特許第6290992号(P6290992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6290992
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月7日
(54)【発明の名称】ワクチン送達方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/39 20060101AFI20180226BHJP
   A61K 39/015 20060101ALI20180226BHJP
   A61K 39/02 20060101ALI20180226BHJP
   A61K 39/29 20060101ALI20180226BHJP
   A61K 39/145 20060101ALI20180226BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20180226BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20180226BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20180226BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20180226BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20180226BHJP
   C07K 7/08 20060101ALN20180226BHJP
【FI】
   A61K39/39ZNA
   A61K39/015
   A61K39/02
   A61K39/29
   A61K39/145
   A61P37/04
   A61P31/00 171
   A61P31/00
   A61P31/04
   A61P31/12
   A61P33/00
   !C07K7/08
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】39
(21)【出願番号】特願2016-152910(P2016-152910)
(22)【出願日】2016年8月3日
(62)【分割の表示】特願2014-506498(P2014-506498)の分割
【原出願日】2012年4月18日
(65)【公開番号】特開2017-19810(P2017-19810A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2016年9月1日
(31)【優先権主張番号】61/476,431
(32)【優先日】2011年4月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500182460
【氏名又は名称】ユニバーシティ・オブ・ジョージア・リサーチ・ファウンデイション・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド エー.ハーン
(72)【発明者】
【氏名】ラファエラ ケイロス
(72)【発明者】
【氏名】リサ マクウェン
【審査官】 天野 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05670483(US,A)
【文献】 PNAS,2010年,vol.107, no.2,p.622-627
【文献】 Vaccine,2004年,vol.22,pp.2396-2405,DOI 10.1016/j.vaccine.2003.11.064
【文献】 Journal of Immunology,2011年 4月 1日,vol.186, no.1, SUpp. Meeting Abstracts,Abstract Number:155.13.
【文献】 Drug Discovery Today,2007年,vol.12,p.561-568
【文献】 PNAS,2005年,vol.102, no.24,p.8414-8419
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/39
A61K 39/015
A61K 39/02
A61K 39/145
A61K 39/29
A61P 31/00
A61P 31/04
A61P 31/12
A61P 33/00
A61P 37/04
C07K 7/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一成分として、室温で液体であり、かつ、生理的塩濃度及び/又は生理的温度でペプチドヒドロゲルを形成する自己集合ペプチドと、別の成分として、1種以上の抗原と、さらなる成分として、トール様受容体(TLR)アゴニストとを含有するワクチン組成物であって、前記自己集合ペプチドが、アルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)の自己集合ビルディングブロックを含む、ワクチン組成物。
【請求項2】
前記TLRアゴニストが、TLR2アゴニスト、TLR4アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、又はTLR9アゴニストを含む、請求項1に記載のワクチン組成物。
【請求項3】
前記TLRアゴニストが、TLR9アゴニストを含む、請求項2に記載のワクチン組成物。
【請求項4】
前記TLR9アゴニストが、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)を含む、請求項3に記載のワクチン組成物。
【請求項5】
サイトカインをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項6】
前記サイトカインがIL−12を含む、請求項5に記載のワクチン組成物。
【請求項7】
前記抗原が、肝炎抗原、インフルエンザ抗原、住血吸虫症抗原、及び/若しくはバークホルデリア抗原、又はこれらの抗原断片を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項8】
前記住血吸虫抗原が、日本住血吸虫抗原、又はその抗原断片を含む、請求項に記載のワクチン組成物。
【請求項9】
前記住血吸虫抗原が、SjCTPIポリペプチド、SjCTPI−Hsp70ポリペプチド、SjC23ポリペプチド、及び/若しくはSjC23−Hsp70ポリペプチド、又はこれらの抗原断片を含む、請求項に記載のワクチン組成物。
【請求項10】
被検者に1種以上の抗原を送達するための請求項1〜のいずれか1項に記載のワクチン組成物。
【請求項11】
被検者を免疫するための医薬の調製における、請求項1〜のいずれか1項に記載のワクチン組成物の使用。
【請求項12】
前記医薬が、皮下(sc)注射及び/又は筋内(im)注射による投与のために処方される、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
被検者に1種以上の免疫原性抗原を送達する方法であって、前記方法は、請求項1〜のいずれか1項に記載のワクチン組成物を被験者に投与するステップを含み、前記被検者が、家畜又はペットである、方法。
【請求項14】
前記家畜がウシ属の動物を含み、かつ前記1種以上の抗原が住血吸虫抗原を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
被検者に1種以上の免疫原性抗原を送達する方法であって、前記方法は、請求項1〜のいずれか1項に記載のワクチン組成物を被験者に投与するステップを含み、前記被検者が、家禽である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
継続出願のデータ
本出願は、2011年4月18日に出願された米国仮特許出願第61/476,431号明細書の利益を請求する。上記文献は、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0002】
政府出資
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)により付与された助成金第AI071833号及び第AI036657号による政府支援を受けて行われた。政府は、本発明に所定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
ワクチンは、依然として感染症に対抗するための唯一最大の公衆衛生上の財産(public health asset)である。ワクチン送達の目的は、抗原提示細胞の活性化、抗原の取込み及びプロセシングを増強するように、ワクチン抗原を賦与することである。別の目的は、特に、単一の有効用量のワクチンが利用可能である場合、有効なワクチン特異的応答を誘導するのに必要なワクチン接種の回数を減らすことである。現行の、従来のワクチン送達方法は、ミョウバンを用いる。ミョウバンなどのアルミニウム塩は、1920年代にヒトワクチンのアジュバントとしての使用のために初めて許諾された。送達方法の改善及びワクチン製剤化に使用するための安全なアジュバントが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、一成分として、室温で液体であり、かつ、生理的塩濃度及び/又は生理的温度でゲルであるスラリーマトリックスと、別の成分として、1種以上の抗原とを含有する組成物を含む。本組成物のいくつかの態様では、スラリーマトリックスは、ペプチドヒドロゲルである。いくつかの態様では、ペプチドヒドロゲルは、PURAMATRIX、又はその誘導体を含む。いくつかの態様では、ペプチドヒドロゲルは、ペプチドスカフォールドRADARADARADARADA、又はその誘導体を含む。本組成物のいくつかの態様では、スラリーマトリックスは、MATRIGEL、又はその誘導体を含む。
【0005】
本組成物のいくつかの態様では、組成物はさらに、より多くのアジュバントの1種を含有する。いくつかの態様では、アジュバントは、トール様受容体(TLR)アゴニスト及び/又はサイトカインを含む。いくつかの態様では、TLRアゴニストは、TLR4アゴニストを含む。いくつかの態様では、TLRアゴニストは、TLR9アゴニストを含む。いくつかの態様では、TLR9アゴニストは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)を含む。
【0006】
本組成物のいくつかの態様では、組成物はさらに、トール様受容体(TLR)アゴニスト及び/又はサイトカインを含有する。いくつかの態様では、TLRアゴニストは、TLR4アゴニストを含む。いくつかの態様では、TLRアゴニストは、TLR9アゴニストを含む。いくつかの態様では、TLR9アゴニストは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)を含む。
【0007】
本組成物のいくつかの態様では、抗原は、肝炎抗原、インフルエンザ抗原、住血吸虫症抗原、及び/若しくはバークホルデリア(burkolderia)抗原、又はこれらの抗原断片を含む。
【0008】
本発明は、被検者において免疫応答を起こす方法を包含し、この方法は、本明細書に記載の組成物を被検者に投与するステップを含む。
【0009】
本発明は、被検者を免疫する方法を包含し、この方法は、本明細書に記載の組成物を被検者に投与するステップを含む。
【0010】
本発明は、被検者に1種以上の免疫原性抗原を送達する方法を包含し、この方法は、本明細書に記載の組成物を被検者に投与するステップを含む。
【0011】
本発明は、被検者に1種以上の治療用抗原を送達する方法を包含し、この方法は、本明細書に記載の組成物を被検者に投与するステップを含む。
【0012】
本発明の方法のいくつかの態様では、被検者は、家畜又はペットである。本発明の方法のいくつかの態様では、被検者は家禽である。本発明の方法のいくつかの態様では、被検者はヒトである。
【0013】
本発明の方法のいくつかの態様では、本組成物の投与は、皮下(sc)注射又は筋内(im)注射を含む。
【0014】
本発明の方法のいくつかの態様では、本組成物の投与は、初回及び/又は追加ワクチン接種としての投与を含む。
【0015】
本発明の方法のいくつかの態様では、本組成物の投与は、ポリペプチドワクチン又はプラスミドDNAワクチンによる、初回ワクチン接種後の追加ワクチン接種としての投与を含む。
【0016】
本発明は、ウシ属の動物(bovoid)において抗住血吸虫免疫応答を起こす方法を包含し、この方法は、一成分として、室温で液体であり、かつ、生理的条件でゲルであるスラリーマトリックスと、別の成分として、1種以上の住血吸虫抗原とを含有する組成物をウシ属の動物(bovoid)に投与するステップを含む。
【0017】
本発明は、ウシ属の動物(bovoid)において抗住血吸虫免疫を起こす方法を包含し、この方法は、本明細書に記載の組成物をウシ属の動物(bovoid)に投与するステップを含み、ここで、1種以上の抗原は、住血吸虫抗原を含む。
【0018】
本発明は、ウシ属の動物(bovoid)における住血吸虫症ワクチン接種の方法を包含し、この方法は、一成分として、室温で液体であり、かつ、生理的条件でゲルであるスラリーマトリックスと、別の成分として、1種以上の住血吸虫抗原とを含有する組成物を投与するステップを含む。
【0019】
本発明は、ウシ属の動物(bovoid)における抗住血吸虫症ワクチン接種の方法を包含し、この方法は、本明細書に記載の組成物をウシ属の動物(bovoid)に投与するステップを含み、ここで、1種以上の抗原は、住血吸虫抗原を含む。
【0020】
本方法のいくつかの態様では、組成物はさらに、1種以上のアジュバントを含有する。いくつかの態様では、アジュバントは、トール様受容体(TLR)アゴニスト及び/又はサイトカインを含む。いくつかの態様では、TLRアゴニストは、TLR4及び/又はTLR9アゴニストを含む。いくつかの態様では、TLR9アゴニストは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)を含む。いくつかの態様では、CpG ODNは、ウシCpGを含む。いくつかの態様では、アジュバントは、サイトカインIL−12である。
【0021】
本組成物のいくつかの態様では、組成物はさらに、トール様受容体(TLR)アゴニスト及び/又はサイトカインを含有する。いくつかの態様では、TLRアゴニストは、TLR4及び/又はTLR9アゴニストを含む。いくつかの態様では、TLR9アゴニストは、CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)を含む。本方法のいくつかの態様では、CpG ODNは、ウシCpGを含む。
