特許第6290537号(P6290537)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6290537監視カメラ映像記録装置の映像監視システム及び映像監視システムにおける監視カメラ映像記録装置の健常性確認方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290537
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】監視カメラ映像記録装置の映像監視システム及び映像監視システムにおける監視カメラ映像記録装置の健常性確認方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20180226BHJP
   H04N 5/765 20060101ALI20180226BHJP
   H04N 5/91 20060101ALI20180226BHJP
   H04N 5/915 20060101ALI20180226BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   H04N7/18 D
   H04N7/18 U
   H04N5/765
   H04N5/91
   H04N5/915
   G08B25/00 510M
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-16667(P2013-16667)
(22)【出願日】2013年1月31日
(65)【公開番号】特開2014-150318(P2014-150318A)
(43)【公開日】2014年8月21日
【審査請求日】2016年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110002608
【氏名又は名称】特許業務法人オーパス国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100091694
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 守
(72)【発明者】
【氏名】後迫 浩一
(72)【発明者】
【氏名】長畑 昌雄
(72)【発明者】
【氏名】若林 尚久
【審査官】 鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−117339(JP,A)
【文献】 特開2012−170001(JP,A)
【文献】 特開2012−138878(JP,A)
【文献】 特開2012−100071(JP,A)
【文献】 特開2010−056814(JP,A)
【文献】 特開2006−019843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G08B 25/00
H04N 5/765
H04N 5/91
H04N 5/915
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視カメラの映像を録画する監視カメラ映像記録装置に接続する監視装置を備えた映像監視システムにおいて、
前記監視装置は、
時刻配信装置から基準となる日時情報を取得し、前記監視装置自身の現在日時を補正する手段と、
前記監視カメラ映像記録装置に接続確認コマンドをもって接続し、前記監視カメラの情報及び前記監視カメラごとの録画設定を取得する手段と、
前記監視カメラ映像記録装置の現在時刻を取得する手段と、
前記監視カメラごとに最新録画日時を取得する手段と、
前記監視カメラ映像記録装置の現在時刻と最新録画日時との日時差が許容範囲にあるか否かを判定する手段と、
前記日時差が許容範囲にある場合に、前記監視カメラ映像記録装置による録画が正常状態にあると判断し、前記監視カメラごとに最新録画データサイズを取得する手段と、
単位時間の録画データサイズが録画時の画質、画像サイズ、フレームレートの設定に基づく正常時の録画データサイズと比較して、許容範囲にあるか否かを判定する手段と、
前記録画データサイズが許容範囲にある場合には、前記監視カメラによる撮影データが正常にあると判断し、次の確認日時を設定する手段と、
前記日時差が前記許容範囲にない場合には、前記監視カメラ映像記録装置による録画が異常状態と判断し、また前記録画データサイズが前記許容範囲内にない場合には、前記監視カメラによる撮影データが異常と判断し、前記監視装置の監視者側に通報する手段と
を有することを特徴とする監視カメラ映像記録装置の映像監視システム。
【請求項2】
監視カメラの映像を録画する監視カメラ映像記録装置に接続する監視装置を備えた映像監視システムにおける監視装置の制御部をもって監視カメラ映像記録装置の健常性を確認する方法であって、
前記監視装置の制御部は、
時刻配信装置から基準となる日時情報を取得し、前記監視装置自身の現在日時を補正するステップと、
