【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.展示日 平成29年2月22日〜25日 2.展示会名、展示場所 第25回国際製パン製菓関連産業展 3.公開者 田中 敏行 〔刊行物等〕 1.ウェブサイトの掲載日 平成29年3月11日 2.ウェブサイトのアドレス http://www.co−hosaka.co.jp/event/mobac2017/index.html 3.公開者 株式会社 保坂製作所
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0024】
本実施の形態におけるショーケース1は、商品が陳列される陳列室2を有している。
図1に示すように、ショーケース1は、上方から見たときに円形状に形成されており、ショーケース1の全周囲から、陳列された商品を視認し易くするように構成されている。このようなショーケース1は、ドーム型のショーケースと言う場合もある。そして、
図2に示すように、複数の異なる方向に、商品が陳列された陳列台50A〜50Dを引き出すことができ、ショーケース1の周囲における複数の位置で商品を手に取ることができるように構成されている。以下に、
図1および
図2に示すショーケース1について、より詳細に説明する。
【0025】
図3に示すように、ショーケース1は、陳列室2の下方に設けられた基台10と、陳列室2の上方に設けられた天板40と、基台10と天板40との間に設けられた複数(本実施の形態では4つ)の陳列台50A〜50Dと、を備えている。陳列台50A〜50Dは、商品が載置される陳列テーブル51と、陳列テーブル51の外側に設けられた側板52と、を有している。天板40と、各陳列台50A〜50Dの陳列テーブル51と、側板52とによって、陳列室2が画定されている。そして、各陳列台50A〜50Dは、陳列室2内に収納された収納位置(
図3において実線で示した位置)と、陳列室2から外側に引き出された引出位置(
図3において二点鎖線で示した位置)との間で、スライド可能になっている。陳列台50A〜50Dは、上方から見たときに、互いに異なる方向にスライド可能になっている。すなわち、陳列台50A〜50Dが、基台10および天板40に対してスライドするように構成されている。
【0026】
各陳列台50A〜50Dの側板52の外側には、外側カバー部53が設けられている。外側カバー部53は、取っ手としての機能も有しており、陳列台50A〜50Dを引き出す際に、下方から手を差し込むことができるように形成されている。しかしながら、外側カバー部53の形状は、陳列台50A〜50Dを引き出すことができれば、これに限られることはなく、外側カバー部53とは別体の取っ手を設けてもよい。
【0027】
基台10は、陳列室2内に供給される冷気が通過する冷気流路空間11を有している。この冷気流路空間11には、陳列室2から吸引された冷気を冷却して陳列室2に供給する冷気供給部12が設けられている。この冷気供給部12は、2つの冷気ファン13と、冷却器14と、を有しており、冷気ファン13によって陳列室2から吸引された冷気が冷却器14に送られ、冷却器14によって冷却される。冷却された冷気は、冷却器14から陳列室2に供給される。このようにして、ショーケース1内で冷気(空気)が循環し、陳列室2に陳列された商品が冷却されるようになっている。冷気流路空間11の周囲には、基台壁部15が設けられている。また、冷気流路空間11の下部には、基台床部16が設けられている。基台壁部15および基台床部16は、冷気流路空間11を画定している。
【0028】
冷気流路空間11内に、2つの冷気ファン13と冷却器14とが取り付けられたサポート部材17が設けられている。このサポート部材17によって、冷気流路空間11が、下流側空間18と上流側空間19とに仕切られている。このうち下流側空間18は、冷気供給部12の下流側に設けられた空間(
図3における右側の空間)であり、冷却器14から排出されて陳列室2に向かう冷気が通過する空間である。上流側空間19は、冷気供給部12の上流側に設けられた空間(
図3における左側の空間)であり、陳列室2から吸引されて冷気ファン13に向かう冷気が通過する空間である。これらの下流側空間18と上流側空間19とにより、冷気流路空間11が構成されている。
【0029】
また、本実施の形態では、基台10には、各陳列台50A〜50Dの側板52の外面に外気を供給する外気ファン20(外気供給部)が設けられている。この外気ファン20は、基台床部16の下方に設けられており、基台10の周囲の外気を吸引して側板52の外面に供給する。基台床部16の下面には、外気ファン20から供給されて側板52に向かう外気が通過する外気ダクト21が設けられている。基台壁部15の外側には、外気ダクト21を通過して後述する外気通気口67に向かう外気が通過する外気流路部22が設けられている。外気流路部22は、基台壁部15の周囲に設けられており、基台10の外気通気口67に外気を供給可能になっている。なお、
図3においては、外気ダクト21は、外気ファン20から陳列台50Cの側に延びている例が示されているが、これに限られることはなく、複数の外気ダクト21を、外気ファン20を中心として放射状に延びるように形成してもよい。
【0030】
図1および
図2に示すように、天板40は、上方から見たときに円形状に形成されている。
図3に示すように、陳列室2の中心を含む側面断面で見たときには、天板40は、上方に向って凸となるように湾曲している。天板40は、透明なガラス板によって形成されており、天板40を通して陳列された商品を視認することができるようになっている。とりわけ、本実施の形態では、天板40の外縁は、陳列台の側板52の上部に配置されており、陳列室2が全体的に、透明なガラス板で形成された天板40によって上方から覆われている。このことにより、上方からの視界を妨げる部材(例えば金属製のフレームなど)が存在しないようになっており、陳列室2に陳列された商品を、上方から容易に視認可能になっている。
