(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
住宅内の機器は、それを制御するための指示装置からの指示に従って制御される。指示装置として、ワイヤレス通信によって指示を送信するものも知られている。このような指示装置としては、例えば、ユーザによって操作され、その操作に応じた指示をワイヤレス送信するリモートコントローラがあり、昨今はホームオートメーションを実現するために、住宅内の機器を制御するコンピュータやセンサを指示装置として、当該指示装置から指示がワイヤレス送信されることもある。
【0003】
ワイヤレス送信された指示を受けて機器を制御するためのコントローラも知られている。コントローラは、指示装置とワイヤレス通信可能であるとともに、ユーザが手動操作によって機器を制御するための操作装置(例えば、スイッチ装置)とも接続される。これによって、コントローラは、指示装置からワイヤレス通信で受けた指示に応じてスイッチ装置を介して機器を制御することができる。
【0004】
このように、ワイヤレス通信で受けた指示に応じてスイッチ装置を介して機器を制御するシステムでは、悪意のある第三者によって住宅の外部からワイヤレス信号が送信され、それによって機器が制御されること、即ち、「なりすまし」ないし「乗っ取り」によって住宅内の機器が制御されること(以下、「悪意の制御」という。)を防ぐ必要がある。
【0005】
特許文献1には、送信手段からのワイヤレス信号による負荷制御を禁止する禁止モードを備えたスイッチ装置が開示されている。このスイッチ装置は、操作スイッチと、ワイヤレス信号を受信するワイヤレス信号受信部と、操作スイッチから出力される操作信号又はワイヤレス信号受信部で受信したワイヤレス信号に応じて照明負荷への給電をオン/オフする制御部及び負荷制御部を備えている。制御部は、操作スイッチが長押しされると、ワイヤレス信号による負荷制御を禁止する。これにより、蛍光灯の交換時や清掃時にワイヤレス信号によって意図せずしてオン/オフが切り替わることを防止できる。
【0006】
また、特許文献2は負荷制御スイッチを開示しており、負荷制御スイッチは、人感センサからワイヤレス信号を受信するワイヤレス信号受信部と、照明負荷をオン/オフするための操作をするスイッチ入力部と、電源から照明負荷への給電を開閉する負荷開閉部と、ワイヤレス信号受信部がオン信号を受信すると所定時間だけ負荷開閉部をオンさせるとともに、スイッチ入力部から操作信号が入力されるごとに負荷開閉部のオン/オフ状態を反転させる制御部とを備える。制御部は、スイッチ入力部に対する操作に応じて負荷開閉部をオンからオフに反転させた時点から所定時間はワイヤレス信号による制御を無効にする。これにより、手動でオフにした後に直ちに人感センサが反応してオンになってしまうことを防ぐことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の技術を用いることで、悪意の制御が行われた場合に、ワイヤレス信号による負荷制御(以下、「ワイヤレス制御」ともいう。)を不可能にできる。また、特許文献2に記載の技術によっても、ワイヤレス信号受信部がオン信号を受信した後の所定時間だけは、ワイヤレス制御が無効になり、悪意の制御を防止できる。
【0009】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の技術では、負荷を制御するための操作部材(即ち、特許文献1の操作スイッチ、特許文献2のスイッチ入力部)に対する操作によって、ワイヤレス制御を不可能にしている。したがって、ユーザが負荷の制御をするために操作部材を操作した場合に、操作を誤ってワイヤレス制御を不可能にしてしまうことがあり得る。
【0010】
そこで、本発明は、悪意の制御がされているという特殊な状況で確実にワイヤレス制御を不可能にすることができ、それ以外の状況で誤ってワイヤレス制御を不可能にしてしまうという誤操作の可能性を低減したスイッチ装置及び負荷制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様のスイッチ装置は、造営材に配設され、負荷を制御するスイッチ装置であって、前記負荷を制御するためにユーザが操作をする第1の操作部材と、前記負荷を制御するためのワイヤレス信号を受信する受信手段と、前記第1の操作部材にて受けた前記操作に基づいて前記負荷を制御し、かつ、前記受信手段にて受信した前記ワイヤレス信号に基づいて前記負荷を制御する制御手段と、前記ワイヤレス信号に基づく前記負荷の制御を不可能にするためにユーザが操作をする第2の操作部材とを備えた構成を有している。