【0022】
本方法のいくつかの態様では、住血吸虫抗原は、日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)抗原、又はその抗原断片を含む。
【0023】
本方法のいくつかの態様では、住血吸虫抗原は、SjCTPIポリペプチド、SjCTPI−Hsp70ポリペプチド、SjC23ポリペプチド、及び/若しくはSjC23−Hsp70ポリペプチド、又はこれらの抗原断片を含む。
【0024】
本方法のいくつかの態様では、組成物の投与は、初回及び/又は追加ワクチン接種としての投与を含む。
【0025】
本方法のいくつかの態様では、組成物の投与は、SjCTPI−Hsp70プラスミドDNAワクチンによる、初回ワクチン接種後の追加ワクチン接種としての投与を含む。
【0026】
本方法のいくつかの態様では、本方法は、1種以上の抗住血吸虫化学療法薬の投与をさらに含む。
【0027】
本方法のいくつかの態様では、本方法は、住血吸虫による感染の予防に少なくとも45%の効力を示す。
【0028】
本発明は、本明細書に記載する組成物を製造する方法を包含する。
【0029】
「及び/又は」という用語は、列挙した要素の1つ若しくは全て、又は列挙した要素のいずれか2つ以上の組合せを意味する。
【0030】
「好ましい」及び「好ましくは」という語は、特定の状況下で、特定の利益を与えうる本発明の実施形態を指す。しかし、同じ若しくは他の状況下で、他の実施形態もまた好ましい場合もある。さらに、1つ以上の好ましい実施形態を挙げる場合、他の実施形態が有用ではないことを意味するわけではなく、本発明の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0031】
用語「含む」及びその変形は、これらの用語が、説明及び特許請求の範囲に記載される場合、限定的意味を有するわけではない。
【0032】
別途記載のない限り、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」及び「少なくとも1つの」は、置換え可能に用いられ、1つ以上を意味する。
【0033】
また、本明細書では、終点による数値範囲の記載は、その範囲内に組み込まれる全ての数(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、など)を含む。
【0034】
値の範囲が与えられる場合、別途明示されていない限り、その範囲の上限と下限の間に介在する、下限の単位の10分の1までの値の各々、並びに表示される範囲内のその他のいずれの表示値、又は介在する値も本発明に包含されることは理解されたい。表示範囲に除外される範囲が明示されている場合には、より小さい範囲の上限及び下限は、独立して、これら小さい範囲に含まれ、また、本発明にも含まれうる。表示範囲が、両側限界の一方又は両方を含む場合、その含まれる両側限界のいずれか一方又は両方を除いた範囲も本発明に含まれる。
【0035】
個別のステップを含む、本明細書に開示される全ての方法について、ステップは、いずれの実現可能な順で実施してもよい。また、必要に応じて、2つ以上のステップの任意の組合せを同時に行ってもよい。
【0036】
以上述べた本発明の概要は、本発明の各々開示される実施形態又はすべての実施を説明することを意図するものではない。以下に示す説明によって、例としての実施形態をさらに具体的に例示する。本願全体を通じて数か所で、例を列挙するリストから指標が提供されるが、これらの例は様々な組合せで用いることができる。各ケースにおいて、記載するリストは、代表群として用いられるに過ぎず、限定的リストとして解釈すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】IgA抗HBsAg抗体力価の動態を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものである。
図2】IgM抗HBsAg抗体力価の動態を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものである。
図3】IgG抗HBsAg抗体力価の動態を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものである。
図4】IgG1抗HBsAg抗体力価の動態を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものである。
図5】IgG2a抗HBsAg抗体力価の動態を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものである。
図6】単回ワクチン接種後(21日)のより高い抗HBsAg抗体力価を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、*p<0.05、**p<0.01、**p<0.001、***p<0.0001である。
図7】単回ワクチン接種後(35日)のより高い抗HBsAg抗体力価を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、*p<0.05である。
図8】脾細胞のHBsAg再刺激から24時間後のサイトカインプロフィールを示す。示すデータは、1つの実験、総n=5の代表的なものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、*p<0.05、****p<0.0001である。
図9】脾細胞のHBsAg再刺激から48時間後のサイトカインプロフィールを示す。示すデータは、総n=10(アジュバントのみの場合、n=5)の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、統計的有意差はみとめられなかった(p<0.05)。
図10】脾細胞のHBsAg再刺激から72時間後のサイトカインプロフィールを示す。示すデータは、総n=10(アジュバントのみの場合、n=5)の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、**p<0.01である。
図11】HbsAg特異的T細胞性応答において、ELISpotによるHBsAg特異的細胞性免疫の増大を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、*p<0.05である。
図12】フローサイトメトリーによるHBsAg特異的T細胞性免疫の増大を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、**p<0.01である。
図13】初回接種から24時間後の免疫マウス(n=10/グループ)からの様々な細胞サブセットにおけるex vivoサイトカインバランスの優勢を示すレーダグラフである。軸の値をつないで、中央の多角形面積を形成することができ、これは、全体的サイトカインバランスを表している。レーダチャート軸の分析から、サイトカインバランス全体に対する白血球の寄与が明らかである。
図14A-B】初回接種から48時間後の免疫マウス(n=10/グループ)からの様々な細胞サブセットにおけるex vivoサイトカインバランスの優勢を示すレーダグラフである。図14Aは、TNF及びIFNγを表す。図14Bは、IL−5及びIlL−4を表す。各軸は、各サイトカインバランスカテゴリーの割合を示す。各軸の値をつないで、中央の多角形面積を形成することができ、これは、全体的サイトカインバランスを表している。中央の多角形面積の増加又は減少が、各グループにおける炎症性又は調節サイトカインバランスの高い又は低い寄与を表している。
図15】初回接種から72時間後の免疫マウス(n=10/グループ)からの様々な細胞サブセットにおけるex vivoサイトカインバランスの優勢を示すレーダグラフである。軸の値をつないで、中央の多角形面積を形成することができ、これは、全体的サイトカインバランスを表している。レーダチャート軸の分析から、サイトカインバランス全体に対する白血球の寄与が明らかである。
図16A-D】初回接種から14〜35日後の免疫マウス(n=10/グループ)において誘導したrHepBag特異的抗体の比較を示す。初回免疫から28日後に追加免疫を実施し、rHepBag特異的抗体レベルをELISAアッセイにより決定した。図16Aは、14日からのデータ、図16Bは、21日からのデータ、図16Cは、28日からのデータ、図16Dは、35日からのデータをそれぞれ示す。p≦0.05の統計的有意性は、rHepBag、Alhydrogel(登録商標)中のrHepBag及びフロイント中のrHepBagとの比較について、添え字「a」、「b」及び「c」でそれぞれ表す。
図17A-D】rHepBag+アジュバントによるマウス(n=10/グループ)の免疫から14〜35日後のIgG1:IgG2a比を示す。初回免疫から28日後に追加免疫を実施し、rHepBag特異的抗体レベルをELISAアッセイにより決定した。図17Aは、14日からのデータ、図17Bは、21日からのデータ、図17Cは、28日からのデータ、図17Dは、35日からのデータをそれぞれ示す。
図18A-B】rNPをワクチン接種した2つの系列のマウスにおける抗NP IgG力価の増加を示す。図18Aは、C57BL/6マウスの力価を示す。図18Bは、Balb/cマウスの力価を示す。血清は、最後のワクチン接種から4週間後に採取した(4wplv)。
図19A-B】PR8WIVをワクチン接種したC57Bl/6マウスにおける抗インフルエンザIgG力価の増加を示す。図19A及び図19Bは、2つの独立した実験からの結果を示す。血清は、最後のワクチン接種から4週間後に採取した(4wplv)。
図20A-B】PR8WIVをワクチン接種したC57Bl/6マウスにおける致死的攻撃からの防御の増加を示す。図20Aは、30LD50での致死的攻撃による独立した実験からの結果を示す。図20Bは、1000LD50での致死的攻撃による独立した実験からの結果を示す。
図21A-C】3つの異なるアジュバント(ミョウバン、CFA、又はPURAMTRIXゲル)を含む3つの組換えバークホルディアタンパク質抗原のカクテルで免疫したマウスにおける抗バークホルディアIgG力価の増加を示す。図21Aは、免疫マウスにおける抗バークホルディアタンパク質4−9IgG力価を示す。図21Bは、免疫マウスにおける抗バークホルディアタンパク質22−11IgG力価を示す。図21Cは、免疫マウスにおける抗バークホルディアタンパク質42IgG力価を示す。
図22A-22B】完全フロイントアジュバント中のCCA(図22A)及びMATRIGEL+CpG中のCCA(図22B)で免疫したマウスにおけるIgG抗住血吸虫CCAタンパク質抗体力価を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、ワクチン投与の部位での抗原の改善された局所的かつ持続的送達をもたらし;抗原提示細胞活性化、並びに抗原の取込み及びプロセシングを増強する、改善されたワクチン送達を達成する組成物及び方法を提供する。本発明では、1種以上の免疫原性物質を、室温及び/又は低塩濃度で液体であり、かつ、生理的塩濃度及び/又は生理的温度でゲルであるスラリーマトリックス成分を含む組成物中で投与する。ゲル化は、哺乳動物又は鳥類などの脊椎動物の生理的体温によって誘導することができる。このような温度は、例えば、少なくとも約25℃、少なくとも約30℃、少なくとも約32℃、少なくとも約35℃、少なくとも約37℃、少なくとも約39℃、又は少なくとも約40℃であってよい。ゲル化は、生理的塩濃度により誘導されうる。いくつかの実施形態では、ゲル化は、塩のミリモル濃度の存在下で、例えば、約0.05モル(M)より高い塩濃度によって、ありうる。
【0039】
従って、ワクチン組成物は、被検者への投与後、ゲル化又は重合して、単一部位にワクチン抗原を局在化させ、ここに自然抗原提示細胞が向かい、ワクチン抗原の取込みを開始することができる。理想的には、スラリーマトリックスは、生体適合性材料であり、体液又は組織との接触により身体に不要な反応、例えば、組織の死滅、腫瘍形成、アレルギー反応、異物反応(拒絶)、炎症性反応、抗体応答、又は血液凝固を誘導することはない。スラリーマトリックスは、本明細書では、「医用ポリマーヒドロゲル」、「医用ヒドロゲル」、「医用ポリマー」、「ポリマーヒドロゲル」、「生体適合性ポリマーヒドロゲル」、「生体適合性ヒドロゲル」、「生体適合性ポリマー」、又は「ヒドロゲル」と呼ばれる場合もある。本明細書で用いる場合、「ヒドロゲル」は、架橋した親水性高分子の3次元網目状構造であり、膨潤することができ、約20重量%〜約95重量%の水を含有することができる。ヒドロゲルは、その液体成分が水のゲルである。本明細書で用いる場合、ゲルは、固体のゼリー様物質であり、軟質及び脆弱から硬質及び強靭まで幅広い特性を有するものあってよい。ゲルは、実質的に希薄な架橋系であり、定常状態では、流動性を全く呈示しない。重量では、ゲルはほぼ液体であるが、液体内の3次元網目状構造のために、固体のように挙動する。ゲルにその構造(硬さ)を付与するのは、流体内の架橋である。このようにして、ゲルは、固体内での液体の分子の分散系であり、ここで、固体は連続相であり、液体は不連続相である。ヒドロゲルは、親水性のポリマー鎖の網目構造であり、水を分散媒とするコロイドゲルとして存在する場合もある。ヒドロゲルは、高度に吸収性(99.9%超の水を含有しうる)の天然又は合成ポリマーである。ヒドロゲルは、また、その有意な水分のために、天然の組織と非常によく似た柔軟度を有する。
【0040】
医療技術での用途に利用可能な、多様な医用ポリマーヒドロゲルのいずれを本明細書に記載の方法及び組成物に用いてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、スラリーマトリックスは、天然に存在するものであり、例えば、フィブリン、コラーゲン、エラスチン、アガロース、メチルセルロース、ヒアルロナン、及びその他の天然に由来するポリマーがある。いくつかの実施形態では、スラリーマトリックスは、MATRIGEL、又はその誘導体である。MATRIGELは、マウス細胞由来の基底細胞膜抽出物であり、ラミニン、コラーゲンIV、エンタクチン、ニドゲン、及びプロテオグリカンを含有する。MATRIGELへの腫瘍細胞の侵入が、腫瘍進行及び侵入における、細胞外マトリックス受容体及びマトリックス分解酵素の関与を研究するのに用いられており、また、MATRIGELは、血管新生及び抗血管新生サイトカイン並びにその他の物質の活性を研究するための、in vitro及びin vivo血管新生モデル(MATRIGELプラグアッセイ)としても用いられている。MATRIGELは、BD Matrigel(商標)Matrixとして市販されている。ワールドワイドウェブサイト:bdbiosciences.com/cellculture/ecm/ecmtypes/index.jspを参照されたい。