前記監視カメラ映像記録装置に接続確認コマンドをもって接続し、前記監視カメラの情報及び前記監視カメラごとの録画設定を取得するステップと、
前記監視カメラ映像記録装置の現在時刻を取得するステップと、
前記監視カメラごとに最新録画日時を取得するステップと、
前記監視カメラ映像記録装置の現在時刻と最新録画日時との日時差が許容範囲にあるか否かを判定するステップと、
前記日時差が許容範囲にある場合に、監視カメラ映像記録装置による録画が正常状態にあると判断し、前記監視カメラごとに最新録画データサイズを取得するステップと、
単位時間の録画データサイズが録画時の画質、画像サイズ、フレームレートの設定に基づく正常時の録画データサイズと比較して、許容範囲にあるか否かを判定するステップと、
前記録画データサイズが許容範囲にある場合には、前記監視カメラによる撮影データが正常にあると判断し、次の確認日時を設定するステップと、
前記日時差が許容範囲にない場合には、前記監視カメラ映像記録装置の録画が異常状態と判断し、また前記録画データサイズが許容範囲内にない場合には、前記監視カメラによる撮影データが異常と判断し、監視者側に通報するステップと
を有することを特徴とする監視カメラ映像記録装置の健常性確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラで撮影した映像を、監視カメラ映像記録装置、例えばDVR(Digital Video Recorder)などに記録する映像監視システムにおけるカメラ映像記録装置の健常性確認装置及び健常性確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2011−259034号公報(特許文献1)がある。この公報には、静止画や動画をカメラにより撮影し、当該撮影映像をハードディスクドライブHDDに蓄積するネットワークカメラ異常検知システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011−259034号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1には、カメラで監視撮影した映像を記録媒体に録画する映像監視システムが記載されている。しかし、特許文献1には、その録画状態や録画データの妥当性まで確認することについては記載がない。
【0005】
一般的な映像監視システムでは、例えばDVRとの接続確認やDVR内部の稼動情報の取得による稼動確認のみであり、録画状態や録画データの妥当性まで確認していなかった。
【0006】
すなわち、従来の映像監視システムにおけるDVR等の監視カメラ映像記録装置にあっては、図7に示すように、監視装置150からのPing(Packet InterNet Groper)コマンドなどによる接続診断(接続確認)、監視カメラ110、120に接続のDVR130、140内部の稼動情報の取得が大半であり、正しく録画が行われているかの健常性確認までは行われていなかった。このようにPingによるDVRとのネットワーク接続確認が正常で、DVR稼動ログなどの稼動情報が取得できれば、健常であるとする方法にあっては、実際はDVRの録画が停止していても、カメラが故障またはカメラからDVR間の接続不良が発生していても健常であると誤った判断がなされる課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、DVRなどの監視カメラ映像記憶装置の録画状態(健常性)を確認することができ、録画漏れや異常録画を防止することができる監視カメラ映像記録装置の健常性確認装置及び健常性確認方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、監視カメラ映像記録装置にアクセスし、当該記録装置から取得した情報をもって録画状態の整合性により、監視カメラ映像記録装置の健常性を確認する健常性確認手段を有する。
【0009】
例えば、監視装置は、監視カメラ映像記録装置の(1)現在日付と時刻、(2)カメラチャネルごとの録画設定(録画スケジュールや動き検知などのイベント録画の有無など)、(3)最新録画データの日付と時刻、(4)最新録画データの単位時間当たりのデータサイズに基づき以下のような機能を実行する手段を有する。すなわち、前記(1)と(2)とにより、録画データサイズで録画状態であるかの確認し、前記(1)と(3)とにより、現在日時と最新録画日時の差異が許容範囲であるかの確認し、前記(2)と(4)とにより、録画データサイズが標準値と比べて大きすぎないか、または小さすぎないか(ピントのずれやカメラの故障、妨害行為による異常な録画判定)を判定、分析し、健常性をチェックする各手段を有する。
【0010】
本発明は、監視カメラの映像を録画する監視カメラ映像記録装置に接続する監視装置を備えた映像監視システムにおいて、
前記監視装置は、
時刻配信装置から基準となる日時情報を取得し、前記監視装置自身の現在日時を補正する手段と、
