(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、
図1を参照して本発明の実施例を説明する。ここで、
図1は本発明の電圧制御装置の第1の実施例を説明する回路ブロック図である。電圧制御装置は、入力ユニット1、第1の発光ユニット2、第1のトランジスタM1、及び制御ユニット3を備える。
【0009】
入力ユニット1は交流電源4に接続され、交流電圧V
ACが入力され、入力電圧Vinを生成する。また、入力ユニット1は整流モジュール11と、力率補正モジュール12を備える。整流モジュール11は交流電源4に接続され、交流電圧V
ACが入力され、交流電圧V
ACを整流して整流電圧Vを生成する。力率補正モジュール12は整流モジュール11に接続され、整流電圧Vが入力され、この整流電圧Vに基づいて調整し入力電圧Vinを生成する。なお、力率補正モジュール12の第2の出力端子は
図1に示すとおり接地しても良い。
【0010】
発光ユニット2は入力ユニット1の力率補正モジュール12に接続され、一端に入力電圧Vinが入力される。また、発光ユニット2は入力電圧Vinに基づいて、他端から出力電圧Vo1を出力する。
【0011】
第1のトランジスタM1(アウトプットモジュール)は、第1の発光ユニット2の他端(第2の端子、即ち出力端子)に接続された第1の端子と、接地された第2の端子と、後述する第1の制御信号S1が入力される制御端子を備える。なお、第2の端子は必ずしも接地する必要はなく、後述するコンデンサCの他端と同電位であれば差し支えない。また、第1のトランジスタM1は、詳しくは後述する第1の制御信号S1に基づいて飽和領域で動作するよう制御される。更に、第1のトランジスタM1は、N型のMOSFETであり、第1の端子、第2の端子、及び第3の端子(制御端子)は、それぞれドレイン、ソース、及びゲートである。
【0012】
制御ユニット3は、比較選択モジュール31、充電スイッチモジュール32、放電スイッチモジュール33、及びコンデンサCを備える。また、充電スイッチモジュール32、放電スイッチモジュール33、及びコンデンサCで充放電モジュールを構成する。
選択比較モジュール31は第1の出力電圧Vo1が入力されるように第1の発光ユニット2の第2の端子に接続されると共に、第1の出力電圧Vo1に関する電圧と第1の基準電圧Vr1に基づいて、ハイレベル又はロウレベルのいずれか1つの電圧である第1の比較信号S2を出力する。この実施例において、選択比較モジュール31は選択回路311、及び第1のコンパレータ312を備える。
【0013】
選択回路311は、第1の発光ユニット2の第2の端子から第1の出力電圧Vo1が入力されるように接続されると共にバイアス電圧Vdが入力され、これらの電圧に基づいて選択電圧Vcを出力する。なお、バイアス電圧Vd>第1の出力電圧Vo1の関係となるようにバイアス電圧Vdは設定される。
【0014】
第1のコンパレータ312は、選択電圧Vcが入力されるように選択回路311に接続された非反転入力端子と、第1基準電圧Vr1が入力される反転入力端子を備え、出力端子から第1の比較信号S2を出力する。
【0015】
続いて、
図2を参照して説明する。ここで、
図2は本発明の電圧制御装置の第1の実施例を説明する選択回路311の回路図である。選択回路311は第2のコンパレータ313、第1のNOTゲート314、及び直列に接続された第1のスイッチ315、第2のスイッチ316を備える。なお、第1のNOTゲート314は後述する第1の選択信号S5を反転できれば、必ずしもNOTゲートである必要はなく、他の論理回路でも差し支えない。
【0016】
第2のコンパレータ313は、第1の出力電圧Vo1が入力されるように、第1の発光ユニット2の第2の端子に接続された非反転入力端子と、バイアス電圧Vdが入力される反転入力端子と、出力端子を備える。また、第2のコンパレータ313は、第1の出力電圧Vo1とバイアス電圧Vdに基づいて、出力端子からハイレベル若しくはロウレベルのいずれか1つの電圧である第1の選択信号S5を出力する。具体的には、第1の出力電圧Vo1がバイアス電圧Vdよりも高い場合には、第1の選択信号S5はハイレベルとなる。
