特許第6290294号(P6290294)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290294
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】ユニットハウス用間柱の連結構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/343 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   E04B1/343 E
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-90119(P2016-90119)
(22)【出願日】2016年4月28日
(65)【公開番号】特開2017-197986(P2017-197986A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2016年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】591170647
【氏名又は名称】三協フロンテア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】安樂 悠史
(72)【発明者】
【氏名】神谷 忠成
(72)【発明者】
【氏名】中塚 直人
【審査官】 兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】 実開平07−001114(JP,U)
【文献】 実開平06−022405(JP,U)
【文献】 実開昭58−083509(JP,U)
【文献】 特開2000−220230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/343,1/348
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニットハウスの左右の壁パネル間に設置される間柱の室内側の面に、各壁パネルの連結側面に沿って設けた連結片が固定されるように構成した間柱の連結構造において、間柱に予め固定された固定ナットと、連結片の室内側から固定ナットにネジ止めして間柱に連結片を固定する固定ボルトと、間柱の左右の連結側面に沿って予め固定され間柱と壁パネル相互との間隙を封止する弾性ヒレ状のシール材と、室内側から連結片に着脱自在に装着して壁パネル相互の室内側の間隙に嵌合して間柱に固定した固定ボルトを覆うカバー体とを備え、
前記間柱は、C型チャンネル材にて構成され、該間柱のスリットから前記固定ボルトを内部に挿通してネジ止めする位置に前記固定ナットが溶着され、該スリット側を前記連結片の室外側の面に当接するように配置すると共に、前記連結片に、前記固定ボルトを挿通せしめる挿通部を切欠形成し
前記シール材は、前記間柱の側面に接着する接着部と、該接着部から隣接する前記壁パネルの連結側面に向けて突出する2条の圧着当接片とを備え、前記連結片に前記間柱を固定したときに、該圧着当接片が前記間柱と前記壁パネルとの間隙を封止するように構成され
前記カバー体は、前記壁パネル相互の躯体内側の面と同一の高さになる厚みを有し、前記壁パネルの前記連結片に着脱自在に磁着するように構成された
ことを特徴とするユニットハウス用間柱の連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユニットハウスで使用する間柱の連結構造に係り、風雨の侵入を防止すると共に、デザイン性を高めることができるユニットハウス用間柱の連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ユニットハウスの隙間をシールする構造として、特許文献1に記載されたユニットボックスの目地シール構造が提案されている。このシール構造は、ユニットボックスの目地に室内から挿入されるシール材と、目地の柱に設けられたレールに嵌着されシール材より室内側に位置決めされる弾性板材とで構成するものである。
【0003】
このシール構造によると、シール材と弾性板材による2重のシール構造を採用することで、十分なシールが図れるというものである。すなわち、ユニットハウスの目地を室内からT型ジョイナー等のシール材を挿入し、次に、目地用柱の室内側に設けられたレールの間にスポンジ等の弾性板材を嵌着することで2重のシール状態に構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2507289号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載のシール構造は、予め隣接する柱相互の室内側に一対のレールを対向するように設ける必要があった。そのため、このシール構造を使用するために、向きが異なるレールを備えた2種類の柱が必要になり、柱の種類が増加する課題があった。
【0006】
しかも、このレールに装着するスポンジ等の弾性板材は、ユニットハウスの他の材質と質感が明らかに異なっている。そのため、このようなシール構造を人目に付く室内側に装着した場合は、このシール構造を見た者に違和感を与えしまう虞があるなど、デザイン面に課題を残している。更に、スポンジ等の弾性板材は、防水性及び耐久性にも課題を有している。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題を解消すべく案出されたもので、耐久性に富んで繰り返し使用することができ、しかも、風雨の侵入を防止しながら室内側のデザイン性を高めることができるユニットハウス用間柱の連結構造の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成すべく本発明における第1の手段は、ユニットハウスPの左右の壁パネル20間に設置される間柱10の室内側の面に、各壁パネル20の連結側面に沿って設けた連結片21が固定されるように構成した間柱10の連結構造において、間柱10に予め固定された固定ナット11と、連結片21の室内側から固定ナット11にネジ止めして間柱10に連結片21を固定する固定ボルト12と、間柱10の左右の連結側面に沿って予め固定され間柱10と壁パネル20相互との間隙を封止する弾性ヒレ状のシール材13と、室内側から連結片21に着脱自在に装着して壁パネル20相互の室内側の間隙に嵌合して間柱10に固定した固定ボルト12を覆うカバー体14とを備え、
前記間柱10は、C型チャンネル材にて構成され、該間柱10のスリット10Aから前記固定ボルト12を内部に挿通してネジ止めする位置に前記固定ナット11が溶着され、該スリット10A側を前記連結片21の室外側の面に当接するように配置すると共に、前記連結片21に、前記固定ボルト12を挿通せしめる挿通部21Aを切欠形成し
