特許第6290468号(P6290468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6290468
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】半導体記憶装置およびデータセット方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 16/10 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   G11C16/10 170
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-19711(P2017-19711)
(22)【出願日】2017年2月6日
【審査請求日】2017年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】511062254
【氏名又は名称】ウィンボンド エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 英充
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5940705(JP,B2)
【文献】 特開2011−253591(JP,A)
【文献】 特開2011−197819(JP,A)
【文献】 特開2006−252747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データを受け取り、当該入力データを複数ビット幅のデータバス上に出力する入力回路と、
複数のデジットラインと、
第1の内部クロック信号に応答して、前記データバス上の入力データを列アドレスにより選択されたデジットラインに出力するロジック回路と、
前記第1の内部クロック信号を遅延した第2の内部クロック信号に応答して、列アドレスにより選択された列の保持回路に前記デジットラインのデータを保持するデータ保持手段と、
前記データ保持手段に保持された入力データをプログラム可能なメモリセルアレイと、
前記第1の内部クロック信号に応答して列アドレスを生成するアドレス生成手段とを有し、
前記ロジック回路には、前記第1の内部クロック信号に応答して列アドレスが供給され、
前記データ保持手段には、前記第2の内部クロック信号に応答して列アドレスが供給される、半導体記憶装置。
【請求項2】
半導体記憶装置はさらに、前記第1の内部クロック信号を遅延し、前記第2の内部クロック信号を出力する遅延回路を含み、前記遅延回路による遅延時間は、前記ロジック回路がデータをデジットラインに出力するのに要する時間よりも大きい、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記データ保持手段はさらに、列アドレスをデコードして列選択信号を生成するデコード手段を含み、前記列選択信号により列選択トランジスタを駆動することでデジットラインを前記データ保持手段に電気的に接続する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記デコード手段は、前記第2の内部クロック信号に応答して前記アドレス生成手段により生成された列アドレスを保持するフリップフロップを含む、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記ロジック回路は、デジットラインに差動データを出力するためのライトアンプを含む、請求項1ないし4いずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
半導体記憶装置は、シリアルインターフェース機能を搭載したNAND型フラッシュメモリであり、第1の内部クロック信号は、外部クロック信号に応答して生成される、請求項1ないし5いずれか1つに記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
外部端子から入力される入力データを半導体記憶装置内にセットする方法であって、
入力データを複数ビット幅のデータバスに取り込むステップと、
第1の内部クロック信号に応答して、前記データバス上の入力データを列アドレスにより選択されたデジットラインに出力するステップと、
前記第1の内部クロック信号を遅延した第2の内部クロック信号に応答して、列アドレスにより選択された列の保持回路に前記デジットラインのデータを保持するステップとを含み、
