(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電気システム、例えば自動車の電気システムの電気図をグラフィックス生成することを見込んで、後に使用されることが意図されるデータのセットを処理する方法であって、
データベースから得られるモデルをコンピュータに送信するステップ(E1)であって、前記モデルは、前記電気システムの構成部品の識別子のリストを含み、構成部品の識別子ごとに、生成される電気図における前記構成部品の位置を含む、ステップと、
前記生成される電気図の構成を前記コンピュータによって決定するステップ(E2)であって、前記構成は複数のコネクタを備える、ステップと、
前記コンピュータにより、前記複数のコネクタの少なくとも1つのコネクタを各構成部品に関連付けるステップ(E3)と、
前記生成される電気図のトポロジーを前記コンピュータにより決定するステップ(E4)であって、前記トポロジーは連結要素を含み、各連結要素は少なくとも2つのコネクタを連結する、ステップと
を含む方法。
各構成部品に少なくとも1つのコネクタを関連付けるステップ(E3)が、前記決定されたトポロジーから得られるデータと、提供された前記モデルとに基づいて1つまたは複数のコネクタを配置するステップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
構成部品のレベルにおける、全く同じ連結要素に関連付けられたコネクタのうち少なくとも1つのコネクタの配置は、当該連結要素の長さを最小にするように実施されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
第1の連結要素が、第1の構成部品の第1のコネクタおよび第2の構成部品の第2のコネクタに関連付けられ、前記第1の構成部品のレベルにおける前記第1のコネクタの配置が、前記第1のコネクタが前記第1の構成部品に結合される第1の結合点と、前記第2のコネクタが前記第2の構成部品に結合される第2の結合点との間の距離が最小になるように実施されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
各連結要素に重みを割り当てるステップを含み、前記割り当てられる重みは、当該連結要素に関連付けられたin−outの数に等しく、各連結要素のin−outの数は、決定された電気図のトポロジーに包含されていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
前記電気図の2つの連結要素が1つの共通の分岐を共有し、前記方法が、関連付けられた分岐を介して少なくとも3つの対応するコネクタを連結することが意図される少なくとも1つのユニオンを配置するステップを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
プログラムがコンピュータによって実行されると請求項1から9のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するのに適したコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、上記で挙げた欠点を改善する解決法を提案することである。
【0006】
この目的は、電気システム、例えば、自動車の電気システムの電気図をグラフィックス生成することを見込んで、後に使用されることが意図されるデータのセットを処理する方法を通じて対処され、前記方法は、
データベースから得られるモデルをコンピュータに送信するステップであって、前記モデルは、電気システムの構成部品の識別子のリストを含み、構成部品の識別子ごとに、生成される電気図における前記構成部品の位置を含む、ステップと、
生成される電気図の構成をコンピュータによって決定するステップであって、前記構成は複数のコネクタを備える、ステップと、
コンピュータにより、複数のコネクタのうち少なくとも1つのコネクタを各構成部品に関連付けるステップと、
生成される電気図のトポロジーをコンピュータにより決定するステップであって、前記トポロジーは連結要素を含み、各連結要素は少なくとも2つのコネクタを連結する、ステップと
を含む。
【0007】
好ましくは、決定される構成は、電気図の複数の構成の中から選定される。
【0008】