【0012】
この構成により、悪意の制御が行われる場合には、第2の操作部材を操作することで負荷に対するワイヤレス制御を不可能にすることができるとともに、そのような第2の操作部材を通常時に負荷を制御するための第1の操作部材とは別の部材としているので、通常時に負荷を制御するために第1の操作部材を操作した際に誤ってワイヤレス制御を不可能にしてしまうことを防止できる。
【0013】
前記第2の操作部材は、前記第1の操作部材又は他の表面部材を取り外すことによって露出して、前記ワイヤレス信号に基づく前記負荷の制御を不可能にするためのユーザによる操作が可能となるものであってよい。
【0014】
この構成により、第1の操作部材又は他の表面部材を取り外すという特殊な操作をしない場合には(即ち、通常の使用状態では)、第2の操作部材を操作することができず、誤操作をより確実に防止できる。
【0015】
前記第2の操作部材は、前記第1の操作部材又は他の表面部材の裏側に配設され、前記第1の操作部材に対する操作によっては操作されないものであってよい。
【0016】
この構成により、第2の操作部材は、第1の操作部材又は他の表面部材を開けることで操作可能になり、通常の使用状態では第1の操作部材を操作しても第2の操作部材は操作されず、誤操作をより確実に防止できる。
【0017】
前記第2の操作部材は、前記受信手段に対する給電を遮断するスイッチであってよい。
【0018】
この構成により、第2の操作部材が操作されることで、受信手段への給電が遮断され、受信手段が作動しなくなるので、それによって、負荷に対するワイヤレス制御を不可能にすることができる。
【0019】
前記スイッチ装置は、前記造営材に取り付けられる外部スイッチと、前記外部スイッチ及び前記負荷に接続されるコントローラとを備えていてよい。前記第1の操作部材及び前記第2の操作部材は前記外部スイッチに備えられてよく、前記受信手段及び前記制御手段は前記コントローラに備えられてよい。前記コントローラは、前記第2の操作部材に対する操作に応じて、前記受信手段による前記ワイヤレス信号の受信、又は前記制御手段による前記負荷の制御を禁止してよい。
【0020】
この構成によって、第2の操作部材が操作されることで、受信手段によるワイヤレス信号の受信、又は制御手段による負荷の制御が禁止され、それによって、負荷に対するワイヤレス制御を不可能にすることができる。
【0021】
本発明の一態様の負荷制御システムは、上記のスイッチ装置と、前記負荷と、前記負荷を制御するためのワイヤレス信号を送信する指示装置とを備え、前記受信手段は、前記指示装置から送信されたワイヤレス信号を受信する構成を有している。
【0022】
この構成により、悪意の制御が行われる場合には、第2の操作部材を操作することで負荷に対するワイヤレス制御を不可能にすることができるとともに、そのような第2の操作部材を通常時に負荷を制御するための第1の操作部材とは別の部材としているので、通常時に負荷を制御するために第1の操作部材を操作した際に誤ってワイヤレス制御を不可能にしてしまうことを防止できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、悪意の制御が行われる場合には、第2の操作部材を操作することで負荷に対するワイヤレス制御を不可能にすることができるとともに、そのような第2の操作部材を通常時に負荷を制御するための第1の操作部材とは別の部材としているので、通常時に負荷を制御するために第1の操作部材を操作しても誤ってワイヤレス制御を不可能にしてしまうことがないという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態の負荷制御システムの回路図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態の負荷制御システム100は、スイッチ装置1と指示装置2と負荷3と備え、スイッチ装置1によって負荷3を制御する。負荷3は、調光器(例えば、LED電球、白熱灯、照明器具)、カーテンやシェード等の遮光物の駆動機器、その他の住宅内で用いる機器である。
【0027】
スイッチ装置1は、住宅の壁等の造営材に、ハンドルを露出させて埋め込まれる。スイッチ装置1は負荷3に接続されており、ハンドルを操作することで負荷3の制御をすることができる。負荷3の制御には、負荷3のON/OFFの制御が含まれ、負荷3が調光器である場合には、その光量(照度)や色の調整が含まれ、負荷3が駆動機器である場合は、駆動量(カーテンやシェードの開度)の調整が含まれる。
