特許第6290488号(P6290488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6290488センサシステムにおける光ポンプビーム制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290488
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】センサシステムにおける光ポンプビーム制御
(51)【国際特許分類】
   G01N 24/00 20060101AFI20180226BHJP
   G01R 33/26 20060101ALI20180226BHJP
   G01R 33/032 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   G01N24/00 P
   G01R33/26
   G01R33/032
【請求項の数】15
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-57481(P2017-57481)
(22)【出願日】2017年3月23日
(65)【公開番号】特開2017-173329(P2017-173329A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2017年3月23日
(31)【優先権主張番号】15/080,876
(32)【優先日】2016年3月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503178185
【氏名又は名称】ノースロップ グラマン システムズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】NORTHROP GRUMMAN SYSTEMS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ディ.ブラトヴィッツ
【審査官】 藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−130144(JP,A)
【文献】 特開2016−029366(JP,A)
【文献】 特開2015−187604(JP,A)
【文献】 特開2015−021812(JP,A)
【文献】 特開2013−088289(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0156547(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 24/00−24/14
G01R 33/00−33/64
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサシステムであって、
センサセル内に封入されたアルカリ金属蒸気を偏極させるためのポンプビームを生成するように構成されたポンプレーザを備えるセルシステムと、
プローブビームを生成するように構成されたプローブレーザを備え、印加磁場に応じた前記偏極したアルカリ金属蒸気の歳差運動による、前記センサセルを通過する前記プローブビームの特性に基づいて、少なくとも1つの測定可能パラメータを計算するように構成された検出システムと、
前記ポンプビームの周波数をパルス幅変調してパルス幅変調(PWM)ポンプビームを供給し、前記センサセルを通過する前記プローブビームの特性に基づいてフィードバック方式で前記PWMポンプビームのデューティサイクルを制御することにより前記アルカリ金属蒸気の偏極均一性を制御して前記少なくとも1つの測定可能パラメータに対するACシュタルクシフトの影響を低減するように構成されたポンプビーム制御システムと、
を備えるセンサシステム。
【請求項2】
前記ポンプビーム制御システムは、前記センサセルを通過する前記プローブビームの特性に基づいて前記デューティサイクルを前記フィードバック方式で制御することにより、前記PWMポンプビームのパルス幅変調周期に対して前記ACシュタルクシフトの影響が実質的に等しくかつ反対となるデューティサイクルを維持するように構成されている、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記ポンプビーム制御システムは、前記ポンプビームの周波数を前記PWMポンプビームのデューティサイクルに対応する第1周波数および第2周波数の各々に設定するように前記ポンプレーザに供給される電流を生成するように構成された安定化システムを備え、前記安定化システムは、前記電流の振幅を制御することにより前記プローブビームのファラデー回転に基づいて前記PWMポンプビームのデューティサイクルを設定するように構成されたPWMコントローラを備える、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記ポンプレーザは、前記センサセルの内部において、前記プローブビームと実質的に同一平面上に前記ACシュタルクシフトの影響に相当する誘起された仮想磁場を生成するように、前記印加磁場に対して前記PWMポンプビームをオフセットされた角度で供給するように配向されており、前記誘起された仮想磁場は、前記プローブビームのファラデー回転を前記PWMポンプビームのデューティサイクルにほぼ等しくする、請求項3に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記安定化システムは、前記プローブビームのファラデー回転を前記PWMポンプビームのデューティサイクルにより復調することに基づいて前記デューティサイクルを制御することで、前記PWMポンプビームのデューティサイクルを、前記ACシュタルクシフトの影響が実質的に時間平均ゼロの大きさとなるデューティサイクルに実質的に維持するように構成されている、請求項3に記載のセンサシステム。
【請求項6】
前記ポンプビーム制御システムは、前記PWMポンプビームの光吸収を監視して、前記アルカリ金属蒸気を介した前記PWMポンプビームのほぼ最大吸収に対応する中心周波数に対して前記ポンプビームの周波数をパルス幅変調するように構成されている、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項7】
前記セルシステムはさらに、前記PWMポンプビームの光吸収の監視に基づいて、前記センサセルを通過する前記PWMポンプビームの時間平均光吸収を実質的に安定化させるように、前記センサセルの温度をフィードバック温度制御信号により設定するように構成されたセル温度コントローラをさらに備える、請求項6に記載のセンサシステム。
【請求項8】
前記ポンプビーム制御システムは、パルス幅変調周期の一定のクロックパルス数に対して、第1周波数における前記PWMポンプビームのクロックパルス数と、第2周波数における前記PWMポンプビームのクロックパルス数とを設定することに基づいて、前記PWMポンプビームのデューティサイクルをデジタル的に調整するように構成された安定化システムを備え、前記第1周波数および前記第2周波数が前記中心周波数に対して実質的に等しくかつ反対である、請求項6に記載のセンサシステム。
【請求項9】
前記センサシステムは、核磁気共鳴(NMR)ジャイロスコープ、NMR磁力計、および電子常磁性共鳴(EPR)磁力計のうちの少なくとも1つとして構成される、請求項1に記載のセンサシステム。
【請求項10】
