(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記組成物が、亜鉛含有の層状材料を含み、前記亜鉛含有の層状材料が、塩基性炭酸亜鉛、炭酸水酸化亜鉛、水亜鉛土、炭酸水酸化亜鉛銅、水亜鉛銅鉱、炭酸水酸化銅亜鉛、亜鉛孔雀石、亜鉛イオン含有フィロケイ酸塩、層状複水酸化物、ヒドロキシ複塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特に記述のない限り、全ての百分率は、組成物全体の重量によるものである。全ての比は、特に記述のない限り、重量比である。全ての範囲は、包含的であり、かつ組み合わせ可能である。有効桁の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。用語「分子量」又は「M.Wt.」は、本明細書で使用するとき、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定されてもよい。「QS」は、100%に対する十分な量を意味する。
【0011】
特に指示がない限り、全ての数量は、「約」という単語によって修飾されるものと理解される。特に指示がない限り、全ての測定は25℃で周囲条件下において行われるものと理解される。ただし「周囲条件」とは、約1気圧の圧力下で約50%の相対湿度における条件を意味する。列挙された成分に関連する重量は全て、有効濃度に基づいており、特に明記しない限り、市販の材料に含まれ得るキャリアを又は副生成物を含まない。
【0012】
本明細書において、「含む」とは、最終結果に影響しない他の工程及び他の成分も加え得ることを意味する。この用語は、用語「〜からなる」及び「本質的に〜からなる」を包含する。本発明の組成物、方法、使用法、キット、及びプロセスは、本明細書で説明される、本発明の要素及び制約、並びに本明細書で説明される、追加成分若しくは任意成分、構成要素、工程、又は制約のいずれをも含み、それらからなり、本質的にそれらからなることができる。
【0013】
本明細書において用いられている用語「実質的に含まない」は、組成物全体の約1重量%未満、又は約0.8重量%未満、又は約0.5重量%未満、又は約0.3重量%未満、又は約0重量%を意味する。
【0014】
本明細書において用いられている用語「毛髪」は、頭皮の毛、顔面の毛、及び身体の毛を含めた、哺乳類の毛を意味し、特に、ヒトの頭部及び頭皮上の毛に関する。
【0015】
「化粧品として許容可能な」とは、本明細書において用いられるとき、説明される組成物、処方、又は成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、及びアレルギー反応性などを伴わず、ヒトのケラチン組織と接触させて使用するために好適であることを意味する。本明細書で説明され、ケラチン組織に直接適用するという用途を有する全ての組成物は、化粧品として許容可能であるものとして制限される。
【0016】
本明細書において用いられるとき、「誘導体」としては、所定の化合物のアミド誘導体、エーテル誘導体、エステル誘導体、アミノ誘導体、カルボキシル誘導体、アセチル誘導体、酸誘導体、塩誘導体及び/又はアルコール誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
本明細書において用いられている「ポリマー」は、2つ以上のモノマーの重合によって形成される化学物質を意味する。本明細書において用いられている「ポリマー」は、モノマーの重合、並びに天然ポリマーによって作製される全ての材料を含む。1つの種類のモノマーのみから作製されるポリマーは、ホモポリマーと呼ばれる。ポリマーは、少なくとも2つのモノマーを含む。2種又は3種以上の異なる種類のモノマーから作製されるポリマーは、コポリマーと呼ばれる。異なるモノマーの分布は、統計的に又はブロックごとに計算することができ、両方の可能性が本発明に好適である。特に記述されている場合を除いて、本明細書で用いられる用語「ポリマー」は、ホモポリマー及びコポリマーを含む、あらゆる種類のポリマーを包む。
【0018】
本明細書において用いられるとき、「キット」は、複数の構成要素を含むパッケージユニットを意味する。キットの例は、例えば、第1の組成物と、切り離して包装された第2の組成物とである。別のキットは、第1の組成物と、エネルギー送達装置とを含み得る。別のキットは、3つの異なる種類の別々にパッケージングされた組成物と、ヘアスタイリング用具と、を含み得る。更なるキットは、方法を含む塗布指示書と、組成物/調合物と、を含み得る。
【0019】
本明細書において用いられている用語「コアセルベート」は、界面活性剤とポリマーとの間に形成される錯体を意味する。この錯体は、無希釈の組成物中で可溶である場合もあれば又は不溶である場合もあり、典型的には、無希釈の組成物中で不溶性錯体を形成し、希釈された時点で溶けにくくなる場合もあり、このようにして、溶液中においてその相分離又は沈殿のレベルの増加が生ずる。
【0020】
本明細書で使用されている用語「電荷密度」は、(ポリマーが構成される)モノマー単位における正の電荷数と前記モノマー単位の分子量の比率を指す。ポリマー分子量に電荷密度を乗じると、所与のポリマー鎖における正に荷電した部位の数が求められる。カチオン性グアーの電荷密度は、当業者に公知である、窒素の割合(%)に関する標準元素分析法を使用して測定される。この窒素の割合(%)の値は、総タンパク質量分析用に修正した後、ポリマーのグラム当たりの正電荷数又は当量の計算に使用し得る。カチオン性コポリマーに関しては、電荷密度は、合成に使用されるモノマーに応じて変化する。ポリマー中のカチオン性モノマーと非イオン性モノマーの比を確認する場合は、当業者に公知の標準NMR法が使用される。この技術は、次いで、ポリマーのグラム当たりの正電荷の数又は当量の計算に使用される。これらの値を求めた後、カチオン性ポリマーのグラム当たりのミリグラム当量(meq)数として電荷密度を記録する。
【0021】
本明細書に用いられている用語「(メタ)アクリルアミド」は、メチルアクリルアミド又はアクリルアミドを意味する。本明細書に用いられている用語「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
【0022】
特定の濃度の、会合性増粘剤と、カチオン性ポリマーを有するポリオールとを配合することによって、シャンプーのレオロジー的プロフィールを改変することで、非抗フケ剤化粧品消費者が、泡立ち、コンディショニング性、及び扱いやすさが改善されたことに気づいたことは、驚くべき発見であった。このことが抗フケシャンプーの化粧品質を高め、それによってシャンプーの特性をはるかに楽しく使用できるものにする。これが、製品用途に準拠した審美的プロフィールのために抗フケシャンプーを通常は使用しない消費者の関心をそそる。これらの改良されたレオロジー特性と、コアセルベートフロックサイズをコントロールすることによって、このような消費者に対して、化粧品として許容可能で、有効な抗フケ製品を実現し得ることが示された。
【0023】
理論によって束縛されるものではないが、本発明は、第一の態様による方法の特徴を有することが見出されており、他の態様及び他の関連構成要素についても同様に、本明細書において以下に詳細に記述する。本明細書に記載されている組成物の全ての構成要素は、本明細書に記載しされている必須構成要素と物理的及び化学的に適合性があるべきであり、又は、過度に製品の安定性、審美性又は性能を損なわないものでなければならない。
【0024】
付着ポリマー
シャンプー組成物は、カチオン性付着ポリマーを更に含み得る。これらのカチオン性付着ポリマーは、(a)カチオン性グアーポリマー、(b)カチオン性非グアーポリマー、(c)カチオン性タピオカポリマー、(d)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー、及び/又は(e)洗浄性界面活性剤と組み合わせた際にリオトロピック液晶を形成し得るかし得ない、合成非架橋カチオン性ポリマー、(f)カチオン性セルロースポリマー、のうちの少なくとも1つを含み得る。更に、カチオン性付着ポリマーは、付着ポリマーの混合物であってよい。
【0025】
(1)カチオン性グアーポリマー
本発明の一実施形態において、シャンプー組成物は、カチオン置換ガラクトマンナン(グアー)ガム誘導体であるカチオン性グアーポリマーを含む。これらのグアーガム誘導体の調製に用いられるグアーガムは典型的に、グアープラントの種から天然に産出される材料として得られる。グアー分子自体は、直線鎖状マンナンであり、代替マンノース単位上の単員ガラクトース単位と共に一定の間隔で分岐する。マンノース単位は、β(1−4)グルコシド結合によって互いに結合されている。ガラクトース分岐は、α(1−6)結合によって生じる。グアーゴムのカチオン性誘導体は、ポリガラクトマンナンのヒドロキシル基と反応性第四アンモニウム化合物との間の反応によって得られる。グアー構造上のカチオン性基の置換の程度は、上述の必要なカチオン電荷密度を提供するのに十分でなくてはならない。
【0026】
一実施形態によれば、カチオン性グアーポリマーは、約250万未満の重量平均分子量を有し、約0.05meq/g〜約2.5meq/gの電荷密度を有する。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは150万g/mol未満、又は約150,000〜約1,500,000g/mol、又は約200,000〜約1,500,000g/mol、又は約300,000〜約1,500,000g/mol、又は約700,000,000〜約1,500,000g/molの重量平均分子量を有する。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは、約0.2meq/g〜約2.2meq/g、又は約0.3meq/g〜約2.0meq/g、又は約0.4meq/g〜約1.8meq/g、又は約0.5meq/g〜約1.7meq/gの電荷密度を有する。
【0027】
一実施形態によれば、カチオン性グアーポリマーは、約100万g/mol未満の重量平均分子量、及び約0.1meq/g〜約2.5meq/gの電荷密度を有する。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは、900,000g/mol未満、又は約150,000〜約800,000g/mol、又は約200,000〜約700,000g/mol、又は約300,000〜約700,000g/mol、又は約400,000〜約600,000g/mol、又は約150,000〜約800,000g/mol、又は約200,000〜約700,000g/mol、又は約300,000〜約700,000g/mol、又は約400,000〜約600,000g/molの重量平均分子量を有する。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは、約0.2meq/g〜約2.2meq/g、又は約0.3meq/g〜約2.0meq/g、又は約0.4meq/g〜約1.8meq/g、又は約0.5meq/g〜約1.5meq/gの電荷密度を有する。
【0028】
一実施形態において、本組成物は、カチオン性グアーポリマー(a)を本組成物全体の約0.01重量%から約0.7重量%未満、又は約0.04重量%〜約0.55重量%、又は約0.08重量%〜約0.5重量%、又は約0.16重量%〜約0.5重量%、又は約0.2重量%〜約0.5重量%、又は約0.3重量%〜約0.5重量%、又は約0.4重量%〜約0.5重量%含む。
【0029】
カチオン性グアーポリマーは、第四アンモニウム化合物から形成され得る。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーを形成するための第四アンモニウム化合物は、次の一般式に一致する。
【0030】
【化1】
式中、R
3、R
4及びR
5はメチル基又はエチル基であり、R
6は次の一般式2のエポキシアルキル基であるか、
【0031】
【化2】
又はR
6は次の一般式3のハロヒドリン基である。
【0032】
【化3】
式中、R
7はC
1〜C
3アルキレンであり、Xは塩素又は臭素であり、ZはCl−、Br−、I−又はHSO
4−のようなアニオンである。
【0033】
一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは次の一般式4に一致する。
【0034】
【化4】
式中、R
8はグアーゴムであり、R
4、R
5、R
6、及びR
7は上記のように定義され、Zはハロゲンである。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは式5に一致する。
【0036】
好適なカチオン性グアーポリマーには、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドのようなカチオン性グアーガム誘導体が含まれる。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドである。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドの具体的な例としては、Rhone−Poulenc Incorporatedから市販されているJaguar(登録商標)シリーズ、例えば、Rhodiaから市販されているJaguar(登録商標)C−500が挙げられる。Jaguar(登録商標)C−500は、0.8meq/gの電荷密度、及び500,000g/moleの分子量を有する。Jaguar(登録商標)C−17は、約0.6meq/gのカチオン電荷密度、及び約220万g/molの分子量を有し、Rhodia Companyから入手可能である。Jaguar(登録商標)C 13Sは、約220万g/molの分子量、及び約0.8meq/gのカチオン電荷密度を有する(Rhodia Companyから入手可能)。その他の好適なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドは。ASIから入手可能な、電荷密度が約1.1meq/gで、分子量が約500,000g/moleのグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、及びASIから入手可能な、電荷密度が約1.5meq/gで、分子量が約500,000g/moleのグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドである。