【0031】
図4に示すように、天板40の外縁には、(例えば金属製の)天板フレーム41が設けられている。この天板フレーム41は、天板40の外縁に沿って周方向に延びるように形成されている。天板フレーム41は、天板40を支持している。天板40と天板フレーム41との間には、パッキンP1が介在されており、天板40と天板フレーム41との間の隙間は、気体が通過しないようになっている。
【0032】
天板フレーム41には、陳列された商品を照らすための照明部43が設けられている。この照明部43は、陳列室2内に配置されている。
【0033】
天板フレーム41は、天板40の上面で発生した結露水を受けるように構成されている。天板フレーム41には、受けた結露水を、後述する支柱44に排出する排水孔42が設けられている。また、天板フレーム41は、陳列台50A〜50Dが収納位置に位置付けられた場合、
図3に示すように、後述する側板フレーム57がシール部材S1を介して当接するようになっており、天板フレーム41と側板フレーム57との間の隙間を気体が通過することを防止している。
【0034】
図4に示すように、天板フレーム41は、複数の支柱44によって基台10の基台壁部15に支持されている。支柱44は、
図5に示すように、各陳列台50A〜50Dの側板52のうち互いに隣り合う側板52の間に配置されている。本実施の形態では、天板40は、4つの支柱44によって支持されている。各支柱44は、天板フレーム41から排出された結露水を、後述する回収タンク24に案内する支柱水路45を有している。すなわち、支柱44はパイプ状に形成されており、支柱44の内部に支柱水路45が設けられている。
【0035】
また、
図5に示すように、支柱44の内面には当て板44aが設けられている。この当て板44aには、陳列台50A〜50Dが収納位置に位置付けられた場合、後述する側板フレーム57がシール部材S2を介して当接するようになっており、支柱44と側板フレーム57との間の隙間を気体が通過することを防止している。
【0036】
図3に示すように、基台床部16には、回収孔23が設けられている。支柱水路45を通過した結露水は、基台床部16の上面を流れて、基台床部16に設けられた回収孔23に達する。回収孔23は、結露水を回収する回収タンク24に連通している。この回収タンク24は、基台床部16の下方の機械室25内に設置されており、基台10に取り外し可能になっている。このため、回収タンク24内に結露水が所定量貯留された場合には、回収タンク24を基台10から取り外して、結露水を廃棄可能になっている。なお、機械室25には、冷却器14を駆動するためのコンプレッサ(図示せず)などが収容されている。
【0037】
図1および
図5に示すように、陳列台50A〜50Dは、上方から見たときに互いに異なる領域に割り付けられている。本実施の形態によるショーケース1は、4つの陳列台(陳列台50A、陳列台50B、陳列台50Cおよび陳列台50D)を備えており、各陳列台50A〜50Dが占める領域が均等になるように割り付けられている。上方から見たときに、陳列台50Aと陳列台50Bが、陳列室2の中心に対して互いに反対側に配置されており、陳列台50C(第1陳列台)と陳列台50D(第2陳列台)が、陳列室2の中心に対して互いに反対側に配置されている。
【0038】
図5に示すように、陳列台50A〜50Dの陳列テーブル51は、上方から見たときに、隣り合う他の陳列テーブル51との境界をなす一対の境界線54を含んでいる。各境界線54は、上方から見たときに、陳列室2の中心を通っており、各陳列テーブル51の一対の境界線54がなす角度は、互いに同一になっている。このことにより、各陳列テーブル51が占める領域を均等化させている。本実施の形態のショーケース1では、4つの陳列台50A〜50Dを備えているため、一対の境界線54がなす角度は90°になっている。すなわち、陳列テーブル51は、上方から見たときに、概略的には、中心角が90°の扇形状に形成されている。互いに隣り合う陳列台50A〜50Dが収納位置に位置付けられた場合、各陳列テーブル51は互いに当接するようになっている。
【0039】
図3および
図5に示すように、陳列テーブル51は、商品が載置される載置面55と、陳列テーブル51の隣り合う他の陳列テーブル51の側の縁部(言い換えると、上述した境界線54の側の部分)に設けられた凸部56と、を含んでいてもよい。このうち凸部56は、載置面55よりも上方に突出している。
図5においては、凸部56が、境界線54に沿って直線状にかつ連続状に形成されている例が示されているが、商品の落下を防止できるとともに、載置面55の面積を確保することができれば、凸部56の形状は任意である。
【0040】
図5に示すように、側板52は、上方から見たときに、陳列室2の中心に対して円周方向に延びるように(円弧状に)形成されている。各陳列台50A〜50Dが収納位置に位置付けられた場合、4つの側板52は、円形状の陳列室2を外側から画定する。また、側板52は、透明なガラス板によって形成されており、側板52を通して陳列された商品を視認することができるようになっている。
【0041】
図3に示すように、側板52の周囲には、(例えば金属製の)側板フレーム57が設けられている。この側板フレーム57は、側板52の上端部、下端部および一対の側端部(支柱44の側の端部)を覆うように形成されており、側板52を支持している。
図6に示すように、側板52と側板フレーム57との間には、パッキンP2が介在されており、側板52と側板フレーム57との間の隙間を気体が通過することを防止している。
【0042】
図6に示すように、側板フレーム57のうち側板52の下方の部分は、側板52の外面で発生した結露水を受けるように構成されている。側板フレーム57には、受けた結露水を、後述する陳列台水路59に排出する排水孔58が設けられている。
【0043】