少なくとも1つの測定可能パラメータを計算するように構成されたセンサシステムにおいてACシュタルクシフトの影響を実質的に低減する方法であって、
円偏光されたポンプビームを生成すること、
前記ポンプビームの周波数を中心周波数に対してパルス幅変調することにより、デューティサイクルを有するパルス幅変調(PWM)ポンプビームを供給すること、
センサセルを介して前記PWMポンプビームを供給して前記センサセル内に封入されたアルカリ金属蒸気を偏極させることにより、磁場による前記アルカリ金属蒸気の歳差運動を促進させること、
前記センサセルを介して、直線偏光されたプローブビームを供給すること、
前記センサセルから放出された前記直線偏光されたプローブビームに対応する検出ビームのファラデー回転を前記デューティサイクルに基づいて復調することにより、前記PWMポンプビームのパルス幅変調周期における前記PWMポンプビームの時間平均周波数を決定すること、
前記復調されたファラデー回転に基づいて前記PWMポンプビームのデューティサイクルを制御して前記時間平均周波数を調整することにより、前記少なくとも1つの測定可能パラメータに対する前記ACシュタルクシフトの影響を実質的に安定化し低減すること、
を備える方法。
【請求項11】
前記PWMポンプビームの前記中心周波数を前記アルカリ金属蒸気による前記PWMポンプビームのほぼ最大吸収に対応する周波数に設定することをさらに備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記直線偏光されたプローブビームの前記ファラデー回転を復調することが、前記復調されたファラデー回転を時間平均してDC誤差信号を決定することを備え、
前記デューティサイクルを制御することが、前記DC誤差信号の非ゼロ振幅に応答して前記PWMポンプビームのデューティサイクルを調整することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ポンプビームの周波数をパルス幅変調することが、パルス幅変調周期の第1部分において第1周波数を有し、前記パルス幅変調周期の第2部分において第2周波数を有する前記PWMポンプビームを供給することを備え、前記第1周波数および前記第2周波数が前記中心周波数に対して実質的に等しくかつ反対であり、
前記デューティサイクルを制御することが、
前記パルス幅変調周期の一定のクロックパルス数に対して、前記第1周波数における前記PWMポンプビームのクロックパルス数と、前記第2周波数における前記PWMポンプビームのクロックパルス数とを設定することに基づいて、前記PWMポンプビームのデューティサイクルをデジタル的に調整することを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記PWMポンプビームを供給することが、前記センサセルの内部において、前記プローブビームと実質的に同一平面上に前記ACシュタルクシフトの影響に相当する誘起された磁場を生成するように、印加磁場に対して前記PWMポンプビームをオフセットされた角度で供給することを備え、前記誘起された磁場は、前記プローブビームのファラデー回転を前記PWMポンプビームのデューティサイクルにほぼ等しくする、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記センサセルを通過する前記ポンプビームの光吸収を監視することに応じて、前記センサセルを通過する前記ポンプビームの時間平均光吸収を実質的に安定させるように前記センサセルの温度を設定することをさらに備える請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してセンサシステムに関し、特にセンサシステムにおける光ポンプビーム制御に関する。
【背景技術】
【0002】
核磁気共鳴(NMR)ジャイロスコープないしは磁力計および/または電子常磁性共鳴(EPR)磁力計などのセンサシステムは、磁場に応答して歳差運動する1つまたは複数の核スピン同位体とともに、ルビジウムやセシウムなどの1つまたは複数のアルカリ金属蒸気を含有するセルを含み得る。アルカリ金属蒸気は、所与の周波数帯域における光ポンピングに応答して励起状態に誘起され得る。光ポンピングは、センサセル内の偏極均一性をもたらすべくアルカリ金属蒸気の原子遷移波長に関して非共鳴であり得る。先行技術として、例えば特許文献1〜4が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,525,672号明細書
【特許文献2】米国特許第4,544,891号明細書
【特許文献3】米国特許第5,537,671号明細書
【特許文献4】米国特許第8,742,964号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非共鳴励起は、アルカリ金属蒸気に対しACシュタルク(Stark)シフトを生じさせ、アルカリ金属蒸気の原子が、核スピン同位体には影響を及ぼさない仮想磁場の影響を受ける。このACシュタルクシフトの結果、関連する磁力計の検出磁場に偏りが加えられることや、関連するジャイロスコープの回転角および/または回転速度に偏りが加えられることが生じ、それぞれの測定可能パラメータに誤差が生じる。アルカリ金属は2つの独立した基底状態、すなわち2つの別々の原子遷移周波数を有するので、アルカリ金属の光ポンピングにおいてACシュタルクシフトは避けられない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一例は、センサシステムを含む。セルシステムは、センサセル内に封入されたアルカリ金属蒸気を偏極させるためのポンプビームを生成するポンプレーザを含む。検出システムは、プローブビームを生成するためのプローブレーザを含む。前記検出システムは、前記偏極したアルカリ金属蒸気の印加磁場に応じた歳差運動による、前記センサセルを通過する前記プローブビームの特性に基づいて、少なくとも1つの測定可能パラメータを計算し得る。ポンプビーム制御システムは、前記ポンプビームの周波数をパルス幅変調してパルス幅変調(PWM)ポンプビームを供給し、前記センサセルを通過する前記プローブビームの特性に基づいて前記PWMポンプビームのデューティサイクルをフィードバック方式で制御することにより前記アルカリ金属蒸気の偏極均一性を制御して前記少なくとも1つの測定可能パラメータに対するACシュタルクシフトの影響を低減する。
【0006】
本発明の別の実施形態は、少なくとも1つの測定可能パラメータを計算するように構成されたセンサシステムにおいてACシュタルクシフトの影響を実質的に低減する方法を含む。方法は、円偏光されたポンプビームを生成すること、および、前記ポンプビームの周波数を中心周波数に対してパルス幅変調することにより、デューティサイクルを有するパルス幅変調(PWM)ポンプビームを供給することを含む。また、方法は、センサセルを介して前記PWMポンプビームを供給して前記センサセル内に封入されたアルカリ金属蒸気を偏極させることにより、磁場による前記アルカリ金属蒸気の歳差運動を促進させること、および、前記センサセルを介して、直線偏光されたプローブビームを供給することを含む。また、方法は、前記センサセルから放出された前記直線偏光されたプローブビームに対応する検出ビームのファラデー回転を前記デューティサイクルに基づいて復調することにより、前記PWMポンプビームのパルス幅変調周期における前記PWMポンプビームの時間平均周波数を決定することを含む。方法はさらに、前記復調されたファラデー回転に基づいて前記PWMポンプビームのデューティサイクルを制御して前記時間平均周波数を調整することにより、前記少なくとも1つの測定可能パラメータに対する前記ACシュタルクシフトの影響を実質的に安定化し低減することを含む。
