(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定ユニットは、リアルタイム情報に基づき、前記活性化条件が満足されたか否かを繰返し判定するように構成される請求項1又は請求項2記載の情報処理システム。
前記生成ユニットは、消費者群の活動を表すデータ及び情報配信に対する反応の少なくとも一方に基づき、前記グループデータを動的に生成するように構成される請求項5記載の情報処理システム。
前記生成ユニットは、消費者群の活動を表すデータを参照して、前記消費者群の特徴に対応したグループデータを生成するように構成される請求項5記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本開示の例示的実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[第一実施形態]
本実施形態の情報配信システム1は、複数ユーザの位置、活動、及び環境、並びに時間帯の少なくとも一つに関する条件に基づき、ユーザデバイス50及び/又はディジタルサイネージ60を通じて複数ユーザに情報を配信するように構成される。
【0026】
配信情報の例には、消費行動を促進するための情報が含まれる。消費行動を促進するための情報は、例えば、商品、役務、及び/又は企業に関する広告である。以下では実施形態の理解を容易にするために、配信される情報のことを「広告」とも表現するが、配信される情報は、広告に限定されるものではない。任意の種類の情報が配信され得る。
【0027】
図1に示す情報配信システム1は、複数のGPSトラッカ11と、複数の状態検出器13と、気象情報サーバ15と、社会情報サーバ17と、消費者情報サーバ19と、判定システム20と、配信制御システム30と、を備える。
【0028】
GPSトラッカ11の夫々は、グローバルポジショニングシステム(GPS)を利用して、現在位置を検出するように構成される。具体的に、GPSトラッカ11の夫々は、位置検出機能を有したポータブル通信機器として構成され、検出された位置情報を通信により判定システム20に提供する。複数ユーザの夫々は、GPSトラッカ11の一つを所持する。
【0029】
周知のスマートフォンやカーナビゲーション装置は、通常GPS受信機を備え、GPSトラッカとして機能することができる。従って、GPSトラッカ11の夫々は、専用装置でなくてもよく、スマートフォン又はカーナビゲーション装置であってもよい。
【0030】
状態検出器13の夫々は、設置された場所の空間状態を検出するように構成される。状態検出器13の例には、人感センサ、照度計、温度計、湿度計、及び、監視カメラが含まれる。複数の状態検出器13は、社会の様々な場所に設置され、その場所について検出された空間状態を表す空間状態情報を通信により判定システム20に提供する。
【0031】
気象情報サーバ15は、気象情報を通信により判定システム20に提供するように構成される。気象情報は、「晴れ」「雨」「曇り」等の天気を表す情報を地域毎に有する。気象情報は、更に詳細な情報を有していてもよい。詳細な情報には、例えば気圧、気温、湿度、風向き、風速、及び降水量の情報が含まれる。気象情報には、気象予報が含まれる。
【0032】
社会情報サーバ17は、様々な社会情報を通信により判定システム20に提供するように構成される。社会情報の例には、人の活動に影響を与えるイベントを表す情報が含まれる。イベントの例には、人が集まるような、集会、並びに、芸能コンサート及びスポーツ試合等の興行が含まれる。社会情報サーバ17から判定システム20に提供される社会情報には、事件、事故、及びSNS(ソーシャルネットワークサービス)情報が含まれてもよい。消費者情報サーバ19は、消費者の消費行動を表す消費者情報を通信により判定システム20に提供するように構成される。消費者情報には、消費者の購買情報が含まれる。
【0033】
判定システム20は、GPSトラッカ11からの位置情報、状態検出器13からの空間状態情報、気象情報サーバ15からの気象情報、社会情報サーバ17からの社会情報、及び、消費者情報サーバ19からの消費者情報に基づいて、広告配信先のグループが活性化したか否を判定し、活性化したと判定したグループへの広告配信を配信制御システム30に指示するように構成される。
【0034】
本実施形態で言うグループが活性化した状態は、グループに対する情報配信の価値が通常状態から上昇した状態に対応する。情報配信の価値の高さは、配信情報に関連する活動をグループに対応する人が引き起こす可能性の高さに対応すると理解されてもよい。
【0035】
判定システム20は、
図2に示すように、処理デバイス21、記憶デバイス25、及び通信デバイス29を備える。処理デバイス21は、CPU211及びRAM215を備える。記憶デバイス25は、種々のプログラム及びデータを記憶する。
【0036】
CPU211は、記憶デバイス25が記憶するプログラムに従う処理を実行する。RAM215は、CPU211による処理実行時に作業用メモリとして機能する。以下では、CPU211が実行する処理を、処理デバイス21又は判定システム20が実行する処理として説明する。
【0037】
