特許第6290643号(P6290643)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290643
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】硬貨収納箱
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   G07D9/00 410Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-21849(P2014-21849)
(22)【出願日】2014年2月7日
(65)【公開番号】特開2015-148974(P2015-148974A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2017年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勇太
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−202131(JP,A)
【文献】 特開2002−140749(JP,A)
【文献】 特開平11−025309(JP,A)
【文献】 実開昭60−071983(JP,U)
【文献】 米国特許第05724415(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面を開口し、開口面から落下する硬貨を収納する収納部と、
両端が前記収納部の側面内部に、前記収納部の開口面近傍の高さ位置で、落下する硬貨が衝突する位置を通るように固定された棒状の部材から成る第1の把持部と、
前記第1の把持部と同じ開口面近傍の高さ位置で、落下する硬貨が衝突する位置を通るように固定される棒状の部材から成る第2の把持部と
を含む硬貨収納箱。
【請求項2】
前記第1の把持部および前記第2の把持部の少なくとも一方が、半円柱と三角柱を一体化した構造をとり、三角柱の稜が硬貨の落下方向と相対する方向を向く棒状の部材もしくは円柱部材から成る請求項に記載の硬貨収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、落下する硬貨を収納する硬貨収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
硬貨を使用するサービス提供機器において、硬貨投入口から投入された硬貨は、金額識別ユニットを通過(落下)し、収納箱へ保管する(落とす)機構が一般的である。
【0003】
落下する硬貨を収納する硬貨収納箱において、落下地点に部材を設け、落下する硬貨を拡散させる硬貨収納箱が知られている。この硬貨収納箱は、図5の硬貨収納箱内部の硬貨収納時の概略図に示すように、硬貨の落下点近傍とその周辺部とで不均一に硬貨が積みあがることで、収納箱の開口部近傍に設けられ、収納箱の硬貨収納の満量を検知する硬貨満量センサが誤反応することを防止する。
【0004】
落下する硬貨を拡散させる硬貨収納箱の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された硬貨収納箱は、図6の硬貨収納箱内部の硬貨収納時の概略図に示すように、落下してくる硬貨の場所に合わせて、硬貨収納箱内の両側面壁に水平に固定された円筒状のシャフトを設ける。実線矢印のように落下する硬貨は、シャフトに衝突し、破線矢印のように拡散され硬貨収納箱に収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−202131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術は、硬貨収納箱の内部にシャフトが設けられる。また、図面を参照すると、落下する硬貨を受け入れる硬貨受入口は硬貨収納箱の天面の一部のみである。このことから、作業者が硬貨収納箱の内部のシャフトを把持することは不可能である。また、通常、硬貨収納箱の天面は、硬貨収納容量の増加や軽量化のため薄く設計され、作業者による貨幣投入口に手を入れた把持を想定して設計されない。したがって、特許文献1に記載された技術は、作業者が硬貨収納箱を扱う把持手段をシャフトとは別に形成することが必要という問題点がある。
【0007】
本発明の目的の一例は、上述した問題点を解決できる硬貨収納箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態における硬貨収納箱は、天面を開口し、開口面から落下する硬貨を収納する収納部と、両端が前記収納部の側面内部に、前記収納部の開口面近傍の高さ位置で、落下する硬貨が衝突する位置を通るように固定された棒状の部材から成る把持部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、硬貨収納箱の脱着や運搬に使用する把持部を用いて硬貨を拡散し、均一に硬貨を堆積させ収納することが可能という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の第1の実施形態における硬貨収納箱100の構成を示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施の形態における硬貨収納箱100内部の硬貨収納時の透視図である。
図3図3は、第1の実施の形態の変形例に係る硬貨収納箱110の構成を示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施の形態の把持部102または第1の実施形態の変形例の把持部112の断面の形状の一例を示す断面図である。
図5図5は、背景技術における硬貨収納箱内部の硬貨収納時の透視図である。
