(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記調節可能なチューニング要素が、前記駆動シャフトから前記ばねの前記可動部へ延び、前記調節可能なチューニング要素が、前記ばねに接続され、前記ばねの前記可動部の位置を、張力が所定の大きさになるようにし、前記調節可能なチューニング要素が、個別にチューニング可能であり、前記ばねの前記可動部の一方に加えられる張力の大きさは、前記ばねの前記可動部の他方とは異なる大きさにすることができる、
請求項2に記載のばね機構。
前記調節可能なチューニング要素が、各々、前記駆動シャフトと前記ばねの前記可動部との間でねじ式に接続され、前記ねじ式の接続が、前記ばねの前記可動部の各々に与えられる張力の大きさの、前記個別の調節を可能にする、
請求項3に記載のばね機構。
前記1対のボスの各々が延びて前記ばねの前記可動部の1つと係合し、前記ボスの各々が、開口部を形成し、前記調節可能なチューニング要素の1つが、各々の前記開口部の中へ延びる、
請求項7に記載のばね機構。
前記ばね部材が、板ばねであり、前記少なくとも2つの可動部が、相互に離間し、前記少なくとも2つの可動部が、各々前記ばね部材の1対のカットアウトの間に形成される、
請求項9に記載のばね機構。
前記少なくとも2つのチューニング要素が、個別に調節可能で、前記ばねの軸に直交する方向に、前記ばねの前記少なくとも2つの可動部に加えられる張力の大きさを調節する、
請求項9に記載のばね機構。
【発明を実施するための形態】
【0014】
I.概説
電動歯ブラシなどの動力付き装置に使用するばね機構を、
図1〜19に示し、全体を10で示す。ばね機構10は、駆動ユニットハウジング12に接続された固定要素11と、固定要素11に接続されたばね14と、を含み、ばね14の少なくとも一部16が、固定要素11及びハウジング12に対して動くことができ、ばね機構10は、更に、1つの磁石を有する第1の端部20とワークピース26に取り付けるための第2の端部24とを含む駆動シャフト18と、駆動シャフト18をばね14の可動部16に接続する調節可能なチューニング要素28と、を含む。
【0015】
作動時に、ばね機構10は、上記の磁石の動きを、ワークピース26の所望の振動数での所望の動きへ転換又は変換するように、作動する。上記の磁石は、この磁石に隣接して配置された電磁石30などの駆動装置によって駆動される。調節可能なチューニング要素28は、ワークピースの動き及び振動数を、簡単に調節できるようにする。図示する実施形態において、ワークピース26は、電動歯ブラシ用の交換ヘッドであり、ばね機構10は、歯ブラシヘッドに所望の運動を与える。別の実施形態において、ばね機構10は、駆動ユニットハウジングの一部ではなく、交換ヘッドの一部を形成できる。
【0016】
II.構造
上述のように、電磁動力駆動ユニットは周知なので、駆動ユニットハウジング12及び電磁石30については、本明細書において、詳細には説明しない。駆動ユニットハウジング12が、概略的に、駆動ユニット用のハンドルを形成し、また、ハウジング内の電源(図示せず)、例えばバッテリ又はAC電源などと、使用者が操作可能なスイッチ31と、を含む、ということを述べるだけで充分である。駆動ユニットハウジング12は、駆動機構を含み、駆動機構は、DC駆動装置でもAC駆動装置でもよい。1つの実施形態において、駆動ユニットハウジング12は、駆動ユニットハウジング12内に配置された電磁石30を含み、電磁石30は、使用者がスイッチ31を押すと作動される。電磁石30又は1対の電磁石は、駆動ユニットハウジング12内で、陽極と陰極の間で振動するように作動できる。振動は、電磁石の共振振動数の範囲において可能である。
図1、2及び20に示すように、電磁石30は、駆動ユニットハウジング12内において、ばね機構10の駆動シャフト18の第1の端部20に近接して中央に配置され、ばね機構10は、ハウジング内部12に配置される。駆動シャフト18の第2の端部24を含む駆動シャフト18の一部は、ワークピース26を受け入れるために、ハウジング12の端部34から外向きに延びる。
【0017】
ばね機構10は、交換歯ブラシヘッド又は回転振動するその他の形式の装置などのワークピース26に、取外し可能に取り付けるように設計できる。
