特許第6290710号(P6290710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290710
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】防水型筐体を備える湯沸しポット
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/21 20060101AFI20180226BHJP
【FI】
   A47J27/21 101D
   A47J27/21 101J
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-104372(P2014-104372)
(22)【出願日】2014年5月20日
(65)【公開番号】特開2014-226554(P2014-226554A)
(43)【公開日】2014年12月8日
【審査請求日】2017年2月28日
(31)【優先権主張番号】1354547
(32)【優先日】2013年5月21日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンジュリン クール
(72)【発明者】
【氏名】ファビエン ルシア
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ペイアン
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第01582123(EP,A2)
【文献】 特表2011−512978(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01314385(EP,A2)
【文献】 米国特許第05908570(US,A)
【文献】 特表2014−518122(JP,A)
【文献】 特開2001−112621(JP,A)
【文献】 特開2012−239823(JP,A)
【文献】 特開平08−316645(JP,A)
【文献】 特開平06−339429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック製本体(2)と、加熱プレート(16)と、内蔵制御装置(44)が収められた下部筐体(12)とを備える湯沸しポット(1)であって、
− 前記下部筐体(12)は上方に延びる外周内装壁(13)を備え、
− 前記本体(2)は下部(4b)を備え、
− 前記加熱プレートは下面(19a、20a、33)および外周折返し部(18)を備え、
− 前記外周折返し部(18)と前記下部(4b)の間に外部防水シール(36)が設けられた、湯沸しポット(1)において、
前記内装壁(13)と前記加熱プレート(16)の下面(19a、20a、33)の間には、前記筐体内に水が、とりわけ前記外部防水シール(36)の防水障害による漏れに由来する水が一切浸入しないように内部防水シール(24)が設けられること、および前記本体の前記下部(4b)は外周外装壁(4)を備え、前記外装壁(4)は、前記内装壁(13)との間に間隔(15、40)を保ちながら、少なくとも前記内装壁(13)の上部(13a)を受けるように構成され、前記間隔(15、40)は湯沸しポットの外部に連通することを特徴とする湯沸しポット(1)。
【請求項2】
前記加熱プレート(16)の前記外周折返し部(18)は、下向きに折り曲げられた外側縁(20)であって、一方では前記内装壁(13)と前記外側縁(20)の間、他方では前記外側縁(20)と前記外装壁(4)の間に間隔(22、23)を保ちながら、前記内装壁(13)と前記外装壁(4)の間に配置されるように構成された、外側縁(20)を具備することを特徴とする請求項1に記載の湯沸しポット(1)。
【請求項3】
前記外周折返し部(18)は、下向きに折り曲げられた内側縁(19)であって、前記内装壁(13)の前記上部(13a)を前記内側縁と前記外側縁(20)の間に収めることができるように構成された、内側縁(19)を具備しており、前記内部防水シール(24)は、前記内側縁と前記内装壁の前記上部の間にも防水性が確保されるように構成されることを特徴とする請求項2に記載の湯沸しポット(1)。