図6図6は、特許文献1に記載された技術における硬貨収納箱内部の硬貨収納時の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における硬貨収納箱100の構成を示す斜視図である。図1を参照すると、硬貨収納箱100は、収納部101と把持部102と、を備える。
【0013】
次に、第1の実施の形態における硬貨収納箱100の構成について説明する。
【0014】
収納部101は、天面を開口した六面体の形状をとり、開口面(開口の天面位置での空間面)から落下する硬貨を収納する。
【0015】
把持部102は、円柱部材から成り、円柱部材の両端が収納部101の向かい合う2つの側面内部に、開口面近傍の高さ位置で固定される。また、円柱部材の固定位置は、開口面から落下する硬貨が円柱部材に衝突する位置を通るように決定される。また、収納部101の天面が開口し、収納部101の開口面近傍の高さ位置に把持部102が固定されているため、硬貨収納箱100を扱う作業者は、把持部102を掴んでの硬貨収納箱100の脱着や運搬が可能である。
【0016】
なお、図1では、収納部101に把持部102を接合するため、収納部101は、両側面の把持部102と接する部分をコの字型に切り抜き、四角形の貫通穴を形成している。また、切り抜かれた部分の鉛直上方の辺が折り目として残り、その折り目で把持部102と接する部分が収納部101の内側に屈曲される。把持部102は、収納部101の屈曲された部分と、螺子を用いて固定される。
【0017】
ただし、本発明において、収納部101に把持部102を接合する構造は、上記の構成に限定するものではない。また、図1には溶接しろや溶接痕が収納部101側面内部に、板金端部を折り込んだ縁の部分が開口面近傍に図示されているが、収納部101の側面の構成は、図示のものに限定するものではない。
【0018】
図2は、本発明の第1の実施の形態における硬貨収納箱100内部の硬貨収納時の透視図である。図2は把持部102の一方の端部が固定される収納部101の面を正面とする。すなわち、把持部102は、図2の表面から裏面に貫く軸に沿った向きで固定されている。図2を参照すると、硬貨収納箱100は、実線矢印のように落下する硬貨が把持部102に衝突する。衝突時の硬貨の傾きや、硬貨と把持部102との相対位置によって、破線矢印のように衝突した硬貨が拡散し、収納部101の底のランダムな位置に硬貨が落下し堆積する。また、硬貨と把持部102との相対位置によっては、硬貨が把持部102に衝突せずそのまま落下し堆積することがあってもよい。
【0019】
次に、本発明の第1の実施の形態の効果について説明する。
【0020】
上述した本実施形態における硬貨収納箱100は、硬貨収納箱100の脱着や運搬に使用する把持部102を用いて硬貨を拡散し、均一に硬貨を堆積させ収納することが可能である。
【0021】
その理由は、以下のような構成を含むからである。即ち、第1に収納部101の天面が開口し、収納部101の開口面近傍の高さ位置に把持部102が固定されているため、硬貨収納箱100を扱う作業者は、把持部102を掴んでの硬貨収納箱100の脱着や運搬が可能である。第2に、把持部102は、円柱部材で構成される円柱状把持部であり、その両端が収納部101の向かい合う2つの側面内部に、落下する硬貨が円柱把持部に衝突する位置を通るように固定される。これにより、落下する硬貨が把持部102に衝突する。衝突時の硬貨の傾きや、硬貨と把持部102との相対位置によって、衝突した硬貨が拡散し、収納部101の底のランダムな位置に硬貨が落下し堆積するので、硬貨収納箱100は、硬貨収納箱100の脱着や運搬に使用する把持部102を用いて硬貨を拡散し、均一に硬貨を堆積させ収納することが可能という効果が得られる。
【0022】
[変形例]
次に、本発明の第1の実施形態の変形例について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0023】
図3は、本発明の第1の実施形態の変形例に係る硬貨収納箱110の構成を示す概略図である。
【0024】
図3を参照すると、本変形例における硬貨収納箱110は、第1の実施形態のそれと比べて、把持部102の代わりに把持部112を備える。
【0025】
把持部112は、収納部101の把持部102が固定されていないもう一組の向かい合う2つの側面内部に、把持部102と同じく開口面近傍の高さ位置で、落下する硬貨が把持部に衝突する位置を通るように固定される円柱部材が、第1の実施の形態における把持部102と一体化したものである。具体的に、把持部112の形状は収納部101の天面から見て十字状となり、十字の交点は、落下する硬貨が円柱部材に衝突する位置と合致する。
【0026】
上記の硬貨収納箱110も、第1の実施形態の硬貨収納箱100と同様、硬貨収納箱110の脱着や運搬に使用する把持部112を用いて硬貨を拡散し、均一に硬貨を堆積させ収納することが可能という効果が得られる。
【0027】
また、本発明の第1の実施形態の把持部102および第1の実施形態の変形例の把持部112の両方または一方を、円柱部材ではなく、他の形状の棒状部材であればよい。例えば把持部102は、半円柱と三角柱を一体化した構造をとり、三角柱の稜が硬貨の落下方向と相対する方向を向く棒状の物体(図4に断面の形状を示す)から為ってもよく、この場合も本発明の第1の実施形態と同じ効果が得られる。
【0028】
また、収納部101の形状は、天面が開口した直方体に限定されない。たとえば、収納部101は、円筒状部材で構成されてもよい。
【0029】
以上、各実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0030】
100、110 硬貨収納箱
101 収納部
102、112 把持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6