(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポンプをさらに含む請求項1に記載のディスペンサーであって、該アクチュエーターが、該出力の作用に応じて、該ポンプを機械的に作動させ、これにより該リザーバから該分離量の該流体が分注される、ディスペンサー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に本開示は、分注機構がその可動域全体にわたって動かされるときに、メカニカルアドバンテージの向上を与える流体ディスペンサー及び流体分注機構に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一例において、本開示は、ハウジング、分注される流体の供給を収容する該ハウジング内に位置付けられたリザーバ、該リザーバから分離量の該流体を分注するように構成された分注機構を含むディスペンサーに関する。
この分注機構は、
該ハウジングの外側で接近できる第1のレバー部、第2のレバー部、及び該第1のレバー部と該第2のレバー部との間で連結され、該第1のレバー部への入力の作用時に該レバー部材が休止位置と分注位置との間を動くことができるように、該ハウジング内に枢動可能に支持される、支点を有するレバー部材、及び
該レバー部材が該休止位置から該分注位置へ動かされるときに、該第2のレバー部との少なくとも2つの接点を与えるように構成された、アクチュエーターであって、第1の該少なくとも2つの接点のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージが、第2の該少なくとも2つの接点のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージよりも大きく、かつ該第1の接点で該アクチュエーターに作用される出力が、該第2の接点で該アクチュエーターに作用される出力よりも大きい、アクチュエーター、を含む。
【0005】
別の例において、本開示は、ハウジング、分注される流体の供給を収容する該ハウジング内に位置付けられたリザーバ、及び該リザーバから分離量の該流体を分注するように構成された分注機構を含むディスペンサーに関する。
この分注機構は、
該ハウジングの外側で接近できる第1のレバー部、第2のレバー部、及び該第1のレバー部と該第2のレバー部との間で連結され、該第1のレバー部への入力の作用時に該レバー部材が休止位置と分注位置との間を動くことができるように、該ハウジング内に枢動可能に支持される、支点を有するレバー部材であって、該レバー部材が該休止位置と該分注位置との間を動くことにより、該第2のレバー部によって出力が作用される、レバー部材、
該第2のレバー部からの該出力の作用を受容するように構成されたアクチュエーター、
該アクチュエーターからの該出力を受容し、対応する分注力を該リザーバに作用させて該リザーバから該分離量の流体を分注するように構成されたポンプ、を含み、
該第2のレバー部は、該レバー部材が該休止位置から該分注位置へ動かされるときに、該アクチュエーターとの少なくとも2つの接点を与えるように構成され、第1の該少なくとも2つの接点のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージが、第2の該少なくとも2つの接点のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージよりも大きく、かつ該第1の接点で該アクチュエーターに作用される出力が、該第2の接点で該アクチュエーターに作用される出力よりも大きい。
【0006】
別の例において、本開示は、ハウジング、分注される流体の供給を収容する該ハウジング内に位置付けられたリザーバ、該リザーバから分離量の該流体を分注するように構成された分注機構を含むディスペンサーに関する。
この分注機構は、
該ハウジングの外側で接近できる第1のレバー部、第2のレバー部、及び該第1のレバー部と該第2のレバー部との間で連結され、該第1のレバー部への入力の作用時に該レバー部材が休止位置と分注位置との間を動くことができるように、かつ該レバー部材が該休止位置と該分注位置との間を動くことによって、該第2のレバー部により対応する出力が作用されるように、該ハウジング内に枢動可能に支持される、支点を有する、レバー部材、及び
該第2のレバー部からの該出力の作用を受容することによって、該リザーバから該分離量の該流体を分注するように構成されたアクチュエーター、を含み、