処理デバイス21は、プログラムに従う処理を実行することによって、上記判定及び指示を実現する。通信デバイス29は、処理デバイス21と、GPSトラッカ11、状態検出器13、気象情報サーバ15、社会情報サーバ17、消費者情報サーバ19、及び配信制御システム30と、の間の通信を実現する。
【0038】
配信制御システム30は、判定システム20からの指示に従って、活性化したグループに対応する複数のユーザデバイス50、及び/又は、ディジタルサイネージ60に広告配信するように構成される。ユーザデバイス50及びディジタルサイネージ60は、配信制御システム30と通信可能に構成される。ユーザデバイス50の例には、ユーザが所有するスマートフォン、タブレット、及び、ウェアラブルデバイス等のポータブル通信機器が含まれる。
【0039】
配信制御システム30は、
図2に示すように、処理デバイス31、記憶デバイス35、及び、通信デバイス39を備える。処理デバイス31は、CPU311及びRAM315を備える。記憶デバイス35は、種々なプログラム及びデータを記憶する。
【0040】
CPU311は、記憶デバイス35が記憶するプログラムに従う処理を実行する。RAM315は、CPU311による処理実行時に作業用メモリとして機能する。以下では、CPU311が実行する処理を、処理デバイス31又は配信制御システム30が実行する処理として説明する。
【0041】
処理デバイス31は、プログラムに従う処理を実行することによって、判定システム20からの指示に従う広告配信を実現する。通信デバイス39は、処理デバイス31と、判定システム20、ユーザデバイス50、及びディジタルサイネージ60と、の間の通信を実現する。
【0042】
続いて、判定システム20及び配信制御システム30の詳細を説明する。判定システム20の記憶デバイス25は、
図3に示すように、複数のユーザデータD21と、複数のサイネージデータD22と、複数のグループデータD23と、を記憶する。
【0043】
複数のユーザデータD21には、広告配信を受けるユーザ毎のユーザデータが含まれる。ユーザデータD21の夫々は、対応するユーザの識別コードであるユーザIDと、対応するユーザのデモグラフィック属性データ、デバイスデータ、移動履歴データ、及び、購買履歴データと、を備える。
【0044】
デモグラフィック属性データは、対応するユーザの、性別、年齢、居住地域、及び、職業等のデモグラフィック属性を表す。デバイスデータは、対応するユーザが所有するユーザデバイス50に対する広告配信に必要な情報を有する。具体的に、デバイスデータは、ユーザデバイス50のIDを表す。以下、このIDをユーザデバイスIDという。
【0045】
移動履歴データは、対応するユーザの移動履歴を表す。移動履歴データには、対応するユーザのGPSトラッカ11からの位置情報が蓄積される。移動履歴データには、対応するユーザのGPSトラッカ11のIDが含まれる。購買履歴データは、対応するユーザの購買履歴を表す。購買履歴データには、消費者情報サーバ19から得られる対応するユーザの購買情報が蓄積される。
【0046】
記憶デバイス25が記憶する複数のサイネージデータD22には、情報配信システム1を通じた広告配信に利用されるディジタルサイネージ60毎のサイネージデータが含まれる。サイネージデータD22の夫々は、サイネージIDと、配置データと、を備える。サイネージIDは、対応するディジタルサイネージ60の識別コードを表す。配置データは、対応するディジタルサイネージ60の設置場所を表す。
【0047】
記憶デバイス25が記憶する複数のグループデータD23の夫々は、対応する広告の配信条件を定義する。具体的に、グループデータD23の夫々は、グループID、検索条件、及び、活性化条件を表す。グループデータD23の夫々は、更に、媒体情報及び配信時期情報を有する。
【0048】
グループIDは、グループデータD23の夫々に固有のIDである。検索条件は、広告配信先のグループに対応するユーザ群を定義する。活性化条件は、対応するグループが活性化する条件を表す。媒体情報は、配信媒体を指定する。配信時期情報は、広告配信を行う時期を指定する。
【0049】
図4及び
図5には、グループデータD23において定義される検索条件及び活性化条件の例を示す。
図4に示す第1例のグループデータは、検索条件によって、場所L1のユーザ群を定義し、活性化条件として場所L1で事象E1が発生することを定義する。このグループデータは更に、配信媒体として、ユーザデバイス50を指定する。このグループデータは、配信時期として、活性化条件が満足されている期間を指定し得る。第2例〜第10例に関しては後述する。
【0050】
処理デバイス21は、記憶デバイス25が記憶するプログラムに従って、
図6に示す処理を、定期的に繰返し実行する。この処理を開始すると、処理デバイス21は、通信デバイス29を通じて、リアルタイムデータを取得及び保存する(S110)。リアルタイムデータには、GPSトラッカ11からの位置情報、状態検出器13からの空間状態情報、気象情報サーバ15からの気象情報、社会情報サーバ17からの社会情報、及び、消費者情報サーバ19からの消費者情報が含まれる。
【0051】
S110において、処理デバイス21は、各GPSトラッカ11からの位置情報を、対応するユーザのユーザデータD21が有する移動履歴データに記録する。これにより、移動履歴データには、対応するユーザの位置情報が蓄積される。
【0052】
