(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上面部は円形状であって、前記制御部は前記静電容量センサの最外周に位置する容量検出部の静電容量の合計値から前記側壁部への接触の有無の検知を行うことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下に第1実施形態における入力装置100について説明する。
【0020】
まず始めに本実施形態における入力装置100の部品構成について
図1から
図4を用いて説明する。
図1は入力装置100の形状を示す図である。
図2は入力装置100の構成部品を示す分解斜視図である。
図3は入力装置100の構造を示す図で、
図1に示すA−A断面を示す断面図である。
図4は操作ノブ1の導電性材料部1cと静電容量センサ2の容量検出部2aとの位置関係を表した平面模式図である。
【0021】
入力装置100は、
図1に示すように、操作ノブ1と、回転支持部20と、が組み合わされることによって形作られる外観形状を有している。また、入力装置100は
図2に示すように、操作ノブ1と、回転支持部20と、の間に固定支持部10を有している。
【0022】
操作ノブ1は合成樹脂からなり、
図1及び
図2に示すように、円形状の上面部1aの外周に形成された筒状の側壁部1bを有している。側壁部1bの表面には、操作ノブ1の外周を一周するように、クロムやアルミ等によるメッキが施されて導電性材料部1cが設けられ、内面には回転支持部20と組み合わせるための図示しない溝部が形成されている。
【0023】
固定支持部10は
図2に示すように、筒状部11と、静電容量センサ2と、上側支持部12と、第1基板13と、第2基板14と、底面部15と、を有している。
【0024】
筒状部11は合成樹脂からなり、
図2に示すように円筒形状に形成され、底面部15を組み合わせるため勘合孔11aが複数の個所に設けられている。
【0025】
静電容量センサ2は、
図2に示す略円形状の基材の表面に
図4に示すように複数の容量検出部2aが格子状に配置されており、容量検出部2aに接続された配線が接続部2bに配置され、第1基板13と接続可能に構成されている。なお、本実施形態の静電容量センサ2は
図4に示すように、X1‐X2方向に最大で12個、Y1‐Y2方向に最大で12個が格子状に配置されているものとする。
【0026】
上側支持部12は合成樹脂からなり、
図2に示すように環状に形成され、その外周の下面側(
図2に示すZ2側)には第1基板13を位置決めして固定するための第1のガイド部12aが設けられている。
【0027】
第1基板13は、ガラスエポキシなどの樹脂性の基材に銅などの金属箔で配線が形成され、
図2に示すように略円形状の外形を有している。第1基板13の外周部には、上側支持部12の第1のガイド部12aに対応する位置に、第1のガイド部12aにガイドされる第1基板切欠き部13aが形成されている。また、第1基板13には静電容量センサ2を動作させるために必要な容量計測部3や制御部4等を構成する電気部品や、第2基板14と接続するためのコネクタ等が実装されている。
【0028】
第2基板14は、ガラスエポキシなどの樹脂性の基材に銅などの金属箔で配線が形成され、
図2に示すように略円形状で、底面部15にガイドされる第2基板切欠き部14aが形成されている。また、第2基板14には操作ノブ1の回転検出のための電気部品や、第1基板13と接続するためのコネクタ等が配置される。
【0029】
底面部15は合成樹脂からなり、
図2に示すように略円形状で、その上面側(
図2に示すZ1側)には上側支持部12の第1のガイド部12aと第2基板14を位置決めして固定するための第2のガイド部15aが設けられている。また、第2のガイド部15aには、筒状部11に設けられた勘合孔11aに勘合する爪状部15bが形成されている。
【0030】
回転支持部20は合成樹脂からなり、
図2に示すように円筒形状の基部20aの上面側(
図2に示すY1側)の端部に鍔状部20bを有しており、鍔状部20bには操作ノブ1
の溝部と勘合する突起部20cが形成されている。
【0031】
次に入力装置100の構造について
図2ないし
図4を用いて説明する。
【0032】
固定支持部10は
図2及び
図3に示すように、筒状部11の内部で、上側支持部12の上面側(
図2、
図3に示すZ1側)に静電容量センサ2が図示しない接着材で固定されている。上側支持部12の下面側(
図2、
図3に示すZ2側)の第1のガイド部12aは第1基板13の第1基板切欠き部13aをガイドして支持している。第1基板13には、静電容量センサ2の接続部2bが接続されている。また、底面部15の上面側(
