(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
空気導入口が形成された本体部と、空気流量を調整する為のスロットル通路の通路面積を調整する複数の略三角形状のブレードとを備え、前記各ブレードの第1角部は支持軸を介して前記本体部に回動可能に枢着されたスロットル装置において、
前記複数のブレードの半径方向外端側の第2角部に夫々設けられ且つ複数のブレードを前記支持軸の軸心回りに夫々回動させるための駆動力が付与される複数の可動軸と、
前記本体部に設けられ且つ前記複数の可動軸の前記支持軸の軸心回りの回動を誘導するための複数の誘導溝と、
前記空気導入口の外周側に配置され且つ前記空気導入口の軸心回りに回動可能な回動部材と、
前記回動部材に設けられ且つ前記複数の可動軸の前記空気導入口の半径方向への移動を許容する複数の駆動溝とを備え、
前記本体部は、上流側のケーシングを形成する上流側ケース部材と、下流側のケーシングを形成する下流側ケース部材とを有し、
互いに隣り合うブレードの一方のブレードを支持する前記支持軸が前記上流側ケース部材に支持され、他方のブレードを支持する前記支持軸が前記下流側ケース部材に支持され、
前記回動部材が回動することによって、前記複数の駆動溝が前記複数の可動軸に対して前記駆動力を付与し、前記複数の可動軸を前記支持軸の軸心回りに移動させることを特徴とするスロットル装置。
前記各ブレードの可動軸は、前記通路面積を拡大するための前記回動部材の回動方向に対して、このブレードの支持軸よりも追従側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスロットル装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0017】
最初に、車両用エンジン1とそのスロットル装置7について説明する。
図1に示すように、車両に搭載されたエンジン1は、シリンダブロック2と、その上面に組み付けられたシリンダヘッド3と、シリンダ内に往復動可能に嵌挿されたピストン(図示略)等を備え、シリンダブロック2とピストンとシリンダヘッド3によって燃焼室(図示略)が形成されている。
【0018】
シリンダヘッド3には、燃焼室内に空気(又は空気と燃料とを含む混合気)を供給するための吸気通路
(吸気通路管4a,4b)と、燃焼室内から燃焼後の排気を排出するための排気通路5が接続されている。吸気通路4の上流端にはエアクリーナ(図示略)に接続されている。吸気通
路には、空気を一旦貯留するサージタンク6と、燃焼室内に供給する空気流量を調整するスロットル装置7と、このスロットル装置7によって流量が調整された空気に燃料を噴射するインジェクタ(図示略)とが上流側から順に配設されている。
【0019】
次に、スロットル装置7について説明する。
図1〜
図6に示すように、スロットル装置7は、電動アクチュエータとしてのステッピングモータに連結され、このステッピングモータによってスロットル装置7のスロットル通路10の通路面積が調整される。ステッピングモータの駆動軸8の先端に固定されたピニオンギヤ8aがスロットル装置7の複数のギヤ歯13cに噛合され、ステッピングモータは、車両側の制御ユニット(図示略)によって電気的に制御される。
【0020】
制御ユニットは、アクセル部材(図示略)の操作量と燃焼室内に供給する目標空気量とステッピングモータの回転駆動量との相関マップを有し、センサで検知したアクセル部材の操作量に応じてステッピングモータの回転駆動量を設定している。 尚、
図3、
図4において、空気は矢印Fの方向へ流れ、この流れ方向を基準として、上流側、下流側を定義して説明する。
【0021】
スロットル装置7は、上流側のケーシングを形成する円環状のケース部材11と、下流側のケーシングを形成する円環状のケース部材12と、これらケース部材11,12の間に軸心回りに回動可能に介装された円環状の回動板13と、4枚の略三角形状のブレード14,15等を備えている。ケース部材11,12の中心側部分には円形の空気導入口11b,12bが形成され、4枚のブレード14,15により空気流量を調整する為のスロットル通路10が中心側に形成される。尚、
