特許第6290363号(P6290363)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6290363デフォルト空気流れ調節ピンを備える電子スロットル制御アセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290363
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】デフォルト空気流れ調節ピンを備える電子スロットル制御アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/02 20060101AFI20180226BHJP
   F02D 11/10 20060101ALI20180226BHJP
   F16K 31/53 20060101ALI20180226BHJP
   F16K 31/44 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   F02D9/02 351N
   F02D11/10 A
   F16K31/53
   F16K31/44 F
【請求項の数】20
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-228969(P2016-228969)
(22)【出願日】2016年11月25日
(65)【公開番号】特開2017-101672(P2017-101672A)
(43)【公開日】2017年6月8日
【審査請求日】2016年11月25日
(31)【優先権主張番号】62/259,952
(32)【優先日】2015年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/333,733
(32)【優先日】2016年10月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】313005662
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティブ システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CONTINENTAL AUTOMOTIVE SYSTEMS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ブアクハート
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ケーラー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ノーマン ストックブリッジ
【審査官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−022678(JP,A)
【文献】 特開2007−077846(JP,A)
【文献】 特開平11−173169(JP,A)
【文献】 米国特許第05492097(US,A)
【文献】 米国特許第05775292(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1099840(EP,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第1441117(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/00−11/10
F16K 31/44−31/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スロットル制御アセンブリを備える装置であって、該スロットル制御アセンブリは、
中央ポートを規定するハウジングと、
前記中央ポートに配置されかつ軸に取り付けられた弁プレートと、
該弁プレートおよび前記軸の回転を制御するアクチュエータと、
少なくとも1つの歯車であって、該少なくとも1つの歯車の回転は前記アクチュエータによって制御され、前記少なくとも1つの歯車の回転は前記軸の回転を制御する、少なくとも1つの歯車と、
前記少なくとも1つの歯車を付勢して前記弁プレートがデフォルト流れ位置に配置されるように作動可能な少なくとも1つのばねと、
前記ばねの少なくとも一方の端部に接触するように前記ハウジングに取り付けられた少なくとも1つの調節ピンと、
を備え、
前記弁プレートの前記デフォルト流れ位置を調節するために、前記少なくとも1つの調節ピンの位置を変化させ、
前記少なくとも1つの調節ピンは、
カムに隣接した刻み付き部分またはリブ付き部分と、
前記刻み付き部分に隣接した、または前記リブ付き部分がその一部または全部に沿って延びているプレスゾーン部分と、をさらに備え、
前記少なくとも1つの調節ピンが前記ハウジングの取付け開口に挿入され、これにより、前記プレスゾーン部分が前記開口内に配置され、次いで、前記弁プレートの前記デフォルト流れ位置を調節するために前記少なくとも1つの調節ピンが回転され、次いで、前記少なくとも1つの調節ピンが前記開口内へさらに押し込まれると、前記刻み付き部分または前記リブ付き部分が前記少なくとも1つの調節ピンを前記ハウジングに固定して取り付けることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの調節ピンは、