図2、
図3に示すZ1側)の第2のガイド部15aは、上側支持部12の第1のガイド部12aと第2基板14の第2基板切欠き部14aとをガイドして支持している。第1基板13と第2基板14とはコネクタによって接続されている。底面部15の第2のガイド部15aに設けられた爪状部15bが筒状部11の内側から勘合孔11aに勘合することで、筒状部11と、静電容量センサ2と、上側支持部12と、第1基板13と、第2基板14と、底面部15と、が一体的に組み合わされている。
【0033】
固定支持部10は、静電容量センサ2が配置されている上面側(
図2に示すZ1側)を、操作ノブ1の上面部1aの裏面と対向させるように、操作ノブ1の内部に配置されている。回転支持部20が、その鍔状部20bに形成された突起部20cを操作ノブ1に設けられている溝部と勘合させることで、固定支持部10に対して操作ノブ1と一体的に、上面部1aの略中心を回転軸として回転可能な状態で、固定支持部10を支持している。従って、操作ノブ1は静電容量センサ2に対して相対的に回転が可能なように支持されることとなる。このように組み合わせたとき、操作ノブ1に設けられた導電性材料部1cと静電容量センサ2の容量検出部2aとの位置関係を
図4に示す。
【0034】
次に入力装置100の電気的な構成について
図5を用いて説明する。
図5は本実施形態の入力装置100のブロック図である。
【0035】
入力装置100は
図5に示すように、操作ノブ1に設けられた導電性材料部1cと、静電容量センサ2と、容量計測部3と、制御部4と、を備えている。導電性材料部1cは、操作ノブ1の外周に設けられており、静電容量センサ2の近くに位置するため静電容量センサ2の外周部に位置する容量検出部2aと容量結合している。静電容量センサ2は容量計測部3に接続されており、容量計測部3は制御部4に接続されている。制御部4は、外部機器50に対して制御信号を出力する。
【0036】
静電容量センサ2は、操作者の手指等の操作体が入力操作面である操作ノブ1の上面部1aに対して接近または接触する近接操作によって入力操作が行われる。静電容量センサ2は、その表面に沿って複数の容量検出部2aが設けられている。
【0037】
容量検出部2aは静電容量を有しており、操作者が入力操作を行うために入力操作面である操作ノブ1の上面部1aに接触すると、接触された位置及びその近傍にある容量検出部2aの静電容量が変化する。
【0038】
また、操作ノブ1に設けられた導電性材料部1cと静電容量センサ2とが容量結合しているため、操作者が操作ノブ1を手で掴んだ場合には、導電性材料部1cの近くとなる、静電容量センサ2の外周に位置する容量検出部2aの静電容量が変化する。
【0039】
容量計測部3は複数の容量検出部2aごとの静電容量を計測し、計測した静電容量をアナログ信号からデジタル信号へ変換するAnalog‐to‐Digital変換(以下、AD変換と記す)を行う。また、容量計測部3は、AD変換によってデジタル信号に変換された静電容量のデータを計測信号ADとして制御部4へ出力する。
【0040】
制御部4は容量計測部3を制御し、複数の容量検出部2aごとの計測信号ADの値を容量検出部2aの座標情報と関連付けて取得する。また制御部4は、容量計測部3から座標情報と関連付けて取得した計測信号ADの値を用いて演算し、ベース値を更新すると共に、ベース値を更新すると共に、検知した結果に基づいて外部機器50に対して制御信号を出力する。また、制御部4にはタイマ機能やメモリ(図示せず)が備えられ、タイマ機能による制御間隔の管理や、取得した計測信号ADの値や計測信号ADの値を演算した結果を記憶することなどを行うことができる。
【0041】
次に第1実施形態における入力装置100の動作について
図6を用いて説明する。
図6は第1実施形態に係る入力装置100の動作概要を示すフローチャートである。
図6のフローチャートで示された処理手順は、制御部4に内蔵されているタイマ機能などによって定期的に繰り返して行われる。また、制御部4に含まれるメモリには、計測信号ADを記憶する計測信号記憶領域が設定されているものとして説明を進める。
【0042】
まず制御部4は手順S1で、容量計測部3を制御して静電容量センサ2の複数の容量検出部2aごとの計測信号ADの値を取得し、容量検出部2aの座標情報に対応させて、制御部4に含まれるメモリに計測信号記憶領域を設定して記憶する。記憶した容量検出部2aごとの計測信号ADの値と、所定の閾値と、の比較を行い、計測信号ADの値が所定の閾値を越えたか否かを判別する。計測信号ADの値が、所定の閾値を越えた場合には操作あり、越えなかった場合には操作無しとして操作ノブ1の上面部1aへの操作の有無を検知し、検知した結果と容量検出部2aの座標情報に対応した制御信号を出力する。