図5の矢印Rはスロットル通路10を拡大させる際の回動板13の回転方向を示し、この回転方向を基準として「前進側」、「追従側」を定義する。
【0022】
1対のブレード14は軸心X回りに点対称に構成され、1対のブレード15は軸心X回りに点対称に構成されている。ケース部材11,12と回動板13は同心状に配設され、ケース部材11,12の外径寸法は同じである。尚、ケース部材11,12が、スロットル装置7の本体部に相当している。ケース部材11,12と回動板13は、例えばAl合金材料で構成されている。ブレード14,15は、例えば、1〜2mmの厚さのAl合金製の板材で構成されている。
【0023】
図1〜
図6に示すように、ケース部材11の上流側壁部に吸気通路管4aが接続されている。ケース部材11の半径方向内側部分には下流側に突出したボス部11aが形成され、回動板13は、ニードルベアリング9を介してボス部11aに回動自在に枢着されている。
【0024】
ケース部材12の下流側壁部に吸気通路管4bが接続されている。ケース部材11,12は軸心方向に所定距離離間した状態に配設され、ケース部材11,12は、それらの外周側端部を連結する外筒部材(図示略)で連結されている。
【0025】
ケース部材12の上流側壁部には円弧状の4つの誘導溝12aが形成され、これら4つの誘導溝12aは90°間隔の位置に形成されている。回動板には4つの駆動溝13aが軸心方向に貫通状に形成され、これら4つの駆動溝13aは、90°間隔の位置に形成されている。
【0026】
ブレード14の前進側の第1角部14aが支持軸16によりケース部材11に回動自在に支持されている。各ブレード14の半径方向外端側且つ第1角部14aよりも追従側の第2角部14bには可動軸18が固着され、この可動軸18が回動板13の駆動溝13aを貫通し、可動軸18の下流側端部が対応する誘導溝12aに移動自在に嵌合され、可動軸18の上流側端部には駆動溝13aよりも大径の頭部18aが形成されている。
【0027】
ブレード15の前進側の第1角部15aが支持軸17によりケース部材12に回動自在に支持されている。各ブレード15の半径方向外端側且つ第1角部15aよりも追従側の第2角部15bには可動軸19が固定され、この可動軸19が回動板13の駆動溝13aを貫通し、可動軸19の下流側端部が対応する誘導溝12aに移動自在に嵌合され、可動軸19の上流側端部には駆動溝13aよりも大径の頭部19aが形成されている。
【0028】
4つの誘導溝12aは、ブレード14,15が支持軸16,17を中心にして回動するのを許容するように可動軸18,19を誘導する円弧形の溝である。4つの駆動溝13aは、回動板13が回動することによって生じた駆動力を可動軸18,19に伝達可能な回動板13の半径方向に直線的に延びる溝である。つまり、駆動溝13aは、回動板13が回動する際に可動軸18,19の軸心X回りの移動を許容し且つ可動軸18,19の半径方向への移動を許容する溝である。
【0029】
4つの誘導溝12aと4つの駆動溝13aについて、
図2に示すように、スロットル通路10が見掛け上全閉状態のとき、各駆動溝13aの半径方向内側端部と、それに対応する誘導溝12aの半径方向内側端部とが重なり合い、
図6に示すように、スロットル通路10が全開状態のとき、各駆動溝13aの半径方向外側端部と、それに対応する誘導溝12aの半径方向外側端部とが重なり合うように設定されている。
【0030】
ブレード14は、第1角部14aと第2角部14bと第3角部14cとを備え、第1角部14aと第2角部14bとを結ぶ辺14uが直線状に形成され、第2角部14bと第3角部14cとを結ぶ辺14vが円弧状に形成され、第2角部14bと第3角部14cを結ぶ辺14wが辺14vとほぼ同曲率の円弧状に形成されている。
【0031】
同様に、ブレード15は、第1角部15aと第2角部15bと第3角部15cとを備え、第1角部15aと第2角部15bとを結ぶ辺15uが直線状に形成され、第2角部15bと第3角部15cとを結ぶ辺15vが円弧状に形成され、第2角部15bと第3角部15cを結ぶ辺15wが辺15vとほぼ同曲率の円弧状に形成されている。
【0032】
こうして、
