【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、従来技術の湯沸しポットにおけるこの大きな欠点に対処することを目的とする。そのために、本発明は、周知のように、プラスチック製の本体と、加熱プレートと、加熱プレートの内蔵制御装置が収められた下部筐体とを備える湯沸しポットに関する。下部筐体は、上方に延びる、好ましくは円形の、外周内装壁を備える。本体は下部を備える。加熱プレートは下面および外周折返し部を備える。前記外周折返し部と前記下部の間には外側防水シールが設けられる。本発明によれば、前記内装壁と前記加熱プレートの前記下面の間には、筐体内に水が、とりわけ外部防水シールの防水障害による漏れに由来する水が一切浸入しないように内部防水シールが設けられる。
【0005】
本発明の対象である湯沸しポットの一設計によれば、前記本体の前記下部は外周外装壁を備え、前記外装壁は、前記内装壁との間に間隔を保ちながら、少なくとも前記内装壁の上部を受けるように構成され、前記間隔は湯沸しポットの外部に連通している。
【0006】
本発明の対象である湯沸しポットの一設計によれば、前記加熱プレートは、下向きに折り曲げられた外側縁であって、一方では前記内装壁と前記外側縁の間、他方では前記外側縁と前記外装壁の間に間隔を保ちながら、前記内装壁と前記外装壁の間に配置されるように構成された外側縁を具備する外周折返し部を備える。前記内部防水シールは前記内装壁と前記外側縁の間に設けられ、前記外部防水シールは前記外側縁と前記外装壁の間に設けられる。
【0007】
そのため、湯沸しポットの前記本体が水で満たされているとき、前記外部防水シールは、水が前記本体の前記外装壁と前記加熱プレートの前記折返し部の前記外側縁の間から漏れるのを防ぐ。同様に、前記内部防水シールは、湯沸しポットを水でクリーニングする際に、水が前記下部筐体の前記内装壁と前記加熱プレートの前記折返し部の前記外側縁の間に入り込むのを防ぐ。そのほか、頻繁なクリーニング、好ましくは使用のたびにクリーニングを行う場合、前記外部防水シールに対しては、湯沸しポットの前記本体内部の払拭時に前記内部防水シール以上のものが求められる。そのため、前記外部防水シールは前記内部防水シールよりも急速に傷む可能性がある。前記外部防水シールに障害があると、水は前記本体の前記外装壁と前記加熱プレートの前記折返し部の前記外側縁の間を通って湯沸しポットの外部に直接出ていく。それにより、電気的なすべてのリスクを防ぐために、前記内部防水シールにも障害がある場合に前記下部筐体内に水が入り込む危険を防ぐことができる一方、前記外部防水シールに偶発的に生じた漏れに気づいて交換を行うことがそれによって可能となる。
【0008】
本発明の対象である湯沸しポットの一設計によれば、前記外周折返し部は、下向きに折り曲げられた内側縁であって、前記内装壁の前記上部を前記内側縁と前記外側縁の間に収めることができるように構成された内側縁をさらに備える。さらに、前記内部防水シールは、前記内側縁と前記内装壁の前記上部の間にも防水性が確保されるように構成される。それによって、前記加熱プレートと前記下部筐体の間の防水性、および前記下部筐体に対して組み立てられた前記加熱プレートの保持が強化される。それはまた、前記シールを所定の位置に保持することを可能にするものでもある。
【0009】
一実施形態では、湯沸しポットのこの設計によれば、前記内部防水シールは、区分断面図において、
− 下方に延びる内側部であって、前記内側縁の周囲に隙間なく取り付けられるように構成された内側部と、
− 下方に延びる外側部であって、前記内装壁の前記上部の周囲に隙間なく取り付けられるように構成された内面と、前記外側縁をその周囲に隙間なく取り付けるように構成された外面とを有する外側部と、
− 前記内側部と前記外側部の連結部であって、その下面は前記内装壁の前記上部の上端に支持されるように構成され、その上面は前記折返し部の底部に支持されるように構成された連結部と
を備える。
【0010】
前記内部防水シールの好ましい一実施例では、前記外側部の前記外側面は少なくとも1つのリップを備える。さらに、前記折返し部の前記外側縁は、線条を有する内面を備える。それにより、前記加熱プレートと前記下部筐体の間の組立ておよび防水性が強化される。
