで示したようにセグメント17.1が開口18もしくはそのグループ22と共に通路部分16.1の外側及びリング状の壁部分22.2の内側に存在するまで、半径方向内側に向かって移動される第2の位置との間で移動可能であることによって、搬送スターホイール9.2とは異なる。セグメント17.1は、図示した実施形態の場合は、バネ手段23によって外側位置へ予荷重を受けている。それぞれのセグメント17.1の内側位置への移動は、例えばアクチュエータ又は操作要素24によって行なわれ、この操作要素は、例えば空気圧シリンダであり、セグメント17.1に設けられた連行体25と協働し、例えば搬送スターホイール9.4と充填機械4の間の容器引渡しの領域4.1に存在する。このため、ロータ13は、適切なセグメント17.1と共に、操作要素24が配置されている角度位置へ回転され、この角度位置に停止されるので、次に、操作要素24と共にセグメント17.1は内側位置へ移動させることができる。ラミネータ板17のこの特にセグメント化された形成により、特に、搬送スターホイール9.4のクリーニング及び/又は消毒時並びに設備1の構成要素、例えば充填機械4の接続時に利点が生じる。従って、例えば、充填機械4のCIPクリーニング及び/又はCIP殺菌時に、容器搬送区間8から充填機械4への容器引渡しの領域4.1内で、ラミネータ板17は、あるいは、充填機械4の充填要素にCIPクリーニング及び/又はCIP殺菌のために設けられた洗浄キャップ又は他の蓋と衝突するかもしれない。その場合、これは、搬送スターホイール9.4と充填機械4の間の容器引渡しの領域4.1に配置された該当するセグメント17.1の移動によって回避される。
【0030】
図9は、別の可能な実施形態として搬送スターホイール9.5を示し、この搬送スターホイールは、更にまた2重矢印Bで示したように、それぞれのセグメント17.1以外に、このセグメントに付設されたクランプ14も機械軸MA5に対して外側位置(標準位置)と、クランプ14が壁要素21の下に存在する内側位置との間を移動可能である。このため、クランプ14は、例えば機械軸MA5に対して半径方向に移動可能にロータ13に案内され、リングセグメント26及びリンク装置27を介して連行体25と駆動結合されている。より詳細には、それぞれのセグメント17.1及びこれに付設されたクランプ14は、一緒にのみ又はしかしながらまた互いに依存せずに移動させることができる。
【0031】
本発明の好ましい実施形態の場合、層流システムは、それぞれの容器処理機械、即ちブロー成形機械3、充填機械及び閉栓機械5でも続くので、容器2は、その製造から閉栓まで持続的に上から下への無菌流体の流れの作用を受ける。このため、ブロー成形機械3、充填機械4及び閉栓機械5の場合も、容器2の上に少なくともそれぞれ1つの遮蔽板17.2が設けられ、この遮蔽板は、例えばラミネータ板17に一致し、容器処理機械の回転する搬送要素又はロータと共に移動され、ロータによって、容器搬送位置及び/又は容器処理位置に配置された容器2は、ブロー成形機械3、充填機械4及び閉栓機械5内を搬送される。その場合、遮蔽板17.2は、特にこれら機械の容器搬送位置及び/又は容器処理位置だけ又はこれら位置に集中的に、出口18に応じた、無菌流体のための出口を備える。
【0032】
本発明を前記のように実施例で説明した。発明の根底にある発明思想から離れることなく、変更並びに変容が可能であることがわかる。
【0033】
従って、例えば、穴付き板又はラミネータ板17を、部分領域にだけ半径方向に移動可能なセグメント17.1として形成することが可能であり、しかしながらその場合には、適切な搬送スターホイールを、例えばCIPクリーニング及び/又は殺菌のために、少なくともクリーニングすべき及び/又は殺菌すべき容器処理機械(例えば充填機械)と搬送スターホイール9.5の間のオーバーラップ領域又は引渡し領域が、この搬送スターホイールのラミネータ板17から自由に保たれるように、角度を正確に位置決めすることが必要である。
【0034】
更に、当然、他の搬送スターホイールのラミネータ板も少なくとも1つの移動可能なセグメント17.1を有するように形成する可能性がある。
【0035】
更に、容器クランプ14の代わりに、基本的には他の容器キャリヤも使用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 設備
2 容器
2.1 容器ネック
2.2 容器開口
3 ブロー成形機械
3.1 容器出口
4 充填機械
4.1 容器入口
4.2 容器出口
5 閉栓機械
6 搬送スターホイール
7 搬送機
8 容器搬送区間
8.1 機械フレーム
9.1〜9.5 搬送スターホイール
10 容器搬送区間
11 ハウジング
12 支柱
13 ロータ
14 容器クランプ
14.1 搬送位置
15 引渡し領域
16 通路
16.1〜16.3 通路部分
17 遮蔽板又は穴付き板又はラミネータ板
17.1 セグメント
17.2 遮蔽板又は穴付き板又はラミネータ板
18 開口
19 チューブ
20 壁要素
20.1,20.2 壁部分
21 壁要素
21.1,21.2 壁部分
22 開口装置
23 バネ手段
24 操作要素
25 連行体
26 リングセグメント
27 リンク装置
MA1〜MA5 垂直な機械軸
A 層流
B セグメント17.1の移動ストローク