特許第6290909号(P6290909)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6290909ガスタービンエネルギー補助システムおよび加熱システム、ならびに、その製造方法および使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290909
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】ガスタービンエネルギー補助システムおよび加熱システム、ならびに、その製造方法および使用方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 3/30 20060101AFI20180226BHJP
   F01K 23/02 20060101ALI20180226BHJP
   F02C 6/00 20060101ALI20180226BHJP
   F02C 7/224 20060101ALI20180226BHJP
   F02C 7/143 20060101ALI20180226BHJP
   F02C 6/18 20060101ALI20180226BHJP
   F02C 6/06 20060101ALI20180226BHJP
   F02C 7/18 20060101ALI20180226BHJP
   F01K 23/06 20060101ALI20180226BHJP
   F01N 5/02 20060101ALI20180226BHJP
【FI】
   F02C3/30 D
   F01K23/02 Z
   F02C6/00 C
   F02C7/224
   F02C7/143
   F02C6/18 A
   F02C6/06
   F02C7/18 A
   F02C7/18 B
   F01K23/06 P
   F01K23/06 Z
   F01N5/02 A
   F01N5/02 J
【請求項の数】31
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-539696(P2015-539696)
(86)(22)【出願日】2013年10月21日
(65)【公表番号】特表2015-533400(P2015-533400A)
(43)【公表日】2015年11月24日
(86)【国際出願番号】US2013065998
(87)【国際公開番号】WO2014066276
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2015年8月31日
(31)【優先権主張番号】61/795,836
(32)【優先日】2012年10月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514193041
【氏名又は名称】パワーフェイズ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100093089
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 滋
(72)【発明者】
【氏名】クラフト,ロバート・ジェイ
【審査官】 松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−078736(JP,A)
【文献】 特開平09−025830(JP,A)
【文献】 特開2009−047170(JP,A)
【文献】 特開2011−247266(JP,A)
【文献】 特開2009−215962(JP,A)
【文献】 特表2002−519580(JP,A)
【文献】 特開平11−270352(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/073951(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 3/30 − 3/34
6/00
7/18
F23R 3/00
F01K 23/02 −23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法であって、
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させるステップと、
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧するステップであって、前記燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している、ステップと、
(c)前記加圧空気を前記燃焼器ケース内に噴射するステップと
を含む方法。
【請求項2】
ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法であって、
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させるステップと、
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して、周囲空気および前記燃料エンジンからの排気ガスの一部を加圧するステップと、
(c)前記加圧された空気と排気との混合物を前記燃焼器ケース内に噴射するステップと
を含み、
前記燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している、
方法。
【請求項3】
ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法であって
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させるステップと、
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気および前記燃料エンジンからの排気ガスのすべてを加圧するステップと、
(c)前記加圧された空気と排気との混合物を前記燃焼器ケース内に噴射するステップと
を含み、
前記燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している
方法。
【請求項4】
ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法であって、
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させるステップと、
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して前記燃料エンジンからの排気ガスのみを加圧するステップと、
(c)前記加圧された空気と排気との混合物を前記燃焼器ケース内に噴射するステップと
を含み、
前記燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している
方法。
【請求項5】