【請求項4】
前記内部防水シール(24)は、区分断面図において、
− 下方に延びる内側部(25)であって、前記内側縁(19)の周囲に隙間なく取り付けられるように構成された、内側部(25)と、
− 下方に延びる外側部(26)であって、前記内装壁(13)の前記上部(13a)の周囲に隙間なく取り付けられるように構成された内面(26a)と、前記外側縁(20)をその周囲に隙間なく取り付けるように構成された外面(26b)とを有する、外側部(26)と、
− 前記内側部と前記外側部の連結部(27)であって、その下面(27a)は前記内装壁の前記上部の上端(32)に支持されるように構成され、その上面(27b)は前記折返し部(18)の底部(33)に支持されるように構成された、連結部(27)と
を備えることを特徴とする請求項3に記載の湯沸しポット(1)。
【請求項5】
前記外側部(26)の前記外側面(26b)は少なくとも1つのリップ(30a、30b)を備え、前記外側縁(20)は、線条(31a、31b)を具備する内面(20a)を備えることを特徴とする請求項4に記載の湯沸しポット(1)。
【請求項6】
前記外周折返し部(18)の前記外側縁(20)はその下端に外側ショルダ(34)を備え、前記外装壁(4)は内側ショルダ(35)を備え、前記外部防水シール(36)は前記内側ショルダと前記外側ショルダの間に配設されることを特徴とする請求項から5のいずれか一項に記載の湯沸しポット(1)。
【請求項7】
前記下部筐体(12)の前記内装壁(13)は、下部(13b)と、前記下部(13b)と前記内装壁の前記上部(13a)の間に設けられた外周外側ショルダ(38)とを備え、前記外装壁(4)の前記内側ショルダ(35)と前記外側縁(20)の前記外側ショルダ(34)は、それらを組み立てる際に前記本体(2)の外周下端(39)と前記下部筐体(12)の前記外側ショルダ(38)の間に間隔(40)を保つように構成されることを特徴とする請求項6に記載の湯沸しポット(1)。
【請求項8】
前記本体(2)の前記下端(39)と、前記下部筐体(12)の前記内装壁(13)の前記上部および前記下部(13a、13b)の間の前記外側ショルダ(38)との間に固定手段(41)が設けられることを特徴とする請求項7に記載の湯沸しポット(1)。
【請求項9】
前記本体(2)はハンドル(3)を備え、前記ハンドルには外部制御装置(49)が設けられ、前記外部制御装置はコード(65)によって前記下部筐体(12)内の前記内蔵制御装置(44)に接続され、前記コード(65)と前記下部筐体(12)の間に防水手段が設けられることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の湯沸しポット(1)。
【請求項10】
前記防水手段は、前記下部筐体(12)に設けられたケーブルグランドによって形成されることを特徴とする請求項9に記載の湯沸しポット(1)。
【請求項11】
前記外部制御装置(49)が防水型の自立モジュールを形成することを特徴とする請求項9に記載の湯沸しポット(1)。
【請求項12】
オス型コネクタを具備した分離型電源ベース(63)が備えられ、前記下部筐体(12)は前記オス型コネクタを受けるように構成されたメス型コネクタ(46)を具備した底部(14)を備え、前記メス型コネクタは前記下部筐体の防水性を確保するように構成されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の湯沸しポット(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は湯沸しポットに関し、頻繁に使用する状況にあって、器具の良好な機能を損なうことなく、使用後に毎回全体を洗うことができるように湯沸しポットの防水性を改善することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