図10〜20を参照すると、1つの実施形態において、ワークピース26は、歯ブラシヘッドであり、この歯ブラシヘッドは、概略的に、細長いネック38を含み、細長いネック38は、一方の端部にヘッド40を備え、反対側の端部に受け口(図示せず)を備える。受け口は、駆動シャフト18の第2の端部24を受け入れるサイズを有する。図示するように、ヘッド40は、ヘッド40から外向きに延びる様々な長さを有する複数のブラシの毛44を含む。別の実施形態において、ヘッド40は、ヘッド40から延びるエラストマー要素などの1つ又はそれ以上の別のクリーニングエレメントを含むことができる。更に別の実施形態において、上述を参照し、ワークピース26は、同様にばね機構10を含むもっと大きい交換ヘッドの一部を形成することができる。このような実施形態において、駆動ユニットハウジング12は、交換ヘッドに接続するためのねじ部などの構造を含むことができ、ばね機構10の一部は、駆動ユニットハウジング12の開口部の中へ延びて、ばね機構10を、電磁石30によって駆動されるようにする。
【0018】
図1〜20を参照すると、ばね機構10は、固定要素11と、ばね14と、駆動シャフト18と、調節可能なチューニング要素28と、を含む。図示する実施形態において、固定要素11は、従来の手段によって、より大きな駆動ユニットハウジング12に接続される。固定要素11は、駆動ユニットハウジング12に接続され、固定要素11が駆動ユニットハウジング12に対して所定の場所に固定されるように接続される。1つの実施形態において、固定要素11は、上面46と下面48とを有する概ね平坦な成形プラスチック板である。又は、固定要素11は、多様な異なる材料から形成することができ、1つの実施形態においては、駆動ユニットハウジング12と一体的に形成できる。
図1〜7に図示する実施形態において、下面48は、下面48から外向きに延びる1対の離間した突起部又はボス50を含む。ボス50の外面52は、下に説明する駆動シャフト18上の軸受部材80と係合したとき、係合面の一部を形成するように、凹状とすることができる。固定要素11’の第2の実施形態を
図10〜19に示す。この変形(
図17)において、固定要素11’は、外向きに延びるボス50を含まない。その代わりに、固定要素11’の下面48’の窪み50’が、ボス50の外面52と同様に機能する係合面52’を形成する。
【0019】
ばね部材14は、固定要素11に取り付けられる。図示する実施形態において、ばね部材14は、ばね鋼などの弾性材料で形成された概ね平坦な板である。図示するように、ばね14は、固定要素11及びばね14を貫通する4つの締結具56を用いて固定要素11に取り付けられる。締結具56は、ばね14の少なくとも一部を固定要素11及び駆動ユニットハウジング12に対して固定して保持する。もちろん、ばね14は、他の従来の多様な方法で固定要素11又は駆動ユニットハウジング12に固定的に取り付けできる。
【0020】
1つの実施形態において、ばね14は、更に可動部16を含む。図示するように、可動部16は、ばね部材14の帯状部であり、ばね14における1対の対称形カットアウト60の間に形成される。図示する実施形態において、可動部16は、ばね14内において中央に配置されるが、可動部16は、用途に応じてばねにおいて所望の別の場所に配置することができる。カットアウト60のおかげで、可動部16は、端部62、64が固定されたまま可動部16の長手方向の範囲に沿って形成されたばねの軸に沿って前後に捩れるトーションバーを第1の端部62と第2の端部64との間に形成するように、第1の端部62と、第1の端部とは反対側の第2の端部64と、を含むように形成される。カットアウト60のサイズ及び形状は、ばねの軸の周りでの可動部16の可撓性及び捩れ回転の大きさを制御する。図示する実施形態において、各カットアウト60は概ね半円形であり、半円の凸面は、それぞれ、可動部16から離れる方向を向くが、カットアウト60の形状は、可動部16の特性を改変するために変えることができる。可動部16の可撓性を増大して駆動シャフト18及びワークピース26の動きを増大するために、カットアウトをより大きくし、可動部をより薄くすることができる。1つの実施形態において、カットアウト60及び可動部16のサイズ及び形状は、所望のワークピースの運動を生じるように例えば電磁駆動機構30の周波数がワークピース26の共振振動数に近似するように、駆動シャフト18及びワークピース26のサイズ及び形状に従って製造者が事前に選択する。1つの実施形態において、可動部16は、下で更に説明するように調節可能なチューニング要素28を受け入れるための中央開口部66を形成する。ばねの他の特性も、ワークピース26の運動を変えるように改変できる。例えば、より厚いばね材料は、ばねを捩るために必要な力を増大し、作動時にばねが捩じれる大きさを減少する。ばねに所望の特性を与えるために、スロット又は孔などの付加的要素を更にばね又は複数のばねに組込みことができる。1つの実施形態において、ばね14は、固定要素上のボス50がばね14を貫通して駆動シャフト18と係合できるようにする孔を含むことができる。又は、ばねは、ばねが駆動シャフト18のための係合面を形成するように上記の開口部無しに構成できる。