前記燃料エンジンからの暖かい排気が前記燃焼器に送られる燃料を予熱するのに使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記燃料エンジンからの暖かい排気が前記燃焼器に送られる燃料を予熱するのに使用される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記燃料エンジンからの暖かい排気が前記燃焼器に送られる燃料を予熱するのに使用される、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記燃料エンジンからの暖かい排気が前記燃焼器に送られる燃料を予熱するのに使用される、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記ガスタービンが動作しないとき、前記燃料エンジンの排気のすべてまたは一部が入熱のために熱回収ボイラまで進路転換される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ガスタービンが運転されないとき、前記燃料エンジンの排気のすべてまたは一部が入熱のために熱回収ボイラおよび/または前記タービンまで進路転換される、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記ガスタービンが動作しないとき、前記燃料エンジンの排気のすべてまたは一部が入熱のために熱回収ボイラおよび/または前記タービンまで進路転換される、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記ガスタービンが動作しないとき、前記燃料エンジンの排気のすべてまたは一部が入熱のために熱回収ボイラおよび/または前記タービンまで進路転換される、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンによって行われる圧縮プロセスによって作られる加圧空気が、入熱のために熱回収ボイラおよび/または前記タービンまで進路転換される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンによって行われる圧縮プロセスによって作られる加圧空気が、入熱のために熱回収ボイラおよび/または前記タービンまで進路転換される、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンによって行われる圧縮プロセスによって作られる加圧空気が、入熱のために熱回収ボイラおよび/または前記タービンまで進路転換される、請求項3に記載の方法。
【請求項16】
前記ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンによって行われる圧縮プロセスによって作られる加圧空気が、入熱のために熱回収ボイラおよび/または前記タービンまで進路転換される、請求項4に記載の方法。
【請求項17】
ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法であって、
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させるステップと、
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧するステップと、
(c)ロータ式空気冷却器の上流側のロータ式冷却空気回路内に前記加圧空気を噴射するステップと
を含み、
前記燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している
方法。
【請求項18】
ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法であって、
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させるステップと、
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧するステップと、
(c)ロータ式空気冷却器の下流側のロータ式冷却空気回路内に前記加圧空気を噴射するステップと
を含み、
前記燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している
方法。
【請求項19】
前記燃料エンジンからの排気が前記タービンの排気に吐出される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記燃料エンジンからの排気が前記タービンの排気に吐出される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法であって、
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させるステップと、
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧するステップと、
(c)前記加圧空気を中間圧力冷却回路内に噴射するステップと
を含み、
前記燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している
方法。
【請求項22】
ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法であって、
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させるステップと、
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧するステップと、
(c)前記加圧空気を第1のステージのノズル冷却回路内に噴射するステップと
を含み、
前記燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している
方法。
【請求項23】
前記燃料エンジンからの排気が前記タービンの排気に吐出される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記燃料エンジンからの排気が前記タービンの排気に吐出される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法であって、
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させるステップと、
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧するステップと、
(c)前記加圧空気をガスタービン冷却回路内に噴射するステップと、
(d)前記燃料エンジンからの熱を利用して作られる蒸気を前記タービン内に噴射するステップと
を含み、
前記燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している
方法。
【請求項26】
ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法であって、
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させるステップと、
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧するステップと、
(c)前記ガスタービンシステムが運転されないとき、前記加圧空気を前記タービン内に噴射するステップと
を含み、
前記燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している
方法。
【請求項27】
ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法であって