陳列台50A〜50Dは、側板フレーム57が受けた結露水を後述する回収タンク24に案内する陳列台水路59を有している。陳列台水路59は、第1陳列台水路60と、第2陳列台水路61と、を含んでいる。このうち第1陳列台水路60は、側板フレーム57の下面に設けられた第1パイプ部材62の内部に形成されている。第1パイプ部材62は、側板フレーム57に沿って円周方向に延びるように形成されている(
図8参照)。第1陳列台水路60は、第1パイプ部材62の受け入れ孔62aを介して、側板フレーム57が受けた結露水を受け入れるようになっている。第2陳列台水路61は、陳列テーブル51の下面に設けられた第2パイプ部材63の内部に形成されている。第2陳列台水路61は、第2パイプ部材63の外端において第1パイプ部材62の第1陳列台水路60に連通している。第2パイプ部材63は、陳列テーブル51の一対の境界線54が成す角度の二等分線に沿って半径方向に延びるように形成されている(
図8参照)。第2パイプ部材63は、
図7に示すように、陳列室2の中心付近で終端し、第2陳列台水路61が開口している。すなわち、各陳列台50A〜50Dの第2パイプ部材63の内端同士が、離間している。このことにより、第2パイプ部材63を通過した結露水は 第2パイプ部材63の内端から落下可能になっている。
【0044】
ところで、
図7に示すように、基台10のサポート部材17の上方には、プレート部材26が設けられている。このプレート部材26は、一方の第1レールサポート31(後述)から他方の第1レールサポート31(後述)まで延びている。
図8に示すように、プレート部材26には、上述した第2パイプ部材63から落下した結露水を基台床部16に排出する複数の排水孔27が設けられている。この排水孔27は、結露水がサポート部材17に落下しない位置に形成されている。すなわち、サポート部材17の側縁(
図8における上側縁および下側縁)は、基台壁部15から離間している。このことにより、排水孔27は、このサポート部材17の側縁と基台壁部15との間の開口を介して基台床部16に結露水を落下させるようになっている。この排水孔27を通過した結露水は、基台床部16の上面を流れて、上述した回収孔23に達する。
【0045】
次に、陳列台50A〜50Dのスライド機構について、より詳細に説明する。
【0046】
図2に示すように、各陳列台50A〜50Dは、収納位置と引出位置との間で、互いに独立に(別々に)スライド可能になっている。
図5に示すように、各陳列台50A〜50Dのスライド方向は、上述した一対の境界線54がなす角度の二等分線の方向になっている。すなわち、一方の境界線54から45°の角度であって、他方の境界線54から45°の角度の方向に、陳列台50A〜50Dがスライド可能になっている。また、本実施の形態によるショーケース1は、4つの陳列台50A〜50Dを備えているため、互いに隣り合う陳列台50A〜50Dは、スライド方向が直交するように構成されている。すなわち、陳列台50Aと陳列台50Cのスライド方向とが互いに直交している。同様に、陳列台50Cと陳列台50Bのスライド方向と、陳列台50Bと陳列台50Dのスライド方向と、陳列台50Dと陳列台50Aのスライド方向が、互いに直交している。また、4つの陳列台50A〜50Dのうち陳列台50Aと陳列台50Bが、互いに反対方向に引き出し可能になっており、陳列台50Cと陳列台50Dが、互いに反対方向に引き出し可能になっている。
【0047】
図3および
図8に示すように、基台10は、陳列台50Aをスライド可能に支持する一対のガイドレール30A(第1ガイドレール)と、陳列台50Bをスライド可能に支持する一対のガイドレール30B(第2ガイドレール)と、を有している。陳列台50Aは、ガイドレール30Aに対して直線状にスライド可能な一対のスライダー64Aを有しており、各スライダー64Aが対応するガイドレール30Aに対して直線状にスライドすることにより、陳列台50Aが、スライドするように構成されている。例えば、スライダー64Aは、ガイドレール30Aを転動するローラ(図示せず)を有していてもよい。また、ガイドレール30Aが、後述する第1レールサポート31に取り付けられた固定側のガイドレールと、このガイドレールにスライド可能なスライドレール(図示せず)と、を有するように構成されていてもよい。このようなガイドレール30Aの一例としては、スガツネ工業社製のスライドレール5302S−300を挙げることができる。この場合、陳列台50Aのストロークを増大させることができる。後述するガイドレール30B〜30Dも同様である。
【0048】
陳列台50Aと同様に、陳列台50Bは、ガイドレール30Bに対して直線状にスライド可能な一対のスライダー64Bを有しており、各スライダー64Bが対応するガイドレール30Bに対して直線状にスライドすることにより、陳列台50Bが、スライドするように構成されている。
【0049】
各ガイドレール30Aは、対応するガイドレール30Bに対して直線状に整列されている。すなわち、
図8において、左側のガイドレール30Aは、左側のガイドレール30Bに対して直線状に整列され、右側のガイドレール30Aは、右側のガイドレール30Bに対して直線状に整列されている。そして、各ガイドレール30Aと、対応するガイドレール30Bは、当該ガイドレール30Aから当該ガイドレール30Bに延びる第1レールサポート31に取り付けられている。すなわち、基台10の上部に、一対の第1レールサポート31が設けられており、
図8における左側の第1レールサポート31が、左側のガイドレール30Aおよび左側のガイドレール30Bを支持し、右側の第1レールサポート31が、右側のガイドレール30Aおよび右側のガイドレール30Bを支持している。一対の第1レールサポート31は、互いに平行に延びているとともに、基台壁部15の一側部分(
図8における上側部分)から他側部分(
図8における下側部分)にわたって延びている。
【0050】
図8に示すように、基台10の上部に設けられた第1レールサポート31は、基台10の冷気流路空間11内の冷気の流れの方向に直交する方向に延びている。言い換えると、第1レールサポート31は、陳列台50Cの冷気通気口65(