【0007】
本発明の別の実施形態は、センサシステムを含む。センサシステムは、センサセル内に封入されたアルカリ金属蒸気を偏極させるためのポンプビームを生成し、印加磁場に応じて前記アルカリ金属蒸気の歳差運動を促進するように構成されたポンプレーザを備えるセルシステムを含む。前記ポンプビームは、前記印加磁場に対してオフセットされた角度で前記センサセルを介して供給される。また、センサシステムは、プローブビームを生成するように構成されたプローブレーザを備える検出システムを含む。前記検出システムは、前記印加磁場に応じた前記偏極したアルカリ金属蒸気の歳差運動による、前記センサセルを通過する前記プローブビームの特性に基づいて、少なくとも1つの測定可能パラメータを計算するように構成され得る。センサシステムはさらに、前記ポンプビームの周波数を前記アルカリ金属蒸気による前記ポンプビームのほぼ最大吸収に対応する中心周波数に対してパルス幅変調することにより、デューティサイクルを有するパルス幅変調(PWM)ポンプビームを供給し、前記センサセルから放出された前記プローブビームに対応する検出ビームを前記デューティサイクルに基づいて復調し、前記復調された検出ビームに基づいて前記PWMポンプビームのデューティサイクルをフィードバック方式で制御することにより、前記アルカリ金属蒸気の偏極均一性を制御して前記少なくとも1つの測定可能パラメータに対するACシュタルクシフトの影響を低減するように構成されたポンプビーム制御システムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】センサシステムの一例を示す図。
図2】パルス幅変調信号波形のタイミングチャートの一例を示す図。
図3】センサシステムの別の例を示す図。
図4】センサシステムの光ポンプビームを制御する方法の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、概してセンサシステムに関し、特にセンサシステムにおける光ポンプビーム制御に関する。核磁気共鳴(NMR)ジャイロスコープ、NMR磁力計、電子常磁性共鳴(EPR)磁力計などのセンサシステムは、セルシステムを含み得る。セルシステムは、センサセル内に封入されたアルカリ金属粒子を偏極するためのポンプビームを生成するように構成されたポンプレーザを含む。検出システムは、磁場が印加されると、偏極したアルカリ金属粒子の歳差運動に基づいて、受感軸を中心とした回転や外部磁場などの少なくとも1つの測定可能パラメータを計算するように構成することができる。一例として、偏極したアルカリ金属粒子の歳差運動がキセノン(例えば、129Xeまたは131Xe)などの核スピン同位体の歳差運動と結合されることで、ラーモア歳差運動周波数および/または1つまたは複数の核スピン同位体の位相情報が抽出されて測定可能パラメータが計算される。またセンサシステムは、センサセルを通過するポンプビームの光吸収を監視してポンプビームの周波数をパルス幅変調し、そのパルス幅変調(PWM)ポンプビームに基づいて少なくとも1つの測定可能パラメータにおけるACシュタルク(Stark)シフトの影響を実質的に低減するように構成されたポンプビーム制御システムを含み得る。
【0010】
光吸収の監視は、センサセルから放出するポンプビーム、例えば適切に配向された1/4波長板を通過する円偏光ポンプ光に関連付けられた直線偏光が光検出器に入射することに基づくものとすることができる。PWMポンプビームの中心周波数は、センサセルを通過するポンプビームの吸収が実質的にほぼ最大となる周波数値に設定することができ、ポンプビームのパルス幅変調は、デューティサイクルの所与のパルス幅変調周期における中心周波数に対して実質的に等しく反対の第1および第2周波数の間とすることができる。PWMポンプビームは、デューティサイクルに関連する第1および第2周波数でのACシュタルクシフトの影響に関連して、アルカリ金属粒子の歳差運動に影響を及ぼすセンサセル内に仮想磁場を誘起することができる。このため、少なくとも1つの測定可能パラメータに関連する特性を示し得るセンサセルを介して提供されるプローブビームは、第1および第2周波数の各々でファラデー回転を示し得る。よって、デューティサイクルに基づいてファラデー回転を復調することにより、ACシュタルクシフトの影響に対応するDC誤差信号を生成することができる。したがって、DC誤差信号に基づいてPWMポンプビームのデューティサイクルを(例えば、デジタル的に)調整することにより、PWMポンプビームの第1および第2周波数の持続時間に関してACシュタルクシフトの影響が等しく反対になるようにデューティサイクルをフィードバック方式で維持することができる。その結果、ACシュタルクシフトは実質的に安定化され、ACシュタルクシフトの時間平均された影響は、少なくとも1つの測定可能パラメータに関して実質的に低減される。
【0011】
図1は、センサシステム10の一例を示す。一例として、センサシステム10は、核磁気共鳴(NMR)ジャイロスコープ、NMR磁力計、電子常磁性共鳴(EPR)磁力計、およびそれらの組み合せのうちの1つまたは複数に対応するものとすることができる。センサシステム10は、検出システム、誘導システム、および/または航空システムなどの種々の用途のうちのいずれかで実施することができる。別の例として、センサシステム10は、複数の軸で動作可能としたものなどのセンサアプリケーション全体の一部として実施することができる。
【0012】
センサシステム10は、センサセル14およびポンプレーザ16を含むセルシステム12を含む。例えば、センサセル14は、種々の形状およびサイズのうちのいずれかによるガラスケースとすることができる。センサセル14は、アルカリ金属18と、NMRセンサの場合には1つまたは複数の核スピン同位体(図示せず)とを含む。一例として、アルカリ金属18は、85Rbなどのルビジウム(Rb)蒸気、または133Csなどのセシウム(Cs)蒸気とすることができ、核スピン同位体は、ヘリウム(He)、クリプトン(Kr)、および/またはキセノン(Xe)などの希ガス同位体(例えば、He、83Kr、129Xe、および/または131Xe)を含み得る。ポンプレーザ16は、アルカリ金属18の粒子をスピン偏極状態に誘起(すなわち、励起)する光学系を介してセンサセル14へと導かれる円偏光の光ポンプビームを生成するように構成し得る。スピン偏極したアルカリ金属18の粒子は、印加磁場(例えば、受感軸に沿って印加されたACおよび/またはDC磁場)に応答してセンサセル14内で歳差運動し得る。これは例えば、歳差運動する核スピン同位体によって生じ得る。例えば、偏極したアルカリ金属18の粒子は、印加磁場で誘起されるEPR受感軸(例えば、X軸および/またはY軸)に沿ったDCまたはAC磁場(例えば、EPR非受感Z軸に沿ったEPRラーモア歳差運動周波数と共鳴するDCおよびAC磁場)によりEPR歳差運動を行い得るものとなり、核スピン同位体は、NMRラーモア歳差運動周波数またはXY平面内で印加される周波数と共鳴する磁場に応答して、印加磁場(例えば、EPR非受感Z軸に沿ったDC磁場)の周辺で歳差運動し得る。さらに、センサセル14は、1つまたは複数のバッファガスを含むこともできる。