特定の実装によると、各構成部品に少なくとも1つのコネクタを関連付けるステップは、決定されたトポロジーから得られるデータと、提供されたモデルとに基づいて1つまたは複数のコネクタを配置するステップを含む。例えば、構成部品のレベルにおける、全く同じ連結要素に関連付けられたコネクタのうち少なくとも1つのコネクタの配置は、当該連結要素の長さを最小にするように実施される。
【0009】
別の例によると、第1の連結要素が、第1の構成部品の第1のコネクタおよび第2の構成部品の第2のコネクタに関連付けられ、第1の構成部品のレベルにおける第1のコネクタの配置は、第1のコネクタが第1の構成部品に結合される第1の結合点と、第2のコネクタが第2の構成部品に結合される第2の結合点との間の距離が最小になるように実施される。
【0010】
特定の実行モードによると、第1の重みの第1の連結要素が、第1の構成部品の第1のコネクタおよび第2の構成部品の第2のコネクタに関連付けられ、第2の重みの第2の連結要素が、第1の構成部品の第1のコネクタおよび第3の構成部品の第3のコネクタに関連付けられ、第1のコネクタの配置は、重みが最大の連結要素の長さを最小にするように実施される。
【0011】
有利には、上記方法は、各連結要素に重みを割り当てるステップを含み、前記割り当てられる重みは、当該連結要素に関連付けられたin−outの数に等しく、各連結要素のin−outの数は、決定された電気図のトポロジーに包含されている。
【0012】
例えば、電気図の2つの連結要素が1つの共通の分岐を共有し、上記方法は、関連付けられた分岐を介して少なくとも3つの対応するコネクタを連結することが意図される少なくとも1つのユニオンを配置するステップを含む。
【0013】
好ましくは、ユニオンは、前記ユニオンに関連付けられた分岐の長さを短縮するように配置される。
【0014】
本発明は、電気図をグラフィックス生成する方法にも関し、この方法は、
上記のような方法に従って処理方法を実装するステップと、
上記処理方法から得られたデータに基づいて、それらデータを描画装置、詳細には画像形態またはベクトル形態で紙またはデジタル印刷を行う装置に送信することにより、電気システムの電気図をグラフィックス生成するステップと
を含む。
【0015】
本発明は、プログラムがコンピュータによって実行されると上記方法のような方法のステップを実施するのに適したコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムにも関する。
【0016】
他の利点および特徴は、非制限的な例として与えられ、添付図面に表される以下の本発明の特定の実施形態の説明からより明らかになろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書の説明では、「電気システム」とは、例えば、特に車両の電気的機能を提供することが意図されるシステムを意味するものと理解される。したがって、電気システムは、非制限的な例として、空調、電動ウィンドウ、ディスプレイ、電動パーキングブレーキ等から選択されることができる。電気システムは、コネクタを介した構成部品の相互接続を定義する、入出力とも呼ばれるin−outの形態の電気的接続のリストに関連付けられた複数の構成部品を含む場合がある。通例、構成部品は当該システム内で所定機能を生成することができ、システムはコンピュータやセンサ等を伴う可能性がある。in−outは、構成部品に関連付けられることが意図されるコネクタの定義、およびそれらコネクタを相互に連結することが意図される連結要素の定義に関与する場合がある。実際、in−outは、電気システムに使用される構成部品間の接続だけを、詳細にはコネクタとユニオンで記述する。
【0019】
自動車の分野を例として挙げるが、この難しい課題は、グラフィックス生成される電気図、詳細には電気キャビネットや家庭用電気製品等に関連する図であればどの種類の図でも同じである。したがって、本発明は自動車の電気システムに限定されない。
【0020】