処理デバイス21は更に、消費者情報から、各ユーザの購買情報を抽出し、抽出した購買情報を、対応するユーザデータD21の購買履歴データに記録する。これにより、購買履歴データには、対応するユーザの購買情報が蓄積される。
【0053】
続くS120において、処理デバイス21は、記憶デバイス25が記憶する複数のグループデータD23の中から、判定対象のグループデータD23を一つ選択する。その後、処理デバイス21は、選択した判定対象のグループデータD23が示す検索条件に合致するユーザ群を探索する(S130)。探索は、上記取得及び保存したリアルタイムデータ、並びに、複数のユーザデータD21を参照して行なわれる。
【0054】
更に、処理デバイス21は、判定対象のグループデータD23が示す活性化条件が満足されているか否かを判定する(S140)。活性化条件が満足している場合(S140でYes)、処理デバイス21は、判定対象のグループデータD23に対応付けられた広告を、媒体情報に従うユーザデバイス50及び/又はディジタルサイネージ60に配信することを指示する指示データD25を、配信制御システム30に通信デバイス29を通じて送信する(S150)。その後、S160に移行する。
【0055】
S160において、処理デバイス21は、記憶デバイス25が記憶するグループデータD23の全てを、判定対象として選択したかを判断する。グループデータD23の全てを選択していない場合には(S160でNo)、S120に移行し、未選択のグループデータD23の一つを判定対象として新たに選択した後、S130以降の処理を実行する。
【0056】
処理デバイス21は、このようにして記憶デバイス25が記憶するグループデータD23の全てを順次、判定対象に選択してS130以降の処理を実行すると、S160で肯定判断して、
図6に示す処理を終了する。処理デバイス21は、上述した
図6に示す処理を定期的に繰返し実行することにより、各グループデータD23に関して活性化条件が満足されているか否かを定期的に繰返し判定する。
【0057】
判定対象のグループデータD23が
図4に示す第1例のグループデータである場合、S130では、GPSトラッカ11からの位置情報に基づき、場所L1内に位置するユーザ群が探索される。これらのユーザ群は、存在場所、活動、オフライン行動、及び環境に共通する特徴を有する人の集合に対応する。
【0058】
S140では、社会情報サーバ17からの社会情報に基づき、場所L1内で事象E1が発生しているか否かが判定される。場所L1内で事象E1が発生している場合には、検索条件に合致する場所L1内のユーザ群の各ユーザデバイス50に広告を配信することを指示する指示データD25が配信制御システム30に入力される(S150)。
【0059】
指示データD25は、
図2に示すように、活性化条件が満足されたと判定されたグループデータD23のグループID、広告配信先を指定する配信先指定情報、及び、配信時期を指定する時期指定情報が含まれる。
【0060】
第1例のグループデータによれば、指示データD25の配信先指定情報には、検索条件に合致する各ユーザのユーザデバイスIDの情報が含まれる。時期指定情報には、グループデータが表す配信時期情報に基づいた配信時期を指定する情報が含まれる。例えば、配信時期は、例えば「即時」であり得る。
【0061】
場所L1は、例えば事象E1として集会や興行が開催される施設であり得る。事象E1は、例えば音楽コンサートの開催であり得る。この場合、場所L1内のユーザ群は、音楽関連の広告に対して良好な反応を示す。従って、これらのユーザ群、及び、対応するユーザデバイス50のグループは、活性化しているということができ、このグループに、音楽関連の広告を配信することにより、高い広告効果が得られる。
【0062】
場所L1が公園であり、事象E1が飲食系の催事の開催である例も考えられる。この場合には、公園で、飲食系の催事が開催されている場合に、活性化条件が満足されていると判定して、公園にいるユーザ群が所持するユーザデバイス50のグループに、飲食関連の広告を配信することが考えられる。この広告は、催事が開催されているときに配信される必要はない。これらユーザ群においては、飲食に関して活性化している状態がしばらく続くと推定できる。従って、広告は、例えば、催事の所定日後に配信されてもよい。即ち、グループデータD23には、催事の所定日後に広告が配信されるように、配信時期情報が記述されてもよい。
【0063】
事象E1は、場所L1に近接する店舗で、売り切れ商品が再入荷されたことであってもよい。この場合には、再入荷を知らせる広告を、場所L1内のユーザ群に対応するユーザデバイス50のグループに配信することで、高い広告効果が得られる。
【0064】
判定対象のグループデータD23が、
図4に示す第2例のグループデータである場合、S130では、場所L2内に位置する年齢層A2のユーザ群が探索される。S140では、場所L2の周囲で事象E2が発生しているか否かが判定される。場所L2内で事象E2が発生している場合には、検索条件に合致する場所L2内の年齢層A2のユーザ群の各ユーザデバイス50に広告を配信することを指示する指示データD25が配信制御システム30に入力される(S150)。
【0065】
