(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記「映像情報」はテレビ放送情報であって、局名、番組内コーナー、コマーシャルメッセージ(CM)、テーマ毎に、番組のタイトル、番組の放送日、秒単位の放送時間、秒単位の頭出情報、秒単位の放送時間長、映像コンテンツ、音声、テロップ、出演者、番組に登場する企業名、団体名、商品名、ブランド名、サービス名、特定の個人名、特定の地名、特定の建築物名に関することを特徴とする請求項1記載の映像情報分析システム。
上記「映像情報」はインターネットを介して配信される動画を含む映像情報であって、映像内コーナー、コマーシャルメッセージ(CM)、テーマ毎に、映像のタイトル、映像の公開日、公開サイト、提供者、出演者、監督、秒単位の映像時間、秒単位の映像時間長、映像コンテンツ、音声、テロップ、出演者、映像に登場する企業名、団体名、商品名、ブランド名、サービス名、特定の個人名、特定の地名、特定の建築物名に関することを特徴とする請求項1記載の映像情報分析システム。
上記「映像情報評価手段」は、「映像情報評価値算出手段」と、コマーシャルメッセージの局別の時間単価情報のテーブルを格納する「コマーシャルメッセージ時間単価データベース」と、「映像情報評価値データベース」とを有し、
上記「映像情報評価値算出手段」は、「コマーシャルメッセージ時間単価データベース」の時間単価を参照し、当該時間単価に当該映像情報の放送時間数を乗ずると共に、プラス評価、マイナス評価及び中立評価の各係数を加算することにより評価対象に関する映像情報評価値を算出し、上記映像情報評価値を上記「映像情報評価値データベース」へ格納するように構成されていることを特徴とする請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の映像情報分析システム。
上記「映像情報評価値算出手段」は、上記映像情報評価値の算出にあたっては、上記「評価対象情報抽出手段」により抽出された評価対象に関する記事における評価対象の重要度を勘案することを特徴とする請求項4記載の映像情報分析システム。
当該記事内において評価対象がメインイシューとして扱われているか、サブイシューとして扱われているか、又はメインイシュー及びサブイシュー以外のイシューとして扱われているかにより当該記事内における当該評価対象の重要度が決定され、重要度は係数に変換されて映像情報評価値の算出に使用されることを特徴とする請求項5記載の映像情報分析システム。
複数の評価対象の映像情報評価値を評価対象別に格納した「映像情報評価値データベース」と、上記「映像情報評価値データベース」に格納された映像情報評価値を所定期間単位で集計して、格納された評価対象毎に対比し、所定期間単位で複数の評価対象に関するランキングを行う「映像情報評価値対比手段」とを備えたことを特徴とする請求項4、5、6又は7のいずれか1項に記載の映像情報分析システム。
上記「映像情報評価装置」は、所定期間に亘り経済指標に関する情報が記載された経済指標テーブルを有する「経済指標データベース」と、上記「映像情報評価値データベース」から特定の評価対象の評価値を検索、抽出すると共に、上記「経済指標データベース」から経済指標に基づく特定の評価対象の評価値を抽出し、所定期間に亘って上記各評価値を同一の座標軸上にプロットすることによりクロスチャートを形成しうる「クロスチャート形成手段」とを備えたことを特徴とする請求項1記載の映像情報分析システム。
上記「経済指標データベース」は、株価、日経平均株価、ダウ平均株価、各国平均株価、上海外国為替市場、各国通貨為替相場、原油価格、及び金相場に関する経済指標を格納していることを特徴とする請求項9記載の映像情報分析システム。
スピアマンの順位相間係数又は回帰分析の数学的手法を用い、上記「経済指標データベース」に格納されている複数の経済指標の中から、プラス評価のチャート、マイナス評価のチャート及び中立評価のチャートと最も近似する経済指標を抽出しうる「最近似経済指標抽出手段」を備えることを特徴とする請求項9又は10のいずれか1項に記載の映像情報分析システム。
上記映像情報保存装置は、テレビの全チャンネルにおいて放送された全番組又はインターネットを介して配信された動画を含む全映像を所定期間に亘って録画又は保存し、映像情報として格納する「録画ファイル」と、上記「録画ファイル」に格納された全映像情報及び全映像情報を要約したテキストデータを格納した「映像情報データベース」とを有し、
上記映像情報評価装置は、上記「評価対象情報抽出手段」により抽出された上記評価対象に関する映像情報が、当該評価対象によい影響を及ぼす場合のプラス評価、当該評価対象に悪い影響を及ぼす場合のマイナス評価、及びプラス評価又はマイナス評価ではない中立評価のいずれであるかの判定データを各評価対象毎に格納する「評価判定データベース」と、上記評価対象に関する映像情報の重要度を示す係数情報を各対象毎に格納する「重要度係数データベース」とをさらに備え、
上記「評価対象情報抽出手段」は、上記「映像情報データベース」から、顧客側端末により顧客から依頼された特定の評価対象の映像情報及びテキストデータを検索、抽出すると共に、上記「評価判定データベース」、「重要度係数データベース」及び「映像情報評価値データベース」から、対象判定評価、対象重要度係数及び映像情報評価値を検索、抽出して顧客の要請に応じて提供することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7のいずれか1項に記載の映像情報分析システム。
上記評価対象は、特定企業、特定団体、特定の商品、特定のブランド、特定のサービス、特定の個人、特定の地名、特定の建築物、特定の動物名又は特定の作家名のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の映像情報分析システム。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、テレビで放送されている放送情報や、インターネットを介して配信提供されている映像情報の価値を客観的かつ瞬時に評価することにより、テレビの関連放送情報又はインターネットを介して提供される映像情報の企業、団体、個人、商品、サービス、ブランド等へ及ぼす経済的影響を含めた影響を検討することができるようにし、さらに、様々な経済指標と対比することにより、上記映像情報と企業、団体等の評価との相関性を考察できる映像情報分析システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題達成のため、請求項1記載の発明にあっては、映像情報を分析して
評価対象の評価を行う映像情報分析システムであって、テレビの全チャンネルにおいて放送された全番組又はインターネットを介して配信された全映像を所定期間に亘って録画又は保存し、映像情報として格納する「録画ファイル」と、上記「録画ファイル」に格納された全映像情報及び全映像情報の要約のテキストデータ
からなる映像情報データを格納した「映像情報データベース」とを有する「映像情報保存装置」と、上記「映像情報データベース」に格納された