図1に示すように、電気システムの電気図をグラフィックス生成することを見込んで後に使用されることが意図されるデータのセットを処理する方法は、データベースから得られるモデルがコンピュータに送信されるステップE1を含むことができる。このモデル(テンプレート)は、電気システム、例えば自動車の電気システムの構成部品の識別子のリストを含み、構成部品の識別子ごとに、生成される電気図におけるその構成部品の位置を含む。実際、ここで送信されるものはデータベース(ライブラリとも呼ばれる)のレコードを含むことができ、レコードのフィールドはそれぞれ、構成部品の識別子に対応するオブジェクトと、配置座標を含むオブジェクトとを表す。ここで重要な点として、それらのレコードにより、対象の電気的機能を保証できる構成部品のセットで各電気的機能を定義することが可能になる(例えば、エアバッグシステムに関連付けられた構成部品のリスト、または空調システムに関連する構成部品のリストがある)。それらの配置座標は、当該電気システムの電気図が作図されるべきページに対応する基準点に関連付けることができる。好ましくは、モデルは、当該電気システムの電気図の一部を形成する識別子、および電気図のそのページにおけるそれら構成部品の位置だけを含む。
【0021】
モデルは、一般に、電気システムの機能の管理者の同意および検証を得て、ライブラリの管理者によって作成される。
【0022】
本方法はさらに、生成される電気図の構成がコンピュータによって決定されるステップE2を含むことができる。構成は複数のコネクタを備える。電気図の構成は、例えば当該電気システムについて、コネクタのリストおよびそのコネクタと構成部品との関連付けを含むデータベースに基づいて決定することができる。実際、電気システムについて、構成部品のリストは、データベース内での前処理に応じて、関連付けられたコネクタと、in−outのリストとで補うことができる。特定の例によると、データベースは、以下の関係に従ってコネクタの識別子を構成部品の識別子に関連付けるレコードを含み、関係は、所与のコネクタ識別子は1つの構成部品識別子に関連付けられ、構成部品識別子は1つまたは複数の異なるコネクタ識別子に関連付けることができるというものである。好ましくは、決定される構成は、電気図の複数の構成の中から選択される。実際、同じ性質の2つの電気システムが異なる構成を有する場合があり、すなわち、全く同じ構成部品リストを含むが、異なるコネクタおよび/またはin−outのリストを含む場合がある。例えば、最も低価格のモデルの空調と最高級モデルの空調は同じ性質であるが構成が異なる2つの電気システムであり、そのため、同じ場所に配置された同じ構成部品を含む可能性があるが、それら構成部品間の連結は異なり、その結果、最高級モデルの空調の機能性の中には最も低価格のモデルの空調では稼働されないものがあり、言い換えると、同じモデルを使用してそれら2つのレベルの空調を表すことができる。
【0023】
構成を介してコネクタが決定されると、本方法は、コンピュータにより、上記複数のコネクタのうち少なくとも1つのコネクタを各構成部品に関連付けるステップE3を含む。関連付けの結果は既知である場合もあり、その場合は、データベースの単純な読み出しによって関連付けを行うことによって構成部品/コネクタの関連付けのリストを判定する。好ましくは、複数のコネクタの各コネクタが構成部品に関連付けられる。この関連付けにより、例えば、コネクタごとに、そのコネクタを対応する構成部品に結合する点を計算または決定することも可能になり、結合点の座標は、提供されるモデルから得られる構成部品の位置に依存する。好ましくは、データベースは、構成部品ごとに、各々がコネクタと協働することが意図される結合点のリストも含む。特定の例によると、データベースは、以下の関係に従って構成部品の識別子を結合点の位置(すなわち座標)に関連付けるレコードを含み、関係は、所与の構成部品識別子は1つまたは複数の異なる位置(すなわち座標)に関連付けることができる、というものである。データベースがそのようなレコードを含まない場合、それらの結合点の位置は、詳細にはモデルから得られる前記構成部品の位置に基づいて計算することができる。はじめに、各構成部品の各コネクタを結合点に無順序で割り当てることができる。その後、コネクタの最良の配置を可能にする最適化が見られる。そのような関連付けはデータベースのレコードに基づいて決定することができ、各レコードは、電気図の参照、より正確には生成される電気図の構成の参照、構成部品の識別子、およびコネクタ識別子を含む。それらレコードをモデルのデータと相互参照することにより、生成すべき電気図を少なくとも部分的にデジタル的に定義することが可能になる。
【0024】