例えば、事象E2は、年齢層A2向けの催事であり得る。場所L2は、例えば、催事が行なわれている場所の最寄り駅であり得る。年齢層A2向けの催事が場所L2の周囲で行なわれている場合には、場所L2内の年齢層A2のユーザ群に対応するユーザデバイス50のグループに催事開催を案内する広告を配信することによって、高い広告効果が得られる。
【0066】
判定対象のグループデータD23が、
図4に示す第3例のグループデータである場合、S130では、場所L3内に位置する年齢層A3のユーザ群が探索される。S140では、場所L3が特定の気象状態W3にあるか否かが判定される。場所L3が特定の気象状態W3にある場合には、検索条件に合致する場所L3内の年齢層A3のユーザ群の各ユーザデバイス50に広告を配信することを指示する指示データD25が配信制御システム30に入力される(S150)。
【0067】
例えば、場所L3で雨が降っている場合には、場所L3に位置する若者が所持するユーザデバイス50のグループに、周辺のカフェなどの飲食店の広告又は屋内型のアミューズメント施設の広告を配信することによって、高い広告効果が得られる。広告には、クーポンが含まれてもよい。
【0068】
判定対象のグループデータD23が、
図4に示す第4例のグループデータである場合、S130では、時間帯Z4に地域R4内の自宅に位置するユーザ群が探索される。このグループデータD23は、例えば、時間帯Z4に限って判定対象に選択される。S140では、地域R4が特定の気象状態W4にあるか否かが判定される。地域R4が特定の気象状態W4にある場合には、検索条件に合致するユーザ群の各ユーザデバイス50に広告を配信することを指示する指示データD25が配信制御システム30に入力される(S150)。
【0069】
例えば、午前の時間帯に地域R4内の自宅に位置するユーザ群は、その後外出して地域R4内で活動する可能性がある。このユーザ群は、所属場所(地域R4)、存在場所(自宅)、及び、生活環境に共通する特徴を有する人の集合に対応する。これらのユーザ群は、同じ時間帯Z4に自宅にいるという点で、生活習慣に共通する特徴を有する人の集合にも対応する。
【0070】
このようなユーザ群に対応するユーザデバイス50のグループに、気象状態W4に対応した地域R4内の広告を配信することにより、高い広告効果が得られる。例えば、当日の予想平均気温が所定温度以下、又は、直近数日間の平均気温からの気温低下が所定温度以下であるような寒い日には、温かい食べ物についての広告を配信することにより、高い広告効果が得られる。逆に、気温が高い日には、冷たい食べ物についての広告を配信することにより、高い広告効果が得られる。広告と共に服装に関する情報を配信することも考えられる。
【0071】
判定対象のグループデータD23が、
図4に示す第5例のグループデータである場合、S130では、商品P5の購入歴を有するユーザ群が探索される。S130では、一つ以上のディジタルサイネージ60が設定された場所L5に存在する、商品P5の購入歴を有するユーザ群が探索されてもよい。商品P5の購入は、オンライン空間での購入であってもよいし、オフライン空間(即ち、実店舗)での購入であってもよい。このユーザ群は、オンライン行動及びオフライン行動の少なくとも一方に共通する特徴を有する人に対応する。
【0072】
S140では、場所L5に存在する商品P5の購入歴を有する人の数が値X5以上であるか否かが判定される。S130,S140の処理は、場所L5にいる人の集合のうち、商品P5の購入歴を有するユーザの数がX5以上であるか否かを判定する処理と理解されてもよい。上記人の数が値X5以上である場合には、場所L5に設置された一つ以上のディジタルサイネージ60に広告を配信することを指示する指示データD25が配信制御システム30に入力される(S150)。
【0073】
第5例のグループデータによれば、指示データD25の配信先指定情報には、場所L5に設置された一つ以上のディジタルサイネージ60のサイネージIDの情報が含まれる。場所L5において、商品P5の購入歴を有する人が所定人数以上存在する場合には、その場所L5内の人のグループ、又は、場所L5内の一つ以上のディジタルサイネージ60のグループは、商品P5に関連する広告に対して活性化した状態にあると言える。従って、場所L5内の人のグループ、又は、場所L5内の一つ以上のディジタルサイネージ60に広告を配信することにより、高い広告効果が得られる。
【0074】
第5例のグループデータには、商品P5の購入歴に代えて、商品P5の購入検討歴を有するユーザ群が探索されるように検索条件が記述されてもよい。購入検討歴は、商品P5を紹介する公式ウェブサイトへのアクセス履歴であってもよい。商品P5は、具体的な商品であってもよいし、特定カテゴリの商品群と理解されてもよい。購入検討歴の例には、車の購入検討歴が含まれる。
【0075】
第5例のグループデータには、場所L5に存在する商品P5の購入歴又は購入検討歴を有する人の、同場所L5内の人数に対する割合が値X5以上であることが活性化条件として記述されてもよい。例えば、過去所定期間に車の購入検討歴を有する人が所定割合以上存在する場所L5のディジタルサイネージ60で車が広告されることにより、高い広告効果が得られる。場所L5内の人数は、例えば場所L5の状態検出器13、例えば監視カメラを利用して特定可能である。
【0076】
判定対象のグループデータD23が、
