(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290351
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】紫外線殺菌装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/10 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
A61L2/10
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-196890(P2016-196890)
(22)【出願日】2016年10月5日
(65)【公開番号】特開2017-113524(P2017-113524A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2016年10月5日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0184973
(32)【優先日】2015年12月23日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516271194
【氏名又は名称】キム、ユン ジュ
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユン ジュ
【審査官】
吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−085739(JP,A)
【文献】
実開昭63−182405(JP,U)
【文献】
特開2005−323654(JP,A)
【文献】
特表平03−503728(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2001/0042842(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/
B01J 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源スイッチ及び傾斜オフスイッチが備えられた本体と、
前記本体の下部に着脱可能に結合され、前記電源スイッチによってオン/オフされる紫外線ランプと、
前記本体に内蔵され、前記電源スイッチがオンされると、動作状態に変換され、前記紫外線ランプの照射角度が一定の角度から外れた場合、前記紫外線ランプをオフさせ、前記傾斜オフスイッチの作動時に前記電源スイッチがオンされても未動作状態に維持される傾斜センサと、を含み、
前記本体の上面両側には収容溝が形成され、前記収容溝には着脱可能に脚が結合され、前記脚は前記本体の下面両側に形成された結合溝に着脱可能に結合され、前記紫外線ランプと地面との間の距離を離隔させる
ことを特徴とする紫外線殺菌装置。
【請求項2】
前記結合溝への前記脚の結合は、雄雌及び磁性結合である
請求項1に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項3】
前記本体の上面両側に延長溝が形成され、前記延長溝には着脱可能に延長バーが結合され、前記延長バーは前記結合溝と前記脚との間に着脱可能に結合されて、前記紫外線ランプと地面との間の距離を、前記脚だけが結合されているときよりさらに離隔させる
請求項1に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項4】
前記結合溝と前記延長バーの結合及び前記延長バーと前記脚の結合は、雄雌及び磁性結合である
請求項1に記載の紫外線殺菌装置。
【請求項5】
前記本体の上面中心部には、取っ手が着脱可能に結合される
請求項1に記載の紫外線殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線殺菌装置に関し、特に細菌が繁殖している対象物を紫外線で殺菌できる小型の紫外線殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、食器や哺乳瓶及びその他製品を使用していると、様々な汚染物質及び細菌が繁殖することになり、これらを除去できる殺菌器として紫外線を活用する紫外線殺菌器が広く普及されている。
【0003】
このような紫外線殺菌器の場合、大半は本体の内部に殺菌しようとする製品を収納した後、紫外線ランプを通じて照射された紫外線を活用して殺菌する形態のものである。
【0004】
しかし、このような据え置き式紫外線殺菌器の場合、活用できる製品には限界がある。すなわち、据え置き式殺菌器は食器や哺乳瓶など、本体の内部に収納できる大きさの製品だけが殺菌可能であるため、例えばベッドのマットレスや布団などのような製品は据え置き式紫外線殺菌器では殺菌できないという短所がある。
【0005】
したがって、このような短所を解決するため、最近は携帯用紫外線殺菌器が発売されている。
【0006】