【0021】
図示するばね14の可動部16は、1対のカットアウトの間に形成されるより大きいばね部材の一部であるが、別の実施形態において、ばね14は、可動部16の特性と同様の特性を有するトーションバーを形成するように両端で固定される概ね平坦な帯状のばね材料などの可動部のみで構成できる。
【0022】
駆動シャフト18は、長手軸68を形成し、第1の端部20と、第1の端部とは反対側の第2の端部24と、を有する概ね細長い部材である。駆動シャフト18は、材料の単体ピースとして一体的に形成できるが、図示する実施形態においては、駆動シャフト18の第1の端部20を含む成形プラスチック部材70と、長手軸に沿ってプラスチック部材70の凹部の中へ延びて駆動シャフト18の第2の端部24を含む金属部材71とを含む2つの材料及び2つのピースから形成される。図示するように、駆動シャフト18の第1の端部20はベース72を含み、ベースは、駆動シャフト18の長手軸68に概ね直交する方向に駆動シャフト18の第1の端部20から外向きに延びる概ね平坦な板である。ベース72は、極性が反対の1対の永久磁石76、78を支持する下面を有し、例えばベース72の中へ永久磁石76、78を型込めすることによって、又は、接着剤又はその他の既知の方法によって、永久磁石76、78を支持する。或いは、永久磁石76、78は、例えば中間板によってベース72に間接的に接続できる。
図1及び2に示すように、組み立てられたとき、永久磁石76、78は、電磁石30に隣接して配置される。永久磁石76、78が駆動シャフト18の長手軸からオフセットするようにベース72において配置される結果、電磁石は、永久磁石76、78が弓形経路でベース72を動かようにする。図示するように、ベース72は、駆動ユニットハウジング12の内部のサイズより小さい外周を有するので、ベース72は、駆動ユニットハウジング12内で前後及び/又は上下に動くことができる。1つの実施形態において、永久磁石76、78は、駆動ユニットハウジング12内で電磁石30が引きつけ、また、跳ね返すことができる、鋼などの強磁性材料に取り換えることができる。
【0023】
駆動シャフト18のプラスチック部材70の残り部分は、固定要素11の外面52、52’の間の係合を良好に行い、かつ、駆動シャフト18と、ばね14の可動部16と、の間の接続を良好に行う。
図15を参照すると、駆動シャフト18は、固定要素11の係合面52、52’に係合する丸みのある軸受面を形成する、1対の丸みのある突起部80を含み、駆動シャフト18と固定要素11との間の揺動式の関係を形成し、この丸みのある突起部80は、凹状の係合面52上で前後に揺動することができる。丸みのある突起部80の間において、駆動シャフト18は、駆動シャフト18をばね16の可動部に接続する構造を含む。1つの実施形態において、駆動シャフト18は、下で詳細に説明するように、調節可能なチューニング要素28を受け入れるために、駆動シャフト18を貫通する締結具用孔82を形成する。別の実施形態では、別の構造を使用して、固定ハウジング11に対して駆動シャフト18の揺動式の動きを良好に行うことができる。例えば、丸みのある突起部を、固定ハウジング11又はばね部材14に含めて、駆動シャフト18の凹面に係合させるか、又は、駆動シャフト18を、蝶番で固定ハウジングに接続することができる。各場合において、駆動シャフト18の固定要素11への接続は、駆動シャフト18を、弓形の運動で動くようにさせるが、これは、電磁石が作動すると、電磁石30が、永久磁石76、78を往復動運動で動かし、駆動シャフト18の固定要素11への接続が、駆動シャフトを、軸受面を貫通する軸に沿って、ばねの軸及び駆動シャフト18の長手軸に平行な軸の周りの弓形経路で動かすのである。
【0024】