最後に、本方法は、生成する電気図のトポロジーをコンピュータにより決定するステップE4を含むことができ、前記トポロジーは連結要素を含み、各連結要素は、好ましくはそれぞれが違う構成部品に関連付けられた少なくとも2つのコネクタを連結する。このステップE4により、コネクタ同士がどのように連結されるかを決定することができる。トポロジーは、例えば、決定された構成に応じて、詳細にはin−outに基づいてデータベースから抽出されることができる。言い換えると、トポロジーは、各々が2つのコネクタの識別子と連結要素識別子とを含む、データベースのレコードに基づいて決定されることができる。それらのレコードを、モデルのデータ、および構成部品とコネクタ間の関連付けに関連するレコードと相互参照することにより、生成される電気図をデジタル的に補うことが可能になる。
【0025】
したがって、本方法は、データベースを含む少なくとも1つの記憶媒体とインターフェースをとるコンピュータにより実施することができる。そして、コンピュータは、データベースからデータを抽出する、かつ/または、作成もしくは修正により前記データを投入することができる。
【0026】
さらに、電気図は要素のセットの中から選定することができ、各要素は電気図を表す。この場合、処理方法は、セットの中から処理される要素に関連する識別子を判定するステップを含むことができ、その識別子により、処理すべき適切なモデルを選定することができる。
【0027】
したがって、本方法の過程でコンピュータによって処理されるデータは、生成しようとする電気図のすべての特性を含むデジタルオブジェクトを構成するように処理できることが理解される。デジタルオブジェクトが構成されると、本方法は、デジタルオブジェクトをデータベースに格納するステップを含むことができる。そのようなデジタルオブジェクトの利点は、記憶の点で操作が容易であり、また改良したい場合に修正が容易であることである。
【0028】
したがって、構成部品の識別子のリストおよびそれらの配置、複数のコネクタ、コネクタと構成部品および電気図のトポロジーとの関連付けは、デジタルオブジェクトに付加される属性とすることができる。言い換えると、本方法は、上記の属性を含むデジタルオブジェクトを形成するステップを含むことができる。その目的は、本方法の終了時に、時間損失を生じさせる改変を制限しながらデジタルオブジェクトを描画できるようにすることである。実際、グラフィックスの修正は、無視できない所要時間の検証プロセスを伴う。言い換えると、有利な点として、処理方法のステップはデジタルのみのステップであり、コンピュータによって実施され、詳細には、将来生成される電気図のグラフィックスを改変するステップである。詳細には、改変ステップは、将来生成されるグラフィックス電気図で少なくとも2つの連結要素が交差するのを回避するために、コネクタに関連付けられた構成部品のレベルでコネクタの位置を改変することができる。
【0029】
上記の本方法によるデータの処理を説明するために、
図2に、モデルが送信されるステップに基づいてグラフィカルに得られる内容の表現を示す。この
図2では、構成部品は配置されており、それぞれ各自の識別子で示されたブロック1218、1219、1220、1221、1222、1337、および597で表される。さらに、
図3に、モデルを提供するステップの結果と、構成と構成部品/コネクタ間の関連付けの判定を可能にするデータとの相互参照を示す。同図では、コネクタ(この例では必要上A、B、C、Dと表される)と、構成部品1218、1219、1220、1221、1222、1337、および597との関連付けが見てとれる。さらに、
図3ではユニオンH2−H3、H3−H4、およびH3−H5が見てとれ、このユニオンにより特定の連結要素が共通部分およびスプライスZを持つことができ、それにより連結要素を長くすることができる。所望のトポロジーが適用されると、
図4の図で示される対応関係の表が得られる。
図4では、各種要素の配置は比較的恣意的であり、すなわち機能的ではあるが、人間工学的に最適化されていない。その結果、一部の構成連結要素が交差しているために、この形態の電気図はなお読みにくい可能性がある。
図4の時点では、配置はデータベースにしかなく、グラフィカルでない。つまり、コネクタA、B、C、およびDは単に構成部品1222に結び付けられているだけと言える。
【0030】
