特許第6290277号(P6290277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290277
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】回折光学部材
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/18 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   G02B5/18
【請求項の数】13
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-36014(P2016-36014)
(22)【出願日】2016年2月26日
(62)【分割の表示】特願2013-231708(P2013-231708)の分割
【原出願日】2009年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-118805(P2016-118805A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2016年2月26日
(31)【優先権主張番号】12/153,214
(32)【優先日】2008年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503178185
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】NORTHROP GRUMMAN SYSTEMS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア エリオット ローゼンバーグ
【審査官】 渡邉 勇
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/045655(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0084598(US,A1)
【文献】 特開2002−341125(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0085128(US,A1)
【文献】 特開平11−258413(JP,A)
【文献】 特開平06−265710(JP,A)
【文献】 特開2008−042796(JP,A)
【文献】 特開2002−189112(JP,A)
【文献】 特表2005−521107(JP,A)
【文献】 特開2002−184690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/18
G02B 5/30 − 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を有した光反射性基板を備え、前記上面は、パターンにエッチングされ、前記パターンは、定数である幅Wをそれぞれ有した周期的な溝の表面パターンを含み、前記周期的な溝の表面パターンにおける前記溝はいずれも前記幅Wを有し、前記幅Wはすべての前記溝に亘って一定であり、
前記パターンは、連続的な深さプロファイルh(x)を有し、xは、前記幅Wに亘って変化する幅方向の座標であり、
前記パターンは、波長λを有した入射光ビームが前記光反射性基板の上面に照射される場合に、前記入射光ビームが反射され、複数の回折光ビームに分離されるように形成され、
前記複数の回折光ビームは、複数の第1回折ビームと、複数の第2回折ビームとを含み、
前記第1回折ビームの最大パワーと最小パワーは、前記第1回折ビームの平均パワーの少なくとも10%だけ異なり、
前記複数の第1回折ビームは、前記入射光ビームのパワーの90%以上のパワーを合計で有する最小の回折次数の複数の回折光ビームとして選択され、
前記複数の第2回折ビームは、前記回折光ビームから前記複数の第1回折ビームを除いた全てとして選択され、
前記複数の第1回折ビームは、90%以上の結合効率ηを提供するように選択され、
前記結合効率ηは、下記の[数1]に等しく、
Piは、i番目の回折光ビームのパワーであり、
iは、前記回折光ビームの回折次数を表わす整数であり、
前記回折次数−N,・・・−2,−1,0,1,2,…Nは、前記第1回折ビームに対応し、前記連続的な深さプロファイルh(x)は、
h(x)=(λ/(4π))・φ(x)、
φ(x)=tan−1(2cos(kx))、
=2π/W
を満たす、反射性回折光学部材。
【数1】
【請求項2】
前記第1回折ビームの最大パワーと最小パワーは、前記第1回折ビームの平均パワーの少なくとも40%だけ異なる、
請求項1記載の反射性回折光学部材。
【請求項3】
前記結合効率ηは、前記光反射性基板の上面に入射する互いに等しい入力パワーの複数本の入射光ビームを、単一の出力ビームになるように結合する効率を示し、
前記結合効率ηは、前記第1回折ビームの最大パワーと最小パワーが前記第1回折ビームの平均パワーの10%未満だけ異なる場合に、前記入射光ビームのパワーで除算された前記第1回折ビームのパワー合計である第1総計効率よりも大きい、
請求項1記載の反射性回折光学部材。
【請求項4】
前記反射性回折光学部材は更に、前記光反射性基板の上面に亘って形成された一または複数の反射性コーティング層を備え、
前記一または複数の反射性コーティング層は、前記一または複数の反射性コーティング層の露出表面が前記パターンを維持するように施される、
請求項1記載の反射性回折光学部材。
【請求項5】
前記深さプロファイルは、一方向に沿って深さが変化する一次元のプロファイルであるか、または二方向に沿って深さが変化する二次元のプロファイルである、
請求項1記載の反射性回折光学部材。
【請求項6】
前記パターンの溝は、10度の最大傾斜で前記光反射性基板の上面に沿った場所に設けられる、
請求項1記載の反射性回折光学部材。
【請求項7】
前記反射性回折光学部材は更に、前記光反射性基板の下面に取付けられた冷却部材を備え、
前記下面は前記上面とは反対側にある、
請求項1記載の反射性回折光学部材。
【請求項8】
上面を有した光透過性基板を備え、前記上面は、パターンにエッチングされ、前記パターンは、定数である幅Wをそれぞれ有した周期的な溝の表面パターンを含み、前記周期的な溝の表面パターンにおける前記溝はいずれも前記幅Wを有し、前記幅Wはすべての前記溝に亘って一定であり、
前記パターンは、連続的な深さプロファイルh(x)を有し、xは、0からWまで変化する幅方向の座標であり、
前記パターンは、波長λを有した入射光ビームが前記光透過性基板の上面に照射される場合に、前記入射光ビームが前記光透過性基板を通過し、複数の回折光ビームに分離されるように形成され、
前記複数の回折光ビームは、複数の第1回折ビームと複数の第2回折ビームを含み、
前記第1回折ビームの最大パワーと最小パワーは、前記第1回折ビームの平均パワーの
少なくとも10%だけ異なり、
前記複数の第1回折ビームは、前記入射光ビームのパワーの90%以上のパワーを合計で有する最小の回折次数の複数の回折光ビームとして選択され、
前記複数の第2回折ビームは、前記回折光ビームから前記複数の第1回折ビームを除いた全てとして選択され、
前記複数の第1回折ビームは、90%以上の結合効率ηを提供するように選択され、
前記結合効率ηは、下記の[数2]に等しく、