前記出力するステップは、前記第1の内部クロック信号に応答して供給された列アドレスを使用し、前記保持するステップは、前記第2の内部クロック信号に応答して供給される列アドレスを使用する、方法。
【請求項8】
前記第2の内部クロック信号の遅延時間は、前記出力するステップがデータをデジットラインに出力するのに要する時間よりも大きい、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記取り込むステップは、外部クロック信号に応答して入力データを取り込み、前記第1の内部クロック信号は、外部クロック信号に応答して生成される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
方法はさらに、メモリセルアレイの選択ページにセットされた入力データをプログラムするステップを含む、請求項7ないし9いずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NAND型フラッシュメモリ等の半導体記憶装置に関し、特に、外部クロックに同期して入力したデータのセット方法に関する。
【背景技術】
【0002】
NAND型のフラッシュメモリでは、ページ単位でデータの読出し、プログラムを行っており、これらのページデータは、ページバッファに格納される。特許文献1に開示されるフラッシュメモリは、ページバッファに格納されたデータを第1のビット幅で転送する第1のモードと第2のビット幅で転送する第2のモードとを備え、複数の動作モードに対応している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−253591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は、NAND型フラッシュメモリの一部の構成例を示す図である。ページバッファ10は、メモリセルアレイ(図示、省略)から読み出されたページデータを保持し、またはメモリセルアレイにプログラムすべきページデータを保持する。列選択回路30は、双方向のデジットラインDL/DLb20を介してページバッファ10に接続され、読出し動作のとき、列アドレスに基づきページバッファ10の中から選択されたデータをデータバス40に出力し、プログラム動作のとき、列アドレスに基づきページバッファ10の選択された列にプログラムすべきデータをセットする。列アドレスは、外部端子から入力され、あるいは列選択回路30が内蔵するアドレスカウンタにより生成される。入出力回路50は、mビットの外部入出力端子60に接続され(mは、1以上の整数)、読出し動作のとき、データバス40のデータを外部入出力端子60から出力させ、プログラム動作のとき、外部入出力端子60からの入力データをデータバス40に出力する。仮に、データバス40のビット幅がmより大きい場合には、入出力回路50は、データバス40から複数回、読出しデータを取り込み、あるいは、データバス40へ複数回、入力データを取り込む動作を行う。
【0005】
NAND型フラッシュメモリには、外部制御信号(アドレスラッチイネーブル信号、コマンドラッチイネーブル信号)を利用してアドレスやコマンドの入力を行うONFiタイプや、このような外部制御信号を利用せず、外部からのシリアルクロック信号に同期してデータ、アドレス、コマンドを入力するシリアルペリフェラルインターフェース(SPI)タイプがある。後者のSPIタイプは、端子数が少なく、小型化、低コスト化が可能である。
【0006】
図2は、図1の列選択回路の詳細を示すブロック図である。ここでは、SPI機能を搭載するフラッシュメモリにおいて、プログラム動作時にページバッファ10に入力データ(プログラムすべきデータ)をシーケンシャルにセットするときの動作を説明する。
【0007】
タイミング制御回路80は、書き込みトリガー信号W_TRGを入力し、書き込みトリガー信号W_TRGに応答して書き込みクロック信号W_CLKをロジック回路86へ出力する。遅延回路82は、タイミング制御回路80から出力された書き込みクロック信号W_CLKを受け取り、これを予め設定された時間Tdだけ遅延した内部クロック信号I_CLKを生成する。列デコーダ(YDEC)88は、内部クロック信号I_CLKに応答して、アドレスカウンタ84により生成される列アドレスCAを入力し、列アドレスCAをデコードした列選択信号YSをページバッファ10へ出力する。アドレスカウンタ84は、内部クロック信号I_CLKの、例えば立下りエッジに応答して列アドレスCAをインクリメントし、更新された列アドレスCAを列デコーダ88およびロジック回路86に出力する。ロジック回路86は、アドレスカウンタ84により生成された列アドレスCAに従いデジットラインDL/DLb20を選択し、書き込みクロック信号_WCLKに応答して選択したデジットラインDL/DLb20にデータバス40のデータを書き込む。