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させるステップと、
(b)前記ガスタービンシステムが運転されないとき、燃料エンジンからの熱を利用して作られる蒸気を熱回収ボイラ内に噴射するステップと
を含む方法。
【請求項28】
前記燃料エンジンがジャケット冷却システムを有し、前記ジャケット冷却システムから除去される熱が、前記燃焼器内に送られる燃料を予熱するのに使用される、請求項5に記載の方法。
【請求項29】
前記燃料エンジンがジャケット冷却システムを有し、前記ジャケット冷却システムから除去される熱が、前記燃焼器内に送られる燃料を予熱するのに使用される、請求項6に記載の方法。
【請求項30】
前記燃料エンジンがジャケット冷却システムを有し、前記ジャケット冷却システムから除去される熱が、前記燃焼器内に送られる燃料を予熱するのに使用される、請求項7に記載の方法。
【請求項31】
前記燃料エンジンがジャケット冷却システムを有し、前記ジャケット冷却システムから除去される熱が、前記燃焼器内に送られる燃料を予熱するのに使用される、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ガスタービンの発電能力を含めた、電力システムに関し、より詳細には、ピーク電力需要の期間おいて追加の電力を提供するのに、および、ガスタービンおよび蒸気タービンを高温に維持していつでも運転できる状態にし、それにより始動時間を短縮させるシステムを提供するのに有用であるエネルギー貯蔵に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、限界エネルギーは主としてガスタービンにより単純サイクル構成または複合サイクル構成のいずれかで作られる。負荷需要プロファイル(load demand profile)を受けて、ガスタービンベースシステムが高需要の期間ではサイクルアップされ、低需要の期間ではサイクルダウンされるかまたは停止される。このサイクリングは、通常、グリッドオペレータ(Grid operator)により、アクティブグリッドコントロールすなわちAGC:active grid controlと呼ばれるプログラム下で駆動される。残念ながら、設置される基地(base)の大部分を占める産業ガスタービンは主としてベース負荷での動作のために設計されていたので、サイクルされるとき、その特定のユニットのメンテナンスコストに付随して大きい不利益(penalty)が生じる。例えば、ベース負荷で運転されるガスタービンは3年ごとにまたは24,000時間ごとに2百万ドル〜3百万ドルの範囲のコストが発生する通常のメンテナンスを行う可能性があった。毎日始動および停止されるプラントの場合には一年でその同等のコストが発生していた。
【0003】
現在、これらのガスタービンプラントはそれらの定格容量の約50%までターンダウン(turn down)され得る。これらのガスタービンプラントは圧縮機の入口ガイドベーンを閉じることによってターンダウンされ、圧縮機のこの入口ガイドベーンがガスタービンへの空気流れを減少させ、燃焼プロセスでは燃料空気比が一定であることが望ましいので、これは燃料流れも減少させる。圧縮機の動作およびエミッション(emission)を安全に維持するためには、通常、実際に達成され得るターンダウンのレベルが制限される。この安全な圧縮機の動作限界の下限は、現在のガスタービンでは、通常は圧縮機からのミドルステージのブリード抽出(mid stage bleed extraction)により、ガスタービンの入口に温風を導入することにより改善される。この温風はアイシングを防止する場合にも入口に導入されることがある。いずれの場合も、これがなされるとき、より少ない流量で圧縮機を安全に動作させることを可能にしてそれによりターンダウン能力(turn down capability)を向上させるためのプロセスにおいて、圧縮機により空気に対して行われる仕事が犠牲になる。さらに、これは、抜き取られる空気に対して行われる仕事が損なわれるのでシステムの効率に悪影響を及ぼす。さらに、燃焼システムによってもこのシステムが制限される。
【0004】
加えられる燃料が減少すると火炎温度が低下してそれにより発生するCOエミッションの量が増加するので、燃焼システムは、通常、システムをターンダウンすることができる量を制限する。温度が低下する場合の火炎温度とCOエミッションとの間の関係は指数関数的であり、したがって、ガスタービンシステムの限界に近づくと、COエミッションが急激に増加し、結果、この限界から安全にマージンが維持される。この特性によりすべてのガスタービンシステムのターンダウン能力は約50%に制限され、つまり、100MWガスタービンの場合、達成され得る最小電力は約50%である50MWとなる。ガスタービンの質量流量が低下すると、圧縮機およびタービンの効率も低下し、機械の熱消費率が増大する。オペレータによっては毎日このような状況に直面し、結果的に、負荷需要が低下するときにガスタービンプラントがそれらの動作限界の下限に達し、機械を停止させることが必要となり、それにより、膨大なメンテナンスコストによる不利益が生じる。
【0005】
一般的なガスタービンの別の特性は、空気の温度が上昇するときの密度の低下の一次効果を原因として、周囲温度の上昇に比例して出力が低下することである。暑い日には出力は公称値(nameplate)から10%以上低下する場合もあり、通常、ピーク時にはガスタービンは最大にパワーを供給することを求められる。
【0006】
一般的なガスタービンの別の特性は、ガスタービンの圧縮機セクション内で圧縮および加熱される空気が、種々の構成要素を冷却するのに空気を使用するガスタービンのタービンセクションの別の部分までダクトで送られることである。この空気は、通常、タービン冷却・漏洩空気(以下「TCLA:turbine cooling and leakage air」)と呼ばれ、これはガスタービンに関連する技術分野はよく知られる用語である。圧縮プロセスにより加熱されるが、TCLA空気は依然としてタービン温度よりも大幅に低く、したがって、圧縮機の下流側のタービン内のそれらの構成要素を冷却するのに有効である。通常、圧縮機の入口に入る空気の10%から15%が燃焼器を迂回してこのプロセスのために使用される。したがって、TCLAはガスタービンシステムの性能にとっては大きな不利益である。
【0007】
ガスタービン別の特性は、熱負荷を考慮するのでガスタービンが始動するのに通常20分から30分かかり、複合サイクルプラントにある熱回収ボイラ(HRSG:heat recovery steam generator)で1時間以上とられる可能性があることである。分単位で大きく変動する再生エネルギーの断続性(intermittency)のバランスをとるために複合サイクルプラントはより頻繁に使用されるので、これは深刻である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、ガスタービンの出力の上限を改善してそれにより新しいガスタービンシステムまたは既存のガスタービンシステムの容量および制御能力(regulation capability)を向上させるための、特定のプラントの要求に応じた、複数のオプションを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、システムを駆動させるのに別個の燃料エンジンを使用することにより圧縮空気噴射システムに通常付随する大きい所内動力が排除されるので、ピーク需要の期間においてガスタービンシステムが最大追加パワーをより効率的に提供するのを可能にするような方法およびシステムに関する。