前記シール材13は、前記間柱10の側面に接着する接着部13Aと、該接着部13Aから隣接する前記壁パネル20の連結側面に向けて突出する2条の圧着当接片13Bとを備え、前記連結片21に前記間柱10を固定したときに、該圧着当接片13Bが前記間柱10と前記壁パネル20との間隙を封止するように構成され
前記カバー体14は、前記壁パネル20相互の躯体内側の面と同一の高さになる厚みを有し、前記壁パネル20の前記連結片21に着脱自在に磁着するように構成されたものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1のごとく、間柱10の左右の連結側面に沿って予め固定され間柱10と壁パネル20相互との間隙を封止する弾性ヒレ状のシール材13を設けたことにより、間柱10の両側に壁パネル20を設置すると同時にシール材13が間隙をシールすることになる。したがって、風雨の侵入をこのシール材13が防止する。
【0013】
また、室内側から壁パネル20相互の間隙に嵌合して間柱10に固定した固定ボルト12を覆うカバー体14を備えたことで、室内側のデザイン性を高めることができる。しかも、壁パネル20は左右対称の構成になっているので合理的な装着が可能である。
【0014】
間柱10は、C型チャンネル材にて構成され、該間柱10のスリット10Aから前記固定ボルト12を内部に挿通してネジ止めする位置に前記固定ナット11が溶着され、該スリット10A側を前記連結片21の室外側の面に当接するように配置すると共に、前記壁パネル20の前記連結片21に、前記固定ボルト12を挿通せしめる挿通部21Aを切欠形成したものであるから、間柱10のスリット10Aと、壁パネル20の連結片21相互の間隙部分とが重なった状態で固定される。この結果、間柱10と壁パネル20との連結構造自体が雨風を遮断できる構成になり、風雨の侵入を確実に防止することができる。
【0015】
シール材13は、前記間柱10の側面に接着する接着部13Aと、該接着部13Aから隣接する前記壁パネル20の連結側面に向けて突出する2条の圧着当接片13Bとを備え、前記連結片21に前記間柱10を固定したときに、該圧着当接片13Bが前記間柱10と前記壁パネル20との間隙を封止するように構成しているので、シール材13は耐久性に富み、間柱10と共に繰り返し使用することができる。
【0016】
カバー体14は、前記壁パネル20相互の躯体内側の面と同一の高さになる厚みを有し、前記壁パネル20の前記連結片21に着脱自在に磁着するように構成しているので、ユニットハウスPの室内側の外観デザインを優れたものにすることができる。しかも、連結片21に磁着するので装着が容易で何度でも繰り返し使用することができる。
【0017】
このように、本発明によると、耐久性に富んで繰り返し使用することができ、しかも、風雨の侵入を防止しながら外観のデザイン性を高めることができるなどといった当初の目的を達成した。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の使用例を示す斜視図である。
図2】本発明の連結状態を示す分解斜視図である。
図3】本発明の連結状態を示す分解平断面図である。
図4】本発明の連結状態を示す平断面図である。
図5】本発明の間柱を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は、工場で生産し、現地で組み立てるユニットハウスPの壁パネル20相互を連結する間柱10の連結構造である(図1参照)。
【0020】
すなわち、間柱10は、左右の壁パネル20間に設置されるものである(図2参照)。この壁パネル20の左右側面には、間柱10の連結側面に沿って連結片21を設けている。そして、壁パネル20相互の連結片21を間柱10の室内側の面に固定するように構成している(図3参照)。
【0021】
図示の間柱10は、C型チャンネル材にて構成されている。そして、内部に固定ナット11が設けられ、連結片21の室内側から固定ナット11にネジ止めする固定ボルト12にて、間柱10に連結片21を固定する(図4参照)。したがって、この固定ナット11は、間柱10のスリット10Aから固定ボルト12を内部に挿通してネジ止めする位置に溶着されている。
【0022】
また、間柱10の室内側の面と連結片21の室外側の面とを当接したときに、連結片21相互の間隙と間柱10のスリット10Aとが重なるように構成している(図3参照)。図示の連結片21は、先端部をスリット10A方向に屈曲して挿入部21Bを形成し、間柱10と連結片21とを固定したときに、この挿入部21Bがスリット10Aから間柱10の内部に挿入されるように構成したものである(図4参照)。
【0023】
更に、間柱10の左右の連結側面には、壁パネル20の各連結側面に接触する弾性ヒレ状のシール材13が設けられている(図5参照)。そして、間柱10の両側に壁パネル20を設置すると、間柱10と壁パネル20相互との間隙をこのシール材13が封止する(図4参照)。この結果、壁パネル20の間隙からの雨風の侵入を防ぐことができる。
【0024】
図示のシール材13は、接着部13Aと一対の圧着当接片13Bとを備えている(図3参照)。すなわち、接着部13Aは、間柱10の側面に接着する帯状の部位で、この接着部13Aから圧着当接片13Bが突出するように一体形成されている。
【0025】
この圧着当接片13Bは、接着部13Aから隣接する壁パネル20の連結側面に向けて突出する2条のヒレ状をなしており、間柱10と壁パネル20との間隙を二重に封止するように構成したものである(図4参照)。
【0026】
間柱10に壁パネル20の連結片21を固定した後、この連結片21に室内側からカバー体14を装着する(図3参照)。このカバー体14は、壁パネル20相互の室内側の間隙に嵌合する帯板状の部材で、間柱10に固定した固定ボルト12を覆い隠すものである(図4参照)。
【0027】
また、このカバー体14は、壁パネル20相互の躯体内側の面と同一の高さになる厚みを有しているので、壁パネル20相互の間隙にカバー体14を嵌合すると、壁パネル20の面とこのカバー体14の面とが同一になる(図4参照)。
【0028】
更に、カバー体14に永久磁石を設け、壁パネル20の連結片21に着脱自在に磁着するように構成している。したがって、カバー体14の装着は、室内側から連結片21に近づけるだけの作業で簡単に装着することができる。
【0029】
尚、本発明ユニットハウスPの構成は図示例に限定されるものではなく、間柱10や壁パネル20、シール材13やカバー体14等の構成や形状は任意に変更することができる。また、本発明の要旨を変更しない範囲での設計変更は自由に行える。
【符号の説明】
【0030】
P ユニットハウス
10 間柱
10A スリット
11 固定ナット
12 固定ボルト
13 シール材
13A 接着部
13B 圧着当接片
14 カバー体
20 壁パネル
21 連結片
21A 挿通部
21B 挿入部
図1
図2
図3
図4
図5