携帯用紫外線殺菌器の場合、取っ手が形成された本体内部に反射笠を形成し、その内部に紫外線ランプを設置して外部に紫外線が照射され得るように構成するのが一般的である。これを通じて殺菌しようとする製品を本体の内部に収納する必要がないため、多様な用途で使用できるという長所がある。
【0007】
しかし、このような携帯用紫外線殺菌器の場合にも不注意な使用によって紫外線ランプから照射された光が隣接した人の目に直接照射される場合、紫外線に直接露出された目に悪影響を及ぼす問題点があった。
【0008】
また、携帯用紫外線殺菌器は、使用者が取っ手をとって対象物に対して所定時間殺菌作業を行わなければならないため、その使用に力が消耗され、利便性が劣るという短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2004−0046805号(2004年06月05日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記の問題点を解決するためのものであって、紫外線殺菌中に紫外線の照射角度が一定の角度から外れた場合、紫外線の照射が中断され、選択的に紫外線の照射角度に影響されずに紫外線を照射し続け得る紫外線殺菌装置を提供することをその目的とする。
【0011】
また、本発明は殺菌作業時にその使用に大きな力を必要としないため、手軽に作業できる紫外線殺菌装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の紫外線殺菌装置は、電源スイッチ及び傾斜オフスイッチが備えられた本体;前記本体の下部に着脱可能に結合され、前記電源スイッチによってオン/オフ(on/off)される紫外線ランプ;及び前記本体に内蔵され、前記電源スイッチがオン(on)されると、動作状態に変換され、前記紫外線ランプの照射角度が一定の角度から外れた場合、前記紫外線ランプをオフ(off)させ、前記傾斜オフスイッチの作動時に前記電源スイッチがオン(on)されても未動作状態に維持される傾斜センサ;を含む。
【0013】
前記本体の上面両側には収容溝が形成され、前記収容溝には着脱可能に脚が結合されるものの、前記脚は前記本体の下面両側に形成された結合溝に着脱可能に結合され、前記紫外線ランプと地面との間の距離を離隔させることが好ましい。
【0014】
前記結合溝への前記脚の結合は、雄雌及び磁性結合であることが好ましい。
【0015】
前記本体の上面両側に延長溝が形成され、前記延長溝には着脱可能に延長バーが結合されるものの、前記延長バーは前記結合溝と前記脚との間に着脱可能に結合され、前記紫外線ランプと地面との間の距離を、前記脚だけが結合されているときよりさらに離隔させることが好ましい。
【0016】
前記結合溝と前記延長バーの結合及び前記延長バーと前記脚の結合は、雄雌及び磁性結合であることが好ましい。
【0017】
前記本体の上面中心部には、取っ手が着脱可能に結合されることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の紫外線殺菌装置によれば、紫外線ランプをオン(on)させて対象物を殺菌する過程で、紫外線の照射角度が一定の角度から外れると、本体に内蔵された傾斜センサがこれを感知して自動で紫外線ランプをオフ(off)させることによって不注意な使用による人命事故を防止できる長所を持つ。
【0019】
また、壁面などに対して殺菌作業を行う場合、傾斜センサの動作を中断させると、紫外線の照射角度が一定の角度から外れても使用できるため、場所や対象に関わらず、どこでも使用できる長所を持つ。
【0020】
また、ベッドのマットレスなどのように広く広げられている対象物に対して紫外線殺菌作業を行うとき、脚を本体下部に結合すれば使用者が手でつかんでいなくてもよいため、使い勝手がよい長所を持つ。
【0021】
また、本体と脚との間に延長バーをさらに介在させることによって紫外線ランプと対象物との間の距離を調節できる長所を持つ。
【0022】
また、取っ手部が分離可能であるため、取っ手部を分離した後、スタンドに結合して使用できる長所を持つ。
【0023】
また、脚と延長バーの未使用時には、本体に雄雌結合されてその体積を減らすことができるため、保管及び携帯が容易な長所を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施例に係る紫外線殺菌装置を概略的に示す斜視図
【
図2】
図1の紫外線殺菌装置を概略的に示す底面図で
【
図3】
図1の紫外線殺菌装置を概略的に示す分解斜視図
【
図4】
図1の紫外線殺菌装置で脚が本体下部に結合された形態を概略的に示す斜視図
【
図5】
図4の紫外線殺菌装置で延長バーがさらに介在された形態を概略的に示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下添付された図面を参照して、本発明の紫外線殺菌装置について詳細に説明する。
【0026】
図1は本発明の一実施例に係る紫外線殺菌装置を概略的に示す斜視図、
図2は
図1の紫外線殺菌装置を概略的に示す底面図、
図3は