本体と、
該本体と一体に形成されたカムと、をさらに備え、
前記少なくとも1つのばねに対する前記カムの位置を調節するために前記少なくとも1つの調節ピンを回転させる、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記本体と一体に形成された駆動部分をさらに備え、
前記少なくとも1つの調節ピンを回転させかつ前記少なくとも1つの調節ピンを所望の位置に配置するために、前記駆動部分を回転させる、請求項記載の装置。
【請求項4】
前記駆動部分は、複数の外部スプラインを有する外部駆動部分をさらに備える、請求項記載の装置。
【請求項5】
前記駆動部分は、複数の内部スプラインを有する内部駆動部分をさらに備える、請求項記載の装置。
【請求項6】
第1の端部を有する閉鎖ばねをさらに備え、
前記少なくとも1つのばねは、第1の端部を有する開放ばねであり、前記閉鎖ばねの前記第1の端部は前記開放ばねの前記第1の端部に隣接しており、前記ハウジングに対する前記開放ばねの前記第1の端部と前記閉鎖ばねの前記第1の端部との位置を変化させるために、前記少なくとも1つの調節ピンを回転させる、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記調節ピンに取り付けられた軸受をさらに備え、該軸受の直径は、前記少なくとも1つのばねの所望の位置に対応している、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの歯車に隣接して前記ハウジングに固定して取り付けられた第2の調節ピンと、
前記少なくとも1つの歯車の一部として一体に形成された歯車ストッパと、をさらに備え、
前記少なくとも1つの歯車の位置と前記弁プレートの位置とを調節するために、前記第2の調節ピンが位置決めされる、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
スロットル制御アセンブリであって、
ハウジングと、
該ハウジングの一部として形成された中央ポートと、
該中央ポートに配置されるように軸に取り付けられた弁プレートと、
歯車アセンブリと、
前記軸に取り付けられた、前記歯車アセンブリの一部である扇形歯車と、
前記歯車アセンブリと係合したアクチュエータと、
前記扇形歯車を開放位置に向かって付勢するために作動可能な開放ばねと、
前記扇形歯車を閉鎖位置に向かって付勢するために作動可能な閉鎖ばねと、
前記開放ばねおよび前記閉鎖ばねの位置を調節するために作動可能な少なくとも1つの調節ピンと、
を備え、
前記開放ばねおよび前記閉鎖ばねの位置を調節するために、前記ハウジングに対する前記少なくとも1つの調節ピンの位置を変化させ、これが、前記扇形歯車と、前記軸と、前記弁プレートとの位置を変化させ
前記少なくとも1つの調節ピンは、
カムに隣接して本体と一体に形成された刻み付き部分またはリブ付き部分と、
前記刻み付き部分に隣接した、または前記リブ付き部分がその一部または全部に沿って延びているプレスゾーン部分と、をさらに備え、
前記少なくとも1つの調節ピンが前記ハウジングの取付け開口に挿入され、これにより、前記プレスゾーン部分が前記開口内に配置され、次いで、前記弁プレートのデフォルト流れ位置を調節するために前記少なくとも1つの調節ピンが回転され、次いで、前記少なくとも1つの調節ピンが前記開口内へさらに押し込まれると、前記刻み付き部分または前記リブ付き部分が前記少なくとも1つの調節ピンを前記ハウジングに固定して取り付けることを特徴とする、スロットル制御アセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの調節ピンは、
本体と、
該本体と一体に形成されたカムと、をさらに備え、
該カムが前記開放ばねおよび前記閉鎖ばねの位置を変化させるように、前記少なくとも1つの調節ピンを回転させる、請求項記載のスロットル制御アセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの調節ピンは、駆動部分をさらに備え、該駆動部分は、前記少なくとも1つの調節ピンを回転させるために使用される、請求項1記載のスロットル制御アセンブリ。
【請求項12】
前記駆動部分は、複数の外部スプラインを有する外部駆動部分をさらに備える、請求項1記載のスロットル制御アセンブリ。
【請求項13】
前記駆動部分は、複数の内部スプラインを有する内部駆動部分をさらに備える、請求項1記載のスロットル制御アセンブリ。
【請求項14】
前記開放ばねの一部である第1の端部であって、前記開放ばねの前記第1の端部は前記少なくとも1つの調節ピンと接触している、第1の端部と、
前記閉鎖ばねの一部である第1の端部であって、前記閉鎖ばねの前記第1の端部は前記開放ばねの前記第1の端部に隣接している、第1の端部と、をさらに備え、
前記少なくとも1つの調節ピンを回転させると、前記開放ばねの前記第1の端部と前記閉鎖ばねの前記第1の端部との位置が変化して前記扇形歯車および前記弁プレートの位置が変化し、これにより、前記弁プレートが所望のデフォルト流れ位置を有する、請求項9から13までのいずれか1項記載のスロットル制御アセンブリ。
【請求項15】
前記扇形歯車に隣接して前記ハウジングに固定して取り付けられた第2の調節ピンと、
前記扇形歯車の一部として一体に形成された歯車ストッパと、をさらに備え、