【0043】
次に、手順S2で制御部4は、手順S1で記憶した容量検出部2aごとの計測信号ADの値のうち外周に位置する容量検出部2aの計測信号ADの値と、所定の閾値と、の比較を行い、計測信号ADの値が所定の閾値を越えたか否かを判別する。計測信号ADの値が、所定の閾値を越えた場合には操作あり、越えなかった場合には操作無しとして操作ノブ1の側壁部1bへの接触の有無を検知し、検知した結果に対応した制御信号を出力する。
【0044】
次に、手順S3で制御部4は、手順S1での操作及び手順S2での接触の有無を判断した結果に基づいてベース値を更新する。更新したベース値は、制御部4に含まれるメモリに雑音情報の記録領域とベース値の記憶領域を設定して記憶する。更新したベース値は、制御部4に含まれるメモリにベース値の記憶領域を設定して記憶する。
【0045】
次に、
図6のフローチャートに示した手順S1から手順S3の処理について
図7から
図10を用いて詳細に説明する。
図7は、
図6に示したフローチャートの手順S1の詳細な処理手順を示したフローチャートである。
図8は、
図6に示したフローチャートの手順S2の詳細な処理手順を示したフローチャートである。
図9は、
図6に示したフローチャートの手順S3の詳細な処理手順を示したフローチャートである。
図10は、容量検出部2aを計測した静電容量の計測値に関する説明図である。
図10(a)は操作ノブ1の側壁部1bへ操作者が接触していない場合の計測信号ADの値を示しており、
図10(b)は操作ノブ1の側壁部1bへ操作者が接触した場合の計測信号ADの値を示している。
【0046】
まず、
図6に示したフローチャートの手順S1の詳細な動作について
図7及び
図10を用いて説明する。
【0047】
制御部4は、
図7のフローチャートで示された手順S1_1で、容量計測部3を制御し、容量検出部2aの計測信号ADの値を容量計測部3から取得する。
【0048】
手順S1_2で制御部4は、手順S1_1で取得した計測信号ADの値を容量検出部2aの座標情報に対応させて、制御部4に含まれるメモリの計測信号記憶領域に、
図10(a)または
図10(b)に示すように記憶(SAVE)する。それぞれの容量検出部2aの計測信号ADの値の取得と記憶を完了して手順S1_3へ移行する。なお、
図10(a)及び
図10(b)のX1−X2方向が1でY1−Y2方向が1,2,11,12の箇所、X1−X2方向が2でY1−Y2方向が1,12の箇所、X1−X2方向が11でY1−Y2方向が1,12の箇所、X1−X2方向が12でY1−Y2方向が1,2,11,12の箇所は容量検出部2aがないため、強制的に”0”が入力される。
【0049】
手順S1_3で制御部4は、計測信号記憶領域から計測信号ADの値を読み出し、手順S1_4へ移行する。
【0050】
手順S1_4で制御部4は、手順S1_3で読み出した計測信号ADの値と、制御部4に記憶されている操作判定閾値(T_ON)とを比較する。比較した結果、計測信号ADの値が操作判定閾値(T_ON)より大きい、即ち入力操作されていると判断された場合には、手順S1_5に移行する。また比較した結果、計測信号ADの値が操作判定閾値(T_ON)以下、即ち入力操作されていないと判断された場合には手順S1_7に移行する。
【0051】
手順S1_5で制御部4は、手順S1_4で操作による接触有と判断されたので、検知座標記憶領域に記憶されている近接操作の位置検知を示す座標情報に対応した制御信号を出力して手順S1_6へ移行する。
【0052】
手順S1_6で制御部4は、操作ノブ1の上面部1aへの操作が有無を示す操作フラグに操作があったことを表す”1”を書き込み、制御部4に含まれるメモリに記憶して手順S1の動作を終了する。
【0053】
手順S1_7で制御部4は、無入力に対応した制御信号を出力し、手順S1_8に移行する。
【0054】
手順S1_8で制御部4は、操作ノブ1の上面部1aへの操作が有無を示す操作フラグに操作がなかったことを表す”0”を書き込み、制御部4に含まれるメモリに記憶して手順S1の動作を終了する。
【0055】
次に、
図6に示したフローチャートの手順S2の詳細な動作について
図8及び
図10を用いて説明する。
【0056】
制御部4は、
図8のフローチャートで示された手順S2_1で、計測信号記憶領域から計測信号ADの値を読み出し、手順S2_2へ移行する。
【0057】