前記監視カメラ映像記録装置に接続確認コマンドをもって接続し、前記監視カメラの情報及び前記監視カメラごとの録画設定を取得する手段と、
前記監視カメラ映像記録装置の現在時刻を取得する手段と、
前記監視カメラごとに最新録画日時を取得する手段と、
前記監視カメラ映像記録装置の現在時刻と最新録画日時との日時差が許容範囲にあるか否かを判定する手段と、
前記日時差が許容範囲にある場合に、前記監視カメラ映像記録装置による録画が正常状態にあると判断し、前記監視カメラごとに最新録画データサイズを取得する手段と、
単位時間の録画データサイズが録画時の画質、画像サイズ、フレームレートの設定に基づく正常時の録画データサイズと比較して、許容範囲にあるか否かを判定する手段と、
前記録画データサイズが許容範囲にある場合には、前記監視カメラによる撮影データが正常にあると判断し、次の確認日時を設定する手段と、
前記日時差が前記許容範囲にない場合には、前記監視カメラ映像記録装置による録画が異常状態と判断し、また前記録画データサイズが前記許容範囲内にない場合には、前記監視カメラによる撮影データが異常と判断し、前記監視装置の監視者側に通報する手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、監視カメラの映像を録画する監視カメラ映像記録装置に接続する監視装置を備えた映像監視システムにおける監視装置の制御部をもって監視カメラ映像記録装置の健常性を確認する方法であって、
前記監視装置の制御部は、
時刻配信装置から基準となる日時情報を取得し、前記監視装置自身の現在日時を補正するステップと、
前記監視カメラ映像記録装置に接続確認コマンドをもって接続し、前記監視カメラの情報及び前記監視カメラごとの録画設定を取得するステップと、
前記監視カメラ映像記録装置の現在時刻を取得するステップと、
前記監視カメラごとに最新録画日時を取得するステップと、
前記監視カメラ映像記録装置の現在時刻と最新録画日時との日時差が許容範囲にあるか否かを判定するステップと、
前記日時差が許容範囲にある場合に、監視カメラ映像記録装置による録画が正常状態にあると判断し、前記監視カメラごとに最新録画データサイズを取得するステップと、
単位時間の録画データサイズが録画時の画質、画像サイズ、フレームレートの設定に基づく正常時の録画データサイズと比較して、許容範囲にあるか否かを判定するステップと、
前記録画データサイズが許容範囲にある場合には、前記監視カメラによる撮影データが正常にあると判断し、次の確認日時を設定するステップと、
前記日時差が許容範囲にない場合には、前記監視カメラ映像記録装置の録画が異常状態と判断し、また前記録画データサイズが許容範囲内にない場合には、前記監視カメラによる撮影データが異常と判断し、監視者側に通報するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、監視カメラ映像記憶装置の機能異常を早期発見することが可能である。
【0013】
例えば、録画状態を確認することができ、録画漏れや異常録画などを防止することができる。
上述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の監視カメラ映像記録装置を稼動監視システムに適用した場合における健常性確認方式の概略構成を示す図である。
図2】本発明の監視装置のDVR健常性確認機能構成を示すブロック図である。
図3】DVR録画設定テーブルの一例を示す図である。
図4】許容値設定テーブルの一例を示す図である。
図5】DVR健常性確認装置の処理を説明する処理フローチャートである。
図6】従来の監視カメラ映像記録装置を稼動監視システムに適用した場合におけるDVR健常性確認方式を説明するための構成イメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施例について図面を用いて説明する。本実施例は、複数の監視カメラ、複数の監視カメラ映像記録装置、監視装置を有し、当該監視カメラ映像記録装置として、DVRを使用した場合のDVD稼動状態を監視する映像監視システムに適用したものである。
【実施例】
【0016】
図1は、本実施例の監視カメラ映像記録装置(DVR)の稼動状態を監視する映像監視システムの構成図である。
【0017】
映像監視システム100は、複数の監視カメラ群110、120、複数のカメラ映像記録装置130、140、監視装置150、警告表示灯160、を有する。
【0018】
複数のカメラ映像記録装置130、140は、例えばDVRからなる。各DVRは、それぞれ複数の監視カメラ110、120により撮影した映像を記録する。
【0019】
監視装置150は、ネットワーク170を介してカメラ映像記録装置130、140に接続し、当該記録装置の記録状態を監視する機能を有する。この監視機能については、周知なので、詳細説明は省略する。