前記扇形歯車の位置と前記弁プレートの位置とを調節するために、前記第2の調節ピンが位置決めされる、請求項9から14までのいずれか1項記載のスロットル制御アセンブリ。
【請求項16】
前記調節ピンに取り付けられた軸受をさらに備え、該軸受の直径は、前記少なくとも1つのばねの所望の位置に対応している、請求項9から15までのいずれか1項記載のスロットル制御アセンブリ。
【請求項17】
スロットル制御アセンブリであって、
ハウジングと、
該ハウジングの一部として形成された中央ポートと、
該中央ポートに配置されるように軸に取り付けられた弁プレートと、
歯車アセンブリと、
前記軸に取り付けられた、前記歯車アセンブリの一部である扇形歯車と、
前記歯車アセンブリと係合したアクチュエータと、
前記ハウジングの一部として一体に形成された取付け開口と、
該取付け開口に配置された少なくとも1つの調節ピンと、
該少なくとも1つの調節ピンと接触した第1の端部および前記扇形歯車と係合した第2の端部を有する開放ばねと、
該開放ばねの前記第1の端部に隣接した第1の端部および前記ハウジングと係合した第2の端部を有する閉鎖ばねと、
前記少なくとも1つの調節ピンの一部である本体と、
該本体と一体に形成されたカムであって、前記開放ばねの前記第1の端部と接触しているカムと、
該カムに隣接して前記本体と一体に形成された駆動部分であって、前記少なくとも1つの調節ピンの一部である、駆動部分と、
を備え、
前記扇形歯車と前記弁プレートとの位置を調節するために、前記少なくとも1つの調節ピンの駆動部分を回転して前記カムが前記開放ばねおよび前記閉鎖ばねの位置を変化させるようにし、
前記少なくとも1つの調節ピンは、
前記カムに隣接して前記本体の一部として形成された刻み付き部分またはリブ付き部分と、
前記刻み付き部分に隣接した、または前記リブ付き部分がその一部または全部に沿って延びている、前記本体の一部として一体に形成されたプレスゾーン部分と、をさらに備え、
前記プレスゾーン部分が取付け開口に押し込まれ、前記少なくとも1つの調節ピンを回転して前記開放ばねの前記第1の端部および前記閉鎖ばねの前記第1の端部の位置を変化させた後、前記少なくとも1つの調節ピンが前記取付け開口内へさらに押し込まれ、これによって、前記刻み付き部分または前記リブ付き部分が前記少なくとも1つの調節ピンを前記取付け開口に固定して取り付けることを特徴とする、スロットル制御アセンブリ。
【請求項18】
前記駆動部分は、複数の外部スプラインを有する外部駆動部分をさらに備える、請求項17記載のスロットル制御アセンブリ。
【請求項19】
前記駆動部分は、複数の内部スプラインを有する内部駆動部分をさらに備える、請求項17記載のスロットル制御アセンブリ。
【請求項20】
前記扇形歯車に隣接して前記ハウジングに固定して取り付けられた第2の調節ピンと、
前記扇形歯車の一部として一体に形成された歯車ストッパと、をさらに備え、
前記扇形歯車の位置と前記弁プレートの位置とを調節するために、前記第2の調節ピンが位置決めされる、請求項17から19までのいずれか1項記載のスロットル制御アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本願は、2015年11月25日に出願された米国仮出願第62/259,952号の利益を請求する。上の出願の開示は参照により本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、一般に、電子スロットル制御アセンブリにおける少なくとも1つのばねの位置を調節することによってスロットルプレートのデフォルト流れ位置を調節するために使用される偏心ピンに関する。
【背景技術】
【0003】
電子スロットルボディは一般的に公知であり、エンジン内への空気の流れを制御するために使用される。これらのスロットルボディは、ある種の弁を有しており、この弁は、通常、エンジン内への空気流の量を増減するように回転される、ハウジングのポートに配置された弁プレートである。電子スロットルボディは、通常、スロットルプレートの完全に閉鎖した位置に対するスロットルプレートの特定の開放角度を設定することによって達成される「デフォルト空気流れ」設定を有する。最終歯車(扇形歯車など)が、スロットルプレートと共に軸に取り付けられており、扇形歯車は、軸およびスロットルプレートを回転させるために使用される。
【0004】
デフォルト空気流れは、扇形歯車に接続された開放ばねの使用を含むことによって達成され、開放ばねは、扇形歯車内のばねストッパと、ハウジングに配置されたデフォルトストッパとによって支持されている。多くの設計要求は、弁プレートの開放角度の公差を、±0.1°、幾つかの例においては±0.1°未満になるように規定することを含む。
【0005】
組立て中、扇形歯車は軸に取り付けられ、スロットルプレートは完全に閉鎖した位置にあり、扇形歯車は、開放ばねが歯車を歯車ストッパに対して配置するように位置決めされる。所望のデフォルト空気流れ設定を有するように弁プレートを位置決めすることは、大きな労力を要する。
【0006】
弁プレートの適切な調節を提供するための解決手段のうちの1つは、弁プレートのデフォルトストッパ位置または歯車ストッパ位置を設定するために設定ねじを使用することである。しかしながら、設定ねじを使用することは、ねじ直径がばねの端部よりも大きくなければならず、また、スロットルボディに取り付けられた適切な構成部材への正確な接続を保証するために十分に大きくなければならないという欠点を有する。その結果、これらの設定ねじの直径は、設定ねじを歯車箱内に適切に位置決めするには大きすぎる。したがって、ねじは、歯車箱の外側から、回転のために駆動されなければならない。組立て後、設定ねじは固定されなければならず、設定ねじが適切に位置決めされたままでありかつ操作できないことを保証するために、設定ねじ用のアクセス穴を閉鎖しなければならない。