上記映像情報データの中から評価対象の関連情報データを記事単位で抽出して評価する「映像情報評価装置」とを備え、上記「映像情報評価装置」は、上記「映像情報データベース」に格納された上記テキストデータの中から対象に関する映像情報を所定期間に亘り検索して抽出する「評価対象情報抽出手段」と、上記「評価対象情報抽出手段」により抽出された映像情報が、当該評価対象に良い影響を及ぼす場合のプラス評価、当該評価対象に悪い影響を及ぼす場合のマイナス評価、及びプラス評価又はマイナス評価ではない中立評価のいずれであるかの判定に基づき当該映像情報
の評価値を算出し、「映像情報評価値データベース」へ格納する「映像情報評価手段」とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明にあっては、上記「映像情報」はテレビ放送情報であって、局名、番組内コーナー、コマーシャルメッセージ(CM)、テーマ毎に、番組のタイトル、番組の放送日、秒単位の放送時間、秒単位の頭出情報、秒単位の放送時間長、映像コンテンツ、音声、テロップ、出演者、番組に登場する企業名、団体名、商品名、ブランド名、サービス名、特定の個人名、特定の地名、特定の建築物名に関することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明にあっては、上記「映像情報」はインターネットを介して配信される動画情報であって、動画内コーナー、コマーシャルメッセージ(CM)、テーマ毎に、動画のタイトル、動画の公開日、公開サイト、作者、提供者、出演者、監督、秒単位の映像時間、秒単位の映像時間長、映像コンテンツ、音声、テロップ、出演者、動画に登場する企業名、団体名、商品名、ブランド名、サービス名、特定の個人名、特定の地名又は特定の建築物名に関することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明にあっては、上記「映像情報評価手段」は、「映像情報評価値算出手段」と、コマーシャルメッセージの局別の時間単価情報のテーブルを格納する「コマーシャルメッセージ時間単価データベース」と、「映像情報評価値データベース」とを有し、上記「映像情報
評価値算出手段」は、「コマーシャルメッセージ時間単価データベース」の時間単価を参照し、当該時間単価に当該映像情報の放送時間数を乗ずると共に、プラス評価、マイナス評価及び中立評価の各係数を加算することにより評価対象に関する映像情報評価値を算出し、上記映像情報評価値を上記「映像情報評価値データベース」へ格納するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明にあっては、上記「映像情報評価値算出手段」は、上記映像情報評価値の算出にあたっては、上記「評価対象情報抽出手段」により抽出された評価対象に関する記事における評価対象の重要度を勘案することを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明にあっては、当該記事内において評価対象がメインイシューとして扱われているか、サブイシューとして扱われているか、又はメインイシュー及びサブイシュー以外のイシューとして扱われているかにより当該記事内における当該評価対象の重要度が決定され、重要度は係数に変換されて映像情報評価値の算出に使用されることを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明にあっては、上記映像情報評価値は、プラス評価、マイナス評価及び中立評価の夫々に関し算出されることを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明にあっては、複数の評価対象の映像情報評価値を評価対象別に格納した「映像情報評価値データベース」と、上記「映像情報評価値データベース」に格納された映像情報評価値を所定期間単位で集計して、格納された評価対象毎に対比し、所定期間単位で複数の評価対象に関するランキングを行う「映像情報評価値対比手段」とを備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明にあっては、上記「映像情報評価装置」は、所定期間に亘り経済指標に関する情報が記載された経済指標テーブルを有する「経済指標データベース」と、上記「映像情報評価値データベース」から特定の評価対象の評価値を検索、抽出すると共に、上記「経済指標データベース」から経済指標に基づく特定の評価対象の評価値を抽出し、所定期間に亘って上記各評価値を同一の座標軸上にプロットすることによりクロスチャートを形成しうる「クロスチャート形成手段」とを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の発明にあっては、上記「経済指標データベース」は、株価、日経平均株価、ダウ平均株価、各国別平均株価、上海外国為替市場、各国通貨為替市場相場、
原油価格、及び金相場に関する経済指標を格納していることを特徴とする。
【0017】
請求項11記載の発明にあっては、スピアマンの順位相間係数又は回帰分析の数学的手法を用い、上記「経済指標データベース」に格納されている複数の経済指標の中から、プラス評価のチャート、マイナス評価のチャート及び中立評価のチャートと最も近似する経済指標を抽出しうる「最近似経済指標抽出手段」を備えることを特徴とする。
請求項12記載の発明にあっては、上記映像情報保存装置は、テレビの全チャンネルにおいて放送された全番組又はインターネットを介して配信された全映像を所定期間に亘って録画又は保存し、映像情報として格納する「録画ファイル」と、上記「録画ファイル」に格納された全映像情報及び上記全映像情報の要約のテキストデータを格納した「映像情報データベース」とを有し、上記映像情報評価装置は、上記「評価対象情報抽出手段」により抽出された上記評価対象に関する放送情報が、当該評価対象によい影響を及ぼす場合のプラス評価、当該評価対象に悪い影響を及ぼす場合のマイナス評価、及びプラス評価又はマイナス評価ではない中立評価のいずれであるかの判定データを各評価対象毎に格納する「対象評価判定データベース」と、上記評価対象に関する映像情報の重要度を示す係数情報を各対象毎に格納する「対象重要度係数データベース」とをさらに備え、上記「評価対象情報抽出手段」は、上記録画データベース及び映像情報データベースから、顧客側端末機により顧客から依頼された特定の評価対象の映像情報及びテキスト化された情報を検索、抽出すると共に、上記「対象評価判定データベース」、「対象重要度係数データベース」及び「映像情報評価値データベース」から対象判定評価、対象重要度係数及び映像情報評価値を検索、抽出して顧客の要請に応じて提供することを特徴とする。
請求項13記載の発明にあっては、上記評価対象は、特定企業、特定団体、特定の商品、特定のブランド、特定のサービス、特定の個人、特定の地名、特定の建築物又は特定の動物名又は特定の作品名のいずれかであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明に係る映像情報分析システムにあっては、映像情報を分析して