また、監視装置150は、カメラ映像記憶装置(DVR)130、140から、その内部情報、つまり録画日付・時刻情報、録画情報、データサイズ等を取得し、当該情報等をもって監視カメラ映像記録装置130、140の健常性確認機能を有する。
【0020】
係る健常性確認機能を有する監視装置150によれば、例えば、DVR内部の日付・時刻情報、録画情報を取得することにより、Pingによらなくともネットワーク接続の正常、異常の確認が可能である。また、DVR内部の日付・時刻情報を取得することにより、現在時刻とのずれの確認が可能であり、録画情報を取得することにより、情報取得時点で録画が継続中であるか否かの確認が可能である。また、録画データサイズの情報を取得する(一般的にカメラが故障または接続不良の場合、真っ暗な画像となって、録画データサイズが極端に小さくなったり、映像に対してノイズの割合が増えることで、録画データサイズが極端に大きくなったりする。)ことにより、カメラが故障またはカメラとの接続不良が発生しているか否かも確認可能である。
【0021】
図2は、監視装置150における監視カメラ映像記録装置の健常性確認する機能を実現する装置(以下、健常性モジュールと言う)の機能構成を示すブロック図である。
【0022】
同図において、監視装置150は、PC、サーバなどのハードウェア及び監視用ソフトウェアからなり、監視カメラ110、120の撮影した映像を元に監視対象物を監視する機能の他に、監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140の健常性を確認する機能、すなわち健常性確認モジュール151を有する。
【0023】
この健常性を確認する健常性確認モジュール151は、監視カメラ映像記録装置(DVR)の(1)現在日時、(2)カメラチャネルごとの録画設定(録画スケジュールや動き検知などのイベント録画の有無など)、(3)最新録画データの日付と時刻、(4)最新録画データの単位当たりのデータサイズに基づき以下のような機能を実行する手段を有する。
【0024】
すなわち、健常性確認モジュール151は、監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140の現在日時とカメラチャネル情報を取得する手段、カメラチャネルごとの録画設定(録画スケジュールや動き検知などのイベント録画の有無など)を取得する手段、DVRの最新録画データの日時を取得する手段、カメラチャネルごとに最新録画データの単位時間当たりのデータサイズを取得する手段、前記(1)の現在日時と監視装置の現在日時を比較することで、監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140の時刻ずれの判定を行う手段、前記(2)のカメラチャネルごとの録画設定と前記(3)の最新録画データの日時とにより、現在日時と最新録画日時の差異が許容範囲であるかの判定(録画が停止していないかの判定)を行う手段、前記(2)のカメラチャネルごとの録画設定と前記(4)の最新録画データの単位当たりのデータサイズとにより、前記録画データサイズが標準値と比べて大きすぎないか、または小さすぎないかを判定(ピントのずれやカメラの故障、妨害行為による異常な録画判定))を行う手段、を有する。
【0025】
これらの手段を有する健常性確認モジュール151は、例えば、サーバにて構成する。サーバは、入出力装置1511、日時管理装置1512、演算装置1513、記憶装置1514、などを有する
【0026】
入出力装置1511は、通信部15111、通報部15112、日時情報取得部15113、を有する。
【0027】
通信部15111は、ネットワーク170を介してDVR130、140との間で通信し、上述したDVR内部情報を受信する。
【0028】
日時情報取得部15113は、ネットワーク170を介して監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140の現在日時を取得する。
【0029】
通報部15112は、警告表示灯160に稼動状態を通報する。例えば、後述する解析結果が、後述する許容値を超えていた場合、警告表示灯160に通報する。このとき、異常が何であるかを示す異常種別を付加して通報し、例えば、録画異常の場合は赤色灯を点灯させ、ブザーを鳴動させる。
【0030】
日時管理装置1512は、タスクスケジューラ15121、現在日時保持部15122、現在日時補正部15123、を有する。
【0031】
タスクスケジューラ15121は、監視装置150の演算装置1514を起動し、健常性確認のための処理を実行指示する。
【0032】
現在日時補正部15122は、日時情報取得部15113にて取得した時刻配信装置180からの基準となる日時情報により監視装置150の現在日時を補正し、正確な日時情報を現在日時保持部15123に保持する。
【0033】
タスクスケジューラ15121は、現在日時保持部15122の日時情報を参照し、指定日時になると、演算装置1513に対して、DVRの健常性確認処理の実行指示を行う。
【0034】