Piは、i番目の回折光ビームのパワーであり、
iは、前記回折光ビームの回折次数を表わす整数であり、
前記回折次数−N,・・・−2,−1,0,1,2,…Nは、前記第1回折ビームに対応し、
し、前記連続的な深さプロファイルh(x)は、
h(x)=(λ/(2π(n−1)))・φ(x)、
φ(x)=tan−1(2cos(kx))、
=2π/W
を満たす、透過性回折光学部材。
【数2】
【請求項9】
前記第1回折ビームの最大パワーと最小パワーは、前記第1回折ビームの平均パワーの少なくとも40%だけ異なる、
請求項8記載の透過性回折光学部材。
【請求項10】
前記結合効率ηは、前記光透過性基板の上面に入射する互いに等しい入力パワーの複数本の入射光ビームを、単一の出力ビームになるように結合する効率を示し、
前記結合効率ηは、前記第1回折ビームの最大パワーと最小パワーが前記第1回折ビームの平均パワーの10%未満だけ異なる場合に、前記入射光ビームのパワーで除算された前記第1回折ビームのパワー合計である第1総計効率よりも大きい、
請求項8記載の透過性回折光学部材。
【請求項11】
前記透過性回折光学部材は更に、前記光透過性基板の上面に亘って形成された一または複数の非反射性コーティング層を備え、
前記一または複数の非反射性コーティング層は、前記一または複数の非反射性コーティング層の露出表面が前記パターンを維持するように施される、
請求項8記載の透過性回折光学部材。
【請求項12】
前記深さプロファイルは、一方向に沿って深さが変化する一次元のプロファイルであるか、または二方向に沿って深さが変化する二次元のプロファイルである、
請求項8記載の透過性回折光学部材。
【請求項13】
前記パターンの溝は、10度の最大傾斜で前記光透過性基板の上面に沿った場所に設けられる、
請求項8記載の透過性回折光学部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に回折光学部材に関する。特に本発明は、複数の入力ビームを、単一の出力ビームに効率的に結合するように構成された回折光学部材およびその設計方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回折光学部材(DOE:Difractive optical element)は、選択された波長の光を、部材の物理的性質によって定義される特定位置に転送する物理要素である。典型的には、これらの回折光学部材は、単一の光ビームを複数の光ビームに分離するために使用される。そのような従来の回折光学部材スプリッタは、バーコードスキャナ、コンパクトディスク、または様々なレーザスキャニング装置のような用途においてしばしば使用される。
【0003】
回折光学部材は、反射性または透過性である。反射性回折光学部材スプリッタは、1本の入射光ビームを受けて、複数のビームとして反射する。一方、透過性回折光学部材は、1本の入射光ビームを受けて、複数のビームとして回折させるように回折光学部材を通過させることを可能にする。
【0004】
回折光学部材スプリッタは、入射ビームを多数の回折次数に実際に分離すると共に、より高い反射次数は、一般にはパワーを減じる。しかし、いかなる与えられた回折光学部材スプリッタの用途が、これらの反射次数のすべてを使用するとは限らない。むしろ、回折光学部材スプリッタは、特定の数の第1出力ビームで設計される。これらの第1出力ビーム(つまり第1回折)は、それらのパワーレベルを非常に類似した回折光学部材設計によって制御される一方、残りの出力ビーム(つまり第2回折)は、パワーレベルを出来るだけ低くされる。しかし、全体の回折次数の部分集合だけが出力ビーム(つまり第1だけ)として使用されるので、回折光学部材は、それらの効率上の固有範囲を有する。未使用ビーム(つまり第2回折)に回折される任意のパワーは、失われ、その回折光学部材の効率を100%未満に低下させる。
【0005】
回折光学部材スプリッタの用途では、第1回折のためのパワーの均一性(つまり分離ビームの最大許容変化量)に関して適正に要求される必要条件がある。換言すれば、回折光学部材スプリッタは、互いに非常に類似したパワーレベルを有したビームの多数を出力するように要求される。一般に、これらの用途では、回折ビームのパワーにおけるピーク間変化量を数%よりも小さくする。
【0006】
或る種類の従来の回折光学部材スプリッタは、単純な2進法設計に基づく。換言すれば、そのような回折光学部材スプリッタは、単一のエッチング深さを有する急角度壁の溝のパターンに基づく。これらの2進法の回折光学部材スプリッタは、典型的には、比較的僅かな効率(たとえば〜80%の範囲)を有する。多段エッチング深さを使用する交互の回折光学部材スプリッタ設計が推奨されている。しかし、これらもまた、エッチングパターン用の急角度壁を備える。また、それらは、典型的には、効率を約90%までにだけ上昇させることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「Numerical Recipes in C」、W.H.Pressら著、第2版、Cambridge University Press発行、1992年。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これら従来の回折光学部材スプリッタで使用される表面パターンは、不連続的なエッチングプロファイルであり、それは、表面エッチング後に続いて回折光学部材上に追加層を蒸着させる機能を制限する。その結果、反射性回折光学部材が使用される場合には、不連続的にエッチングされた形状は、反射性能を低下させることがある。なぜならば、厚い高反射コーティング(典型的には、5μmまたはそれ以上の厚さ)は、不連続部分または大きな傾斜領域の近傍のエッチング面形状に倣わないからである。同様の問題は、非反射性コーティングが施されることがある透過性回折光学部材にも生じる。
【0009】
従って、より高い効率を達成でき、性能を低下させずにエッチング後での追加層の蒸着を可能にする回折光学部材を提供することが望ましい。更に、コンバイナ用途に適した回折光学部材を提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明は、回折光学部材装置、およびその回折次数の均一性に鈍感な設計方法を提供する。この回折光学部材は、最大で数度の傾斜を有する非常に徐々に傾斜した表面を有する。徐々に傾斜した表面により、回折光学部材は、エッチング形状に倣い、従って高効率を維持する低吸収コーティングで覆うことができる一方で、非常に高いパワー操作を可能にする。
【0011】
提供される反射性回折光学部材は、上面を有した光反射性基板を備える。上面は、パターンにエッチングされ、パターンは、周期または幅Wをそれぞれ有した周期的な溝の表面パターンを備える。パターンは、連続的な深さプロファイルh(x)を有する。xは、幅Wに亘って変化する幅方向の座標である。パターンは、入射光ビームが光反射性基板の上面に照射される波長λを有する場合に、入射光ビームが反射して複数の回折光ビームに分離されるように形成される。複数の回折光ビームは、複数の第1回折ビームと複数の第2回折ビームを含む。第1回折ビームは、90%を超える第1総計効率を有し、第1総計効率は、入射光ビームのパワーで除算された第1回折ビームのパワー合計である。複数の第2回折ビームは、10%未満の第2総計効率を有する。第2総計効率は、入射光ビームのパワーで除算された第2回折ビームのパワー合計である。第1回折ビームの最大パワーと最小パワーは、第1回折ビームの平均パワーの少なくとも10%だけ異なる。