図1の紫外線殺菌装置を概略的に示す分解斜視図、
図4は
図1の紫外線殺菌装置で脚が本体下部に結合された形態を概略的に示す斜視図、
図5は
図4の紫外線殺菌装置で延長バーがさらに介在された形態を概略的に示す斜視図である。
【0027】
図1ないし
図5を参照すると、本発明の紫外線殺菌装置は、本体100と、本体100の下部に着脱可能に結合される紫外線ランプ200と、本体100に着脱可能に結合されて本体100と地面との間を離隔させる脚300と、本体100に着脱可能に結合されて本体100と脚300との間に選択的に介在されることによって本体100と地面との間の距離をさらに延長させる延長バー400と、本体100に着脱可能に結合されて使用者が手でつかむことができる取っ手500とを含む。
【0028】
本体100は、上面に備えられた電源スイッチ110と、内部に備えられた傾斜センサ(図示せず)と、上面に備えられた傾斜オフスイッチ120と、内部に備えられた制御部(図示せず)とを含む。
【0029】
電源スイッチ110は、紫外線ランプ200と電気的に連結されて紫外線ランプ200をオン/オフ(on/off)させる。
【0030】
傾斜センサは、本体100の傾斜を感知してあらかじめ設定された傾斜値によって電気的に連結された紫外線ランプ200のオン/オフを制御する。ここで、傾斜値の設定は、最初設定によって固定された値の場合もあり得、使用者が任意的に設定することもできるが、任意に設定する場合、本体100の上面に別途の傾斜設定ボタン(図示せず)が備えられる。傾斜センサは、電源スイッチがオン(on)される場合、連動して動作し、電源スイッチ110がオフ(off)される場合、連動してその動作が停止される。傾斜センサが備えられる理由は、所定距離から人の目が直接紫外線に露出される場合、目の損傷を引き起すことがあるので、紫外線殺菌装置の利用中に本体100が所定角度傾くと、紫外線ランプ200の動作を停止させて不注意による使用者または近くにいる人の目の損傷を防止するためである。
【0031】
傾斜オフスイッチ120は、電源スイッチ110がオン(on)されても傾斜センサの動作が行われないようにするもので、壁や直立している対象物などに紫外線を照射するときには、紫外線ランプ200が地面に対して略直交する方向に配置されなければならないため、傾斜センサの動作が電源スイッチ110と連動される場合、傾斜センサによって紫外線ランプ200の動作が行われなくなり、これを防止するためである。もちろん、傾斜設定ボタンがある場合、紫外線の照射角度の調整だけで傾斜オフスイッチ120を代替することができるので、傾斜設定ボタンがあれば傾斜オフスイッチ120を省略することもできる。もちろん、傾斜オフスイッチ120と傾斜設定ボタンの両方を備えることもできる。
【0032】
制御部は、電源スイッチ110と、傾斜センサと、傾斜オフスイッチ120と、紫外線ランプ200との間の電気的連結関係を制御する。もちろん傾斜設定ボタンがある場合、これに対する電気的連結関係も制御する。
【0033】
脚300は、本体100の上面両側に形成された収容溝130に着脱可能に結合され、収容溝130から分離されて、本体100の下面両側に形成された結合溝190に着脱可能に結合されることによって、本体100と地面との間の距離を離隔させる。脚300は、地面に接触する支持部310と、支持部310の上面一側で上方に延びた離隔部320からなり、支持部310は円板またはリング状であり得るが、この形状に限定されるものではない。したがって、収容溝130の形状も、脚の形状に対応する形態で形成され、離隔部を収容するための離隔部収容溝131(離隔部収容ホール)が一側に形成される。ここで、収容溝130に脚300が収容されると、支持部310が外部に露出され、この状態で支持部310の上面は本体100の上面と面一または略面一となる。
【0034】
脚300の離隔部320のうち、上部は、互いに向き合う方向に一対の段付き溝321及び前記段付き溝321に直交する方向に一対の離隔突起322が突出形成され得る。ここで段付き溝321は、離隔部320の外周面に形成され、離隔突起322は、外周面の一部が除去されて内側に湾入した形態であり得るが、このような形態によって離隔部320の上部外周面は全体的に凹み部分と凸部分が交互になった形態であり得る。ここで、離隔突起322部分によって形成された凹み部分の垂直距離が段付き溝321の凹み部分の垂直距離よりも長く形成され得る。離隔部320の上面には結合溝190との磁性結合のために磁石(図示せず)が備えられ得る。したがって、結合溝190内には金属板または離隔部320に備えられた磁石と極性が異なる磁石が備えられ得る。
【0035】