演算装置1513は、DVR情報取得部15131、DVR情報解析部15132、解析結果書込み部15133、制御部15134、を有する。
【0035】
DVR情報取得部15131は、通信部15111にて受信したDVR情報を取得し、取得情報をテーブル化し、DVR録画設定テーブルT1とする(図3参照)。DVR録画設定テーブルT1については後述する。
【0036】
すなわち、DVRから現在の録画設定を示す情報を取得し、(1)カメラごとに実装されているかを「接続有無」に、(2)タイマー録画されているかを「タイマー録画およびタイマー録画時間帯」に、(3)アラーム録画されていれば「アラーム録画」に、録画品質、フレームレート、画像サイズを元に、(4)「標準データサイズ」を算出し、DVR録画設定テーブルT1に書き込み記憶する。
なお、同じカメラチャネルにタイマー録画とアラーム録画をした場合は、両方とも設定可能である。
【0037】
DVR情報解析部15132は、上述したDVR情報を受け、監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140の健常性を解析する。
【0038】
解析結果書込み部15133は、DVR解析部15132にて解析した結果を記憶装置1514の解析結果記録部15142に書き込み記憶する。
【0039】
制御部15134は、各部を制御する。その制御処理については後述する。
【0040】
記憶装置(記憶手段)1514は、上述した各取得情報を記憶するDBやメモリなどからなり、取得情報記録部15141、解析結果記録部15142、許容値保持部15143、を有する。
【0041】
取得情報記録部15141は、通信部15111にて受信し、DVR情報取得部15131にて取得したDVR取得情報をDVR録画設定テーブルT1に記憶する。
【0042】
許容値保持部15143は、DVR解析部15132にて解析するに際して、健常性確認のための判断項目の許容値(設定値)を含む許容値設定テーブルT2(図4参照)を記憶する。許容値設定テーブルT2については後述する。
【0043】
警告表示灯160は、監視装置150に接続し、当該監視装置からの通報を受けたとき、例えば、異常が発生した旨を通報する表示灯を点灯させたり、ブザーを鳴動させたりする。
【0044】
図3は、取得情報記憶部15141のDVR録画設定テーブルT1の一例を示す図である。
【0045】
同図において、DVR録画設定テーブルT1は、「カメラチャネル」311、「カメラ名称」312、「接続有無」313、「タイマー録画」314、「タイマー録画時間帯」315、「アラーム録画」316、「最新録画日時」317、「標準データサイズ」318などの各情報欄を有する。
【0046】
「接続有無」313、「タイマー録画」314、「アラーム録画」316は、その取得結果を、例えば「○」「×」で表記する。その一例を挙げれば、「カメラチャネル;1,カメラ名称;エントランス,接続有無;○,タイマー録画;○,タイマー録画時間帯;9:00〜16:00,アラーム録画;×,最新録画日時;12/11/09、13:35:49,標準データサイズ;20kB」である。
【0047】
図4は、許容値保持部15143の許容値設定テーブルの一例を示す図である。同図において、許容値設定テーブルT2は、「項番」411、「項目」412、「設定値」413の各情報欄を有する。
【0048】
例えば、「項番1」は「項目」が「DVR接続リトライ回数」であり、「設定値」が「3回」である。「項番2」は「項目」が「DVR接続リトライ間隔」であり、「設定値」が「30秒」である。「項番3」は「項目」が「健常性確認間隔」であり、「設定値」が「6時間」である。「項番4」は「項目」が「DVR時刻(DVR内部の時刻情報)」であり、「設定値」が「監視装置時刻との時間差±60秒」である。「項番5」は「項目」が「タイマー録画」であり、「設定値」が「最新録画日時との時間差±60秒」である。「項番6」は「項目」が「アラーム(モーション、外部接点)録画)」であり、「設定値」が「最新録画日時との日差±7日」である。「項番7」は、「項目」が「録画データサイズ」であり、「設定値」が「標準データサイズ±5kB」である。
【0049】
図5は、DVR健常性確認モジュールの処理を説明するフローチャートである。
同図において、ステップS600にて、監視装置150による監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140の録画状態の監視を開始する場合、まずステップS601にて、監視装置150の現在日時を参照し、ステップS602にて、処理を実行すべき指定日時になったかを判定し、指定日時でなかった場合(No)は、ステップS603にて、1秒間ウェイトし、再びステップS601へ進む。
【0050】
ステップS602にて、処理を実行すべき指定日時になったかを判定し、指定日時になった場合(Yes)は、ステップS604にて、ネットワーク170を介して時刻配信装置(タイムサーバ)から基準となる日時情報を取得し、ステップS605にて、監視装置150の現在日時を補正する。