【0013】
また、センサシステム10は、少なくとも1つの測定可能パラメータを計算するように構成された検出システム20を含む。例えば、測定可能パラメータは、センサシステム10がNMRジャイロスコープとして構成されている場合には、例えば受感軸を中心とした回転を含み得る。または、測定可能パラメータは、センサシステム10がNMRおよび/またはEPR磁力計として構成されている場合には、例えば外部磁場のベクトルの大きさを含み得る。図1の例では、検出システム20は、プローブレーザ22と回転検出器24を含む。プローブレーザ22は、センサセル14を通過するプローブビームを生成するように構成し得る。アルカリ金属18の粒子および関連する核スピン同位体の歳差運動は、センサセル14から放出されるプローブビームに関連する偏極位相変化を(例えば、プローブレーザ22の光子とアルカリ金属18の粒子との相互作用に基づいて)もたらし得る。このため、検出システム20は、センサセル14の回転または外部磁場などによって生じるアルカリ金属18の粒子の歳差運動の変化に基づいて、例えば、回転検出器24がプローブビームのファラデー回転を決定することなどに基づいて、測定可能パラメータを計算することができる。
【0014】
アルカリ金属18の粒子は、ACシュタルクシフトの影響を受け得る。ACシュタルクシフトでは、アルカリ金属18の2つの独立した基底状態に対応する原子遷移波長に対して、ポンプレーザ16によるアルカリ金属18の粒子の光ポンピングが非共鳴となる。ACシュタルクシフトは、核スピン同位体に対しては影響を及ぼさないもののアルカリ金属18に対して影響を及ぼす仮想磁場を引き起こし得る。この仮想磁場は、核スピン同位体に対するアルカリ金属18の粒子の歳差運動に変化をもたらす。その結果、ACシュタルクシフトは、検出システム20によって計算される測定可能パラメータに偏りを加えるものとなる。仮想磁場は、印加磁場に加えられる。ACシュタルクシフトが安定していて、センサシステム10が最適な動作点に調整されている場合は、センサシステム10は、ACシュタルクシフトの影響によって生じるスケールファクタや偏り誤差の影響を実質的に受けない。しかしながら、光ポンプビームの強度、周波数、および/またはアライメントの変化や、(例えば、センサセル14の温度に基づく)アルカリ金属18の蒸気密度の変化は、ACシュタルクシフトによって生じる仮想磁場の変化を引き起こし、それによって、アルカリ金属18が受ける印加磁場全体の大きさを変化させる。
【0015】
センサシステム10が磁力計として構成されている場合の例では、磁力計の受感軸は、検出システム20によって決定されるアルカリ金属18の粒子と印加磁場との相互作用に基づいて規定される。例えば、検出システム20は、印加磁場に対して典型的には一定の位相関係で検出信号を復調することにより、アルカリ金属18の粒子の歳差運動の位相の変化が、センサセル14において歳差運動するアルカリ金属18の粒子とプローブビームとの相互作用に基づいて検出信号の変化をもたらすようにすることができる。しかしながら、アルカリ金属18の粒子の歳差運動を変化させることに関する不安定なACシュタルクシフトの影響は、受感軸を中心に回転するベクトル角度での外部磁場の成分として捉えることが可能な磁力計信号の位相変化を生じさせ得る。
【0016】
センサシステム10がジャイロスコープとして構成されている場合の例では、受感軸に対する交差軸での検出磁場を実質的にゼロにして印加磁場に対する受感軸のアライメントを維持するように磁場フィードバックを行うことができる。すなわち、不安定なACシュタルクシフトによって引き起こされる交差軸方向の仮想磁場は実際の磁場と区別することができないため、フィードバックシステムは、認識される仮想磁場を相殺するように実際の磁場を生成し得る。上記したように、センサセル14内の核スピン同位体は、仮想磁場の影響を受けないものの、その仮想磁場を相殺するように生成された実際の磁場の影響は受ける。結果として、相殺のための実際の磁場がジャイロスコープの受感軸のずれ、ひいては不安定性を引き起こす可能性がある。さらには、ACシュタルクシフトの影響によって、核スピン同位体の歳差運動に対してアルカリ金属18の粒子の歳差運動の位相が変化する可能性がある。この位相ずれは、核スピン同位体の歳差運動の誘起のためのフィードバックに位相ずれを生じさせ、角速度の偏りをもたらす可能性がある。
【0017】
ACシュタルクシフトの影響を実質的に安定させ低減するために、センサシステム10はポンプビーム制御システム26を含む。このポンプビーム制御システム26は、パルス幅変調(PWM)コントローラ30を含む安定化システム28を含む。安定化システム28は、ポンプレーザ16によって供給される光ポンプビームの周波数をPWMコントローラ30によりパルス幅変調してPWMポンプビームを供給することで、センサセル14を通過するPWMポンプビームの吸収を、とりわけ、PWMポンプビームのデューティサイクル中のポンプビームの瞬時周波数に応じて変化させるように構成されている。また、ポンプビーム制御システム26は、センサセル14を通過するPWMポンプビームの吸収を光学系や光検出器などに基づいて監視することにより、ポンプレーザ16の温度を制御して、PWMポンプビームの中心周波数を、アルカリ金属18の蒸気によるPWMポンプビームのほぼ最大吸収に対応する周波数、すなわちアルカリ金属18の独立した基底状態に関連する遷移周波数に対応する周波数に実質的に維持するように構成されている。
【0018】
一例として、安定化システム28は、まず、PWMポンプビームの中心周波数を実質的に最大吸収となる周波数にほぼ等しくなるように設定することができる。PWMポンプビームは、ACシュタルクシフトの影響に関連したアルカリ金属18の粒子の歳差運動に影響を及ぼす仮想磁場をセンサセル14に誘起する。このACシュタルクシフトの影響がPWMポンプビームのデューティサイクルで調節される。例えば、ポンプレーザ16は、アルカリ金属蒸気18を歳差運動させる印加磁場に対するPWMポンプビームのオフセット角度等に基づいて、アルカリ金属18の粒子が歳差運動する軸と直交する平面内に誘導磁場の成分を生じさせるように配向され得る。これにより、プローブレーザ22で生成されたプローブビームは、測定可能パラメータに基づいた(例えば、はるかに低い周波数で生じる)ファラデー回転に加えて、誘起された仮想磁場に応答してデューティサイクルで変調されたファラデー回転を示し得る。したがって、安定化システム28は、デューティサイクルに基づいてプローブビームのファラデー回転を復調することで、ACシュタルクシフトの影響に相当し得るDC誤差信号を生成することができる。したがって、DC誤差信号に基づいてPWMポンプビームのデューティサイクルをフィードバック方式でシフトさせることで、デューティサイクルに対して、すなわち、アルカリ金属18の2つの独立した基底状態に対して、ACシュタルクシフトの影響が等しくかつ反対となるような値に対応するゼロ振幅にDC誤差信号をフィードバック方式で維持することができる。したがって、安定化システム28によるPWMポンプビームのデューティサイクルのフィードバック調整に基づいて、安定化システム28は、センサセル14内の偏極均一性を実質的に最大化する非共鳴にアルカリ金属蒸気18を光学的にポンピングしながらACシュタルクシフトを安定化させる。さらには、ACシュタルクシフトの影響がACシュタルクシフトの大きさと方向(例えば、正または負の方向)の積およびアルカリ金属18の2つの独立した規定状態からのアルカリ金属18の励起に基づいた中心周波数に対する2つの非共鳴状態の各々におけるデューティサイクルに対して実質的に等しく反対であるため、ACシュタルクシフトの影響が実質的に低減される。したがって、センサシステム10の測定可能パラメータに関連するスケールファクタおよび偏り誤差も同様に実質的に低減される。