図2に示すように、4枚のブレード14,15を全閉状態にした状態においては、辺14vの一部と辺15w、辺15vの一部と辺14wとが僅かなラップ代をもって且つ軸心方向に僅かな隙間をもって重複するため、軸心方向から視て全閉状態になるが、スロットル通路10はエンジンアイドル運転に必要な空気を供給可能な通路面積を有するようになっている。
【0033】
回動板13を回動させる為、回動板13の半径方向外側端部には複数のギヤ歯13cが形成され、ギヤ歯
13cは例えば軸心に対して90°の開角をなす範囲に形成されている。ステッピングモータの駆動軸8に固着されたピニオンギヤ8aが、ギヤ歯13cに噛合され、ステッピングモータにより回動板13を正逆回動駆動可能になっている。
【0034】
次に、スロットル装置7の作用、効果について説明する。
図2に示すように、アクセル部材が操作されていないとき、ステッピングモータが駆動されないため、回動板13は初期位置を維持し、4枚のブレード14,15が図示の状態になって、前記のように全閉状態になるものの、スロットル通路10は全閉状態ではなく、
アイドリング運転用の空気は確保される。
【0035】
図5に示すように、アクセル部材が操作されたとき、その操作量に応じてステッピングモータが回転駆動されるため、これに連動して回動板13も矢印R方向に回動し、4枚のブレード14,15が回動板13の回動角に応じて回動してスロットル通路10が中開度状態になる。このとき、回動板13の回動に同期して、駆動溝13aが誘導溝12aに対して相対的に矢印R方向へ移動するため、駆動溝13aから可動軸18,19へ矢印R方向に向かう駆動力が入力され、可動軸18,19の移動に伴ってブレード14,15が各々の支持軸16,17回りに同期回動する。こうして、スロットル通路10がアクセル部材の操作量に応じた開度状態になる。
【0036】
アクセル部材の操作量が最大になると、
図6に示すように、回動板13が最大限駆動され、4枚のブレード14,15が最大限回動してスロットル通路10が最大になる。
このとき、空気導入口11b,12bがスロットル通路10の機能を奏することになる。
【0037】
4枚のブレード14,15の第1角部14a,15aは支持軸16,17を介してケース部材11,12の半径方向内端側部分に回動可能に夫々枢着され、4枚のブレード14,15の半径方向外端側の第2角部14b,15bに可動軸18,19が夫々設けられ、それら可動軸18,19を回動板13により回動させることで、4枚のブレード14,15を回動(揺動)させてスロットル通路10の通路面積を調整するように構成したため、4枚のブレード14,15でスロットル通路10の通路面積を調整することができる。それ故、スロットル通路10を流れる空気流を横断するような障害物のない吸気抵抗の小さなスロットル装置7になる。
【0038】
4つの可動軸18,19の支持軸16,17の軸心回りの回動を誘導するための4つの誘導溝13aを回動板13に備えているため、可動軸18,19を両端支持することができ、4枚のブレード14,15を支持軸16,17を中心として回動させることができる。 しかも、可動軸18,19の空気導入口11b,12bの半径方向への移動を許容する4つの駆動溝13aを回動板13に設け、これら駆動溝13aにより可動軸18,19に対して駆動力を付与して4枚のブレード14,15を回動させるため、4枚のブレード14,15を同期回動させる駆動用の部品数を節減して簡単な構造のスロットル装置7を実現することができる。
【0039】
前記駆動溝13aは空気導入口11b,12bの半径方向へ延びて回動板13を軸心方向に貫通した溝であるため、4つの駆動溝13aでもって4枚のブレード14,15を同期回動させることができる。前記ブレード14,15の可動軸18,19は、スロットル通路10の通路面積を拡大するための回動板13の回動方向に対して、このブレード14,15の支持軸16,17よりも追従側に配置されているため、ブレード14,15の小型化を図ることができる。
【実施例2】
【0040】
次に、実施例2に係るスロットル装置7Aについて
図7〜
図9に基づいて説明する。尚、実施例1と同様の構成については、同一の符号を付し、異なる構成のみ説明する。