【0042】
いくつかの実施形態では、スラリーマトリックスは合成であり、例えば、合成ペプチドヒドロゲル又は自己集合ペプチド(saペプチド)スカフォールドなどがある。saペプチドスカフォールドは、生理学的条件下でイオン性自己相補性βシートオリゴペプチドの自発的集合によって形成され、ヒドロゲル物質を生成する。これらの短いペプチド(約8、約12、約16、約24、又は約32アミノ酸残基で、典型的には、内部に反復配列を含む)は、塩類水溶液中で3次元マトリックスに自己集合する。これらのペプチドは、両親媒性として特徴付けられ、相補性及び構造的に適合性の疎水性及び親水性アミノ酸残基;12アミノ酸超、好ましくは少なくとも16アミノ酸を交互に有する。相補性とは、イオン化した対及び/又はそれらの親水性側鎖同士の間に形成される水素結合を介して、相互作用するペプチドの能力を指し、また、構造的に適合性とは、相補的ペプチド同士が、そのペプチド骨格同士の間に定距離を維持する能力を指す。これらの特性を有するペプチドは、分子間相互作用に参加し、これによって、二次構造レベルで、βシートの、また、三次構造レベルで、織り合わされたフィラメントの形成及び安定化がもたらされる。例として、限定するものではないが、ペプチドファミリーメンバー、RAD16−I((RADA)(4))、RAD16−II((RARADADA)(2))、KFE−8((FKFE)(2))、又はKLD−12((KLDL)(3))が挙げられる。例えば、以下の文献を参照されたい:米国特許第5,670,483号明細書;Holmes et al.,2000,Proc Natl Acad Sci USA;97(12):6728−33;Yokoi et al.,2005,Proc Natl Acad Sci USA;102(24):8414−9;Liu et al.,2012,Nanoscale;4(8):2720−7、及びBD PuraMatrix(商標)Peptide Hydrogel,Guidelines for Use,Catalog Number 354250(SPC−354250−G rev 2.0;BD Biosciences,Bedford,MA)。いくつかの実施形態では、ペプチドヒドロゲルは、アルギニン−アラニン−アスパラギン酸−アラニン(RADA)のペプチドスカフォールド自己集合ビルディングブロックを含む。いくつかの実施形態では、ペプチドヒドロゲルは、RADARADARADARADA、又はその誘導体を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドヒドロゲルは、PURAMATRIX、又はその誘導体を含む。例えば、以下の文献を参照されたい:米国特許第5,670,483号明細書;Holmes et al.,2000,Proc Natl Acad Sci USA;97(12):6728−33;Yokoi et al.,2005,Proc Natl Acad Sci USA;102(24):8414−9;Liu et al.,2012,Nanoscale;4(8):2720−7、及びBD PuraMatrix(商標)Peptide Hydrogel,Guidelines for Use,Catalog Number 354250(SPC−354250−G rev 2.0;BD Biosciences,Bedford,MA)。これらの文献の各々は、その全文を本明細書に参照として組み込むものとする。
【0043】
いくつかの実施形態では、医用ポリマーヒドロゲルは、in vivoで自然に重合するポリエチレングリコール(PEG)ヒドロゲルであってもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、スラリーマトリックスは、脊椎動物若しくは哺乳動物の体温及び/又は生理的塩濃度でのゲル化に加えて、時間経過と共に、分解及び溶解する生体再吸収性合成ポリマーである。こうした化合物は、加水分解によって体内で自然に分解され、水溶性モノマーとして吸収される。例として、以下のものが挙げられる:ポリ乳酸、ポリラクチド(PLA)、ポリ(L−乳酸)、ポリ−D−ラクチド、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグリコリド並びに乳酸とのそのコポリマー(ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、乳酸及びグリコール酸のホモ−及びコポリマー、ポリ(DL−乳酸/グリシン)コポリマー、ポリ(DL−乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(DL−乳酸−コ−グリコール酸)(PLGA)、多孔性ポリ(DL−乳酸−コ−グリコール酸)フォーム、ポリ(アミノ酸)ポリ[オクス(1−オキソ−1,2−エタンジル)]((C222n;Biovek)、ポリ(グリコリド−コ−カプロラクトン)、ポリ(グリコリド−コ−トリメチレンカルボネート)、ポリジオキサノン(PDO、PDS)、ポリ−p−ジオキサノン、カプロラクトン(2−オキセパノンとも呼ばれる)、エプシロン−カプロラクトン、6−ヘキサノラクトン、ヘキサノ−6−ラクトン、1−オキサ−2−オキソシクロヘプタンポリグラクチン910、ポリ無水物、並びにポリ(D,L−乳酸−コ−グリコール酸、88:12)(PLGA)から、又はPLGAとポリ(L−乳酸)(PLLA)の50/50(w/w)ブレンドから形成されるポリオルトエステルフィルム。例えば、Schakenraad及びDijkstra,1991,Clin Mater;7(3):253−69;Mooney et al.,1997,J Biomed Mater Res;37(3):413−20;及びLu et al.,2000,Biomaterials;21(18):1837−45を参照されたい。
【0045】
本発明の組成物は、1種以上の抗原物質(本明細書では、免疫原とも呼ぶ)を含む。抗原物質は、被検者に免疫応答を誘発するために、被検者に投与される多種多様な物質のいずれであってもよい。抗原物質は、病原体由来の免疫原であってもよい。抗原物質は、例えば、ペプチド又はタンパク質抗原、ウイルス抗原若しくはポリペプチド、不活性化ウイルス、組換えウイルス、細菌若しくは寄生体抗原、不活性化細菌若しくは寄生体、全細胞、遺伝子改変細胞、腫瘍関連抗原若しくは腫瘍細胞、又は炭水化物抗原であってよい。いくつかの用途では、抗原は、生存細胞ではない。いくつかの実施形態では、抗原物質は、可溶性抗原である。
【0046】
本明細書に記載する組成物は、抗原物質として、ワクチン成分として利用可能な多種多様な免疫原性物質のいずれを含んでもよい。このようなワクチンとして、限定するものではないが、様々な感染性、ウイルス性、及び寄生体性疾患に向けられる抗原ワクチン成分、並びに抗腫瘍ワクチン成分が挙げられる。抗腫瘍ワクチンとしては、限定するものではないが、ペプチドワクチン、全細胞ワクチン、遺伝子改変全細胞ワクチン、組換えタンパク質ワクチン、又は組換えウイルスベクターによる腫瘍関連抗原の発現に基づくワクチンがある。いくつかの実施形態では、抗原物質は、可溶性抗原である。
【0047】
抗原物質は、例えば、インフルエンザ菌(Haemopholis influenza)、A型又はB型インフルエンザウイルス、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、炭疽菌(Bacillus anthracis)抗原(例えば、PAなど)に由来する細菌抗原を含む。
【0048】
抗原物質は、例えば、マラリア原虫又は住血吸虫に由来する寄生体抗原を含む。マラリア抗原としては、限定するものではないが、以下:プラスモジウム(plasmodium)種:三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、及びサルマラリア原虫(Plasmodium knowlesi)、卵形マラリア原虫(Plasmodium ovaleand)、並びに四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)由来の抗原が挙げられる。住血吸虫としては、限定するものではないが、日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)、マンソン住血吸虫(Schistosoma monsoni)、及びビルハルツ住血吸虫(Schistosoma haematobium)が挙げられる。住血吸虫抗原は、住血吸虫トリオースリン酸イソメラーゼ(CTPI)タンパク質、又はその抗原断片若しくは誘導体であってよく、限定するものではないが、日本住血吸虫(S.japonicum)、マンソン住血吸虫(S.monsoni)、及びビルハルツ住血吸虫(S.haematobium)CTPIタンパク質、又はその抗原断片若しくは誘導体がある。住血吸虫抗原は、住血吸虫テトラスピン23kDa内在性膜タンパク質(C23)、又はその抗原断片若しくは誘導体であってもよく、限定するものではないが、日本住血吸虫(S.japonicum)、マンソン住血吸虫(S.mansoni)、若しくはビルハルツ住血吸虫(S.haematobium)C23タンパク質、又はその抗原断片若しくは誘導体がある。こうした住血吸虫抗原は、1つ以上の別の抗原決定基と融合したキメラポリペプチド、例えば、熱ショックタンパク質、又はその抗原断片若しくは誘導体であってもよく、限定するものではないが、ウシ熱ショックタンパク質70(Hsp70)がある。住血吸虫抗原として、例えば、SjCTPI、SjCTPI−Hsp70、SjC23、及びSjC23−Hsp70ポリペプチドが挙げられる。抗原は、限定するものではないが、キネトプラスチド原生動物、例えば、ブラストクリティディア(Blastocrithidia)、クリティディア(Crithidia)、エンドトリパヌム(Endotrypanum)、ヘルペトモナス(Herpetomonas)、リーシュマニア(Leishmania)、レプトモナス(Leptomonas)、フィトモナス(Phytomonas)、トリパノソーマ(Trypanosoma)、及びワラセイナ(Wallaceina)属の原生動物などの、他の様々な寄生体のいずれであってもよい。好ましい実施形態では、原生動物は、限定するものではないが、クルーズトリパノソーマ(T.cruzi)、ブルーストリパノソーマ(T.brucei)、ガンビアトリパノソーマ(T.b.gambiense)、及びローデシアトリパノソーマ(T.b.rhodesiense)などのトリパノソーマ(Trypanosoma)属のものである。いくつかの実施形態では、原生動物は、限定するものではないが、例えば、大型リーシュマニア(Leishmania major)などのリーシュマニア(Leishmania)属のものである。トリパノソーマに関連する重要な疾患としては、トリパノソーマ症(トリパノソーマ(Trypanosoma)の種に起因するアフリカ睡眠病及びシャーガス病)及びリーシュマニア症(リーシュマニア(Leishmania)の種に起因する)がある。
【0049】
抗原物質は、例えば、C型肝炎、B型肝炎、若しくはA型肝炎のような肝炎、インフルエンザ、例えば、M2、赤血球凝集素、及び/又はA型インフルエンザ(限定するものではないが、H5N1及びH1N1サブタイプなど)、B型インフルエンザ、及びC型インフルエンザなどのインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼタンパク質、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、狂犬病、パピローマウイルス、麻疹、風疹、水痘、ロタウイルス、ポリオ、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、並びにマイナス鎖RNAウイルス、例えば、パラミクソウイルス(Paramyxoviridae)科のウイルスに由来するウイルス抗原を含む。パラミクソウイルス(Paramyxoviridae)科のウイルスの例として、限定するものではないが、ヒトパラインフルエンザウイルス1型、ヒトパラインフルエンザウイルス2型、ヒトパラインフルエンザウイルス3型、ヒトパラインフルエンザウイルス4型、パラインフルエンザウイルス5型、流行性耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヒト呼吸器合胞体ウイルス、ウシ呼吸器合胞体ウイルス、ギュウエキウイルス イヌジステンパーウイルス、アザラシジステンパーウイルス、ニューカッスル病ウイルス、トリニューモウイルス、小反芻獣疫ウイルス(PPRV)、センダイウイルス、メナングルウイルス、ツパイアパラミクソウイルス、ティオマンウイルス、ツホコウイルス(Tuhokovirus)1、ツホコウイルス(Tuhokovirus)2、ツホコウイルス(Tuhokovirus)3、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、フェルドランスウイルス、ナリバウイルス、サレム(Salem)ウイルス、Jウイルス(J virus)、モスマン(Mossman)ウイルス、及びベイロング(Beilong)ウイルスが挙げられる。
【0050】
抗原物質は、家禽に伝染性の病原体に由来する1種以上の免疫原を含んでもよい。このような免疫原は、例えば、伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、ニューカッスル病ウイルス(NDV)、マレック病(MDV)、伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBD)、伝染性喉頭気管炎(ILT)、トリレオウイルス、コレラ、鶏痘、マイコプラズマ症、シチメンチョウ及びニワトリコリーザ、トリインフルエンザ、トリ脳脊髄炎(AE)、トリ鼻気管炎(ART)、アヒル肝炎ウイルス、出血性腸炎、ガチョウパルボウイルス、パラミクソウイルス3、ニワトリ貧血ウイルス(CAV)、大腸菌(E.coli)、丹毒(Erysipelas)、リエメレラ(Reimerella)、マイコプラズマ・ガリセプティクム(Mycoplasma gallisepticum)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、コクシジウム病、産卵低下症候群(EDS)ウイルス、シチメンチョウ鼻気管炎ウイルス(TRTV)、並びにポックスウイルスに由来するものでもよい。