【0028】
スイッチ装置1と指示装置2は、いずれも図示しないワイヤレス通信モジュールを備えており、互いにワイヤレス通信が可能である。スイッチ装置1と指示装置2との間のワイヤレス通信には、各種の通信方式を採用することができる。本実施の形態では、スイッチ装置1と指示装置2とはZ−Wave(登録商標)のワイヤレス通信を行う。
【0029】
指示装置2は、住宅内に設置され、スイッチ装置1に対して負荷3の制御に関する指示をする。指示装置2は、例えば、ホームコントロールOSを搭載したコンピュータ、住宅内のユーザが負荷3を制御するために操作するリモートコントローラ、あるいは、人感センサを含む各種のセンサであってよい。すなわち、指示装置2におけるスイッチ装置1への指示は、ホームコントロールOS等のソフトウェアが行ってもよいし、ユーザの操作に従って行ってもよいし、センサの検出値に従って行ってもよい。本実施の形態では、指示装置2は、AI(人工知能)を搭載したホームコントローラOSであり、AIの判断によって指示装置2からスイッチ装置1に対して負荷3の制御に関する指示をする。
【0030】
スイッチ装置1は、外部スイッチ10とコントローラ20とからなる。外部スイッチ10は、第1操作スイッチ11と、通信遮断スイッチ12と、第2操作スイッチ13とを備えている。第1操作スイッチ11及び第2操作スイッチ13は、常開形(a接点)の埋込押釦スイッチであり、通信遮断スイッチ12は、片切の埋込スイッチである。通信遮断スイッチ12は、第1操作スイッチ11と第2操作スイッチ13との間に配置される。
【0031】
コントローラ20は、N端子21、S1端子22、S2端子23、NO1端子24、L端子25を含む複数の端子を備えている。N端子21は、ニュートラル入力端子であり、電源に接続されたニュートラル線5が接続される。S1端子22及びS2端子23には、それぞれ第1操作スイッチ11及び第2操作スイッチ13が接続される。NO1端子24は、ライブ出力端子であり、負荷3に接続される。L端子25は、ライブ入力端子であり、通信遮断スイッチ12が接続される。
【0032】
第1操作スイッチ11、通信遮断スイッチ12、及び第2操作スイッチ13にはライブ線4が接続され、負荷3にはニュートラル線5が接続される。これにより、S1端子22、S2端子23、及びL端子25は、それぞれ第1操作スイッチ11、通信遮断スイッチ12、及び第2操作スイッチ13を介してライブ線4に接続される。また、NO1端子24は、負荷3を介してニュートラル線5に接続される。
【0033】
コントローラ20は、ワイヤレス通信モジュール26と、制御モジュール27とを備えている。ワイヤレス通信モジュール26は、ワイヤレス通信機能を有し、指示装置2から送信されてくる指示のワイヤレス信号を受信する。ワイヤレス通信モジュール26は、ライブ線4から通信遮断スイッチ12及びL端子25を介して給電されて作動する。このワイヤレス通信モジュール26は、本発明の「受信手段」に相当する。
【0034】
また、制御モジュール27は、ライブ線4から第1操作スイッチ11及び第2操作スイッチ13を介してそれぞれS1端子22及びS2端子23に与えられる入力に応じて、負荷3を制御するための制御信号を、NO1端子24を出力端子として負荷3に出力する。制御モジュール27は、例えば、負荷3がLED照明である場合には、S1端子22への入力に応じて、照明の強度を調整する制御信号を出力し、S2端子23への入力に応じて、照明の色合いを調整する制御信号を出力する。
【0035】
また、制御モジュール27は、ワイヤレス通信モジュール26にて受信したワイヤレス信号、即ち指示装置2からの指示に基づいて、負荷3を制御するための制御信号を出力する。これにより、スイッチ装置1は、負荷3のワイヤレス制御を可能とし、負荷3は指示装置によってワイヤレス制御される。この制御モジュール27は、本発明の「制御手段」に相当する。
【0036】
図2は、本発明の実施の形態のスイッチ装置の正面図であり、
図3は、本発明の実施の形態のスイッチ装置の側面図であり、
図4は、本発明の実施の形態のスイッチ装置の分解斜視図である。上述のように、スイッチ装置1は、ユーザが負荷3を制御するための操作を行う外部スイッチ10と、ワイヤレス信号に従って負荷3を制御するコントローラ20とを備えている。
【0037】