該レバー部材及び該アクチュエーターは、該レバー部材が該休止位置から該分注位置へ動かされるときに、該アクチュエーターと該第2のレバー部との間に少なくとも2つの接触面を与えるように作動可能であり、第1の該少なくとも2つの接触面のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージが、第2の該少なくとも2つの接触面のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージよりも大きく、かつ該第1の接触面に対応する該出力が、該第2の接触面に対応する該出力よりも大きい。
【0007】
1又は複数の例の詳細が、付属の図面及び以下の発明の詳細な説明において述べられている。他の特徴及び利点が、発明の詳細な説明及び図面から、並びに請求項から、明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは、メカニカルアドバンテージの向上を与える流体ディスペンサーの例の透視図である。
【0009】
【
図1B】
図1Bは、カバーが取り外された
図1Aの流体ディスペンサーの例の正面透視図である。
【0010】
【
図1C】
図1Cは、カバー及びプッシュバーが取り外された
図1A及び1Bの流体ディスペンサーの例の正面透視図である。
【0011】
【
図2A】
図2A及び2Bは、流体ディスペンサーの先行技術の分注機構の例の簡易透視図である。
【
図2B】
図2A及び2Bは、流体ディスペンサーの先行技術の分注機構の例の簡易透視図である。
【0012】
【
図3A】
図3A−3Cは、本開示に係る分注機構の例の簡易側面図を示す。
【
図3B】
図3A−3Cは、本開示に係る分注機構の例の簡易側面図を示す。
【
図3C】
図3A−3Cは、本開示に係る分注機構の例の簡易側面図を示す。
【0013】
【
図4】
図4は、本開示に係る分注機構の別の例の簡易側面図を示す。
【0014】
【
図5A】
図5A及び5Bは、本開示に係る分注機構の別の例の簡易側面図を示す。
【
図5B】
図5A及び5Bは、本開示に係る分注機構の別の例の簡易側面図を示す。
【0015】
【
図6A】
図6A−6Cは、本開示に係る分注機構の別の例の簡易側面図を示す。
【
図6B】
図6A−6Cは、本開示に係る分注機構の別の例の簡易側面図を示す。
【
図6C】
図6A−6Cは、本開示に係る分注機構の別の例の簡易側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
一般に、本開示は、分注機構がその可動域全体にわたって動かされるときに、メカニカルアドバンテージの向上を与える流体ディスペンサー及び流体分注機構に関する。液体、ゲル、泡、等の流体製品の分注は、濃度、粘度、及び質の向上した流体製品への要求に起因して、ますます難しくなってきている。これらの製品特性は、より分注するのが難しい製品をもたらし、そしてそれ故に、分注ポンプを動かすのにより多くの力を必要とする。しかしながら、ディスペンサーの製造者は同時に、障害を持つ米国民法(Americans with Disabilities Act)(ADA)に従わなければならず、この法律は、公共の宿泊施設又は商業施設に設置されているハンドソープディスペンサーのコントロールを作動させるのに必要な力は、5 lbf(重量ポンド)(22.24N)以下とする、と述べている。
【0017】
図1Aは、本開示に係る、メカニカルアドバンテージの向上を与える流体ディスペンサーの例100の正面透視図である。
図1Bは、カバーが取り外された
図1Aの流体ディスペンサーの例100の正面透視図である。
図1Cは、カバーとプッシュバーの両方が取り外された
図1A及び1Bの流体ディスペンサーの例100の正面透視図である。
【0018】
ディスペンサーの例100は、フロントカバー102及びバックプレート104を有するハウジング110を含む。ハウジング110の内部に位置するリザーバ112(
図1B及び1C参照)は、分注される流体の供給を収容する。バックプレート104は、ディスペンサー100を壁又は他の物体に取り付けるのを容易にする。この例において、ハウジング110は、カバー102が閉位置と開位置との間を枢動することを可能にする1又は複数のヒンジを含んでよい。ボタン又はラッチ106を押してカバー102をアンラッチしてよく、このようにしてカバー102を開閉させることができる。レバー部材120(この例においてはいわゆるプッシュバーであって、ユーザーにより手動で操作可能である)は、ディスペンサーハウジング110の外側で外部から接近できる。プッシュバー120は、分注機構の一部を形成しており、分注機構の他の部分は、