【0051】
抗原物質は、ウシ属の動物(bovoids)、例えば、限定するものではないが、畜牛、スイギュウ、アフリカスイギュウ、アメリカバイソン、及びヤクに感染性の病原体に由来する1種以上の免疫原を含んでもよい。このような免疫原は、例えば、限定するものではないが、BVDVI型及びII型などのウシ呼吸器疾患(BRD)ワクチン、限定するものではないが、潜伏ウイルスを発生しないサブユニットワクチンなどのウシヘルペスウイルス(BHV−1)ワクチン、ウシヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus)ワクチン、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)ワクチン、ウシマイコプラズマ(Mycoplasma bovis)ワクチン、ウシロタウイルスワクチン、大腸菌(Escherichia coli)K99ワクチン、ウシコロナウイルス(BCV)ワクチン、クロストリジウム・シャボイ(Clostridium chauvoei)(黒脚症)ワクチン、クロストリジウム・セプチカム(Clostridium septicum)ワクチン、クロストリジウム・ソルデリ(Clostridium sordelli)(悪性浮腫)ワクチン、クロストリジウム・ノビイ(Clostridium novyi)(黒色病)ワクチン、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)(腸内毒素中毒)ワクチン、限定するものではないが、ウシモラクセラ菌(Moraxella bovis)、クラミジア、マイコプラズマ、アコレプラズマなどの伝染性ウシ角結膜炎(流行性結膜炎)ワクチン、又は伝染性ウシ鼻気管炎(IBR)ウイルスワクチン、限定するものではないが、大腸菌(Escherichia coli)J5ワクチンなどの乳腺炎ワクチンに由来するものでよい。
【0052】
抗原物質は、ブタに伝染性の病原体、例えば、限定するものではないが、ブタサーコウイルス2型(PCV2)、ブタ繁殖・呼吸障害症候群(PRRSV)、呼吸器病マイコプラズマ、ブタ連鎖球菌(Streptococcus suis)、ブタコロナウイルス、ロタウイルス、腸管毒素原性大腸菌(Escherichia coli)(K88)、アクチノバチルス・プルロニューモニア(Actinobacillus pleuropneumonia)(APP)、及びブタインフルエンザに由来する1種以上の免疫原を含んでよい。
【0053】
抗原物質は、ほぼ遍在性のグラム陰性、運動性、無条件的好気性桿菌群である、バークホルディア(Burkholderia)属に由来する1種以上の免疫原を含んでもよく、これらには、動物/ヒト及び植物両方の病原体、並びにいくつかの環境的に重要な種が含まれる。バークホルディア(Burkholderia)は、その病原性メンバーについてよく知られている。鼻疽菌(Burkholderia mallei)は、馬鼻疽(主に、ウマ及び近縁動物に起こる疾患)の原因となる。類鼻疽菌(Burkholderia pseudomallei)は、類鼻疽(ホイットモア病とも呼ばれる)(特に東南アジア及びオーストラリア北部における、主として熱帯気候の伝染病であり、ヒト又は動物に感染しうる)の原因因子である。セパシア菌(Burkholderia cepacia)は、嚢胞性線維症を伴う、人における肺感染症の重要な病原体である。その抗体耐性、及びそれらの関連疾患の高い致死率のために、鼻疽菌(Burkholderia mallei)及び類鼻疽菌(Burkholderia pseudomallei)は、家畜及びヒトを標的とする潜在的生物兵器であるとみなされている。バークホルディア(Burkholderia)抗原としては、例えば、3つのバークホルディア(Burkholderia)組換えタンパク質(バークホルディア(Burkholderia)4−9タンパク質、バークホルディア(Burkholderia)22−11タンパク質、及びバークホルディア(Burkholderia)42タンパク質)のいずれかを含む。このようなバークホルディア(Burkholderia)抗原は、個別に投与してもよいし、又は、2つ若しくは3つの抗原のカクテルとして投与してもよい。
【0054】
抗原物質は、現在、麻疹−流行性耳下腺炎−風疹(MMR)及び麻疹−流行性耳下腺炎−風疹−水痘(MMRV)の混合ワクチンに用いられている抗原物質の1種以上であってもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、抗原物質は、ポリヌクレオチドワクチンである。すなわち、抗原物質は、プラスミドなどのベクター構築物として送達され、被検者に送達されると、ポリペプチド抗原の発現を引き起こす。本明細書で用いる場合、「ポリヌクレオチド」は、リボヌクレオチド又はデオキシヌクレオチドのいずれかの、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態であり、二本鎖及び一本鎖RNA及びDNAの両方を含む。ポリヌクレオチドは、天然の供給源から直接得ることができ、あるいは、組換え、酵素、又は化学的技法を用いて作製することもできる。ポリヌクレオチドは、線状又は環状のいずれの形状とすることもできる。ポリヌクレオチドは、例えば、発現若しくはクローン化ベクターなどのベクターの一部、又は断片であってもよい。ポリヌクレオチドは、例えば、コード領域、及び調節領域のような非コード領域などの様々な機能を有するヌクレオチド配列を含んでもよい。任意の好適なベクター又は送達ベクターを用いることができる。様々なベクターが一般に入手可能である。ベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ウイルス粒子、又はファージの形態であってよい。ベクターは、発現ベクターであってもよい。様々な方法で、適切な核酸配列をベクターに挿入してもよい。一般に、当業者には公知の技術を用いて、適切な制限エンドヌクレアーゼ部位にDNAを挿入する。ベクター成分としては、一般に、限定するものではないが、1つ以上のシグナル配列、複製起点、1つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列がある。これらの成分の1つ以上を含む好適なベクターの構築には、当業者には公知の標準的連結技術を用いる。
【0056】
本明細書に記載する組成物は、ワクチンとして有用となりうる。ワクチンは、予防ワクチンとすることも防御ワクチンとすることもできる。
【0057】
本明細書に記載する組成物は、アジュバント活性を有する1種以上の化合物を含んでもよい。このようなアジュバントは、それ自体では明確な抗原作用を有することなく、免疫系を刺激し、ワクチン抗原に対する応答を高める。アジュバントは、特定のワクチン抗原と組み合わせて用いられると、抗原特異的免疫応答を加速、延長、若しくは増強するのに役立つ。この目的に好適な化合物又は組成物としては、限定するものではないが、例えば、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム(ミョウバンとも呼ばれる)、アルミニウムヒドロキシル−リン酸塩、及びアルミニウムヒドロキシル−リン酸塩−硫酸塩などのアルミニウムベースのアジュバント、並びに、以下のような非アルミニウムアジュバント、例えば、QS21、MF59、リピドA、中性リップソーム(lipsome)、ミクロ粒子、例えば、IL−12などのサイトカイン、植物性油、動物性油、例えば、鉱油を基材とする水中油形若しくは油中水形エマルション(Bayol F(商標)若しくはMarcol 52(商標))、完全フロイントアジュバント、不完全フロイントアジュバント、植物油、例えば、ビタミンE酢酸塩、サポニン、スクアレン、脂質付加アミノ酸(LAA)、及び/又はTLRアゴニストが挙げられる。
【0058】
いくつかの実施形態では、アジュバント成分は、トール様受容体(TLR)リガンドである。哺乳動物におけるTLRは、1997年に初めて同定された。これらは、多数の病原体に対する第1の防御線を構成して、自然免疫系の機能に重要な役割を果たす。トール様受容体には多数の公知のサブクラスがあり、例えば、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11、TLR12、TLR13、TLR14、TLR15、及びTLR16が挙げられ、それらのリガンドは、有意な構造上の変異を呈示する。TLRアゴニストは、様々なトール様受容体(TLR)のうち1つの分子リガンドである。公知のTLRとしては、以下のものが挙げられる:TLR1(TLR1リガンドは、トリアシルリポタンパク質を含む);TLR2(TLR2リガンドは、リポタンパク質、グラム陽性ペプチドグリカン、リポテイコ酸、真菌、及びウイルス糖タンパク質を含む);TLR3(TLR3リガンドは、特定のウイルスに存在するような二本鎖RNA、及びポリI:Cを含む);TLR4(TLR4リガンドは、リポ多糖及びウイルス糖タンパク質を含む);TLR5(TLR5リガンドは、フラジェリンを含む);TLR6(TLR6リガンドは、ジアシルリポタンパク質を含む);TLR7(TLR7リガンドは、合成低分子免疫修飾物質(small synthetic immune modifier)(例えば、イミキモド、R−848、ロキソリビン、及びブロピリミン)及び一本鎖RNAを含む);TLR8(TLR8リガンドは、合成低分子化合物(small synthetic compounds)及び一本鎖RNAを含む);並びにTLR9(TLR9リガンドは、非メチル化CpG DNAモチーフを含む)。いくつかのTLRリガンドを本明細書に記載するが、そのような記載が本発明を何ら限定するものではないことを理解すべきである。TLRリガンドは、市販のものが広く入手可能である。
【0059】
好ましいTLRアゴニストとしては、TLR2アゴニスト、TLR4アゴニスト、TLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、及びTLR9アゴニストが挙げられる。LR2は、グラム陽性及びグラム陰性菌、並びにマイコプラズマ及び酵母由来の多様な微生物分子の認識に関与する。TLR2リガンドとしては、リポグリカン、リポ多糖、リポテイコ酸及びペプチドグリカンがある。
【0060】
TLR4は、グラム陰性リポ多糖(LPS)及びリピドA、その毒性部分を認識する。TLR4アゴニストとしては、限定するものではないが、リポ多糖(LPS)、ウイルス糖タンパク質、モノホスホリルリピドA(MPL)(Anderson et al.,2010,Colloids Surf B Biointerfaces;75(1):123−32)、グルコピラノシル脂質アジュバント安定エマルション(GLA−SE)(Coler et al.,2010,PLoS One;5(10):e13677)、及びグルコピラノシル脂質アジュバント(GLA)と呼ばれる合成ヘキサアシル化リピドA誘導体(Coler et al.,2011,PLoS One;6(1):e16333)が含まれる。
【0061】
TLR9は、細菌DNA又は合成オリゴヌクレオチド(ODN)に存在するものなどの非メチル化CpG含有配列によって活性化される。このような非メチル化CpG含有配列は、細菌DNA中に高い頻度で存在するが、哺乳動物DNAには稀有である。従って、非メチル化CpG配列によって、哺乳動物DNAから微生物DNAを識別する。TLR9アゴニストは、限定するものではないが、大腸菌(E.coli)DNA、エンドトキシンフリー大腸菌(E.coli)DNA、又は大腸菌(E.coli)K12由来のエンドトキシンフリー細菌DNAなどの微生物DNAの調製物であってよい。TLR9アゴニストは、非メチル化CpGモチーフを含む合成オリゴヌクレオチドであってもよく、これは、本明細書において「CpG−オリゴデオキシヌクレオチド」、「CpGODN」、「ODN」、若しくは「CpG」とも称する。CpG ODNは、短く、一本鎖の、DNA分子であり、これは、シトシン(「C」ヌクレオチド)に続いてグアニン(「G」ヌクレオチド)を含む。「p」は、典型的に、DNAのホスホジエステル骨格を指す。本発明のTLR9アゴニストは、既述した少なくとも3つのタイプの刺激ODN、すなわちA型、B型、及びC型のいずれを含んでもよい。CpG−オリゴデオキシヌクレオチドは、ポリヌクレオチドの化学合成のための標準的方法によって作製してもよいし、又は市販のものを購入してもよい。例えば、CPG ODNは、InvitroGen(San Diego,CA)から購入することができる。
【0062】
本明細書に記載の組成物は、1種以上のサイトカインを含んでもよい。サイトカインとしては、限定するものではないが、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−15、IL−18、IL−19、IL−20、IFN−α、IFN−β、IFN−γ、腫瘍壊死因子(TNF)、トランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、及び/又はFlt−3リガンドが挙げられる。いくつかの用途では、1つ以上のサイトカインをアジュバントとして用いることもできる。
【0063】
本発明はまた、本明細書に記載の組成物を被検者に投与することにより、被検者において免疫応答を誘導する方法も包含する。免疫応答は、防御免疫を付与しても、しなくてもよい。免疫応答は、例えば、体液性免疫応答及び/又は細胞性免疫応答を含んでよい。体液性免疫応答としては、IgG(IgG1、IgG2(IgG2a及び/若しくはIgG2bなど)、IgG3、及び/又はIgG4など)、IgM、IgA、IgD、IgE、及び/又はIgY応答が挙げられる。細胞性免疫応答としては、T細胞活性化及び/又はサイトカイン産生が挙げられる。体液性又は細胞性免疫応答の決定は、免疫学分野で公知の様々な方法のいずれか、例えば、限定するものではないが、本明細書に記載する方法のいずれによって行ってもよい。免疫応答の誘導は、感染因子による将来の攻撃に対する初回免疫及び/又は免疫系の刺激を含んでよく、これによって将来の感染に対する免疫を賦与する。このような免疫応答の誘導は、防御応答として作用して、一般に、症状の軽減をもたらしうる。免疫応答は、自然及び/又は獲得免疫応答を増強しうる。免疫応答は、単一の初回免疫で、より高い濃度の抗体を呈示しうる。免疫応答は、スラリーマトリックスを含まない免疫と比較して、免疫グロブリン比並びに/又は炎症性サイトカイン、I型インターフェロン、及び/若しくはケモカイン誘導に変化を示す可能性がある。このような変化は、増加又は減少のいずれでもありうる。例えば、別の免疫グロブリンイソタイプと比較して免疫グロブリンの1イソタイプ(例えば、IgM、IgA、IgD、IgG、若しくはIgEのいずれか1つと比較してIgM、IgA、IgD、IgG、若しくはIgEのいずれか1つ)の高い比、又は別のIgGサブクラスと比較して1IgGサブクラス(例えば、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、若しくはIgG4のいずれか1つと比較してIgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、若しくはIgG4のいずれか1つ)の高い比を得ることができる。