【0008】
次に、図3のタイミングチャートを動作を説明する。書き込みトリガー信号W_TRGは、外部から供給されるクロック信号CLKに同期する信号であり、タイミング制御回路80は、時刻t1で、書き込みトリガー信号W_TRGを受け取ると、それとほぼ同時刻に、書き込みクロックW_CLKをロジック回路86に出力する。ロジック回路86は、アドレスカウント86により生成された列アドレスCAに基づきデジットラインDL/DLb20を選択し、書き込みクロック信号W_CLKの、例えば立ち上がりエッジに応答してデータバス40のデータを選択したデジットラインDL/DLb20に出力する。ロジック回路86は、ここには図示しないが、ライトアンプを含み、ライトアンプは、デジットラインDL/DLb20上に差動データを出力する。
【0009】
複数のデジットラインDL/DLb20の各々は、複数の列選択トランジスタを介してページバッファ10の対応する複数の列のラッチ回路に接続される。例えば、ページバッファが2Kバイトであるとき、デジットラインDL/DLb20が16本であれば、一対のデジットラインDL/DLbは、128個の列のラッチ回路に接続され、デジットラインDL/DLbが32本であれば、一対のデジットラインDL/DLbは、64個の列のラッチ回路に接続される。複数の列選択トランジスタは、列選択信号YSにより選択的にオン/オフ駆動され、列選択トランジスタがオンすることで、ページバッファ10の該当するラッチ回路とデジットラインDL/DLb20とが電気的に接続される。デジットラインDL/DLb20の物理的な配線は、上述の通り多数のラッチ回路と接続するため、デジットラインDL/DLb20の配線容量および配線抵抗は比較的大きく、このため、ライトアンプによりデジットラインDL/DLbの電位差が十分となるまで駆動するには、一定の時間が必要となる。
【0010】
遅延回路82は、ライトアンプがデジットラインDL/DLb20を駆動するのに必要な時間よりも大きい遅延時間Tdを設定する。これにより、時刻t2で、書き込みクロック信号W_CLKより時間Tdだけ遅延した列選択信号YSが生成され、デジットラインDL/DLbの電位差が十分になった時刻t2で、列選択トランジスタがオンされ、ページバッファ10の該当する列のラッチ回路に差動データがセットされる。
【0011】
次に、時刻t3で、アドレスカウンタ84は、内部クロック信号I_CLKの立下りエッジで、自動的にインクリメントされ、列アドレスを更新する。時刻t3は、デジットラインDL/DLb20のデータがページバッファ10のラッチ回路に書込まれたタイミングを表す。アドレスカウンタ84により更新された列アドレスは、ロジック回路86および列デコーダ88に出力され、次の入力データがページバッファ10にセットされ、最終的にページバッファ10には1ページ分のプログラムすべきデータがセットされ、選択ページへのプログラムが行われる。
【0012】
NANDフラッシュメモリにおいて、外部からのクロック信号CLKの動作周波数を上げていくと、列アドレスがインクリメントされる前に次の書き込みクロック信号が発生し、更新前の列アドレスに対応するラッチ回路に間違ったデータがセットされてしまうおそれがある。
【0013】
図4は、外部クロック信号CLKの動作周波数が高速になった場合の課題を説明する図である。時刻t1で、書き込みクロック信号W_CLKの立ち上がりエッジに応答して、ロジック回路86は、列アドレスに従い選択されたデジットラインDL/DLb20への差動データの書き込みを開始する。デジットラインDL/DLb20への書き込みには、上記したように一定の書き込み時間Twが必要であり、この書き込み時間Twよりも大きな遅延時間Td後に内部クロック信号I_CLKがアドレスカウンタ86および列デコーダ88に供給される。時刻t2で、列選択信号YSの例えば立ち上がりエッジに応答して列選択トランジスタがオンし、デジットラインDL/DLb20のデータがページバッファ10の該当する列のラッチ回路にセットされる。時刻t3で、列選択信号YS/内部クロック信号I_CLKの立下りエッジに応答してアドレスカウンタ84がインクリメントされる。しかしながら、クロック信号CLKの動作周波数が高速になると、クロック信号CLKに同期する書き込みトリガー信号W_TRGの周波数も早くなり、それと略同時刻に書き込みクロック信号W_CLKが発生する。そうすると、図4に示すように、次の列アドレスCAが更新される前に、次の書き込みクロック信号W_CLKが時刻t3’で発生してしまい、タイミング違反が生じてしまう。その結果、ロジック回路86は、更新前の列アドレスに従いデジットラインDL/DLbを選択し、ページバッファ10は、更新された列アドレスに従い列選択トランジスタを選択し、両者が一致せず、入力データを正確にページバッファ10にセットすることができなくなる。