図5に示す第6例のグループデータである場合、S130では、時間帯Z6に場所L6に存在するユーザ群が探索される。S140では、探索された検索条件に合致する時間帯Z6に場所L6に存在するユーザの夫々に関して個別に、場所L6における滞在時間が時間T6を超えたか否かがが判定される。滞在時間が時間T6を超えたユーザが所定人数以上いる場合には、グループデータの活性化条件が満足されていると判定される(S140でYes)。所定人数は、1人以上で任意に設定可能である。その設定値、即ち上記所定人数の情報は、グループデータに記述されてもよい。
【0077】
S150では、検索条件に合致するユーザ群であって活性化条件を満足するユーザ群の各ユーザデバイス50に広告を配信することを指示する指示データD25が配信制御システム30に入力される。第6例のグループデータによれば、指示データD25の配信先指定情報には、時間帯Z6に場所L6に存在するユーザ群であって場所L6における滞在時間が時間T6を超えたユーザ群のユーザデバイスIDが記述される。
【0078】
一例によれば、場所L6は歓楽街であり、時間帯Z6は夜の時間帯である。長期滞在するユーザ群に関しては、バーや居酒屋などの酒場を利用する可能性が高い。従って、これらのユーザ群、又は、対応するユーザデバイス50のグループに、酒場の広告を配信することにより、高い広告効果が得られる。
【0079】
判定対象のグループデータD23が、
図5に示す第7例のグループデータである場合、S130では、地域R7に初めて訪れたユーザ群が探索される。例えば、移動履歴データによれば過去に地域R7を訪れていないユーザ群であって、現在地域R7にいるユーザ群が探索される。S140では、探索されたユーザの夫々が地域R7内の特定場所L7に存在するか否かがが判定される。地域R7に初めて訪れたユーザであって特定場所L7に存在するユーザが所定人数以上いる場合には、活性化条件が満足されていると判定される(S140でYes)。
【0080】
S150では、検索条件に合致するユーザ群であって活性化条件を満足するユーザ群の各ユーザデバイス50に広告を配信することを指示する指示データD25が配信制御システム30に入力される。第7例のグループデータによれば、指示データD25の配信先指定情報には、地域R7に初めて訪れた地域R7内の特定場所L7に存在するユーザ群のユーザデバイスIDが記述される。
【0081】
地域R7内の特定場所L7は、例えば地域R7内の駅である。この場合、駅周辺のエリアガイドを含む広告を、対応するユーザ群のユーザデバイス50に配信することにより、高い広告効果が得られる。
【0082】
判定対象のグループデータD23が、
図5に示す第8例のグループデータである場合、S130では、地域R8に住むユーザ群が探索される。S140では、探索されたユーザの夫々が特定場所L8に位置するか否かがが判定される。地域R8に住み特定場所L8に位置するユーザが所定人数以上いる場合には、活性化条件が満足されていると判定される(S140でYes)。
【0083】
第8例のグループデータによれば、S150で送信される指示データD25の配信先指定情報には、地域R8に住み特定場所L8に位置するユーザ群のユーザデバイスIDが記述される。一例によれば、場所L8は、地域R8内の駅である。この場合、駅周辺の店舗に関する広告を、対応するユーザ群のユーザデバイス50に配信することにより、高い広告効果が得られる。
【0084】
判定対象のグループデータD23が、
図5に示す第9例のグループデータである場合、S130では、通勤路又は通学路に商品P9の販売場所があるユーザ群が探索される。各ユーザの通勤路又は通学路は、対応するユーザの移動履歴データから特定可能である。S140では、探索されたユーザの夫々に関して、ユーザが通勤又は通学時間帯Z9に販売場所の近くを通っているか否かが判定される。該当するユーザが所定人数以上いる場合には、活性化条件が満足されていると判定される(S140でYes)。第9例のグループデータによれば、S150で送信される指示データD25の配信先指定情報には、通勤又は通学時間帯Z9に販売場所の近くを通っているユーザ群のユーザデバイスIDが記述される。
【0085】
判定対象のグループデータD23が、
図5に示す第10例のグループデータである場合、S130では、商品P10の購入歴があるが、場所L10での決済履歴がないユーザ群が検索される。S140では、探索されたユーザの夫々に関して、ユーザが時間帯Z10に場所L10に接近しているか否かが判定される。該当するユーザが所定人数以上いる場合には、活性化条件が満足されていると判定される(S140でYes)。
【0086】
第10例のグループデータによれば、S150で送信される指示データD25の配信先指定情報には、時間帯Z10に場所L10に接近している、商品P10の購入歴があるが場所L10での決済履歴がないユーザ群のユーザデバイスIDが記述される。一例によれば、場所L10は、商品P10を販売する店舗であり得る。上述のユーザ群に対して、商品P10に関する広告を配信することにより、高い広告効果が得られる。
【0087】
指示データD25を受ける配信制御システム30は、記憶デバイス35に、判定システム20が記憶するグループデータD23の夫々に対応した管理データD30を有する。管理データD30は、グループIDに関連付けて、そのグループIDの指示データD25が入力された場合に、指示に従って送信すべき配信対象データ、具体的には広告データを記憶する。