図5参照)から陳列台50Dの冷気通気口65に向かう方向(
図8における右から左への方向)に直交する方向に延びている。
図3、
図7および
図8に示すように、陳列台50Cの側の第1レールサポート31は、サポート部材17とともに、冷気流路空間11を下流側空間18と上流側空間19とに仕切っている。
【0051】
また、
図8に示すように、基台10は、陳列台50Cをスライド可能に支持する一対のガイドレール30Cと、陳列台50Dをスライド可能に支持する一対のガイドレール30Dと、を更に有している。一方、陳列台50Cは、ガイドレール30Cに対して直線状にスライド可能な一対のスライダー64Cを有しており、各スライダー64Cが対応するガイドレール30Cに対して直線状にスライドすることにより、陳列台50Cが、スライドするように構成されている。同様に、陳列台50Dは、ガイドレール30Dに対して直線状にスライド可能な一対のスライダー64Dを有しており、各スライダー64Dが対応するガイドレール30Dに対して直線状にスライドすることにより、陳列台50Dが、スライドするように構成されている。
【0052】
各ガイドレール30Cは、対応するガイドレール30Dに対して直線状に整列されている。すなわち、
図8において、上側のガイドレール30Cは、上側のガイドレール30Dに対して直線状に整列され、下側のガイドレール30Cは、下側のガイドレール30Dに対して直線状に整列されている。各ガイドレール30Cは、一対の第2レールサポート32によって支持されている。すなわち、基台10の上部に、一対の第2レールサポート32が設けられており、
図8における上側の第2レールサポート32が、上側のガイドレール30Cを支持し、下側の第2レールサポート32が、下側のガイドレール30Cを支持している。一対の第2レールサポート32は、互いに平行に延びているとともに、一対の第1レールサポート31のうちガイドレール30Cの側(
図8における右側)の第1レールサポート31から、基台壁部15(より詳細には、基台壁部15のうち
図8における右側部分)にわたって延びている。
【0053】
同様に、各ガイドレール30Dは、一対の第3レールサポート33によって支持されている。すなわち、基台10の上部に、一対の第3レールサポート33が設けられており、
図8における上側の第3レールサポート33が、上側のガイドレール30Dを支持し、下側の第3レールサポート33が、下側のガイドレール30Dを支持している。一対の第3レールサポート33は、互いに平行に延びているとともに、一対の第1レールサポート31のうちガイドレール30Dの側(
図8における左側)の第1レールサポート31から、基台壁部15(より詳細には、基台壁部15のうち
図8における左側部分)にわたって延びている。
【0054】
各ガイドレール30A〜30Dは、対応する陳列台50A〜50Dが収納位置に位置付けられた場合に、スライダー64A〜64Dのローラを係止するための係止部(図示せず)を有していてもよい。この係止部は、収納位置に位置付けられた陳列台50A〜50Dが、引出位置に向かって意図せずに移動することを防止するためのものである。このため、陳列台50A〜50Dを収納位置から引き出す場合には、スライダー64A〜64Dのローラが、この係止部を容易に乗り上げることができるようになっていることが好ましい。一方、各陳列台50A〜50Dは、収納位置に位置付けられた場合に、陳列室2の内側への移動を防止するためのストッパー(図示せず)が設けられていることが好適である。また、各陳列台50A〜50Dは、引出位置に引き出された場合に、陳列室2の外側への移動を防止するためのストッパー(図示せず)が設けられていることが好適である。このことにより、陳列台50A〜50Dが、引出位置から更に外側に意図せずに引き出されることを防止できる。しかしながら、点検や清掃等のために、引出位置から更に外側に意図的に引き出して、陳列台50A〜50Dが取り外し可能になっていてもよい。
【0055】
図8に示すように、第1レールサポート31と第2レールサポート32は、補強サポート34によって連結されている。同様に、第1レールサポート31と第3レールサポート33は、補強サポート34によって連結されている。このようにして、第1レールサポート31、第2レールサポート32および第3レールサポート33の剛性を確保している。
【0056】
ところで、
図3および
図5に示すように、陳列台50A〜50Dは、陳列テーブル51と側板52との間に設けられた、冷気が通過する冷気通気口65を有している。冷気通気口65は、上方から見たときに、側板52に沿って円周方向に延びるように形成されている。
【0057】
本実施の形態では、各陳列台50A〜50Dの冷気通気口65のうちの一の陳列台の冷気通気口65は、陳列室2内に冷気を放出し、他の一の陳列台の冷気通気口65は、陳列室2から冷気を吸引する。すなわち、
図3に示すように、陳列台50C(第1陳列台)の冷気通気口65が、冷気流路空間11の下流側空間18の側に配置されており、陳列台50D(第2陳列台)の冷気通気口65が、冷気流路空間11の上流側空間19の側に配置されている。このことにより、陳列台50Cの冷気通気口65が、冷却器14からの冷気を陳列室2内に放出し、陳列台50Dの冷気通気口65が、陳列室2内の冷気を吸引する。なお、
図8に示すように、下流側空間18を通過した冷気は、一対のスライダー64Cの間の空間や、第2レールサポート32の外側の空間を通過するとともに、第2パイプ部材63の周囲の空間を通過して、陳列台50Cの冷気通気口65に達するようになっている。一方、陳列台50Dを通過した冷気は、第2パイプ部材63の周囲の空間を通過するとともに、一対のスライダー64Dの間の空間や、第3レールサポート33の外側の空間を通過して、上流側空間19に達する。
【0058】
なお、