評価対象の評価を行う映像情報分析システムであって、テレビの全チャンネルにおいて放送された全番組又はインターネットを介して配信された全映像を所定期間に亘って録画又は保存し、映像情報として格納する「録画ファイル」と、上記「録画ファイル」に格納された全映像情報及び全映像情報の要約のテキストデータを格納した「映像情報データベース」とを有する「映像情報保存装置」と、上記「映像情報データベース」に格納された映像情報データの中から評価対象の関連情報データを記事単位で抽出して評価する「映像情報評価装置」とを備え、上記「映像情報評価装置」は、上記「映像情報データベース」に格納された上記テキストデータの中から対象に関する映像情報を所定期間に亘り検索して抽出する「評価対象情報抽出手段」と、上記「評価対象情報抽出手段」により抽出された映像情報が、当該評価対象に良い影響を及ぼす場合のプラス評価、当該評価対象に悪い影響を及ぼす場合のマイナス評価、及びプラス評価又はマイナス評価ではない中立評価のいずれであるかの判定に基づき当該映像情報
の評価値を算出し、「映像情報評価値データベース」へ格納する「映像情報評価手段」とを有していることから、テレビで放送された番組内や、インターネットで配信されている映像内で紹介されている各企業、団体、個人、商品、ブランド、サービス、地名、建築物等に関する個別の映像情報の価値を客観的かつ瞬時に評価することができ、上記映像情報の価値に基づき、関連映像情報の企業、団体、個人等へ及ぼす経済的影響、社会的影響又は政治的影響を検討することが可能となる。
【0019】
請求項2記載の発明にあっては、上記「映像情報」はテレビ放送情報であって、局名、番組内コーナー、コマーシャルメッセージ(CM)、テーマ毎に、番組のタイトル、番組の放送日、秒単位の放送時間、秒単位の頭出情報、秒単位の放送時間長、映像コンテンツ、音声、テロップ、出演者、番組に登場する企業名、団体名、商品名、ブランド名、サービス名、特定の個人名、特定の地名、特定の建築物名に関することから、全テレビ放送番組に関し、詳細な、漏れのないテキストデータを作成することができる。
また、上記のように「映像情報」には、秒単位の頭出情報が含まれていることから、評価対象となる当該番組コーナーが番組内のどの部位で放映されたかを認識できることから、上記プラス評価、マイナス評価又は中立評価を行うことが容易となる。
【0020】
請求項3記載の発明にあっては、上記「映像情報」はインターネットを介して配信される動画を含む映像情報であって、動画内コーナー、コマーシャルメッセージ(CM)、テーマ毎に、動画のタイトル、動画の公開日、公開サイト、作者、提供者、出演者、監督、秒単位の映像時間、映像時間長、映像コンテンツ、音声、テロップ、出演者、動画に登場する企業名、団体名、商品名、ブランド名、サービス名、特定の個人名、特定の地名又は特定の建築物名に関することから、インターネットを介して配信提供される全映像に関し、詳細な、漏れのないテキストデータを作成することができる。
【0021】
請求項4記載の発明にあっては、上記「映像情報評価手段」は、「映像情報評価値算出手段」と、局別のコマーシャルメッセージの時間単価情報のテーブルを格納する「コマーシャルメッセージ時間単価データベース」と、「映像情報評価値データベース」とを有し、上記「映像情報
評価値算出手段」は、「コマーシャルメッセージ時間単価データベース」の時間単価を参照し、当該時間単価に当該映像情報の放送時間数を乗ずると共に、プラス評価、マイナス評価及び中立評価の各係数を加算することにより評価対象に関する映像情報評価値を算出し、上記映像情報評価値を上記「映像情報評価値データベース」へ格納するように構成されていることから、社会的事実として存在するCMの価格を基礎とし、さらに、当該放送情報が当該企業・団体にとりプラスの評価であるか、マイナスの評価であるか、中立評価であるかの判定を加味することにより、客観的に放送情報の評価を行うことができる。そして、上記の判定を客観的な評価値として算出することにより、経済指標の数値との対比が可能となる。
また、上記のように「映像情報」には、秒単位の頭出情報が含まれていることから、例えば、「19:50:10」(午後7時50分10秒)から評価対象となる番組コーナーがスタートする場合には、午後7時台のCMを抽出してCM料金を参照して、映像情報評価値を算出することができる。
請求項5記載の発明にあっては、上記「映像情報評価値算出手段」は、上記映像情報評価値の算出にあたっては、上記「評価対象情報抽出手段」により抽出された評価対象に関する記事における評価対象の重要度を勘案するように構成されると共に、請求項6記載の発明にあっては、当該記事内において評価対象がメインイシューとして扱われているか、サブイシューとして扱われているか、又はメインイシュー及びサブイシュー以外のイシューとして扱われているかにより当該記事内における当該評価対象の重要度が決定され、重要度は係数に変換されて映像情報評価値の算出に使用されることから、請求項4記載の発明の効果に加えてより客観的な映像情報評価値を算出することができる。
また、上記のように「映像情報」には、秒単位の頭出情報が含まれていることから、評価対象となる当該番組コーナーが番組内のどの部位で放映されたかにより、上記メインイシュー、サブイシュー又はそれ以外のイシューに関する評価を行うことが容易となる。
【0022】
請求項7記載の発明にあっては、上記映像情報評価値は、プラス評価、マイナス評価及び中立評価の夫々に関し算出されることから、上記映像情報評価値は、プラス評価、マイナス評価及び中立評価の夫々に関し算出されることから、夫々の評価における評価値を利用して経済指標との関係を検討することができる。
【0023】
請求項8記載の発明にあっては、複数の評価対象の映像情報評価値を評価対象別に格納した「映像情報評価値データベース」と、上記「映像情報評価値データベース」に格納された映像情報評価値を所定期間単位で集計して、格納された評価対象毎に対比し、所定期間単位で複数の評価対象に関するランキングを行う「映像情報評価値対比手段」とを備えていることから、所定の複数の評価対象である、企業、団体、個人等の日毎、月度毎、さらに年度事のランキングを行い、ランキング結果を顧客に提供することができる。
【0024】
請求項9記載の発明にあっては、上記「映像情報評価装置」は、所定期間に亘り経済指標に関する情報が記載された経済指標テーブルを有する「経済指標データベース」と、上記「映像情報評価値データベース」から特定の評価対象の評価値を検索、抽出すると共に、上記「経済指標データベース」から経済指標に基づく特定の評価対象の評価値を抽出し、所定期間に亘って上記各評価値を同一の座標軸上にプロットすることによりクロスチャートを形成しうる「クロスチャート形成手段」とを備えていることから、映像情報該評価値と経済指標に基づく当該評価対象である企業、団体等の評価値とを同一の座標軸上にプロットすることにより線グラフを作成し、クロスチャートを形成することができるため、「どのような情報が放送又は配信された時点で、当該企業、団体にとってどのような経済的な評価に反映したか」が客観的に分析することができる。
その結果、請求項1記載の発明の効果に加えて、映像情報の企業、団体等へ及ぼす経済的影響を検討することができると共に、上記経済的影響を経済指標と対比することにより、上記映像情報と企業、団体等の経済的評価との相関性を考察することができる映像情報分析システムを提供することができる。