【0088】
配信制御システム30の処理デバイス31は、判定システム20から指示データD25を受信すると、
図7に示す処理を実行する。具体的に、処理デバイス31は、受信した指示データD25が示すグループIDに関連付けられた配信対象データを読み出し(S210)、読み出した配信対象データを、指示データD25の配信先指定情報に従うユーザデバイス50及びディジタルサイネージ60の一方に、時期指定情報に従うタイミングで送信する(S220)。処理デバイス31は、特に時期指定がない場合には、指示データD25を受信した直後に、配信対象データを送信することができる。
【0089】
配信先指定情報に一つ以上のユーザデバイスIDが記述されている場合、処理デバイス31は、各ユーザデバイスIDに対応するユーザデバイス50に、配信対象データを送信することにより、これらのユーザデバイス50に広告配信する。ユーザデバイス50は、受信した配信対象データに基づく配信情報(広告)を内蔵のディスプレイに表示して、ユーザに広告内容を伝達する。
【0090】
配信先指定情報に一つ以上のサイネージIDが記述されている場合、処理デバイス31は、各サイネージIDに対応するディジタルサイネージ60に、配信対象データを送信することにより、これらのディジタルサイネージ60に広告配信する。ディジタルサイネージ60は、受信した配信対象データに基づく配信情報(広告)を内蔵のディスプレイに表示して、消費者に向けて広告内容を伝達する。
【0091】
以上に説明した本実施形態の情報配信システム1によれば、配信媒体(メディア)に固定的な価値があるとは考えず、価値が常に揺らいでいるとの考えに基づき、活性化条件を用いた配信決定を行なっている。
【0092】
即ち、この情報配信システム1では、検索条件及び活性化条件を満足するユーザ群に対応するユーザデバイス50及び/又はディジタルサイネージ60のグループに広告配信している。これにより、広告に対する感度/反応度が高い状態にあるユーザ群に、換言すれば、広告に反応した消費行動を行う可能性が高い状態にあるユーザ群に、広告配信を行なうことが可能である。
【0093】
従来では、ウェブサイト及びディジタルサイネージの夫々に対応する一以上の消費者の特徴がアドネットワーク事業者等により固定的に解釈されて、広告配信先のウェブサイト及びディジタルサイネージが選択されていたため、広告に対する消費者の感度が低い状態で、広告配信が行なわれることも多かった。
【0094】
これに対し、本実施形態によれば、活性化条件により、広告に対する感度/反応度の高さを少なくとも間接的に判定し、この判定結果に基づいて広告配信するため、従来よりも効果的な情報配信を行なうことが可能である。このことは、例えば公園や駅等の様々な場所において、そこにいる人の分布が、気象、催事の有無、及び、時間帯の影響を受けて大きく変化すること、並びに、人の興味が、環境により変化すること、から理解できるであろう。本実施形態によれば、配信媒体として、空間に拘束されない携帯型のユーザデバイス50を利用することから、環境変化に対応可能な活性化条件に基づく広告配信は、非常に効果的である。
【0095】
上述の情報配信システム1を用いて、広告をユーザデバイス50及びディジタルサイネージ60に配信する権利は、グループデータ毎に広告代理業者から広告主に販売することが可能である。これにより各グループデータには、活性化条件によく適合した広告が対応付けられる。この販売は、入札形式で行なわれてもよい。
【0096】
[第二実施形態]
第二実施形態の情報配信システム1は、第一実施形態と同一のハードウェア構成を有する。しかしながら、第二実施形態では、配信制御システム30の処理デバイス31が、
図7に示す処理に代えて、
図8に示す入札配信処理を実行するように構成される。第二実施形態は、その他の点で基本的に第一実施形態と同一であると理解されてよい。
【0097】
本実施形態における配信制御システム30の処理デバイス31は、
図8に示すように、判定システム20から指示データD25を受信すると、指示データD25が示すグループIDの活性化条件が満足されたことを、予め登録された図示しない入札参加希望者の情報処理システムに通信により通知する(S310)。入札参加希望者の情報処理システムは、配信制御システム30の処理デバイス31と通信可能に構成される。通知情報には、配信先のユーザ、ユーザデバイス50、及び/又はディジタルサイネージ60のグループ情報を含ませることができる。
【0098】
処理デバイス31は、その後の所定期間、入札参加希望者の情報処理システムからの入札を受け付ける(S320)。入札は通信により電子的に行われる。入札締切後、処理デバイス31は、最高の入札金額を示した入札者を落札者に決定し、落札者の広告データを、配信対象データとして落札者の情報処理システムから通信により取得する(S330)。その後、処理デバイス31は、指示データD25に従って、配信対象データに基づく広告配信を行う(S340)。
【0099】
第二実施形態によれば、各グループに対する広告配信の権利を、入札形式により良好な価格で広告主に販売することが可能である。別例として、処理デバイス31は、オークション形式で、各グループに対する広告配信の権利を販売するように構成されてもよい。