【0007】
したがって、上記の欠点なしに弁プレートのデフォルト空気流れ設定を調節することができるスロットルボディが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電子スロットル制御アセンブリ用の偏心ピンであり、ピンは、少なくとも1つのばねの位置を調節し、これにより弁プレートのデフォルト流れ位置を調節するために使用され、弁プレートは、電子制御アセンブリにおいてハウジングの開口に配置されている。偏心ピンは、弁プレートのデフォルト角度を±0.10°の角度公差で調節することによってデフォルト空気流れを調節するために使用され、これは、基本的に、偏心ピンのカム位置と、カムに当接したばねの端部の位置とを調節可能であることによって、組立て中の公差を3.5分の1に減じる。
【0009】
偏心ピンは、電子スロットル制御アセンブリのハウジングの開口に摺動可能に押し込まれる。偏心ピンは、ある種のドライバを使用して回転される。1つの実施の形態では、ドライバは複数の外部スプラインを有しており、偏心ピンは、ハウジングの開口に配置されており、所望の位置への調節後に回転しないように固定される。
【0010】
1つの実施の形態では、電子スロットル制御アセンブリは、1ばね設計であり、別の実施の形態では、電子制御アセンブリは2ばね設計であり、2ばね設計は、1つの偏心ピンのみを必要とする。2ばね設計は、各ばねの端部、ひいては、弁プレートの角度と、リンプホームモード(limp-home mode)に関連した空気流とを調節するために、偏心ピンを使用する。1ばね設計の場合、偏心ピンは、ばねの各端部の軸方向の遊び(endplay)を低減または排除するために、および/または角度および空気流を設定するために、使用される。
【0011】
1つの実施の形態では、偏心ピンは、ピンの位置を調節するために使用される外部駆動部分を有する。別の実施の形態では、偏心ピンは、偏心を有しており、さらに別の実施の形態では、偏心ピンは、リブ付き、ねじ山付きまたは刻み付きの面を有してもよいプレスゾーンを有する。
【0012】
また、偏心ピンは、扇形歯車の位置を調節するために使用されてもよく、例えば、小さな漏れのための最小開放角度と、空気通路におけるスロットルプレートコーキングを回避するための最小開放角度とを提供するための下側機械的ストッパとして機能してもよい。
【0013】
1つの実施の形態では、本発明は、スロットル制御アセンブリであり、スロットル制御アセンブリは、ハウジングと、ハウジングの一部として形成された中央ポートと、中央ポートに配置されるように軸に取り付けられた弁プレートと、軸に取り付けられた扇形歯車を有する歯車アセンブリと、歯車アセンブリと係合したアクチュエータと、を備える。取付け開口は、ハウジングの一部として一体に形成されており、少なくとも1つの調節ピンは取付け開口に配置されている。スロットル制御アセンブリは、少なくとも1つの調節ピンと接触した第1の端部と扇形歯車に係合した第2の端部とを有する開放ばねと、開放ばねの第1の端部に隣接した第1の端部とハウジングに係合した第2の端部とを有する閉鎖ばねと、をさらに備える。調節ピンは、本体と、本体と一体に形成されたカムとを有しており、カムは、開放ばねの第1の端部と接触するようになっている。駆動部分は、カムに隣接して本体と一体に形成されており、調節ピンの駆動部分は、カムが開放ばねおよび閉鎖ばねの位置を変化させて扇形歯車と弁プレートとの位置を調節するように、回転される。
【0014】
調節ピンは、カムに隣接して本体の一部として形成された刻み付き部分と、刻み付き部分に隣接して本体の一部として一体に形成されたプレスゾーン部分と、をさらに有する。組立て中、プレスゾーン部分は取付け開口に押し込まれ、開放ばねの第1の端部および閉鎖ばねの第1の端部の位置を変化させるように調節ピンを回転した後、調節ピンはさらに取付け開口内へ押し込まれ、この結果、刻み付き部分が取付け開口に押し込まれ、調節ピンを取付け開口に固定して取り付ける。
【0015】
代替的な実施の形態では、リブ付き部分が、刻み付き部分の代わりにカムに隣接して本体の一部として形成されており、リブ付き部分は、ハウジングの一部として形成された取付け開口に挿入されて、調節ピンをハウジングに固定して取り付ける。
【0016】
駆動部分は、複数の外部スプラインを有する外部駆動部分、または複数の内部スプラインを有する内部駆動部分であってもよい。
【0017】
別の代替的な実施の形態では、カムの代わりに、異なるサイズの軸受が選択されかつピンに取り付けられてもよく、この場合、選択された軸受の直径はばねの所望の位置に対応している。
【0018】
別の代替的な実施の形態では、第2の調節ピンは、扇形歯車に隣接してハウジングに固定して取り付けられており、かつ扇形歯車の一部として一体に形成された歯車ストッパと接触している。第2の調節ピンは、歯車の位置と、弁プレートのデフォルト流れ位置とを調節するために位置決めされる。
【0019】