【0064】
本発明はまた、本明細書に記載の組成物を被検者に投与することにより、被検者にワクチン接種する方法も包含する。このようなワクチン接種により、将来の感染症の症状を軽減又は改善すると共に、将来の感染を予防することができる。本明細書に記載する組成物は、新たな感染に対する耐性が増大する、及び/又は疾患の臨床的重症度が軽減するように、感染を予防及び/又は改善する上での免疫原性組成物として、治療及び/又は予防用途を有しうる。このような防御は、RSSに関連する症状(限定するものではないが、本明細書に記載する症状のいずれかなど)の軽減又は欠如のいずれかによって証明されうる。利用可能な様々なアッセイのいずれか、例えば、限定するものではないが、本明細書に記載するもののいずれかを用いて、本発明のワクチン接種方法の有効性を決定することができる。
【0065】
いくつかの用途では、通常の感染の過程で実質的軽減をもたらすような量で、少なくとも1種の免疫原の免疫学的に有効な量を使用する。免疫原性及び有効性は、公知の様々な実験装置のいずれか、例えば、限定するものではないが、本明細書に記載するもののいずれかを用いてアッセイすることができる。
【0066】
本明細書に記載する組成物及び方法は、ウイルス性疾患、感染性疾患、例えば、限定するものではないが、細菌、真菌及び寄生体感染、癌、並びに1種以上の免疫原の投与が治療のために望ましい他の疾患の治療及び/又は予防のために、被検者に投与することができる。本明細書に開示する方法では、当分野において公知の様々なパラメータのいずれか、例えば、限定するものではないが、本明細書に記載するもののいずれかにより、1種以上の物質の投与の効果を評価することができる。これには、ELISPOT、FACS分析、サイトカイン放出、又はT細胞増殖アッセイなど、多数の方法による、例えば、腫瘍抗原に対する遅延型過敏反応の増大の決定、治療後悪性腫瘍再発までの時間的遅延の決定、無再発生存期間増加の決定、治療後生存率の増加の決定、腫瘍サイズの決定、ワクチン接種抗原への暴露時に活性化される反応性T細胞の数の決定などが含まれる。
【0067】
例えば、本明細書に記載する組成物及び方法を癌の治療のために患者に投与してよい。抗腫瘍ワクチンとしては、限定するものではないが、ペプチドワクチン、全細胞ワクチン、遺伝子改変全細胞ワクチン、組換えタンパク質ワクチン、又は組換えウイルスベクターによる腫瘍関連抗原の発現に基づくワクチンなどが挙げられる。治療しようとする癌としては、限定するものではないが、黒色腫、基底細胞癌、結腸直腸癌、膵臓癌、乳癌、前立腺癌、肺癌(小細胞肺癌及び非小細胞肺癌など)、白血病、リンパ腫、肉腫、卵巣癌、カポジ肉腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、原発性血小板血症、原発性マクログロブリン血症、小細胞肺腫瘍、原発性脳腫瘍、胃癌、悪性膵島細胞腫、悪性カルチノイド、膀胱癌、前悪性皮膚病変、精巣癌、リンパ腫、甲状腺癌、神経芽細胞腫、食道癌、尿生殖器管癌、悪性高カルシウム血、子宮頚癌、子宮内膜癌、膠芽腫、及び副腎皮質癌が挙げられる。いくつかの態様では、癌は、原発性癌である。いくつかの態様では、癌は転移性である。本明細書で用いる場合、「腫瘍」は、哺乳動物にみいだされる任意のタイプの癌、新生物、又は悪性腫瘍を指す。
【0068】
癌の治療の効果は、当分野では公知の様々なパラメータのいずれかにより、評価することができる。これは、限定するものではないが、以下を含む:腫瘍サイズの縮小の決定、腫瘍の増殖、拡散、侵入力、脈管形成、血管新生、及び/又は転移の阻害の決定、任意の転移性病変の成長、拡散、侵入力及び/若しくは脈管形成の阻害の決定、免疫系細胞による腫瘍浸潤の決定、並びに/又は腫瘍抗原に対する遅延型過敏反応増大の決定。治療の効果はまた、被検者における再発の遅延若しくは腫瘍進行の遅延の決定、又は被検者の生存率、例えば、治療から1若しくは5年後の生存率の増加の決定によっても評価することができる。本明細書で用いる場合、再発は、腫瘍又は新生物の、明らかな停止後の再発である。
【0069】
本明細書で用いる場合、別途明示されていない限り、「治療」、並びに「治療される」、「治療すること」などの類似の語は、好ましくは臨床結果などの有益又は所望の結果を得るためのアプローチである。治療は、治療及び/又は予防的治療を含みうる。治療の望ましい効果は、疾患の発生又は再発の予防、症状の改善、疾患の1つ以上の直接若しくは間接的病理学的帰結の軽減、疾患進行速度の低下、病状の改善若しくは緩和、寛解若しくは予後の改善を含む。いくつかの用途では、記載する組成物は、1つ以上の所望の結果に、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の改善を示しうる。
【0070】
本明細書で用いる場合、物質の「有効量」又は「治療に有効な量」は、臨床結果を含む有益な結果などの所望の生物学的効果をもたらすのに十分な量である。治療に有効な濃度及び量は、本明細書での各用途について、本明細書に記載のもののいずれかを含む、既知のin vitro及びin vivo装置で組成物を試験することによって、実験により決定することができる。次いで、そこから、ヒト又は他の動物についての投与量を補外することができる。本発明の方法の場合、当分野では公知の様々なパラメータのいずれかによって、1回以上の介入の投与の効果を評価することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、「有効な量」は、少なくとも1つの病理パラメータの低減をもたらす量である。従って、例えば、治療を受けていない個体のパラメータに予測される低減と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、又は少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の低減を達成するのに有効な量。
【0072】
本発明はまた、本明細書に記載するワクチン組成物を製造する方法及び使用する方法も包含する。本発明の組成物は、選択される投与経路に合わせて設計される様々な形態の薬剤として製剤化してよい。多様な投与方法のいずれを用いてもよい。例えば、投与は、静脈内、局所、経口、鼻内、皮下、腹腔内、筋内、又は腫瘍内であってよい。
【0073】
本明細書に記載するワクチン組成物は、インプラントの形態をしていてもよい。このようなインプラントは、腫瘍内に移植することができる。送達は、例えば、注射、輸液、点滴注入、局所適用、針による送達、及び/又はカテーテルによる送達など、利用可能な多様な技術のいずれによって達成してもよい。送達は、針若しくはカテーテルなどの送達装置又は手段の使用によって達成することもできる。このような送達装置は、本発明に含まれる。
【0074】
本発明の組成物は、1つ以上の別の治療介入と一緒に投与してもよい。別の治療的処置として、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:外科的切除、放射線療法、化学療法、ホルモン療法、抗腫瘍ワクチン、抗体療法、全身照射、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、サイトカイン、抗生物質、抗菌薬、抗ウイルス薬(例えば、AZT、ddI若しくはddCなど)の投与、化学療法薬(例えば、シクロホスファミド、メトトレキセート、5−フルオロウラシル、ドキソルビシン、ビンクリスチン、イホスファミド、シスプラチン、ゲムシタビン、ブスルファン、ara−C、アドリアマイシン、ミトマイシン、シトキサン、メトトレキセートなど)、並びにこれらの組合せ。このような投与は、既述したワクチン組成物の投与前、投与中、及び/又は投与後に実施してよい。
【0075】
本明細書で用いる場合、「被検者」という用語は、限定するものではないが、ヒト及びヒト以外の脊椎動物を含む。いくつかの実施形態では、被検者は、哺乳動物、特にヒトである。被検者は、「個体」、「患者」又は「宿主」であってもよい。被検者としては、例えば、ヒト、高等霊長類、ヒト以外の霊長類、家畜及びペット(例えば、イヌ、ネコ、畜牛、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラバ、ロバ、ミンク、及び家禽類など)、実験動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、及びウサギなど)、並びに野生生物が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載するワクチン組成物は、ウシ属の動物、限定するものではないが、畜牛、スイギュウ、アフリカスイギュウ、アメリカバイソン、及びヤクなどに投与する。
【0076】
本明細書に記載するワクチン組成物は、家禽類、例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、ホロホロチョウ、ヤマウズラ及び水鳥(例えば、アヒル及びカモ)などに投与してもよい。ニワトリとしては、限定するものではないが、雌鶏、雄鶏、ブロイラー、ひな鳥、種鶏、種鶏の子孫、及び産卵鶏が挙げられる。本発明のワクチンは、孵化前又は孵化後のいずれに家禽に投与してもよい。家禽は、様々な齢でワクチンを受けてもよい。例えば、ブロイラーは、卵内で、産卵後1日の卵内で、又は生後2〜3週で投与してもよい。産卵用家禽又は繁殖用家禽に、例えば、生後約6〜12週でワクチンを接種し、生後約16〜20週で追加免疫してもよい。このような産卵用家禽又は繁殖用家禽には、生後約6、約7、約8、約9、約10、約11、又は約12週でワクチン接種してもよい。このような産卵用家禽又は繁殖用家禽には、生後約16、約17、約18、約19、又は約20週で追加接種してもよい。このような産卵用家禽又は繁殖用家禽の子孫は、投与した免疫原に対する抗体力価を示しうるが、これによって、子孫における感染症の症状を予防又は軽減することができる。
【0077】
本発明の組成物は、当分野では公知で、かつ使用されている方法に従って、製剤化することができる。本発明のワクチン組成物は、組成物を改善若しくは安定化するように設計される塩、バッファー、防腐剤、又はその他の物質を含んでもよい。ワクチン組成物は、薬学的に許容される賦形剤又は担体を含んでもよい。本明細書で用いる場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、ヒト又はその他の脊椎動物への投与に好適な物質を指す。投与のために、本明細書に記載する組成物は、必要であれば、適切にバッファー処理し、また、十分な塩水又はグルコースで組成物を等張性にしてもよい。これに関して、使用することができる滅菌水性媒質は、当業者には周知であろう。さらに、ヒトへの投与の場合、無菌性、発熱原性、及びFDAによって要求される一般的安全性及び純度基準を満たす必要がある。このような製剤は、発熱物質除去であってよく、滅菌、及び/又はエンドトキシンフリーであってよい。
【0078】
本発明の組成物は、さらに1種以上の安定剤を含んでもよい。いずれの好適な安定剤を用いてもよく、このようなものとして、ソルビトール、マンニトール、デンプン、スクロース、デキストリン、若しくはグルコースなどの炭水化物;アルブミン若しくはカゼインなどのタンパク質;並びにアルカリ金属リン酸塩などのバッファーなどがある。安定剤は、乾燥ワクチン製剤を凍結乾燥により製造する場合、特に有利である。このような組成物は、薬学的に許容される担体又は希釈剤を含んでもよい。担体としては、例えば、安定剤、防腐剤及びバッファーが挙げられる。好適な安定剤として、例えば、SPGA、炭水化物(例:ソルビトール、マンニトール、デンプン、スクロース、デキストリン、グルタミン酸塩若しくはグルコースなど)、タンパク質(例:乾燥乳清、アルブミン若しくはカゼインなど)又はそれらの分解産物が挙げられる。好適なバッファーとしては、例えば、アルカリ金属リン酸塩がある。好適な防腐剤としては、例えば、チメロサール、メルチオレート及びゲンタマイシンがある。希釈剤としては、限定するものではないが、水、水性バッファー(例えば、緩衝食塩水)、アルコール、及びポリオール(例えば、グリセロール)が挙げられる。
【0079】
本明細書に記載する方法及び組成物に、様々な調節物質のいずれを含有させてもよい。本明細書で用いる場合、「調節物質」は、生存組織に治療効果を有する物質である。調節物質としては、例えば、疾患を予防及び/若しくは解消する、並びに/又は回復を促進するのに有効な治療薬がある。
【0080】
本発明のワクチンは、多くの異なる経路のいずれによって被検者に投与してもよい。例えば、ワクチンは、静脈内、腹腔内、皮下、鼻内、経口、経皮、及び/又は筋内経路で投与することができる。好適な投与計画は、例えば、被検者の年齢、体重、性別、及び健康状態;投与経路;所望の効果;並びに使用する特定のコンジュゲート及び製剤など、当分野では公知の要因を考慮に入れて決定することができる。ワクチンは、単回又は複数回のいずれでも投与してもよい。複数回用ワクチン接種フォーマットで投与される場合、投与の時期は、当分野では公知のスケジュールに従ってよい。例えば、初回投与の後、抗体力価及び/又は免疫記憶を維持するために、1以上の追加用量を投与してもよい。
【0081】
本発明の方法は、in vitro、ex vivo、又はin vivo方法を含んでもよい。本明細書で用いる場合、「in vitro」は、細胞培養物中であり、「in vivo」は、被検者の身体内である。本発明では、単離された免疫原又は物質を送達してもよい。本明細書で用いる場合、「単離された」とは、その天然の環境から取り出されたか、組換え技術を用いて作製されたか、又は化学的若しくは酵素により合成された物質であって、従って、その天然の状態から「人為的に」改変された物質を意味する。