【0017】
第1のNOTゲート314は、第1の選択信号S5が入力されるように第2のコンパレータ313の出力端子に接続された第1の端子と、第2の端子を備える。また、NOTゲートは第1の選択信号S5に基づいて、第2の端子にハイレベル又はロウレベルのいずれか1つの電圧である第1の変更信号S6を出力する。
【0018】
他端同士が直列に接続された第1のスイッチ315と第2のスイッチ316は、第2のコンパレータの非反転入力端子と反転入力端子の間に接続され、第1のスイッチ315と第2のスイッチ316の一端はそれぞれ第2のコンパレータ313の非反転入力端子及び反転入力端子に接続され、第1のスイッチ315、第2のスイッチ316にはそれぞれ第1の変更信号S6、第1の選択信号S5が入力され、導通若しくは非導通となり、且つ選択回路311は第1のスイッチ315、第2のスイッチ316に共通する接続点から選択電圧Vcを出力する。なお、バイアス電圧Vd>第1の出力電圧Vo1の関係となるようにバイアス電圧Vdは設定されるので、実際にはVcはVo1となる。
【0019】
ここで、第1の選択信号S5がハイレベルのとき、第1の変更信号S6は反転するのでロウレベルとなり、第1のスイッチ315には第1の変更信号S6が入力され、非導通となるように制御されると共に、第2のスイッチ316には第1の選択信号S5が入力され、導通するように制御される。また、第1の選択信号S5がロウレベルのとき、第1の変更信号S6はハイレベルとなるので、第1のスイッチ315には第1の変更信号S6が入力され導通するように制御され、第2のスイッチ316には第1の選択信号S5が入力され非導通となるように制御される。
【0020】
図1の充電スイッチモジュール32は、第1の比較信号S2が入力されるように選択比較モジュール31に接続された入力端子、及び出力端子を備える。充電スイッチモジュール32は第1の比較信号S2に基づいて充電電流I1を出力端子から出力する。充電スイッチモジュール32は充電スイッチ321、及び充電電流源322を備える。充電スイッチ321は充電スイッチモジュール32の出力端子に接続された第1の端子、及び第2の端子を備え、充電スイッチ321に第1の比較信号S2が入力されることにより、導通又は非導通となるように制御される。充電電流源322は、充電スイッチ321の第2の端子に接続され、充電電流I1を出力する。
【0021】
放電スイッチモジュール33は、第1の比較信号S2が入力されるように選択比較モジュール31に接続されており、且つ、充電スイッチモジュール32の出力端子に接続されている。放電スイッチモジュール33は第2のNOTゲート331、放電スイッチ332、及び放電電流源333を備える。第2のNOTゲート331は、選択比較モジュール31から第1の比較信号S2が入力される第1の端子と、第2の端子を備える。第2のNOTゲート331は第1の比較信号S2に基づいて、第2の端子から切換信号S3を出力する。放電スイッチ332と放電電流源333は、充電スイッチモジュール32の出力端子とグランドの間に直列に接続される。放電スイッチ332は充電スイッチモジュール32の出力端子に接続され、且つ、放電電流源333は接地され、放電スイッチ332は切換信号S3が入力されて導通又は非導通となるように制御される。
【0022】
コンデンサCは充電スイッチモジュール32の出力端子及び第1のトランジスタM1の制御端子に接続された第1の端子と、接地された第2の端子を備え、コンデンサCの両端の電位差は第1の制御信号S1の電圧に基づくものとなる。
【0023】
以下、
図3を参照し、制御ユニット3の充電スイッチモジュール32と放電スイッチモジュール33の操作時の動作を説明することにより、充電モード及び放電モードについて詳細に説明する。ここで、
図3は本発明の電圧制御装置におけるコンデンサの充電・放電の状態を説明する波形図である。
【0024】
充電モード:
第1のコンパレータ312は、入力された選択電圧Vcが基準電圧Vr1より高い場合には、第1のコンパレータ312が出力する第1の比較信号S2はハイレベルとなり、且つ充電スイッチ321にはハイレベルの第1の比較信号S2が入力されて導通されるように制御される。また、第1の比較信号S2はハイレベルなので、第2のNOTゲート331が出力する切換信号S3はロウレベルとなり、放電スイッチ332にはロウレベルの切換信号S3が入力されて非導通状態となるよう制御される。
【0025】
このとき、充電電流I1は充電スイッチ321を流れてコンデンサCに直接流入するので、コンデンサCは充電電流I1により充電される。このため、第1の制御信号S1の電圧は上昇し、且つ、第1のトランジスタM1は第1の制御信号S1に基づいて飽和領域で動作するように制御され、第1の発光ユニット2の電流I3は所定の値に保たれる。
【0026】
放電モード:
第1のコンパレータ312は、入力された選択電圧Vcが基準電圧Vr1より低い場合には、第1のコンパレータ312が出力する第1の比較信号S2はロウレベルとなり、且つ充電スイッチ321にはロウレベルの第1の比較信号S2が入力されて非導通となるように制御される。また、第1の比較信号S2はロウレベルなので、第2のNOTゲート331が出力する切換信号S3はハイレベルとなり、放電スイッチ332にはハイレベルの切換信号S3が入力されて導通状態となるよう制御される。
【0027】
このとき、コンデンサCに蓄電された電圧は放電電流源333が出力する放電電流I2が流れることにより、放電スイッチモジュール33によって放電される。このため、第1の制御信号S1の電圧は降下し、且つ、第1のトランジスタM1は第1の制御信号S1に基づいて引き続き飽和領域で動作するよう制御され、第1の発光ユニット2の電流I3は所定の値に保たれる。
【0028】
すなわち、本発明の電圧制御装置は充電スイッチモジュール32と放電スイッチモジュール33の組み合わせにより、適宜コンデンサCに充電又は放電を行って、第1のトランジスタM1を飽和領域で動作するよう制御することにより、第1の発光ユニット2を流れる電流I3を所定の値に維持するように制御して、第1の発光ユニット2の電流I3の電流リップルを減少させることができる。
【0029】
また、本発明は充電電流源322と放電電流源333を調整することにより充電電流I1と放電電流I2の電流量を制御し、コンデンサCの充電速度と放電速度を変更することができる。更に、
図3において、第1の出力電圧Vo1と第1の基準電圧Vr1の波形はそれぞれ正弦波と直流電圧であり、充電電流源322と放電電流源333を調整することにより、充電電流I1と放電電流I2の電流比を1:9とさせる。
【0030】
図3に示すように、第1の出力電圧Vo1の電圧値が一点鎖線で示された第1の基準電圧を下回ると、放電モードとなるが、第1の出力電圧Vo1の電圧値が第1の基準電圧が上回ると、再び充電モードに移行する。
【0031】
図3の例では、充電電流I1がコンデンサCに充電して飽和するまでの時間は、コンデンサCが放電電流I2によって放電されるまでの時間の9倍であるが、これには限られず適宜調整することができる。
【0032】
次に、
図4を参照してトランジスタM1の動作を説明する。ここで、
図4は本発明の電圧制御装置における第1のトランジスタの特性曲線図である。また、
図4において縦軸は電流I3を示し、横軸はドレイン−ソース間電圧Vds(Vo1)を示す。なお、Vgsは第1のトランジスタM1の制御端子と第2の端子の電圧差(ゲート−ソース間電圧)であり、ドレイン−ソース間電圧Vdsは第1のトランジスタM1の第1の端子と第2の端子の間の電圧差である。
【0033】
図4では、第1のトランジスタM1における飽和領域と線形領域のしきい電圧は第1の基準電圧Vr1である。このため、本発明は第1のトランジスタM1を飽和領域で継続して動作させることができ、第1のトランジスタM1のゲート−ソース間電圧Vgsの値に拘わらず、いずれも充電スイッチモジュール32又は放電スイッチモジュール33によって、コンデンサCを長時間かけて充電し若しくは短時間で放電すると共に、第1の制御信号S1を制御することにより第1のトランジスタM1のドレイン−ソース間電圧Vdsを第1の基準電圧Vr1以上に保たせることができ、電流I3を所定の値に維持させる。