本発明の別の適用可能な分野は、以下に提供される詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好適な実施の形態を示しているが、例示の目的で示されているだけであって、発明の範囲を限定しようとするものではないことを理解すべきである。
【0020】
本発明は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの透視図である。
図2】本発明の実施の形態による、カバーが取り外されたスロットル制御アセンブリの透視図である。
図3】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用されるハウジングの部分の側面図である。
図4】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用される、扇形歯車に取り付けられた開放ばねおよび閉鎖ばねを備える扇形歯車の透視図である。
図5】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部である複数の構成部材の分解図である。
図6A】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用される偏心ピンの第1の実施の形態の第1の透視図である。
図6B】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用される偏心ピンの第1の実施の形態の第2の透視図である。
図6C】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用される偏心ピンの第1の実施の形態の第3の透視図である。
図6D】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用される偏心ピンの第1の実施の形態の正面図である。
図6E】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用される偏心ピンの第1の実施の形態の側面図である。
図6F】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用される偏心ピンの第1の実施の形態の後面図である。
図7A】本発明の実施の形態による、カバーが取り外されかつ偏心ピンが第1の位置にある、スロットル制御アセンブリの側面図である。
図7B図7Aに示された円で囲まれた部分の拡大図である。
図7C】本発明の実施の形態による、カバーが取り外されかつ偏心ピンが第2の位置にある、スロットル制御アセンブリの一部の側面図である。
図7D図7Cに示された円で囲まれた部分の拡大図である。
図8A】本発明の実施の形態による、カバーが取り外された、付加的な偏心ピンを有するスロットル制御アセンブリの別の実施の形態の側面図である。
図8B図8Aに示された円で囲まれた部分の拡大図である。
図9A】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用される偏心ピンの第2の実施の形態の第1の透視図である。
図9B】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用される偏心ピンの第2の実施の形態の第2の透視図である。
図10A】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用される偏心ピンの第3の実施の形態の第1の透視図である。
図10B】本発明の実施の形態によるスロットル制御アセンブリの一部として使用される偏心ピンの第3の実施の形態の第2の透視図である。
図11A】本発明の実施の形態による、刻み付き部分が除去された、図6A図6Fに示された偏心ピンの実施の形態の変化形である。
図11B】本発明の実施の形態による、刻み付き部分が除去された、図9A図9Bに示された偏心ピンの実施の形態の変化形である。
図11C】本発明の実施の形態による、刻み付き部分が除去された、図10A図10Bに示された偏心ピンの実施の形態の変化形である。
図12A】本発明の実施の形態による、刻み付き部分の代わりにリブ付き部分を有する、図6A図6Fに示された偏心ピンの実施の形態の変化形である。
図12B】本発明の実施の形態による、刻み付き部分の代わりにリブ付き部分を有する、図9A図9Bに示された偏心ピンの実施の形態の変化形である。
図12C】本発明の実施の形態による、刻み付き部分の代わりにリブ付き部分を有する、図10A図10Bに示された偏心ピンの実施の形態の変化形である。
図13A】本発明の実施の形態による、完全カムを有する、偏心ピンの別の実施の形態の透視図である。
図13B】本発明の実施の形態による、完全カムを有する、偏心ピンの別の実施の形態の後面図である。
図14】本発明の実施の形態による、カバーが取り外され、かつブシュを有する偏心ピンの別の代替的な実施の形態を有する、スロットル制御アセンブリの拡大した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
好適な実施の形態の以下の説明は、本質的に単に例示的であり、本発明、その用途、または使用を制限しようとするものではない。
【0023】