最後に、駆動シャフト18の第2の端部24は、ワークピース26に取り付けるための形状を有する。図示する実施形態において、第2の端部24は、ワークピース26の受け口の中へ延びるように形成される形状を含み、ワークピース26が駆動シャフト18に対して回転又は軸方向に移動するのを防止する。
図1及び2を参照すると、第2の端部24は、ワークピース26に取り付けるために、駆動ユニットハウジング12の端部を越えて外向きに延びる。
【0025】
調節可能なチューニング要素28は、駆動シャフト18をばね14に接続する。特に、調節可能なチューニング要素28は、駆動シャフト18をばね14の可動部16に接続する。図示する実施形態において、調節可能なチューニング要素28は、ねじを有するボルトであり、このボルトは、ばね14の可動部16の中央開口部66を通り、駆動シャフト18の締結具用孔82を通って、駆動シャフト18の裏面のチューニングナット84の中へ延びる。ボルト28がナット84の中へ挿入された時、駆動シャフト18はばね14及び固定要素11に接続され、係合面52及び80は相互に係合して、駆動シャフト18の搖動運動のための軸受を形成する。ボルト28がねじを有するため、ボルト28とナット84は、ばね14の可動部16へ加えられる張力の大きさを調節するために締めたり緩めたりできる。例えば、
図6は、ナット84に接続されたチューニング要素28を示し、ばねの可動部16は、ほぼ中立位置にあり、板ばね14の残り部分と一直線上にある。この状態においては、ばね14の可動部16と駆動シャフト18との間にはギャップがある可能性がある。
図7は、よりきつくナット84に接続されたチューニング要素28を示し、ばね14の可動部16は、緊張位置にあり、可動部は、駆動シャフトへ向かって僅かに屈曲して、駆動シャフト18とばね14との間のギャップを部分的又は完全的に閉鎖できる。ばね14の可動部16の張力の大きさの変動は、駆動シャフト18及びワークピースの動きの振幅及び振動数を変動させる。従って、製造者は、ナット84に対してボルト28を回転させ、可動部16を駆動シャフト18の方向へ引っ張って、ばね14の可動部16に加える張力を調節することによって、ワークピース26の動きを効率よくチューニングできる。現設計の変形としてボルト式締結具の代わりに、所定の調節の大きさを与える別の締結具又は装置を使用できる。
【0026】
上に開示する実施形態は歯ブラシヘッドに関連しているが、明らかに、駆動シャフト18の長手方向の寸法に概ね平行に配列された毛を備えるクリーニングブラシ及び/又はピーリングブラシなど同じ又は同様の範囲の運動を利用する他の形式のワークピースに関連して、上記の実施形態を使用できる。
【0027】
III.作動
作動時に、駆動ユニットハウジング12内の電磁石30は、使用者操作スイッチ31によって操作される。作動されると、電磁石30は、所定の駆動振動数の範囲で振動する及び/又は極性を変化するように制御される。交換ヘッド又はその他のワークピース26は、駆動シャフト18の第2の端部24をワークピース26の受け口へ挿入することによって、又はその他の取付け方法によって、駆動シャフト18の端部24に接続される。電磁石30、及び、ベース72に配置した永久磁石76、78(又は強磁性材料)への電磁石30の引きつけは、ベース72を弓形経路で前後に振動させる。
【0028】
ばね機構10は、駆動シャフト18の運動経路並びにワークピース26の動きの振幅及び振動数を制御する。ばね機構10を参照すると、ベース72の動きは、軸受面80具体的には駆動シャフト18とばね14の可動部16との間の接続により軸受面80と固定ハウジング11の表面52、52’との間の係合面を貫通する回転軸の周りで駆動シャフト18を前後に回転させる。回転軸は、ばねの軸及び駆動シャフト18の長手軸68に対して概ね平行である。ばね14の可動部16は、駆動シャフト18が振動するときばねの軸の周りで回転し、駆動シャフト18の動きを制御しかつ中央位置において駆動シャフトを付勢するように作用する。ばね14が捩じれる時、ワークピース26は、弓形経路で動く。
【0029】
ばね機構10及びワークピース26の運動を
図8〜19に詳細に示す。
図8〜9及び14〜15は、中央位置にあるばね機構10を示す。中央位置は、例えば、電磁石がオフのとき中立休憩位置であり、電磁石が作動されたとき回転中央位置である。この位置において、ばね14の可動部16は、非捩れ状態で、ばね14の残り部分と概ね同じ平面上にある。