図5に示すように、本実施の形態では、陳列台50A、Bの冷気通気口65のうち、陳列台50Cの側の部分(より詳細には、陳列台50Cの側の第1レールサポート31よりも陳列台50Cの側の部分)は、冷却器14からの冷気を陳列室2内に放出するようになっている。一方、陳列台50A、Bの冷気通気口65のうち、陳列台50Dの側の部分(より詳細には、陳列台50Dの側の第1レールサポート31よりも陳列台50Dの側の部分)は、陳列室2から冷気を吸引するようになっている。陳列台50A、Bの冷気通気口65のうち、陳列台50Cの側の部分と陳列台50Dの側の部分との間の部分(より詳細には、一対の第1レールサポート31の間の部分)は、冷気が通過しないようになっている。このことにより、陳列室2内において、陳列台50Cの冷気通気口65から、陳列台50Dの冷気通気口65に向かう一方向の冷気の流れを形成している。
【0059】
また、
図3に示すように、陳列台50Cは、冷却器14からの冷気を冷気通気口65に案内する2つの冷気ガイド部材66を有している。より具体的には、冷気ガイド部材66は、下流側空間18を通過した冷気を冷気通気口65に案内するためのものである。一方の冷気ガイド部材66は、冷気通気口65よりも内側に配置され、陳列テーブル51の下面に取り付けられている。他方の冷気ガイド部材66は、冷気通気口65よりも外側に配置され、上述した第1パイプ部材62の下面に取り付けられている。陳列台50Cが収納位置に位置付けられた場合、内側の冷気ガイド部材66は、一対のガイドレール30Cの間に配置され、ガイドレール30Cに対して直交する方向に直線状に形成されていることが好適である。外側の冷気ガイド部材66は、冷気通気口65に沿って円周方向に延びるように形成されていることが好適である。なお、冷気ガイド部材66は、弾力性を有していることが好ましい。例えば、冷気ガイド部材66は、ゴム板により形成することができる。このことにより、陳列台50Cをスライドする際に、冷気ガイド部材66が基台10などの他の部材に擦れた場合であっても、冷気ガイド部材66を容易に弾性変形させることができ、陳列台50Cをスムースにスライドすることが可能になる。本実施の形態では、各陳列台50A〜50Dの構成を共通化させるために、陳列台50A、B、Dも、2つの冷気ガイド部材66を有している。
【0060】
図3および
図6に示すように、各陳列台50A〜50Dは、基台10に設けられた外気ファン20から供給された外気を側板52の外面に放出する外気通気口67を有している。外気通気口67は、側板52の外側に設けられている。より具体的には、外気通気口67は、側板52と外側カバー部53との間に配置されており、上方から見たときに、側板52に沿って円周方向に延びるように形成されている。なお、
図6に示すように、外気通気口67に、外気通気口67の開口面積を絞るためのオリフィス形成部68が設けられていてもよい。この場合には、外気通気口67から側板52の外面に放出される外気の流速を高めることができ、当該外面における結露水の発生を抑制することができる。
【0061】
陳列台50A〜50Dは、外気ファン20からの外気を外気通気口67に案内する2つの外気ガイド部材69を有している。すなわち、外気ガイド部材69は、外気流路部22を通過した外気を外気通気口67に案内する。一方の外気ガイド部材69は、外気通気口67よりも内側に配置され、第1パイプ部材62の下面に取り付けられている。他方の外気ガイド部材69は、外気通気口67よりも外側に配置され、外側カバー部53に取り付けられている。陳列台50A〜50Dが収納位置に位置付けられた場合、各外気ガイド部材69は、外気通気口67に沿って円周方向に延びるように形成されていることが好適である。なお、外気ガイド部材69は、弾力性を有していることが好ましい。例えば、外気ガイド部材69は、ゴム板により形成することができる。このことにより、陳列台50A〜50Dをスライドする際に、外気ガイド部材69が基台10などの他の部材に擦れた場合であっても、外気ガイド部材69を容易に弾性変形させることができ、陳列台50A〜50Dをスムースにスライドすることが可能になる。本実施の形態においては、冷気通気口65の外側に配置された冷気ガイド部材66が、外気通気口67の内側に配置された外気ガイド部材69を兼用している。
【0062】
また、
図3に示すように、基台10の上部に、陳列台センサスイッチ35(陳列台検出部)が設けられている。この陳列台センサスイッチ35は、陳列台50Cが引出位置に引き出されているか否かを検出するためのものである。陳列台50Cの陳列テーブル51の下面には、被検出部材70が取り付けられており、陳列台センサスイッチ35の検出部材(図示せず)が、この被検出部材70で押圧されているか否かによって、陳列台50Cが引出位置に引き出されているか否かが検出される。陳列台センサスイッチ35は、上述した外気ファン20に配線接続されており、陳列台50Cが引出位置に引き出されていることを検出した場合、外気ファン20による外気の供給を停止するように構成されている。陳列台センサスイッチ35は、例えば、陳列台50Cが引出位置に引き出されているか否かに応じて、外気ファン20に供給される電力の入切を切り替えられるスイッチとして構成されていてもよい。そして、陳列台センサスイッチ35は、収納位置から所定距離外側に引き出された位置で、入切が切り替えられるようになっていてもよい。
【0063】
陳列台50Cだけではなく、陳列台50A、B、Dについても同様な陳列台センサスイッチ(図示せず)が設けられ、同様にして引出位置に引き出されているか否かが検出されるようになっている。そして、各陳列台センサスイッチが外気ファン20に配線接続され、各陳列台50A〜50Dのうちのいずれか一つが引出位置に引き出されていることが検出されると、外気ファン20による外気の供給が停止するようになっている。
【0064】
次に、このような構成からなら本実施の形態の作用について説明する。
【0065】
各陳列台50A〜50Dを収納位置に位置付けて商品を陳列している間、冷気供給部12の各冷気ファン13と冷却器14とが駆動される。このことにより、陳列室2内の冷気が冷気流路空間11の上流側空間19に吸引されて、冷却器14によって冷却される。冷却された冷気は冷却器14から排出されて下流側空間18を通過し、陳列台50Cの冷気通気口65に向かう。