【0012】
第1回折ビームの最大パワーと最小パワーは、第1回折ビームの平均パワーの少なくとも40%だけ異なることも可能である。
反射性回折光学部材では、等しいパワーの複数本の入射光ビームを結合するための結合効率ηは、第1回折ビームの最大パワーと最小パワーが第1回折ビームの平均パワーの10%未満だけ異なる場合に、第1総計効率よりも大きい場合がある。結合効率ηは、下記の[数1]に等しい。
【0013】
【数1】
【0014】
は、i番目の回折光ビームのパワーである。iは、回折光ビームの回折次数を表わす整数である。回折次数1,2,…Nは、第1回折ビームに対応する。
反射性回折光学部材は、光反射性基板の上面に亘って形成された一または複数の反射性コーティング層を更に備えることが可能である。一または複数の反射性コーティングは、前記一または複数の反射性コーティングの露出表面がパターンを維持するように施される。
【0015】
プロファイルは、一方向に沿って深さが周期的に変化する一次元のプロファイル、または二方向に沿って深さが周期的に変化する二次元のプロファイルのうちの1つであることが可能である。パターンの溝は、10度の最大傾斜で光反射性基板の上面に沿った任意の場所に設けられることが可能である。
【0016】
反射性回折光学部材は、光反射性基板の下面に取付けられた冷却部材を更に備え、下面は、上面とは反対側にある。
更に、提供される透過性回折光学部材は、上面を有した光透過性基板を備える。上面は、パターンにエッチングされ、パターンは、幅Wをそれぞれ有した周期的な溝の表面パターンを含む。パターンは、連続的な深さプロファイルh(x)を有する。xは、0からWまで変化する幅方向の座標である。パターンは、波長λを有した入射光ビームが光透過性基板の上面に照射される場合に、入射光ビームが光透過性基板を通過して、複数の回折光ビームに分離されるように形成される。複数の回折光ビームは、複数の第1回折ビームと複数の第2回折ビームを含む。第1回折ビームは、90%を超える第1総計効率を有し、第1総計効率は、入射光ビームのパワーで除算された第1回折ビームのパワー合計である。複数の第2回折ビームは、10%未満の第2総計効率を有し、第2総計効率は、入射光ビームのパワーで除算された第2回折ビームのパワー合計である。第1回折ビームの最大パワーと最小パワーは、第1回折ビームの平均パワーの少なくとも10%だけ異なる。第1回折ビームの最大パワーと最小パワーは、第1回折ビームの平均パワーの少なくとも40%だけ異なることも可能である。
【0017】
透過性回折光学部材では、等しいパワーの複数本の入射光ビームを結合するための結合効率ηは、第1回折ビームの最大パワーと最小パワーが、第1回折ビームの平均パワーの10%未満だけ異なる場合に、第1総計効率よりも大きい場合がある。結合効率ηは、下記の[数2]に等しい。
【0018】
【数2】
【0019】
は、i番目の回折光ビームのパワーである。iは、回折光ビームの回折次数を表わす整数である。回折次数1,2,…Nは、第1回折ビームに対応する。
透過性回折光学部材は、光透過性基板の上面に亘って形成された一または複数の非反射性コーティング層を更に備えることが可能である。一または複数の非反射性コーティングは、前記一または複数の非反射性コーティングの露出表面がパターンを維持するように施される。
【0020】
プロファイルは、一方向に沿って深さが変化する一次元のプロファイル、または二方向に沿って深さが変化する二次元のプロファイルのうちの1つであることが可能である。パターンの溝は、10度の最大傾斜で光透過性基板の上面に沿った任意の場所に設けられることが可能である。
【0021】
複数本の入射光ビームを1本の出射ビームに結合する回折光学部材を、基板に形成する
方法が提供される。その方法は、複数本の入射光ビームに対してそれぞれ現在のN位相の組を選択することであって、それぞれ入射光ビームは、単一の複素指数関数と位相の調波によって表わされることと;現在のN位相の組に基づき、出射ビームに対する結果としての複素合計フィールドを決定することであって、出射ビームは、N調波の複素指数関数の合計を含むことと;結果としての複素合計フィールドの単一周期に亘って、複素合計フィールドの平均振幅を決定することを備える。更に方法は、平均振幅の最大値に対する最適化基準を、満足するか否か判定することと;最大基準を満足する場合に、最適化された連続的な回折光学部材の位相遅れを決定することとを含む。最適化された連続的な回折光学部材の位相遅れは、所定周期に亘る結果としての、最適化された複素合計フィールドのラジアンでの位相である。更に方法は、複数本の入射光ビームの波長λに基づき、単一周期に亘るエッチング深さプロファイルを決定することであって、エッチング深さプロファイルh(x)は、ラジアンでの位相と比例定数の積に等しいことと;波長λの関数として、回折光学部材に対する比例定数を決定することとを備える。更に方法は、波長λに基づき、エッチングプロファイルの幅Wと複数本の入射光ビーム間の分離角度θを決定することと;および、基板上に表面プロファイルを形成するように、周期的な一連の溝で基板の上面をエッチングすることとを含む。それぞれ溝は、エッチング深さプロファイルと幅Wによって定義される。Nは、複数本の入射光ビームの多数に対応する整数である。xは、0からWまで変化する幅方向の座標である。表面プロファイルは、連続的である。
【0022】
回折光学部材は、反射性回折光学部材であることが可能であり、比例定数は、λ/(4π)である。回折光学部材は、透過性回折光学部材であることが可能である。比例定数は、λ/(2π(n−1))であり、nは、基板の屈折率である。周期は、約λ/θであることが可能であり、ラジアンで計測される。
【0023】
本方法は更に、最大基準を満足しない場合、複数本の入射光ビームに対して新しいN位相の組をそれぞれ選択することと;および、現在のN位相の組を新しいN位相の組に等しくさせることとを含むことが可能である。
【0024】
新しいN位相の組の選択として、シンプレックス推定操作、擬似熱アニール、またはGerchberg−Saxton操作のうちの1つを使用して実行可能である。
結果としての合計フィールドを決定するか、平均振幅を決定するか、および最大基準を満足するか否か判定する操作は、最大基準を満足するまで複数のN位相の組に対して反復可能である。
【0025】
本方法は、基板の上面をエッチング後で、基板の上面に亘って一または複数のコーティングを蒸着させることを更に含むことが可能である。一または複数のコーティングの露出表面は、表面プロファイルを維持する。一または複数のコーティングは、反射性コーティングまたは非反射性コーティングであることが可能である。
【0026】
表面プロファイルは、一方向に沿って深さが変化する一次元のプロファイルであるか、または二方向に沿って深さが変化する二次元のプロファイルであることが可能である。溝は、10度の最大傾斜で光反射性基板の上面に沿った任意の場所に設けられることが可能である。
【0027】
本方法は、冷却部材を基板の下面に取付けることを更に含み、下面は、上面とは反対側にある。