図1B及び1Cにおいて示されているように、ディスペンサーが完全に組み立てられ、カバーが閉められたときには、ハウジング110の内部に物理的に位置している。説明の目的で、本開示のコンセプトは、ユーザーが動かすことのできるレバー部材としてプッシュバーに関して、本明細書において一般に記載されているが、押しボタン、プッシュハンドル又はプルハンドル、又は他のタイプのレバー構成などの、いかなる他のタイプの手動で動かすことのできる部品もプッシュバーの代わりになることができ、そして本開示がこの点に限定されない、ということが理解される。
【0019】
図1B及び1Cに示されるように、プッシュバー120はさらにヒンジ118を含む。プッシュバー120をディスペンサー100に組み入れるために、ヒンジ118はディスペンサーハウジング110の内側に枢動可能に取り付けられるか、又はディスペンサー100内に別の形で枢動可能に支持されてよい。プッシュバー120は、ユーザーによって押されるとき、ヒンジ118を中心に、休止位置から分注位置までの可動域を枢動する。この例において、休止位置は、力が作用されないときのプッシュバーの位置であり、分注位置は、定量の流体が分注される完全に押された位置である。
【0020】
プッシュバー120に加えて、ディスペンサー100の分注機構はさらに、アクチュエーター116を含む。プッシュバー120に入力を作用させると、それに対応してアクチュエーター116に出力が作用される。出力の作用に応じて、アクチュエーターはポンプ114を機械的に作動させ、これによりリザーバ112から分離量の流体が分注される。
【0021】
図2A及び2Bは、流体ディスペンサーの先行技術の分注機構の例150の簡易図である。説明の目的で、ハウジング110、バックプレート104、等は示されていない。分注機構150は、プッシュバー151、アクチュエーター156、及びポンプ158を含む。プッシュバー151は一般に、てこの原理に従って作動する。プッシュバー151は、ヒンジ又は他のピボット点157により与えられる回転軸又は支点を中心に枢動する第1のレバー部152及び第2のレバー部154を含む。ヒンジ157は、ディスペンサーハウジングの内部側に位置する対応する凹部又は他の付着点内に、実質的に固定的に受容されてよい。ユーザーによって第1のレバー部152に矢印162により示されている方向に入力が作用されると、プッシュバー151が、ヒンジ157により与えられる軸を中心に枢動する。このことにより、対応して第2のレバー部154が回転運動し、矢印164の方向に、アクチュエーター156に出力が作用され、このようにしてポンプ158に出力が作用される。
図2A及び2Bにおいて、プッシュバーにより、アクチュエーター156の下面に作用された出力は、1つの接点、すなわち、第2のレバー部154の遠位端160に集中する。
【0022】
入力(F
A)に対する出力(F
B)の比、すなわちメカニカルアドバンテージ(MA)を、レバーの力増幅の尺度として用いてよい。メカニカルアドバンテージのコンセプトは、
図2A及び2Bに示されたプッシュバー150などの、流体ディスペンサーのプッシュバーに適用することができる。例えば、プッシュバー151のMAは、矢印162により示されるように第1のレバー部に作用された入力F
A、及び矢印164により示されるように第2のレバー部154によりアクチュエーター156に作用された出力F
Bで表すことができる。この比は、同様に、第1のレバー部152の長さa、及び支点又はヒンジ157からの第2のレバー部154の長さbの比に比例する。
【数1】
この例において、出力F
B及びそれ故に
図2A及び2Bにおいてプッシュバーにより与えられるメカニカルアドバンテージは、1つの接点、すなわち、第2のレバー部154の遠位端160に集中する。このように、この例において、メカニカルアドバンテージの計算上、第2のレバー部154の長さは、第2のレバー部154の全長bに等しい。
【0023】