したがって、任意選択ではあるが優先的な方式で、電気図のグラフィカルな作製のさらに上流で、処理方法を介してコネクタおよび/またはユニオンの改良された配置パラメータを決定することを試みて、そのデータを利用することによって最も読みやすい可能性のある電気図を直接描画できるようにする。電気図の読みやすさという難しい課題は、販売後サービスを行う作業所に多大な影響を示す。言い換えると、コネクタの最終的な座標は決定されるトポロジーに依存する。詳細には、電気図の作図を受けることが意図されるページの基準点におけるコネクタの座標は、電気図を作図する際に連結要素の交差数を最小にするように、電気図のトポロジーに基づいて決定されると考えることができる。
【0031】
したがって、電気図を構成する要素の将来のグラフィカルな位置決めを予想して上記のデジタルオブジェクトが修正/改変されると考えることができる。
【0032】
したがって、少なくとも1つのコネクタを各構成部品に関連付けるステップE3は、決定されたトポロジーから得られるデータと提供されるモデルとに基づいて1つまたは複数のコネクタを配置するステップを含むことができる。例えば、コネクタの位置決めを可能にするトポロジーから得られるデータは、少なくとも1つの連結要素の長さ、すなわち、2つのオブジェクト、詳細にはその連結要素で連結された2つのコネクタまたは構成部品間の距離、および/または少なくとも2つの連結要素に割り当てられる重みに関連する。実際、重みは、2つのコネクタまたは構成部品を連結する連結要素に関連付けられる。
【0033】
詳細には、第1の位置決め規則に従い、構成部品のレベルにおける、1つの同じ連結要素に関連付けられたコネクタのうち少なくとも1つのコネクタの配置は、その連結要素の長さ、すなわち接続される2つのオブジェクト間の距離を最小にするように実施される。言い換えると、第1の連結要素は、第1の構成部品の第1のコネクタおよび第2の構成部品の第2のコネクタに関連付けることができ、第1の構成部品のレベルにおける第1のコネクタの配置は、第1のコネクタが第1の構成部品に結合される第1の点と、第2のコネクタが第2の構成部品に結合される第2の点との間の距離が最小になるように実施することができる。結合点は、例えば上記のようにデータベースに記憶された事前に決められた座標を持つことができ、または、例えば、コネクタに対する唯一の制約は、将来作製されるグラフィックス上でそのコネクタが関連付けられた構成部品と接することであるという意味で、計算により決定することができる。
【0034】
第1の規則と組み合わせられる場合も組み合わせられない場合もあり、特定の曖昧性を解消する利点を示す第2の規則に従い、各連結要素が、重み(
図4および
図5では、重みは2つのコネクタまたはユニオンとコネクタを連結する連結要素の近くにある数字に対応する)、詳細には2つのコネクタ間のin−outの数に依存する重みに関連付けられる。したがって、1つまたは複数のコネクタの配置は、少なくとも2つの連結要素の重みの値に依存する可能性がある。第2の規則の実装の好ましい例によると、第1の重みの第1の連結要素は、第1の構成部品の第1のコネクタおよび第2の構成部品の第2のコネクタに関連付けることができ、第2の重みの第2の連結要素は、第1の構成部品の第1のコネクタおよび第3の構成部品の第3のコネクタに関連付けられ、その結果、第1のコネクタの配置は、重みが最大の連結要素の長さを最小にするように実施される。この例で、第1、第2、および第3の構成部品は好ましくはそれぞれ違う構成部品である。この第2の規則の結果、処理方法は、各連結要素に重みを割り当てるステップを含むことができ、前記割り当てられる重みは前記連結要素に関連付けられたin−outの数に等しく、各連結要素のin−outの数は、決定された電気図のトポロジーに包含されている。
【0035】
第2の規則の特定の実装によると、本方法は、連結要素を各自の重みに応じて順位付けするステップを含み、コネクタを配置するステップは、その順位の順序に従って実施される。例えば、順位の中で順位の第2位よりも上にある第1の連結要素に関連付けられたコネクタのうち少なくとも1つのコネクタの配置は、順位の位置が第1の連結要素よりも高い少なくとも1つの第2の連結要素に関連付けられた1つまたは複数のコネクタのすでに行われた配置を考慮して実施される。順位付けはここでは必須ではないため、省略してもよく、実際、順位付けは、ごく単純に、対象となる図に関連するコネクタであってデータベース中で入手可能なコネクタのリストを取り出し(リストは関連付けられた構成部品の識別子の昇順でソートされている)、次のように処理を行うことを伴う可能性がある。