図15に示すように、駆動シャフトの軸受面80は固定ハウジング11の表面52’ に係合し(ばね14に形成された開口部を貫通する)、ワークピース26の毛44は、固定要素11の上面に概ね直交する。
図10〜11及び16〜17は、電磁石が作動されたときに生じる左回転位置のばね機構10を示す。この位置において、ばね14の可動部16は、捩れ状態で、概ねばね14の残り部分に対して角度を成す平面上にある。
図17に示すように、駆動シャフトの軸受面80は、固定ハウジング11の表面52’に係合し(ばね14に形成された開口部を貫通する)、ワークピース26の毛は、固定要素11の上面46に対して概ね左に回転する。最後に、
図12〜13及び18〜19は、電磁石が作動されたとき生じる右回転位置にあるばね機構10を示す。この位置において、ばね14の可動部16は、捩れ状態で、概ねばね14の残り部分に対して右へ角度を成す平面上にある。
図19に示すように、駆動シャフトの軸受面80は、固定ハウジング11の表面52’に係合し(ばね14に形成された開口部を貫通する)、ワークピース26上の毛44は、概ね固定要素11の上面46に対して右に回転する。電磁石30が作動される間、ばね機構10は左回転と右回転との間を前後に振動する。
【0030】
上述のように、歯ブラシヘッド又は別の形式の装置のワークピースなどのワークピースの運動及び振動数は、多様な変数によって制御できる。本発明において、変数の中には調節可能なチューニング要素28の調節が含まれる。他の変数としては、ばねのサイズ、厚み及び形状、底部部材における永久磁石76、78の配置、毛のサイズ及び長さ及びモーターの駆動周波数が含まれるが、これらに限定されない。これらの変数の各々は、使用者が望ましいブラッシング機能、ハンドル振動及び運転騒音を体験できるように用途に応じて調節できる。1つの実施形態において、モーターの駆動周波数は、約60Hz〜1000Hzである。電動歯ブラシに使用する場合のより特定の実施形態おいて、駆動周者数は約150Hz〜400Hzである。電動歯ブラシのためのより特定の実施形態において、モーターの駆動周波数は、約230Hz〜280Hzであり、電動歯ブラシのための更に特定の実施形態において、モーターの駆動周波数は260Hzに設定される。ワークピースがピーラーのヘッドである実施形態において、駆動周波数は、約150〜200Hzとすることができる。上記の物など別のワークピースの場合の駆動周波数は、特定の用途の所望の出力及びワークピースの運動に応じて増減できる。
【0031】
特定の駆動周波数が確定された後、上記の変数は、比較的低い騒音レベル及び比較的低いモーターの消費電流を維持しながら、ブラシヘッド40の所望の運動及び振動数を得るように調節される。電動歯ブラシに使用するための1つの実施形態において、ブラシヘッドの所望の振動数は、約245Hz〜255Hzである。別の実施形態において、ブラシの毛の先端の所望の運動範囲は、約.370mm〜.575mmである。更に別の実施形態において、上述の実施形態の1つを含む歯ブラシの作動時の所望騒音レベルは、約73dB未満であり、特に約60dB未満である。組立後及び初期試験作動後に、ワークピースの動きが不正確であることが判明した場合、製造者は、所望の運動を得るためにチューニング要素28を簡単に調節するだけでよい。
【0032】
IV.第2の実施形態
電動歯ブラシなどの動力付き装置に使用するためのばね機構の第2の実施形態を
図21〜36に示し、全体を100で示す。ばね機構100は、駆動ユニットハウジング112に接続されたばね114を含む点で、ばね機構10と同様である。この実施形態において、ばね114の少なくとも2つの部分116、117は、ハウジング112に対して動くことができる。駆動シャフト118は、1つの磁石を有する第1の端部120と、ワークピース(ばね機構10に関連して示すワークピース26など)に取り付けるための第2の端部124とを含み、少なくとも2つの調節可能なチューニング要素128、129は、駆動シャフト118をばね114の可動部116、117に接続する。
【0033】
作動時に、ばね機構100は、ばね機構10と同様に作動して、上記の磁石の動きを所望の振動数のワークピースの所望の動きに転換又は変換する。この磁石は、駆動シャフト118上のこの磁石に隣接して配置された電磁石130などの駆動装置によって、駆動される。この実施形態において、複数の調節可能なチューニング要素128、129は、ワークピースの動き及び振動数の高度な調節を可能にする。
【0034】