請求項10記載の発明にあっては、上記「経済指標データベース」は、株価、日経平均株価、ダウ平均株価、上海外国為替市場、原油価格、及び金相場に関する経済指標を格納していることから、各種の経済指標と放送情報の評価値との対比を行うことができる。
【0025】
請求項11記載の発明にあっては、スピアマンの順位相間係数又は回帰分析等の数学的手法を用い、上記「経済指標データベース」に格納されている複数の経済指標の中から、プラス評価のチャート、マイナス評価のチャート及び中立評価のチャートと最も近似する経済指標を抽出しうる「最近似経済指標抽出手段」を備えることから、複数の経済指標の中から放送情報評価値に最も近似した経済指標を自動的に検索して、経済指標と放送情報との相関関係を考察することができる。
【0026】
請求項12記載の発明にあっては、上記映像情報保存装置は、テレビの全チャンネルにおいて放送された全番組又はインターネットを介して配信された全映像を所定期間に亘って録画又は保存し、映像情報として格納する「録画ファイル」と、上記「録画ファイル」に格納された全映像情報及び全映像情報の要約のテキストデータを格納した「映像情報データベース」とを有し、上記映像情報評価装置は、上記「評価対象情報抽出手段」により抽出された上記評価対象に関する放送情報が、当該評価対象によい影響を及ぼす場合のプラス評価、当該評価対象に悪い影響を及ぼす場合のマイナス評価、及びプラス評価又はマイナス評価ではない中立評価のいずれであるかの判定データを各評価対象毎に格納する「対象評価判定データベース」と、上記評価対象に関する映像情報の重要度を示す係数情報を各対象毎に格納する「対象重要度係数データベース」とをさらに備え、上記「評価対象情報抽出手段」は、上記録画データベース及び映像情報データベースから、顧客側端末機により顧客から依頼された特定の評価対象の映像情報及びテキスト化された情報を検索、抽出すると共に、上記「対象評価判定データベース」、「対象重要度係数データベース」及び「映像情報評価値データベース」から対象判定評価、対象重要度係数及び映像情報評価値を検索、抽出して顧客の要請に応じて顧客に提供するように構成されていることから、顧客は、依頼した評価対象である特定の企業、団体、個人等に関する所定期間内の全録画情報、当該録画情報に対応するテキストデータからなる放送情報、及び各放送情報に対応する評価判定、重要度係数及びCM価格を基準に算定された各放送情報評価値を瞬時に入手、確認することができる。
【0027】
請求項13記載の発明にあっては、上記評価対象は、特定企業、特定団体、特定の商品、特定のブランド、特定のサービス、特定の個人、特定の地名、特定の建築物、特定の動物名又は特定の作品名のいずれかであることから、テレビ放送又はインターネットで配信される動画に登場するほとんど全ての有意な情報の、経済的評価を含めた評価を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づき、本発明を詳細に説明する。
図1は本発明の第一の実施の形態を示し、本発明に係る映像情報分析システムをテレビ情報に適用し、特定の企業、団体の経済的評価を行う場合を示す。
本実施の形態に係る映像情報分析システム10は、顧客の依頼に応じてテレビ放送情報を分析して特定企業、団体の経済的評価を行い、顧客側端末機へ特定企業、団体の経済的評価を行うことができるチャートを広域通信ネットワークを介して送信できるように構成されている。
本実施の形態に係る映像情報分析システム10は、各テレビ局15により放送される各チャンネルの全番組を所定期間に亘って録画し、放送情報として格納する「録画ファイル」11と、上記「録画ファイル」11に格納された全放送情報をテキストデータ化して格納した「放送情報データベース」12とを有する「テレビ番組映像情報保存装置」13と、上記「放送情報データベース」12に格納された放送情報データの中から特定企業、団体の関連放送情報データを放送記事単位で抽出して評価する「放送情報評価装置」14とを備えている。
なお、ここに「放送記事単位」とは、放送番組中のコーナー、又はコマーシャルメッセージ(以下、「CM」という)とCMの間の記事を意味する。当該記事時間が長い場合には、各企業名に分割したものをいう。
【0030】
上記テレビ番組映像情報保存装置13は、長期間に亘って全テレビ番組を録画できる容量の非常に大きな記憶手段を有するビデオレコーダーである。例えば、テレビ放送されている全てのチャンネル、最大8つのチャンネルに関し、一定期間、例えば、一週間又は24週間に亘り、全ての放送番組を録画し、録画ファイル12へ画像データを格納できるように構成されている。
録画ファイル11に格納された画像データは、ニュース番組、バラエティ番組、ドラマ、スポーツ番組等、番組の種類を問わず、全ての番組が、番組内コーナー、コマーシャルメッセージ(CM)、テーマ毎に、番組のタイトル、番組の放送日、秒単位の放送時間、放送時間長、映像コンテンツ、音声、テロップ、出演者、番組に登場する企業名、団体名、商品名、サービス名に関し、人手を介して、キーワードにより要約化されることにより、テキスト文書として、テレビ番組映像情報保存装置13に内蔵された放送情報データベース12に格納されている。
【0031】
テレビ番組映像情報保存装置13は、ディスプレイ装置の画面上に上記テキスト文書を表示させ、テキスト文書を構成するキーワードを画面上で電気的に選択することにより、対応する映像を再生させることができるように構成されている。
【0032】
上記「放送情報評価装置」14は、上記広域通信ネットワーク16に接続し、上記顧客側端末機17からの要求を受信するサーバ18と、上記顧客側端末機17からの要求に基づき、上記「放送情報データベース」12に格納された上記テキストデータの中から特定企業、団体に関する放送情報を所定期間に亘り検索して抽出する「特定企業、団体情報抽出手段」19と、上記「特定企業、団体情報抽出手段」19により抽出された上記特定企業、団体に関する放送情報が、当該企業、団体によい影響を及ぼす場合のプラス評価、当該企業、団体にとって悪い影響を及ぼす場合のマイナス評価、及びプラス評価又はマイナス評価ではない中立評価のいずれであるかの判定に基づき当該放送情報
の評価値を算出する「放送情報評価手段」20とを備えている。
また、上記「放送情報評価手段」20は、「放送情報評価値算出手段」28と、コマーシャルメッセージの時間単価情報のテーブルを格納する「コマーシャルメッセージ時間単価データベース」23とを有しており、上記「放送情報価値算出手段」28は、「コマーシャルメッセージ時間単価データベース」23の時間単価を参照し、当該時間単価に当該方法情報の放送時間数を乗ずると共に、プラス評価、マイナス評価及び中立評価の各係数を加算することにより判定対象となる特定企業、団体に関する放送情報評価値を算出し、上記放送情報評価値を上記「放送情報評価値データベース」32へ格納するように構成されている。
さらに、本実施の形態にあっては、上記「放送情報評価装置」14は、所定期間に亘り経済指標に関する情報が記載された経済指標テーブルを有する「経済指標データベース」24と、上記「放送情報評価値データベース」32から特定の企業、団体の評価値を検索、抽出すると共に、上記「経済指標データベース」24から経済指標に基づく特定の企業、団体の評価値を抽出し、所定期間に亘って上記各評価値を同一の座標軸上にプロットすることによりクロスチャートを形成しうる「クロスチャート形成手段」25とを備えている。