【0010】
本発明の別の態様は、別個の燃料エンジンからのエミッションのポイントソースを排除する排気再循環システムに関する。
【0011】
本発明の別の態様は、排気ガス再循環システムに付随する廃熱を利用する効率改善に関する。
【0012】
本発明の別の態様は燃料方式の(fueled)入口チラーシステムに関し、ここでは、別個の燃料エンジンからの廃熱が蒸気タービンの出力を増大させ、それにより複合サイクルプラントの効率を維持するかまたは向上させる。
【0013】
本発明の別の態様は、パワープラントが運転されない間に出力増大システムを代替利用することに関し、ここでは、圧縮空気がガスタービンを通過させられ、別個の燃料エンジンからの排気が熱回収ボイラ(「HRSG:heat recovery steam generator」)を通過させられ、それによりガスタービンおよび蒸気タービンの全体が高温で維持され、それにより始動時間が短縮される。
【0014】
本発明の別の態様は、パワープラントが運転されない間に出力増大システムを代替利用することに関し、ここでは、圧縮空気がガスタービンおよびHRSGを通過させられ、それによりガスタービンおよび蒸気タービンの全体が高温で維持され、それにより始動時間が短縮される。
【0015】
本発明の別の態様は、別個の燃料エンジンからの排気が追加のパワーを作るためにHRSGで使用されるのと同時に、ガスタービンのミドルステージ(mid−stage)または圧縮機吐出プレナム(compressor discharge plenum)から通常取られる冷却空気を移動させる出力増大空気噴射システムに関する。この代わりに供給される冷却空気は出力増大空気噴射システムが移動させる空気と温度および圧力が同等であってよいまたはそれより低くてよい(それにより、冷却空気の必要量が軽減され、ガスタービン(「GT:gas turbine」)の効率が向上する)。
【0016】
本発明の別の態様は、効率を向上させることに転換されるように冷却空気の必要量を軽減させるように、比較的低温の第1のステージのノズル冷却空気を使用することに関する。
【0017】
本発明の別の態様は、完全な複合サイクル(「CC:combined cycle」)プラントの始動時間を最小にすることを目的としてHRSGおよび蒸気タービンを通るように蒸気を移動させるパッケージ化されたボイラ内で別個の燃料エンジンの排気を使用することと同時に、比較的低温の冷却空気を供給するための、および、複合サイクルプラントが運転されない期間においてタービンセクションを高温で維持するために高温の圧縮空気を供給するための、出力増大システムに関する。
【0018】
本発明の別の態様は、GTの燃料を予熱してGTの効率を向上させるのに別個の燃料エンジンの排気から利用され得る過剰な低品質(すなわち、低温)の熱を利用することと同時に、高温の圧縮空気を燃焼吐出プレナム内に入れる別個の燃料エンジンを利用することに関する。
【0019】
本発明の一実施形態が、補助圧縮機と、少なくとも1つの圧縮機と、少なくとも1つの発電機と、少なくとも1つのタービン(少なくとも1つの発電機および少なくとも1つの圧縮機に接続される少なくとも1つのタービン)と、燃焼ケース(圧縮機のための吐出マニホルド)とを備えるシステムに関する。
【0020】
別の好適な実施形態の別の利点は、別個の燃料エンジンによって供給される補助の圧縮高温空気を用いてガスタービンシステムの出力を迅速に増大させる能力である。
【0021】
好適な実施形態の別の利点は、パワープラントにある第2のエミッション源からのエミッションを最小にするかまたは排除することを目的として、別個の燃料エンジンからの排気ガスの一部またはすべてを再循環させることである。
【0022】
好適な実施形態の別の利点は、既存のGTのエミッションコントロールシステムを使用することによりエミッションの除去に付随するコストを最小にするかまたは排除することを目的として、別個の燃料エンジンからの排気ガスの一部またはすべてを再循環させることである。
【0023】
別の好適な実施形態の一利点は、システム全体の効率を向上させることと同時に出力を向上させる能力である。
【0024】
本発明の実施形態の別の利点は、従来のチラーシステムの出力および効率を向上させる能力である。
【0025】
本発明の実施形態の別の利点は、必要となる始動時間を短縮するために、プラントが停止されている間にガスタービンおよび蒸気タービンの構成要素を暖かい状態で維持する能力である。
【0026】
本発明の一部の実施形態の別の利点は、それ以外の場合ではGTの低温の冷却空気回路に付随して廃棄されてしまうような熱を減少させることにより、一体の出力増大システムの効率を向上させる能力である。
【0027】
本発明の一部の実施形態の別の利点は、GTで必要となるTCLAを減少させることおよび一体の出力増大システムの効率を向上させることを目的として、低温の冷却空気を外部供給のタービン構成要素まで供給する能力である。
【0028】
本発明の一部の実施形態の別の利点は、GTで必要となるTCLAを減少させることおよび一体の出力増大システムの効率を向上させることを目的として、冷却空気を優先的に排出させるかまたは直接に集配することにより低温の冷却空気を内部供給のタービン構成要素まで供給する能力である。
【0029】
本発明の別の利点、特徴および特性、さらには、動作方法、ならびに、構造の関連要素の機能、および、部品の組み合わせが、添付図面を参照する以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲を考察することにより、より明確となり、これらのすべてが本明細書の一部を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】排気ガスを再循環させることにより補助圧縮機を駆動させる、再生方式の燃料エンジンを備える補助エネルギーシステムを有する本発明の一実施形態を示す概略図であり、再生方式のエンジンの排気の一部またはすべてが別の燃焼のためにGTまで供給される。
図2】排気ガスを再循環させて燃料を加熱することにより補助圧縮機を駆動させる、再生方式の燃料エンジンを備える補助エネルギーシステムを有する本発明の一実施形態を示す概略図であり、再生方式のエンジンの排気の一部またはすべてが別の燃焼のためにGTまで供給され、低品質の廃熱がGTの燃料を加熱するのにさらに使用される。
図3】別個の燃料エンジンによって駆動されるチラーを使用する補助出力増加入口チリングシステムを組み込む本発明の一実施形態を示す概略図であり、別個の燃料エンジンからの排気がGTの排気に統合される。
図4】燃料エンジンの排気を使用する熱回収ボイラ加熱システムを備える本発明の一実施形態を示す概略図であり、プラントが運転されていない間に圧縮空気および燃料エンジンの排気の両方が単純サイクルプラントまたは複合サイクルプラントを暖かい状態で維持するのに使用される。
図5】圧縮空気を使用するファストスタートシステムを組み込む本発明の一実施形態を示す概略図であり、プラントが運転されていない場合に圧縮空気と燃料エンジンからの圧縮排気との混合物が単純サイクルプラントまたは複合サイクルプラントを暖かい状態で維持するのに使用される。