第2の実施形態100の電磁駆動ユニットは、実質的に第1の実施形態10と同じである。ハウジング112は、1つ又は1対の電磁石130と、使用者が操作可能なスイッチ131とを含む。駆動シャフト118の第2の端部124を含む駆動シャフト118の部分は、ワークピースを受け入れるためにハウジング112の端部134から外向きに延びる。第2の実施形態のワークピースは、上述の多様なワークピース26のいずれかを含む多様なワークピースとすることができる。
【0035】
図21〜36を参照すると、ばね機構100は、ばね114と、駆動シャフト118と、調節可能なチューニング要素128、129とを含む。この実施形態において、ばね114は、従来の手段によってより大きい駆動ユニットハウジング112に接続される。1つの実施形態において、ばねは、上述の固定要素11などの固定要素に接続できる。又は、ばねは、ばね114を貫通する締結具などの別の方法によってハウジング112に取り付けることができる。図示する実施形態において、ばね部材114は、ばね鋼などの弾性材料で形成された概ね平坦な板である。ばね114の少なくとも一部は、駆動ユニットハウジング112に対して固定される。
【0036】
ばね114は、複数の可動部を含み、
図21〜36に示す実施形態において、ばね114は、1対の可動部116、117を含む。各可動部116、117は、ばね114において1対の対称形カットアウト160の間に形成されるばね部材114の帯状部とすることができる。図示するように、各可動部116、117は、ばね114の可動部116、117の長手軸に沿って相互に一直線上にあるように、ばね114内において中央に配置されるが、可動部116、117は、用途に応じてばね上の所望の別の場所に配置できる。例えば、可動部116、117を、ばね114の長手中心線の反対側に互い違いに配置することによって、別の、但し望ましいワークピースの運動を与えることができる。
【0037】
カットアウトによって、各可動部116、117は、可動部116、117が、端部162、164が固定されたまま、各々可動部116、117の長手方向の範囲に沿って形成されたばねの軸に沿って前後に捩れるトーションバーを第1の端部162と第2の端部164との間に形成するように、第1の端部162と、第1の端部とは反対側の第2の端部164と、を含むように形成される。カットアウト160のサイズ及び形状は、ばねの軸の周りでの可動部116、117の可撓性及び捩れ回転の大きさを制御する。図示する実施形態において、可動部116、117の各々のための各カットアウト160は概ね半円形であり、半円の凸面は、それぞれ、可動部116、117から離れる方向を向くが、カットアウト160の形状は、可動部16の特性を改変するために変えることができる。可動部116における可撓性を増大して、駆動シャフト118及びワークピースの動きを増大するために、カットアウトの1つ又はそれ以上をもっと大きくして、可動部をもっと薄くできる。1つの実施形態において、カットアウト160及び可動部116、117のサイズ及び形状は、所望のワークピースを生産するために駆動シャフト118及びワークピースのサイズ及び形状に応じて製造者が予め選択できる。例えば、電磁駆動機構130の周波数はワークピースの共振振動数に近似する。可動部116の1つのカットアウト160のサイズ及び形状を、他方の可動部117のカットアウト160のサイズ及び形状に対して変えて、駆動シャフト118及びワークピースの動きの特性を更に精巧化できる。例えば、可動部116が可動部117より大きい可撓性を与えるように構成される場合、ワークピースはより大きな運動振幅を有することができる。
【0038】
1つの実施形態において、各可動部116、117は、上述と同様に、それぞれの調節可能なチューニング要素128、129を受け入れるための中央開口部166を形成する。上述のように、ばねの他の特性も、ワークピースの運動を変えるために改変できる。例えば、より厚いばね材料は、ばねを捩じるために必要な力を増大し、作動時にばねが捩じれる大きさを減少する。所望の特性をばねに与えるために、更にスロット及び孔などの付加的要素をばね又は複数のばねに組み込むことができる。
【0039】
ばね114の可動部116、117は、1対のカットアウトの間に形成されるより大きいばね部材114の一部として図示するが、別の実施形態において、ばね114は、可動部116、117の特性と同様の特性を有する、両端において固定されてトーションバーを形成する概ね平坦な帯状のばね材料など1つの可動部によってのみ構成することができる。