【0033】
上記広域通信ネットワーク16は、例えば、インターネット、LAN等が該当する。本実施の形態にあっては、顧客は、顧客側端末機17により広域通信ネットワーク16を介して放送情報評価装置14を所有する会社に対して、所望の企業、団体の評価を依頼する。この依頼は、放送情報評価装置14を構成するサーバー18により受信される。この顧客からの依頼は、例えば、「平成24年1月〜6月の間の○○株式会社の評価を希望する」という形で、期間及び企業名又は団体名を特定して行われる。なお、上記顧客側端末機17は、パソコン、スマートフォン、携帯電話等のPDA等の広域通信ネットワークへアクセスして情報の交信を行いうる機器である。
【0034】
特定企業、団体情報抽出手段19は、サーバー18により受信した顧客の要望に基づき、特定企業、団体に関連する企業、団体情報を放送情報データベース12内の放送情報の中から、顧客が要望する期間を設定して、企業名又は団体名によるキーワード、企業名又は団体名の略称に係るキーワード、当該企業名、団体名の商品及びサービス名又はこの略称等、当該企業、団体を特定しうるキーワードに基づき、テキスト検索を行い抽出する。これにより、特定の企業、団体に関連する当該期間内にテレビで放送された全ての種類の放送情報が抽出される。
【0035】
特定企業、団体情報抽出手段19により、特定の企業、団体に関連する当該期間内にテレビで放送された全ての種類の放送情報が抽出された場合には、人手により、上記特定企業、団体に関する夫々の放送情報が、当該企業、団体によい影響を及ぼす場合のプラス評価、当該企業、団体にとって悪い影響を及ぼす場合のマイナス評価、及びプラス評価又はマイナス評価ではない中立評価のいずれであるかの判定を行い、上記判定に基づき、「放送情報評価手段」20は、上記「特定企業、団体情報抽出手段」19により抽出された放送情報の評価値を算出する。
【0036】
上記の放送情報の評価判定に関しては、以下のように行う。例えば、ニュースにおいて特定企業の世界販売シェアがアップしたという報道された場合には、当該報道は当該会社にとっては、視聴者、消費者からの当該企業に対する評価を向上させる「プラス評価」である。一方、ニュースにおいて「欧州市場の金融危機」が報道された場合には、欧州をメインの輸出マーケットとしている輸出企業にとっては、当該企業の営業実績を低下させる印象を与える可能性のある「マイナス評価」である。この極端な例は、例えば、昨年の東日本大震災における原発事故の報道による電力会社への影響であり大きな「マイナス評価」となるものと考えられる。
【0037】
さらに、例えば、ニュース番組に限らず、人気のあるバラエティ番組等において、人気のあるキャスター、俳優等が、自動車会社の新車の紹介等を行い、新車をアピールする放送が行われた場合には、視聴者に対し当該自動車会社に関する大きな「プラス評価」となる可能性がある。
また、斬新な手法による新商品を紹介するCMが放送され、視聴者の間で大きな話題となっているような場合には、当該CMを行った企業にとっては大きな「プラス評価」となる。また、放送情報の中には、当該企業名又は団体名が登場はしたが、特に、視聴者に対してプラス評価もマイナス評価も与えない場合もある。このような場合には「中立評価」と判定する。
【0038】
上記各判定結果は、放送情報評価値を算出する場合の係数として使用される。即ち、本実施の形態にあっては、「プラス評価」は「+1」、マイナス評価は「−1」、中立評価は「係数なし」とする。
【0039】
上記放送情報評価値の算出は、下記の「放送情報評価値算出手段」28が行う。即ち、「放送情報評価手段」20は、上記のように、CMの時間単価情報テーブル26(
図2参照)を格納する「CM時間単価データベース」23と、当該放送情報が属する番組のCMの価格を算出するにあたり、上記「CM時間単価データベース」23の時間単価を参照し、当該時間単価に上記放送情報の放送時間数を乗ずることにより当該放送情報をCM価格を基準とした価値評価に変換する放送情報評価値算出手段28と、算出された放送情報評価値を格納する放送情報評価値データベース32とを備えている。
【0040】
図2に示すように、上記CMの時間単価情報テーブル26には、例えば、放送局名、地域、放送局名称の略称、放送エリア、ネットワーク、及び15秒1本あたりの時間単価のデータが格納されている。従って、「放送情報評価値算出手段」28は、時間単価情報テーブル26を参照して、当該放送情報が属する番組のCM単価を秒単位で算出し、これに当該放送記事の番組内における放送時間数を乗じ、さらに、上記判定結果に基づく係数を加算することにより、当該放送情報のCM価格への換算を行うことにより放送情報評価値のベース値を算出する。
【0041】
次に、「放送情報評価値算出手段」28は、上記ベース値を基礎に、さらに、上記特定企業、団体に関する放送記事における特定企業、団体の重要度を勘案することにより放送情報評価値を算出する。即ち、当該放送記事内において上記特定企業、団体がメインイシューとして扱われているか、サブイシューとして扱われているか、又はメインイシュー及びサブイシュー以外のイシューとして扱われているかにより当該放送記事内における当該企業または団体の重要度が決定され、重要度は係数に変換されて放送情報評価値の算出に使用される。
【0042】
本実施の形態にあっては、上記係数は、「メインイシュー」の場合には係数を「1」、「サブイシュー」の場合には係数を「0.5」、「メインイシュー及びサブイシュー以外のイシュー」の場合には係数「0.1」として設定している。従って、当該放送情報の重要度に応じて、上記放送情報評価値のベース値に上記係数を乗ずることにより最終的な放送情報評価値が算出される。
【0043】
算出された放送情報評価値は放送情報評価値データベース32に格納される。なお、放送局には、いわゆるキー局(東京における5大放送局)と、キー局の制作した報道番組や娯楽番組であって、ネットワーク系列を通じてキー局により販売された番組を放送する、各地方の、いわゆるローカル局とがある。
この場合、ある放送番組がどのようなネットワークを通じてどれだけ多くのローカル局により放送されるか、によって、日本国民全体に対する当該放送番組の影響度は異なってくることから、当該番組を放送するローカル局の数により放送情報評価値も当然に異なる。従って、当該番組を放送するローカル局の数を勘案することにより、さらに精緻な放送情報評価値を算出することができる。
【0044】
また、本実施の形態にあっては、放送情報評価装置14は、上記「放送情報評価値データベース」32に格納された放送情報評価値を月度毎に集計して、格納された企業、団体毎に対比し、所定期間毎に複数の企業、団体のランキングを行う「送情報評価値対比手段」29とを備えている。
上記「放送情報評価値データベース」32には、国内における主要企業、例えば、4000社に関し、上記手法に基づき、放送情報評価値算出手段28により毎日、常時定期的に算出された放送情報評価値が格納されている。放送情報評価値対比手段29は、4000社の全放送情報評価値を、例えば、日毎、月度又は年度毎に検索して放送情報評価値のトップ10社、20社又は50社を選出してランキング情報を作成する。