【0082】
本発明は、本発明に記載の組成物の1つ以上を使用するキットを含む。このようなキットは、免疫応答を誘発するために、被検者への免疫原の投与を可能にすることができる。本発明のキットは、本発明を実施するために必要なバッファー及び溶液などの他の試薬を含んでもよい。任意選択で、このような容器に、注意事項又は印刷された説明書を付属させてもよい。本明細書で用いる場合、「パッケージ材料」というフレーズは、キットの中身を収納するのに用いられる1つ以上の物理的構造を指す。パッケージ材料は、好ましくは、滅菌状態の無汚染物環境を提供するように、公知の方法によって作製する。本明細書で用いる場合、「パッケージ」という用語は、設定した範囲内にポリペプチドを保持することができる、固体マトリックス、又はガラス、プラスチック、紙、ホイルなどの材料を指す。本発明のキットはまた、使用説明書を含んでもよい。使用説明書は、典型的に、試薬濃度、又は少なくとも1つのアッセイ方法パラメータ、例えば、混合しようとする試薬及びサンプルの相対量、試薬/サンプル混合物の維持時間、温度、バッファー条件などを記載する具体的表示を含む。
【0083】
別途記載のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で用いられる成分の量、分子量などを表す数は全て、いずれのケースでも、用語「約」によって変更されるものとして理解すべきである。従って、反対のことが記載されていない限り、本明細書及び特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、近似値であり、これらは、本発明によって達成しようとする所望の特性に応じて変動しうる。少なくとも、また、特許請求の範囲の均等物の原則を限定しようとするものではないが、各数値パラメータは、少なくとも、記載される有効桁数を考慮して、通常の丸め技法を適用することにより、解釈すべきである。
【0084】
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値ではあるが、具体例に記載する数値は、可能な限り正確に表示されている。しかし、全ての数値は、それぞれの試験の測定に存在する標準偏差から必然的に生じる範囲を本質的に含む。
【0085】
本明細書の記載は、説明のための実施形態を例示する。本願全体を通して複数の箇所で、例を列挙したリストから指標が提供されるが、これらの例は、多様な組合せで用いることができる。各例において、記載したリストは、代表群として用いられるに過ぎず、限定的リストとして解釈すべきではない。
【0086】
本発明を以下の実施例により説明する。具体な例、材料、量、及び手順は、本明細書に記載するように、本発明の範囲及び精神に従って広義に解釈すべきであることを理解されたい。見出しは全て読者の便宜を図って設けたものであり、そのような記載のない限り、見出しに続く本文の意味を限定するために用いるべきではない。
【実施例】
【0087】
実施例1
新規のワクチン接種送達計画は、増強されたワクチン特異的免疫応答を起こす
従来の送達方法を用いる場合にみとめられるものに対してワクチン送達を促進するために、室温では液体であるが、35℃での注射後の生理的条件下では、ゲルデポー(gel−depot)を形成する成分と一緒に、CpGアジュバントを含む、又は含まない抗原を提供することに主眼を置いた。これによって、抗原及びアジュバントを濃縮形態で送達することが可能になり、これにより、抗原呈示細胞活性を増強すると共に、炎症誘発性のワクチン特異的応答を引き起こすことができる。組換えB型肝炎抗原(rHepBag)をワクチン接種の抗原として用いて、B型肝炎特異的抗体及びサイトカインを誘導する能力について、7つの異なるワクチン送達計画と共に評価された送達方法。マウスを、2つの異なるタイプのゲルスラリー(PURAMATRIX(「P1」とも称する)及びMATRIGEL(「P2」とも称する)中のrHepBag、又はALHYDROGEL(アルミニウム塩)中のrHepBag、又は完全フロイントアジュバント(CFA)と混合したrHepBagで、ワクチン接種した。ゲルスラリー及びALHYDROGELは、マウスCpG ODN1826と一緒に又は含まずに(+/−)混合した。
【0088】
結果は、ODNを含むいずれのゲルスラリーでワクチン接種したマウスも、初回接種から24〜48時間後に、有意に高いTNF産生を示したが、P1は、24時間後にALHYDROGELより有意に優れていた。アジュバントP2は、48時間後に有望なTh2阻害を示したが、血清中の抗原特異的IgG2a産生の増加と同時に、IL−4、IL−5及びIL−10レベルが低下した。
【0089】
ワクチン特異的抗体の分析から、P1が、ODNの使用の有無にかかわらず、初回免疫から14日後に、高いワクチン特異的IgA、IgM及びIgG力価をもたらし、高いIgA及びIgG力価が35日間維持されたことがわかった。この実験で試験したゲルスラリー系の両方が、従来のアジュバントより優れていたことから、この新規のゲルスラリーワクチン送達系は、現在わずかにしか機能的でない多数の既存のワクチンに対する応答を増強する上で広範な有用性を有しうる。この新規ワクチン送達系の使用を、寄生体からウイルス感染症まで、様々な感染症のいずれかについてのワクチンの開発においてさらに調べることにする。
【0090】
材料及び方法
ワクチン及び投与経路。この研究で用いる実験用ワクチンを、組換えB型肝炎抗原、すなわち、rHepBagから作製した(Fitzgerald Industries,Inc.Massachusetts,USA)。90匹の生後6週〜8週の雌BALB/cマウスを均等に9つのグループに分けて、それぞれ、5μgのrHepBagを含む0.1ml溶液、5μgのrHepBagを含む50μgODN1826(InvivoGen,Inc. California,USA)の0.1ml、ODN1826を含む、又は含まないPURAMATRIX(P1)及び5μgのrHepBagの0.4ml溶液、ODN1826を含む、又は含まないMATRIGEL(P2)及び5μgのrHepBagの0.4ml、ODN1826を含む、又は含まない250μgミョウバン(Thermo Fisher Scientific,Inc.Pennsylvania,USA)及び5μgのrHepBagの0.1ml溶液、並びに5μgのrHepBagを含む(1:2)0.1mlの完全フロイントアジュバント(Sigma−Aldrich Co.Missouri,USA)を、背中に初回皮下注射(sc)、次いで、4週間後に追加免疫として投与した。1用量のスラリーを調製するために、50ugCpGの事前混合を含む、又は含まない5ugのrHBsAg抗原を、MATRIGEL又はPURAMATRIXと一緒に400μlの最終用量にして、入念に混合した後、皮下注射した。必要な用量の数に応じて増量した。MATRIGEL及びPURAMATRIXは、BD(Franklin Lakes,NJ)から購入した。
【0091】
サイトカイン及び抗体の評価。追加免疫から1週間後、サイトカイン評価のために脾細胞を単離した。単細胞懸濁液(1.5×106/ml)を調製して、ペニシリン−ストレプトマイシン(それぞれ、最終濃度:100U/ml及び100μg/ml)(Sigma−Aldrich.St.Louis,MO,USA)と一緒に、1640培地(RPMI 1640 Thermo Scientific Hyclone,Utah,USA)中に懸濁させた。0.5mlの培地、1μg/mlのコンカナバリンA(ConA)の0.5ml、又は5μg/mlのrHepBagの0.5mlと一緒に、0.5mlの単細胞懸濁液を48ウェルプレート(Sigma−Aldrich.St.Louis,MO,USA)に添加して、5%CO2を用い、37℃で培養した。TNFのレベルを24及び48時間培養後に、IL−4及びIL−5を48時間後に、IL−4及びIL−10を72時間後に定量したが、各々3回繰り返した。サイトカイン陽性マウスのパーセンテージは、2ステッププラットフォームを用いてさらに変換したが、これは、(1)各グループについて得られた値の全範囲を考慮した、各サイトカインの大域中央値を計算すること;及び(2)「低」及び「高」サイトカイン産生体(“low” and “high”−cytokine producers)と称する2つのカテゴリーに個体を区分するために、カットオフエッジとしてサイトカイン陽性細胞の大域中央値パーセンテージ(global median percentage)を用いて、「低」及び「高」サイトカイン産生体のコンセプトを各グループについて確認することから成るものであった。同じ重みを全てのサイトカインに付与して、細胞集団を形成することにより、各グループについての総サイトカインプロフィールを作成したことに注目すべきである。
【0092】
製造者(BD Biosciences(San Francisco,CA,USA))により記載されているように、24時間の培養後、3×105及び1.5×105個の脾細胞で、IFNγELISpotも実施した。その際、1μg/mlのConAを正の対照として用いた。スポット形成単位(SFU)値は、3回繰り返した培養物の平均からその個別のバックグランドの平均値を差し引いた値として表した。
【0093】
マウスから血液サンプルを1〜6週(初回免疫の前日を含む)まで毎週採取した。これらの血液から得た血清を抗体の検出及び定量のためにULISAアッセイに用いた。
【0094】
フローサイトメトリーのためのT細胞分析用の合成ペプチド。合成ペプチドは、Biosynthesis,Inc.,によって合成され、関連文献に基づいて選択されたものである。S 228−39ペプチド(IPQSLDSWWTSL)は、H2−Ld拘束性(H2−Ld−restricted)であり、Balb/cマウスにおける優性エピトープである。フローサイトメトリーのために、グループ毎に5匹のマウスからの脾細胞を5μMペプチド及び40U/ml IL−2で個別に刺激した。
【0095】
統計分析。抗体評価のために、コルモゴロフ−スミノルフ(Kolmogorov−Smirnov)正規性検定の後、GraphPad PRISMソフトウエア、バージョン4.0(GraphPad Software,California,USA)を用いて、マン・ホィットニー又はスチューデントのt検定によって、比較を分析した。P値が≦0.05のとき、差が統計的に有意であるとみなした。グループ同士の「低」及び「高」サイトカイン産生体頻度の比較のために、カイ2乗検定を用い、P≦0.05で有意とみなした。レーダグラフ軸及び多角形面積の比較は、大きさが2倍小さい比率の場合、有意とみなした。レーダチャート形式で表示する結果のデータ分析は、グループ内及びグループ間で、サイトカイン産生体カテゴリー同士の中央多角形面積を比較することにより実施した。大きさが2倍小さい又は大きい軸及び多角形面積を示す比率の場合、有意な差とみなした。
【0096】
結果
初期の結果から、CpGを含むいずれかのゲルスラリーをワクチン接種したマウスは、ミョウバン又はCFAをワクチン接種したマウスと比較して、初回免疫から14日後に有意に高いワクチン特異的IgG2aを、また、接種から28日後にIgA、IgMを有することがわかった。1回のゲルスラリー送達は、他の送達方法で追加免疫後に得られたものより、初回免疫から14日後に有意に高いワクチン特異的IgG力価をもたらしたが、これは、追加免疫が必要ないことを示している。アッセイが、ゲルスラリー+CpGワクチン接種マウスからの細胞と比較して、ALHYDROGEL又はCFAをワクチン接種したマウスの脾細胞由来の上方制御されたIL−10及びIL−4を示したことを思い出されたい。CpGを使用した場合、CFAでのレベル増加と比較して、全グループで、IL−5のレベルがバックグランドまで低下した。IFN又はTNFのレベルに差はなかった。
【0097】
図1は、IgA抗HBsAg抗体力価の動態を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものである。
【0098】
図2は、IgM抗HBsAg抗体力価の動態を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものである。
【0099】
図3は、IgG抗HBsAg抗体力価の動態を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものである。
【0100】
図4は、IgG1抗HBsAg抗体力価の動態を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものである。
【0101】
図5は、IgG2a抗HBsAg抗体力価の動態を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものである。
【0102】
図6は、単回ワクチン接種後(21日)のより高い抗HBsAg抗体力価を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、*p<0.05、**p<0.01、**p<0.001、****p<0.0001である。
【0103】
図7は、単回ワクチン接種後(35日)のより高い抗HBsAg抗体力価を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、*p<0.05である。
【0104】
図8は、脾細胞のHBsAg再刺激から24時間後のサイトカインプロフィールを示す。示すデータは、1つ実験(総n=5)の代表的データであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、*p<0.05、****p<0.0001である。
【0105】
図9は、脾細胞のHBsAg再刺激から48時間後のサイトカインプロフィールを示す。示すデータは、総n=10(アジュバントのみの場合、n=5)の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、統計的有意差はみとめられなかった(p<0.05)。
【0106】
図10は、脾細胞のHBsAg再刺激から72時間後のサイトカインプロフィールを示す。示すデータは、総n=10(アジュバントのみの場合、n=5)の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、**p<0.01である。
【0107】