【0037】
その他の好適なグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドとしては、約0.7meq/gの電荷密度及び約600,000g/moleの分子量を有し、Rhodiaから入手可能なHi−Care 1000;約0.7meq/gの電荷密度及び約425,000g/moleの分子量を有する、ASIから入手可能なN−Hance 3269及びN−Hance 3270;約0.8の電荷密度及び約1,100,000g/moleの分子量を有する、ASIから入手可能なN−Hance 3196、が挙げられる。AquaCat CG518は、約0.9meq/gの電荷密度及び約50,000g/moleの分子量を有し、ASIから入手可能である。約1.1meq/gの電荷密度及び約800,000g/moleの分子量を有するホウ酸塩(ホウ素)を含まないグアーであるBF−13と、約1.7meq/gの電荷密度及び約800,000g/moleの分子量を有するホウ酸塩(ホウ素)を含まないグアーであるBF−17は、いずれもASIから入手可能である。
【0038】
(2)カチオン性無グアーガラクトマンナンポリマー
本発明のシャンプー組成物は、モノマー対モノマー基準でマンノース対ガラクトース比が2:1超であるガラクトマンナンポリマー誘導体を含み、このガラクトマンナンポリマー誘導体は、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体、及び正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体からなる群から選択される。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性ガラクトマンナン」は、カチオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。用語「両性ガラクトマンナン」は、カチオン性基及びアニオン性基が付加されてポリマーが正味の正電荷を有するようになったガラクトマンナンポリマーを指す。
【0039】
ガラクトマンナンポリマーは、マメ科の種子の胚乳内に存在する。ガラクトマンナンポリマーは、マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの組み合わせから構成される。ガラクトマンナン分子は、特定のマンノース単位上の単員ガラクトース単位と共に一定の間隔で分枝した直鎖マンナンである。マンノース単位は、β(1−4)グルコシド結合によって互いに結合されている。ガラクトース分岐は、α(1−6)結合によって生じる。マンノースモノマー対ガラクトースモノマーの比は、植物の種によって変化し、気候によっても影響を受ける。本発明の無グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、モノマー対モノマー基準で2:1以上のマンノース対ガラクトース比率を有する。好適なマンノース対ガラクトース比は、約3:1超であり得、マンノース対ガラクトース比は、約4:1超であり得る。マンノース対ガラクトース比の分析は、当技術分野において公知であり、典型的には、ガラクトース含有量の測定に基づく。
【0040】
無グアーガラクトマンナンポリマー誘導体の作製に使用するガムは、典型的には植物の種又は豆などの、天然に生じる材料として得られる。様々な無グアーガラクトマンナンポリマーの例としては、タラガム(マンノース3部/ガラクトース1部)、イナゴマメ(Locust bean若しくはCarob)(マンノース4部/ガラクトース1部)、及びカッシアガム(マンノース5部/ガラクトース1部)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
本発明の一実施形態において、無グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1,000〜約10,000,000、及び/又は約5,000〜約3,000,000の分子量を有する。
【0042】
本発明のシャンプー組成物は、約0.5meq/g〜約7meq/gのカチオン性電荷密度を有するガラクトマンナンポリマー誘導体を含む。本発明の一実施形態において、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1meq/g〜約5meq/gのカチオン性電荷密度を有する。ガラクトマンナン構造上へのカチオン性基の置換の程度は、必要なカチオン電荷密度を提供するのに十分でなくてはならない。
【0043】
本発明の一実施形態において、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、ポリガラクトマンナンポリマーのヒドロキシル基と反応性第四アンモニウム化合物と間の反応によって得られる無グアーガラクトマンナンポリマーのカチオン性誘導体である。カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体の形成に使用する好適な第四アンモニウム化合物としては、上記で定義された一般式1〜5に一致するものが挙げられる。
【0044】
上述の試薬から形成されるカチオン性無グアーガラクトマンナンポリマーは一般式6で表される。
【0045】
【化6】
式中、Rはガムである。カチオン性ガラクトマンナン誘導体は、ガムヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドであり得、具体的には、一般式7で示すことができる。
【0047】
本発明の別の実施形態において、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体であり、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体がアニオン性基を更に含む場合に得られる。
【0048】
本発明の一実施形態において、カチオン性無グアーガラクトマンナンは、約4:1より大きいマンノース対ガラクトース比、約100,000〜約500,000、及び/又は約150,000〜約400,000の分子量、並びに約1meq/g〜約5meq/g、及び/又は2meq/g〜約4meq/gのカチオン電荷密度を有し、カッシアから得られる。
【0049】
本発明のシャンプー組成物は、組成物の少なくとも約0.05重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含む。本発明の一実施形態において、シャンプー組成物は、組成物の約0.05重量%〜約2重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含む。
【0050】
(3)カチオン変性デンプンポリマー
本発明のシャンプー組成物は、水溶性カチオン変性デンプンポリマーを含む。本明細書で使用するとき、用語「カチオン変性デンプン」とは、デンプンが小さい分子量に分解される前にカチオン性基が付加されたデンプン、あるいはカチオン性基がデンプンの変性後に付加されて所望の分子量に到達したデンプンを指す。用語「カチオン変性デンプン」の定義は、両性変性デンプンも含む。用語「両性変性デンプン」は、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたデンプン加水分解物を指す。
【0051】
本発明のシャンプー組成物は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、及び/又は約0.05重量%〜約5重量%の範囲のカチオン変性デンプンポリマーを含む。
【0052】
本発明で開示されるカチオン変性デンプンポリマーは、結合窒素の百分率が約0.5%〜約4%である。
【0053】
本発明のシャンプー組成物において用いるカチオン変性デンプンポリマーは、約850,000〜約1,500,000及び/又は約900,000〜約5,000,000の分子量を有する。本明細書で使用するとき、用語「分子量」は、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、Waters 600E HPLCポンプ、及びPolymer Laboratories PL Gel MIXED−A GPCカラム(パーツ番号1110〜6200、600×7.5mm、20μm)を備えたWaters 717オートサンプラーを、摂氏55度のカラム温度、1.0mL/分の流量(0.1%の臭化リチウムを有するジメチルスルホキシドからなる移動相)で使用するゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)によって、並びに直列に配置された(0.066のdn/dcを用いて)Wyatt DAWN EOS MALLS(マルチアングルレーザ光散乱検出器)及びWyatt Optilab DSP(干渉屈折計)検出器を使用し、いずれも検出器温度50℃として、Polymer Laboratories narrow dispersed Polysaccharide standard(Mw=47,300)を使って作成された方法で、200μlの注入量で測定することができる。
【0054】
本発明のシャンプー組成物は、約0.2meq/g〜約5meq/g、及び/又は約0.2meq/g〜約2meq/gの電荷密度を有するカチオン変性デンプンポリマーを含む。このような電荷密度を得るための化学修飾としては、アミノ基及び/又はアンモニウム基のデンプン分子への付加が挙げられるが、これらに限定されない。これらのアンモニウム基の非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、及びジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライドなどの置換基を挙げることができる。Solarek D.B.,Cationic Starches in Modified Starches:Properties and Uses,Wurzburg,O.B.Ed.,CRC Press,Inc.,Boca Raton,Fla.1986,pp 113〜125を参照のこと。カチオン性基は、より小さな分子量に分解される前にデンプンに付加されてもよく、又は、カチオン性基は、このような変性の後に付加されてもよい。
【0055】
本発明のカチオン変性デンプンポリマーは、概して、約0.2〜約2.5のカチオン性基の置換度を有する。本明細書で用いられるとき、カチオン変性デンプンポリマーの「置換度」は、置換基によって誘導体化された各無水グルコース単位のヒドロキシル基数の平均値である。各無水グルコース単位は、置換に利用できる3つの可能なヒドロキシル基を有し、可能な最大置換度は3である。置換度は、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数として、モル平均ベースで表わされる。置換度は、当該技術分野において周知のプロトン核磁気共鳴分光法(「.sup.1H NMR」)法を使用して求めることができる。好適な.sup.1H NMR法としては、「Observation on NMR Spectra of Starches in Dimethyl Sulfoxide,Iodine−Complexing,and Solvatingin Water−Dimethyl Sulfoxide」,Qin−Ji Peng and Arthur S.Perlin,Carbohydrate Research,160(1987),57〜72;及び「An Approach to the Structural Analysis of Oligosaccharides by NMR Spectroscopy」,J.Howard Bradbury and J.Grant Collins,Carbohydrate Research,71,(1979),15〜25に記載されているものが挙げられる。
【0056】
化学修飾前のデンプン源は、塊茎、マメ科植物、穀草及び穀物などの様々な供給源から選択することができる。この供給源デンプンの非限定例には、コーンスターチ、小麦スターチ、ライススターチ、ワクシーコーンスターチ、オート麦スターチ、ワクシー大麦、ワクシーライススターチ、グルテン状ライススターチ、スイートライススターチ、アミオカ、ポテトスターチ、タピオカスターチ、オート麦スターチ、サゴスターチ、スイートライス、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0057】
本発明の一実施形態では、カチオン変性デンプンポリマーは、粉化させたカチオン性トウモロコシデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性ポテトデンプン、及びこれらの混合物から選択される。別の実施形態では、カチオン変性デンプンポリマーは、カチオン性コーンスターチ及びカチオン性タピオカである。
【0058】
デンプンは、より小さな分子量へと分解する前か又は変性させた後に、1つ又は2つ以上の追加の変性を含み得る。例えば、これらの変性は、架橋、安定化反応、リン酸化反応、及び加水分解を含み得る。安定化反応は、アルキル化及びエステル化を含み得る。
【0059】
本発明のカチオン変性デンプンポリマーは、加水分解デンプンの形態(例えば、酸、酵素、又はアルカリ分解)、酸化デンプンの形態(例えば、過酸化物、過酸、次亜塩素酸塩、アルカリ、又はその他いずれかの酸化剤)、物理的/機械的に分解させたデンプンの形態(例えば、加工装置のサーモメカニカルエネルギー投入によるもの)、又はこれらの組み合わせによって組成物に添加することができる。
【0060】
最適なデンプンの形態は、水に溶けやすく、実質的に透明な水溶液(600nmで80以上の透過率(%))を形成するものである。組成物の透過率は、紫外可視(UV/VIS)吸光度測定法によって測定される。この測定法は、関連する指示事項に従って、Gretag Macbeth Colorimeter Color i 5を用いて、サンプルのUV/VIS光の吸収率又は透過率を決定する。600ナノメートルの光波長が、化粧品組成物の清澄度を特徴づけるのに適していることが示されている。
【0061】
本発明の組成物での使用に好適なカチオン変性デンプンは、公知のデンプン供給者から入手可能である。同様に、本発明での使用に適しているのは、当該技術分野において既知のカチオン変性デンプンに更に誘導体化することができる非イオン性変性デンプンである。他の好適な変性デンプンの出発物質は、本発明での使用に好適なカチオン変性デンプンポリマーを製造するために、当該技術分野において既知の方法で四級化してもよい。