【0040】
駆動シャフト118は、長手軸168を形成し、第1の端部120と、第1の端部とは反対側の第2の端部124と、を有する概ね細長い部材である。図示する実施形態の駆動シャフト118は、駆動シャフト18と同様に構成され、2つの材料及び2つのピースから形成され、駆動シャフト118の第1の端部120を含む成形プラスチック部材170と長手軸に沿ってプラスチック部材170の凹部の中へ延びかつ駆動シャフト118の第2の端部124を含む金属部材171とを含む。図示するように、駆動シャフト118の第1の端部120はベース172を含み、ベースは駆動シャフト118の第1の端部120から駆動シャフト118の長手軸に対して概ね直交する方向へ外向きに延びる概ね平坦な板である。ベース172は、極性が反対の1対の永久磁石176、178を支持する下面174を有し、例えば永久磁石176、178をベース172の中へ型込めすることによって、又は接着剤を用いて又はその他の既知の手段によって、永久磁石176、178を支持する。又は、永久磁石176、178は、例えば中間板によってベース172に間接的に接続できる。
図21及び22に示すように、組み立てたとき、永久磁石176、178は、電磁石130に隣接して位置づけられる。永久磁石176、178がベース172において駆動シャフト118の長手軸からオフセットするように配置されることによって、電磁石は、永久磁石176、178がベース172を弓形経路で動かすようにする。図示するように、ベース172は、駆動ユニットハウジング112の内部サイズより小さい外周を有するので、ベース172は、駆動ユニットハウジング12内で前後に及び/又は上下に動くことができる。1つの実施形態において、永久磁石176、178は、駆動ユニットハウジング112内部で電磁石130が引きつけかつ跳ね返せる、鋼などの強磁性材料に取り換えることができる。
【0041】
駆動シャフト118のプラスチック部材170の残り部分は、ばね114の可動部116、117(別の実施形態においては、ばね118に取り付けられた固定要素の一部)との係合を容易にする。
図27を参照すると、駆動シャフト118は、駆動シャフト118をばね114の可動部116、117に接続するための構造を含む。1つの実施形態において、駆動シャフト118は、下で詳しく説明するように、調節可能なチューニング要素128、129を受け入れるために駆動シャフトを貫通する1対の締結具用孔182を形成する。図示するように、各締結具用孔182、183は、駆動シャフト118から突出する直立ボス190、191内に形成できる。上記のボス190、191は、可動部内で調節可能なチューニング要素128、129に隣接してばね114に当接し、可動部116、117が回転するときの回転心を与える。別の実施形態において、上でばね要素10に関連して説明した丸みのある突起部など、ハウジング112に対して駆動シャフト118の揺動式の動きを容易にするために、別の構造体を使用できる。各場合に、駆動シャフト118をばね114の可動部に接続することによって、駆動シャフト118は、電磁石を作動すると弓形運動で動き、電磁石130は、永久磁石176、178を振動運動で可動部116、117の長手軸の周りで動かす。最後に、駆動シャフト118の第2の端部124は、ワークピース26に関連して上に説明したのと同じ様式でワークピースに取り付けられる形状を有する。
【0042】
調節可能なチューニング要素128、129は、駆動シャフト118をばね114に接続する。特に、調節可能なチューニング要素128、129は、駆動シャフト118をばね114の可動部116、117に接続する。図示する実施形態において、調節可能なチューニング要素128、129は、ねじを有するボルトであり、このボルトは、ばね114の可動部116、117の中央開口部166を通り、駆動シャフト118の締結具用孔182、183を通って、駆動シャフト118の裏面のそれぞれの調節ナット84の中へ延びる。ボルト128、129がナット84の中へ挿入されたとき、ボス190、191が可動部116、117内においてばね114と係合して、駆動シャフト118はばね114に接続される。ボルト128、129がねじを有する結果として、上で説明し