【0100】
[第三実施形態]
第三実施形態の情報配信システム1は、第一実施形態と同一のハードウェア構成を有する。しかしながら、第三実施形態では、上述した実施形態のいずれかと比較して、判定システム20の処理デバイス21が
図9に示す更新処理PR3を更に実行するように構成される。第三実施形態は、その他の点で基本的に上述の実施形態と同一であると理解されてよい。更新処理PR3は、記憶デバイス25が記憶する複数のグループデータD23の少なくとも一部に関して、グループデータ毎に定期的に繰返し実行される。
【0101】
処理デバイス21は、更新処理PR3において、広告配信に対する反応データに基づき、対応するグループデータD23内の活性化条件を更新する。更新は、より効果的な広告配信を実現するために行なわれる。
【0102】
処理デバイス21は、更新処理PR3において、対応するグループデータD23内の活性化条件を更新するために、当該活性化条件が満足されたときに広告配信を受けたユーザ群に関して、ユーザ毎の反応データD31及び配信環境データD35を取得する。
【0103】
反応データD31は、広告配信に対するユーザの反応を「1:有り」又は「0:無し」の二値で表す。広告配信に対する反応は、広告に電子クーポンを含ませることに容易に収集可能である。即ち、反応の有無は、電子クーポンの利用有無によって判定可能である。電子クーポンの利用有無を表す反応データD31は、広告配信先のユーザデバイス50から取得可能である。
【0104】
配信環境データD35は、広告配信時のユーザの環境を表す。この配信環境データD35は、広告配信時のユーザの位置情報、気象情報、空間状態情報、及び、社会状態情報に基づいて生成可能である。
【0105】
処理デバイス21は、この配信環境データD35を生成する装置からユーザ毎の配信環境データD35を取得することができる。ユーザデバイス50は、配信対象データの受信時に、配信環境データD35を生成するように構成され得る。処理デバイス21は、自身で配信環境データD35を生成してもよい。
【0106】
処理デバイス21は、取得したユーザ毎の反応データD31及び配信環境データD35を用いて、サポートベクタ−マシン(SVM)の手法を用いて、広告配信に反応したユーザと、広告配信に反応しなかったユーザとを良く分離する活性化条件を探索し、グループデータD23内の活性化条件を、探索により発見された活性化条件に更新する。
【0107】
サポートベクターマシンは、2クラスのパターン識別器を構成する技術として良く知られている。この技術を用いることで、広告配信に反応したユーザと、広告配信に反応しなかったユーザとを良く分離する活性化条件に係るパラメータを算出することができる。
【0108】
処理デバイス21は、更新処理PR3において、各ユーザに対応する配信環境データD35のデータ点を、配信環境データD35の要素に対応する多次元の特徴空間上に配置し、広告配信に反応したユーザのデータ点(例えば
図9に示す黒ドット)と、広告配信に反応しなかったユーザのデータ点(例えば
図8に示す白ドット)とを、最も良く分離する超平面を探索することにより、広告配信に反応したユーザと、広告配信に反応しなかったユーザとを良く分離する活性化条件を探索することができる。
【0109】
効果的な広告配信のための検索条件と活性化条件との組合せは、時間経過と共に変化する可能性がある。活性化条件の更新は、このような変化に適切に対応して、継続的に効果的な広告配信を実現し得る。付言すると、反応データD31は、広告に対応する購買行動の有無を表すデータであってもよい。この場合、処理デバイス21は、広告配信がなされた後の所定期間における広告に対応する商品又は役務の購買行動の有無を判定し、反応データD31を生成することができる。
【0110】
[第四実施形態]
第四実施形態の情報配信システム1は、第一実施形態と同一のハードウェア構成を有する。第四実施形態では、上述した実施形態のいずれかと比較して、判定システム20の処理デバイス21が、
図10に示す生成処理PR4を更に実行するように構成される。第四実施形態は、その他の点で基本的に上述の実施形態と同一であると理解されてよい。生成処理PR4では、消費者情報サーバ19から提供される消費者情報が分析されて、新たなグループデータが生成され、記憶デバイス25に保存される。
【0111】
処理デバイス21は、生成処理PR4において、消費者情報サーバ19から、多数の消費者に関する消費者毎の、デモグラフィック属性データ、活動データ、及び購買データを取得する。活動データは、対応する消費者の購買以外の活動に関する特徴データである。購買データは、対応する消費者の購買に関する特徴データである。
【0112】
処理デバイス21は、これらのデータに基づき、消費者間の類似度を、消費者毎の、当該消費者のデモグラフィックス属性、活動、及び購買に関する特徴に基づき評価し、デモグラフィックス属性、活動、及び購買に関する特徴が少なくとも類似する消費者の集合をまとめるように、消費者の一群をクラスタ化する。
【0113】
クラスタ化には、周知のクラスタリング技術を用いることができる。例えば、
図10に示すように特徴空間上に、各消費者のデータ点を配置したときに密集するデータ点の集合(