【0062】
デンプン分解手順:本発明の一実施形態において、デンプンスラリーは、水中で粒状のデンプンを混合することによって調製される。温度を約35℃まで上昇させ、次に、デンプンに対して約50ppmの濃度で、過マンガン酸カリウム水溶液を添加する。水酸化ナトリウムにて、pHを約11.5まで上昇させ、スラリーを十分に攪拌してデンプンが沈殿しないようにする。次に、水で希釈した約30%過酸化水素溶液を、デンプンに対して約1%の過酸化物濃度まで添加する。次に、追加の水酸化ナトリウムを添加することによって、約11.5のpHを回復する。上記反応は、約1〜約20時間かけて完了する。次に、混合物は、希塩酸で中和される。分解されたデンプンは、ろ過によって回収し、続いて洗浄し、乾燥する。
【0063】
(4)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー
本発明の一実施形態によれば、シャンプー組成物は、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマーを含み、このコポリマーは約1.0meq/g〜約3.0meq/gの電荷密度を有する。一実施形態において、カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとの合成カチオン性コポリマーである。
【0064】
一実施形態において、カチオン性コポリマーは以下のものを含む。
(i)次式AMのアクリルアミドモノマー。
【0065】
【化8】
式中、R
9はH又はC
1~4アルキルであり、R
10及びR
11は、H、C
1~4アルキル、CH
2OCH
2、CH
2OCH
2CH(CH
3)
2、及びフェニルからなる群から独立して選択されるか、組み合わせて、C
3~6シクロアルキルである。
(ii)次式CMのカチオン性モノマー。
【0066】
【化9】
式中、k=1であり、各v、v’及びv”は独立して1〜6の整数であり、wは0であるか1〜10の整数であり、X
-はアニオンである。
【0067】
一実施形態において、カチオン性モノマーは式CMに一致し、式中、k=1、v=3、w=0、z=1であり、X
-はCl
-であって、次の構造を形成する。
【0069】
上の構造は、ジクワット(diquat)と称されてもよい。別の実施形態において、カチオン性モノマーは式CMに一致し、式中、v及びv”はそれぞれ3であり、v’=1、w=1、y=1であり、X
-はCl
-であって、次のようになる。
【0071】
上記構造体は、トリクワット(triquat)と称されてもよい。
【0072】
一実施形態において、アクリルアミドモノマーは、アクリルアミド又はメタクリルアミドである。
【0073】
一実施形態において、カチオン性コポリマー(b)はAM:TRIQUAT、即ち、アクリルアミドと1,3−プロパンジアミニウム,N−[2−[[[ジメチル[3−[(2−メチル−1オキソ2−プロペニル)アミノ]プロピル]アンモニオ]アセチル]アミノ]エチル]2−ヒドロキシ−N,N,N’,N’,N’−ペンタメチル−,トリクロライドとのコポリマーである。AM:TRIQUATは、ポリクオタニウム76(PQ76)としても知られている。AM:TRIQUATは、1.6meq/gの電荷密度を有し、1,100,000g/molの分子量を有し得る。
【0074】
代替実施形態において、カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとの合成カチオン性コポリマーであり、そのカチオン性モノマーは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン;塩化トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチル硫酸塩、塩化ベンジルジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート、塩化4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレート、塩化トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミド、塩化トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド、塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0075】
一実施形態において、カチオン性コポリマーは、カチオン性モノマー類であり、そのカチオン性モノマーは、塩化トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチル硫酸塩、塩化ベンジルジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート、塩化4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレート、塩化トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミド、塩化トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド、塩化ビニルベンジルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性モノマーを含む。
【0076】
一実施形態において、カチオン性コポリマーは水溶性である。一実施形態において、カチオン性コポリマーは、(1)(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマー、及び/又は加水分解に安定なカチオン性モノマーのコポリマーと、(2)(メタ)アクリルアミド、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマー、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするモノマー、並びに/又は加水分解に安定なカチオン性モノマーのターポリマーと、から形成される。カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーは、四級化N原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルであってもよい。一実施形態において、四級化N原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキル基及びアルキレン基内のC1〜C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートである。一実施形態において、四級化N原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、塩化メチルで四級化されたジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのアンモニウム塩からなる群から選択される。一実施形態において、四級化N原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキルハライド、又は塩化メチル、又は塩化ベンジル、又はジメチル硫酸塩(ADAME−Quat)で四級化されたジメチルアミノエチルアクリレートである。一実施形態において、カチオン性モノマーは、(メタ)アクリルアミドを主成分とする場合、アルキル基及びアルキレン基内のC1〜C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドであるか、又はアルキルハライド、若しくは塩化メチル、若しくは塩化ベンジル、若しくはジメチル硫酸塩で四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドである。
【0077】
一実施形態において、(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキル基及びアルキレン基内のC1〜C3で四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドである。一実施形態において、(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキルハライド、特に塩化メチル、又は塩化ベンジル、又はジメチル硫酸塩で四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドである。
【0078】
一実施形態において、カチオン性モノマーは、加水分解に安定なカチオン性モノマーである。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドに加えて、加水分解に安定なカチオン性モノマーは、OECD加水分解試験に安定であると見なしてよい全モノマーであり得る。一実施形態において、カチオン性モノマーは加水分解に安定であり、加水分解に安定なカチオン性モノマーは、塩化ジアリルジメチルアンモニウム、及び水溶性カチオン性スチレン誘導体からなる群から選択される。
【0079】
一実施形態において、カチオン性コポリマーは、アクリルアミド、塩化メチルで四級化された2−ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(ADAME−Q)、及び塩化メチルで四級化された3−ジメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド(DIMAPA−Q)のターポリマーである。一実施形態において、カチオン性コポリマーは、アクリルアミド及びアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物から形成される。このアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物は、約1.0meq/g〜約3.0meq/gの電荷密度を有する。
【0080】
一実施形態において、カチオン性コポリマーは、約1.1meq/g〜約2.5meq/g、又は約1.1meq/g〜約2.3meq/g、又は約1.2meq/g〜約2.2meq/g、又は約1.2meq/g〜約2.1meq/g、又は約1.3meq/g〜約2.0meq/g、又は約1.3meq/g〜約1.9meq/gの電荷密度を有する。
【0081】
一実施形態において、カチオン性コポリマーは約100,000g/mol〜約200万g/mol、又は約300,000g/mol〜約1,800万g/mol、又は約500,000g/mol〜約1,600万g/mol、又は約700,000g/mol〜約1,400万g/mol、又は約900,000g/mol〜約1,200万g/molの分子量を有する。
【0082】
一実施形態において、カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニオプロピルメタクリルアミド塩化物(trimethylammoniopropylmethacrylamide chloride)とN−アクリルアミド(N-Acrylamide)とのコポリマーであり、AM:MAPTACとしても公知である。AM:MAPTACは、約1.3meq/gの電荷密度及び約110万g/molの分子量を有し得る。一実施形態において、カチオン性コポリマーはAM:ATPACである。AM:ATPACは、約1.8meq/gの電荷密度及び約110万g/molの分子量を有し得る。
【0083】
(5)カチオン性合成ポリマー
本発明の一実施形態によると、シャンプー組成物は、
i)1つ又は2つ以上のカチオン性モノマー単位、及び所望により
ii)負電荷を有する1つ又は2つ以上のモノマー単位、及び/又は
iii)非イオン性モノマー、から形成され得るカチオン性合成ポリマーを含む。
ここで、それに続くコポリマーの電荷は正である。3種類のモノマーの比を「m」、「p」及び「q」で表し、「m」はカチオン性モノマーの数であり、「p」は負電荷を担持しているモノマーの数であり、「q」は非イオン性モノマーの数である。
【0084】
一実施形態において、カチオン性ポリマーは、次の構造を有する、水溶性又は分散性で、非架橋型の合成カチオン性ポリマーである。
【0085】
【化12】
ここで、Aは、次のカチオン部の1つ以上であり得、
【0086】
【化13】
式中、@=アミド、アルキルアミド、エステル、エーテル、アルキル又はアルキルアリールであり、
Y=C1〜C22のアルキル、アルコキシ、アルキリデン、アルキル又はアリールオキシであり、
Ψ=C1〜C22のアルキル、アルキルオキシ、アルキルアリール又はアルキルアリールオキシであり、
Z=C1〜C22のアルキル、アルキルオキシ、アリール又はアリールオキシであり、 R1=H、C1〜C4の直鎖又は分枝状のアルキルであり、
s=0又は1、n=0又は1であり、
T及びR7=C1〜C22のアルキルであり、
X−は、ハロゲン、水酸化物、アルコキシド、サルフェート又はアルキルサルフェートである。
【0087】
ここで、負電荷を有するモノマーは、R2’=H、C1〜C4の直鎖又は分枝状アルキル、及び次のようなR3によって定義される。
【0088】
【化14】
式中、Dは、O、N、又はSであり、
Q=NH
2又はOであり、
u=1〜6であり、
t=0〜1であり、
J=次の元素P、S、Cを含有する酸化官能基である。
【0089】
ここで、非イオン性モノマーは、R2’’=H、C1〜C4の直鎖又は分枝状のアルキル、R6=直鎖又は分枝状のアルキル、アルキルアリール、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルアリールオキシによって定義され、かつβは、次のように定義される。
【0090】
【化15】
ここで、G’及びG’’は、互い独立して、O、S又はN−Hであり、L=0又は1である。
【0091】
カチオン性モノマーの例としては、アミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド;少なくとも1つの二級、三級又は四級アミン官能基、又は窒素原子を含有する複素環基を含むモノマー、ビニルアミン又はエチレンイミン;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;それらの混合物、それらの塩類、及びそれらから誘導されるマクロモノマーが挙げられる。