このランキング情報は、サーバ18を介して広域通信ネットワーク16により顧客側端末機17へ送信されることもできる。また、広域ネットワーク上に設けられた所定のホームページ上において広く公衆に情報提供を行うこともできる。
【0045】
本実施の形態に係る放送情報評価装置14は、さらに、所定期間に亘り経済指標に関する情報が記載された経済指標テーブルを有する「経済指標データベース」24と、上記「放送情報評価値データベース」32から上記顧客の依頼に基づき特定された企業、団体の評価値を検索、抽出すると共に、上記「経済指標データベース」24から経済指標に基づく特定企業、団体の評価値を抽出し、所定期間に亘って上記各評価値を同一の座標軸上にプロットすることによりクロスチャートを形成しうる「クロスチャート形成手段」25とを備えている。
【0046】
本実施の形態にあっては、「経済指標データベース」24は、株価、日経平均株価、ダウ平均株価、上海外国為替市場、原油価格、及び金相場等に関する経済指標を格納している。
【0047】
また、本実施の形態に係る放送情報評価装置14は、さらに、スピアマンの順位相間係数又は回帰分析等の数学的手法を用い、上記「経済指標データベース」24に格納されている複数の経済指標の中から、プラス評価のチャート、マイナス評価のチャート及び中立評価のチャートと最も近似する経済指標を抽出しうる「最近似経済指標抽出手段」31を備えている。
【0048】
以下、
図3に示すように、本実施の形態に係る映像情報分析システム10の機能について各ステップ毎に説明する。
【0049】
1.全放送情報テキスト化ステップ(A)
本実施の形態に係る映像情報分析システム10にあっては、各テレビ局の全ての放送番組は一定期間(例えば、一週間)に亘り、テレビ番組映像情報保存装置13に録画され、録画データは内蔵されている録画ファイル11に記録される。
【0050】
次に、録画ファイル11に記録された、所定期間において録画された録画データを読み出し、番組内コーナー、コマーシャルメッセージ(CM)、テーマ毎に、番組のタイトル、番組の放送日、秒単位の放送時間、放送時間長、映像コンテンツ、音声、テロップ、出演者、番組に登場する企業名、団体名、商品名、サービス名に関し、人手を介してキーワードにより要約され、テキストデータとしてテレビ番組映像情報保存装置13に内蔵された放送情報データベース12に格納される。
【0051】
所定期間内で放送された全放送番組をテキストデータ化する作業は継続して行われることから、放送情報データベース12には、上記テキストデータは常時蓄積され、例えば、主要6局により放送された全番組の全放送情報に関する膨大なテキストデータが常時蓄積されている。
【0052】
2.放送情報評価値作成ステップ(B)
次に、放送情報評価装置14は、顧客からの顧客側端末機17から発せられ、広域通信ネットワーク16を経由して「特定企業評価依頼」をサーバ18を介して受け付ける。顧客からの依頼は、例えば、「×月×日から×月×日間での間の○○会社の放送情報における評価と経済指標との関係を知りたい」という形で行われる。
【0053】
上記顧客からの依頼に基づき、放送情報評価装置14は、特定企業情報抽出手段19により、テレビ番組映像情報保存装置13に内蔵された放送情報データベース12にアクセスして、顧客の依頼に係る特定の企業名、団体名により評価対象となる企業、団体に関する全放送情報データを検索して入手する。
【0054】
次に、放送情報評価手段20により、上記の特定企業に関する各放送情報の放送情報評価値を算出する。放送情報評価値の算出は、放送記事単位での当該放送情報のCM価格への換算により算出される「放送情報評価値」を基礎として行われる。放送情報評価値算出手段28は、CM時間単価データベース23のCM価格のテーブル26を参照して秒単位でのCM価格を算出し、これに当該放送記事の放送時間数を乗ずることにより放送情報評価値のベース値を算出する。
【0055】
放送情報評価値の算出にあっては、上記のように、特定企業抽出手段19により上記入手した特定企業、団体に関する放送情報に関し、上記の手法により人手により「プラス評価」、「マイナス評価」及び「中立評価」の判定を行い、放送情報評価値を算出する場合の係数(判定係数)を設定する。
本実施の形態にあっては、「プラス評価」は「+1」、マイナス評価は「−1」、中立評価は「係数なし」とする。
【0056】
また、上記「プラス評価」、「マイナス評価」、「中立評価」に加えて、「当該放送記事における特定企業、団体の重要度」を勘案する。即ち、当該放送記事内において上記特定企業、団体がメインイシューとして扱われているか、サブイシューとして扱われているか、又はメインイシュー及びサブイシュー以外のイシューとして扱われているかにより当該放送記事内における当該企業または団体の重要度が決定され係数(重要度係数)が設定される。
本実施の形態にあっては、上記のように、「メインイシュー」の場合には係数を「1」、「サブイシュー」の場合には係数を「0.5」、「メインイシュー及びサブイシュー以外のイシュー」の場合には係数「0.1」と設定している。
【0057】
従って、本実施の形態にあっては、上記「放送情報価値算出手段」28は、「コマーシャルメッセージ時間単価データベース」23の時間単価を参照し、当該時間単価に当該放送情報の放送時間数を乗じ、次に、プラス評価、マイナス評価及び中立評価の各係数を加算して上記放送情報評価値のベース値を算出し、さらに、上記重要度係数を乗ずることにより判定対象となる特定企業、団体に関する最終的な放送情報評価値を算出する。
【0058】
3.クロスチャート形成ステップ(C)
次に、クロスチャート形成手段25は、顧客からの依頼において指定された期間内に亘って、「放送情報評価値データベース」32から上記顧客の依頼に基づき特定された企業、団体の評価値を検索、抽出すると共に、上記「経済指標データベース」24からいずれかの経済指標(株価、日経平均株価、ダウ平均株価、上海外国為替市場、原油価格、又は金相場)を選択して、当該経済指標に基づく特定企業、団体の評価値(例えば、株価)を抽出し、所定期間に亘って上記各評価値を同一の座標軸上にプロットすることによりクロスチャートを形成する。
【0059】
例えば、
図3は上記クロスチャートの一例を示す。本クロスチャート33は、顧客により指定されたある企業の2012年1月29日から2012年2月26日の間における放送情報評価値と当該企業の株価(日経平均株価)との関係を示すクロスチャートである。
本クロスチャート33において、図中左側の縦軸は当該放送情報の放送時間(時間・分・秒)を表し、図中右側の縦軸は株価を表し、横軸は期間を表す。
【0060】
本クロスチャート33においては、プラス評価のチャート(G)と、マイナス評価のチャート(B)と、中立評価のチャート(N)を夫々独立に形成し、株価のチャート(S)と対比させている。
【0061】
従って、放送情報評価装置14は、本クロスチャート33のデータをサーバ18により、広域通信ネットワーク16を介して顧客側端末機17へ送信し業務を完了する。顧客は、本クロスチャート33を受領することにより、各評価(プラス評価、マイナス評価、中立評価)を受けた放送情報と、株価との相関関係を検討することができると共に、放送情報と株価との関係を検討することにより、放送情報による株価への将来的な影響を予測することができる。