図10に示す丸型のドットの集合、及び、三角型のドットの集合)に対応する消費者の集合を一つのクラスタにまとめることができる。
【0114】
そして、処理デバイス21は、クラスタ毎に、クラスタに対応する消費者の集合に広告配信を行うための検索条件及び活性化条件を決定し、グループデータD23を生成する。例えば、検索条件は、クラスタに対応するデモグラフィック属性を有するユーザ群が探索されるように定められ得る。活性化条件は、クラスタに特徴的な活動であって、購買との相関が強い活動が発生したときに活性化条件が満足されるように定められ得る。
【0115】
処理デバイス21は、既にクラスタに対応するグループデータD23が存在する場合には、そのクラスタに対応する新たなグループデータD23を生成しないように動作してもよいし、グループデータD23を更新するように動作してもよい。
【0116】
消費行動の特徴は、流行等によって変動するものであり、不変ではない。従って、本実施形態のように、グループデータD23を動的に生成することによれば、変動する消費行動に良く適合した効果的な情報配信を行なうことが可能である。なお、特定商品の購買傾向の強いクラスタを発見するために、消費者間の類似度を評価する際には、特徴に関する各変数に対して重み付けがなされてもよい。
【0117】
[他の実施形態]
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、検索条件は、広告価値の評価関数を用いて、広告価値が閾値以上のユーザ群が探索されるように定められてもよい。このために、情報配信システム1の運営者は、収集データに基づく回帰分析等により、広告価値の評価関数を導出して、判定システム20に設定することができる。評価関数の利用により、詳細な条件で高精度に広告価値の高いユーザ群に対する広告配信を実現することが可能である。評価関数の入力変数には、デモグラフィック属性に関する変数の他、購買に関する変数が含まれてもよい。
【0118】
検索条件及び活性化条件は、ユーザの居場所に関する検索条件と、ユーザの居場所周辺における環境に関する活性化条件との組合せであってもよいし、ユーザの購買傾向に関する検索条件と、ユーザの移動に関する活性化条件との組合せであってもよい。検索条件及び活性化条件は、固定的な又は時間的変動が緩やかな変数により定義される検索条件と、時間的変動が速い変数により定義される活性化条件との組合せによって定義されてもよい。変動が緩やかな変数には、ユーザのデモグラフィック属性、購買傾向、及び、嗜好等に関する変数が含まれる。変動が速い変数には、気象、時限的なイベントに関する変数が含まれる。活性化条件は、リアルタイム情報に基づき、判定結果が変化する条件であることができる。
【0119】
この他、グループデータD23の動的生成は、コンピュータにより完全に自動的に行われてもよいし、一部手作業により行われてもよい。判定システム20及び配信制御システム30、並びに、その他のサーバは、それぞれ、複数マシンの協働により実現されてもよい。
【0120】
上述した
図4及び
図5に示す例の内、特定場所のユーザデバイス50に対して広告配信が行われる例に関しては、ユーザデバイス50に代えて又は加えて、対応する場所のディジタルサイネージ60への広告配信がなされてもよい。ユーザデバイス50による広告表示、ディジタルサイネージ60による広告表示のいずれによっても、対応するユーザへの広告表示を実現可能である。
【0121】
上記実施形態における1つの構成要素が有する機能は、複数の構成要素に分散して設けられてもよい。複数の構成要素が有する機能は、1つの構成要素に統合されてもよい。上記実施形態の構成の一部は、省略されてもよい。上記実施形態の構成の少なくとも一部は、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換されてもよい。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【0122】
[対応関係]
用語間の対応関係は、次の通りである。処理デバイス21が記憶デバイス25からグループデータD23を読み出す処理(S120)は、取得ユニットにより実現される処理の一例に対応する。処理デバイス21が実行するS130,S140の処理は、判定ユニットにより実現される処理の一例に対応する。処理デバイス21が実行するS150の処理は、出力ユニットにより実現される処理の一例に対応する。処理デバイス21が実行する更新処理PR3及び生成処理PR4は、生成ユニットにより実現される処理の一例に対応する。
【解決手段】情報処理システム(20)は、取得ユニット(21,S120)と、判定ユニット(21,S140)と、出力ユニット(S21,S150)と、を備える。取得ユニットは、情報配信先のグループを特定可能及びグループが活性化する条件である活性化条件を特定可能な情報を少なくとも含むグループデータを取得するように構成される。判定ユニットは、取得ユニットにより取得されたグループデータに基づき、グループデータから特定されるグループに関する活性化条件が満足されたか否かを判定するように構成される。出力ユニットは、判定ユニットにより活性化条件が満足されたと判定されたグループデータを特定可能な情報、及び、活性化条件が満足されたと判定されたグループデータに対応する配信グループを特定可能な情報の一方を出力するように構成される。