【0066】
この際、陳列台50Cの2つの冷気ガイド部材66によって、冷気は冷気通気口65に案内される。そして、冷気は、陳列台50Cの冷気通気口65から陳列室2内に放出される。なお、下流側空間18内の冷気は、陳列台50Cの冷気通気口65だけではなく、陳列台50A、Bの冷気通気口65のうち陳列台50Cの側の部分も通過して陳列室2内に放出される。
【0067】
陳列室2内に放出された冷気は、主として陳列台50Dの冷気通気口65に向かって流れる。ここで、陳列台50Cと陳列台50Dは、陳列室2の中心に対して互いに反対側に配置されている。このことにより、陳列室2内には、陳列台50Cの冷気通気口65から陳列台50Dの冷気通気口65に向かう一方向の冷気の流れが形成され、陳列室2内に均等に冷気を供給することができる。
【0068】
陳列台50A〜50Dの冷気通気口65に達した冷気は、当該冷気通気口65から冷気流路空間11の上流側空間19内に吸引されて、再び冷却器14によって冷却される。なお、陳列室2内の冷気は、陳列台50Dの冷気通気口65だけではなく、陳列台50A、Bの冷気通気口65のうち陳列台50Dの側の部分も通過して上流側空間19内に吸引される。このようにして、ショーケース1内において冷気が循環し、陳列室2内の商品に連続的に冷気が供給されて、商品を効果的に冷却することができる。
【0069】
冷気ファン13と冷却器14とが駆動されている間、基台10に設けられた外気ファン20も駆動される。このことにより、基台10の周囲の外気が外気ファン20に吸引されて、外気ファン20から排出される。排出された外気は、外気ダクト21および外気流路部22を通過して、各陳列台50A〜50Dの外気通気口67に向かう。この際、各陳列台50A〜50Dの2つの外気ガイド部材69(より詳細には、冷気通気口65の外側に配置された冷気ガイド部材66と、外気通気口67の外側に配置された外気ガイド部材69)によって、外気は対応する外気通気口67に案内される。そして、外気は、外気通気口67から、その上方に設けられている側板52の外面に放出される。外気通気口67が、側板52に沿って円周方向に延びるように形成されているため、放出された外気は、側板52の外面に沿って流れる。このことにより、側板52の外面における結露水の発生を抑制することができる。
【0070】
ところで、上述したように側板52の外面に外気を供給している場合であっても、陳列室2内の冷気の温度、外気の温度および外気の湿度などの条件によっては、天板40の上面および陳列台の側板52の外面に、結露水が発生する場合が考えられる。
【0071】
天板40の上面で発生した結露水は、天板40が上に向かって凸となるように湾曲しているために、天板40の上面を外縁に向かって流れ、天板フレーム41で受けられる。天板フレーム41で受けられた結露水は、そこに設けられた排水孔42から排出されて、支柱水路45を通過して支柱44の下端から排出され、基台壁部15の内面を流下して基台床部16に達する。基台床部16に達した結露水は、基台床部16に設けられた回収孔23に向かって基台床部16の上面を流れる。そして、結露水は、回収孔23を通過して回収タンク24に回収される。
【0072】
側板52の外面で発生した結露水は、側板52の外面を流下し、側板フレーム57で受けられる。側板フレーム57で受けられた結露水は、そこに設けられた排水孔58から排出されて、第1陳列台水路60に達する。第1陳列台水路60に達した結露水は、第2陳列台水路61を通過して、第2パイプ部材63の内端から落下する。落下した結露水は、プレート部材26で一旦受けられて、そこに設けられた排水孔27から排出されて、基台床部16に達する。基台床部16に達した結露水は、基台床部16に設けられた回収孔23に向かって基台床部16の上面を流れる。そして、結露水は、回収孔23を通過して回収タンク24に回収される。
【0073】
このようにして陳列されている商品を取り出す場合には、取り出したい商品が載置されている陳列台50A〜50Dを引き出す。
【0074】
例えば、陳列台50Cを収納位置から引き出す場合、陳列台50Cの外側カバー部53に下方から手を差し込んで陳列台50Cが引き出される。このことにより、陳列台50Cのスライダー64Cが、ガイドレール30Cに対してスライドしながら、陳列台50Cが陳列室2の外側に引き出されて引出位置に達する。このようにして、陳列台50Cに載置されている商品を容易に手に取ることが可能になる。
図2に示すように、本実施の形態では、陳列台50Cが引出位置に引き出された場合においても、陳列台50Cの陳列テーブル51の一部分(内側部分)は陳列室2の外側まで引き出されていないが、この陳列室2内に位置している商品であっても、陳列台50Cを引き出すことにより形成された支柱44の間の開口から容易に取り出すことができる。しかしながら、このことに限られることはなく、引出位置において、陳列テーブル51の全体が陳列室2の外側に引き出されるようにしてもよい。
【0075】
陳列台50Cが収納位置から引き出されると、陳列台50Cの被検出部材70が、基台10に設けられた陳列台センサスイッチ35の検出部材(図示せず)から離れる。このことにより、陳列台センサスイッチ35によって陳列台50Cが引き出されたことが検出される。この場合、陳列台センサスイッチ35が、入から切に切り替わり、外気ファン20への電力の供給を停止する。このため、外気ファン20が停止し、側板52の外面への外気の供給が停止する。なお、他の陳列台50A、50B、50Dが引き出された場合であっても、同様な陳列台センサスイッチによって、外気ファン20が停止するようになっている。また、陳列台50A〜50Dが引き出された場合であっても、冷気ファン13と冷却器14は駆動され続ける。
【0076】