同様の参照符号が同一または機能的に同様の部材を個別の図の全体に亘って参照する添付の図面は、下の詳細な記述と共に、本明細書に組み込まれ、且つ、その部分を形成し、様々な実施形態を更に例示し、且つ、本発明に係る様々な原理と利点すべてについて説明する役目をなす。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態に係る、透過性回折光学部材コンバイナの操作図。
図2】本発明の実施形態に係る、反射性回折光学部材コンバイナの操作図。
図3】本発明の実施形態に係る、5本の入力ビームを有した回折光学部材コンバイナに対する、周期的位相変化と溝形状のグラフ。
図4】本発明の実施形態に従って設計された、1:5透過性回折光学部材に対する、理想的なパワー対回折次数のグラフ。
図5】本発明の実施形態に係る、図3の溝を使用した、5本の入力ビームに対する回折光学部材コンバイナの断面図。
図6】本発明の実施形態に係る、幾つかのコーティング層を蒸着した、図3の溝を使用した、5本の入力ビームに対する回折光学部材コンバイナの断面図。
図7】本発明の実施形態に係る、回折光学部材の表面のエッチング処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、本発明の一または複数の実施形態を行なうベストモードを可能にするする方法について、更に説明するために提供される。本開示は、本発明を如何なる方法に限定するものではなく、その創造性のある原理と利点のための理解と認識を向上させるために更に提示される。本発明は、この出願の係属中になされる如何なる補正、および発行されるそれらの特許請求の範囲のすべての均等物を含む添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0030】
「第1」と「第2」のような関係語の使用(もしあれば)は、1つの実体、部材、または作用を別のものと区別するためにだけ使用され、そのような実体、部材、または作用の間の如何なる実際のそのような関係を必ずしも要求せず、また、意味しないことが更に理解される。幾つかの実施形態は、複数の処理または段階を含むことが可能であり、それらは、特定の順番に明示的且つ必然的に限定されなければ、任意の順番に実行可能であり、つまりそのように限定されていない処理または段階は、任意の順番に実行可能であることを注記しておく。
【0031】
出願人は、同様の参照符号が同様の構成部材を参照する下の図面を参照し、単一の参照符号は、複数の同様の構成部材のうちの典型的な1つを識別するために使用されることがある。
【0032】
[回折光学部材]
回折光学部材(DOE)は、スプリッタとして(つまり単一の入射ビームを複数の出力ビームに分離するために)しばしば使用されるが、更に、それらは、コンバイナとして逆に(つまり複数の入力ビームを単一の出力ビームに結合するために)使用可能である。ビーム結合用途では、複数の光ビームは、回折光学部材に投射され、回折光学部材は、単一の第1光ビームに、それらを反射するか(反射性回折光学部材)、または、それらを透過する(透過性回折光学部材)。効率的に結合するために、ビームは、正確に選択された相対位相を持ち、コヒーレントでなければならない。また、回折光学部材の操作が数学的に対称であるため、1本の入力ビームと、N本の出力ビームを持つように設計された回折光学部材スプリッタが、N本の正確に位相配置された入力ビームを1本の出力ビームにコヒーレントに結合するために逆に使用されることもできることは本技術分野では周知である(逆も同様である)。
【0033】
図1は、本発明の開示された実施形態に係る、透過性回折光学部材110(透過性回折光学部材コンバイナ)の操作図である。図1に示すように、与えられた波長λの複数本の
入射光ビーム121,122,123,124,および125は、透過性回折光学部材110(透過性回折光学部材コンバイナ)上の共通点上に重複する。これらの入射光ビーム121,122,123,124,および125は、透過性回折光学部材110を通過し、それらは、入力パワーの殆どを有する単一の透過された出力光ビーム130を生成するように回折される。示されていないが、透過性回折光学部材110は、第2出力光ビームの殆どを非常に小さなパワーレベルで有する。
【0034】
図2は、本発明の実施形態に係る反射性回折光学部材コンバイナ210の操作図である。図2に示すように、与えられた波長λの複数本の入射光ビーム221,222,223,224,および225は、反射性回折光学部材コンバイナ210上の共通点上に重複する。これらの入射光ビーム221,222,223,224,および225は、反射性回折光学部材コンバイナ210に反射され、それらは、入力パワーの殆どを有する単一の反射された出力光ビーム230を生成するように回折される。示されていないが、反射性回折光学部材コンバイナ210は、第2出力光ビームの殆どを非常に小さなパワーレベルで有する。
【0035】
上で注記したように、回折光学部材コンバイナは、回折光学部材スプリッタとして逆に作用する。ちょうど回折光学部材スプリッタの単一の入力ビームが複数の回折次数(つまり第1回折と第2回折)を生成する場合に、回折光学部材コンバイナにおける複数の入力ビームもまた、それぞれ、複数の回折次数を生成する。しかし、入力ビームのすべてに対するこれら複数の回折次数間の建設的干渉と非建設的干渉のために、回折光学部材コンバイナに対する出力パワーの殆どは、単一の出力ビームに導かれる。しかし、望まない回折次数の形態で回折光学部材コンバイナから出力されるパワーは、依然として存在する。その結果、同等の回折光学部材スプリッタのように、回折光学部材コンバイナもまた、100%未満の効率を有するであろう。当業者は、それがスプリッタとして使用されるか、または、正確に位相配置され、且つ、逆の第1ビーム(つまり結合ビームの相対的なパワーが、スプリッタとして使用される場合に回折光学部材によって生成された第1ビームと同じ比率を有する)を有するコンバイナとして逆に使用されるかに拘わらず、与えられた回折光学部材の効率が同じであることが数学的に示すことができることを理解するであろう。
【0036】
[回折光学部材効率]
回折光学部材スプリッタは、使用しない第2回折によるパワー損失に基づき分離効率ηsplittingを有する。一例として、単一の入力ビームとN本の出力ビーム(つまりN本の第1回折に対応する)を備えた1:Nの回折光学部材スプリッタを考える。この回折光学部材スプリッタは、入力ビームの一部が使用しない第2回折に回折されることに基づきその分離操作に対する効率損失を有し、従って、もはやN本の所望の出力ビームではないであろう。
【0037】
解析の目的のために、入力ビームがパワーPinを有し、N本の出力ビームがそれぞれパワーPと振幅Eを有する(ここでは、P=E)。分離効率ηsplittingは、N本の第1回折のパワー合計(つまり下記の[数3])を、第1回折と第2回折のすべてのパワー合計(つまり下記の[数4])によって除算することによって定まる。換言すれば、下記の[数5]で示される式(1)のようになる。
【0038】
【数3】
【0039】
【数4】
【0040】
【数5】
・・・式(1)
【0041】
iは、1から∞まで変化する回折次数のすべての指数であり、i=1からi=Nは、第1次数を表わす。この例では、正の指数1〜Nは、単純にするためにのみ使用され、正と負の回折次数0,±1,±2などの従来の番号付けを含むことを意味する。
【0042】