【0014】
他方、デジットラインDL/DLb20への書き込み時間Twを短縮することも考えられるが、この書き込み時間Twは、デジットラインDL/DLbのRC時定数によるところが大きく、短縮するためには回路規模や面積の増加は避けられない。
【0015】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、入力データを正確にセットすることができる半導体記憶装置および入力データのセット方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る半導体記憶装置は、入力データを受け取り、当該入力データを複数ビット幅のデータバス上に出力する入力回路と、複数のデジットラインと、第1の内部クロック信号に応答して、前記内部データバス上の入力データを列アドレスにより選択されたデジットラインに出力するロジック回路と、前記第1の内部クロック信号を遅延した第2の内部クロック信号に応答して、列アドレスにより選択された列の保持回路に前記デジットラインのデータを保持するデータ保持手段と、前記データ保持手段に保持された入力データをプログラム可能なメモリセルアレイと、前記第1の内部クロック信号に応答して列アドレスを生成するアドレス生成手段とを有し、前記ロジック回路には、前記第1の内部クロック信号に応答して列アドレスが供給され、前記データ保持手段には、前記第2の内部クロック信号に応答して列アドレスが供給される。
【0017】
好ましくは半導体記憶装置はさらに、第1の内部クロック信号を遅延し、第2の内部回路を出力する遅延回路を含み、前記遅延回路による遅延時間は、前記ロジック回路がデータをデジットラインに出力するのに要する時間よりも大きい。好ましくは前記データ保持手段はさらに、列アドレスをデコードして列選択信号を生成するデコード手段を含み、前記列選択信号により列選択トランジスタを駆動することでデジットラインを前記データ保持手段に電気的に接続する。好ましくは前記デコード手段は、前記第2のクロック信号に応答して前記アドレス生成手段により生成された列アドレスを保持するフリップフロップを含む。好ましくは前記ロジック回路は、デジットラインに差動データを出力するためのライトアンプを含む。好ましくは半導体記憶装置は、シリアルインターフェース機能を搭載したNAND型フラッシュメモリであり、第1の内部クロック信号は、外部クロック信号に応答して生成される。
【0018】
本発明に係る、外部端子から入力される入力データを半導体記憶装置内にセットする方法は、入力データを複数ビット幅のデータバスに取り込むステップと、第1の内部クロック信号に応答して、前記内部データバス上の入力データを列アドレスにより選択されたデジットラインに出力するステップと、前記第1の内部クロック信号を遅延した第2の内部クロック信号に応答して、列アドレスにより選択された列の保持回路に前記デジットラインのデータを保持するステップとを含み、前記出力するステップは、前記第1の内部クロック信号に応答して供給された列アドレスを使用し、前記保持するステップは、前記第2の内部クロック信号に応答して供給される列アドレスを使用する。
【0019】
好ましくは前記第2のクロック信号の遅延時間は、前記出力するステップがデータをデジットラインに出力するのに要する時間よりも大きい。好ましくは前記取り込むステップは、外部クロック信号に応答して入力データを取り込み、前記第1の内部クロック信号は、外部クロック信号に応答して生成される。好ましくは方法はさらに、メモリセルアレイの選択ページにセットされた入力データをプログラムするステップを含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ロジック回路には第1の内部クロック信号に応答して列アドレスを供給し、データ保持手段には、第1の内部クロック信号を遅延した第2の内部クロック信号を供給するようにしたので、外部クロック信号の動作周波数が高速になっても、タイミング違反を生じることなく入力データをデータ保持手段にセットすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】典型的なフラッシュメモリにおける読出しデータの読出し方法、およびプログラムすべきデータの入力方法を説明する図である。