【0019】
図2は、パルス幅変調信号波形の例示的なタイミングチャート50を示す。一例として、タイミングチャート50は、時間に応じてプロットされた変調信号DTHを示している。変調信号DTHは、図2の例では中心波長λを中心に発振する方形波信号として示されている。変調信号DTHは、第1波長λMAXに対応する最大振幅と、第2波長λMINに対応する最小振幅とを有するものとして示されている。図2の例では、第1および第2波長λMAXおよびλMINは、中心波長λを中心に波長差λだけ等しく反対に分離されている。
【0020】
タイミングチャート50で示されるパルス幅変調信号波形は、ポンプレーザ16によって生成されたPWMポンプビームに相当し得る。したがって、中心波長λは、波長λMAXおよびλMINの各々がアルカリ金属蒸気18に関連する遷移波長に対して非共鳴となるように、アルカリ金属蒸気18によるPWMポンプビームの光子のほぼ最大吸収に相当する波長とすることができる。タイミングチャート50は、PWMポンプビームの第1パルス幅変調周期52、第2パルス幅変調周期54、および第3パルス幅変調周期56を含む。パルス幅変調周期52,54,56の各々は、PWMポンプビームの波長が第1波長λMAXにある「オン」時間58と、PWMポンプビームの波長が第2波長λMINにある「オフ」時間60とを含む。パルス幅変調周期52,54,56およびその後のパルス幅変調周期は、例えば、一定のクロックサイクル数などに基づいた一定の持続時間を有し得る。
【0021】
一例として、センサセル14を放出するプローブレーザ22によって生成された光プローブビームに対応する検出ビームを復調することに基づいて、安定化システム28は、DC誤差信号が非ゼロ値であると判定し得る。このため、アルカリ金属蒸気18は、ACシュタルクシフトの有害な影響を示す。非ゼロ値を有するDC誤差信号に応答して、安定化システム28は、例えば、「オフ」時間60に対して「オン」時間58に対応するクロックサイクルをデジタル的に調整するなどに基づいて、PWMポンプビームのデューティサイクルを調整するように構成することができる。図2の例では、安定化システム28は、DC誤差信号に基づいて「オン」時間58および「オフ」時間60の各々のクロックサイクルを調整するなどして「オン」時間58を減少させることにより、すなわちパルス幅変調周期54の「オフ」時間60を増加させることによりパルス幅変調周期52に対するパルス幅変調周期54のデューティサイクルを調整する。一例として、DC誤差信号は、所与のパルス幅変調周期にわたる検出ビームのファラデー回転の時間平均に基づくACシュタルクシフトを示す極性を有し得る。
【0022】
その後、デューティサイクルに基づいて検出ビームを復調し、検出ビームの時間平均化されたファラデー回転を決定することに基づいて、安定化システム28は、DC誤差信号が非ゼロ値を有すると再び判定し得る。この場合、パルス幅変調周期54のデューティサイクルの調整が、ACシュタルクシフトの有害な影響を打ち消すには不十分であったこととなる。非ゼロ値を有するDC誤差信号に応答して、安定化システム28はPWMポンプビームのデューティサイクルを再度調整する。図2の例では、安定化システム28は、DC誤差信号に基づいて「オン」時間58および「オフ」時間60の各々のクロックサイクルを調整するなどして「オン」時間58を再度減少させることにより、すなわちパルス幅変調周期56の「オフ」時間60を増加させることによりパルス幅変調周期54に対するパルス幅変調周期56のデューティサイクルを調整する。したがって、安定化システム28は、検出ビームを実質的に連続的に監視してフィードバック方式でPWMポンプビームのデューティサイクルを調整することにより、DC誤差信号のゼロ値を維持する、すなわちACシュタルクシフトの影響を安定させることができる。
【0023】
図3は、センサシステム100の別の例を示す。一例として、センサシステム100は、NMRジャイロスコープ、NMR磁力計、EPR磁力計、またはそれらの組み合わせの一部に対応するものとすることができる。センサシステム100は、検出システム、誘導システム、および/または航空システムなどの種々の用途のうちのいずれかで実施することができる。別の例として、センサシステム100は、複数の軸で動作可能としたものなどのセンサアプリケーション全体の一部として実施することができる。
【0024】
センサシステム100は、セルシステム102とポンプビーム制御システム104とを含む。図3の例では、セルシステム102はセンサセル106を含む。センサセル106は、例えば、種々の形状およびサイズのうちのいずれかによるガラスケースとすることができる。センサセル106は、アルカリ金属108とともに、センサシステム100がNMRシステムとして構成されている例では1つまたは複数の核スピン同位体(図示せず)を含む。一例として、アルカリ金属108は、図2の例で上述したように、アルカリ金属108の基底状態遷移周波数間の差を他のアルカリ金属タイプ(例えば、Cs)に対して実質的に減少させるために85RbなどのRb蒸気とすることができる。また一例として、核スピン同位体は、希ガス同位体を含むことができる。セルシステム102はまた、磁場Bを生成するように構成された磁場発生器110を含む。一例として、磁場発生器110は、磁場Bを実質的に均一な磁場として生成するべくセンサセル106を実質的に取り囲む磁気ソレノイドとして構成することができる。磁場Bに応答して、アルカリ金属108の粒子および核スピン同位体は、センサセル106の軸に対して歳差運動することができる。
【0025】
また、セルシステム102はポンプレーザ112を含む。ポンプレーザ112は、直線偏光(例えば、「s」偏光)を有する光ポンプビームOPMP_Sを生成するように構成することができる。光ポンプビームOPMP_Sは、ビームスプリッタ114および1/4波長板116を通って導かれる。1/4波長板116は、光ポンプビームOPMP_Sの直線偏光を、光ポンプビームOPMP_Cとして示される円偏光に変更するように構成されている。光ポンプビームOPMP_Cはセンサセル106を通って導かれ、アルカリ金属108の粒子を偏極状態に誘起(すなわち、励起)する。図3の例では、光ポンプビームOPMP_Cは、センサセル106の遠位側のミラー118による光ポンプビームOPMP_Cの反射に基づいてセンサセル106を2回通過する。反射光ポンプビームはOPMP_C’として示されている。したがって、アルカリ金属108の粒子の光ポンピングを実質的に増加させることができる。
【0026】
センサセル106から放出された反射光ポンプビームOPMP_C’は1/4波長板116を通って導かれ、円偏光から直線偏光に変換される。しかしながら、光ポンプビームの直線偏光は、ポンプレーザ112によって供給される光ポンプビームOPMP_Sに対して直交するように配向され、「p」偏光を示す光ポンプビームOPMP_Pとして示される。このため、ビームスプリッタ114に供給されると、光ポンプビームOPMP_Pは反射され、ポンプビーム制御システム104に導かれる。したがって、ポンプビーム制御システム104は、光ポンプビームOPMP_Pの強度に基づいて光ポンプビームOPMP_Cの光吸収を監視することができる。本開示では、光ポンプビームOPMP_Cの光吸収は、光ポンプビームOPMP_Cおよび光ポンプビームOPMP_C’の集合的な光吸収を示す。