制御部4は手順S2_2で、手順S2_1で読み出した計測信号ADの値のうち、静電容量センサ2の最外周の位置に対応する座標情報の容量検出部2aの計測信号ADの値の合計SADを算出し、手順S2_3に移行する。ここで算出された計測信号ADの値の合計SADの値は、静電容量センサ2の最外周に位置する容量検出部2aの静電容量の合計値となる。
図10(a)に示す計測信号ADの場合にはSADの値は2084となり、
図10(b)に示す計測信号ADの場合にはSADの値は5829となる。
【0058】
手順S2_3で制御部4は、手順S2_2で算出した静電容量センサ2の最外周の位置に対応する座標情報の容量検出部2aの計測信号ADの値の合計SADの値と、制御部4に記憶されている接触判定閾値(S_ON)とを比較する。比較した結果、計測信号ADの値の合計SADの値が操作判定閾値(S_ON)より大きい、即ち側壁部1bへの接触があると判断された場合には、手順S2_4に移行する。また比較した結果、計測信号ADの値の合計SADの値が接触判定閾値(S_ON)以下、即ち側壁部1bへの接触がないと判断された場合には手順S2_6に移行する。本実施形態の場合、接触判定閾値が2400から5500程度の間になるよう設定することで、操作ノブ1の側壁部1bへの接触有無を正しく検知することが可能となる。
【0059】
手順S2_4で制御部4は、手順S2_3で側壁部1bへの接触有と判断されたので、接触を検知したことに対応した制御信号を出力して手順S2_5へ移行する。
【0060】
手順S2_5で制御部4は、操作ノブ1の側壁部1bへの接触有無を示す接触フラグに接触があったことを表す”1”を書き込み、制御部4に含まれるメモリに記憶して手順S2の動作を終了する。
【0061】
手順S2_6で制御部4は、手順S2_3で側壁部1bへの接触無と判断されたので、接触を検知していないことに対応した制御信号を出力して手順S2_7へ移行する。
【0062】
手順S2_7で制御部4は、操作ノブ1の側壁部1bへの接触有無を示す接触フラグに接触がなかったことを表す”0”を書き込み、制御部4に含まれるメモリに記憶して手順S2の動作を終了する。
【0063】
次に、
図6に示したフローチャートの手順S3の詳細な動作について
図9を用いて説明する。
【0064】
制御部4は、
図9のフローチャートで示された手順S3_1で、操作ノブ1の上面部1aへの操作が有無を示す操作フラグを調べる。調べた結果、操作フラグが”0”、即ち上面部1aへの操作がなかったと判断された場合には手順S3_2に移行し、操作フラグが”1”、即ち上面部1aへの操作があったと判断された場合には手順S3の動作を終了する。
【0065】
手順S3_2で制御部4は、操作ノブ1の側壁部1bへの接触有無を示す接触フラグを調べる。調べた結果、接触フラグが”0”、即ち側壁部1bへの接触がなかったと判断された場合には手順S3_3に移行し、操作フラグが”1”、即ち側壁部1bへの接触があったと判断された場合には手順S3の動作を終了する。
【0066】
手順S3_3で制御部4は、次の式(1)の計算式による加重平均演算を行い、新たな基準値となる更新ベース値(N_BASE)を求める。なお、更新される前のベース値は従来のベース値と記述する。また加重平均の重みNは、あらかじめ制御部4に含まれるメモリに値が記憶されているものとする。
【0067】
(数1)
更新ベース値={(n−1)×(従来のベース値)+新規計測信号値}/n・・・式(1)
但し、nは重みを示す自然数とする。
【0068】
手順S3_4で制御部4は、手順S3_3で計算した更新ベース値(N_BASE)を新たな基準値であるベース値(BASE)として記憶し、手順S3_5に移行する。
【0069】
手順S3_5で制御部4は、手順S3_4で記憶したベース値(BASE)に対して、静電容量センサ2の最外周の位置に対応する座標情報の容量検出部2aの数との(本実施例では36)積を求める。求めた値は接触判定閾値(S_ON)を求める際の積算ベース値(SBASE)として記憶し手順S_6へ移行する。
【0070】
手順S3_6では、手順S3_4で記憶したベース値(BASE)に対し一定の値(本実施例では256)を加算した値を求め、操作判定閾値(T_ON)として制御部4に含まれるメモリの操作判定閾値記憶領域に記憶し、手順S3_6へ移行する。
【0071】
手順S3_7で制御部4は、手順S3_5で求めた積算ベース値(SBASE)に対し一定の値(本実施例では1000)を加算した値を求め、接触判定閾値(S_ON)として制御部4に含まれるメモリの接触判定閾値記憶領域に記憶し、
図5に示すフローチャートの手順S3の動作を終了する。