当業者には周知の様々な設計の防水型湯沸しポットがあり、その中には、特に特許文献1に記載されているものがある。特許文献1による湯沸しポットは、本体と、加熱プレートと、制御装置が収められた下部筐体とを備えており、本体、加熱プレート、下部筐体の間には防水手段が施されている。特許文献1に記載された湯沸しポットや、一般に従来技術の防水型湯沸しポットにおける大きな欠点の1つは、防水手段に障害があると、とりわけ頻繁な使用の際に水が下部筐体内に浸入して制御装置が損傷し、短絡を生じて完全に破壊される可能性もあるというところにある。さらに、その場合、ユーザは、防水手段の交換だけで済んでいたはずのところを、制御装置全体、ときには湯沸しポットそのものを交換しなければならなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/109762号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、従来技術の湯沸しポットにおけるこの大きな欠点に対処することを目的とする。そのために、本発明は、周知のように、プラスチック製の本体と、加熱プレートと、加熱プレートの内蔵制御装置が収められた下部筐体とを備える湯沸しポットに関する。下部筐体は、上方に延びる、好ましくは円形の、外周内装壁を備える。本体は下部を備える。加熱プレートは下面および外周折返し部を備える。前記外周折返し部と前記下部の間には外側防水シールが設けられる。本発明によれば、前記内装壁と前記加熱プレートの前記下面の間には、筐体内に水が、とりわけ外部防水シールの防水障害による漏れに由来する水が一切浸入しないように内部防水シールが設けられる。
【0005】
本発明の対象である湯沸しポットの一設計によれば、前記本体の前記下部は外周外装壁を備え、前記外装壁は、前記内装壁との間に間隔を保ちながら、少なくとも前記内装壁の上部を受けるように構成され、前記間隔は湯沸しポットの外部に連通している。
【0006】
本発明の対象である湯沸しポットの一設計によれば、前記加熱プレートは、下向きに折り曲げられた外側縁であって、一方では前記内装壁と前記外側縁の間、他方では前記外側縁と前記外装壁の間に間隔を保ちながら、前記内装壁と前記外装壁の間に配置されるように構成された外側縁を具備する外周折返し部を備える。前記内部防水シールは前記内装壁と前記外側縁の間に設けられ、前記外部防水シールは前記外側縁と前記外装壁の間に設けられる。
【0007】
そのため、湯沸しポットの前記本体が水で満たされているとき、前記外部防水シールは、水が前記本体の前記外装壁と前記加熱プレートの前記折返し部の前記外側縁の間から漏れるのを防ぐ。同様に、前記内部防水シールは、湯沸しポットを水でクリーニングする際に、水が前記下部筐体の前記内装壁と前記加熱プレートの前記折返し部の前記外側縁の間に入り込むのを防ぐ。そのほか、頻繁なクリーニング、好ましくは使用のたびにクリーニングを行う場合、前記外部防水シールに対しては、湯沸しポットの前記本体内部の払拭時に前記内部防水シール以上のものが求められる。そのため、前記外部防水シールは前記内部防水シールよりも急速に傷む可能性がある。前記外部防水シールに障害があると、水は前記本体の前記外装壁と前記加熱プレートの前記折返し部の前記外側縁の間を通って湯沸しポットの外部に直接出ていく。それにより、電気的なすべてのリスクを防ぐために、前記内部防水シールにも障害がある場合に前記下部筐体内に水が入り込む危険を防ぐことができる一方、前記外部防水シールに偶発的に生じた漏れに気づいて交換を行うことがそれによって可能となる。
【0008】
本発明の対象である湯沸しポットの一設計によれば、前記外周折返し部は、下向きに折り曲げられた内側縁であって、前記内装壁の前記上部を前記内側縁と前記外側縁の間に収めることができるように構成された内側縁をさらに備える。さらに、前記内部防水シールは、前記内側縁と前記内装壁の前記上部の間にも防水性が確保されるように構成される。それによって、前記加熱プレートと前記下部筐体の間の防水性、および前記下部筐体に対して組み立てられた前記加熱プレートの保持が強化される。それはまた、前記シールを所定の位置に保持することを可能にするものでもある。
【0009】
一実施形態では、湯沸しポットのこの設計によれば、前記内部防水シールは、区分断面図において、
− 下方に延びる内側部であって、前記内側縁の周囲に隙間なく取り付けられるように構成された内側部と、