【0027】
本開示において、アルカリ金属108の粒子はACシュタルクシフトを受ける可能性があり、ACシュタルクシフトが起きると、ポンプレーザ112を介したアルカリ金属108の粒子の光ポンピングは、アルカリ金属108の2つの独立した基底状態に対応する2つの原子遷移波長のうちの一方または両方に関して非共鳴となる。ACシュタルクシフトを確実に測定可能とするために、ポンプレーザ112は、印加磁場Bに対してオフセット角度θで光ポンプビームOPMP_Cを生成するように配向され得る。例えば、ポンプレーザ112がオフセット角度θで物理的に配向されることで、光ポンプビームOPMP_Cはオフセット角度θでセンサセル106を介して供給されるようになる。または、セルシステム102は、オフセット角度θでセンサセル106を介してポンプビームOPMP_Cを供給するための追加の光学系を含み得る。
【0028】
ポンプビーム制御システム104は、安定化システム120および光検出器122を含む。安定化システム120は、PWMコントローラ124を含む。安定化システム120は、ポンプレーザ112に供給する変調電流IMODを生成するように構成されている。このため、ポンプレーザ112の振幅および周波数を変調電流IMODの大きさに基づいて設定することができる。これにより、安定化システム120は、PWMコントローラ124に基づいて変調電流IMODの大きさをパルス幅変調することができる。その結果、ポンプレーザ112によって供給される光ポンプビームOPMP_Sの周波数が、PWMコントローラ124によって制御されるデューティサイクルを有するようにパルス幅変調されることで、光ポンプビームOPMP_Cの吸収が、とりわけ、図2の例示されるものと同様に、デューティサイクルの各部分の振幅に応じて変化するものとなる。このようにして、光ポンプビームOPMP_Cがパルス幅変調される。
【0029】
光ポンプビームOPMP_Pは、ビームスプリッタ114から光検出器122に供給されることにより、光検出器122は、光ポンプビームOPMP_Pの強度、すなわちセンサセル106における光ポンプビームOPMP_Cの吸収に対応する吸収電圧VDETを生成するように構成される。この吸収電圧VDETが安定化システム120に供給されることにより、安定化システム120は、吸収電圧VDETに基づいて、光ポンプビームOPMP_Cの吸収を監視することができる。光ポンプビームOPMP_Cの周波数はデューティサイクルに基づいて変化するため、吸収電圧VDETも同様にほぼデューティサイクルで変化する。このため、安定化システム120は、光ポンプビームOPMP_Pの吸収スペクトルを、パルス幅変調周期における時間平均として決定するように構成することができる。その結果、安定化システム120は、ポンプレーザ112によって生成された光ポンプビームOPMP_Sの周波数がセンサセル106による光ポンプビームOPMP_Cの実質的な最大吸収に対応するよう(例えば、遷移周波数間の周波数帯域の中心)にその周波数を決定することができる。
【0030】
また、図3の例では、センサシステム100は、少なくとも1つの測定可能パラメータを計算するように構成された検出システム126を含む。例えば、センサシステム100がNMRジャイロスコープとして構成される例では、測定可能パラメータは、受感軸周りの回転を含み得る。あるいは、センサシステム100がNMR/EPR磁力計として構成される例では、測定可能パラメータは、外部磁場のベクトルの大きさを含み得る。図3の例では、検出システム126は、プローブレーザ128と、回転検出器130と、測定コントローラ132とを含む。プローブレーザ128は、センサセル106を通過するプローブビームOPRBを生成するように構成することができる。アルカリ金属108の粒子および関連する核スピン同位体の歳差運動は、センサセル106から放出されるプローブビームに対応する検出ビームODETに関連する位相変化をもたらし得る。この検出ビームODETは、検出ビームODETのファラデー回転を示す信号FARを生成するように構成された回転検出器130に供給される。これにより、測定コントローラ132は、センサセル106の回転または外部磁場などによって生じるアルカリ金属108の粒子の歳差運動の変化、すなわち、信号FARによって供給される検出ビームODETのファラデー回転により示される歳差運動の変化に基づいて、測定可能パラメータを計算することができる。
【0031】
また、上述したように、光ポンプビームOPMP_Cは、印加磁場Bに対しオフセット角度θで配向することができる。その結果、ACシュタルクシフトは、印加磁場Bと直交する平面内の光ポンプビームOPMP_Cのベクトル成分に基づいて、印加磁場Bと直交するベクトル方向にAC仮想磁場Bを誘起する。この誘起された交流磁場Bは、光ポンプビームOPMP_Sのデューティサイクルに基づいて同様に変化し得る。このため、AC磁場Bは、そのデューティサイクルにおけるアルカリ金属108の歳差運動に影響を及ぼし得る。その結果、センサセル106の回転または外部磁場に起因する検出ビームODETのファラデー回転に加えて、検出ビームODETは、誘導された磁場Bに起因してデューティサイクルで変化するファラデー回転を有し得る。
【0032】
したがって、回転検出器130は、信号FARを安定化システム120に供給し得る。これにより、安定化システム120は、デューティサイクルに基づいて信号FARを復調することで、検出ビームODETにおけるACシュタルクシフトの影響を判定するように構成することができる。したがって、安定化システム120は、ACシュタルクシフトの影響に対応する大きさおよび符号を有するDC誤差信号、すなわち、ACシュタルクシフトの影響が等しくかつ反対となる光ポンプビームOPMP_Sのデューティサイクルからの偏差を有するDC誤差信号を得ることができる。その結果、安定化システム120は、DC誤差信号に基づいてポンプビームOPMP_Sのデューティサイクルを調整することで、フィードバック方式にてDC誤差信号を実質的に最小にする(例えば、ゼロ値に設定する)ことができる。このように、DC誤差信号がほぼゼロに等しくなると、パルス幅変調周期にわたる光ポンプビームOPMP_Sの時間平均周波数は、2つの独立した基底状態からのアルカリ金属108の粒子の励起に対しACシュタルクシフトの影響がほぼ等しくかつ反対となる周波数値にほぼ等しくなる。
【0033】
このため、安定化システム120は、検出ビームODETのファラデー回転を監視するために信号FARをデューティサイクルで連続的に復調することができ、フィードバック方式で変調電流IMODに基づいて光ポンプビームOPMP_Sのデューティサイクルを調整することができる。その結果、PWMポンプビームOPMP_S、すなわち光ポンプビームOPMP_Cの時間平均周波数は、2つの独立した基底状態に対してACシュタルクシフトの影響が等しくかつ反対となる周波数に維持される。したがって、安定化システム120による光ポンプビームOPMP_Sのフィードバックパルス幅変調に基づいて、安定化システム120は、アルカリ金属蒸気108の非共鳴励起を維持しながらACシュタルクシフトを安定化することにより、アルカリ金属蒸気108の偏極均一性を実質的に最大にして、測定可能パラメータを測定する際のセンサシステム100の性能を向上させる。さらには、時間平均されたACシュタルクシフトの影響がPWMデューティサイクルに基づいて実質的に等しくかつ反対となるため、ACシュタルクシフトの影響が実質的に低減される。したがって、センサシステム100の測定可能パラメータに関連するスケールファクタおよび偏り誤差が同様に実質的に低減される。