図4に示すように、外部スイッチ10は、壁等の造営材に取り付けられて、第1操作スイッチ11、通信遮断スイッチ12、及び第2操作スイッチ13(以下、これらを総称して「スイッチ本体」ともいう。)を枠内に保持する取付枠14と、第1操作スイッチ11の一端に支持されて第1操作スイッチ11の押釦111aを押下可能な第1ハンドル15と、第2操作スイッチ13の一端に支持されて第2操作スイッチ13の押釦131aを押下可能な第2ハンドル16と、第1ハンドル15及び第2ハンドル16の周りを囲み、取付枠14に固定されるプレート枠17と、第1ハンドル15及び第2ハンドル16を露出させてプレート枠17の上から被せられる化粧プレート18とを備えている。
【0038】
図3に示すように、スイッチ本体11〜13は、取付枠14から裏側(化粧プレート18とは反対側)に向けて突出している。壁には、このように裏側に突出したスイッチ本体11〜13を収容し、かつ、スイッチ本体11〜13に接続されるコントローラ20をも収容するように、収容凹部19が形成されている。
【0039】
図5は、
図2のA−A断面図であり、
図6は、本発明の実施の形態のハンドルの取り付けを説明する斜視図であり、
図7は、本発明の実施の形態のハンドルの取り付けを説明する斜視図である。
図6に示すように、スイッチ本体11〜13は、いずれも同一の形状を有している。
【0040】
第1操作スイッチ11は、正面の右寄りに押釦111を備え、左端に2つのスイッチ本体突起部112a、112bを備えており、通信遮断スイッチ12は、正面の右寄りに押釦121を備え、左端に2つのスイッチ本体突起部122a、122bを備えており、第2操作スイッチ13は、正面の右寄りに押釦131を備え、左端に2つのスイッチ本体突起部132a、132bを備えている。
【0041】
押釦111、121、131の表面には、それぞれ若干隆起をした隆起部111a、121a、131aが形成されている。隆起部111a、121a、131aはそれぞれ縦方向に延びている。
【0042】
第1ハンドル15及び第2ハンドル16は、同一の形状を有している。第1ハンドル15は、左端にスイッチ本体突起部112a、112bが挿入される2つのハンドル凹部151a、151bを備え、右端に取付枠14に係止する2つのハンドルフック152a、152bを備えており、第2ハンドル16は、左端にスイッチ本体突起部132a、132bが挿入される2つのハンドル凹部161a、161bを備え、右端に取付枠14に係止する2つのハンドルフック162a、162bを備えている。
【0043】
図6、7に示すように、第1ハンドル15を取り付ける際には、ハンドル凹部151a、151bをそれぞれ第1操作スイッチ11のスイッチ本体突起部112a、112bに挿入して互いに係合させ、ハンドルフック152a、152bを取付枠14に係止させる。これにより、第1ハンドル15は、ハンドル凹部151a、151bとスイッチ本体突起部112a、112bとの係合部を支点として、回動可能となるとともに、ハンドルフック152a、152bによって開いてしまうことが防止される。
【0044】
第2ハンドル16を取り付ける際にも同様にして、ハンドル凹部161a、161bをそれぞれ第2操作スイッチ13のスイッチ本体突起部132a、132bに挿入して互いに係合させ、ハンドルフック162a、162bを取付枠14に係止させる。これにより、第2ハンドル16は、ハンドル凹部161a、161bとスイッチ本体突起部132a、132bとの係合部を支点として、回動可能となるとともに、ハンドルフック162a、162bによって開いてしまうことが防止される。
【0045】
第1ハンドル15の裏面には、押釦111aに対応する位置に、横方向に延びる2つの押下突起153a、153bが形成されている。押下突起153a、153bは、第1ハンドル15が押し下げられることで、縦方向に延びるスイッチ本体突起部112a、112bと交差して接触する。また、第2ハンドル16の裏面にも、押釦131aに対応する位置に、横方向に延びる2つの押下突起163a、163bが形成されている。押下突起163a、163bは、第2ハンドル16が押し下げられることで、縦方向に延びるスイッチ本体突起部132a、132bと交差して接触する。
【0046】
外部スイッチ10が組み立てられて壁に配設されると、化粧プレート13及び化粧プレート13の枠内に配置される第1ハンドル15及び第2ハンドル16が壁から露出し、室内のユーザは、第1ハンドル15及び第2ハンドル16に対して押下操作を行うことが可能となる。
【0047】
通信遮断スイッチ12は、第1操作スイッチ11と第2操作スイッチ13との間に配設される。第1操作スイッチ11を操作するための第1ハンドル15と第2操作スイッチ13を操作するための第2ハンドル16は、互いに実質的な間隔を開けずに上下方向に隣接して設けられる。この結果、通信遮断スイッチ12の上半分は第1ハンドル15に覆われて、第1ハンドル15の裏側に位置し、通信遮断スイッチ12の下半分は第2ハンドル16に覆われて、第2ハンドル16の裏側に位置する。