図6】タービン冷気補助(turbine cool air supplement)を行う本発明の一実施形態を示す図であり、低温の冷却空気が補助圧縮機および燃料エンジンによりガスタービンの高圧冷却回路に供給され、燃料エンジンの排気がガスタービンの排気に加えられる。
図7】下流側のタービンノズルの低温の冷却空気の補助を行う本発明の一実施形態を示す概略図であり、低温の冷却空気が補助圧縮機および燃料エンジンにより中間圧力冷却回路まで供給され、燃料エンジンの排気がGTの排気に追加される。
図8】第1のタービンノズルの低温の冷却空気補助を行う本発明の一実施液体を示す概略図であり、低温の冷却空気が補助圧縮機および燃料エンジンによりガスタービンの第1のステージのノズル冷却回路まで供給され、燃料エンジンの排気がGTの排気に追加される。
図9】空気および蒸気を噴射することにより迅速に始動する本発明の一実施形態を示す概略図であり、低温の冷却空気が補助圧縮機および燃料エンジンにより第1のステージのノズル冷却回路、ガスタービンの高圧冷却回路または中間圧力冷却回路まで供給され、ガスタービンの動作中に出力増加のために燃料エンジンの排気が蒸気を作るのに使用され、ガスタービンの停止中に圧縮された空気および蒸気がプラントを暖かい状態で維持するのに使用される。
図10】再生方式の燃料エンジンを用いて補助圧縮機を駆動させる補助エネルギーシステムを有する、燃料を加熱する本発明の一実施形態を示す概略図であり、燃料エンジンの排気の一部またはすべてがガスタービンの燃料を加熱するのに使用される。
図11】25kg/秒(55lbs/秒)(+5.5%)の噴射のSW501FD2の場合のエンタルピー−エントロピー図の温度−エントロピーで、本発明に利用可能なタイプのガスタービンサイクルを示すグラフである。
図12】中間冷却される圧縮機のプロセスと比較した、SW501FD2圧縮機の場合に周囲条件から高い圧力まで空気を圧送するのに必要となるポンド質量当たりの仕事を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の一態様が、種々の運転条件または動作モード下でガスタービンシステムがより効率的に運転されるのを可能にする方法およびシステムに関する。Nakhamkinの米国特許第6,305,158号明細書(「’158特許」)で考察されるようなシステムでは、ノーマルモード、チャージングモードおよび空気噴射モードとして定義される3つの基本動作モードが存在するが、これは、ガスタービンシステムにより供給することができる「最大定格出力を超える」パワーを供給する能力を有する発電機が必要となるので、制限される。この特許が10年以上前のものであること、および、エネルギーコストが急速に上昇する時代においてこの特許が適用されることはないことが、この特許が市場の要求に対応していないことの証拠となる。
【0032】
まず、ガスタービンシステムにより現在供給することができる「最大定格出力を超える」パワーを供給できるようにするために発電機を差し替えてアップグレードするには非常に費用がかかる。
【0033】
別の欠点は、燃料消費に大きな悪影響を与えることなくこのシステムを複合サイクルプラントに実装することができないことである。概説される実装形態の多くが、燃料消費の増加の問題を軽減するような、単純サイクル動作で空気を加熱するための換熱器を使用するが、これはコストおよび複雑さが大きく増大する。以下で概説される提案する本発明は、’158特許で開示されるシステムのコストおよび性能の両方に関する欠点に対処する。
【0034】
本発明の一実施形態はガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧することであって、燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している、ことと;
(c)加圧空気を燃焼器ケース内に噴射することと
を含む。
【0035】
好適な一実施形態によると、別個の燃料エンジンからの暖かい排気が、燃焼器内に供給される燃料を予熱するのに使用される。好適には、燃料エンジンはジャケット冷却システムを有し、ジャケット冷却システムから除去される熱が、燃焼器内に供給される燃料を予熱するのに使用される。
【0036】
別の好適な実施形態によると、ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンの排気のすべてまたは一部が入熱のために熱回収ボイラまで進路転換される。
【0037】
別の好適な実施形態によると、ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンによって行われる圧縮プロセスによって作られる加圧空気が、入熱のために熱回収ボイラおよび/またはタービンまで進路転換される。
【0038】
本発明の別の実施形態が、ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気および燃料エンジンからの排気ガスの一部を加圧することと;
(c)加圧された空気と排気との混合物を燃焼器ケース内に噴射することと
を含み、
燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している。
【0039】
好適な一実施形態によると、別個の燃料エンジンからの暖かい排気が、燃焼器内に供給される燃料を予熱するのに使用される。好適には、燃料エンジンはジャケット冷却システムを有し、ジャケット冷却システムから除去される熱が、燃焼器内に供給される燃料を予熱するのに使用される。
【0040】
別の好適な実施形態によると、ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンの排気のすべてまたは一部が入熱のために熱回収ボイラおよび/またはタービンまで進路転換される。
【0041】
別の好適な実施形態によると、ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンによって行われる圧縮プロセスによって作られる加圧空気が、入熱のために熱回収ボイラおよび/またはタービンまで進路転換される。
【0042】
本発明の別の実施形態が、ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気および燃料エンジンからの排気ガスのすべてを加圧することと;
(c)加圧された空気と排気との混合物を燃焼器ケース内に噴射することと
を含み、
燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している。
【0043】
好適な一実施形態によると、別個の燃料エンジンからの暖かい排気が、燃焼器内に供給される燃料を予熱するのに使用される。好適には、燃焼エンジンはジャケット冷却システムを有し、ジャケット冷却システムから除去される熱が、燃焼器内に供給される燃料を予熱するのに使用される。
【0044】
別の好適な実施形態によると、ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンの排気のすべてまたは一部が入熱のための熱回収ボイラおよび/またはタービンまで進路転換される。
【0045】
別の好適な実施形態によると、ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンによって行われる圧縮プロセスによって作られる加圧空気が、入熱のために熱回収ボイラおよび/またはタービンまで進路転換される。
【0046】