本発明によるスロットル制御アセンブリが、図面において全体を符号10で示されている。アセンブリ10はハウジング12を有しており、ハウジング12の一部として中央ポート14が形成されており、アセンブリ10の作動中に空気が中央ポート14を通過する。中央ポート14には、回転可能な軸16が配置されている。軸16はスロット18を有しており、スロット18には弁部材が配置されており、この弁部材は、この実施の形態では弁プレート20である。弁プレート20は2つの開口を有しており、これらの開口は、軸16の一部として形成された2つのねじ山付き開口と整列している。締結具はプレート20を軸16に接続しており、締結具は、この実施の形態ではねじ山付きねじ26であり、このねじ山付きねじ26は、プレート20の開口と、軸16のねじ山付き開口とに挿入され、弁プレート20を軸16に固定している。
【0024】
軸16は、ハウジング12の一部として形成された開口28に部分的に配置されている。開口28には、軸16を支持しかつ軸16をハウジング12に対して回転させることができる第1の軸受アセンブリ(図示せず)および第2の軸受アセンブリ30も配置されている。第1の軸受アセンブリは開口28においてプラグによってシールされており、第2の軸受アセンブリ30も開口28において、軸16の一部として形成された溝50に配置されたC字形ワッシャ34によってシールされている。第2の軸受アセンブリ30は、C字形ワッシャ34と軸16の端部との間に配置されており、ハウジング12の一部として形成されたボス52内に配置され、このボス52によって支持されている。
【0025】
ハウジング12はキャビティも有しており、キャビティにはアクチュエータが配置されており、このアクチュエータは、この実施の形態では、2つのモータねじ40によって所定の位置に保持された電気モータ38である。モータ38の軸には第1の歯車またはピニオン歯車42が取り付けられている。ピニオン歯車42は、第2の歯車または中間歯車44と噛み合っている。中間歯車44は中間軸46に取り付けられており、中間軸46は、ハウジング12の一部として形成された開口48内へ部分的に延びている。中間歯車44と比較して直径がより小さなミドル歯車(図示せず)も、中間歯車44の一部として形成されている。ミドル歯車は扇形歯車58と噛み合っており、扇形歯車58は、圧入接続または何らかのその他のタイプの接続によって軸16に取り付けられている。
【0026】
アセンブリ10は、開放ばね62および閉鎖ばね64をも有する。開放ばね62は、第1の端部62aおよび第2の端部62bを有しており、第1の端部62aは、全体を符号66で示された第1のピンと接触している。組み立てられると、開放ばね62は、閉鎖ばね64の一部を包囲し、閉鎖ばね64も、第1の端部64aおよび第2の端部64bを有する。図2図4および図7A図7Dに示したように、閉鎖ばね64の第1の端部64aは開放ばね62の第1の端部62aに隣接しており、これにより、開放ばね62および閉鎖ばね64の双方を第1のピン66によって調節することができる。
【0027】
この実施の形態では、第1のピン66は、ハウジング12の一部として形成された取付け開口68に配置された偏心ピン66である。偏心ピン66は、円筒状の本体66aを有しており、駆動部分66bと、カム66cと、刻み付き部分66dと、プレスゾーン部分66eと、減径部66fとが、本体66aと一体に形成されている。カム66cを本体66aの中央に配置されており、駆動部分66bはカム66cの一方の側に配置されており、刻み付き部分66dはカム66cの他方の側に配置されている。プレスゾーン部分66eは、刻み付き部分66dに隣接している。開口68は、ピン66を開口68に押し込むことができ、圧入接続を有するように成形されている。組立て中、ピン66は開口68に挿入され、減径部66eは開口68内へのピン66の挿入を容易にしている。ピン66は開口68に挿入されるが、ただし、プレスゾーン部分66eが開口68に配置され、刻み付き部分66dを含むピン66の残りの部分は開口68に配置されないように、挿入される。図7A図7Bに示したように、ピン66は、カム66cが開放ばね62の第1の端部62aと接触するように位置決めされる。次いで、駆動部分66bは、ピン66を回転させてカム66cの位置を開放ばね62の第1の端部62aに対して変化させるために使用される。カム66cは、ピン66が回転したときに開放ばね62の第1の端部62aと閉鎖ばね64の第1の端部64aとの位置を変化させ、これにより、図7C図7Dに示したように、扇形歯車58と、軸16と、ひいては弁プレート20との位置を変化させるように、成形されている。弁プレート20のこの調節は、弁プレート20の「デフォルト流れ位置」を変化させる。弁プレート20は、モータ38が作動しておらず、弁プレート20の移動を制御するために使用されてないときに、ばね62,64から加えられる付勢力の結果としてデフォルト流れ位置に配置される。弁プレート20のこの調節は、モータ38が作動していないときに中央ポート14を通る空気のデフォルト流れの調節を可能にする。
【0028】
カム66cの形状により、弁プレート20のデフォルト流れ位置を、±0.10度などの、ただしこれに限定されない極めて小さな増分で調節することができる。これは、基本的に、偏心ピン66の位置を調節可能であることに起因して組立て中の公差を3.5分の1に減じる。ピン66が所望の位置へ回転すると、ピン66は次いで、刻み付き部分66dが開口68に押し込まれるように、さらに開口68に押し込まれる。刻み付き部分66dが開口68に押し込まれるとき、開口68は、刻み付き部分66dの周囲において部分的に変形する。刻み付き部分66dの周囲の開口68の領域の変形が、ピン66を所望の部分にロックし、ピン66が望ましくない位置へ回転することを防止する。