【0034】
また、上述したように、光ポンプビームOPMP_Cの吸収は、センサセル106の温度に部分的に基づいている。図3の例では、セルシステム102は、センサセル106の温度を設定するように構成されたセル温度コントローラ134をさらに含む。安定化システム120は、吸収電圧VDETによって光ポンプビームOPMP_Cの吸収を監視することに基づいて、セル温度コントローラ134を介してセンサセル106の温度を安定化させるように構成することができる。一例として、安定化システム120は、復調された吸収電圧VDETに基づいて光ポンプビームOPMP_Cの吸収の変化を判定し、セル温度コントローラ134に温度制御信号TEMP_CTRLを供給してセンサセル106の温度を調整することにより、光ポンプビームOPMP_Cの吸収の変化を実質的に補償することができる。これにより、安定化システム120は、光ポンプビームOPMP_Cの吸収を実質的に最適化するように、フィードバック方式で吸収電圧VDETに基づいてセンサセル106の温度を安定化することができる。
【0035】
上述した構造的および機能的な特徴を考慮した本発明の種々の態様による方法は、図4を参照することでさらに理解することができる。説明の簡略化のために、図4の方法は順番に実行されるものとして図示され説明されているが、本発明は図示された順序に限定されず、本発明に従って幾つかの処理は異なる順序でおよび/または図示され説明されたものとは異なる処理と同時に行うこともできる。また、図示された特徴の全てが本発明の一態様による方法を実施するために必要とされるわけではない。
【0036】
図4は、センサシステム(例えば、センサシステム10)におけるACシュタルクシフトの影響を実質的に低減するための方法150の一例を示す。ステップ152において、円偏光されたポンプビーム(例えば、光ポンプビームOPMP_S)を生成する。ステップ154において、ポンプビームの周波数を中心周波数(例えば、波長λ)に対してパルス幅変調することにより、デューティサイクル(例えば、「オン」時間58および「オフ」時間60)を有するPWMポンプビームを供給する。ステップ156において、センサセル(例えば、センサセル14)を介してPWMポンプビームを供給することにより、センサセル内に封入されたアルカリ金属蒸気(例えば、アルカリ金属蒸気18)を偏極して、アルカリ金属蒸気の歳差運動を磁場(例えば、磁場B)により促進する。ステップ158において、センサセルを介して、直線偏光されたプローブビーム(例えば、プローブビームOPRB)を供給する。ステップ160において、センサセルから放出される直線偏光されたプローブビームに対応する検出ビーム(例えば、検出ビームODET)のファラデー回転をデューティサイクルに基づいて復調することにより、PWMポンプビームのパルス幅変調周期におけるPWMポンプビームの時間平均周波数を決定する。ステップ162において、復調されたファラデー回転に基づきPWMポンプビームのデューティサイクルを制御して時間平均周波数を調整することにより、少なくとも1つの測定可能パラメータに対するACシュタルクシフトの影響を実質的に安定化して低減する。
【0037】
本開示は以下に付記する実施形態を包含する。
[付記1]
センサシステムであって、
センサセル内に封入されたアルカリ金属蒸気を偏極させるためのポンプビームを生成するように構成されたポンプレーザを備えるセルシステムと、
プローブビームを生成するように構成されたプローブレーザを備え、印加磁場に応じた前記偏極したアルカリ金属蒸気の歳差運動による、前記センサセルを通過する前記プローブビームの特性に基づいて、少なくとも1つの測定可能パラメータを計算するように構成された検出システムと、
前記ポンプビームの周波数をパルス幅変調してパルス幅変調(PWM)ポンプビームを供給し、前記センサセルを通過する前記プローブビームの特性に基づいてフィードバック方式で前記PWMポンプビームのデューティサイクルを制御することにより前記アルカリ金属蒸気の偏極均一性を制御して前記少なくとも1つの測定可能パラメータに対するACシュタルクシフトの影響を低減するように構成されたポンプビーム制御システムと、
を備えるセンサシステム。
[付記2]
前記ポンプビーム制御システムは、前記センサセルを通過する前記プローブビームの特性に基づいて前記デューティサイクルを前記フィードバック方式で制御することにより、前記PWMポンプビームのパルス幅変調周期に対して前記ACシュタルクシフトの影響が実質的に等しくかつ反対となるデューティサイクルを維持するように構成されている、付記1に記載のセンサシステム。
[付記3]
前記ポンプビーム制御システムは、前記ポンプビームの周波数を前記PWMポンプビームのデューティサイクルに対応する第1周波数および第2周波数の各々に設定するように前記ポンプレーザに供給される電流を生成するように構成された安定化システムを備え、前記安定化システムは、前記電流の振幅を制御することにより前記プローブビームのファラデー回転に基づいて前記PWMポンプビームのデューティサイクルを設定するように構成されたPWMコントローラを備える、付記1に記載のセンサシステム。
[付記4]
前記ポンプレーザは、前記センサセルの内部において、前記プローブビームと実質的に同一平面上に前記ACシュタルクシフトの影響に相当する誘起された仮想磁場を生成するように、前記印加磁場に対して前記PWMポンプビームをオフセットされた角度で供給するように配向されており、前記誘起された仮想磁場は、前記プローブビームのファラデー回転を前記PWMポンプビームのデューティサイクルにほぼ等しくする、付記3に記載のセンサシステム。
[付記5]
前記安定化システムは、前記プローブビームのファラデー回転を前記PWMポンプビームのデューティサイクルにより復調することに基づいて前記デューティサイクルを制御することで、前記PWMポンプビームのデューティサイクルを、前記ACシュタルクシフトの影響が実質的に時間平均ゼロの大きさとなるデューティサイクルに実質的に維持するように構成されている、付記3に記載のセンサシステム。
[付記6]
前記ポンプビーム制御システムは、前記PWMポンプビームの光吸収を監視して、前記アルカリ金属蒸気を介した前記PWMポンプビームのほぼ最大吸収に対応する中心周波数に対して前記ポンプビームの周波数をパルス幅変調するように構成されている、付記1に記載のセンサシステム。
[付記7]
前記セルシステムはさらに、前記PWMポンプビームの光吸収の監視に基づいて、前記センサセルを通過する前記PWMポンプビームの時間平均光吸収を実質的に安定化させるように、前記センサセルの温度をフィードバック温度制御信号により設定するように構成されたセル温度コントローラをさらに備える、付記6に記載のセンサシステム。
[付記8]
前記ポンプビーム制御システムは、パルス幅変調周期の一定のクロックパルス数に対して、第1周波数における前記PWMポンプビームのクロックパルス数と、第2周波数における前記PWMポンプビームのクロックパルス数とを設定することに基づいて、前記PWMポンプビームのデューティサイクルをデジタル的に調整するように構成された安定化システムを備え、前記第1周波数および前記第2周波数が前記中心周波数に対して実質的に等しくかつ反対である、付記6に記載のセンサシステム。