図11は、HbsAg特異的T細胞応答において、ELISpotによるHBsAg特異的細胞性免疫の増大を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、*p<0.05である。
【0108】
図12は、フローサイトメトリーによるHBsAg特異的T細胞性免疫の増大を示す。示すデータは、総n=10の2つの独立した実験からプールしたものであり;ボンフェローニ(Bonferroni)事後検定を含む2元配置分散分析(ANOVA)を用い、抗原単独と比較して、**p<0.01である。
【0109】
rHepBagの刺激を含む脾細胞によるサイトカイン分泌の増加。ワクチンによって誘導された細胞免疫応答を測定するため、追加免疫から1週間後にマウスを死なせ、脾細胞を最終濃度5μg/mlのrHepBagと一緒に、又はこれを含まずに培養した。サイトカインレベルをELISAによって測定した。より多種のサイトカインを調べ、循環白血球のex vivoサイトカインプロフィールを評価するために、低及び高産生体のコンセプトを適用した。このために、他所で記載したように、各グループについて得られた任意の値を用いて、各サイトカイン陽性細胞サブセットについて大域中央値を計算した(Vitelli−Avelar et al.,2008,Scand J Immunol;68(5):516−25)。各サイトカイン陽性細胞集団の大域中央値パーセンテージをカットオフエッジとして用いて、表1に示すように、「低」及び「高」サイトカイン産生体と称する2つのカテゴリーに個体を区分した。
【0110】
データから、ODN1826を接種したマウスのいずれも24時間内のTNF産生を示さなかったが、ODN1826がアジュバントP1又はP2と結合した場合には、図13に示すように、有意な割合のマウスが、カットオフエッジを超えるTNFの値を示した(p<0.011)ことがわかった。ALHYDROGELは、ODN1826と結合していても、又はしていなくても、有意な量の「高」TNF産生体を誘導したが、CpGを含まないアジュバントP1を接種したマウスの全てが、カットオフを超える値を呈示し、この値は、全てのアルヒドロゲル(Alhydrogel)グループより有意に高かった(p<0.001)。この同じ結果は、48時間後には観測されず、このとき、アジュバントP1、P2、ALHYDROGEL及びフロイントは、同等数の「高」TNF産生体を示した(図14A及び14B)(p<0.001)。
【0111】
さらに、48時間後、IL−4及びIL−5産生に興味深いデータがみとめられ、このとき、アジュバントP2で免疫したマウスのほとんどが、「低」IL−4及びIL−5産生体の領域に入った(p<0.05)。これとは違い、アジュバントP1を接種したマウスのほとんどが、両サイトカインの高い産生を呈示した(p<0.002)。図15に示すように、アジュバントP1は、ODN1826との結合の有無に関わらず、72時間後、「高」IL−4産生体を呈示し続けたが、同じ結果が、ALHYDROGEL又はフロイント免疫後にみとめられた(p<0.001)。また、データから、アジュバントP2又はアジュバントP2+ODN1826で事前に免疫したマウスのほとんどが、カットオフエッジを下回るIL−10の値を示し、ODN1826と結合した、又は結合していないrHepBagで免疫したマウスより有意に低いことがわかった(p<0.05)。
【0112】
【表1】
【0113】
rHepBagとアジュバントP1及びP2でワクチン接種したマウスにおける持続的体液性応答。ELISAにより特定のイソタイプ抗体を試験するために、免疫前及び免疫後に血清を毎週採取した。アジュバントP1及びP2の両方でワクチン接種したマウスは、初回接種から2週間内に抗rHepBag IgG抗体を産生した(p<0.002)。最も高い抗rHepBag抗体力価は、ODNと結合した、又は結合していないP1をワクチン接種したマウスにおいて達成され、これらの応答は、ODN、ミョウバン又はフロイントアジュバントによる免疫より有意に高かった(p<0.001)。in vivoで誘発されたIgG1:IgG2a比は、両アジュバントで異なるパターンを示す。アジュバントP1は、初回接種から14〜35日内に高レベルのIgG1を伴うTh2応答を起こす。これに対し、P2+ODNによって誘発される応答は、純粋なTh1又はTh2応答というよりむしろ混合系であり、IgG1及びIgG2aレベルは、全タイムラインにわたって上方制御された。図17A〜17Dを参照されたい。
【0114】
初回接種から14日を過ぎると間もなく、アジュバントP1+/−ODNの組合せは、IgA及びIgM力価の上方制御を誘導し、この体液性応答は、それぞれ35日及び21日後まで維持された(p<0.04)。このアジュバントは、IgA、IgM及びIgGの産生について、14及び35日にわたってフロイントより優れ、最初の3週間にわたってALHYDROGELより優れていた(p<0.02)。さらに、アジュバントP1及びP2のいずれも、追加免疫後、全Igの産生についてフロイントアジュバントより優れていることも明らかにされた(p<0.02)。図16A〜16D参照。
【0115】
論考
この実施例により、P1又はP2ゲルスラリーのいずれかとODNでワクチン接種したマウスは、初回接種から24〜48時間後に有意に高いTNF産生を有したが、P1は、24時間後、有意にALHYDROGELより優れていることがわかった。アジュバントP2は、48時間後に有望なTh2阻害を示したが、血清中の抗原特異的IgG2a産生増加と同時にIL−4、IL−5及びIL−10レベルの低下を示した。
【0116】
ワクチン特異的抗体の分析によって、P1が、ODNの使用の有無にかかわらず、初回免疫から14日後に高いワクチン特異的IgA、IgM及びIgG力価をもたらし、高いIgA及びIgG力価が35日にわたって維持された。この実験で試験したゲルスラリー系はいずれも、従来のアジュバントより優れていたため、この新規ゲルスラリーワクチン送達系は、現在わずかにしか機能的でない多数の既存のワクチンに対する応答を増強する上で広範な有用性を有すると考えられる。この新規ワクチン送達系の使用について、寄生体からウイルス感染症まで、任意の種類の感染症のためのワクチンの開発においてさらに詳しく調べることにする。
【0117】
実施例2
インフルエンザワクチン接種
既述の実施例において詳細に記載した方法に従い、ミョウバン、CpG、又はPURAMATRIX及びCpGのスラリーと一緒に投与した、組換え核タンパク質(rNP)インフルエンザウイルス抗原で、C57/BL及びBalb/cマウスを免疫した。1用量のスラリーを調製するために、50ugCpGと予め混合して、又は混合せずに、10ugrNP抗原を、PURAMATRIXと一緒に最終用量200ulにして、入念に混合した後、皮下注射した。必要な用量の数に応じて増量した。図18Bに示すように、抗インフルエンザIgG力価は、ミョウバン又はCpGのアジュバントと一緒に投与したrNPをワクチン接種したマウスと比較して、PURAMATRIX及びCpGと一緒にスラリーとして投与したrNPをワクチン接種した増加したBalb/cマウスであった。図18Aは、C57BL/6マウスにおける抗インフルエンザIgG力価を示す。抗インフルエンザIgG力価は、最後のワクチン接種から4週間後に決定した(wplv)。
【0118】
やはり、既述の実施例により詳細に記載した方法に従い、PURAMATRIXスラリーとして、又はPURAMATRIX及びCpGのスラリーとして、ミョウバンと一緒に投与した、全不活性化A型インフルエンザウイルス(H1N1)株PR8で、C57Bl/6マウスを免疫した。対照として、別のマウスをPR8全不活性化ウイルス(WIV)のみで免疫した。1用量のスラリーを調製するために、50ugCpGと予め混合して、又は混合せずに、15ugのPR8抗原を、PURAMATRIXと一緒に最終用量200ulにして、入念に混合した後、皮下注射した。必要な用量の数に応じて増量した。PR8(WIV)は、Charles Riverからのホルマリン−不活性化インフルエンザA/PR/8/34(H1N1)であり、rNPは、Imgenexからの組換えヒトA型インフルエンザ(A/PR/8/34/Mount Sinai(H1N1)セグメント5)核タンパク質NPである。
【0119】
図19に示すように、CpGなしで、ミョウバンのアジュバントと一緒に、又はPURAMATRIXのみを含むスラリーとして、投与したPR8WIVをワクチン接種したマウスと比較して、PURAMATRIX及びCpGと一緒にスラリーとして投与したPR8WIVをワクチン接種したC57Bl/6マウスにおいて、血清抗インフルエンザIgG力価は増加した。抗インフルエンザIgG力価は、最後のワクチン接種から4週間後に決定した(wplv)。図19は、2つの独立した実験からの結果を示す。
【0120】
図20に示すように、致死的攻撃からの防御の増大が、PR8WIVをワクチン接種したC57Bl/6マウスにおいてみとめられた。図20Aは、30LD50での致死的攻撃による独立した実験からの結果を示し、図20Bは、1000LD50での致死的攻撃による独立した実験からの結果を示す。
【0121】
実施例3
バークホルデリア(Burkholderia)ワクチン接種
既述の実施例により詳細に記載した方法に従い、3つの異なるアジュバント:ミョウバン、完全フロイントアジュバント(CFA)、又はPURAMATRIX及びCpGのスラリーのうちの1つと一緒に投与した、3つの異なるバークホルデリア組換えタンパク質(バークホルデリア4−9タンパク質、バークホルデリア22−11タンパク質、及びバークホルデリア42タンパク質)のカクテルで、マウスを免疫した。1用量のPURAMATRIX+CpGスラリーを調製するために、50ugCpGと予め混合して、又は混合せずに、75ugのバークホルデリア(Burkholderia)タンパク質抗原を、PURAMATRIXと一緒に最終用量200ulにして、入念に混合した後、皮下注射した。必要な用量の数に応じて増量した。対照として、抗原なしで、ミョウバンのみ、CFAのみ、又はPURAMATRIX+CpGのスラリーで、別のマウスを免疫した。
【0122】
バークホルデリア(Burkholderia)(以前は、シュードモナス(Pseudomonas)の一部)属の名称は、ほぼ遍在性のグラム陰性、運動性、無条件的好気性桿菌群を指し、これらには、動物/ヒト及び植物病原体の両方、並びにいくつかの環境的に重要な種を含む。バークホルディアは、その病原性メンバーについて最もよく知られている。鼻疽菌(Burkholderia mallei)は、馬鼻疽(主に、ウマ及び近縁動物に起こる疾患)の原因となる。類鼻疽菌(Burkholderia pseudomallei)は、類鼻疽(ホイットモア病とも呼ばれる)(特に東南アジア及びオーストラリア北部における、主として熱帯気候の伝染病であり、ヒト又は動物に感染しうる)の原因因子である。セパシア菌(Burkholderia cepacia)は、嚢胞性線維症を伴う、人における肺感染症の重要な病原体である。その抗体耐性、及びそれらの関連疾患の高い致死率のために、鼻疽菌(Burkholderia mallei)及び類鼻疽菌(Burkholderia pseudomallei)は、家畜及びヒトを標的とする潜在的生物兵器であるとみなされている。
【0123】
図21は、3つのバークホルデリア組換えタンパク質(バークホルデリア4−9タンパク質、バークホルデリア22−11タンパク質、及びバークホルデリア42タンパク質)のカクテルで免疫したマウスにおける抗バークホルデリアIgG力価を示す。図21Bは、免疫マウスにおける抗バークホルデリアタンパク質4−9IgG力価を示す。図21Aは、免疫マウスにおける抗バークホルデリアタンパク質22−11IgG力価を示す。図21Cは、免疫マウスにおける抗バークホルデリアタンパク質42IgG力価を示す。ミョウバンのみ、ミョウバン+タンパク質カクテル、完全フロイントアジュバント(CFA)のみ、CFA+タンパク質カクテル、PURAMATRIX+CpGスラリーのみ、並びにPURAMATRIXゲル+タンパク質カクテルによる免疫後の抗体力価を示す。ミョウバン又はCFAのワクチン接種と比較して、puramatrixを含むゲルワクチン組成物として投与した3つのタンパク質のうち2つに対して、特定の血清抗体レベルによって測定される免疫応答の増加が観測された。具体的には、ミョウバン又はCFAのワクチン接種と比較して、PURAMATRIXをゲルワクチンとして投与したとき、バークホルデリア4−9タンパク質(図21B)及びバークホルデリア22−11タンパク質(図21AB)に対して、抗バークホルデリアIgG力価の増加が観測された。攻撃データは分析中である。
【0124】
実施例4
動物用ワクチン
既述の実施例により詳細に記載した方法に従い、本発明を様々な動物用ワクチンのいずれかと一緒に用いることができる。本発明のワクチン組成物、送達方法、及び送達系は、家畜産業に多くの利点及び優れた価値をもたらしうるが、このようなものとして、効果の改善、生産周期への早期送達、及び生産周期全体を通じて防御を賦与するために単回用量だけの投与による効能などが挙げられるが、これに限定されない。
【0125】
本発明の組成物、送達方法、及び送達系は、ブタの免疫に用いることができる。本発明の組成物、送達方法、及び送達系を用いてブタに投与することができるワクチンとしては、限定するものではないが、ブタサーコウイルス2型(PCV2)ワクチン、ブタ繁殖・呼吸障害症候群(PRRSV)ワクチン、呼吸器病マイコプラズマワクチン、ブタ連鎖球菌(Streptococcus suis)ワクチン、ブタコロナウイルスワクチン、ロタウイルスワクチン、腸管毒素原性大腸菌(Escherichia coli)(K88)ワクチン、アクチノバチルス・プルロニューモニア(Actinobacillus pleuropneumonia)(APP)ワクチン、及びブタインフルエンザワクチンが挙げられる。入手可能なワクチン及びこのようなワクチンのブタへの投与に関するさらに詳しい情報については、例えば、以下を参照されたい:ワールドワイドウェブサイト:merck−animal−health.com/species/pigs/vaccines.aspx、“Vaccinations for the Swine Herd,”Alabama Cooperative Extension System Publication ANR−902,Alabama A&M and Auburn Universities(ワールドワイドウェブサイト:aces.edu/pubs/docs/A/ANR−0902/ANR−0902.pdfで閲覧可能)、及び“Pig vaccination programs,”PRIME FACT publication 944,September 2009(ワールドワイドウェブサイト:dpi.nsw.gov.au/_data/assets/pdf_file/0009/301500/Pig−vaccination−programs.pdfで閲覧可能)。