− 下方に延びる外側部であって、前記内装壁の前記上部の周囲に隙間なく取り付けられるように構成された内面と、前記外側縁をその周囲に隙間なく取り付けるように構成された外面とを有する外側部と、
− 前記内側部と前記外側部の連結部であって、その下面は前記内装壁の前記上部の上端に支持されるように構成され、その上面は前記折返し部の底部に支持されるように構成された連結部と
を備える。
【0010】
前記内部防水シールの好ましい一実施例では、前記外側部の前記外側面は少なくとも1つのリップを備える。さらに、前記折返し部の前記外側縁は、線条を有する内面を備える。それにより、前記加熱プレートと前記下部筐体の間の組立ておよび防水性が強化される。
【0011】
本発明の対象である湯沸しポットの一設計によれば、前記外周折返し部の前記外側縁はその下端に外側ショルダを備え、前記外装壁は内側ショルダを備える。また、前記外部防水シールは前記内側ショルダと前記外側ショルダの間に配設される。それにより、前記本体と前記加熱プレートの間の防水性が得られ、前記加熱プレートに対する前記本体の位置の係止が果たされる。
【0012】
湯沸しポットのこの設計によれば、前記下部筐体の前記内装壁は下部を備え、前記下部と前記内装壁の前記上部の間に外周外側ショルダが設けられる。また、前記本体の前記外装壁の前記内側ショルダと前記外側縁の前記外側ショルダは、それぞれを組み立てる際に前記本体の前記外周下端と前記下部筐体の前記外側ショルダの間に間隔を保つように構成されており、それによって前記外部防水シールに障害が生じたときに水を排出することができる。
【0013】
湯沸しポットのこの設計によれば、前記本体の前記外装壁の前記下端と前記下部筐体の前記外側ショルダの間には固定手段が設けられる。それにより、前記本体、前記加熱プレートおよび前記下部筐体の全体を組み立てた状態で保持し、防水性を確保することができる。
【0014】
本発明の対象である湯沸しポットの実施例によれば、前記本体はハンドルを備え、外部制御装置は前記ハンドルに設けられる。その外部制御装置は、前記下部筐体内に配設された前記内蔵制御装置とコードによって接続される。また、前記コードと前記下部筐体の間には防水手段が設けられる。この設計は、前記下部筐体内に配設された前記内蔵制御装置との間のコードを介した防水接続によって前記下部筐体内への浸水を防ぎながら、湯沸しポットの操作を容易なものとする。
【0015】
湯沸しポットの一実現例によれば、前記防水手段は、前記下部筐体に設けられたケーブルグランドによって形成される。
【0016】
湯沸しポットの一実現例によれば、前記ハンドルの前記外部制御装置は防水型の自立モジュールを形成する。
【0017】
1つの好ましい設計によれば、前記ハンドルの前記外部制御装置は、
− コードが通り抜ける、前記ハンドルに収められた下部支持体と、
− 入切スイッチを備えるプリント回路板であって、前記下部支持体上に配置されたプリント回路板と、
− 前記プリント回路板と前記入切スイッチを覆うように構成されたエラストマシールであって、それぞれの形状に密着するとともに、前記下部支持体に載る平坦な外周輪郭が現れるようにしたエラストマシールと、
− 前記エラストマシールの輪郭を前記下部支持体との間で挟み込むことができる締付け部材と、
− 前記下部支持体に設けられた防水部品であって、前記プリント回路板につながれた前記コードが防水を施されて貫通できるように構成された防水部品と
を備える。
【0018】
湯沸しポットの一実現例によれば、前記防水部品はケーブルグランドである。
【0019】
湯沸しポットの一実現例によれば、前記ハンドルは、前記外部制御装置が配設される空洞を形成する内側である第1の部分を備える。前記ハンドルは、また、前記ハンドルに対して前記外部制御装置に被せる被覆である第2の部分を備える。
【0020】
湯沸しポットのこの実施例によれば、前記コードは前記ハンドルの内部を前記下部筐体まで延びる。それにより、前記下部筐体まで前記コードを通すために湯沸しポットの本体に空所を追加して設ける必要がなくなる。
【0021】