引出位置に引き出された陳列台50Cを陳列室2内に収納させる場合には、外側カバー部53の外面が陳列室2の内側に向かって押圧される。このことにより、陳列台50Cのスライダー64Cが、ガイドレール30Cに対してスライドしながら、陳列台50Cが陳列室2の内側にスライドし、収納位置に達する。収納位置に達すると、陳列台50Cの側板フレーム57が、天板フレーム41にシール部材S1(
図3参照)を介して当接するとともに、支柱44の当て板44aにシール部材S2(
図5参照)を介して当接する。このことにより、陳列室2が密閉される。
【0077】
また、陳列台50Cが収納位置に位置付けられると、陳列台50Cの被検出部材70が、基台10に設けられた陳列台センサスイッチ35の検出部材に当接して押圧する。このことにより、陳列台センサスイッチ35によって陳列台50Cが引き出されていないことが検出される。この場合、陳列台センサスイッチ35が、切から入に切り替わり、外気ファン20に電力が供給される。このため、外気ファン20が駆動され、側板52の外面に外気が供給される。
【0078】
他の陳列台50A、50B、50Dについても同様に収納位置と引出位置との間でスライド可能になっている。この場合、陳列台50A〜50Dは、各々が互いに異なる方向にスライド可能になっているが、スライド方向以外の点では、実質的に同様の作用を有するため、ここでは、詳細な説明は省略する。
【0079】
このように本実施の形態によれば、複数の陳列台50A〜50Dが、上方から見たときに、陳列室2内に収納された収納位置と、陳列室2から外側に引き出された引出位置との間で、互いに異なる方向にスライド可能になっている。このことにより、互いに異なる複数の方向に、陳列台50A〜50Dを引き出すことができる。このため、ショーケース1の周囲における種々の位置で、陳列されている商品を手に取ることができる。この結果、陳列された商品の取り出し性を向上させることができ、利便性を高めることができる。
【0080】
また、本実施の形態によれば、複数の陳列台50A〜50Dが、独立に引出位置にスライド可能になっている。このことにより、陳列されている商品を取り出す際に、陳列室2が大きく開放されることを防止でき、陳列室2内の清浄度が外気の混入によって低下することを抑制できる。とりわけ、陳列室2に陳列されている商品を冷却している場合には、陳列室2内に外気が入り込むことを抑制できる。このことにより、冷却器14のエネルギロスを低減することができ、省エネルギ化を図ることができる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、陳列テーブル51が、隣り合う他の陳列テーブル51の側の縁部に設けられた凸部56を含み、この凸部56が、載置面55よりも上方に突出している。このことにより、陳列台50A〜50Dをスライドさせる際に、載置面55に載置された商品が慣性力等を受けて移動した場合であっても、商品が陳列テーブル51から落下することを防止できる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、陳列台50A〜50Dのスライド方向が、陳列テーブル51の一対の境界線54がなす角度の二等分線の方向になっている。このことにより、陳列台50A〜50Dを引出位置に引き出した際に、陳列テーブル51の各々の境界線54の側から、陳列されている商品に容易にアクセスすることができる。このため、陳列された商品の取り出し性をより一層向上させることができる。
【0083】
また、本実施の形態によれば、陳列台50A〜50Dは、冷気が通過する冷気通気口65を有している。このことにより、基台10の冷却器14から排出された冷気を陳列室2内に放出したり、陳列室2から冷気を吸引したりすることができる。このため、スライド可能な陳列台50A〜50Dを備えたショーケース1においても、陳列室2に陳列された商品に冷気を供給して、商品を冷却することができる。
【0084】
また、本実施の形態によれば、陳列台50Cの冷気通気口65が陳列室2内に冷気を供給し、陳列台50Dの冷気通気口65が陳列室2から冷気を吸引する。このことにより、陳列室2内に、陳列台50Cの冷気通気口65から陳列台50Dの冷気通気口65に向かう一方向の冷気の流れを形成することができる。このため、陳列室2内に均等に冷気を供給することができる。また、基台10の冷気流路空間11においても、冷気の流れを主として一方向にすることができ、基台10の構成を簡素化させることもできる。とりわけ、本実施の形態によれば、陳列台50Cと陳列台50Dは、上方から見たときに、陳列室2の中心に対して互いに反対側に配置されている。このことにより、陳列室2内の広い領域で一方向の冷気の流れを形成することができ、陳列室2内により一層均等に冷気を供給することができる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、基台10の冷気流路空間11が、サポート部材17によって下流側空間18と上流側空間19とに仕切られている。このことにより、下流側空間18内の冷気が、陳列室2を通ることなく上流側空間19にショートカットして流れることを防止できる。このため、陳列室2内に放出される冷気の流量が低下することを防止し、陳列室2内に形成される冷気の流れを強めることができる。
【0086】
また、本実施の形態によれば、陳列台50Aおよび陳列台50Bをスライド可能に支持するガイドレール30Aおよびガイドレール30Bが取り付けられた第1レールサポート31が、基台10の冷気流路空間11を下流側空間18と上流側空間19とに仕切っている。このことにより、下流側空間18内の冷気が、陳列室2を通ることなく上流側空間19にショートカットして流れることを防止できる。このため、陳列室2内に放出される冷気の流量が低下することを防止し、陳列室2内に形成される冷気の流れを強めることができる。
【0087】