すなわち、各トリプレット(Component_1のConnector_1,Component_2のConnector_2,重み)について、データベース内での構成部品_1と構成部品_2の様々な「結合点」間の「距離」を使用することにより、上記の2つの規則に従って、各「結合点」に配置すべき「最良の」コネクタが計算される。リストにある2つのコネクタ間で衝突がある場合(すなわち、同じ結合点にある2つのコネクタ)は、配置された第1のコネクタがその場所を得ることになり、第2のコネクタはこの場合は同じ規則に従って次によい場所に置かれる。
【0036】
第1の規則および/または第2の規則の結果、作図がより明瞭でより読みやすいグラフィックス図が得られる。通例、構成部品1222のコネクタAおよびCに第1および第2の規則を適用すると、
図4の配置から
図5の配置に推移することができる。これら2つの規則を単独で、または組み合わせて適用すると、コンピュータのサイクルの経済性という難しい課題に対処することができる。
【0037】
当業者は、連結要素の合計長さを全般的に制限し、連結要素の交差等を回避するように、構成部品のレベルでコネクタの決定的かつ最適な配置を生成することを可能にする他の種類の順位付けを決定することができよう。
【0038】
生成しようとする電気図では、連結要素はすべて違っている場合も、または共通の部分を共有する場合もある。例えば、連結要素はユニオンH2−H3、H3−H4、H3−H5(
図3〜
図5)を含む場合があり、そのことにより少なくとも2つの連結要素の一部を融合することができ、またスプライスZ(
図3〜
図5)を含む場合があり、そのことにより連結要素を長くすることができる。ユニオンは、有利には、構成部品と同じ規則に従って処理される(ユニオンの結合点は左側および右側それぞれの真ん中に位置する)。スプライスに関しては、方法の最後のステップでグラフィックス上に直接配置されるため、特有の処理はない。
【0039】
ユニオンの存在は、電子電気アーキテクチャ分野の当業者によって決められ、連結されるコネクタの数に関連しない。
図4では、電気図の2つの連結要素が1つの共通の分岐を共有しており、本方法は、関連付けられた分岐を介して少なくとも3つの対応するコネクタを連結することが意図される少なくとも1つのユニオンを配置するステップを含むことができる。したがって、関連付けられた各種の分岐はすべてそのユニオンに向かって収束して、各々が一方ではコネクタの1つに連結され、他方ではユニオンに連結される。好ましくは、この配置は、前記ユニオンに関連付けられた分岐の長さ、詳細には合計または平均が最小になるか短縮されるように行われる。電気図がいくつかのユニオンを含む場合、それらのユニオンは、上記で与えられた2つの規則の原理を適用することによって配置することができる。さらに、第1および第2の規則を適用することにより、ユニオンH3−H5およびH3−H4が
図4から
図5のように配置し直されている。上記の例に戻ると、ユニオンが第1および/または第2の規則で対象とされるコネクタの1つにとって代わることができ、詳細には第1のコネクタにとって代わることができる(言うまでもなく、その場合、そのユニオンは第1の構成部品には関連付けられず、例えば、対応する連結要素で第1の構成部品の第1のコネクタに連結されることが意図されることが理解される)。
【0040】
さらに、
図6に示すように、処理方法は、連結要素を特徴づけて、連結要素の全体または一部を伝搬する各信号の導線Fを生成できるようにするステップを含むことができる。各導線は、該当する場合は、コネクタまたはユニオンの接続端子に関連付けることができる。さらに、この
図6ではスプライスZも適切に置かれている。
【0041】
上記から、本処理方法の実装により、後に、理想的な電気図または理想に近い電気図を非常に迅速に得られるようになることが理解される。そのような処理方法は、一般に、最初にデータを編成して作製したい1つまたは複数の電気図をリストできるようにした後、かつ、グラフィックス作図する前に実施される。
【0042】
言い換えると、電気図をグラフィックス生成する方法は、上記のようなデータのセットを処理する方法を実装するステップと、前記処理方法で得られたデータ(詳細には上記のデジタルオブジェクト)に基づいて、それらのデータを描画装置、詳細には画像形態またはベクトル形態でデジタル紙印刷を行う装置に送信することにより、電気システムの電気図をグラフィックス生成する(すなわちページ上に作図する)ステップとを含むことができる。