【0051】
次に、ステップS606にて、ネットワーク170を介して監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140に接続を行う。このとき、ネットワーク170や監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140がビジー上体であったり、障害が発生していたりしていて、接続に失敗した場合(No)は、ステップS608にて、許容値設定テーブルT1の項番1「DVR接続リトライ間隔」で指定されたリトライ間隔だけウェイトし、ステップS609にて、リトライ回数に1を加える。
【0052】
ステップS610にて、リトライ回数が許容値設定テーブルT1の項番2「DVR接続リトライ回数」で指定されたリトライ回数を超過した場合、ステップS611にて、接続エラーとして記録したのち、後述するステップS627にて通報処理を行い、ステップS628を経由して、同じく後述するステップS625へ進む。
【0053】
ステップS607にて、監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140との接続が成功した場合(Yes)、ステップS612にて、監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140より、現在のカメラch接続情報を取得する。このカメラch接続情報は、監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140に接続可能なn個のchのうち、いずれのchに監視カメラが接続されているかを示す情報で、最大数はn個である。
【0054】
ステップS612で取得したカメラch接続情報を基に、ステップS613にて、カメラchごとの録画設定を取得し、DVR録画設定テーブルT1に書き込む。
【0055】
続いて、ステップS614にて、監視カメラ映像記録装置(DVR)130、140の現在日時を取得し、ステップS615にて、監視装置150の現在時刻との差が許容範囲内かを判定する。
【0056】
ステップS614の判定結果、許容範囲内でない場合(No)は、ステップS616にて、時刻ずれ発生として記憶装置1514に記録し、ステップS627にて、その旨の通報を行なう。
【0057】
許容範囲内である場合(Yes)には、録画設定テーブルT1に従い、ステップS617にて、カメラchごとに最新録画日時を取得し、ステップS618にて、カメラチャネルごとの最新録画日時と現在時刻との差が許容範囲かを判定する。
【0058】
ステップS618の判定結果、許容範囲でない場合(No)は、ステップS619にて、DVRの録画異常として記憶装置1514に記録し、ステップS627にて、その旨の通報を行なう。
【0059】
許容範囲である場合(Yes)は、ステップS620にて、録画正常として、記憶装置1514に記録する。
【0060】
次に、ステップS621にて、録画設定テーブルT1に従い、カメラチャネルごとに最新録画データサイズを取得し、ステップS622にて、カメラチャネルごとの単位時間のデータサイズが許容範囲かを判定する。
【0061】
ステップS622の判定結果、許容範囲でない場合(No)は、ステップS623にて、撮影データ異常またはカメラ異常として、記憶装置1514に記録し、ステップS627にて、その旨の通報を行なう。
【0062】
許容範囲である場合(Yes)は、ステップS624にて、撮影データ正常およびカメラ正常として、記憶装置1514に記録する。
【0063】
しかるのち、ステップS625にて、次回の確認日時をセットし、ステップS626を経由してステップS600に戻る。
【0064】
上述した実施例によれば、多数のDVR等を接続したシステムにおける映像監視システムにおいて有効である。
ファームウェアにて動作し、内部情報を保持するとともに、この情報を送信できる全ての装置/機器の内部機能が正常に動作しているか否かの稼動監視確認が可能である。
【0065】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサ(制御部)がそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Draive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0066】
100 映像監視システム
110、120 複数の監視カメラ群
130、140 複数のカメラ映像記憶装置(DVR)
150 監視装置
151 監視カメラ映像記録装置の健常性確認装置(健常性確認モジュール)
160 警告表示灯
170 ネットワーク
180 時刻配信装置(タイムサーバ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6