【0092】
カチオン性モノマーの更なる例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ−tert−イソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロライド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロライド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロライド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
【0093】
好適なカチオン性モノマーとしては、式−NR
3+(式中、同一であるか又は異なるRは、水素原子、1〜10個の炭素原子を含むアルキル基、又はベンジル基を表し、任意でヒドロキシル基有する)の四級アンモニウム基を含み、及びアニオン(対イオン)を含むものが挙げられる。アニオンの例は、塩化物、臭化物などのハロゲン化物、サルフェート、ヒドロサルフェート、アルキルサルフェート(例えば、1〜6個の炭素原子を含む)、ホスフェート、シトレート、ホルメート、及びアセテートである。
【0094】
好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロライド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロライド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロライド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
【0095】
より好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロライドが挙げられる。
【0096】
負電荷を有するモノマーの例としては、ホスフェート又はホスホネート基を含むαエチレン性不飽和モノマー、αエチレン性不飽和モノカルボン酸、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、スルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物、及びスルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物塩が挙げられる。
【0097】
負電荷を有する好適なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸塩、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸塩、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α−アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸塩、2−スルホエチルメタクリレート、2−スルホエチルメタクリレートの塩、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の塩、及びスチレンスルホネート(SS)が挙げられる。
【0098】
非イオン性モノマーの例としては、酢酸ビニル、αエチレン性不飽和カルボン酸のアミド、αエチレン性不飽和モノカルボン酸と水素添加又はフッ素化アルコールとのエステル、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート(すなわち、ポリエトキシレート化(メタ)アクリル酸)、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、ビニルニトリル、ビニルアミンアミド、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、及びビニル芳香族化合物が挙げられる。
【0099】
好適な非イオン性モノマーとしては、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられる。
【0100】
ポリマーが、水、シャンプー組成物、又はシャンプー組成物のコアセルベート相中にて可溶性又は分散性を維持する限り、並びに、対イオンが、シャンプー組成物の必須構成要素と物理的及び化学的に適合性があり、又は、製品の性能、安定性、又は審美性を過度に損なわない限り、合成カチオン性ポリマーと関連するアニオン性対イオン(X−)は、任意の既知の対イオンであってもよい。このような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0101】
一実施形態において、本明細書に記載されるカチオン性ポリマーは、損傷した毛髪、特に化学処理された毛髪に、代わりの疎水性F層を提供する上で役に立つ。微視的に薄いF層は天然の耐候性を提供しつつ、水分の封じ込めを助け、更なるダメージを防ぐ。化学的な処理により、毛髪のキューティクルはダメージを受け、防御作用を持つF層は毛髪から剥がれ落ちてしまう。F層が剥がれ落ちるにつれ、毛髪は親水性が増すようになる。化学的に処理された毛髪にリオトロピック液晶を適用すると、毛髪の疎水性が増し、外観も触感もより生髪に近いものになることが判明している。理論に制限されるものではないが、リオトロピック液晶錯体は、天然のF層が毛髪を保護するように、毛髪繊維をコーティングし、毛髪を保護する、疎水層又は疎水フィルムを形成するものと考えられる。疎水層は、毛髪を、一般的には生髪のようなより健康的な状態に戻す。リオトロピック液晶は、本明細書に記載の合成カチオン性ポリマーをシャンプー組成物の前述のアニオン性洗浄性界面活性剤成分と併せることにより形成される。合成カチオン性ポリマーの電荷密度は比較的高い。カチオン性電荷密度が比較的高い一部の合成ポリマーは、主に異常な線形の電荷密度に起因してリオトロピック液晶を形成しないことに留意されたい。そのような合成カチオン性ポリマーは、国際特許公開第WO 94/06403号(Reichら)に記載されている。本明細書に記述されている合成ポリマーは、損傷した毛髪に対して改善されたコンディショニング性能を提供する安定したシャンプー組成物中に配合され得る。
【0102】
リオトロピック液晶を形成し得るカチオン性合成ポリマーは、約2meq/gm〜約7meq/gm、及び/又は約3meq/gm〜約7meq/gm、及び/又は約4meq/gm〜約7meq/gmのカチオン性電荷密度を有する。いくつかの実施形態では、カチオン性電荷密度は約6.2meq/gmである。また、上記ポリマーは、約1,000〜約5,000,000、及び/又は約10,000〜約2,000,000、及び/は約100,000〜約2,000,000の分子量を有する。
【0103】
本発明の別の実施形態において、有益剤の増強されたコンディショニング性能と付着性能を提供するが必ずしもリオトロピック液晶を形成しないカチオン性合成ポリマーは、約0.7meq/gm〜約7meq/gm、及び/又は約0.8meq/gm〜約5meq/gm、及び/又は約1.0meq/gm〜約3meq/gmのカチオン性電荷密度を有する。また、上記ポリマーは、約1,000〜約5,000,000、及び/又は約10,000〜約2,000,000、及び/又は約100,000〜約2,000,000の分子量を有する。
【0104】
カチオン性ポリマーの濃度は、シャンプー組成物の約0.025重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約3重量%、及び/又は約0.2重量%〜約1重量%の範囲である。
【0105】
(6)カチオン性セルロースポリマー
好適なカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、当業界(CTFA)でポリクオタニウム10と呼ばれ、これらのポリマーLR、JR及びKGシリーズのポリマーでDwo/Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)から入手可能である。カチオン性セルロースのその他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれている、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー第四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corp.から商品名Polymer LM−200で入手可能である。カチオン性セルロースのその他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム67と呼ばれている、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド及びトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー第四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corp.から商品名SoftCAT Polymer SL−5、SoftCAT Polymer SL−30、Polymer SL−60、Polymer SL−100、Polymer SK−L、Polymer SK−M、Polymer SK−MH、及びPolymer SK−Hで入手可能である。
【0106】
一実施形態において、シャンプー組成物は、複数のカチオン性コンディショニングポリマーを含む。一実施形態によると、2つのカチオン性コンディショニングポリマーが存在し、第1のカチオン性コンディショニングポリマーの第2のカチオン性コンディショニングポリマーに対する重量比は、約1,000:1〜約2:1である。一実施形態において、第1のカチオン性コンディショニングポリマーの第2のカチオン性コンディショニングポリマーに対する重量比は、約1,000:1〜約4:1である。一実施形態において、第1のカチオン性コンディショニングポリマーの第2のカチオン性コンディショニングポリマーに対する重量比は、約800:1〜約4:1、又は約500:1〜約4:1、又は約100:1〜約5:1、又は約100:1〜約6:1、又は約50:1〜約6.5:1、又は約50:1〜約7:1、又は約50:1〜約8.3:1、又は約50:1〜約16.7:1である。
【0107】
本組成物のpHは、約pH 3〜約pH 9、又は約pH 4〜約pH 7であってもよい。
【0108】
本組成物は抗フケ活性物質を含み、その抗フケ活性物質は抗フケ活性物質の微粒子であり得る。一実施形態において、抗フケ活性物質は、ピリジンチオン塩;炭酸亜鉛;ケトコナゾール、エコナゾール及びエルビオールなどのアゾール;硫化セレン;粒状硫黄;サリチル酸などの角質溶解剤;及びこれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態において、抗フケ粒子はピリジンチオン塩である。このような抗フケ粒子は、組成物の成分と物理的及び化学的に適合すべきであり、さもなければ、製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なうべきではない。
【0109】
ピリジンチオン微粒子は、本発明の組成物において用いられる好適な微粒子の抗フケ活性物質である。一実施形態において、抗フケ活性物質は、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩であり、粒子形態である。一実施形態において、ピリジンチオン抗フケ微粒子の濃度は、本組成物の約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.1重量%〜約3重量%、又は約0.1重量%〜約2重量%の範囲である。一実施形態において、ピリジンチオン塩は、亜鉛、錫、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム及びジルコニウム、一般的な亜鉛、典型的には1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「亜鉛ピリジンチオン」又は「ZPT」として知られている)、一般的には血小板粒子形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩などの重金属から形成されるものである。一実施形態において、血小板粒子形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩は、最大約20ミクロン、又は最大約5ミクロン、又は最大約2.5ミクロンの平均粒径を有する。ナトリウムなどの、他のカチオンから形成される塩も好適であり得る。ピリジンチオン塩抗フケ活性物質は、例えば、以下の米国特許に記載されている。米国特許第2,809,971号、米国特許第3,236,733号、米国特許第3,753,196号、米国特許第3,761,418号、米国特許第4,345,080号、米国特許第4,323,683号、米国特許第4,379,753号、及び米国特許第4,470,982号。
【0110】
一実施形態において、組成物は、ピリチオンの多価金属塩から選択される抗フケ活性物質に加えて、1つ又は2つ以上の抗真菌及び/又は抗細菌活性物質を更に含む。一実施形態において、抗細菌活性物質は、コールタール、硫黄、炭、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジ油、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィン等)、茶木油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、ケイ皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、Sensiva SC−50、Elestab HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ(lyticase)、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノン等のイソチアザリノン、及びアゾール、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態において、抗細菌剤は、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、コールタール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0111】