【0043】
本発明に関する上記の内容すべてにより、些少な修正があってもグラフィックス生成される図はそのまま適切な図になるため、電気図の生成において大幅な時間の節約が可能になる。さらに、コネクタの適切な配置を生成することにより、電気システムを表す図の品質とその読みやすさを向上させることができる。検査の諸面は、最大で80%もの無視できない時間の節約を示している。
【0044】
図7に示される処理方法の特定の例によると、処理方法の入力データは、電気システムおよびそれらのin−outのリストE101であり、その入力データに基づいてモデルのライブラリが作成されるE102。言い換えると、各モデルが1つの電気図に対応することができる。各モデルは、構成部品の識別子のリストと、生成される図におけるそれら構成部品の配置を含む。その後、各電気システムとモデルとの間の対応関係E103が確立され、詳細には構成を決定する。この対応関係が確立されると、各電気システムが以下のように処理されるE104。
− 入力データに応じて、コネクタ、詳細には省略可能なユニオンおよびスプライスが構成部品に追加されE105、
− コネクタ間に連結要素が追加されてE106、2つのコネクタ間の電気信号の存在を示し、
− 各連結要素に重みが割り当てられE107、前記重みはその連結要素に関連付けられたin−outに依存し、
− 上記で詳しく説明した第1および第2の規則を適用することにより、コネクタの最終的な配置が計算されE108、
− 各コネクタのピンに接続される信号を配設することにより各連結要素が処理されるE109。
【0045】
今回処理された電気システムが最後の電気システムである場合は、データセットを処理する方法を終了し(ステップE110のYESの出力)、そうでない場合はステップE104への出力に戻り(ステップE110のNOの出力)、新しい電気図に関連付けられた新しいデータセットを処理する。好ましくは、リストの電気システムはすべて異なり、例えばリストは、エアバッグや車両ブレーキなど、機能が異なるシステム、または2つのエアバッグシステムなど機能は類似するがin−outが異なるシステムを含むことができる。そのことにより同じことを二度実施することを回避することができる。
【0046】
好ましくは、描画しようとする各構成部品は記号に関連付けられる。その記号は、各々がコネクタを受けることが意図される結合点の1つまたは複数の位置を含むことができる。それらの結合点の座標は、対応する構成部品の位置および関連付けられた記号の形状に応じて計算することができる。各記号はデジタルオブジェクトに付加することができる。記号は、動的作成モードまたは事前定義された作成モードに関連付けることができる。動的作成モードでは、電気図をグラフィカルに作図する瞬間に記号の形状を作成することができるのに対し、事前定義された作成モードでは、すでに描画された記号をデータベース、詳細には責任者の監督下にある記号のライブラリから取り出すことができる。そのことにより、データベースでいわゆる「標準的な」記号を非効率に管理することを回避することができ、また、複雑な内部描画を包含する複雑な記号を除いて動的な作成を選ぶことが可能になる。
【0047】
本発明は、コンピュータにより読み取ることが可能なデータ記録媒体にも関し、データ記録媒体上には、上記の処理方法のステップまたは上記のグラフィックス生成する方法のステップを実装するためのコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムが記録されている。
【0048】
本発明は、プログラムがコンピュータによって実行されると上記の処理方法のステップまたは上記のグラフィックス生成する方法のステップを実施するのに適したコンピュータプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムにも関する。
【0049】
さらに、装置、詳細には自動車を保守点検する方法は、診断システムを装置につなぐステップと、装置の故障した電気システムを特定するステップと、上記の電気図をグラフィックス生成する方法で生成される電気図など、対応する電気図を表示するか、または紙に印刷するステップとを含むことができる。