【0029】
カム66cは、ピン66が回転したときに各ばね62,64の端部62a,64aの位置を変化させるように成形されている。ピン66の回転が各ばね62,64の端部62a,64aの位置をどのように変化させるかを変更するために、カム66cの形状を変化させてもよい。図6A図6Fを参照すると、ピン66は、ピン66の中央を通って延びる第1の軸線70を有する。この実施の形態におけるカム66cは、本体66aの直径よりも大きな直径を有する円筒の一部に相当する形状を有する。ピン66は、カム66cの軸線72である第2の軸線72も有しており、第2の軸線72は第1の軸線70からずれている。この実施の形態では、第2の軸線72は、第1の軸線70から0.65ミリメートルの距離74だけずれている。しかしながら、その他の距離が用いられてよいことも本発明の範囲内である。カム66cは、第1の接点78において始まる円弧状部分76も有しており、円弧状部分76は、図6Fに示したように180°の角度86において延びている。円弧状部分76は、端面80において終わっている。端面80は実質的に平坦であり、本体66aに対して接線方向であり、端面80は、第2の接点82において終わっている。この実施の形態におけるカム66cの半径84は、2.48ミリメートルであるが、半径84は変化してもよく、特定の用途に適合するように変化させてよいことも本発明の範囲内である。
【0030】
上述のように、カム66cは、円筒の一部に相当する形状を有する。カム66cは、180度の角度86で本体66aの周囲に延びている。カム66cの半径84と、カム66cが延びている角度86とを、特定の用途に適合するように変化させてもよい。カム66cの幅76aを、様々な異なる用途に適合するように変化させてもよく、その場合、ばね62,64は様々な異なるサイズであってもよいし、またはその他の構成部材のサイズを変化させてもよい。
【0031】
この実施の形態では、本体66aは、1.83ミリメートルの半径88を有する。カム66cの端部90は、端面80に隣接している。本体66aの半径88とカム66cの半径84との差は、0.65ミリメートルの距離74だけ第1の軸線70からずれた第2の軸線72と組み合わされて、本体66aの外面66gとカム66cの端部90との間に最大距離92を生ぜしめる。最大距離92では、カム66cの外面が本体66aの外面66gから最も遠くなる。この実施の形態における最大距離92は1.3ミリメートルであるが、最大距離92が変化するように、カム66cと本体66aとが異なるサイズであってもよく、かつ互いに異なって向きづけられていてよいことも本発明の範囲内である。
【0032】
開放ばね62の第2の端部62bは、扇形歯車58の一部として形成されたタブ部分94と係合する。閉鎖ばね64の第2の端部64bは、ハウジング12の一部として形成されたばねストッパ96に隣接して位置決めされている。ピン66に加えて、開放ばね62の第1の端部62aも、扇形歯車58の一部として形成されたばねストッパ98に対して位置決めされている。
【0033】
ハウジング12にはカバー100が接続されており、カバー100とハウジング12との間には、ハウジング12の一部として形成された外側リップ104を包囲するシール(図示せず)が配置されている。カバー100は、複数のクリップ106を使用してハウジング12に接続されている。カバー100は、モータ38と電気通信するコネクタ108も有しており、これにより、コネクタ108を、モータ38に電力を提供するために電源に接続することができる。リードフレームがカバー100と一体に形成されており、リードフレームは、扇形歯車58の回転角度を検出するために使用される位置センサと電気通信するようにコネクタ108を配置する。
【0034】
作動中、閉鎖ばね64は、スロットルプレート20が閉鎖位置になるように、扇形歯車58、ひいては、軸16およびスロットルプレート20を付勢し、これにより、アセンブリ10がどのように構成されているかに応じて、中央ボア14は、実質的に閉鎖されるか、または完全に塞がれる。電流がモータ38に提供されると、ピニオン歯車42が回転し、これは、中間歯車44、中間歯車44の第2の歯車またはミドル歯車、及び扇形歯車58の回転を生ぜしめる。扇形歯車58を回転させるために、閉鎖ばね64によって扇形歯車58に加えられる付勢力が克服される。扇形歯車58の回転の大きさは、閉鎖ばね64によって扇形歯車58に加えられる力を克服しなければならない、開放ばね62から扇形歯車58に加えられる力と組み合わされた、モータ38に提供される電流の大きさに比例する。扇形歯車58は軸16に連結されているので、扇形歯車58の回転は軸16を回転させ、弁プレート20を回転させる。上述のように、位置センサは、スロットルボディアセンブリ10の作動中、扇形歯車58、ひいてはプレート20の位置を検出する。
【0035】
扇形歯車58が回転すると、軸16も回転し、プレート20を回転させ、より増大したレベルの空気流を中央ボア14に通過させる。扇形歯車58の回転の大きさはセンサによって検出され、これにより、弁プレート20を所望の位置に配置することができる。
【0036】