本発明の別の実施形態が、ガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して燃料エンジンからの排気ガスのみを加圧することと;
(c)加圧された空気と排気との混合物を燃焼器ケース内に噴射することと
を含み、
燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している。
【0047】
好適な一実施形態によると、別個の燃料エンジンからの暖かい排気が、燃焼器内に供給される燃料を予熱するのに使用される。好適には、燃焼エンジンはジャケット冷却システムを有し、ジャケット冷却システムから除去される熱が、燃焼器内に供給される燃料を予熱するのに使用される。
【0048】
別の好適な実施形態によると、ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンの排気のすべてまたは一部が入熱のための熱回収ボイラおよび/またはタービンまで進路転換される。
【0049】
別の好適な実施形態によると、ガスタービンが動作しないとき、燃料エンジンによって行われる圧縮プロセスによって作られる加圧空気が、入熱のために熱回収ボイラおよび/またはタービンまで進路転換される。
【0050】
別の実施形態がガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが、
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって行われる補助冷凍プロセス(supplemental refrigeration process)を使用してガスタービン入口空気を冷却することと;
(c)別個の燃料エンジンからの排気をガスタービンの排気に噴射することと
を含み、
燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している。
【0051】
別の実施形態がガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって行われる補助冷凍プロセスを使用してガスタービン入口空気を冷却することと;
(c)別個の燃料エンジンからの排気をガスタービンの排気に噴射することと
を含み、
燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している。
【0052】
別の実施形態がガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧することと;
(c)ロータ式空気冷却器(rotor air cooler)の上流側のロータ式冷却空気回路(rotor cooling air circuit)内に加圧空気を噴射することと
を含み、
燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している。
【0053】
好適には、代替の燃料エンジンからの排気がタービンの排気に吐出される。
【0054】
別の実施形態がガスタービンエネルギーシステムに関し、これが、
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧することと;
(c)ロータ式空気冷却器の下流側にあるロータ式冷却空気回路内に加圧空気を噴射することと
を含み、
燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している。
【0055】
好適には、代替の燃料エンジンからの排気がタービンの排気に吐出される。
【0056】
別の実施形態がガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧することと;
(c)加圧空気を中間圧力冷却回路内に噴射することと;
を含み、
燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している。
【0057】
好適には、代替の燃料エンジンからの排気がタービンの排気に吐出される。
【0058】
別の実施形態がガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧することと;
(c)加圧空気を第1のステージのノズル冷却回路内に噴射することと
を含み、
燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している。
【0059】
好適には、代替の燃料エンジンからの排気がタービンの排気に吐出される。
【0060】
別の実施形態がガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧することと;
(c)加圧空気をガスタービン冷却回路内に噴射することと;
(d)代替の燃料エンジンからの熱を利用して作られる蒸気をタービン内に噴射することと
を含み、
燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している。
【0061】
別の実施形態がガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)燃料エンジンによって駆動される補助圧縮機を使用して周囲空気を加圧することと;
(c)ガスタービンシステムが運転されないときに加圧空気をタービン内に噴射することと
を含み、
燃料エンジンを動作させることが配電網から独立している。
【0062】
別の実施形態がガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)ガスタービンシステムが運転されないとき、代替の燃料エンジンからの熱を利用して作られる蒸気を熱回収ボイラ内に噴射することと
を含む。
【0063】
別の実施形態がガスタービンエネルギーシステムを動作させる方法に関し、これが:
(a)互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを動作させることと;
(b)ガスタービンシステムが運転されないとき、別個の燃料エンジンの排気を熱回収ボイラ内に噴射することと
を含む。
【0064】
本発明の別の実施形態が、互いに流体連通される、圧縮機と、燃焼器ケースと、燃焼器と、タービンとを備えるガスタービンシステムを含む、本発明による方法を実行するように構成される装置、ならびに、本発明による方法を実行するように構成される1つまたは複数の構成要素(例えば、燃料エンジン)に関する。
【0065】
本発明の一実施形態の構成要素が、既存のガスタービンシステム(1)と共に使用されるものとして図1に示される。ガスタービンシステム(1)が、圧縮機(10)と、燃焼器(12)と、燃焼ケース(14)と、タービン(16)と、発電機(18)とを有する。往復動内燃エンジン、ガスタービン、または、燃焼などの発熱反応を通して燃料をエネルギーに変換する同様の機械のいずれかである燃料エンジン(151)が、多段の中間冷却される補助圧縮機(116)を駆動させるのに使用され、この多段の中間冷却される補助圧縮機(116)が周囲空気(115)および/または低温排気(154)を圧縮して圧縮された空気/排気(117)を吐出する。当業者であれば容易に理解するであろうが、補助圧縮機内の空気/排気が1つの圧縮機ステージから次のステージまで通過するとき、空気が冷却塔などの熱交換機を使用することによって中間冷却され、それにより次の圧縮機ステージで空気を圧縮するのに必要となる仕事が減少する。こうすることにより補助圧縮機(116)の効率が向上し、ガスタービンシステム(1)の圧縮機(10)よりも効率的となる。