【0048】
そして、第1ハンドル15が押下操作されても、第2ハンドル16が押下操作されても、それらによって通信遮断スイッチ12の押釦121aが押し下げられることはない。換言すれば、通信遮断スイッチ12は、外部スイッチ10が組み立てられた状態では、第1ハンドル15及び第2ハンドル16によって操作されることはなく、通信遮断スイッチ12は、第1ハンドル15及び第2ハンドル16を取り外すことによってはじめて操作が可能となる。よって、第1ハンドル15又は第2ハンドル16の誤操作によって、通信遮断スイッチ12が操作されることはない。
【0049】
以上のように、通信遮断スイッチ12は、ハンドルによって操作されることはなく、ワイヤレス信号に基づく負荷3の制御を不可能とするためにユーザが直接操作する部材であり、本発明の「第2の操作部材」に相当する。一方、第1ハンドル15及び第2ハンドル16は、負荷3を制御するためにユーザが操作をする部材であり、本発明の「第1の操作部材」に相当する。
【0050】
図8及び
図9は、本発明の実施の形態のハンドルの取り外しを説明する斜視図である。上述のように、通信遮断スイッチ12に対して押下操作をするためには、第1ハンドル15及び第2ハンドル16を取り外す必要がある。第1ハンドル15及び第2ハンドル16を取り外すためには、まず、化粧プレート18とプレート枠17との隙間にマイナスドライバ等の工具を差し込み、プレート枠17から化粧プレート18を取り外す。
【0051】
化粧プレート18を取り外すと、
図9に示すように、第1ハンドル15及び第2ハンドル16のハンドルフック側に若干の隙間が露出するので、この隙間に工具又は指を挿入して、取付枠14に係止している第1ハンドル15のハンドルフック152a、152bを取付枠14から外し、さらに、ハンドル凹部151a、151bをスイッチ本体突起部112a、112bから取り外すことで、第1ハンドル15を取り外すことができる。
【0052】
また、第2ハンドル16についても同様に、取付枠14に係止しているハンドルフック162a、162bを取付枠14から外し、ハンドル凹部161a、161bをスイッチ本体突起131a、131bから取り外すことで、第2ハンドル16を取り外すことができる。なお、取付枠14やプレート枠17については、造営材に固定されたままでよく、当然ながら本体スイッチ11〜13も造営材に固定されたままでよい。
【0053】
このように、第1ハンドル15及び第2ハンドル16を取り外すと、第1操作スイッチ11及び第2操作スイッチ13とともに通信遮断スイッチ12が露出する。ユーザは、この状態で通信遮断スイッチ12を操作することができ、ワイヤレス通信の機能をオフにすることができる。
【0054】
以上のように、本実施の形態の負荷制御システム100ないしスイッチ装置1によれば、負荷3を制御するためにワイヤレス送信されてきた指示を受信する機能を有するとともに、悪意の制御がされる状況では、通信遮断スイッチ12を操作することで、ワイヤレス信号に基づく負荷3の制御を不可能にする。
【0055】
このとき、通信遮断スイッチ12が、通常時(悪意の制御が行われていないとき)に負荷3を制御するための第1操作スイッチ11や第2操作スイッチ13とは別のスイッチとして設けられており、第1操作スイッチ11を操作するための第1ハンドル15や第2操作スイッチ13を操作するための第2ハンドル16を操作しても、通信遮断スイッチ12は操作されない。よって、通常時に負荷3を制御しようとして第1ハンドル15や第2ハンドル16を操作する際に、誤ってワイヤレス信号に基づく負荷3の制御を不可能にしてしまうことを有効に防止できる。
【0056】
また、本実施の形態では、通信遮断スイッチ12が、通常の使用状態では操作されないように、第1ハンドル15及び第2ハンドル16の裏側に設けられており、第1ハンドル15及び第2ハンドル16を取り外すことによってはじめて操作が可能となるので、誤操作をより確実に防ぐことができる。
【0057】
なお、上記の実施の形態では、外部スイッチ10が第1ハンドル15と第2ハンドル16の2つのハンドルを備えた構成としたが、ハンドルは1つまたは3つ以上であってもよい。これらの場合にも、負荷3を制御するために操作するハンドルによって通信遮断スイッチ12が操作されないようにすることで、上記の実施の形態と同様に誤操作を防止できる。
【0058】