[付記9]
前記センサシステムは、核磁気共鳴(NMR)ジャイロスコープ、NMR磁力計、および電子常磁性共鳴(EPR)磁力計のうちの少なくとも1つとして構成される、付記1に記載のセンサシステム。
[付記10]
少なくとも1つの測定可能パラメータを計算するように構成されたセンサシステムにおいてACシュタルクシフトの影響を実質的に低減する方法であって、
円偏光されたポンプビームを生成すること、
前記ポンプビームの周波数を中心周波数に対してパルス幅変調することにより、デューティサイクルを有するパルス幅変調(PWM)ポンプビームを供給すること、
センサセルを介して前記PWMポンプビームを供給して前記センサセル内に封入されたアルカリ金属蒸気を偏極させることにより、磁場による前記アルカリ金属蒸気の歳差運動を促進させること、
前記センサセルを介して、直線偏光されたプローブビームを供給すること、
前記センサセルから放出された前記直線偏光されたプローブビームに対応する検出ビームのファラデー回転を前記デューティサイクルに基づいて復調することにより、前記PWMポンプビームのパルス幅変調周期における前記PWMポンプビームの時間平均周波数を決定すること、
前記復調されたファラデー回転に基づいて前記PWMポンプビームのデューティサイクルを制御して前記時間平均周波数を調整することにより、前記少なくとも1つの測定可能パラメータに対する前記ACシュタルクシフトの影響を実質的に安定化し低減すること、
を備える方法。
[付記11]
前記PWMポンプビームの前記中心周波数を前記アルカリ金属蒸気による前記PWMポンプビームのほぼ最大吸収に対応する周波数に設定することをさらに備える付記10に記載の方法。
[付記12]
前記直線偏光されたプローブビームの前記ファラデー回転を復調することが、前記復調されたファラデー回転を時間平均してDC誤差信号を決定することを備え、
前記デューティサイクルを制御することが、前記DC誤差信号の非ゼロ振幅に応答して前記PWMポンプビームのデューティサイクルを調整することを備える、付記10に記載の方法。
[付記13]
前記ポンプビームの周波数をパルス幅変調することが、パルス幅変調周期の第1部分において第1周波数を有し、前記パルス幅変調周期の第2部分において第2周波数を有する前記PWMポンプビームを供給することを備え、前記第1周波数および前記第2周波数が前記中心周波数に対して実質的に等しくかつ反対であり、
前記デューティサイクルを制御することが、
前記パルス幅変調周期の一定のクロックパルス数に対して、前記第1周波数における前記PWMポンプビームのクロックパルス数と、前記第2周波数における前記PWMポンプビームのクロックパルス数とを設定することに基づいて、前記PWMポンプビームのデューティサイクルをデジタル的に調整することを備える、付記10に記載の方法。
[付記14]
前記PWMポンプビームを供給することが、前記センサセルの内部において、前記プローブビームと実質的に同一平面上に前記ACシュタルクシフトの影響に相当する誘起された磁場を生成するように、印加磁場に対して前記PWMポンプビームをオフセットされた角度で供給することを備え、前記誘起された磁場は、前記プローブビームのファラデー回転を前記PWMポンプビームのデューティサイクルにほぼ等しくする、付記10に記載の方法。
[付記15]
前記センサセルを通過する前記ポンプビームの光吸収を監視することに応じて、前記センサセルを通過する前記ポンプビームの時間平均光吸収を実質的に安定させるように前記センサセルの温度を設定することをさらに備える付記10に記載の方法。
[付記16]
センサシステムであって、
センサセル内に封入されたアルカリ金属蒸気を偏極させるためのポンプビームを生成し、印加磁場に応じて前記アルカリ金属蒸気の歳差運動を促進するように構成されたポンプレーザを備えるセルシステムであって、前記ポンプビームが前記印加磁場に対してオフセットされた角度で前記センサセルを介して供給される、セルシステムと、
プローブビームを生成するように構成されたプローブレーザを備え、前記印加磁場に応じた前記偏極したアルカリ金属蒸気の歳差運動による、前記センサセルを通過する前記プローブビームの特性に基づいて、少なくとも1つの測定可能パラメータを計算するように構成された検出システムと、
前記ポンプビームの周波数を前記アルカリ金属蒸気による前記ポンプビームのほぼ最大吸収に対応する中心周波数に対してパルス幅変調することにより、デューティサイクルを有するパルス幅変調(PWM)ポンプビームを供給し、前記センサセルから放出された前記プローブビームに対応する検出ビームを前記デューティサイクルに基づいて復調し、前記復調された検出ビームに基づいて前記PWMポンプビームのデューティサイクルをフィードバック方式で制御することにより、前記アルカリ金属蒸気の偏極均一性を制御して前記少なくとも1つの測定可能パラメータに対するACシュタルクシフトの影響を低減するように構成されたポンプビーム制御システムと、
を備えるセンサシステム。
[付記17]
前記ポンプビーム制御システムは、前記センサセルを通過する前記プローブビームの特性に基づいて前記デューティサイクルを前記フィードバック方式で制御することにより、前記PWMポンプビームのパルス幅変調周期に対して前記ACシュタルクシフトの影響が実質的に等しくかつ反対となるデューティサイクルを維持するように構成されている、付記16に記載のセンサシステム。
[付記18]
前記ポンプビーム制御システムは、前記ポンプビームの周波数を前記PWMポンプビームのデューティサイクルに対応する第1周波数と第2周波数との間に設定するように前記ポンプレーザに供給される電流を生成するように構成された安定化システムを備え、前記安定化システムは、前記電流の振幅を制御することにより前記プローブビームのファラデー回転に基づいて前記PWMポンプビームのデューティサイクルを設定するように構成されたPWMコントローラを備え、前記第1周波数および前記第2周波数が前記中心周波数に対して実質的に等しくかつ反対である、付記16に記載のセンサシステム。
[付記19]
前記セルシステムはさらに、前記PWMポンプビームの光吸収の監視に基づいて、前記センサセルを通過する前記PWMポンプビームの時間平均光吸収を実質的に安定化させるように、前記センサセルの温度をフィードバック温度制御信号により設定するように構成されたセル温度コントローラをさらに備える、付記16に記載のセンサシステム。
[付記20]
前記ポンプビーム制御システムは、パルス幅変調周期の一定のクロックパルス数に対して、第1周波数における前記PWMポンプビームのクロックパルス数と、第2周波数における前記PWMポンプビームのクロックパルス数とを設定することに基づいて、前記PWMポンプビームのデューティサイクルをデジタル的に調整するように構成された安定化システムを備え、前記第1周波数および前記第2周波数が前記中心周波数に対して実質的に等しくかつ反対である、付記16に記載のセンサシステム。
以上の説明は本発明の一例である。本発明を説明する上で、構成または方法のあらゆる組み合わせを説明することは可能でないが、当業者であれば、本発明の多くのさらなる組み合わせや置換が可能であることを認識し得る。したがって、本発明は、特許請求の範囲の思想および範囲内に含まれるそのような変更、修正、および変形をすべて包含することが意図される。
図1
図2
図3
図4