アセンブリ10における公差のばらつきと、様々な異なる用途のための流れ要求の相違とにより、弁プレート20のデフォルト位置を、組立ての間に調節する必要がある場合がある。ばね62,64の位置を調節し、これにより、弁プレート20のデフォルト流れ位置を変化させるために、ピン66を、上述のように組立て中に回転させてもよい。カム66cが開放ばね62の第1の端部62aと接触するのではなく、開放ばね62の第1の端部62aが本体66aと接触するように、ピン66を回転させてもよい。ばね62,64を適切に構成し、弁プレート20を所望の位置に配置するために、第1の端部62aが、第1の接点78とカム66cの端部90との間のカム66cの円弧状部分76に沿ったどこかに接触するように、ピン66を回転させてもよい。
【0037】
上述のように、ピン66の調節は、駆動部分66bを回転させることによって達成される。図2および図5図7Dに示された実施の形態では、駆動部分66bは、複数のスプライン66hを備える外部駆動部分66bである。この実施の形態では、6つのスプライン66hが設けられているが、異なる数のスプライン66hを使用してよいことも本発明の範囲内である。
【0038】
アセンブリ10の別の実施の形態が、図8A図8Bに示されており、同じ符号は同じ要素を示している。この実施の形態では、図3に示されたハウジング12の一部として形成された付加的な開口114が設けられており、別のピン66が、扇形歯車58の一部として形成された歯車ストッパ116と接触するように挿入されてもよい。開口114に配置されたピン66を、扇形歯車58のデフォルト位置を調節するために回転させてもよい。ばね62,64の位置を調節するための、開口68におけるピン66と、扇形歯車58の位置を調節するための、開口114におけるピン66とを有することは、弁プレート20がどのように調節されるかの精度を高める。
【0039】
ピン66の複数の可能な代替的な実施の形態が存在する。ピン66のこれらの実施の形態のうちの1つが図9A図9Bに示されており、同じ符号は同じ要素を示している。図9A図9Bに示された実施の形態は、より多くのスプライン66hを有する外部駆動部分66bを備えている。図9A図9Bに示されたピン66の実施の形態では12のスプラインが設けられており、12のスプライン66hを備える実施の形態は、刻み付き部分66dを有していてもいなくてもよい。
【0040】
ピン66の別の代替的な実施の形態が図10A図10Bに示されており、同じ符号は同じ要素を示している。この実施の形態では、駆動部分66bは、6つの内部スプライン66hを有する内部駆動部分66bである。必要に応じて、他の実施の形態では、より多いまたはより少ない内部スプライン66hが用いられてもよい。
【0041】
図2および図5図7Dにおけるピン66は、刻み付き部分66dを備えて示されている。しかしながら、開口68への圧入が十分であるならば、図11A図11Cに示された刻み付き部分66dなしにピン66を製造することも可能である。
【0042】
上述のピン66の実施の形態の全てにおいて、刻み付き部分66dは、図12A図12Cに示されたリブ付き部分66iと置き換えられてもよい。リブ付き部分66iは、プレスゾーン部分66eの一部または全部に沿って延びていてもよい。リブ付き部分66iは、ピン66が対応する開口68,114に挿入されるときにより強固な圧入接続を提供するために用いられる。
【0043】
ピン66のさらに別の実施の形態が図13A図13Bに示されている。この実施の形態では、前の実施の形態において説明されたカム66cと同様の形式であり、カム66cは本体66aからオフセットされている。しかしながら、この実施の形態におけるカム66cは、円筒の一部に相当する形状を有するのとは対照的に、完全な円筒状部分である。カム66cの円弧状部分76は、軸線72を中心として360°全体に延びている。この実施の形態では、駆動部分66bは、六角形の駆動部分66bである。図13A図13Bに示された実施の形態は、刻み付き部分66dまたはリブ付き部分66iなしで示されているが、これらの特徴が図13A図13Bに示された実施の形態に組み込まれてもよいことも本発明の範囲内である。
【0044】
その他の実施の形態では、カバー100は、カバー100がハウジング12に接続されるときにピン66の駆動部分66bの周囲で変形する開口(図示せず)を有してもよい。
【0045】
本発明の別の実施の形態が図14に示されており、同じ符号は同じ要素を示している。この実施の形態では、ピン66はカム66cを有するのではなく、本体66aに取り付けられたブシュ118が設けられている。ブシュ118は、様々な異なる直径を有する複数のブシュのうちの1つであってもよく、所望の直径を有するブシュが、必要に応じてばね62,64のそれぞれを構成するように選択される。
【0046】
上述の実施の形態の全ては、開放ばね62および閉鎖ばね64の端部62a,64aを調節するために使用される偏心ピン66と共に、開放ばね62および閉鎖ばね64の双方を使用する。しかしながら、偏心ピン66は1ばね設計とともに使用されてもよく、この場合、1つのばねの各端部を正確に位置決めするために2つのピン66を使用してよいことも本発明の範囲内である。
【0047】
発明の説明は本質的に単に例示的であり、ひいては、本発明の要旨から逸脱しない変更は、本発明の範囲に含まれるものとする。このような変更は、本発明の思想および範囲からの逸脱であると見なされるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14