【0034】
図5を参照して、本発明の電圧制御装置の第2の実施例を説明する。ここで、
図5は、本発明の電圧制御装置の第2の実施例を説明する回路ブロック図である。
図1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。異なる点は、選択回路311aは所定の電流を生成する電流源96、第1のダイオードD1を備えることである。第1のダイオードD1のアノードは、コンパレータ312の非反転入力端子と電流源96に接続され、この電流源96から所定の電流Iが入力される。
【0035】
なお、ここで第1のダイオードD1は理想的なダイオードであるものとし、所定の電流Iが入力されて第1のダイオードD1が導通した時、第1のダイオードD1のアノードは、第1の出力電圧Vo1に等しい選択電圧Vcを出力し、第1のコンパレータ312は選択電圧Vcと第1の基準電圧Vr1に基づいて、その出力端子から第1の比較信号S2を出力する。なお、その他の動作は上述した第1の実施例と同一なので、説明を省略する。
【0036】
続いて、
図6を参照して本発明の電圧制御装置の第3の実施例を説明する。なお、第1の実施例と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。本実施例では、第1の発光ユニット2に加えて、J個(Jは1以上の整数)の第2の発光ユニット7を具える。また、
図6では第2の発光ユニット7が2つなので、J=2の例である。
【0037】
抵抗Rは第1のトランジスタM1の第2の端子とグランドの間に接続されており、抵抗Rの両端の電位差は第2の基準電圧Vr2となる。
【0038】
第2の発光ユニット7の第1の端子は、入力電圧Vinが入力されるように、第1の発光ユニット2の第1の端子に接続されており、第2の発光ユニット7の第2の端子は、アウトプットモジュール10(第2のアウトプットモジュール)に接続される。
【0039】
第2の発光ユニット7は入力電圧Vinに基づいて、第2の端子から第2の出力電圧Vo2を出力する。
【0040】
更に、第2の端子から出力された第2の出力電圧Vo2は、上述したアウトプットモジュール10に加え、選択回路311bにも入力される。なお、後述する
図8に示すように、第2の出力電圧Vo2は、選択比較モジュール31の選択回路61に入力しても良い。
【0041】
第2のアウトプットモジュール10は、第2の基準電圧Vr2が入力されるように、第2の発光ユニット7の第2の端子と第1のトランジスタM1の第2の端子の間に接続され、第2の基準電圧Vr2に基づいて電流I4を出力する。
【0042】
第2のアウトプットモジュール10は第2のトランジスタM2、オペアンプ8、及び帰還抵抗Rfを備える。
【0043】
第2のトランジスタM2は第2の発光ユニット7の第2の端子に接続された第1の端子と、第2の端子と、後述する第2の制御信号S4が入力される制御端子を備え、第2のトランジスタM2は第2の制御信号S4に基づいて飽和領域で動作するよう制御される。
【0044】
オペアンプ8は、第2の基準電圧Vr2が入力されるように第1のトランジスタM1の第2の端子に接続された非反転入力端子と、帰還電圧Vfが入力されるように第2のトランジスタM2の第2の端子に接続された反転入力端子と、第2のトランジスタM2の制御端子に接続された出力端子を備える。また、オペアンプ8は第2の基準電圧Vr2と帰還電圧Vfに基づいて、出力端子から第2の制御信号S4を第2のトランジスタM2の制御端子に出力する。
【0045】
帰還抵抗Rfは第2のトランジスタM2の第2の端子とグランドの間に接続されるので、帰還抵抗Rfの両端の間の電位差は帰還電圧Vfとなる。
【0046】
選択比較モジュール31の選択回路311bは、J個(
図6ではJ=2)の第2の出力電圧Vo2と第1の出力電圧Vo1が入力されるように、J個の第2の発光ユニット7と第1の発光ユニット2に接続されており、且つ第1の出力電圧Vo1とJ個の第2の出力電圧Vo2に基づいて、選択電圧Vcを出力する。