【0072】
以上のように、手順S3で制御部4は、操作ノブ1の上面部1aへの操作、または側壁部1bへの接触を検知した場合に、ベース値と操作判定閾値及び接触判定閾値の更新を停止するように動作する。
【0073】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0074】
本実施形態の入力装置100では、操作ノブ1と、容量検出部2aを有する静電容量センサ2と、容量計測部3と、制御部4と、を備えている。操作ノブ1の側壁部1bに、静電容量センサ2と容量結合する導電性材料部1cを設け、制御部4は、静電容量センサ2の複数の容量検出部2aのうち外周に位置する容量検出部2aの静電容量の変化から側壁部1bへの接触の有無を検知するよう構成した。
【0075】
これにより、操作ノブ1に設けた導電性材料部1cと容量計測部3とをハーネス等によって接続することなく、静電容量センサ2の外周に位置する容量検出部2aの静電容量の変化から操作ノブ1への接触の有無を検出することができる。従って簡易な構造で操作ノブへの接触の有無を検出することができる入力装置を提供することができる。
【0076】
また、本実施形態の入力装置100では、操作ノブ1の上面部1aは円形状であり、制御部4は静電容量センサ2の最外周に位置する容量検出部2aの静電容量の合計値から操作ノブ1の側壁部1bへの接触の有無の検知を行うよう構成した。
【0077】
これにより、静電容量センサ2の最外周に位置する容量検出部2aの静電容量の合計値を求めるので、操作ノブ1の側壁部1bへ接触が合った場合と、接触がなかった場合の容量の差が大きくなる。これにより操作ノブ1の側壁部1bへの接触の有無を行うので、を感度よく検出することができる。
【0078】
また、本実施形態の入力装置100では、操作ノブ1は、上面部1aの略中心を回転軸として回転可能に支持され、静電容量センサ2は、操作ノブ1が静電容量センサ2に対して相対的に回転が可能なように、保持されている構造とした。
【0079】
これにより、回転可能な操作ノブ1と、操作ノブ1の内側に回転しない静電容量センサ2と、備えるので、回転式の入力装置と組み合わせて使用することができる。この場合回転操作による入力と静電容量センサ2による近接及び接触入力と、操作ノブ1への接触による入力と、の3種類の入力操作に対応することができる。
【0080】
また、本実施形態の入力装置100では、制御部4は、操作ノブ1の側壁部1bへの接触を検知した場合にベース値の更新を停止するよう構成した。
【0081】
これにより、操作ノブ1の側壁部1bへの接触が検出されない際には、計測信号ADの値から加重平均で算出するベース値、積算ベース値、及び接触検出閾値が、温度などの環境変化で生じる容量検出部2aの静電容量の変化に追従できるように、ベース値及び積算ベース値の更新を行う。また、操作ノブ1の側壁部1bへの接触が検出された際には、ベース値、積算ベース値及び接触検出閾値が雑音に追従しないようにベース値の更新を停止する。このため、温度などの環境条件による静電容量の変動に対応して安定に側壁部1bへの接触を検出することができる。
【0082】
以上のように、本発明の実施形態に係る入力装置100を具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0083】
(1)本実施形態において、導電性材料部1cは側壁部1bの表面にメッキによって設ける例を示して説明を行ったが、側壁部1bの裏面に設けても良い。またメッキではなく
金属箔や金属板を用いて、操作ノブ1とは別部材として側壁部1bの外周または内周に嵌め込むように構成しても、操作ノブ1と一体成形で側壁部1bの内部に設けるように変形して実施しても良い。
【0084】
(2)本実施形態において、本実施形態において、制御部4で使用するデータについて具体的な数値を示して説明を行ったが、組込む機器や想定される使用状態に合わせ適宜値を変えて実施しても良く、固定の値で例示した数値も周囲温度や動作環境の変動等に応じて補正等を行うように変更して実施しても良い。
【0085】
(3)本実施形態において、積算ベース値はベース値に静電容量センサ2の最外周の位置に対応する座標情報の容量検出部2aの数を乗じて求める例を示して説明を行ったが、静電容量センサ2の最外周の位置に対応する座標情報の容量検出部2aごとにベース値を計算して合計して求めるように変形して実施しても良い。
【0086】
(4)本実施形態において、雑音除去処理や平滑化処理を行わない動作例で説明を行ったが、雑音除去処理や平滑化処理を行うように構成しても良い。