図2図1に示す列選択回路の詳細を説明する図である。
図3】従来のフラッシュメモリにおけるページバッファへのデータのシリアル書き込み動作時のタイミングチャートである。
図4】従来のフラッシュメモリにおけるページバッファへのデータのシリアル書き込み動作時の課題を説明するためのタイミングチャートである。
図5】本発明の実施例に係るフラッシュメモリの要部の構成を示す図である。
図6】本発明の実施例に係るページバッファへのデータのシリアル書き込み動作時のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の半導体記憶装置は、外部クロック信号に応答してデータを入力可能であり、1つの好ましい態様では、シリアルインターフェースを備えたNAND型フラッシュメモリである。シリアルインターフェースは、例えば、シリアルクロックSCLKを入力するための端子、データ、コマンド、アドレス等を入出力する端子、チップセレクトを行う端子等を含む。他の好ましい態様では、ONFiタイプのNAND型フラッシュメモリである。
【実施例】
【0023】
図5は、本発明の実施例に係るNAND型フラッシュメモリの要部構成を示すブロック図である。図中、図2の構成と同一のものについては同一の参照番号を附す。本実施例に係るフラッシュメモリにおいて、アドレスカウンタ84は、書き込みクロック信号W_CLKに応答して自動的にインクリメントされ、このインクリメントにより更新された列アドレスを出力する。この際、アドレスカウンタ84は、書き込みクロック信号W_CLKの立ち上がりエッジまたは立下りエッジのいずれに応答してもよい。アドレスカウンタ84により生成された列アドレスCAは、ロジック回路86およびフリップフロップ100に供給される。
【0024】
フリップフロップ100は、書き込みクロック信号W_CLKを遅延した内部クロック信号I_CLKに応答して、アドレスカウンタ84から出力される列アドレスCAを保持し、保持した列アドレスCAを列デコータ88へ提供する。この際、フリップフロップ88は、内部クロック信号I_CLKの立ち上がりエッジまたは立下りエッジのいずれに応答してもよい。列デコータ88は、フリップフロップ100で保持された列アドレスをデコードし、列選択信号YSをページバッファ10へ出力する。ページバッファ10は、列選択信号YSによりオンされた列選択トランジスタを介して、選択された列のラッチ回路をデジットラインDL/DLb20に電気的に接続する。
【0025】
入出力回路50は、外部から供給されるクロック信号に応答して、外部端子に供給された入力データをシリアル/パラレル変換し、変換した入力データを複数ビット幅のデータバス40上に出力する。ロジック回路86は、書き込みクロック信号W_CLKに応答して、アドレスカウンタ84により生成された列アドレスCAに従いデジットラインDL/DLb20を選択し、選択されたデジットラインDL/DLb20上にデータバス40のデータを出力する。好ましい態様では、ロジック回路86は、複数ビット幅のデジットラインDL/DLb20を駆動するためのライトアンプを含み、ロジック回路86は、列アドレスCAに従いライトアンプを選択し、選択されたライトアンプに接続されたデジットラインDL/DLb20に差動データを書き込む。デジットラインDL/DLbに差動データを書き込むためには一定の時間が必要になるため、ライトアンプは、書き込みクロック信号W_CLKの立ち上がりエッジに応答してデジットラインDL/DLb20を駆動することが望ましい。但し、書き込みクロック信号W_CLKの立ち上がりエッジに応答してデジットラインを駆動してもよい。
【0026】
次に、入力データを外部クロック信号に応答してシーケンシャルにページバッファ10にセットする方法について、図6のタイミングチャートを参照して説明する。フラッシュメモリの外部端子には、シリアルクロック信号CLKが供給され、タイミング制御回路80は、時刻t1で、クロック信号CLKに同期する書き込みトリガー信号W_TRGを入力し、これとほぼ同時刻に書き込みクロック信号W_CLKを出力する。書き込みクロック信号W_CLKは、アドレスカウンタ84、ロジック回路86および遅延回路82に供給される。
【0027】