【0066】
この実施形態は換熱器(144)をさらに有し、この換熱器(144)は、燃料エンジン(151)から排気ガス(152)を受け取り、補助圧縮機(116)から圧縮された空気/排気(117)を受け取る熱交換機である。換熱器(144)内では、高温の排気ガス(152)が圧縮された空気/排気(117)を加熱し、次いで実質的に低温の排気ガス(153)として換熱器(144)から出る。換熱器(144)内では同時に、圧縮された空気/排気(117)が排気ガス(152)から熱を吸収し、次いで、換熱器(144)に入るときよりも実質的に高温の圧縮された空気/排気(118)として換熱器(144)から出る。実質的に高温の圧縮された空気/排気(118)が次いでガスタービンシステム(1)の燃焼ケース(14)内に吐出され、そこで燃焼器(12)およびタービン(16)を通る質量流量に加えられる。
【0067】
換熱器(144)から吐出される暖かい排気ガス(153)がバルブ(161)に入り、バルブ(161)が暖かい排気ガス(153)の一部またはすべてをさらなる冷却のために冷却塔(130)まで誘導する。低温の排気ガス(154)が補助圧縮機(116)の入口に入る。追加の周囲空気(115)が補助圧縮機(116)の入口に加えられてもよい。バルブ(161)により冷却塔(130)まで進路転換されない暖かい排気ガス(153)はすべて、大気、燃料加熱システム、または、GTの排気(22)に吐出され得る。
【0068】
本発明の部分的排気再循環システムは別個の燃料エンジンからのエミッションを減少させるが、100%の排気再循環システムはエミッションの供給源としての別個の燃料エンジンを排除する。これは、既存のガスタービンの排気クリーンアップシステムが使用され得それによりこの計画の潜在的コストが排除されるので、実現が可能性さらにはコスト削減において非常に有用である可能性がある。
【0069】
ガソリン、ディーゼル、天然ガスまたはバイオ燃料、および、同様の往復動エンジンが背圧の影響を比較的受けず、したがって燃料エンジン(151)上に換熱器(144)を配置することが燃料エンジン(151)の性能に実質的に測定可能な程度で影響しないことが分かっている。図11がTSまたはHS(エンタルピー−エントロピーの温度−エントロピー)ダイアグラム上でガスタービンサイクルを示す。温度およびエンタルピーは互いに比例するので(Cp)、101kPa(14.7psi)の大気圧(P10)と圧縮機排気圧力(「CDP:compressor discharge pressure」)プロセスとの間の垂直距離が、空気をCDPまで圧送するのに必要となる圧縮機の仕事を示す。点線(P11)が1504kPa(218.1psi)である噴射なしの圧縮機排気圧力を示し、対して、破線(P12)が1589kPa(230.5psi)である噴射ありの圧縮機排気圧力を示す。圧縮機排気温度が、圧縮圧力比が増大することにより、圧縮空気の噴射なしの410℃(770F)(P13)から圧縮空気の噴射ありの423.3℃(794F)(P14)まで上昇する。このように13.3℃(24F)上昇することにより空気を1345.6℃(2454F)の燃焼温度まで加熱するのに必要となる燃料が1%減少し、また、圧縮機の仕事が1.3%すなわち3.5MW増大する(圧縮空気の噴射なしの圧縮機の仕事(P15)との比較)。温度が、約399℃(750F)から、「燃焼温度」である約1345.6℃(2454F)のタービン入口温度(「TIT:turbine inlet temperature」)(P16)まで上昇(および、それに対応してエンタルピーが増大する)し、これは英国熱量単位(「BTU:British Thermal Units」)の燃料入力を示す。右側のCDP(P11、P12)から101kPa(14.7psi)(P10)までの垂直距離が、圧縮機の仕事(P15)の約2倍であるタービンの仕事(P17)を示す。エキスパンダの圧力比が高いので噴射により排気温度が531℃(987F)(P18)から519℃(967F)(P19)まで20F低下し、これは空気の1ポンド当たりで+.81%のパワーまたは基底流量での+4.7MWに相当する。
【0070】
図12は、CDPプレナム内に吐出され得るようにするために空気を周囲条件(101kPa(14.7psi))からCDPよりわずかに高い圧力(1586kPa(230psi))まで圧送するのに必要となるポンド質量当たりの仕事の比較を示す。見られるように、破線の曲線が3ステージの中間冷却される圧縮機を示し、1ステージ当たり約2.45の圧力比である(第1のステージ後が248kPa(36psi)、第2のステージ後が634kPa(92psi)、第3のステージ後が1586kPa(230psi)である)。中間冷却プロセス(P20)を使用して453.6g(1lbm)の空気を圧縮するための仕事は、同様のステージ圧縮効率で考察しても中間冷却されない圧縮機より大幅に小さい。現実的には、各ステージで中間冷却器の圧力損失があることと、空気をGT内に効果的に噴射するためには実際には空気をCDPより高い圧力まで圧送する必要があることとにより、図12で示されるよりも多くの仕事が必要となる。しかし、これらのことを考慮しても、ポンド当たりでは、中間冷却される圧縮機は、タービンサイクルのために空気を圧縮するのにGTで必要とされる仕事(P21)より少ないパワーを使用する。
【0071】
図2が、燃料の加熱が燃料加熱器(201)内の燃料を加熱するのに暖かい排気(153)を使用することによって達成されるような、図1の実施形態を示す。燃料の加熱により、圧縮機(10)の吐出空気をタービン入口温度まで上昇させるのに必要となるBTUの燃料入力が減少するので、GTで必要とされる燃料(24)の量が減少し、パワープラントの効率がさらに向上する。
【0072】
図3が出力増加のための入口チリングシステム(401)である代替の技術を使用する。入口の冷却は、ラジエータ(405)内を循環する流体を冷却するのに使用される低温の冷却剤を提供することにより作用する。冷却された流体(403)がラジエータ(405)に入り、ラジエータ(405)を通過するガスタービン入口空気(20)を冷却し、その結果、冷気(402)がGTの入口に吐出され、それによりGTのサイクルがより効率的になり、より大きいパワーが得られる。次いで、冷却流体がラジエータ(405)に入るときよりも高い温度でラジエータ(405)から吐出され(404)、チラーシステム(401)がその流体を再び冷却する。従来、これらのシステムはプラントに大きい所内動力を発生させる電気モータによって駆動され、同時に、プラントは追加のパワーを作ろうともし、この追加のパワーが熱消費率の大きい不利益に転換される。別個の燃料エンジンがチラーを駆動させるのに使用される場合、所内動力が排除される。効率的な天然ガス往復動エンジンが出現し、現在普及しており、また、進歩していることにより、往復動エンジンからの排気がガスタービンの排気に追加され得、蒸気タービンのための追加の蒸気がHTSG内に作られる。また、この追加の蒸気の一部またはすべては所望される場合は出力増加のために抽出されて蒸気噴射として使用され得る。これらの特徴のいずれも複合サイクルプラントの効率を大きく向上させる。単純サイクルプラントでは、補助ボイラ(図示せず)が、出力増加のためにGT内への蒸気噴射に使用され得る蒸気を作るために高温の排気(352)を利用することができる。