一実施形態において、アゾール抗菌剤は、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるイミダゾールであるか、又はアゾール抗菌剤は、テルコナゾール、イトラコナゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるトリアゾールである。アゾール抗細菌活性物質は、本組成物中に存在するとき、本組成物全体の約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.1重量%〜約3重量%、又は約0.3重量%〜約2重量%の量で含まれる。一実施形態において、アゾール抗細菌活性物質は、ケトコナゾールである。一実施形態において、唯一の抗細菌活性物質は、ケトコナゾールである。
【0112】
本発明はまた、抗細菌活性物質の組み合わせを含んでいてもよい。一実施形態において、抗細菌活性物質の組み合わせは、オクトピロックスとジンクピリチオン、パインタールと硫黄、サリチル酸とジンクピリチオン、サリチル酸とエルビオール、ジンクピリチオンとエルビオール、ジンクピリチオンとクリムバゾール、オクトピロックスとクリムバゾール、サリチル酸とオクトピロックス、及びこれらの混合物からなる組み合わせの群から選択される。
【0113】
一実施形態において、本組成物は、有効な量の亜鉛含有層状材料を含む。一実施形態において、本組成物は、本組成物全体の約0.001重量%〜約10重量%、又は約0.01重量%〜約7重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%の亜鉛含有層状材料を含む。
【0114】
亜鉛含有層状材料は、結晶の成長が主として二次元で生じたものであってもよい。層構造は、全ての原子が、明確な層に組み込まれているものだけではなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる、層間にイオン又は分子があるものとすることが慣例的である(A.F.Wellsの「Structural Inorganic Chemistry」Clarendon Press,1975)。亜鉛含有層状材料(ZLM)は、層に組み込まれた亜鉛を有してもよく、及び/又はギャラリーイオンの成分であってもよい。以下のZLMのクラスは、一般的分野における比較的一般的な例を代表するものであり、この定義に適合する、より広範囲の物質に関して限定的であることを意図するものではない。
【0115】
多くのZLMが鉱物として天然に存在する。一実施形態において、ZLMは、水亜鉛土(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化亜鉛銅)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化銅亜鉛)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。亜鉛を含有する関連鉱物が組成物中に含まれてもよい。粘土性鉱物(例えば、フィロシリケート)のようなアニオン性層の化学種が、イオン交換された亜鉛ギャラリーイオンを含有する、天然のZLMも存在することができる。これらの天然物質はいずれも、合成によって得るか、又は組成物中でその場で、若しくは製造プロセスの間に形成させることができる。
【0116】
必ずしもではないが多くの場合、合成であるZLMの別の一般的なクラスは、層状複水酸化物である。一実施形態において、ZLMは、式[M
2+1-xM
3+x(OH)
2]
x+A
m-x/m・nH
2Oに適合する層状の複水酸化物であり、式中、二価イオン(M
2+)のいくつか又は全ては、亜鉛イオンである(Crepaldi,EL,Pava,PC,Tronto,J,Valim,JB J.Colloid Interfac.Sci.2002,248,429〜42)。
【0117】
ヒドロキシ複塩と呼ばれる、更に別のクラスのZLMを調製することもできる(Morioka,H.,Tagaya,H.,Karasu,M,Kadokawa,J,Chiba,K Inorg.Chem.1999,38,4211〜6)。一実施形態において、ZLMは、式[M
2+1-xM
2+1+x(OH)
3(1-y)]
+A
n-(1=3y)/n・nH
2Oに一致するヒドロキシ複塩であり、2つの金属イオン(M
2+)は同一であってもよいし又は異なっていてもよい。それらが同一であって、かつ亜鉛で表される場合、式は、[Zn
1+x(OH)
2]
2x+ 2x A
-・nH
2Oに簡素化される。この後者の式は、水酸化塩化亜鉛及び水酸化硝酸亜鉛のような物質を表す(式中、x=0.4)。一実施形態において、ZLMは、ヒドロキシ塩化亜鉛及び/又はヒドロキシ硝酸亜鉛である。これらはまた、二価のアニオンで一価のアニオンを置き換える、水亜鉛土にも関連する。これらの物質はまた、組成物中にその場で、又は製造プロセスにおいて形成させることもできる。
【0118】
一実施形態において、本組成物は塩基性炭酸亜鉛を含む。塩基性炭酸亜鉛の市販供給元として、塩基性炭酸亜鉛(Cater Chemicals:Bensenville,IL,U.S.A.)、炭酸亜鉛(Shepherd Chemicals:Norwood,OH,USA)、炭酸亜鉛(CPS Union Corp.:New York,NY,USA)、炭酸亜鉛(Elementis Pigments:Durham,UK)、及び炭酸亜鉛AC(Bruggemann Chemical:Newtown Square,PA,USA)が挙げられる。塩基性炭酸亜鉛は、商業的には「炭酸亜鉛」又は「炭酸亜鉛塩基」又は「ヒドロキシ炭酸亜鉛」と呼ばれる場合もあるが、天然起源の水亜鉛鉱に類似した物質からなる合成バージョンである。理想的な化学量論は、Zn
5(OH)
6(CO
3)
2により表されるが、実際の化学量論的比は僅かに変化することがあり得、またその他の不純物が結晶格子内に組み込まれる場合がある。
【0119】
亜鉛含有層状材料及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、亜鉛含有層状材料とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩の比は、約5:100〜約10:1、又は約2:10〜約5:1、又は約1:2〜約3:1である。
【0120】
抗フケ活性物質の頭皮への付着は、少なくとも約1マイクログラム/cm
2である。抗フケ活性物質が頭皮に到達し、そこで確実に作用を発揮できるようにすることを考慮すれば、抗フケ活性物質の頭皮への付着は重要である。一実施形態において、頭皮上への抗フケ活性物質の付着は、少なくとも約1.5マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約2.5マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約3マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約4マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約6マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約7マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約8マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約8マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約10マイクログラム/cm
2である。頭皮上への抗フケ活性物質の付着は、熟練の美容師が従来の洗浄プロトコルに従い、個人の毛髪を抗フケ活性物質含有の組成物、例えば、本発明による組成物で洗浄することによって測定される。次いで、表面に開放端ガラスシリンダーを保持できるよう毛髪を頭皮の領域上で分けて、同時に抽出溶液のアリコートを添加し撹拌した後、抗フケ活性物質の内容物を回収し、HPLCのような従来の方法論に基づいて分析定量する。
【0121】
本組成物は化粧品として許容可能なキャリアを含む。一実施形態において、キャリアは水性キャリアである。このキャリアの量及び化学的性質は、他の構成成分との適合性、及び当該製品の他の所望の特性に応じて選択される。一実施形態において、キャリアは水、及び低級アルキルアルコールの水溶液からなる群から選択される。一実施形態において、キャリアは、一価アルコールが1〜6個の炭素を有する低級アルキルアルコールである。一実施形態において、キャリアはエタノール及び/又はイソプロパノールである。一実施形態において、化粧品として許容可能なキャリアは化粧品として許容可能な水性キャリアであり、約20%〜約95%、又は約60%〜約85%の濃度で存在する。
【0122】
本組成物は界面活性剤を含む。本界面活性剤は、組成物に洗浄性能を提供する目的で含まれている。一実施形態において、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性イオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態において、界面活性剤はアニオン性界面活性剤である。一実施形態において、本組成物は、本組成物全体の約5重量%〜約50重量%、又は約8重量%〜約30重量%、又は約10重量%〜約25重量%の界面活性剤を含む。
【0123】
本組成物は、洗浄性界面活性剤系を含んでいてもよい。洗浄性界面活性剤系は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含んでいてもよく、任意選択的に、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物からなる群から選択される共活性剤を含んでいてもよい。本組成物における洗浄性界面活性剤系は、所望の洗浄性能及び発泡性能が提供されるよう十分な濃度でなければならない。一実施形態において、本組成物は、本組成物全体の約5重量%〜約50重量%、又は約8重量%〜約30重量%、又は約10重量%〜約25重量%の洗浄性界面活性剤系を含む。
【0124】
コアセルベート形成、湿潤コンディショニング性能、乾燥コンディショニング性能、及びコンディショニング剤の毛髪上への付着のような性能特性を考察する際に、ポリマー系の潜在性能を最大化するために、界面活性剤の濃度及び種類を最適化することが望ましい。一実施形態において、本組成物に使用される洗浄性界面活性剤系は、エトキシル化レベル及びアニオンレベルを有するアニオン性界面活性剤を含み、そのエトキシル化レベルは約1〜約10、アニオンレベルは約1〜約10である。この種のアニオン性界面活性剤をカチオン性コポリマー及びカチオン性グアーポリマーと組み合わせることによって、洗浄又は発泡性能を低下させることなしに、毛髪及び/又は皮膚へのコンディショニング剤の付着が増強される。最適なエトキシル化レベルは、界面活性剤の構造に関し化学量論に基づいて計算されるものであり、エトキシル化モル数が既知である界面活性剤の具体的な分子量に基づく。同様に、界面活性剤の具体的な分子量、及びアニオン化反応の完了の測定により、アニオンレベルを算出することができる。
【0125】
一実施形態において、洗浄性界面活性剤系は、硫酸塩、スルホン酸塩、スルホコハク酸塩、イセチオン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩、及びホスホン酸塩からなる群から選択されるアニオンを含有している少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含む。一実施形態において、アニオンは硫酸塩である。
【0126】
一実施形態において、アニオン性界面活性剤はアルキル硫酸塩又はアルキルエーテル硫酸塩である。これらの成分はそれぞれ式R
9OSO
3M及びR
9O(C
2H
4O)
xSO
3Mを有し、式中、R
9は炭素原子数約8〜約18のアルキル又はアルケニルであり、xは約1〜約10の値を持つ整数であり、Mはアンモニウムなどのカチオン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、ナトリウム及びカリウムなどの一価の金属カチオン、又はマグネシウム及びカルシウムなどの多価の金属カチオンである。界面活性剤の溶解度は、選択された具体的なアニオン性界面活性剤及びカチオンによって異なる。一実施形態において、R
9は、アルキル硫酸塩及びアルキルエーテル硫酸塩の両方において、約8個〜約18個の炭素原子、又は約10個〜約16個の炭素原子、又は約12個〜約14個の炭素原子を有する。アルキルエーテル硫酸塩は、典型的には、エチレンオキシドと、約8個〜約24個の炭素原子を有する一価アルコールとの縮合物として製造される。アルコールは合成品であり得、又は、脂肪(例えばココヤシ油、パーム核油、獣脂)から得ることができる。一実施形態において、アルコールはココヤシ油又はパーム核油から得られるラウリルアルコール及び直鎖アルコールである。そのようなアルコールを、約0〜約10モル、又は約2〜約5モル、又は約3のモル比のエチレンオキシドと反応させ、例えばアルコール1モルにつき平均3モルのエチレンオキシドを有する得られた分子種の混合物を硫酸化し中和する。一実施形態において、アルキルエーテル硫酸塩は、ココナツアルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸塩、獣脂アルキルトリエチレングリコールエーテル硫酸塩、獣脂アルキルヘキサオキシエチレン硫酸塩及びこれらの混合物のナトリウム塩及びアンモニウム塩からなる群から選択される。一実施形態において、アルキルエーテル硫酸塩は、個々の化合物の混合物を含み、この混合物中の化合物は炭素原子数約10個〜約16個の平均アルキル鎖長を有し、平均エトキシル化度が約1モル〜約4モルのエチレンオキシドを有する。このような混合物はまた、C
12~13化合物を約0重量%〜約20重量%、C
14~15~16化合物を約60重量%〜約100重量%、C
17~18~19化合物を約0重量%〜約20重量%、エトキシル化度が0の化合物を約3重量%〜約30重量%、エトキシル化度が約1〜約4の化合物を約45重量%〜約90重量%、エトキシル化度が約4〜約8の化合物を約10重量%〜約25重量%、並びにトキシル化度が約8を超える化合物を約0.1重量%〜約15重量%含む。