単純にするために、この解析と下記の解析は、すべての非回折損失を無視し(つまり下記の[数6])1本の第1回折ビーム当たりの平均パワーを1に正規化する(つまり下記の[数7])。
【0043】
【数6】
【0044】
【数7】
【0045】
記号<・・・>は、Nの第1次数に対する平均値を意味する。
勿論、回折光学部材が分離と結合に対して対称であるため、もし回折光学部材スプリッタの操作が正確に逆であったならば、それは、分離効率ηsplittingと同一である結合効率ηcombiningで操作可能である。しかし、そうするには、回折光学部材コンバイナは、回折光学部材スプリッタの複数の出力ビームに対するパワー比率と同じであったその複数の入力ビームに対する正確な位相とパワー比率を維持しなければならない。しかし、回折光学部材コンバイナの入力パワー比率が回折光学部材スプリッタに対する対応した出力パワー比率と一致するようには完全に平衡を保たれない場合、結合効率ηcombiningは、平衡効率ηbalanceに基づき更に低減されるであろう。換言すれば、下記の式(2)のようになる。
【0046】
ηcombining=ηsplitting・ηbalance ・・・式(2)
回折光学部材コンバイナの入力パワー比率が回折光学部材スプリッタに対する対応した出力パワー比率と一致するように完全に平衡を保たれる場合(つまりそれぞれ入力ビームの相対的なパワーが回折光学部材スプリッタの対応する出力ビームに対する相対的なパワーと同じである場合)、平衡効率ηbalanceは、一致に等しい。回折光学部材コンバイナの入力パワーが回折光学部材スプリッタに対する対応した出力パワーから離れるように移動する場合に、平衡効率ηbalanceは、減少する。しかし、平衡効率ηbalanceの低下は、大きなパワー非平衡に対してさえ、実際には全く僅かである。たと
えば2本の入射ビームを取り、それらを1本の出射ビームに結合する、理想的な2:1の干渉法によるコンバイナ(たとえば入射光の50%を反射し、50%を透過するハーフミラー)を考える。2本の入力が完全に位相配置され、等しいパワー(50%/50%)を有する場合、結合した入力パワーの100%が所望の出力ポートに向けられるように相対位相を調節可能である。しかし、入力パワーが等しくない場合、完全な位相配置であっても、入力パワーの割合は失われるであろう。パワー非平衡が入力平均値の±20%であると仮定する。つまり入力は、0.8xと1.2xの理想的なパワー平衡値(従って、それぞれ40%と60%のパワー合計)であると仮定する。適切な位相配置により、2つの入力振幅は、望まないポートにおいて破壊的に干渉し、パワー損失割合は、パワー合計の(√1.2−√0.8)/4=1%に等しくなる。換言すれば、この2:1コンバイナは、±20%の入力非平衡であっても99%の効率となる。
【0047】
これは、理想的なN:1の干渉法によるコンバイナに対して一般化可能である。N本の入力ビームのそれぞれがPとEのパワーと振幅をそれぞれ有しており(ここでは、P=E)、1本のビーム当たりの平均パワーが1に正規化される場合(つまり下記の[数8])、パワー平衡の任意の与えられた状態に対する干渉計の平衡効率ηbalanceは、下記の[数9]で表される式(3)によって与えられるように表示可能である。
【0048】
【数8】
【0049】
【数9】
・・・式(3)
【0050】
記号<・・・>は、N本の入力ビームの平均値を意味する。
この式は、単に、スプリッタによって結合した理想的に位相配置され且つコヒーレントな振幅の合計に対応した適切に正規化された強度として直観的に理解されることがある。平衡効率ηbalanceは、入力振幅の二乗平均平方根(RMS)の変化と直接関係がある場合がある。つまり下記の[数10]で表される式(4)のようになる。
【0051】
【数10】
・・・式(4)
【0052】
下記の式(5)を決定することによって、結合効率の損失を求めることが可能である。
1−ηbalance=ERMS ・・・式(5)
少量の変化に対してはP=Eであるため、入力パワーの僅かなRMS変化は、このように僅かなRMS入力振幅変化の約2倍である。その結果、下記の[数11]で表される式(6)となる。
【0053】
【数11】
・・・式(6)
【0054】
従って、入力パワーのかなり大きな分散は、効率における非常に僅かな低下だけをもたらすことが明らかになる。たとえば平均入力パワーがPRMS〜10%である場合、効率の損失は、〜0.25%だけである。更に、入力パワー変化がガウス分布に従う場合、入力パワーにおけるピーク間変化量は、RMS値よりも数倍大きくなる(たとえば約5xが典型的である)。従って、N本のビーム干渉計の入力パワーの平均値についての50%のピーク間変化量であっても、完全なパワー平衡を有する等価系と比べて僅かな割合の平衡効率ηbalanceの損失に結びつくことがある。この許容範囲は、それがビーム結合器(ビームコンバイナ)として使用される場合の1:Nの回折光学部材の回折次数に対する非常に緩い均一性要求として直接解釈され、それは、ひいてはより高い効率を有した回折光学部材の設計を可能にする。
【0055】
換言すれば、回折光学部材がコンバイナとして使用され、すべての入射ビームが等しいパワーを有すると仮定される場合、上記の式(2)〜式(6)におけるPは、スプリッタとして使用される場合に、回折光学部材のi番目の回折次数におけるパワー割合であると考えることができる。
【0056】
分離パワー割合P=Eと等しいパワーのN本の入射ビームを有する回折光学部材の結合効率ηcombiningは、下記の[数12]で表される式(7)によって与えられる。
【0057】
【数12】
・・・式(7)
【0058】
従って、分離パワー割合の均一性上の緩い許容範囲がより高い分離効率ηsplittingを有する回折光学部材を可能にし、式(3)〜式(7)における平衡効率ηbalanceがかなり大きなパワー割合の変化(PRMS)であっても一致に非常に近いため、等しくない分離パワー割合を有する理想的な回折光学部材コンバイナは、第1の中でも等しいパワーを有するように設計されたスプリッタよりも高い効率を具備可能である。
【0059】
[等しくない入力パワーを有する回折光学部材コンバイナ]
上で注記したように、従来の回折光学部材スプリッタ設計では、複数の出力ビームのパワーは、すべて互いに数%(ピーク間変化量)内に維持される。これは、これらの回折光学部材スプリッタを使用する装置が、典型的には、凡そ同じパワーレベルを有した出力ビームを必要とするからである。同様に、回折光学部材コンバイナを使用する装置もまた、結合した出力ビームを生成するための典型的に凡そ等しいパワーを有した複数の入力ビームを使用する。従来のスプリッタ(つまり出力ビームに対して等しいパワーを有するように設計されたもの)として設計された回折光学部材が、回折光学部材コンバイナとして使用された場合、それは、一致した(または一致に近い)平衡効率ηbalanceで使用可能である。これは、回折光学部材スプリッタが等しいパワーの出力ビームのすべてを有するように平衡を保たれるからである。このように、等しいパワーの入力ビームを有する
回折光学部材コンバイナとして使用される場合に、回折光学部材コンバイナは、完全に逆の平衡で使用されることになる。
【0060】