【0073】
図4図1の代替的実施形態を示し、ここでは、バルブ(501)が別個の燃料エンジン(151)の排気(152)内に配置され、このバルブ(501)がエンジン(151)からの排気(502)を複合サイクルプラントのHRSG(503)まで進路転換し、そこで排気(502)がシステムを予熱するかまたはシステムを暖かい状態で維持するのに使用され、それにより始動時間を短縮することが可能となる。このシステムが動作するとき、液圧クラッチまたは機械クラッチ(504)が燃料エンジン(151)のシャフトを圧縮機(116)から外すのに使用され、その結果、圧縮機(116)が動作しなくなる。
【0074】
図5図4に非常に類似するが、補助圧縮機(116)のためのクラッチが排除され、圧縮機(116)が圧縮された空気/排気の混合物(602)をHRSG(503)に提供する、および/または圧縮された空気/排気の混合物(118)を換熱器(114)を介してガスタービンに提供する。これは図4に示される低圧排気より有利である可能性があり、その理由は、加圧された空気/排気の混合物が、相対的に低圧の空気/排気の混合物より容易に適切なエリアまで流れるように誘導され得るからである。さらに、別個の燃料エンジン(151)が、加熱プロセスで望まれる可能性があるより高い排気温度を作る。この構成は以下のように変更されてもよい:低圧であるが非常に高い温度の排気(図示せず)が、より高温の空気を利用することができるHRSG(503)およびGTのエリアを予熱するのに使用され得、低温の圧縮された空気/排気が、より低温の空気を利用することができるHRSG(503)およびタービンのエリアで使用され得る。
【0075】
図6は圧縮空気をガスタービンシステム(1)内に噴射するための単純化された手法であり、その理由は、ガスタービン(601)によって通常供給されてロータ式空気冷却システム(155)内で空気または蒸気によって冷却される低温の冷却空気(602)に取って代わって圧縮空気が使用されるので、圧縮空気(117)を加熱する必要がないからである。Siemens Westinghouse501F、501D5および501B6のエンジンの通常の動作時、例えば、圧縮機(10)によって圧縮される空気の約6.5%が直径約50.8cm(20インチ)の単一の大型パイプを通して圧縮機吐出プレナム(14)から抜かれる(601)。ブリード空気(601)は約1379kPa(200psi)〜1724kPa(250psi)、316℃(600F)〜399℃(750F)である。この高温空気がロータ式空気冷却システム(155)に入り、そこで、空気または蒸気がブリード空気(601)を冷却するのに使用される。空気がブリード空気(601)を冷却するのに使用されるとき、熱が大気(603)へ吐出されて廃棄される。しかし、ブリード空気(601)を冷却する冷媒として蒸気が使用される場合、熱がブリード空気(601)から蒸気へ伝達され、それによりその蒸気のエンタルピーが増大し、その蒸気が蒸気サイクル内で使用され得るようになる。いずれの場合も、熱が一切吐出されない場合、ガスのGT(1)サイクルの効率が向上する。ロータ式空気冷却器(155)の上流(601)または下流(602)で低温の加圧空気(117)を噴射することにより、阻止される熱(603)が最小となるかまたは排除されて、それによりGT(1)サイクルの効率が向上し、一方で同時に、燃焼器(12)セクションおよびタービンセクション(16)を通る空気の質量流量が効果的に増加する。大部分のガスタービンは、タービンの後のステージを冷却するのに使用される専用の中間圧力圧縮機抽気(701)を有し、タービンの後のステージでは図7に示されるように低い圧力が必要となる。また、すべてのガスタービンは利用可能な最も高い圧力を第1のベーン冷却回路(first vane cooling circuit)に供給し、第1のベーン冷却回路は図8に示される圧縮機吐出ラッパ(compressor discharge wrapper)(14)(または、燃焼器ケース)内にある。噴射の位置、図6に示されるロータ式冷却空気、図7に示される中間圧力冷却、または、図8に示される第1のベーン冷却に応じて、異なる圧力が必要となる。これらの圧力は中間冷却される補助圧縮機(116)の出口によって供給され得るか、または、より低い圧力の用途の場合には中間冷却される補助圧縮機(116)のより前のステージから供給され得る。いずれの場合も、このタイプの噴射は空気を加熱するのに復熱効果をほとんど利用しないか(図示せず)またはまったく利用しないので、別個の燃料エンジンの排気(152)が示されるようにガスタービンの排気(22)に追加され得、それにより複合サイクルプラントのための排気エネルギーが増大する。本発明の出力増大システムが単純サイクルプラントに位置する場合、図9に示されるようにガスタービン(903)内への噴射のための蒸気を作るのに高温の排気(152)がパッケージ化されたボイラ(901)内で利用され得る。TurboPHASEのパッケージ(本発明はこのように称される)はモジュール型であることを意図されるので、ユニットのうちの少なくとも1つにパッケージ化されたボイラ(901)を組み込むことが有利である可能性があり、その結果、オフピーク時間の間、TurboPHASEのモジュール型パッケージが、加圧された高温空気(117)を循環させてガスタービンを暖かい状態で維持し、かつ蒸気を循環させて蒸気タービン/HRSG(503)を暖かい状態で維持するように運転され得、それにより必要となる始動時間が短縮される。
【0076】
低品質の熱を組み入れることにより、効率をさらに向上させることを達成することができる。例えば、図10では、ガスタービンの燃料入力(24)が、燃料エンジンのジャケット冷却システム(1011および1012)からの熱を用いて予熱され得る(1023)。こうすることにより、プラントで必要とされる冷却が軽減され、また、ガスタービンの燃料が燃料加熱器(201)に入る前に予熱されるようになり(1023)、それにより、所望の燃料温度に到達するために必要となる入熱が軽減されるかまたはより高い燃料温度に到達することが可能となる。また、図10は代替の実施形態を示しており、ここでは、換熱器(144)からの排気(153)が、GT内に噴射される前のガスタービン燃料(1024)に最後に熱を追加するのに使用される。この場合、代替の燃料エンジン(151)の排気ガス(153)が、燃料加熱器(201)を通って流れて吐出された(1002)後では、比較的低温になる。
【0077】
本明細書で説明されるおよび詳説される特定のシステム、構成要素、方法およびデバイスは本発明の上述の目的および利点を完全に達成することが可能であるが、これらが本発明の現在好適な実施形態であり、したがって本発明によって広く企図される主題を表すものでありことと、本発明の範囲が当業者には明らかである可能性がある別の実施形態を完全に包含することと、したがって、本発明の範囲が、特許請求の範囲では特に明記しない限り、単数形の要素を参照することが「1つのみ」ではなく「1つまたは複数」を意味している添付の特許請求の範囲以外によって限定されないことと、を理解されたい。
【0078】
本発明の修正形態および変形形態が、本発明の精神および意図される範囲から逸脱することなく、上記の教示によって包含され、添付の特許請求の範囲の範囲内にあることを理解されたい。
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