また、上記の実施の形態では、通信遮断スイッチ12は、第1ハンドル15及び第2ハンドル16の裏側に設けられ、第1ハンドル15及び第2ハンドル16を取り外すことで操作可能であったが、第1ハンドル15及び第2ハンドル16がハンドル凹部151a、151b及びハンドル凹部161a、161bでヒンジ結合をしており、そこを起点として回動させて第1ハンドル15及び第2ハンドル16を開けることで、第1ハンドル15及び第2ハンドル16を取り外すことなく、通信遮断スイッチ12を露出させる構成としてもよい。
【0059】
また、通信遮断スイッチ12は、第1ハンドル15及び第2ハンドル16を開けることなく操作可能な位置に配設されてもよい。例えば、第1ハンドル15及び第2ハンドル16を本実施の形態のものより小さく形成して、第1ハンドル15と第2ハンドル16とは別に、通信遮断スイッチ12を操作するための第3ハンドルを設けてもよい。この場合、第3ハンドルは、本発明の「第2操作部材」に相当する。このような構成によっても、負荷3を制御するための第1ハンドル15及び第2ハンドル16を操作している限りは、誤ってワイヤレス通信を遮断してしまうことは防止される。
【0060】
また、上記の実施の形態では、通信遮断スイッチ12は、コントローラ20のワイヤレス通信モジュール26に対する給電経路を物理的に断つスイッチであり、即ち、コントローラ20のワイヤレス通信モジュール26に対する給電を遮断することで、ワイヤレス信号に基づく負荷3の制御を不可能にしていたが、これに代えて、以下のように、コントローラ20の動作によって、ワイヤレス制御を不可能にしてもよい。
【0061】
例えば、コントローラ20は、通信遮断スイッチ12の操作に応じて、ワイヤレス通信モジュール26にワイヤレス信号の受信を禁止させてもよい。また、コントローラ20は、通信遮断スイッチ12の操作に応じて、制御モジュール27にワイヤレス信号に基づく制御信号の出力を禁止させてもよい。このようなコントローラ20の動作をソフトウェアで実現してもよい。あるいは、コントローラ20は、通信遮断スイッチ12の操作に応じて、ワイヤレス通信モジュール26と制御モジュール27との間を物理的に切断して、ワイヤレス通信モジュール26で受信した指示が制御モジュール27に渡らないようにしてもよい。
【0062】
また、上記の実施の形態では、通信遮断スイッチ12が第1ハンドル15及び第2ハンドル16の裏側に設けられて、第1ハンドル15及び第2ハンドル16を取り外すことで操作が可能であったが、これに代えて、通信遮断スイッチ12は、第1ハンドル15及び第2ハンドル16以外の表面部材の裏側に設けられて、表面部材を取り外すことで操作可能とされてもよい。
【0063】
ここで、表面部材とは、スイッチ装置1を構成する部材のうちの造営材から表面に露出している部材をいい、上記の実施の形態では、第1ハンドル15及び第2ハンドル16に加えて、化粧プレート18がこれに該当する。すなわち、通信遮断スイッチ12は、化粧プレート18が取り外されることで露出するようにプレート枠17に設けられてもよい。この構成によっても、通常の使用状態、即ち、化粧プレート18が取り付けられている状態では通信遮断スイッチ12を操作することができず、誤って通信遮断スイッチ12を操作してしまうことを防止できる。
【0064】
なお、上述のように本実施の形態の通信遮断スイッチ12は、片切の埋込スイッチであり、一度の押下によってワイヤレス制御を行う状態からワイヤレス制御を禁止する状態に移行し、その後再び押下されることでワイヤレス制御を禁止する状態からワイヤレス制御を行う状態に移行する。なお、通信遮断スイッチ12として採用するスイッチの種類は上記の実施の形態(片切の押込スイッチ)に限らず、種々の態様のスイッチであってよい。
【課題】 悪意の制御がされているという特殊な状況で確実にワイヤレス制御を不可能にすることができ、それ以外の状況で誤ってワイヤレス制御を不可能にしてしまうという誤操作の可能性を低減したスイッチ装置及び負荷制御システムを提供する。
【解決手段】 造営材に配設され、負荷3を制御するスイッチ装置1は、負荷3を制御するためにユーザが操作をする第1ハンドル15及び第2ハンドル16と、負荷3を制御するためのワイヤレス信号を受信するワイヤレス通信モジュール26と、第1ハンドル15や第2ハンドル16にて受けた操作に基づいて負荷3を制御し、かつ、ワイヤレス通信モジュール26にて受信したワイヤレス信号に基づいて負荷3を制御する制御モジュール27と、ワイヤレス信号に基づく負荷3の制御を不可能にするためにユーザが操作をする通信遮断スイッチ12とを備えている。