【0047】
図7と
図8を参照して選択回路311bの構成を説明する。ここで、
図7は本発明の電圧制御装置の第3の実施例を説明する選択回路の第1の態様(J=1)の回路図である。また、
図8は、本発明の電圧制御装置の第3の実施例を説明する選択回路の第1の態様(J=2)の回路図である。なお、符号311の選択回路の構成と動作は同一の符号を付した
図2の選択回路311と同様である。
【0048】
また、第2のコンパレータ313、第1のNOTゲート314、第1のスイッチ315、第2のスイッチ316の構成については、同一の符号を付した選択回路311におけるものと同一であるが、これらの素子で構成された選択回路61は、選択回路311と比較して、第2の発光ユニット7の出力電圧Vo2が直接入力される点において異なっている。
【0049】
以下、
図7と
図8を参照して、
図2と異なる点についてのみ説明する。一方の選択回路61の端子(
図8における中央の選択回路)にはバイアス電圧Vdが入力され、このバイアス電圧Vdは、
図8に示すように、選択回路61の構成部品である1番目のコンパレータ313(
図8における中央のコンパレータ313)の反転入力端子に入力される他、1番目の第2のスイッチ316の一端にも入力される。
【0050】
また、この1番目の第2のスイッチ316の他端は、2番目の第2のコンパレータ313(
図8における右側のコンパレータ)の反転入力端子、及び2番目の第2のスイッチ316の一端に接続される。更に、2番目の第2のスイッチ316の出力は、選択回路311を構成する第1のコンパレータ313(
図8における左側のコンパレータ)の反転入力端子に接続される。
【0051】
なお、
図7はJ=1の場合の実施例であるが、
図8の実施例と比較して、選択回路311bの第2のスイッチ316の他端が、選択回路311を構成する第1のコンパレータ313の反転入力端子に直接接続される点を除き同様である。
【0052】
図8の例ではJ=2を例に説明したが、Jが3以上の場合でも基本的には同様であり、2番目の第2のスイッチ316の出力を、J=3に対応する追加された3番目の第2のコンパレータ313の反転入力端子及び第2のスイッチ316の第1の端子に接続し、3番目の第2のスイッチの他端を選択回路311を構成する第2のコンパレータ313の反転入力端子に接続すれば良い。
【0053】
以下、
図8を参照して、J=2を例にとり、動作を説明する。なお、
図6に示すように、帰還抵抗Rf、帰還電圧Vf、及び第2の出力電圧Vo2は同一の符号を付するが、帰還抵抗Rfの抵抗値は同一でも異なっていても差し支えない。
【0054】
選択回路311には、第1の出力電圧Vo1、並びに選択回路61を介して第2の出力電圧Vo2又はバイアス電圧Vdが入力される。ここで、第2の出力電圧Vo2が入力される理由は後述する。また、選択回路311は、第1の出力電圧Vo1及び第2の出力電圧Vo2に基づいて、選択電圧Vcを出力する。
【0055】
以下、具体例を挙げて説明する。第2の発光ユニット7の第2の出力電圧Vo2が最小であり、バイアス電圧Vdより低い時(すなわち、Vo2がVd及びVo1より低い場合であり、上述したようにバイアス電圧Vdは、バイアス電圧Vd>第1の出力電圧Vo1の関係にあるので、Vd>Vo1>Vo2の関係となる。従って、バイアス電圧Vdは常に一番大きな値となり、その結果、バイアス電圧Vdが選択電圧Vcとして出力されることはないので、
図8における中央の選択回路61は必ずしも必要ない。同様の理由により、
図7は実質的には出力電圧Vo1と出力電圧Vo2の2択となるので、選択電圧Vdが入力される第2のコンパレータ313は省略しても良い。)は、選択回路61を構成する1番目の第2のコンパレータ313の出力電圧はロウレベル(S7=0)となるので、第1のNOTゲート314を経た電圧はハイレベル(S8=1)となる。よって、第1のスイッチ315はオンとなり、第2のスイッチ316はオフとなる。
【0056】