しかし、等しくないパワーの理想的な入力ビームを有する最大効率を有した回折光学部材コンバイナを設計することも可能である。そのような回折光学部材コンバイナが等しいパワーの入力ビームを備える場合、回折光学部材コンバイナは、一致に満たない平衡効率ηbalanceを有することになる。これは、回折光学部材コンバイナの等しいパワーの入力ビームが、この理想的な回折光学部材コンバイナ設計に対して必要とされるような要求パワー比率で平衡しないからである。しかし、上で示したように、入力ビームのパワーにおける非平衡による平衡効率ηbalanceの損失は、比較的僅かである。実際、回折光学部材コンバイナの第1回折における非均一のパワーを可能にすることによって生じる平衡効率ηbalanceの損失よりも、等しい第1回折パワーを提供するための回折光学部材設計に拘束されることなく得られた分離効率ηsplittingの増加が上回る。従って、回折次数に対する均一なパワーの拘束を取り除くことによってN:1コンバイナに対する効率的な設計を直接決定可能である。事実、そのようなコンバイナは、コンバイナとして使用されるスプリッタとしてではなく、コンバイナとして最適な効率で実際には設計可能である。
【0061】
リニアアレイから回折光学部材に入射するN本の平面波ビームを考える。これらのビームにおける任意の与えられた位相関係に対して、回折光学部材の平面での結果としての合計フィールドの振幅と位相を演算可能である。数学的には、結果としてのフィールドは、下記の[数13]で表される式(8)の有限一次元フーリエ級数として、表わされることができる。
【0062】
【数13】
・・・式(8)
【0063】
合計は、N=2M+1の入力ビームの対称なリニアアレイを表わし、φは、最適化される個々のビーム位相に対して自由なパラメータであり、xは、周期的な方向に沿った座標であり、回折光学部材のkベクトルは、k=2π/Wである(Wは、回折光学部材の溝幅すなわち周期である)。回折光学部材設計が、N本のビームの入射合計の結果としての位相の正確な共役であるように選択される場合(つまり式(8)のE(x)の合計位相)、回折光学部材を通過後の結合ビームは、位相を相殺され、従って、振幅変調を有するが、最終的な位相異状を持たない。残った振幅変調|E(x)|は、結合効率ηcombiningを決定する。結合効率ηcombiningは、0番目の次数に回折された結果としてのビームのパワー合計の割合であり、それは、上記の式(3)〜式(6)に適用することよって求めることができ、ここでは、Eは、|E(x)|によって置換され、合計は、xの積分によって置換される。このように、E(x)が回折光学部材の周期幅Wに亘って周期的であるため、結合効率ηcombiningは、下記の[数14]で表される式(9)として演算可能である。
【0064】
【数14】
・・・式(9)
【0065】
従って、上の解析から、結合効率ηcombiningは、N本の入射ビームの位相を最適化することによって求められ、その結果、式(8)の結果としての合計ビームの強度変化(つまり|E(x)|RMS)は、最小化されるか、または、同等に、<|E(x)|>を最大化することが明らかである。一旦N個の入射位相が最適化されたならば、理想的な回折光学部材設計を求めるために、結果としてのフィールドE(x)の周期的位相φ(x)の共役を演算することが単に必要である(つまりE(x)=|E(x)|exp[iφ(x)])。
【0066】
このように、従来の回折光学部材スプリッタは、第1回折の均一な分布を達成するように最適化されるが、この回折光学部材コンバイナ設計は、そのような拘束を有していない。その結果、それは、第1回折強度に大きな変化を持たせることが可能である。
【0067】
様々な最適化法が|E(x)|RMSを最小化するために、従って、最良のビーム位相と回折光学部材コンバイナ設計を求めるために使用されることが可能である。多くの用途では、Nの値は、あまり大きくなく、シンプレックス最適化法が適切である。この方法は、N次元の多角形(シンプレックス)を使用し、それは、最適な位相を探索し、また、そのサイズを自己調整して、最適化される関数の局所的な微分係数の変化に対応する(つまり|E(x)|RMS)。たとえば非特許文献1の408ページを参照。
【0068】
より大きなNの値では、シンプレックス法が良い最適化解を求めるのに長い演算時間を必要とすることがあり、擬似熱アニールのような他の標準的な最適化法を使用可能である。この方法では、架空の温度が最適化手順に対応付けられ、それは、指数関数的なボルツマン分布に基づき確率を決定し、最良の結果として可能性のある検査解を受け入れるかまたは拒絶する。その解は、反復され、大きなn次元空間に亘る最良の最適を達成するために温度はゆっくりと低減される。たとえば非特許文献1の444ページを参照。
【0069】
代わりに、より小さな解の畳み込み(N=M×M)が出発点として使用されることができ、これらの方法またはGerchberg−Saxton方法のうちの1つを使用して更に最適化可能である。Gerchberg−Saxton方法は、フーリエ変換のような伝播関数の使用を通じた反復アルゴリズムである。Gerchberg−Saxton方法は、ビーム位相の最初の組から始め、フィールド分布E(x)を演算する。次に、振幅|E(x)|は、定数に等しく設定されるが、しかし、前に演算された位相は維持される。次に、遠いフィールドの回折ビームの位相は、フーリエ変換によって今変更された近辺のフィールドから反復して演算される。回折次数の振幅は、すべて定数に等しく設定され、偽の次数は無視されるが、再演算されたビーム位相は保持される。その手順は、反復されてビーム位相の最適な組、ひいては上記のような回折光学部材設計を求める。
【0070】
更に、N=2M+1が奇数である場合(つまり奇数本の入力ビームが使用される場合)、理想的な解(つまり最大効率を有したもの)は、対称である。換言すれば、φ=φ−mであり、それは、mの正の値に対してφを決定することだけが必要であることを意味する(φが任意であるため)。これは、必要な演算時間を大幅に低減できる。
【0071】
このクラスの解は、一般に、90%を優に超える効率を提供する。更に、奇数のN本のビームが使用される場合には、最適化解は、一般に、フィールドE(x)が消えるx方向に沿った箇所を示さない。その結果、この解は、πの位相飛び(非連続的なエッチングプロファイルを必要とする)を回避し、従って、連続的なエッチングプロファイルを可能にする。偶数本のビームを有する設計を最適化することもできるが、近辺フィールドの箇所における箇所での相殺傾向のために、RMSは、通常大きく、結果として生じる効率は、
典型的には低い。
【0072】
奇数コンバイナの最も単純な例は、3本のビームに基づく。そのようなコンバイナでは、式(6)における結果としての振幅変化を最小化するための理想的なビーム位相は、φ±1=π/2(φは、任意に0に設定される)。従って、最適な回折光学部材設計に必要な位相は、φ(x)=tan−1(2cos(kx))に等しい。この等しいパワーの3本ビームの設計での結合効率ηcombiningは、93.8%である。
【0073】
回折光学部材は、幅Wの「溝」の、溝深さプロファイルh(x)を有した周期的な表面パターンをエッチングすることによって製造される。Wとh(x)は、位相φ(x)と回折光学部材の基本的な特性のうちの幾つかに基づき定まる。
【0074】