【0062】
本実施の形態に係る放送情報評価装置14にあっては、さらに、「最近似経済指標抽出手段」31を備えている。「最近似経済指標抽出手段」31は、スピアマンの順位相間係数を用い、上記「経済指標データベース」24に格納されている複数の経済指標の中から、プラス評価のチャート、マイナス評価のチャート及び中立評価のチャートと最も近似する経済指標を抽出することもできる。
【0063】
図5は、本願発明に係る映像情報分析システムの第二の実施の形態を示す。上記実施の形態と異なる構成に関してのみ説明する。
本実施の形態に係る映像情報分析システム40にあっては、上記テレビ番組映像情報保存装置13は、全チャンネルにおいて放送された全番組を所定期間に亘って録画し、放送情報として格納する「録画データベース」41を有している。また、上記「放送情報評価装置」44は、上記「特定企業、団体情報抽出手段」12により抽出された上記特定企業、団体に関する放送情報が、当該企業、団体によい影響を及ぼす場合のプラス評価、当該企業、団体にとって悪い影響を及ぼす場合のマイナス評価、及びプラス評価又はマイナス評価ではない中立評価のいずれであるかの判定データを各企業、団体毎に格納する「企業、団体評価判定データベース」42と、上記特定企業、団体に関する放送情報が放送された番組内における放送情報の重要度を示す係数情報を各企業、団体毎に格納する「企業、団体重要度係数データベース」43とをさらに備えている。
【0064】
上記「特定企業情報抽出手段」19は、上記録画データベース41及び放送情報データベース12から、顧客側端末機17により顧客から依頼された特定の企業、団体の録画情報及びテキスト化された放送情報を検索、抽出すると共に、上記「企業、団体評価判定データベース」42、「企業、団体重要度係数データベース」43及び「放送情報評価値データベース」32から企業、団体判定評価、企業、団体重要度係数及び放送情報評価値を検索、抽出できるように構成されている。
【0065】
従って、本実施の形態に係るテレビ放送情報分析システム40にあっては、顧客からの依頼に応じて、特定の企業、団体に関する所定期間内の全録画情報及び当該録画情報に対応するテキストデータである放送情報、及び各放送情報に対応する評価判定(プラス評価、マイナス評価又は中立評価)、重要度係数(当該放送記事内において上記特定企業、団体がメインイシューとして扱われているか、サブイシューとして扱われているか、又はメインイシュー及びサブイシュー以外のイシューとして扱われているかにより決定される当該放送記事内における当該企業または団体の重要度の係数)及びCM価格を基準に算定された各放送情報評価値を検索、抽出してサーバ18を介して顧客側端末機17へ送信することができる。
【0066】
その結果、顧客は、依頼した特定の企業、団体の特定の企業、団体に関する所定期間内の全録画情報及び当該録画情報に対応するテキストデータである放送情報、及び各放送情報に対応する評価判定、重要度係数及びCM価格を基準に算定された各放送情報評価値を瞬時に確認することができる。
【0067】
なお、上記実施の形態にあっては、顧客の具体的な要請に基づき、個別の特定企業又は団体に関する放送情報評価値を算出し、経済指標との関係をクロスチャートに形成する場合を例に説明したが、上記実施の形態に限定されず、様々なテーマ、例えば、「3・11」、「欧州金融危機」、「タイの洪水」等の世界で起きる様々な事象と、各経済指標との関係をクロスチャートにより分析することもできる。
【0068】
また、顧客の具体的な、個別の特定企業又は団体に関する依頼に応じてテレビ放送情報を分析して特定企業、団体の経済的評価を行い、顧客側端末機17へ特定企業、団体の経済的評価を行うことができるチャートを広域通信ネットワーク16を介して送信できるように構成されている場合を例に説明したが、上記実施の形態に限定されず、例えば、広域通信ネットワーク上に設けられたホームページ内に、記事として、企業、団体評価判定結果、企業、団体重要度係数、及び放送情報重要度係数、放送情報評価値、及び放送情報評価値に基づく企業又は団体ランキングを、日毎、月度毎、年度事に掲載して公開したり、クロスチャート形成手段により作成されたクロスチャートを掲載して公開することもでき、上記実施の形態には限定されない。
さらに、「放送情報評価値データベース」32には、国内における主要企業、例えば、4000社に関し、算出された放送情報評価値が、常時、格納されていることから、その中の上位200〜300社に関しては、顧客の依頼に応じて、上位200〜300社内において特定の企業、団体が何位に位置しているか、に関するランキング情報を、随時提供することもできる。
【0069】
図6は、本発明に係る映像情報分析システムの他の実施の形態を示す。
本実施の形態にあっては、本発明に係る映像情報分析システムを、テレビから提供される放送情報のみならず、インターネットを経由して配信される動画を含む映像情報、さらに、検索エンジンを提供している各社のニュース等の情報をも対象とすると共に、企業、団体に加えて、商品、サービス、ブランド、個人、地名、建築物等をも評価対象とする場合に適用したものである。なお、前記
図5に示す第二の実施の形態と異なる点のみを説明する。
本実施の形態に係る映像情報分析システム50にあっては、映像情報保存装置51はインターネット16を介して動画情報配信会社又はインターネット検索エンジン提供会社50と電気信号的に接続されている。また、映像情報評価装置72は同様にインターネット16を介して上記動画情報配信会社又はインターネット検索エンジン提供会社50及び顧客が所有する、ブラウザを備えた携帯端末(携帯電話、スマートフォン、その他各種PDA)57と電波的に接続されている。
なお、本実施の形態にあっては、携帯端末57を保有する顧客が対象の評価を依頼する映像情報分析者が映像情報保存装置51及び映像情報評価装置64を保有している。
【0070】
本実施の形態における映像情報保存装置51は、インターネット16を介して動画情報配信会社又はインターネット検索エンジン提供会社58から配信される全ての、動画、画像等の映像情報を、一定期間、例えば、一週間又は24週間に亘り録画し、録画ファイル52へ音声を含む映像データを格納できるように構成されている。
録画ファイル52に格納された画像データは、ニュース映像、バラエティ映像、ドラマ映像、スポーツ映像等、映像の種類を問わず、全ての映像、及びすべての映像における映像内コーナー、コマーシャルメッセージ(CM)、テーマ毎に、映像のタイトル、映像の公開日、秒単位の進行時間、映像時間長、映像コンテンツ、音声、テロップ、出演者、映像に登場する企業名、団体名、商品名、サービス名、ブランド名、個人名、地名、建築物名に関し、人手を介して、キーワードにより要約化されたテキスト文書が、映像映像情報保存装置51に内蔵された映像情報データベース65に格納されている。
【0071】