本発明の対象である湯沸しポットによれば、湯沸しポットは、オス型コネクタを具備した分離型電源ベースを備える。さらに、前記下部筐体は、前記オス型コネクタを受けるように構成されたメス型コネクタを具備した底部を備えており、前記メス型コネクタは前記下部筐体の防水性を確保するように構成されている。
【0022】
好ましい一設計によれば、前記オス型コネクタおよび前記メス型コネクタは円形である。それにより、前記底部に対して前記本体の360°の回転が確保され、前記本体の取扱いを容易にするとともに、前記底部に対してどのような位置関係であっても、湯沸しポットの前記本体を載せたり、取り上げたりすることができる。
【0023】
以下の説明は、本発明による湯沸しポットの好ましい実施形態を明らかにするものである。この説明は、以下のそれぞれの図面を拠り所として行う。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本体、加熱プレート、および下部筐体を特に示した湯沸しポットの断面図である。
図2】本体、加熱プレートおよび下部筐体の間の防水組立てを示した図1の部分断面図である。
図3】ハンドル内に組み込まれた外部制御装置の要素を示した湯沸しポットの分解図である。
図4図3に示した外部制御装置の要素の組立てを示した湯沸しポットのハンドルの部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1から3に示すように、湯沸しポット1は、きわめて低い熱伝導率が得られ、それにより、沸騰水が入った湯沸しポットの取扱い時にユーザが火傷するのを防ぐ、プラスチック材料製の本体2を備える。湯沸しポット1の取扱いを可能にするため、湯沸しポット1は本体2に固定されたハンドル3を備える。好ましくは、本体2およびハンドル3は成形によって単一部材として実現される。本体2は、好ましくは円形の、下方に延びる外周外装壁4を備える。外装壁4の上部4aは、本体2を傾けたときに沸騰水を注ぐことができる注ぎ口5を備える。この上部4aは、閉じ蓋7を受ける開口部6を備える。この蓋7は、蓋7を開口部6レベルで本体の上部4aに設置する際に蓋をラッチ留めすることができる開閉システム8を備える。この開閉システム8は、操作ボタン10を操作したときに引込み可能なツメ9a、9bを備えており、それらのツメ9a、9bは開口部6の外周11下方の位置に来る。
【0026】
図1および2に示すように、湯沸しポット1は、低い熱伝導率が得られるプラスチック材料製であることに関して同様の下部筐体12を備える。この下部筐体12は外周内装壁13と底部14とを備える。内装壁13は上方に延び、上部13aを備える。内装壁13は、本体2の外装壁4と似通った形状、ここでは円形をなす。内装壁13の直径は外装壁4の下部4bの直径よりも小さく、そのために、内装壁13と外装壁4の間に全周にわたって間隔15を保ちながら内装壁13の上部13aを外装壁4の下部4bの内側に挿入することができる。
【0027】
図1および2に示すように、湯沸しポット1は、熱伝導に非常に優れ、水を入れて沸騰させることができるチャンバ17の底をなす加熱プレート16をさらに備える。このチャンバ17の輪郭17aは、本体2の外装壁4の上部4aによって形成される。加熱プレート16は、内装壁13および外装壁4と似通った形状、ここでは円形の外周折返し部18を備える。この折返し部18は、いずれも下方に折り曲げられた円形の内側縁19および外側縁20であって、図2に詳細を示すようにそれぞれの間に内装壁13の上部13aを受けることを可能にする長さにわたって延びる内側縁19および外側縁20を備える。内側縁19の直径は、図2に示すように内側縁19と内装壁13の上部13aの間に第2の間隔21が維持されるように決定される。さらに、外側縁20の直径および厚さは、図2に示すように、内装壁13の上部13aと外装壁20の間に第3の間隔22が、外側縁20と外装壁4の下部4bの間に第4の間隔23がそれぞれ維持されるように決定される。
【0028】