【0126】
本発明の組成物、送達方法、及び送達系は、ウシ属の動物(bovine)、例えば、限定するものではないが、畜牛、スイギュウ、アフリカスイギュウ、アメリカバイソン、及びヤクなどの免疫に用いてもよい。本発明の組成物、方法及び送達系を用いて、ウシ属の動物に投与することができるワクチンとしては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる:限定されないが、BVDVI型及びII型などのウシ呼吸器疾患(BRD)ワクチン、限定されないが、潜伏ウイルスを発生しないサブユニットワクチンなどのウシヘルペスウイルス1型(BHV−1)ワクチン、ウシヘモフィルス・ソムナス(Haemophilus somnus)ワクチン、マンヘミア・ヘモリチカ(Mannheimia haemolytica)ワクチン、ウシマイコプラズマ(Mycoplasma bovis)ワクチン、ウシロタウイルスワクチン、大腸菌(Escherichia coli)K99ワクチン、ウシコロナウイルス(BCV)ワクチン、クロストリジウム・シャボイ(Clostridium chauvoei)(黒脚症)ワクチン、クロストリジウム・セプチカム(Clostridium septicum)ワクチン、クロストリジウム・ソルデリ(Clostridium sordelli)(悪性浮腫)ワクチン、クロストリジウム・ノビイ(Clostridium novyi)(黒色病)ワクチン、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)(腸内毒素中毒)ワクチン、限定するものではないが、ウシモラクセラ菌(Moraxella bovis)、クラミジア、マイコプラズマ、アコレプラズマなどの伝染性ウシ角結膜炎(流行性結膜炎)ワクチン、又は感染性ウシ鼻気管炎(IBR)ウイルスワクチン、限定するものではないが、大腸菌(Escherichia coli)J5ワクチンなどの乳腺炎ワクチン。
【0127】
いくつかの用途では、本発明の組成物、送達方法、及び送達系は、ウシ属の動物(bovoid)への1種以上の住血吸虫症抗原の投与に用いてもよい。このような住血吸虫抗原は、例えば、日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)、マンソン住血吸虫(Schistosoma monsoni)、又はビルハルツ住血吸虫(Schistosoma haematobium)に由来するものでよい。住血吸虫抗原は、住血吸虫トリオースリン酸イソメラーゼ(CTPI)タンパク質、又はその抗原断片若しくは誘導体であってもよく、限定するものではないが、日本住血吸虫(S.japonicum)、マンソン住血吸虫(S.monsoni)、若しくはビルハルツ住血吸虫(S.haematobium)CTPIタンパク質、又はそれらの抗原断片若しくは誘導体を含む。住血吸虫抗原は、住血吸虫テトラスピン23kDa内在性膜タンパク質(C23)、又はその抗原断片若しくは誘導体であってもよく、限定するものではないが、日本住血吸虫(S.japonicum)、マンソン住血吸虫(S.monsoni)、若しくはビルハルツ住血吸虫(S.haematobium)C23タンパク質、又はその抗原断片若しくは誘導体を含む。こうした住血吸虫抗原は、1つ以上の別の抗原決定基と融合したキメラポリペプチド、例えば、熱ショックタンパク質、又はその抗原断片若しくは誘導体であってもよく、限定するものではないが、ウシ熱ショックタンパク質70(Hsp70)を含む。
【0128】
例えば、入手可能なワクチン及びこのようなワクチンの畜牛への投与に関するさらに詳しい情報については、例えば、以下を参照されたい:“Beef Cattle Herd Health Vaccination Schedule”Powell et al.,University of Arkansas,Division of Agriculture,Agriculture and Natural Resources publication FSA3009(ワールドワイドウェブサイト:uaex.edu/Other_Areas/publications/PDF/FSA−3009.pdfで閲覧可能)、“How to Vaccinate,”Oklahoma Cooperative Extension Service,Division of Agricultural Sciences and Natural Resources,Publication No.350(ワールドワイドウェブサイト:ansci.colostate.edu/pdf_files/YLE/Dairy7_vaccinate.pdfで閲覧可能)、及び“Cattle Vaccines and Their Use,”Beef Cattle Handbook publication BCH−3015(ワールドワイドウェブサイト:iowabeefcenter.org/Beef%20Cattle%20Handbook/Vaccines_Cattle.pdfで閲覧可能)。
【0129】
本発明のワクチン組成物、送達方法、及び送達系はまた、限定するものではないが、ネコ及びイヌなどのペットのワクチン接種に、例えば、母子免疫の伝達のためのパルボウイルスワクチンによるイヌの免疫を目的として、用いてもよい。
【0130】
投与経路としては、限定するものではないが、皮下(sc)又は筋内(im)注射がある。本発明の組成物、送達方法、及び送達系を用いたワクチン接種によって、単回用量の投与後、迅速で、より長期に持続する防御が得られることになる。
【0131】
実施例5
家禽用ワクチン
既述の実施例により詳細に記載した方法に従い、本発明を様々な家禽用ワクチンのいずれかの送達系として用いることができ、このようなワクチンとして、限定するものではないが、以下:伝染性気管支炎(IB)、ニューカッスル病(ND)、マレック病、伝染性ファブリキウス嚢病(IBD)ウイルス、伝染性喉頭気管炎(ILT)、トリレオウイルス、コレラ、鶏痘、マイコプラズマ症、シチメンチョウ及びニワトリコリーザ、トリインフルエンザ、トリ脳脊髄炎(AE)、トリ鼻気管炎(ART)、アヒル肝炎ウイルス、出血性腸炎、ガチョウパルボウイルス、パラミクソウイルス3、ニワトリ貧血ウイルス(CAV)、大腸菌(E.coli)、丹毒(Erysipelas)、リエメレラ(Reimerella)、マイコプラズマ・ガリセプティクム(Mycoplasma gallisepticum)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、コクシジウム病のワクチンが挙げられる。
【0132】
投与経路としては、限定するものではないが、皮下(sc)又は筋内(im)注射がある。皮下注射の場合、ワクチンを皮膚と下層組織の間の隙間に注射する。典型的に、頸の後ろの弛緩性皮膚における家禽に用いられる適用部位。筋内注射の場合には、ワクチン製剤を筋肉塊内に貯留させる。典型的には、このために、胸部筋肉又は腿筋肉のいずれかを用いる。ワクチン接種は、日齢の雛、若い雌鶏、産卵鶏、種鶏、ブロイラー、及び/又は観賞用鳥のワクチン接種が挙げられる。典型的には、産卵鶏及び種鶏は、産卵期間の前にワクチンを接種し、次いで、産卵期間中、6〜8週間毎に不活性化ワクチンを接種する。これによって、これら家禽を疾患から防御するだけでなく、移行抗体を子孫に移行させる。ワクチン接種することができる家禽として、ニワトリ、シチメンチョウ、並びに、例えば、アヒル及びカモのような水鳥が挙げられるが、これに限定されない。
【0133】
実施例6
住血吸虫症免疫
完全フロイントアジュバント又はMATRIGEL+CpGのいずれかにおける住血吸虫タンパク質抗原CCAでマウスを免疫した。抗CCAIgG抗体力価をElISAで決定した。データを図22A(完全フロイントアジュバント中のCCA)及び図22B(MATRIGEL+CpG中のCCA)に示す。2匹のマウスを各抗原製剤で免疫した。完全フロイントアジュバント中のCCAで免疫したマウスについては、免疫から0、8、16、及び19日後、MATRIGEL+CpG中のCCAで免疫したマウスについては、免疫から0、8、16、24、32、及び40日後、血清サンプルを採取した。ELISAデータは、MATRIGEL+CpGで免疫したマウスにおいて、CCA特異的抗体のより高い力価をはっきりと示している。
【0134】
実施例7
スイギュウの住血吸虫症ワクチン接種
住血吸虫症は、世界中で2億人を超える人々が罹患している寄生虫病である。住血吸虫感染症の世界的有病率に関する近年の情報と合わせて、住血吸虫症に関連する障害を再評価すると、住血吸虫症の真の負荷は、以前評価したものより実質的に大きいことが示されている。アジア、特に中国において、原因因子は、日本住血吸虫(Schistosoma japonicum)である。アフリカの種とは異なり、マンソン住血吸虫(S.mansoni)及びビルハルツ住血吸虫(S.haematobium)、日本住血吸虫(S.japonicum)は、ウシ属、特にスイギュウに感染する人獣共通寄生体であり、中国におけるヒトへの住血吸虫伝染の約75%の原因となっている。スイギュウにおける住血吸虫感染を低減する介入はその健康を増進すると同時に、ヒトへの疾患伝染も低減することになる。中国の多くの地域での現在の防疫プログラムは、ヒト及びスイギュウの同時プラジカンテル(PZQ)処置であり;これは、全体的流行の低減を示してはいるが、大量の継続的処置を必要とし、時間及びコストの両方がかかる。より持続可能な選択肢は、ウシ化学療法に代わって、ウシからの日本住血吸虫(S.japonicum)の伝染を低減するワクチンの開発であろう。実際に、数学的モデル化(Williams et al.,2002,Acta Trop;82(2):253−262)によって、45%の効力の予防ワクチンを単独で、又はPZQと組み合わせて、用いて、ウシ属病原体保有動物における日本住血吸虫(S.japonicum)感染を低減すれば、時間経過と共に、均衡有病率が低下するはずであり、住血吸虫症の長期にわたる持続的防疫を達成しうることが証明された。この2方面からの介入(two−pronged base intervention)によって、住血吸虫症の伝染が長期にわたって有意に低減し、ウシの健康及び成長を増進すると共に、共同体人口における罹患率全体を低下させるであろう。Da’Dara et al.,2008,Vaccine;26(29−30):3617−3625を参照されたい。この文献は、その全文を参照として本明細書に組み込むものとする。
【0135】
日本住血吸虫(S.japonicum)抗原で家畜を免疫するために、本明細書に記載の抗原−PURAMATRIX組成物を用いる。これら試験については、全ての動物に、SjCTPI−Hsp70プラスミドDNAワクチン(Da’Dara et al.,2008,Vaccine;26(29−30):3617−3625にさらに詳細に記載されているように)による初回ワクチン接種を投与する。スイギュウは、組換えSjCTPIタンパク質、PURAMATRIXおよびウシ科動物CpGの組成物で追加免疫する。特に、100ugの組換えSjCTPI+ウシCpGをPURAMATRIXと混合して、総注射量を約0.50ml/動物とする。これをスイギュウ/及び畜牛の肩に注射する。単回の追加ワクチンのみを動物に投与する。
【0136】
抗SjCTPI IgG抗体応答を含む体液性及び細胞性免疫応答の誘発を決定する。追加免疫後、攻撃しようとする動物をセルカリアで攻撃し、糞g当たりの卵の数の減少、肝組織中の卵の減少、ミラシジウム孵化の減少、及び感染虫体数の減少を測定することにより、ワクチン効力を測定する。これらの測定方法については、Da’Dara et al.,2008,Vaccine;26(29−30):3617−3625にさらに詳細に記載されている。
【0137】
フィリピンにおける第1回試験は、フィリピンにおいてすでに2年目となり、前述したように、400頭のスイギュウ又は畜牛に追加免疫した。フィリピンのサマル島での第2回試験は、1500頭のスイギュウ又は畜牛を含む予定である。中国での第3回試験は、600頭のスイギュウ又は畜牛を含む予定である。
【0138】
例えば、CpG若しくはIL−12などのアジュバントを含む、又は含まないpuramatrix組成物中の、住血吸虫ポリペプチド(例えば、SjCTPI、SjCTPI−Hsp70、SjC23、若しくはSjC23−Hsp70ポリペプチド)の組成物を用いたスイギュウ及び畜牛の免疫は、アジアにおける住血吸虫症の新たな防疫プログラムの基礎として役立ちうる。プラジカンテル(PZQ)による処置に加え、このようなプログラムは、家畜における産卵寄生虫の数を減少させ、日本住血吸虫(S.japonicum)の有病率、強度及び伝染の測定可能な低減をもたらす手段として、SjC23−Hsp70及びSjCTPI−Hsp70のような部分的防御ワクチンによるスイギュウのワクチン接種を含む。
【0139】
本明細書に引用した任意の特許、特許出願、及び刊行物、並びに電子的に閲覧可能な資料(例えば、GenBank及びRefSeqにおけるヌクレオチド配列、例えば、SwissProt、PIR、PRF、PDBにおけるアミノ酸配列提出物、並びにGenBank及びRefSeqにおける註釈付きコード領域からの翻訳物など)の完全な開示内容は、参照として本明細書に組み込むものとする。本願の開示内容と、本明細書に参照として組み込まれるいずれかの文献の開示内容の間に不一致が存在する場合には、本願の開示内容が優先されるものとする。以上の詳細な説明及び実施例は、明瞭な理解のために提供したに過ぎない。そこからの不要な限定が一切ないことは理解すべきである。当業者には明らかな変更形態は、特許請求の範囲によって定められる本発明に含まれるため、本発明は、図示及び記載した厳密な詳細事項に限定されない。見出しは全て読者の便宜のために設けたものであり、そのような記載のない限り、見出しに続く本文の意味を限定するために用いるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A-B】
図15
図16A-D】
図17A-D】
図18A-B】
図19A-B】
図20A-B】
図21A-C】
図22A-22B】
【配列表】
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