ロジック回路86は、書き込みクロック信号W_CLKの立ち上がりエッジに応答して、デジットラインDL/DLb20へ差動データを書き込む。このとき、アドレスカウンタ84の列アドレスCA_0が列アドレスロジック部CA_LOGICを介してロジック回路86に入力され、ロジック回路86は、複数のデジットラインDL/DLb20の中から列アドレスCA_0に従いデジットラインDL/DLb20を選択する。
【0028】
次に、時刻t2で、アドレスカウンタ84は、書き込みクロック信号W_CLKの立下りエッジに応答して、アドレスをインクリメントし、更新された列アドレスCA_1を出力する。但し、アドレスカウンタ84のインクリメントは、必ずしも時刻t2である必要はなく、時刻t1で行うようにしてもよい。
【0029】
ロジック回路86によるデジットラインDL/DLb20への書き込み時間Twの経過後の時刻t3で、遅延回路82から内部クロック信号I_CLKが出力される。なお、列デコーダ88による遅延時間は非常に小さいので、内部クロックI_CLKと列選択信号YSは、同時刻で表されている。フリップフロップ100は、内部クロック信号I_CLKに応答して保持していた列アドレスCA_0を列アドレスPB部CA_PBを介して列デコーダ88へ出力する。ここで、フリップフロップ100は、次の内部クロック信号I_CLKのとき列アドレスCA_1を保持することに留意すべきである。ページバッファ10は、列選択信号YSの、例えば立ち上がりエッジに応答して、デジットラインDL/DLbのデータを選択された列のラッチ回路にセットする。
【0030】
時刻t4で、次の書き込みクロックW_CLKが発生するが、これに同期してアドレスカウンタ84がインクリメントされ、更新された列アドレスCA_2が列アドレスロジック部CA_LOGICを介してロジック回路86に入力され、ロジック回路86は、列アドレスCA_2に従い該当するデジットラインDL/DLb20を選択する。このとき、フリップフロップ100は、更新前の列アドレスCA_1を保持しているため、ロジック回路86により選択されたデジットラインDL/DLb20の列アドレスと一致する。
【0031】
このように本実施例によれば、ロジック回路86のための列アドレスロジック部CA_LOGICとページバッファ10のための列アドレスPB部CA_PBとを分離するようにしたので、外部クロック信号の動作周波数が高速になっても、ロジック回路86の列アドレスとページバッファ10の列アドレスとを一致させることができ、従来の列アドレスのタイミング違反を解消することができる。
【0032】
上記実施例によれば、動作周波数が速い外部クロック信号に同期させてデータを入力させる例を示したが、これに限らず、本発明は、ONFiのようなNAND型フラッシュメモリにも適用することが可能である。この場合、クロック信号CLKは、外部から供給されるものではなく内部クロック信号であり、内部クロック信号に同期させてデータをページバッファ等にセットするときに本発明を適用することができる。
【0033】
上記実施例では、ロジック回路86は、ライトアンプ(ライトドライバ)によりデジットライン20の駆動を行ったが、これ以外の駆動回路によりデジットライン20を駆動するようにしてもうよい。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0035】
10:ページバッファ 20:デジットライン
30:列選択回路 40:データバス
50:入出力回路 80:タイミング制御回路
82:遅延回路 84:アドレスカウンタ
86:ロジック回路 88:列デコーダ
100:フリップフロップ
【要約】
【課題】 入力データを正確にセットすることができる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】 入力データをデータバス40上に出力する入出力回路50と、外部クロック信号CLKに同期した書き込みクロック信号W_CLKに応答して、データバス40上の入力データを列アドレスCAにより選択されたデジットラインDL/DLb20に出力するロジック回路86と、書き込みクロック信号W_CLKを遅延した内部クロック信号に応答して、列アドレスCAにより選択された列の保持回路にデジットラインDL/DLb20のデータを保持するページバッファ10と、書き込みクロック信号W_CLKに応答して列アドレスを生成するアドレスカウンタ84とを有する。ロジック回路86には、書き込みクロック信号W_CLKに応答して列アドレスが供給され、ページバッファ10には、遅延した内部クロック信号に応答して列アドレスが供給される。
【選択図】 図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6