図1および2に示すように、加熱プレート16の折返し部18と内装壁13の上部13aの間には内部防水シール24が設けられる。この内部防水シール24は円環状をなしており、内側部25、外側部26、および内側部25と外側部26の連結部27を備える。内側部25の内面25aの直径は、図2に示すように、折返し部18の内側縁19の外面19aの周りに隙間なくその取付けを行うことができるように決定される。さらに、内側部25の厚さは、内側部25の外面25bと内装壁13の上部13aの内面29aの間に第5の間隔28を維持することができるものである。
【0029】
図1および2に示すように、外側部26の内面26aの直径は、外側部26を内装壁13の上部13aの外面29bに隙間なく取り付けることができるように決定される。外側部26の外面26bは、折返し部18外縁20の内面20aに隙間なく取り付けられるようにするシールリップ30a、30bを備える。この外側縁20の内面20aは線条31a、31bを備える。
【0030】
図2に示すように、連結部27の下面27aは内装壁13の上部13aの上端32に押し付けられる。同様に、連結部の上面27bは折返し部18の底部33に押し付けられる。
【0031】
したがって、折返し部18のレベルに位置する加熱プレート16の下面部分は、下部筐体12の内装壁13の上部13aに対して、防水性が得られるようにはまり合い、組み立てられた状態に保たれる。
【0032】
図2に示すように、折返し部18の外側縁20は、加熱プレート16の外周に径方向に延びる外側ショルダ34をその下端に備える。さらに、本体2の外装壁4の上部4bは、その外側ショルダ34の上に配置されるように設けられた内側ショルダ35を備える。また、外部防水シール36はドーナツ形をしており、図2に示すように、外側縁20の外面20bの周りに隙間なく取付けを行うことができる直径の内面36aを有する。同様に、この防水シール36は、図2に示すように、内側ショルダ35の下に位置する外装壁4の下部4bの内面37に隙間なく取付けを行うことができる直径の外面36bを備える。この図2から見て取ることができるように、この外部防水シール36は、外側縁20の外側ショルダ34と壁4の内側ショルダ35の間の間接的なストッパの役割を果たすことができるものであり、それは、加熱プレート16に対する本体2の位置の係止、したがって下部筐体12に対する本体の位置の係止を果たすものである。
【0033】
図1に示すように、下部筐体12の内装壁13の上部13aと下部13bの間には外周外側ショルダ38が設けられる。その外側ショルダ38と内装壁13の上端32とを隔てる距離、および本体2の外装壁4の下端39と外装壁4の内側ショルダ35とを隔てる距離は、その内側ショルダ35が外部防水シール36を介して加熱プレート16の折返し部18の外側ショルダ34に対して衝止されるときに、本体2の下端39と下部筐体12の外側ショルダ38との間に第6の間隔が確保されるように決定される。この第6の間隔40は内装壁13と外装壁4の間の第1の間隔15と連続して設けられる。そのため、外部防水シール36に障害が生じたときは、水はチャンバ17から、第1の間隔15を通り、次いで第6の間隔40を通って湯沸しポット1の外へと直接排出される。
【0034】
図1および3に示すように、外装壁4の下端39は、本体2の周囲に均等に振り分けられた複数の穴41を備えており、そこに固定ねじ(図示せず)を通すことができる。さらに、内装壁13の下部13aは、穴41に対応して、下部筐体12の周囲に均等に振り分けられた複数のめねじ(図示せず)を外側ショルダ38のレベルに備える。これらのめねじにより、本体2を下部筐体12に組み立てた状態で保持するための固定ねじをねじ込むことができる。この固定により、加熱プレート16と下部筐体12の内装壁13の上部13aの間、および加熱プレート16と本体2の外装壁4の下部4bの間の組立ても果たされる。
【0035】
図1に示すように、本体2、下部筐体12および加熱プレート16が互いに組み立てられた状態では、下部筐体12は、加熱プレート16の下に固定された加熱抵抗器43、内蔵電気機械制御装置44および温度センサ45を収容することなどができる内部チャンバ42を画定する。下部筐体12は、下部筐体12の底部14に防水型となるように設けられたメス型電気コネクタ46を備える。この電気コネクタ46は内蔵電気機械制御装置44につながれており、メス型電気コネクタ46と相補形のオス型コネクタ64を備えるベースまたは基台63に対してその電気的結合を行うことができる。このベースは、コンセントを介して外部電源に電気的に接続されるように構成される。図1から見て取れるように、電気コネクタ46は円形であり、ベースの電気コネクタも同様である。それにより、360°どの向きであっても電源ベース上に本体2の結合を行うことができる。そのベースは図示していないが、当業者には周知のものである。