図3A−3Cは、本開示に係る分注機構の例201の簡易側面図を示す。分注機構201は、プッシュバー200、アクチュエーター210、及びポンプ208を含む。プッシュバー200は、第1のレバー部202、第2のレバー部204、及びヒンジ206を含む。第1のレバー部202は全長aを有し、第2のレバー部204は全長bを有する。アクチュエーター210は、プッシュバー200と2つの接点を有するように構成されている。そのために、アクチュエーターの例210は、第1の接点で第2のレバー部204と接触するように構成された第1の接触面212及び第2の接点で第2のレバー部204に接触するように構成された第2の接触面214を含む。第1の接点は一般に参照数字215により示され、ヒンジ206と第2のレバー部204の遠位端216との間のどこかに位置する。第2の接点は一般に参照数字217により示され、この例においては第2のレバー部204の遠位端216に位置する。
【0024】
作動において、ユーザーにより第1のレバー部152へ、矢印203により一般に示される方向に力が作用されると、ヒンジ206により与えられる軸を中心にプッシュバー200が枢動する。
図3Bにおいて示されるように、第2のレバー部204は最初に、ヒンジ206と第2のレバー部204の遠位端216との間に位置する第1の接点215で、第1の接触面212に接触し、力を作用させる。接点215とヒンジ206との間の距離は、長さcにより示される。このように、ディスペンサーの作動の初めに入力が作用されるレバー部の駆動長は、距離cとおよそ等しい。プッシュバーがヒンジ206を中心に回転するときに、距離cは幾分変化するが、この例において、駆動長cはレバー部204の全長bよりも常に比較的短くなる、ということが理解される。
【0025】
ここで、
図3Cを参照すると、プッシュバー200がヒンジ206を中心に回転し続けると、第2の接点217が、第2のレバー部204の遠位端216で、アクチュエーター210の第2の接触面214に接触する。このように、入力が作用されるレバー部の駆動長は、比較的短い駆動長cから、bにより与えられる比較的長い相対的な駆動長へ移行する。
【0026】
この例において、比較的短い駆動長により与えられるメカニカルアドバンテージMA
shortは、以下の式により定義できる。
【数2】
【0027】
この例において、比較的長い駆動長により与えられるメカニカルアドバンテージMA
longは、以下の式により定義できる。
【数3】
【0028】
プッシュバー200は最初に、短い駆動長cでアクチュエーター210に接触するため、ディスペンサーの作動の初めに作用されるメカニカルアドバンテージは、ディスペンサーの作動の終わりに向かって作用されるメカニカルアドバンテージよりも比較的高い。このことにより、ポンプは、ユーザーから必要とされる入力の量が比較的小さくても、分注を開始することができる。
【0029】
プッシュバー200がヒンジ206を中心に回転するとき、アクチュエーター210は長い駆動長bにより接触し、MAは短い駆動長cと比べて減少する。加えて、長さbにより定義されるより長い駆動長は、参照数字207により示される角度(プッシュバー200が、ポンプを完全に押すために移動しなければならない角度)を減少させる。
図3Cにおいて示されるように、このことは、プッシュバー202を吐出噴霧218から離れた状態に保つのを助けることができる。もし短い駆動長cのみが用いられたとしたら、プッシュバーはポンプ噴霧を妨害する可能性がある。なぜなら、プッシュバーを完全に押すのに必要な回転の程度及び完全に製品を分注するのに必要な回転の程度が増加する可能性があるからである。
【0030】
図4は、本開示に係る分注機構の別の例221の簡易側面図を示す。分注機構221は、本開示に従って、プッシュバー220、アクチュエーター230及びポンプを含む。プッシュバー220は、第1のレバー部222、第2のレバー部224及びヒンジ226を含む。第1のレバー部222は全長aを有し、第2のレバー部224は全長bを有する。この例において、アクチュエーター230は、3つの接触面(第1の接触面232、第2の接触面234、及び第3の接触面236)を有するように構成される。作動において、第2のレバー部224は、第1の接触面232、第2の接触面234、及び第3の接触面236に、それぞれ駆動長d、c、及びbで、プッシュバー220の回転全体にわたって、接触する。このように、プッシュバーがその可動域で動かされるとき、分注力の初期の作用時に与えられるメカニカルアドバンテージ(接触面232での駆動長dにより与えられるMA
d)は、ストロークの途中で与えられるメカニカルアドバンテージ(接触面234での駆動長cにより与えられるMA
C)よりも比較的大きく、MA
cそれ自体はストロークの終わりに向かって与えられるメカニカルアドバンテージ(接触面236での駆動長bにより与えられるMA
b)よりも比較的大きい。この関係は、以下の式により表すことができる。