【0011】
本発明の対象である湯沸しポットの一設計によれば、前記外周折返し部の前記外側縁はその下端に外側ショルダを備え、前記外装壁は内側ショルダを備える。また、前記外部防水シールは前記内側ショルダと前記外側ショルダの間に配設される。それにより、前記本体と前記加熱プレートの間の防水性が得られ、前記加熱プレートに対する前記本体の位置の係止が果たされる。
【0012】
湯沸しポットのこの設計によれば、前記下部筐体の前記内装壁は下部を備え、前記下部と前記内装壁の前記上部の間に外周外側ショルダが設けられる。また、前記本体の前記外装壁の前記内側ショルダと前記外側縁の前記外側ショルダは、それぞれを組み立てる際に前記本体の前記外周下端と前記下部筐体の前記外側ショルダの間に間隔を保つように構成されており、それによって前記外部防水シールに障害が生じたときに水を排出することができる。
【0013】
湯沸しポットのこの設計によれば、前記本体の前記外装壁の前記下端と前記下部筐体の前記外側ショルダの間には固定手段が設けられる。それにより、前記本体、前記加熱プレートおよび前記下部筐体の全体を組み立てた状態で保持し、防水性を確保することができる。
【0014】
本発明の対象である湯沸しポットの実施例によれば、前記本体はハンドルを備え、外部制御装置は前記ハンドルに設けられる。その外部制御装置は、前記下部筐体内に配設された前記内蔵制御装置とコードによって接続される。また、前記コードと前記下部筐体の間には防水手段が設けられる。この設計は、前記下部筐体内に配設された前記内蔵制御装置との間のコードを介した防水接続によって前記下部筐体内への浸水を防ぎながら、湯沸しポットの操作を容易なものとする。
【0015】
湯沸しポットの一実現例によれば、前記防水手段は、前記下部筐体に設けられたケーブルグランドによって形成される。
【0016】
湯沸しポットの一実現例によれば、前記ハンドルの前記外部制御装置は防水型の自立モジュールを形成する。
【0017】
1つの好ましい設計によれば、前記ハンドルの前記外部制御装置は、
− コードが通り抜ける、前記ハンドルに収められた下部支持体と、
− 入切スイッチを備えるプリント回路板であって、前記下部支持体上に配置されたプリント回路板と、
− 前記プリント回路板と前記入切スイッチを覆うように構成されたエラストマシールであって、それぞれの形状に密着するとともに、前記下部支持体に載る平坦な外周輪郭が現れるようにしたエラストマシールと、
− 前記エラストマシールの輪郭を前記下部支持体との間で挟み込むことができる締付け部材と、
− 前記下部支持体に設けられた防水部品であって、前記プリント回路板につながれた前記コードが防水を施されて貫通できるように構成された防水部品と
を備える。
【0018】
湯沸しポットの一実現例によれば、前記防水部品はケーブルグランドである。
【0019】
湯沸しポットの一実現例によれば、前記ハンドルは、前記外部制御装置が配設される空洞を形成する内側である第1の部分を備える。前記ハンドルは、また、前記ハンドルに対して前記外部制御装置に被せる被覆である第2の部分を備える。
【0020】
湯沸しポットのこの実施例によれば、前記コードは前記ハンドルの内部を前記下部筐体まで延びる。それにより、前記下部筐体まで前記コードを通すために湯沸しポットの本体に空所を追加して設ける必要がなくなる。
【0021】
本発明の対象である湯沸しポットによれば、湯沸しポットは、オス型コネクタを具備した分離型電源ベースを備える。さらに、前記下部筐体は、前記オス型コネクタを受けるように構成されたメス型コネクタを具備した底部を備えており、前記メス型コネクタは前記下部筐体の防水性を確保するように構成されている。
【0022】
好ましい一設計によれば、前記オス型コネクタおよび前記メス型コネクタは円形である。それにより、前記底部に対して前記本体の360°の回転が確保され、前記本体の取扱いを容易にするとともに、前記底部に対してどのような位置関係であっても、湯沸しポットの前記本体を載せたり、取り上げたりすることができる。
【0023】
以下の説明は、本発明による湯沸しポットの好ましい実施形態を明らかにするものである。この説明は、以下のそれぞれの図面を拠り所として行う。