図6及び7に図示するのと同様に、ボルトを締めたり緩めたりして、ばね114の可動部116、117の各々に加えられる張力の大きさを調節できる。ばね114の可動部116、117の一方又は両方に加える張力の大きさの変動は、駆動シャフト118及びワークピースの動きの振幅及び振動数を改変する。従って、製造者は、ナット84に対してボルト128、129の一方又は両方を回転させて可動部116、117を駆動シャフト118の方向へ引っ張って、ばね114の可動部116、117に加える張力を調節することによって、ワークピースの動きを効率よくチューニングできる。現設計の変形において、所定の調節を与える別の締結具又は装置を、ボルト式締結具の代わりに使用できる。
【0043】
上に開示する実施形態は、歯ブラシヘッドに関連して示すが、駆動シャフト18、118の長手長さに概ね平行に配列された毛を備えるクリーニングブラシ及び/又はピーリングブラシなど、同じ又は同様の運動範囲を利用する他の形式のワークピースに関連しても上述の実施形態を使用できる。
【0044】
作動時に、駆動ユニットハウジング112内部の電磁石130は、ばね機構10に関連して上に説明するのと同様に使用者操作スイッチ131によって操作される。ばね機構100は、駆動シャフト118の動きの経路並びにワークピースの動きの振幅及び振動数を制御する。ばね機構100を見ると、ベース172の動きは、図示する実施形態のように可動部116、117が一直線上にある限り、ばね114の可動部116、117によって形成されたばねの軸に概ね沿って延びる回転軸の周りで前後に駆動シャフト118を回転させる。回転軸は、ばねの軸及び駆動シャフト118の長手軸168に概ね平行である。ばね114の可動部116、117は、駆動シャフト118が振動するときばねの軸の周りで回転し、駆動シャフト118の動きを制御し、中央位置において駆動シャフト118を付勢するように作用する。可動部116、117が捩じれるとき、ワークピースは弓形経路で動く。
【0045】
ばね機構100の運動を、
図28〜36に詳細に示す。
図28、31及び34は、中央位置にあるばね機構100を示し、この位置は、電磁石がオフのとき中立の休憩位置であり、電磁石が作動されるとき回転中央位置である。この位置において、ばね114の可動部116、117は、非捩れ状態で、ばね114の残り部分と概ね同じ平面上にある。
図34に示すように、駆動シャフト118上のボス190は、可動部116内でばね114に係合する。
図30、33及び36は、電磁石が作動されたときに生じる左回転位置にあるばね機構100を示す。この位置において、ばね114の可動部116、117は、捩れ状態で、概ねばね114の残り部分に対して角度を成す平面上にある。最後に、
図29、32及び35は、電磁石が作動されたとき生じる右回転位置にあるばね機構100を示す。この位置において、ばね114の可動部116、117は、捩れ状態で、概ねばね114の残り部分に対して右に角度を成す平面上にある。電磁石130が作動される間、ばね機構100は左回転と右回転の間で前後に振動する。
【0046】
上述のように、ばね機構100に関連して、ワークピースの運動及び振動数は、多様な変数によって制御できる。本発明において、その中には、調節可能なチューニング要素の一方又は両方の調節を含むことができる。他の変数としてはばねのサイズ、厚み及び形状、底部部材上での永久磁石176、178の配置、毛又はワークピースから延びるその他の要素のサイズ及び長さ、及びモーターの駆動周波数を含むが、これらに限定されない。上記の変数の各々は、使用者が望ましいブラッシング機能、ハンドル振動及び運転騒音を体験できるように用途に応じて調節できる。モーターの駆動周波数及びモーター及びワークピースの相対的振動数は、ばね機構10に関連して上に述べるように測定できる。ばね機構100は、チューニング要素128、129及びばね可動部116、117の一方又は両方の特性を調節できるので広範囲の調節可能性を与える。上述のように、製造者は、両方のチューニング要素128、129及び両方のばね可動部116、117の特性を均等に変動させるか、又は一方のチューニング要素及び/又は一方のばね可動部の特性を他方に対して調節できる。
【0047】
上の説明は、本発明の現在の実施形態の説明である。特許請求の範囲に規定される本発明の主旨及び広義の形態から逸脱することなく、様々な改変及び変更を与えることができ、改変及び変更は、均等論を含めて特許法の原則に従って解釈されるものとする。例えば単数冠詞を用いた単数の請求要素への言及は、要素を単数に限定するものとは解釈されないものとする。