【0036】
図3および4に示すように、湯沸しポット1のハンドル3は、本体2に完全に組み込まれた第1の部分3aと、取外し可能な第2の部分3bとからなる。そのため、第2の部分3bは、そのハンドル3の第1の部分3aの中に掛止される固定脚47a、47bを備える。ハンドル3の第1の部分3aは、図3に示すような内部空洞48を備えており、そこにコード65(図3および4に示す)を収容し、通すことによって下部筐体12につなぐことができる。そこで、内装壁13はコード65の通過穴(図示せず)を備え、その通過穴のレベルにケーブルグランドが取り付けられて、防水が施された状態でコード65を内部チャンバ42内に導入できるようにする。
【0037】
図3および4に示すように、外部制御装置49はハンドル3の上部に設けられ、内蔵電気機械制御装置44の操作を行えるようになっている。この外部制御装置49は、ハンドル3の第1の部分3aの内部空洞48内に収容され、図3に示す固定ねじ51によってその空洞48内に固定される下部支持体50を備える。外部制御装置49は、オンオフスイッチ型の入切スイッチ53が組み込まれたプリント回路板52をさらに備える。このプリント回路板52は、図4に示すように、固定ねじ54によって下部支持体50の上面50aに固定される。コード65の上端は下部支持体50を通り抜け、プリント回路板52に接続される。そのため、下部支持体50には通過穴が設けられ、そこに図3および4に示すケーブルグランド55が取り付けられることによって、下部支持体50を貫いて防水を施されたコード65の通過が果たされる。図3および4に示すように、外部制御装置49は、フレキシブルボタン57を具備した中央部56aであって、プリント回路板52上の構成機器およびスイッチ53をそれぞれの形状に密着して覆うように構成された中央部56aを備えるエラストマ材料製の防水シール56を備える。フレキシブルボタン57は、その柔軟性により、ユーザがそれに対して圧力を、したがってスイッチ53の操作を加えたときに変形することができる。防水シール56は、プリント回路板52の輪郭52aの上に載る平坦な外周輪郭56bをさらに備える。外部制御装置49は、その中央部に、防水シール56の中央部56aを通すことができるように構成された開口部59を備える締付け部材58をさらに備える。この締付け部材58は、シール56の輪郭56bの上に支えを得るとともに、エラストマシール56の輪郭56bをプリント回路板52の輪郭52aと締付け部材58の輪郭58aの間に挟み込むことができる平坦な外周輪郭58aを備える。プリント回路板52の輪郭52aは支持部材50上面50aの上に載り、そのことは、シール56の輪郭56bが上面50aに対して間接的に押し付けられることを意味する。しかし、シール56の輪郭56bの支えを直接設けることもできるが、その場合には、シールは支持部材50と締付け部材58の間に挟み込まれる。締付け部材58は、固定ねじ60a、60bによって支持部材50に直接固定される。図4に示すように、ハンドル3の第2の部分3bは、ハンドルの第1の部分3aとの組立ての際にフレキシブルボタン57およびスイッチ53を通すことができる開口部61を備える。その開口部の輪郭62はフレキシブルボタン57の周囲でシール56の中心部56aに押し付けられ、それによって外部制御装置49とハンドル3の間の防水性も確保される。
【0038】
本発明の枠内でその他の特徴を企図することができる。とりわけ、プリント回路板にパイロットランプを、さらに透明エラストマ製防水シール56を用意して、湯沸しポット1の点火が表示されるようにすることができる。また、内部防水シール24および外部防水シール36について形状的な変形例を用意することもできる。
図1
図2
図3
図4