【数4】
【0031】
図5A及び5Bは、本開示に係る分注機構の別の例241の簡易側面図を示している。分注機構241は、本開示に従って、プッシュバー240、アクチュエーター250及びポンプを含む。プッシュバー240は、第1のレバー部242、第2のレバー部244及びヒンジ246を含む。この例において、アクチュエーター240は湾曲した接触面252を含む。プッシュバー240がその可動域で回転するとき、面252は、第2のレバー部244との連続して変化する接点を与える。接点は、第1の接点243(駆動長cでヒンジ246と第2のレバー部244の遠位端248との間に位置する)と、第2の接点245(駆動長bで第2のレバー部244の遠位端に位置する)との間で変化する。湾曲した接触面252は、プッシュバー240の第2のレバー部244の少なくとも一部分に沿って、接触のなめらかな移行を与えることができ、このなめらかな移行は、ディスペンサーの作動の間に、よりなめらかなユーザーの体験を与えるのを助けることができる。プッシュバー240を完全に押したときの回転の角度247は十分に小さく、流体吐出流249を妨害しない。
【0032】
プッシュバー240は最初に、短い駆動長cでアクチュエーター250に接触するため、ディスペンサーの作動の初めに作用されるメカニカルアドバンテージは、プッシュバー240が比較的長い駆動長bでアクチュエーター250に接触しているとき、ディスペンサーの作動の終わりに向かって作用されるメカニカルアドバンテージよりも比較的高い。
【0033】
図6A−6Cは、本開示に係る分注機構の別の例261の簡易側面図を示す。分注機構261は、本開示に従って、プッシュバー260、アクチュエーター270、及びポンプ280を含む。この例において、プッシュバー260は、アクチュエーター270との2つの接点を与えるように構成されている。プッシュバー260は、第1のレバー部262、第2のレバー部264、及び第1のレバー部262と第2のレバー部264との間に連結されたヒンジ266を含む。アクチュエーター270は接触面272を含む。第2のレバー部264は、ヒンジ266に連結され第1の接点265を与えるベースセグメント292、及びベースセグメント292に隣接して遠位に連結され第2の接点267を与える分岐セグメント294を含む。この例において、複数の接点を与えるために、ベースセグメント292及び分岐セグメント294は異なる厚さを有し、第1の及び第2の接点265及び267をそれぞれ与える。この例において、ベースセグメント292の厚さiは、分岐セグメント294の厚さjよりも比較的大きい。
【0034】
作動において、第2のレバー部264は最初に、比較的短い駆動長cで、接触面272に出力を作用させる。次に、プッシュバー260の回転が続くと、力の作用が比較的長い駆動長bに移行する。このように、プッシュバー260がその可動域で動かされるとき、分注力の初期の作用時に与えられるメカニカルアドバンテージ(接点265による駆動長cにより与えられるMA
c)は、ストロークの後半部分の間に与えられるメカニカルアドバンテージ(接点267による駆動長bにより与えられるMA
b)よりも比較的大きい。この関係は、以下の式により表すことができる。
【数5】
【0035】
プッシュバー260は最初に短い駆動長cでアクチュエーター270と接触するため、ディスペンサーの作動の初めに作用されるメカニカルアドバンテージは、プッシュバー260が比較的長い駆動長bでアクチュエーター270と接触しているとき、ディスペンサーの作動の後半部分の間に作用されるメカニカルアドバンテージよりも比較的高い。
【0036】
あるいは、プッシュバー260は、複数の接点を与えるように構成されてよい。例えば、第2のレバー部264は、ヒンジ266に連結され、第1の接点265を与える、ベースセグメント292などのベースセグメントを含んでよい。第2のレバー部264は、ベースセグメント292に隣接して遠位に連結され、対応する1又は複数の接点を与える、1又は複数の分岐セグメントをさらに含んでよい。この例において、複数の接点を与えるために、ベースセグメント及び1又は複数の各分岐セグメントは、異なる厚さを有し、複数の接点を与えてよい。例えば、各分岐セグメントは、近位に隣接した分岐セグメントよりも比較的小さい厚さを有してよい。
【0037】