本実施の形態にあっては、映像情報保存装置51は、商品、サービス、ブランドデータベース54、個人データベース55、地名。建築物データベース56及び企業、団体データベース61の、映像情報の種類に応じて格納する複数のデータベースを有しており、上記各種のデータベースへ映像情報を分類して格納する映像情報分類手段53を備えている。従って、本実施の形態にあっては、顧客はスマートフォン等のPDA57又はパソコンを使用して、特定の商品、サービス、ブランド、個人、地名、建築物、特定の企業、団体に関する、経済的価値評価、社会的評価、又は政治的評価に関する情報を取得することができる。
以下に、例えば、本実施の形態に係る映像情報分析システム50を利用して、顧客がある商品の経済的価値評価の情報を取得する場合を例に本システムの機能を説明する。
【0072】
顧客は、PDA57を利用して、インターネット16を経由して「特定商品評価依頼」を映像情報評価装置64に対して行う。映像情報評価装置64は、この依頼をサーバ18を介して受け付ける。顧客からの依頼は、例えば、「×月における○○商品の経済的評価を知りたい」という形で行われる。
上記顧客からの依頼に基づき、映像情報評価装置64は、評価対象情報抽出手段19により、映像情報保存装置13に内蔵された商品、サービス、ブランドデータベース54にアクセスして、顧客の依頼に係る特定の商品に関する全映像情報データを検索して入手する。
【0073】
次に、映像情報評価手段20により、上記の顧客の評価依頼に係る商品に関する各映像情報の評価値を算出する。映像情報評価値の算出は、映像記事単位での当該映像情報のCM価格への換算により算出される「映像情報評価値」を基礎として行われる。映像情報評価値算出手段28は、
図2に示すCM時間単価データベース23のCM価格のテーブル26を参照して秒単位でのCM価格を算出し、これに当該映像記事の時間数を乗ずることにより映像情報評価値のベース値を算出する。
【0074】
映像情報評価値の算出にあっては、上記のように、評価対象情報抽出手段19により上記入手した当該商品に関する映像情報に関し、上記の手法により人手により「プラス評価」、「マイナス評価」及び「中立評価」の判定を行い、映像情報評価値を算出する場合の係数(判定係数)を設定する。本実施の形態にあっては、「プラス評価」は「+1」、マイナス評価は「−1」、中立評価は「係数なし」とする。
【0075】
また、上記「プラス評価」、「マイナス評価」、「中立評価」に加えて、「当該映像記事における当該商品の重要度」を勘案する。即ち、当該映像記事内において当該商品がメインイシューとして扱われているか、サブイシューとして扱われているか、又はメインイシュー及びサブイシュー以外のイシューとして扱われているかにより当該映像記事内における当該商品の重要度が決定され係数(重要度係数)が設定される。本実施の形態にあっては、上記のように、「メインイシュー」の場合には係数を「1」、「サブイシュー」の場合には係数を「0.5」、「メインイシュー及びサブイシュー以外のイシュー」の場合には係数「0.1」と設定している。
【0076】
従って、本実施の形態にあっては、上記「映像情報
評価値算出手段」28は、「コマーシャルメッセージ時間単価データベース」23の時間単価を参照し、当該時間単価に当該映像情報の放送時間数を乗じ、次に、プラス評価、マイナス評価及び中立評価の各係数を加算して上記映像情報評価値のベース値を算出し、さらに、上記重要度係数を乗ずることにより判定対象となる商品に関する最終的な放送情報評価値を算出する。
【0077】
その結果、本実施の形態にあっては、評価対象となる商品に関する所定期間内の全録画情報、及び当該録画情報に対応するテキストデータ情報、及び各映像情報に対応する評価判定(プラス評価、マイナス評価又は中立評価)、重要度係数(当該放送記事内において当該商品がメインイシューとして扱われているか、サブイシューとして扱われているか、又はメインイシュー及びサブイシュー以外のイシューとして扱われているか、により決定される当該映像記事内における当該商品の重要度の係数)及び、CM価格を基準に算定された映像情報評価値を検索、抽出してサーバ18を介して顧客側端末機17へ送信することができる。
従って、顧客は、依頼した特定の商品に関する所定期間内の全映像情報、当該録画情報に対応するテキストデータ情報、及び各映像情報に対応する評価判定、重要度係数及び、CM価格を基準に算定された各映像情報評価値を瞬時に確認することができる。
【0078】
また、近年、各企業がコラボレーションを行い、複数の商品、ブランドが相互に同一の営業的経緯で販売されることがある。例えば、有名映画が封切られる場合であって、主役が着用する服、時計、使用する自動車等に関し、服メーカー、時計メーカー、自動車メーカーが相互に、映画を契機とする宣伝を行う場合がある。このような場合には、当該映画に登場する主役、服、時計、自動車、夫々の製造会社、ブランド、映画会社、映画そのものブランド等が相互に相乗的に影響し合って商品価値を高めることとなる。また、映画の主役が映画内で利用するレストラン、ホテル、訪問する場所、建築物等も映画のヒットと共に著名になる場合もある。
このような場合には、顧客は、本実施の形態に係る映像情報分析システム50を利用して、これら全ての対象、即ち、複数種類の個別の商品、当該商品の製造販売会社、商品のブランドそのもの、映画、映画製作会社、レストラン、ホテル、建築物、地名に関し、評価を請求して社会的評価又は経済的評価を確認することができる。このような場合には、本実施の形態に係る映像情報分析システム50は、複数の評価対象に関するデータベース54、55、56、61を有することから、迅速に検索、抽出を行うことができると共に、上記のような複数商品のコラボレーションという事態に即応して、網羅的に対象の評価を行うことが可能となる。
【0079】
また、個人に対する評価については、政治家、経済人、映画俳優、歌手、有名文化人等の、いわゆるマスコミに登場する有名人に関しても、本システムを利用して、所定期間内の全録画情報、及び当該録画情報に対応するテキストデータ情報、及び各映像情報に対応する評価判定(プラス評価、マイナス評価又は中立評価)、重要度係数(当該放送記事内において当該商品がメインイシューとして扱われているか、サブイシューとして扱われているか、又はメインイシュー及びサブイシュー以外のイシューとして扱われているか、により決定される当該映像記事内における当該商品の重要度の係数)及び、CM価格を基準に算定された映像情報評価値を検索、抽出してサーバ18を介してPDA57へ送信することができる。
従って、顧客は、依頼した特定の個人に関する所定期間内の全映像情報、当該録画情報に対応するテキストデータ情報、及び各映像情報に対応する評価判定、重要度係数及び、CM価格を基準に算定された各映像情報評価値を瞬時に確認することができる。
なお、上記
図6に示す実施の形態にあっては、、本実施の形態にあっては、携帯端末57を保有する顧客が対象の評価を依頼する映像情報分析者が映像情報保存装置51及び映像情報評価装置64を保有している場合を例に説明したが、本実施の形態に限定されず、映像情報保存装置51を映像情報分析者が保持せず、クラウドコンピューティングを利用することにより、映像情報保存装置51をクラウドコンピュータ内に配置し、映像情報評価装置64によりオンデマンドで映像情報データベース65へアクセスして評価対象となる映像情報の評価作業を行うこともできる。