溝幅Wは、隣接したビーム間の所望の分離角度θ(ラジアンで測定される)で操作の波長λを除算することによって定まる(つまりW=λ/θ)。溝深さプロファイルh(x)(またはエッチング深さプロファイル)は、回折光学部材の種類に依存する定数値で位相プロファイルφ(x)を乗算することによって定まる。反射性回折光学部材に対しては、位相は、エッチング深さの2度通過に関連した遅れによって調節される。このように、位相がφ(x)である場合、溝深さは次のようになる。
【0075】
h(x)=(λ/(4π))・φ(x) ・・・式(10)
λは、操作の波長である(つまりλの深さは、4πラジアンまたは位相遅延の2つの波に対応する)。透過性回折光学部材に対しては、位相遅延は、基板nの差分屈折率に依存し、従って、回折光学部材が空気である場合(nair=1)、位相は、φ(x)であり、エッチング深さは、次式のようになる。
【0076】
h(x)=(λ/(2π(n−1)))・φ(x) ・・・式(11)
図3は、本発明の実施形態に係る、5本の入力ビームを有した回折光学部材コンバイナに対する周期的位相変化と溝形状のグラフ300である。図3に示すように、周期幅Wに亘る周期的位相は、式φ(x)によって与えられる(xは、周期幅Wに亘って0〜1に変化する指数である)。
【0077】
次に、最適な周期的位相は、式(8)におけるフィールドの位相に基づき定まる。この例では、シンプレックス法を使用した迅速な最適化(つまりM=2での式(8)における振幅変化の最小化)は、最適な位相値がφ±1=π/2とφ±2=πラジアン(φは、任意に0に設定される)であることを判断するために行なわれた。この例では、理想的な位相に対する解析形態は、φ(x)=tan−1[2coskx/(1−2cos2kx)]であると判断された(k=2π/W。Wは、回折光学部材コンバイナの周期である)。
【0078】
次に、そのような回折光学部材の構成は、任意の公知の方法(たとえば連続的なグレースケールエッチング技術を使用して)で実施可能である。更に、周期的位相(溝形状を定義するために使用される)が如何なる不連続も持たないため、溝の反復は、完全に滑らかな表面プロファイルを提供する。
【0079】
図4は、本発明の実施形態に従って設計された、1:5透過性回折光学部材に対する理想的なパワー対回折次数のグラフ410である。図4に示すように、回折光学部材は、−2次、−1次、0次、1次、および2次の第1次数421,422,423,424,および425を有する。これらの第1次数に対するパワー合計の回折される割合は、0次、±1次、および±2次の次数のそれぞれにおける、それぞれ15.7%、26.1%、および15.1%である。このように、この回折光学部材設計は、19.6%の第1次数に
対する部分平均パワーPAVG、15.1%の第1次数に対する部分最小パワーPMIN、および26.1%の第1次数に対する部分最大パワーPMAXを有する。従って、この回折光学部材は、PMAXとPAVGの間で6.5%の差A、PAVGとPMINの間で4.5%の差B、およびPMAXとPMINの間で11%のピーク間差ギャップCを有する。平均回折次数パワーPAVGの割合として表現すると、ピーク間パワー変化量は、平均パワーの11/19.6=56%である。
【0080】
この設計を使用した回折光学部材スプリッタの理想的な分離効率ηsplittingは、97.9%である。5本のビームがコンバイナとして回折光学部材を使用して結合され、入力ビームの相対的なパワーがこれら回折次数比率一致するように選択された場合、この回折光学部材コンバイナに対する平衡効率ηbalanceは、一致となり、式(2)によって、これらの入力パワー比率に対する結合効率ηcombiningは、97.9%となる。しかし、この回折光学部材が凡そ等しいパワーの5本の入力ビームを有するコンバイナとして使用された場合、式(3)〜式(6)で記述されたように、平衡効率ηbalanceは、一致に満たないであろう。特に、この状況に対する平衡効率ηbalanceは、約98.3%になる(つまり1−ηbalance〜1.7%)。このように、大きな非平衡パワー割合による効率損失にも拘わらず、結果として生じる結合効率ηcombiningは、約96.2%となり、それは、等しい第1パワー割合を有するように設計された回折光学部材スプリッタの結合効率ηcombiningよりも大幅に高い。
【0081】
対照的に、等しい第1パワー割合を有する1:5スプリッタとして設計された回折光学部材は、約92%の分離効率ηsplittingだけを達成できる。このように、そのような回折光学部材が完全に平衡した入力パワー(つまりηbalance=1)を有するコンバイナとして使用されたとしても、結合効率ηcombiningは、約92%の分離効率ほど大きくはならない。従って、開示される回折光学部材コンバイナは、次数の大きな非均一性に起因する付加的な効率損失を負うが、正味の結合効率ηcombiningは、ほぼ等しい回折次数パワーを有する従来設計の回折光学部材を使用して達成される場合よりも依然として高い。
【0082】
表1は、等しいパワーの入力ビームの結合を仮定して、開示される方法で殆どの奇数入力回折光学部材コンバイナに対して求められた結合効率ηcombiningと分離パワー割合の変化に関する情報を提供する。これらの数は、上記の処理を使用して得られた回折光学部材設計に対するものである。このデータを得る際に、シンプレックス最適化は、49本までのビーム数に対して使用された。81本のビームの場合については、最初の推定は、2つの9本ビーム設計の畳み込みに対してなされた(つまり9本ビームの位相が範囲0≦x≦Pに亘ってφ(x/P)の周期的である場合、設計の出発点は、φ81(x/P)=φ(9x/P)+φ(x/P)となるように取られる)。この最初の推測から開始して、Gerchberg−Saxton方法は、99.2%の効率解に急速に収束する。
【0083】
【表1】
【0084】
表1に示すように、これらの回折光学部材コンバイナ設計に対する結合効率ηcombiningは、均一な第1回折パワーを持つスプリッタとして設計された回折光学部材と比較して比較的高い。これは、回折次数パワーのピーク間変化量が比較的高いという事実にも拘わらず当てはまる。
【0085】
[回折光学部材コンバイナ]
上で示したように、図3は、本発明の実施形態に係る、5本の入力ビームを有した回折光学部材コンバイナに対する周期的位相変化と溝形状のグラフ300である。溝形状としてこのグラフ300を考慮すれば、溝は、設定幅Wと、0〜Dの範囲で変化する深さプロファイルh(x)310を有する。幅Wは、透過性回折光学部材110または反射性回折光学部材120上の周期的な一連の溝の周期を表わす。
【0086】
回折光学部材コンバイナをなすために、Wとφ(x)によって定義される溝は、回折光学部材をなす基板の上面で周期的に反復される。更に、開示される実施形態は、一次元に(つまりx軸に沿って)周期的な溝を示すが、当業者は、上記の解析が、二次元に(つまり互いに直交するx軸とy軸に沿って)周期的な表面パターンに適用するように容易に拡張可能であることを理解するであろう。
【0087】
図5は、本発明の実施形態に係る、図3の溝を使用した、5本の入力ビームを有した回折光学部材コンバイナを切取った部分の図である。図5に示すように、回折光学部材500は、パターン520を形成するために回折光学基板510の上面で複数回だけ繰返された溝を有する。
【0088】
更に、図5の実施形態は、回折光学基板510の後部に取付けられた熱伝導部材530を含む。たとえば熱伝導部材530は、熱伝導性の接着剤で回折光学基板510に取付けられた金属板であることができる。この熱伝導部材530は、回折光学基板510から熱を逃がし、それによって、回折光学部材における熱誘引変形の可能性ある影響を大幅に低