延長バー400は、本体100の上面に両側または一側に形成された一対の延長溝140に着脱可能に結合され、延長溝140から分離されて、本体100の結合溝190と脚300との間に着脱可能に結合され、地面と本体100との間の距離をさらに離隔させる。延長バー400の上部または下部は、離隔部320の上部と雄雌結合できるように一対の延長突起410が互いに向き合う方向に形成され得、これに交差する方向に一対の段付き突起420が形成され得る。ここで、延長突起410が段付き突起420の垂直の長さよりも長く形成される。これは延長突起410が離隔突起322部分に形成された凹み部分に雄雌結合され、段付き突起420が段付き溝321に雄雌結合されるためである。延長バー400の上面と下面には結合溝190及び脚300との磁性結合のために磁石(図示せず)が備えられ得る。
【0036】
取っ手500は、レバー510及び固定部材520を含む。
【0037】
レバー510の一側には中孔511が形成され、該中孔511が本体100の上面中心部に上方に突出した結合棒150に挿入されて着脱可能に結合される。中孔511を形成する内壁面中心部には内周面に沿って中孔の中心側にフランジ512が突出するものの、フランジ512の両端は互いに連結されていないため開放された、すなわち中孔の拡張部分であるキー溝513が形成される。
【0038】
このキー溝513に対応するように結合棒150の上部一側には結合棒150に直交する方向にキー突起151が突出される。
【0039】
固定部材520は、円筒状でレバー510の中孔511に挿入されてフランジ512に装着され、上面両側に指が挿入できるように回転溝521が形成され、外周面の下部一側には略「┐」状のロックホール522が形成される。
【0040】
一方、本体100の上面中心部には、結合棒150の周囲を取り囲む形態で突出リブ160が突出され、上面のうち、突出リブ160の外側には所定間隔離隔して略「U」字状のホール形態でパンチングされ、端部の加圧によって上下にはねられ得る一対の固定片170が形成されるものの、固定片170の端部には固定片突起171が突出され得る。本体100の上面のうち、固定片170の外側には、ガイド溝180がリング状で形成され、ガイド溝180の一部にはより深くガイド固定溝181がさらに形成され得る。
【0041】
このような本体100の上面の構造に対応するように、レバー510の中孔511が形成された領域の下面には、突出リブ160に対応するようにリブ溝514が形成され、リブ溝514の外側には固定片170に対応するように固定片収容溝515が形成され、外郭一側にはガイド溝180及びガイド固定溝181に対応するようにガイド突起516が突出され得る。
【0042】
このような構造の取っ手500が本体100に結合される過程を説明すると、先ず、結合棒150のキー突起151とレバー510のキー溝513とを重なるように配置しながらレバー510を結合棒150に挿入し、突出リブ160とリブ溝514とを合わせた後、レバー510を回して固定片収容溝515に固定片突起171が収容されるように、そして、ガイド固定溝181にガイド突起516が収容されるようにする。この状態で固定部材520を中孔511に挿入してロックホール522の垂直部分522aにキー突起151が挿入されるようにした後、固定部材520を回転させてキー突起151をロックホール522の水平部分522bに移動させると、本体100に取っ手500が固定結合される。
【0043】
このような構造の紫外線殺菌装置によれば、紫外線ランプをオン(on)させて対象物を殺菌する過程で、紫外線の照射角度が一定の角度から外れると、本体に内蔵された傾斜センサがこれを感知して自動で紫外線ランプをオフ(off)させることによって不注意な使用による人命事故を防止できる長所を持つ。
【0044】
また、壁面などに対して殺菌作業を行う場合、傾斜センサの動作を中断させるか、傾斜センサの動作中断のための傾斜角度のセッティングを調節することによって紫外線の照射角度が一定の角度から外れても使用できるため、場所や対象に関わらず、どこでも使用できる長所を持つ。
【0045】
また、ベッドのマットレスなどのように広く広げられている対象物に対して紫外線殺菌作業を行うとき、脚を本体下部に結合すれば使用者が手でつかんでいなくてもよいため、使い勝手がよい長所を持つ。
【0046】
また、本体と脚との間に延長バーをさらに介在させることによって紫外線ランプと対象物との間の距離を調節できる長所を持つ。
【0047】
また、取っ手部が分離可能であるため、取っ手部を分離した後、スタンドなどに結合して使用できる長所を持つ。
【0048】
また、脚と延長バーの未使用時には、本体に雄雌結合されてその体積を減らすことができるため、保管及び携帯が容易な長所を持つ。
【符号の説明】
【0049】
100 本体
110 電源スイッチ
120 傾斜オフスイッチ
130 収容溝
140 延長溝
150 結合棒
151 キー突起
160 突出リブ
170 固定片
171 固定片突起
180 ガイド溝
181 ガイド固定溝
190 結合溝
200 紫外線ランプ
300 脚
310 支持部
320 離隔部
321 段付き溝
322 離隔突起
400 延長バー
410 延長突起
420 段付き突起
500 取っ手
510 レバー
511 中孔
512 フランジ
513 キー溝
514 リブ溝
515 固定片収容溝
516 ガイド突起
520 固定部材
521 回転溝
522 ロックホール