ディスペンサーの作動の間に複数の接点を与える具体的な流体ディスペンサーの例が本明細書において示され記載されているが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、流体分注機構の多くの他のバリエーションもまた用いることができる、ということが理解される。例えば、アクチュエーター及び/又はプッシュバーは、ディスペンサーの作動の間に複数の接点を与える様々な異なる方法で構成されてよい。例えば、アクチュエーターは、任意の所望の数の接触面を含むように構成されてプッシュバーとの複数の接点を与え、このようにしてプッシュバーの可動域の全体にわたって、対応する数の異なる駆動長を与えてよい。加えて、又は代わりに、プッシュバーは、任意の所望の数の接点を含み、その可動域全体にわたってアクチュエーターとの複数の接点を与えるように構成されてよい。別の例として、アクチュエーターとプッシュバーの両方が、プッシュバーの可動域で、異なる数の駆動長に対応する複数の接点を与えるように構成されてよい。それ故に、本開示は、本明細書中に示され記載されている具体的な例に限定されるものではないこと、多くの他のアクチュエーター及び/又はプッシュバー構成のバリエーションを用いることができること、及び本開示がこの点に限定されるものではないことが理解される。
【0038】
様々な例を記載してきた。これらの例及び他の例は、以下の特許請求の範囲内にある。
本発明の実施態様の一部を以下の項目1−20に記載する。
[1]
ディスペンサーであって、
ハウジング;
分注される流体の供給を収容する該ハウジング内に位置付けられたリザーバ;
該リザーバから分離量の該流体を分注するように構成された分注機構であって、
該ハウジングの外側で接近できる第1のレバー部、第2のレバー部、及び該第1のレバー部と該第2のレバー部との間で連結され、該第1のレバー部への入力の作用時に該レバー部材が休止位置と分注位置との間を動くことができるように、該ハウジング内に枢動可能に支持される、支点を有するレバー部材;及び
該レバー部材が該休止位置から該分注位置へ動かされるときに、該第2のレバー部との少なくとも2つの接点を与えるように構成された、アクチュエーターであって、第1の該少なくとも2つの接点のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージが、第2の該少なくとも2つの接点のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージよりも大きく、かつ該第1の接点で該アクチュエーターに作用される出力が、該第2の接点で該アクチュエーターに作用される出力よりも大きい、アクチュエーター、
を含む、分注機構、
を含む、ディスペンサー。
[2]
該レバー部材が、プッシュバー、プッシュボタン、又はハンドルのうちの1つを含む、項目1に記載のディスペンサー。
[3]
該レバー部材が、該休止位置と該分注位置との間で、ユーザーによって手動で動かすことのできるものである、項目1に記載のディスペンサー。
[4]
該第1の該少なくとも2つの接点のうちの1つの駆動長が、該第2の該少なくとも2つの接点のうちの1つにより与えられる駆動長よりも比較的短い、項目1に記載のディスペンサー。
[5]
該第1のレバー部が長さaを有し、該第2のレバー部が長さbを有し、該第1の接点が、該第2のレバー部の該長さbよりも比較的少ない駆動長cを有し、該第1の接点により与えられるメカニカルアドバンテージMAshortが、
【数1】
である、項目1に記載のディスペンサー。
[6]
該第1のレバー部が長さaを有し、該第2のレバー部が長さbを有し、該第2の接点が該第2のレバー部の該長さbと実質的に等しい駆動長を有し、該第2の接点により与えられるメカニカルアドバンテージMAlongが、
【数2】
である、項目1に記載のディスペンサー。
[7]
該入力が5重量ポンド(lbf)(22.24N)以下である、項目1に記載のディスペンサー。
[8]
該アクチュエーターが、分注ストロークの第1の部分の間に、該第1の接点で、該第2のレバー部からの出力の作用を受容するように構成された第1の接触面、及び分注ストロークの第2の部分の間に、該第2の接点で、該第2のレバー部からの出力の作用を受容するように構成された第2の接触面、をさらに含む、項目1に記載のディスペンサー。
[9]
ポンプをさらに含む項目1に記載のディスペンサーであって、該アクチュエーターが、該出力の作用に応じて、該ポンプを機械的に作動させ、これにより該リザーバから該分離量の該流体が分注される、ディスペンサー。
[10]
該流体製品が、液体、ゲル、又は泡のうちの1つを含む、項目1に記載のディスペンサー。
[11]