【0127】
一実施形態において、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。他のアニオン性界面活性剤用のポテンシャルアニオンとしては、上記の硫酸塩、イセチオン酸塩、スルホン酸塩、スルホコハク酸塩以外にも、ホスホン酸塩、リン酸塩、及びカルボン酸塩が挙げられる。
【0128】
本組成物及び/又は洗浄性界面活性剤系は、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される共活性剤を含み得る。そのような共活性剤の濃度は、本組成物全体の約0.5重量%〜約20重量%、又は約1重量%〜約10重量%とすることができる。一実施形態において、本組成物は、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される共活性剤を含む。好適な双極性又は両性界面活性剤の非限定的な例は、米国特許第5,104,646号(Bolich Jr.ら)及び同第5,106,609号(Bolich Jr.ら)に記載されている。
【0129】
本組成物に用いるのに好適な両性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広義で記述される界面活性剤が挙げられるが、この場合、脂肪族置換基のうちの1つは約8個〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、又はホスホン酸塩などのアニオン性基を含有する。一実施形態において、両性界面活性剤は、コカミノプロピオン酸ナトリウム、コカミノジプロピオン酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、コーンアンホプロピオン酸ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、ラウロアンホプロピオン酸ナトリウム、コーンアンホプロピオン酸ナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、コカミノプロピオン酸アンモニウム、コカミノジプロピオン酸アンモニウム、ココアンホ酢酸アンモニウム、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸アンモニウム、ココアンホプロピオン酸アンモニウム、コーンアンホプロピオン酸アンモニウム、ラウラミノプロピオン酸アンモニウム、ラウロアンホ酢酸アンモニウム、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸アンモニウム、ラウロアンホプロピオン酸アンモニウム、コーンアンホプロピオン酸アンモニウム、ラウリミノジプロピオン酸アンモニウム、コカミノプロピオン酸トリエタノールアミン、コカミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ココアンホ酢酸トリエタノールアミン、ココアンホヒドロキシプロピルスルホン酸トリエタノールアミン、ココアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、コーンアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウラミノプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウロアンホ酢酸トリエタノールアミン、ラウロアンホヒドロキシプロピルスルホン酸トリエタノールアミン、ラウロアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、コーンアンホプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウリミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ココアンホジプロピオン酸、カプロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸二ナトリウム(disodium capryloamphodipriopionate)、ココアンホカルボキシエチルヒドロキシプロピルスルホン酸二ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸二ナトリウム、ジカルボキシエチルココプロピレンジアミン二ナトリウム、ラウレス−5カルボキシアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム、オレオアンホジプロピオン酸二ナトリウム、PPG−2−イソデセチ−7カルボキシアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸、ラウロアンホジプロピオン酸、ラウリルアミノプロピルグリシン、ラウリルジエチレンジアミノグリシン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0130】
一実施形態において、両性界面活性剤は、以下の構造に従う界面活性剤である。
【0131】
【化16】
式中、R
10は、9個〜15個の炭素原子を含む置換アルキル系、9個〜15個の炭素原子を含む非置換アルキル系、9個〜15個の炭素原子を含む直鎖アルキル系、9個〜15個の炭素原子を含む分岐鎖アルキル系、及び9個〜15個の炭素原子を含む不飽和アルキル系からなる群から選択されるC連鎖一価置換基であり、R
11、R
12、R
13は、1個〜3個の炭素原子を含むC連鎖二価直鎖アルキル系、及び1個〜3個の炭素原子を含むC連鎖二価分岐鎖アルキル系からなる群からそれぞれ独立して選択され、M
+は、ナトリウム、アンモニア、プロトン化トリエタノールアミンからなる群から選択される一価対イオンである。一実施形態において、両性界面活性剤は、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸アンモニウム、ココアンホ酢酸アンモニウム、ラウロアンホ酢酸トリエタノールアミン、ココアンホ酢酸トリエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0132】
一実施形態において、本組成物は双極性界面活性剤を含む。この双極性界面活性剤は、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体であり、脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であり、脂肪族置換基のうちの1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはカルボキシ、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩又はホスホン酸塩のようなアニオン性基を含有する。一実施形態において、双極性界面活性剤は、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルジメチルアミノヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタインアミドアンホプロピオン酸、ココ−ベタイン、ココ−ヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココ−スルタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態において、双極性界面活性剤は、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココ−ベタイン、ココ−ヒドロキシスルタイン、ココ−スルタイン、ラウリルベタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0133】
一実施形態において、共活性剤は、双極性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態において、界面活性剤はアニオン性界面活性剤であり、本組成物は共活性剤を更に含み、この共活性剤は、双極性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。一実施態様において、共活性剤は、コカミド、コカミドメチルMEA、コカミドDEA、コカミドMEA、コカミドMIPA、ラウラミドDEA、ラウラミドMEA、ラウラミドMIPA、ミリスタミドDEA、ミリスタミドMEA、PEG−20コカミドMEA、PEG−2コカミド、PEG−3コカミド、PEG−4コカミド、PEG−5コカミド、PEG−6コカミド、PEG−7コカミド、PEG−3ラウラミド、PEG−5ラウラミド、PEG−3オレアミド、PPG−2コカミド、PPG−2ヒドロキシエチルコカミド、及びこれらの混合物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤である。一実施形態において、共活性剤は、双極性界面活性剤であり、この双極性界面活性剤は、ラウリルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココ−ベタイン、ココ−ヒドロキシスルタイン、ココ−スルタイン、ラウリルベタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0134】
会合性増粘剤
従来の増粘剤と並ぶ別のクラスの増粘剤は、会合性増粘剤である。このクラスの増粘剤は、ポリマー鎖と、分散相と、媒体との間の結合性相互作用を通じて流体のレオロジーを変性するポリマーを含有する。従来の増粘剤とは異なり、会合性増粘剤は、親水性領域と疎水性領域の両方を含み、多くの場合、分子量が数倍少ないポリマーである。その結果、疎水性領域は疎水性部分と結合することができ、親水性領域は親水性部分と結合することができる。このことが、高粘度とユニークなレオロジー特性とをもたらす、混合物内で形成されるネットワークにつながり得る。
【0135】
会合性増粘ポリマーには、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ポリアクリレート、疎水変性ポリアクリル酸、疎水変性ポリアクリルアミド、及び疎水変性ポリエーテルなど様々な種類がある。
【0136】
疎水変性ポリエーテルのクラスは、PEG−120−メチルグルコースジオレエート、PEG−N(40又は60)ソルビタンテトラオレエート、PEG−150ペンタエリスリチルテトラステアレート、PEG−55プロピレングリコールオレエート、及びPEG−150ジステアレートなどの多くのメンバーを含む。典型的には、これらの物質は疎水性物質(非限定的な実施例には、セチル、ステアリル、オレアイル(oleayl)、及びこれらの組み合わせが挙げられる)、及び10〜300、一実施形態においては、30〜200、及び別の実施形態においては、40〜150の繰返し単位を有する反復エチレンオキシド基の親水部分を有する。
【0137】
PEG−150ジステアレートなどの会合性増粘剤の濃度は、シャンプー組成物の約0.5重量%〜約3.0重量%、約0.8重量%〜約2.5重量%、及び約1重量%〜約2重量%である。
【0138】
ポリオール
ポリオールは、本発明の構成要素である。本発明の一実施形態において、ポリオールの非限定例はグリセリンである。グリセリンは、ごく一般的にはパーソナルケア用途及び医薬製剤に用いられる、無色無臭の粘稠液である。グリセリンは、水への溶解性と保湿性に関与する3つのヒドロキシル基を含有する。グリセリンは、パーソナルケア用途における毛髪及び皮膚有益剤として公知である。この物質は、ヒトの毛髪内に浸透し、毛髪繊維を可塑化することによってコンディショニング効果及び柔軟性を提供しつつ、非常に清潔な表面感触を保持し得る。グリセリンは、水以上に疎水性の汚れ成分(即ち、皮脂)を洗浄することが認められている。
【0139】
PEG−150ジステアレートと組み合わされるグリセリンの濃度は、シャンプー組成物の約1.0重量%〜約10重量%、約2重量%〜約8重量%、及び約3.0重量%〜約6.0重量%の範囲である。
【0140】
本発明の別の実施形態において、他のポリオールを使用し得る。非限定的な例としては、プロピレングリコール、ソルビトールなどの糖ポリオール(sugar polyols)、アロエベラゲル、及び蜂蜜が挙げられる。
【0141】
シリコーン
本発明の組成物のコンディショニング剤は、シリコーンコンディショニング剤であり得る。シリコーンコンディショニング剤は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含み得る。シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約8重量%、約0.1重量%〜約5重量%、及び約0.2重量%〜約3重量%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤の非限定例、及びシリコーンのための任意の懸濁剤は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号に記載されており、その記載内容が参考として本明細書に組み込まれている。本発明の組成物に用いるシリコーンコンディショニング剤は、25℃での測定において、約20〜2,000,000mm
2/s(20〜約2,000,000センチストークス(「csk」)、約1,000〜約1,800,000mm
2/s、約50,000〜約1,500,000mm
2/s、及び/又は約100,000〜約1,500,000mm
2/s(約1,000〜約1,800,000csk、約50,000〜約1,500,000csk、及び/又は約100,000〜約1,500,000csk)の粘度を有し得る。