そのため、第2の出力電圧Vo2は、第1のスイッチ315を介して、1番目の選択回路61から出力され、2番目の選択回路61の反転入力端子及び第2のスイッチ316に入力される。
【0057】
2番目の選択回路61は、この1番目の選択回路61からの第2の出力電圧Vo2と2番目の第2の発光ユニット7の第2の出力電圧Vo2に基づいて、信号を出力するが、どちらも第2の出力電圧Vo2なので、第2のコンパレータ313は出力端子からVo2を出力する。
【0058】
選択回路311を構成する第2のコンパレータ313は、最小のVo2と最小ではないVo1を比較するので、ハイレベル(S5=1)を出力することとなり、NOTゲートを介して反転(S6=0)された第1のスイッチ315はオフとなる一方で、第2のスイッチ316はオンとなり、Vo2は選択電圧Vcとして出力される。換言すると、選択電圧Vcとしては、バイアス電圧Vd、第1の出力電圧Vo1、第2の出力電圧Vo2の中で最小のものが選ばれることとなる。
【0059】
なお、選択電圧Vcが第1のコンパレータ312に入力されてから、第1の制御信号S1が出力されるまでの動作は、同一の部品で構成された
図1と同様なので説明を省略する。
【0060】
図6において、第1のトランジスタM1は、第1の制御信号S1が入力されて飽和領域で動作するよう制御されたとき、第1の発光ユニット2を流れる電流I3は、所定の値に維持され、且つ第2の基準電圧Vr2は以下の公式1に示すとおりであり、第2の発光ユニット7を流れる電流I4は以下の公式に示すとおりである。
I3=Vr2/r (公式1)
I4=Vf/rf (公式2)
【0061】
ここで、パラメータrは抵抗Rの抵抗値であり、パラメータrfは帰還抵抗Rfの抵抗値である。
【0062】
オペアンプ8の反転入力端子の帰還電圧Vfは、その非反転入力端子の第2の基準電圧Vr2に等しくなるので、抵抗Rと帰還抵抗Rfのそれぞれの対応する抵抗値r、rfを調整することにより、第1の発光ユニット2、及び第2の発光ユニット7を流れる電流I3、I4を調整することができる。
【0063】
なお、
図6の選択回路311bは、その他の回路素子を用いて構成しても差し支えなく、
図9に示す本実施例の第2の態様のとおり、選択回路311cは、電流源96、第1のダイオードD1、及びJ個の第2のダイオードD2で構成しても良い。
【0064】
図9の電流源96は所定の電流Iを出力する。第1のダイオードD1は、アノードに所定の電流Iの一部が入力されるように電流源96と接続され、カソードに第1の出力電圧Vo1が入力されるように、第1の発光ユニット2の第2の端子と接続される。
【0065】
複数の第2のダイオードD2は、アノードに所定の電流Iの一部が入力されるように電流源96と接続され、カソードに第2の出力電圧Vo2が入力されるように、第2の発光ユニット7の第2の端子と接続される。なお、
図9では第2のダイオードD2が2つの場合を例に説明したが、3つ以上でも差し支えない。
【0066】
ここで、選択回路311cの第2の態様の動作について説明を補足する。第1の出力電圧Vo1の電圧値が最小のとき、第1のダイオードD1が先ず導通し、第1のダイオードD1のアノードとカソードの電圧値は第1の出力電圧Vo1と等しくなる(ただし、第1のダイオードは理想的なダイオードとする)。このとき、第2のダイオードD2はいずれも非導通となるので、選択回路311cは、第1のコンパレータ312の非反転入力端子に入力されるように、第1の出力電圧Vo1に等しい選択電圧Vcを出力する。
【0067】
図10を参照して本発明の電圧制御装置の第4の実施例について説明する。上述した実施例と異なる点は、比較モジュール31は選択回路311を備えず、第1のコンパレータ312のみを備える点である。また、第1のコンパレータ312の非反転入力端子は、第1の出力電圧Vo1が入力されるように第1の発光ユニット2の第2の端子に接続されている。また、第1のコンパレータ312は、第1の出力電圧Vo1と第1の基準電圧Vr1に基づいて、出力端子から第1の比較信号S2を出力する。その他の動作は第1の実施例と共通するので説明を省略する。
【0068】
つづいて、