また、本実施の形態によれば、陳列台50Cが、冷却器14からの冷気を冷気通気口65に案内する2つの冷気ガイド部材66を有しており、一方の冷気ガイド部材66が、冷気通気口65よりも内側に配置され、他方の冷気ガイド部材66が、冷気通気口65よりも外側に配置されている。このことにより、下流側空間18内の冷気は、2つの冷気ガイド部材66によって、陳列台50Cの冷気通気口65に案内される。このため、陳列台50Cの冷気通気口65から放出される冷気の流れが乱れることを抑制し、その結果、陳列室2内の冷気の流れが乱れることを抑制できる。
【0088】
また、本実施の形態によれば、陳列台50A〜50Dが、側板52の外面に外気を放出する外気通気口67を有している。このことにより、側板52の外面に外気が供給されて、側板52の外面における結露水の発生を抑制することができる。このため、陳列された商品を、側板52を通して視認しようとする場合に、側板52の外面に付着した結露水によって視認困難になることを抑制できる。
【0089】
また、本実施の形態によれば、陳列台50A〜50Dが引出位置に引き出されたことが検出された場合、外気ファン20による外気の供給を停止させることができる。このため、陳列台50A〜50Dが引出位置に引き出された場合には、外気ファン20を停止させることで、省エネルギ化を図ることができる。
【0090】
また、本実施の形態によれば、陳列台50A〜50Dが、外気ファン20からの外気を外気通気口67に案内する2つの外気ガイド部材69を有しており、一方の外気ガイド部材69(より詳細には、冷気通気口65の外側に配置された冷気ガイド部材66)が、外気通気口67よりも内側に配置され、他方の外気ガイド部材69が、外気通気口67よりも外側に配置されている。このことにより、外気流路部22内の外気は、2つの外気ガイド部材69によって、陳列台50A〜50Dの外気通気口67に案内される。このため、陳列台50A〜50Dの外気通気口67から放出される外気の流れが乱れることを抑制し、その結果、側板52の外面に沿って流れる外気の流れが乱れることを抑制できる。
【0091】
また、本実施の形態によれば、側板52の外面で発生した結露水を側板フレーム57が受けて、陳列台水路59によって案内されて、回収タンク24に回収される。このことにより、側板52の外面で発生した結露水を回収して、廃棄することができる。
【0092】
また、本実施の形態によれば、天板40が、上方に向って凸となるように湾曲している。このことにより、天板40の上面で発生した結露水を、天板40の外縁に流すことができ、天板40の上面に留まることを防止できる。このため、発生した結露水によって、ショーケース1の見た目が損なわれることを防止できるとともに、陳列室に陳列された商品の視認性が低下することを防止できる
【0093】
さらに、本実施の形態によれば、天板40の上面で発生した結露水を天板フレーム41が受けて、互いに隣り合う側板52の間に設けられた支柱44の支柱水路45によって案内されて回収タンク24に回収される。このことにより、天板40の上面で発生した結露水を回収して廃棄することができる。また、発生した結露水が、天板40の上面から側板52の外面に流下することを防止でき、発生した結露水によって、ショーケース1の見た目が損なわれることを防止できる。
【0094】
なお、上述した本実施の形態においては、ショーケース1が、4つの陳列台50A〜50Dを備えている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、陳列台の個数は任意である。
【0095】
また、上述した本実施の形態においては、陳列台50Cの冷気通気口65が、陳列室2内に冷気を放出し、陳列台50Dの冷気通気口65が、陳列室2から冷気を吸引する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、陳列室2内への冷気の放出位置と、陳列室2からの冷気の吸引位置は、陳列されている商品を冷却することができれば、任意である。また、陳列室2の中心位置に、冷気通気口(図示せず)が設けられ、この冷気通気口が、陳列室2から冷気を吸引し、各陳列台50A〜50Dの冷気通気口65が陳列室2内に冷気を放出してもよい。また、陳列室2の中心位置の冷気通気口が陳列室2内に冷気を放出し、各陳列台50A〜50Dの冷気通気口65が陳列室2から冷気を吸引してもよい。
【0096】
また、上述した本実施の形態においては、陳列室2に冷気が供給されるようになっている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、陳列室2には冷気が供給されなくてもよい。
【0097】
また、上述した本実施の形態においては、陳列台50A〜50Dが手動でスライドされる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、電動でスライドさせるようにしてもよい。例えば、電動モータ、スピンドル、およびリニアガイド等を有する機構を用いて、各陳列台50A〜50Dを電動でスライドさせてもよい。
【0098】
さらに、上述した本実施の形態においては、ショーケース1が、上方から見たときに円形状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、ショーケース1は、上方から見たときに矩形状に形成されていてもよい。この場合には、陳列台50A〜50Dの陳列テーブル51の一対の境界線54を、矩形状の陳列室2の対角線に沿うようにしてもよい。
【0099】
本発明は上述した本実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【解決手段】本発明によるショーケース1は、基台10と、天板40と、基台10と天板40との間に設けられた複数の陳列台50A〜50Dと、を備えている。陳列台50A〜50Dは、商品が載置される陳列テーブル51と、陳列テーブル51の外側に設けられた側板52と、を有している。複数の陳列台50A〜50Dは、上方から見たときに、陳列室2内に収納された収納位置と、陳列室2から外側に引き出された引出位置との間で、互いに異なる方向にスライド可能になっている。