【0142】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、典型的には、約0.01マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の体積平均粒子直径を有する。小さい粒子を毛髪に適用するため、体積平均粒子直径は、典型的には、約0.0マイクロメートル〜約4マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約2マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約0.5マイクロメートルの範囲である。大きい粒子を毛髪に適用するため、体積平均粒子直径は、典型的には、約5マイクロメートル〜約125マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約90マイクロメートル、約15マイクロメートル〜約70マイクロメートル、約20マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲である。
【0143】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を検討する箇所を含むシリコーンに関する追加の物質が、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,pp 204〜308,John Wiley & Sons,Inc.(1989)に記載されており、参考として本明細書に組み込まれている。
【0144】
本発明の実施形態における使用に好適なシリコーンエマルションとしては、米国特許第4,476,282号、及び米国特許出願公開第2007/0276087号に記載の記述に従って調製される不溶性ポリシロキサンのエマルションが挙げられるが、これに限定されない。したがって、好適な不溶性ポリシロキサンとして、α,ωヒドロキシ末端ポリシロキサン、又はα,ωアルコキシ末端ポリシロキサンなどの、約50,000〜約500,000g/molの範囲内の分子量を有するポリシロキサンが挙げられる。不溶性ポリシロキサンは、約50,000〜約500,000g/molの範囲内の平均分子量を有し得る。例えば、不溶性ポリシロキサンは、約60,000〜約400,000、約75,000〜約300,000、約100,000〜約200,000の範囲内の平均分子量、又は約150,000g/molの平均分子量を有し得る。不溶性ポリシロキサンは、約30ナノメートル〜約10ミクロンの範囲内の平均粒径を有し得る。平均粒径は、例えば、約40ナノメートル〜約5ミクロン、約50ナノメートル〜約1ミクロン、約75ナノメートル〜約500nm、又は約100ナノメートルの範囲内であり得る。
【0145】
不溶性ポリシロキサンの平均分子量、シリコーンエマルションの粘度、及び不溶性ポリシロキサン含有粒子のサイズは、例えば、Smith,A.L.The Analytical Chemistry of Silicones,John Wiley & Sons,Inc.:New York,1991に開示されている方法などの、当業者によって一般に使用される方法によって求められる。例えば、シリコーンエマルションの粘度は、ブルックフィールド粘度計を使用して、スピンドル6を2.5rpmにして30℃で測定し得る。シリコーンエマルションは、アニオン性界面活性剤と共に追加の乳化剤を更に含み得る。
【0146】
本発明の組成物における使用に好適な他のクラスのシリコーンとしては、i)25℃での測定で約1,000,000mm
2/s(1,000,000csk)未満の粘度を有する流動性物質である、シリコーンオイルを含むがそれに限定されないシリコーン流体、ii)少なくとも1個の一級、二級、又は三級アミンを含有するアミノシリコーンと、iii)少なくとも1個の四級アンモニウム官能基を含むカチオン性シリコーン、iv)25℃での測定で約1,000,000mm
2/s(1,000,000csk)以上の粘度を有する物質を含むシリコーンガム、v)高架橋ポリマー状シロキサン系を含むシリコーン樹脂、vi)少なくとも1.46の屈折率を有する高屈折率シリコーン、及びvii)これらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0147】
有機コンディショニング物質
本発明のシャンプー組成物のコンディショニング剤は、単独で又は上記シリコーンなどのその他のコンディショニング剤と組み合わせて、オイル又はワックスなどの少なくとも1つの有機コンディショニング物質も含み得る。上記有機物質は、非重合性、オリゴマー、又は重合性であり得る。上記有機物質は、オイル又はワックスの形態であり得、未希釈で又は予め乳化させた形態で配合物に添加することができる。有機コンディショニング物質のいくつかの非限定的な例には、限定されるものではないが、i)炭化水素油、ii)ポリオレフィン、iii)脂肪エステル、iv)フッ素化コンディションイング組成物、v)脂肪族アルコール、vi)アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体、vii)四級アンモニウム組成物、viii)CTFA名PEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000、PEG−2M、PEG−7M、PEG−14M、PEG−45Mなどの、分子量が約2,000,000未満のポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0148】
乳化剤
種々のアニオン性及び非イオン性乳化剤が、本発明のシャンプー組成物に使用され得る。アニオン性及び非イオン性乳化剤は、本質的に単量体か重合性であり得る。単量体の例には、実例としてかつ非限定的に、アルキルエトキシレート、アルキル硫酸塩、石鹸、脂肪エステル及びそれらの誘導体が挙げられる。重合性の例には、実例としてかつ非限定的に、ポリアクリル酸塩、ポリプロピレングリコール、ブロック共重合体及びそれらの誘導体が挙げられる。ラノリン、レシチン、リグニン及びそれらの誘導体などの天然乳化剤も有効な乳化剤の非限定的な例である。
【0149】
キレート化剤
シャンプー組成物は、キレート剤を含み得る。好適なキレート剤は、本明細書に参考として組み込まれている、A E Martell & R M Smith,Sritical Stability Constants,Vol.1,Plenum Press,New York & London、及びA E Martell & R D Hancoc,Metal Complexes in Aqueous Solution」,Plenum Press,New York & London(1996)に記載されているキレート剤を含む。キレート剤に関し、用語「塩及びそれらの誘導体」は、参照しているキレート剤と同じ官能性構造(例えば、同じ化学主鎖)を含み、同様の又はより優れたキレート化特性を有する塩及び誘導体を意味する。この用語は、アルカリ金属、アルカリ土類、アンモニウム、置換アンモニウム塩(即ち、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム)、酸性部分を有するキレート物質のエステル、及びこれらの混合物、特に、全てのナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩を含む。用語「誘導体」は、米国特許第5,284,972号で例示されている化合物などの「キレート化界面活性剤」化合物、及び米国特許5,747,440号で開示されている高分子EDDS(エチレンジアミン二コハク酸)などの、親キレート剤と同じ官能構造を有する1つ又は2つ以上のキレート化基を含む大型分子も含む。
【0150】
シャンプー組成物中のEDDSキレート剤の濃度は、約0.01重量%の低濃度又は約10重量%の高濃度であってよいものの、このような高濃度(すなわち、10重量%)を超える場合には、処方及び/又は人の安全性に関する懸念が生じ得る。一実施形態において、EDDSキレート剤の濃度は、シャンプー組成物の少なくとも約0.05重量%、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.25重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、又は少なくとも約2重量%であり得る。約4重量%超の濃度を使用することができるものの、追加効果は得られない。
【0151】
ゲルネットワーク
シャンプー組成物は、脂肪族アルコールゲルネットワークも含み得る。これらのゲルネットワークは、脂肪族アルコールと界面活性剤とを約1:1〜約40:1、約2:1〜約20:1、及び/又は約3:1〜約10:1の割合で組み合わせることによって形成される。ゲルネットワークの形成は、水中の散在する脂肪族アルコールを界面活性剤で脂肪族アルコールの融点以上の温度に加熱することを伴う。混合プロセスの間に、脂肪族アルコールは溶融し、界面活性剤が脂肪族アルコール液滴中に分割して入れるようにする。界面活性剤は、水を一緒に脂肪族アルコール内にもたらす。これによって、等方性脂肪族アルコール液滴が液晶相液滴に変化する。この混合物が鎖溶融温度よりも低く冷却されると、液晶相は固体結晶性ゲルネットワークへと変換される。ゲルネットワークは、化粧用クリーム及び毛髪コンディショナーに安定化効果をもたらす。加えて、これらは、毛髪コンディショナーに調整された感触利益をもたらす。
【0152】
脂肪族アルコールは、重量で約0.05重量%〜約14重量%のレベルで、脂肪族アルコールゲルネットワークに含まれ得る。例えば、脂肪族アルコールは、約1重量%〜約10重量%、及び/又は約6重量%〜約8重量%の範囲の量で存在し得る。
【0153】
本発明において有効な脂肪族アルコールは、約10個〜約40個の炭素原子、約12個〜約22個の炭素原子、約16個〜約22個の炭素原子、及び/又は約16個〜約18個の炭素原子を有する脂肪族アルコールを含む。これらの脂肪族アルコールは、直鎖アルコール又は分枝鎖アルコールであり得、かつ飽和又は不飽和であり得る。脂肪族アルコールの非限定例として、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。約20:80〜約80:20の割合のセチルアルコールとステアリルアルコールの混合物が好適である。
【0154】
ゲルネットワークの調製:容器を水で満たし、その水を約74℃まで加熱する。セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びSLES界面活性剤を、加熱された水に加える。加えた後、得られた混合物を熱交換器に通し、混合物を約35℃まで冷却する。冷却すると、脂肪アルコール及び界面活性剤が結晶化して、結晶性ゲルネットワークを形成する。表1に、例示のゲルネットワーク組成物の成分とそれぞれの成分量を示す。
【0156】
本発明の実施形態によれば、パーソナルケア組成物は、1種以上の有益剤を更に含み得る。例示的な有益剤は、粒子、着色剤、芳香マイクロカプセル、ゲルネットワーク、及び他の不溶性スキンコンディショニング剤又はヘアコンディショニング剤(例えばスキンシリコーン)、天然油(例えばひまわり油又はヒマシ油)を含むが、これらに限定されない。一実施形態において、有益剤は、粒子、着色剤、芳香マイクロカプセル、ゲルネットワーク、その他の不溶性スキンコンディショニング剤又はヘアコンディショニング剤(例えばスキンシリコーン)、天然油(例えばひまわり油又はヒマシ油)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0157】
本組成物は水で希釈された時点でコアセルベート粒子を形成する。フロックサイズが約20ミクロン超のコアセルベート粒子の百分率は、約1%〜約60%である。一実施形態において、フロックサイズが約20ミクロン超のコアセルベート粒子の百分率は、約1%〜約50%、又は約1%〜約40%、又は約1%〜約30%、又は約5%〜約20%、約5%〜約15%である。1:50の希釈率になるように組成物を水で希釈した後、フロックサイズを測定する。
【0158】
フロックサイズは、Lasentec FBRM法で測定することができる。好適な混合容器内で、周囲温度で蒸留水中に組成物の1:9の希釈液を作り、250rpmで5分間混合する。臑動ポンプを使用して環境蒸留水を混合容器に100g/分の速度で移し入れて、組成物対蒸留水の最終的な希釈率を1:50部にする。10分間平衡化した後、Lasentec収束ビーム反射法(Focused Beam Reflectance Method)(FBRM)[モデルS400A、Mettler Toledo Corpから入手可能]を使用して、弦長及び粒子数/秒(1秒当たりの数)で測定されたフロックサイズ及び量を定量する。
【0159】
本方法の一実施形態において、20〜100の段階で、20が不良、又は、40が普通、又は、60が良い、又は、80が非常に良い、及び100が優れている、という平均消費者受容評点を得る。平均消費者受容評点値を得る目的から、10〜400人、例えば16〜310人規模の消費者パネルによって本組成物を評価する。3日〜4週間に及ぶ期間にわたって、パネリストに本組成物のみをシャンプーとして使うように依頼する。使用後に、パネリストに、組成物の種々の特性及びその使用経験を5点の尺度で評価するように依頼する。数値解析のため、解答を100点の尺度に変換し、平均消費者受容評点を計算する。
【実施例】
【0160】
以下の実施例は、本発明を例示する。例示の組成物は、従来の配合及び混合方法により調製され得る。ヘアケア配合物技術分野の当事者により、本発明のその他の改変が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、実施され得ることが理解されよう。本明細書における全ての部分、百分率、及び比率は、特に指定しない限り重量基準である。いくつかの成分は、供給元から希釈溶液として供給され得る。記載した濃度は、別段の指定がない限り、活性物質の重量百分率を表す。
【0161】
非限定的実施例1〜25は、本発明の実施形態である。
【0162】
【表2】
【0163】
【表3】
【0164】
凡例:
1.Stepan Company製のラウレス−3硫酸ナトリウム
2.Stepan Company製のラウレス−1硫酸ナトリウム
3.Procter & Gamble製のグリセリン
4.Stepan Company製のラウリル硫酸ナトリウム
5.Rhodia製のMackam LHS
6.Stepan Company製のAmphosol HCA
7.Stepan Company製のNinol COMF
8.Golschmidt Chemical Company製のEGDS
9.Lipo Chemical Company製のLipopeg 6000ジステアレート
10.Arch Chemical製のZPT
11.Bruggeman Group製の炭酸亜鉛
12.500,000g/molの分子量及び0.8meq/gの電荷密度を有するRhodia製のJaguar C500