図11を参照して本発明の電圧制御装置の第5の実施例について説明する。
図11の実施例は、機能的には
図6及び
図8の実施例と同様である。異なる点は、
図6及び
図8の実施例では選択回路311bに選択回路61が内蔵されているが、
図11の実施例では、2つの選択回路61を、制御ユニット3とは別に設け、第2の発光ユニット7側に設けたことである。
【0069】
次に、
図11の回路の接続関係を説明する。二つの選択回路61のうち、
図11において、右側の選択回路61にはバイアス電圧Vdと第2の出力電圧Vo2が入力される。ここでは、Vd>Vo1>Vo2の関係なので、右側の選択回路61からは、出力電圧Vo2が出力される。次に、左側の選択回路61には、上述した右側の選択回路61から入力された出力電圧Vo2と、左側の第2の発光ユニット7から入力された第2の出力電圧Vo2が入力されるが、いずれも出力電圧Vo2なので、選択回路311bに対してはVo2を出力する。また、第1の発光ユニット2からは、第1の出力電圧Vo1が選択回路311bに入力される。選択回路311bは、これらの電圧に基づいてVcを出力するが、第2の出力電圧Vo2の方が小さいので、選択電圧Vcは第2の出力電圧Vo2となる。その他の動作は
図6及び
図8の実施例と同様なので説明を省略する。
【0070】
次に、
図12を参照して本発明の第6の実施例を説明する。
図12の実施例は、
図9及び
図6の実施例と基本的に同様の動作をする。異なる点は、
図9及び
図6の実施例では選択回路311cに2つのダイオードD2が内蔵されているが、
図12の実施例では、2つのダイオードD2を、制御ユニット3とは別に設け、第2の発光ユニット7側に設けたことである。
【0071】
図12に示す第6の実施例のとおり、選択回路311cは、電流源96、第1のダイオードD1で構成する。ただし、J個の第2のダイオードD2は制御ユニット3の外に設ける。
【0072】
図12の電流源96は所定の電流Iを出力する。第1のダイオードD1は、アノードに所定の電流Iの一部が入力されるように電流源96と接続され、カソードに第1の出力電圧Vo1が入力されるように、第1の発光ユニット2の第2の端子と接続される。
【0073】
制御回路3の外に設けられた複数の第2のダイオードD2は、アノードに所定の電流Iの一部が入力されるように電流源96と接続され、カソードに第2の出力電圧Vo2が入力されるように、第2の発光ユニット7の第2の端子と接続される。なお、
図12では第2のダイオードD2が2つの場合を例に説明したが、3つ以上でも差し支えない。
【0074】
次に、本実施例における選択回路311cの動作について説明を補足する。第1の出力電圧Vo1の電圧値が最小のとき、第1のダイオードD1が先ず導通し、第1のダイオードD1のアノードとカソードの電圧値は第1の出力電圧Vo1と等しくなる(ただし、第1のダイオードは理想的なダイオードとする)。このとき、第2のダイオードD2はいずれも非導通となるので、選択回路311cは、第1のコンパレータ312の非反転入力端子に入力されるように、第1の出力電圧Vo1に等しい選択電圧Vcを出力する。その他の動作は
図9及び
図6の実施例と同様なので説明を省略する。
【0075】
以上のように、本発明の電圧制御装置は充電スイッチモジュール32と放電スイッチモジュール33が相俟ってコンデンサCに対して充電又は放電を行ない、第1のトランジスタM1の第1の端子と第2の端子の間のドレイン−ソース間電圧Vdsを第1の基準電圧Vr1以上に維持し、第1のトランジスタM1が飽和領域で動作するよう制御し、第1の発光ユニット2を流れる電流I3を所定の値に維持させて、電流I3の電流リップルを減少させることができる。また、抵抗Rと帰還抵抗Rfの抵抗値を調整することにより、電流I3、I4の大きさを制御することができ、電流I3と電流I4の大きさを等しくすることも異ならせることもできる。
【0076】
なお、上述の説明は本発明の実施例に過ぎず、本発明の範囲はこれらの実施例に限られるものではなく、本発明と同様の作用効果を奏する簡単な変更に過ぎないものも本発明の技術的範囲に属するものとする。