該アクチュエーターが、該レバー部材が該休止位置から該分注位置へ動かされるときに、該第2のレバー部との連続して変化する接点を与える湾曲した接触面を与えるように構成されている、項目1に記載のディスペンサー。
[12]
ディスペンサーであって、
ハウジング;
分注される流体の供給を収容する該ハウジング内に位置付けられたリザーバ;及び
該リザーバから分離量の該流体を分注するように構成された分注機構であって、
該ハウジングの外側で接近できる第1のレバー部、第2のレバー部、及び該第1のレバー部と該第2のレバー部との間で連結され、該第1のレバー部への入力の作用時に該レバー部材が休止位置と分注位置との間を動くことができるように、該ハウジング内に枢動可能に支持される、支点を有するレバー部材であって、該レバー部材が該休止位置と該分注位置との間を動くことにより、該第2のレバー部によって出力が作用される、レバー部材;
該第2のレバー部からの該出力の作用を受容するように構成されたアクチュエーター;
該アクチュエーターからの該出力を受容し、対応する分注力を該リザーバに作用させて該リザーバから該分離量の流体を分注するように構成されたポンプ、
を含む、分注機構、
を含み、
該第2のレバー部は、該レバー部材が該休止位置から該分注位置へ動かされるときに、該アクチュエーターとの少なくとも2つの接点を与えるように構成され、第1の該少なくとも2つの接点のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージが、第2の該少なくとも2つの接点のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージよりも大きく、かつ該第1の接点で該アクチュエーターに作用される出力が、該第2の接点で該アクチュエーターに作用される出力よりも大きい、ディスペンサー。
[13]
該第1の該少なくとも2つの接点のうちの1つの駆動長が、該第2の該少なくとも2つの接点のうちの1つにより与えられる駆動長よりも比較的短い、項目12に記載のディスペンサー。
[14]
該第2のレバー部が、分注ストロークの第1の部分の間に該アクチュエーターに該出力を作用させるように構成された、第1の接触面、及び該分注ストロークの第2の部分の間に該アクチュエーターに該出力を作用させるように構成された、第2の接触面、をさらに含む、項目12に記載のディスペンサー。
[15]
該流体製品が、液体、ゲル、又は泡のうちの1つを含む、項目12に記載のディスペンサー。
[16]
該レバー部材が、プッシュバー、プッシュボタン、又はハンドルのうちの1つを含む、項目12に記載のディスペンサー。
[17]
ディスペンサーであって、
ハウジング;
分注される流体の供給を収容する該ハウジング内に位置付けられたリザーバ;
該リザーバから分離量の該流体を分注するように構成された分注機構であって、
該ハウジングの外側で接近できる第1のレバー部、第2のレバー部、及び該第1のレバー部と該第2のレバー部との間で連結され、該第1のレバー部への入力の作用時に該レバー部材が休止位置と分注位置との間を動くことができるように、かつ該レバー部材が該休止位置と該分注位置との間を動くことによって、該第2のレバー部により対応する出力が作用されるように、該ハウジング内に枢動可能に支持される、支点を有する、レバー部材;及び
該第2のレバー部からの該出力の作用を受容することによって、該リザーバから該分離量の該流体を分注するように構成されたアクチュエーター、
を含む、分注機構、
を含み、
該レバー部材及び該アクチュエーターは、該レバー部材が該休止位置から該分注位置へ動かされるときに、該アクチュエーターと該第2のレバー部との間に少なくとも2つの接触面を与えるように作動可能であり、第1の該少なくとも2つの接触面のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージが、第2の該少なくとも2つの接触面のうちの1つで与えられるメカニカルアドバンテージよりも大きく、かつ該第1の接触面に対応する該出力が、該第2の接触面に対応する該出力よりも大きい、ディスペンサー。
[18]
該第1の該少なくとも2つの接触面のうちの1つの駆動長が、該第2の該少なくとも2つの接点のうちの1つにより与えられる駆動長よりも比較的短い、項目17に記載のディスペンサー。
[19]
該流体製品が、液体、ゲル、又は泡のうちの1つを含む、項目17に記載のディスペンサー。
[20]
該レバー部材が、プッシュバー、プッシュボタン、又はハンドルのうちの1つを含む、項目17に記載のディスペンサー。