13.1,700,000g/mol及び電荷密度0.7meq/gを有するAqualon製のN Hance 3196
14.Ashland製の配合物であって、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド(500,000g/molの分子量;1.1meq/gの電荷密度)とAM/APTAC(1,100,000g/molの分子量;1.8meq/gの電荷密度)とを95:5で配合した配合物。
15.Procter & Gamble製のCO 1895
16.Procter & Gamble製のCO 1695
17.Akzo Nobel製のKathon CG
18.0.33m2/s(330,000cSt(センチストークス))の粘度を有するMomentive Performance Materials製のビスカシル330M
19.Wacker Silicones製のBELSIL DM
20.Elementis製のトリヒドロキシステアリン(硬化ヒマシ油)
21.Ashland製のN−Hance BF−17(850,000g/mol、電荷密度1.4meq/g)
22.Rhodia製のポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)
23.Akzo Nobel(Herkenbosch NL)製のエチレンジアミン4酢酸(Dissolvine 220−S)
24.Archer Daniels Midland(Southport US)製の無水クエン酸−製品pHを4〜7調節する時に使用
【0165】
使用するレオロジー法
連続傾斜流動実験(continuous ramp flow experiment)において、シャンプー原液を従来型のレオメーターTA AR2000上で、2度の角度のコーンと半径40mmのプレートとの間に載せる。できるだけせん断力を加えずに製品をシャンプー容器から取り出す。製品をスチールプレートに塗り、60秒間弛緩させる。間隙の縮小に伴い、上部プレートが等線速度で降下される。この工程の間、サンプルによって下部プレートに加えられた法線力が、レオメーターによって測定される。最終的な間隙高さは59ミクロンで測定される。6.0 E−3〜800Paのせん断応力(Pa)が、25℃の温度下で10進単位で30箇所で採取されたサンプルに加えられる。データは、TA Rheology Advantage Data Analysis V5.7.0ソフトウェアによって分析される。データ出力は、粘度(Pa.s)対せん断速度(l/s)である。
図1は、記号としてプロットしたこのデータを示し、実線は、Carreauモデル分析を用いて適合されたモデルである。Carreauモデル分析は、Carreauモデル計算法(Carreau Model Calculation)を用い、この計算法における入力変数は、次の通りである。
η=各せん断速度のおける粘度
γ=せん断速度(1/S)
Carreauモデルによって決まる出力パラメータは次の通りである。
η
無限=1500l/sを超えるせん断速度における粘度
η
ゼロセン断=0.2l/s未満のせん断速度における粘度
λ=稠度(粘度対せん断速度曲線が、湾曲部を有し、せん断力が弱くなる時点の値(秒))
N=速度指数(粘度対せん断速度曲線のずり減粘部分の勾配)
Carreauモデル計算法
【0166】
【数1】
【0167】
Carreauモデル分析は、TAレオロジーソフトウェアV.5.7.0、又は当業者が入手可能な任意の曲線適合/回帰分析を用いて行い得る。Carreauモデル分析を用いて、実施例表における組成物についてのデータパラメータが実証され、表2に示されている。組成物3、4及び6は、PEG−150ジステアレートとグリセリンを含有する製剤からの結果を実証している。組成物3と4は、表2の速度指数が示すのと類似の速度指数(N)値(それぞれ0.45及び0.42)を実証している。組成物6は、低い値0.28によって表される最も浅い速度指数(N)を示す。
【0168】
PEG−150ジステアレート及びグリセリンを含有しないシャンプー組成物19、20及び21は、それぞれ0.97、0.73、0.58の値によって表される大幅に急な速度指数(N)を有することが認められる。PEG−150ジステアレート及びグリセリンを除いて、組成物3と最も類似している組成物20は、組成物3と類似した稠度(λ)(0.09対0.15)を示すが、速度指数値(N)は、大幅に大きい(0.73対0.45)。組成物19は、低い稠度(λ)及び高い速度指数(N)(それぞれ0.09と0.97で、
図1に示す)を実証している。
【0169】
組成物21は、PEG−150ジステアレート及びグリセリンを除いて、組成物6と最も類似しており、組成物21は、組成物6より低い粘稠値(λ)を示す(1.06対4.53)。速度指数は、組成物21の方が組成物6より大きい(0.58対0.28)。
【0170】
【表4】
【0171】
表2:列1は、組成物を特定する。パネリストに、本組成物を唯一のシャンプーとして2週間にわたって使用するように依頼する。列2は、ラベルxで表されるPEG−150ジステアレートとグリセリンの存在を示す。列3は、泡立ち量に関する消費者の好みについてのデータを示す。列4は、すすぎやすさついての消費者の好みを示す。列5は、湿り気のあるときの滑らかさに関する消費者の好みを示す。列6は、全体的なコンディショニングに関する消費者の好みを特定する。列7は、消費者が望む外観を実現するための消費者好みを特定する。列8は、毛髪の保湿状態を保持するための消費者好みを特定する。列9は、Carreauモデル分析によって判定されるゼロレート粘度(Pa.s)を表す。列10は、Carreauモデル分析によって判定される無限レート粘度(Pa.s)を特定する。列11は、Carreauモデル分析によって判定される稠度値(λ)を特定する。列12は、Carreauモデル分析によって判定される速度指数値(N)を特定する。列13は、Lasentec粒径実験によって得られた、20ミクロンを超えるフロックサイズを有するコアセルベート粒子の百分率を特定する。列14は、生体内頭皮ジンクピリチオン(ZPT)付着データ結果を特定する。
【0172】
消費者データの内訳
列1は、実施例の表2で言及されている組成物を特定する。
表2の列2は、PEG−150ジステアレート/グリセリンが存在する時に「x」で表示される組成物を含有するPEG−150ジステアレート/グリセリンを特定する。消費者データ(列3、4、5、6、7、8)は、組成物3(n=9)、組成物6(n=21)、及び組成物21(n=26)の非抗フケ剤ユーザとみなされる女性の消費者人口を表す。消費者データは、受容評価が並である組成物6と、受容評価が低い組成物21と比べると、組成物3は「泡立ち量」(列3)に対する受容評価が最も高い組成物であることを示している。「すすぎやすさ」(列4)に対する消費者受容評価は、組成物3が最も受容評価が高く、組成物6は並の受容評価であり、組成物21は受容評価が低いことを示している。消費者データは、「湿り気のある時の滑らかさ」(列5)の受容評価は、組成物3及び組成物6が最も高く、組成物21は最も低いことを示している。「全体的なコンディショニング」(列6)に対する消費者データは、組成物6の受容評価が最も高く、組成物3の受容評価は並であり、組成物21の受容評価が低いことを示している。「私の望む外観の実現」に対する消費者データは、組成物6の受容評価が最も高く、組成物3の受容評価は並であり、組成物21の受容評価が低いことを示している。「保湿状態を保持する」に対する消費者データは、組成物3及び組成物6の受容評価が最も高く、それに比べて組成物21の受容評価は低いことを示している。
【0173】
検討
表2について(列1〜8)、組成物3、6、及び21は、泡立ち量、すすぎやすさ、湿り気のある時の滑らかさ、全体的なコンディショニング、希望する外観の実現、保湿状態の保持についての質問に対する非抗フケ剤ユーザ消費者の回答を特定する消費者データを有する。PEG−150ジステアレート及びグリセリンを含有する組成物3及び組成物6は、全ての消費者質問事項にわたって好意的な受容評価を得ており、一方、PEG−150ジステアレート及びグリセリンを含有していない組成物21は、消費者の受容評価が低いことが認められる。
【0174】
列9〜12で特定されているレオロジーデータは、Carreau分析で判定された値を示している。これらの値は、ゼロレート粘度(η
ゼロセン断)、無限粘度(η
無限)、稠度(λ)、及び速度指数(N)を含む。
【0175】
消費者データを含む組成物(組成物3、6、及び21)は、主に稠度(λ)測定で異なるデータを示している。組成物3と組成物6は、それぞれ非常に異なる稠度値(λ)0.15s及び4.53sを有することが認められる。組成物3主に組成物6の速度指数値(N)は、同程度であり、それぞれ0.43(N)対0.28(N)である。消費者の受容評価が低い製品である組成物21は、消費者の受容評価が好意的である組成物3に対して高い稠度値(λ)を有する(それぞれ1.06s対0.15s)ことが認められるが、組成物6(4.53s)ほど高くない。
【0176】
消費者データを評価する時、稠度(λ)と、20ミクロンを超えるフロックサイズを有するコアセルベート粒子の百分率が、消費者の受容と抗フケ効能についての全体像を提供するように検討される必要がある。列13は、20ミクロン超のフロックサイズを有する%コアセルベート粒子として特定されるlasentecデータ値を示す。組成物3は、組成物6(45.6ミクロン)と組成物21(70.6ミクロン)に対して、最も小さいフロックサイズ測定値(24.7ミクロン)を有することが認められる。フロックサイズが40ミクロンの大きいコアセルベート、又は20ミクロンを超えるフロックサイズを有するコアセルベート粒子の百分率がより大きい組成物は、あまり効能がなく、毛髪触感が良くないと思われる。組成物3の生体内ジンクピリチオン頭皮付着は、組成物19(1.7μg/cm2)と比べると、高いジンクピリチオン付着量(3.2μg/cm2)を示す。
【0177】
本発明において、歩留まり稠度値は約0.001s〜0.9sの範囲内であり得、別の実施形態においては、約0.01〜約0.45s、及び本発明の一実施形態において、歩留まり稠度値は約0.1s〜0.2sであり得る。
【0178】
組成物間のレオロジーの違いを立証するために速度指数値(N)も用いられる。組成物3にはPEG−150ジステアレート/グリセリンが存在し、組成物20にはPEG−150ジステアレート/グリセリンが存在しない点を除いては組成的に同じである、組成物3(0.45(N))と組成物20(0.73(N))とを比較すると差異が認められる。高い速度指数値は、低い速度指数値よりもずり減粘が増加すると解釈される。高い速度指数値(0.97(N))が、PEG−150ジステアレート/グリセリンを含まない組成物19についても認められる。約0.6(N)である速度指数の上限が、消費者が組成物をより化粧品として許容可能であるとみなす閾値として設定される。本発明において、速度指数値(N)は、約0.01〜約0.6の範囲であり得、別の実施形態においては、約0.1〜0.5の範囲であり得る。
【0179】
したがって、PEG−150ジステアレート/グリセリンを含み、好意的な消費者の回答が認められ、稠度値が0.15sであり、速度指数値が0.45(N)であり、20ミクロンを超えるフロックサイズを有するコアセルベート粒子の百分率が24.71ミクロンである組成物3が、抗フケ活性物質の付着と、コアセルベートフロックサイズを保持しつつ、非抗フケ剤ユーザによる消費者が受容する抗フケ剤処方を実現することが推測される。
【0180】
【表5】
【0181】
表3は、大規模な抗フケ剤シャンプー消費者評価からの消費者回答を特定している(n=300/leg)。パネリストには、本組成物を唯一のシャンプーとして4週間にわたって使用するように依頼する。これらのデータは、フケを気にする男性及び女性消費者の大多数が、PEG150ジステアレート及びグリセリンを有さない処方(組成物20+追加の1% SLEIS)と比べると、PEG150ジステアレート及びグリセリンなどの処方変数を介してレオロジー改質された処方(組成物3及び組成物6)を好むことを更なる証拠として裏付けている。シャンプー触感、泡立ち量、泡立ちやすさ、湿り気のある時の滑らかさ、全体的なコンディショニング、外観の実現、及び保湿状態についての消費者回答が強調されているのが認められる。有意な好意的な回答は、組成物6のシャンプー触感、泡立ち量、泡立ちやすさ、及び保湿状態について認められる。有意な好意的な回答は、組成物3のシャンプーの触感と泡立ちやすさにも認められる。泡立ち量に関しては、組成物20+追加の1% SLEISと対比して、組成物3に対して指向的に好意的な回答が認められる。湿り気のある時の滑らかさ、全体的なコンディショニング及び外観の実現に関しては、組成物20+追加の1% SLEISと対比して、組成物3及び組成物6に対して指向的に好意的な回答が認められる。保湿状態に関しては、組成物3及び組成物20+追加の1% SLEISについて同等の解答が認められる。
【0182】
本明細書に開示されている寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示のない限り、各このような寸法は、記載された値と、その値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味する。
【0183】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは特許出願を含む、本明細書に引用される文献の全てが、明白に除外又は限定されている場合を除いて、本明細書中に参考として組み込まれている。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示されているか若しくは特許請求の範囲に記載されているいずれかの発明に関する先行技術であることを認めるものではなく、あるいはそれが単独で又は他のいかなる参考文献(単数若しくは複数)とのいかなる組み合わせにおいても、かかる発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本文書での用語の任意の意味又は定義の範囲が、参照により組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0184】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。