減する。勿論、これは、回折光学部材が反射性回折光学部材である場合にのみ実行可能である。なぜならば、透過性回折光学部材では、曇りのない両側を基板に持たせなければならないからである。
【0089】
代替の実施形態は、更に、基板上に施された反射性コーティングまたは非反射性コーティングの何れかを具備可能である。反射性回折光学部材は、反射の効率を向上させるために、基板の上面に亘って施された一または複数の反射性コーティングを具備可能であり、同様に、透過性回折光学部材は、光反射による損失を低減するために、基板の上面に亘って施された一または複数の非反射性コーティングを具備可能である。何れの場合であっても、連続的で、且つ、比較的小さな角度変化(たとえば表面上の任意の箇所で約10度未満の傾斜)を有した基板の上面にベースパターンを維持することによって、反射性または非反射性コーティングは、同じパターンに従い且つこれを維持し、コーティングを施された回折光学部材がコーティングを施されていない回折光学部材と同じように光を回折することを可能にする。
【0090】
図6は、本発明の実施形態に係る、その上に幾つかのコーティング層を蒸着された、図3の溝を使用した、5本の入力ビームを有した回折光学部材コンバイナを切取った部分の図である。図6に示すように、回折光学基板510は、上面に形成されたパターン520を有する。次に、複数のコーティング630が、厚さTで、基板の上面に亘って形成され、その結果、最上部のコーティング630の上面は、基板の上面と同じパターン520を維持する。
【0091】
数度だけの最大傾斜を有した回折光学基板510の上面での、滑らかにエッチングされたパターン520を使用することによって、結果として生じる回折光学部材には、表面エッチング後に続いて、低損失と分散を有する反射性または非反射性コーティングを設けることができる。これは、非常に高い入射パワーでの回折光学部材のスケーリングを可能にできる。
【0092】
[回折光学素子の設計]
図7は、本発明の実施形態に係る回折光学部材の表面をエッチングする処理のフローチャートである。図7に示すように、本処理は、コンバイナのビーム数N、使用されるビームの波長λ、および隣接したビーム間の分離角度θに対する開始値を設定することによって開始する(ステップS710)。これらの開始パラメータは、回折光学部材の一般的な操作を効率的に定義する(つまり幾つの入力ビームがあるか、また、それらがどのように配置されるか)。
【0093】
本処理は、N個の検査位相φの任意の最初の組を選択することによって継続する(i=1,2,…N)(ステップS715)。これらの位相が選択可能である方法は、変化する場合がある。それらは、無作為に選択されるか、または、当業者に公知の或る予測法に基づき(たとえば上で考慮した81本ビームの場合のようなほぼ最適な性能を有する最初の検査解を得るように考慮された対称性または他の考察に基づき)選択可能である。
【0094】
次に、式(8)に定義されるようなこれらの最初の検査位相に基づき検査フィールドE(x)を決定することが必要であり(ステップS720)、次に、E(x)の単一周期(つまり0≦x≦W)に亘る平均振幅<|E(x)|>を決定する(ステップS725)。
【0095】
一旦、平均振幅<|E(x)|>が定まると、<|E(x)|>の最大化の基準を満足するか否か判定することが必要である(ステップS730)。上で注記したように、これは、シンプレックス最適化手順、擬似熱アニール、またはGerchberg−Saxton方法のような標準的な最適化手順を使用して達成可能である。
【0096】
<|E(x)|>に対する最大化基準を満足しない場合、選択された最適化手順に従って、新しいN個の検査位相φの組(i=1,2,…N)を選択する必要があり(ステップS735)、もう一度、検査フィールドE(x)(ステップS720)、平均振幅<|E(x)|>を決定し(ステップS725)、最大化基準を満足するかを判断する(ステップS730)。
【0097】
しかし、<|E(x)|>に対する最大化基準を満足する場合、E(x)に基づき最適化された連続的な回折光学部材位相遅れを決定することが必要である(ステップS740)。この決定は、たとえば下記の[数15]で表される式(12)を使用して実行可能である。
【0098】
【数15】
・・・式(12)
【0099】
一旦、連続相遅れプロファイルφopt(x)が定まると、溝のエッチング幅W(ステップS745)と、溝のエッチング深さプロファイルh(x)(ステップS750)とを決定することが必要である。エッチング幅Wは、ラジアンで測定される分離角度θで波長λを除算することによって定まり(つまりW=λ/θ)、エッチング深さプロファイルh(x)は、回折光学部材の種類(透過性または反射性)に依存した定数で、ラジアンで測られる位相遅れプロファイルφopt(x)を乗算することによって定まる。反射性回折光学部材については、エッチング深さプロファイルh(x)は、λ/(4π)で位相遅れプロファイルφopt(x)を乗算したものに等しく、透過性回折光学部材については、エッチング深さプロファイルh(x)は、λ/(2π(n−1))で位相遅れプロファイルφopt(x)を乗算したものに等しい(nは、回折光学基板の屈折率である)。
【0100】
最後に、回折光学基板は、エッチング幅Wとエッチング深さプロファイルh(x)に基づきエッチング可能である(ステップS755)。これは、当業者によって理解されるような任意の受容可能なエッチング方法を使用して実行可能である。
【0101】
必要に応じて、一または複数のコーティングをエッチング面に亘って回折光学部材上に蒸着させることができる(ステップS760)。これらの一または複数のコーティングは、反射性または非反射性であることができる。
【0102】
更に、回折光学部材が反射性回折光学部材である場合、冷却部材は、エッチング面とは反対側である回折光学基板の下面に取付けられることができる(ステップS765)。この操作は、透過性回折光学部材に対しては省略されるべきである。
【0103】
しかし、代替の実施形態では、コーティングの蒸着(ステップS760)と、冷却部材の取付(ステップS765)とは、省略可能である。
[結論]
この開示は、本発明に係る様々な実施形態を、その真実の、意図した、公平な範囲と精神を限定するのではなく、形成し且つ使用する方法について説明するように意図されている。先の記述は、包括的であるように、または、本発明を、開示された正確な形態に限定するようには意図されない。修正または変形は、上記の教示に照らして可能である。本実施形態は、本発明の原理とその実用的な用途についての最良の実例を提供し、本発明を様
々な実施形態において利用することを当業者に可能とさせるように、意図した特定の使用に適するような様々な修正を加えて選択と記述された。そのような修正と変更は、この特許出願の係属中に補正されることがあるような添付の特許請求の範囲とそのすべての均等物によって判断されるように、それらが適正に、法律的に、公平に獲得する幅に従って解釈された場合に、すべて本発明の範囲内である。上述した様々な回路は、実装によって望まれるように、別個の回路または集積回路に実装可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7