実施例2では、ケース部材21に支持された6枚の略三角形状のブレード24と、ケース部材22に支持された6枚の略三角形状のブレード25によって空気流量を調整する為のスロットル通路の通路面積を調整している。
【0041】
スロットル装置7Aは、上流側のケーシングを形成する円環状のケース部材21と、下流側のケーシングを形成する円環状のケース部材22と、これらケース部材21,22の間に軸心回りに回動可能に介装された円環状の回動板23と、6枚の略三角形状のブレード24と、6枚の略三角形状のブレード25等を備えている。ケース部材21,22と回動板23とは、同心状に配設され、ケース部材21,22の外径寸法は同じである。ケース部材21,22の中心側部分には円形の空気導入口21b,22bが形成され、複数のブレード24,25により空気流量を調整する為のスロットル通路10Aが中心側に形成される。
【0042】
図8に示すように、ケース部材21の半径方向内側部分には下流側に突出したボス部21aが形成され、このボス部21aにニードルベアリング9を介して回動板23が回動自在に枢着されている。
ケース部材22の上流側壁部には、12本の円弧状の誘導溝22aが形成され、これらの誘導溝22aは30°間隔の位置に形成されている。回動板23には12本の駆動溝23aが軸心方向に貫通状に形成され、これらの駆動溝23aは30°間隔の位置に形成されている。
【0043】
ブレード24は、第1角部24aと第2角部24bと第3角部24cとを備え、第1角部24aと第2角部24bとを結ぶ辺24uが略直線状に形成され、第2角部24bと第3角部24cとを結ぶ辺24vが円弧状に形成され、第1角部24aと第3角部24cを結ぶ辺24wが辺24vとほぼ同曲率の円弧状に形成される。同様に、ブレード25は、第1角部25aと第2角部25bと第3角部25cとを備え、直線状の辺25u及び円弧状の辺25v,25wを形成している。
【0044】
ブレード24の前進側の第1角部24aが支持軸26によりケース部材21の半径方向内端側部分に回動自在に支持されている。各ブレード24の半径方向外端側且つ第1角部24aよりも追従側の第2角部24bには可動軸28が固着され、この可動軸28が回動板23の駆動溝23aを貫通し、可動軸28の下流側端部が対応する誘導溝22aに移動自在に嵌合され、可動軸28の上流側端部には駆動溝23aよりも大径の頭部28aが形成されている。
【0045】
ブレード25はブレード24の下流側に配設され、ブレード25の前進側の第1角部25aが支持軸27によりケース部材22の半径方向内端側部分に回動自在に支持されている。各ブレード25の半径方向外端側且つ第1角部25aよりも追従側の第2角部25bには可動軸29が固定され、この可動軸29が回動板23の駆動溝23aを貫通し、可動軸29の下流側端部が対応する誘導溝22aに移動自在に嵌合され、可動軸29の上流側端部には駆動溝23aよりも大径の頭部29aが形成されている。
【0046】
12本の誘導溝22aは、ブレード24,25が支持軸26,27を中心にして回動するのを許容するように可動軸28,29を誘導する円弧形の溝である。12本の駆動溝23aは、回動板23が回動することによって生じた駆動力を可動軸28,29に伝達可能な回動板23の半径方向に直線的に延びる溝であるため、回動板23が回動する際に可動軸28,29の軸心X回りの移動を許容し且つ可動軸28,29の半径方向への移動を許容している。
【0047】
12本の誘導溝22aと12本の駆動溝23aについて、
図7に示すように、スロットル通路10Aが全閉状態のとき、各駆動溝23aの半径方向内側端部と、それに対応する誘導溝22aの半径方向内側端部とが重なり合い、
図9に示すように、スロットル通路10Aが全開状態のとき、各駆動溝23aの半径方向外側端部と、それに対応する誘導溝22aの半径方向外側端部とが重なり合うように設定されている。
【0048】
図7に示すように、12枚のブレード24,25が全閉状態のとき、ブレード24の辺24vが隣り合うブレード24の辺24wに当接し、ブレード25の辺25vが隣り合うブレード25の辺25wに当接するため、スロットル通路10Aが全閉状態にされる。
尚、ブレード24,25を全閉状態にした状態では、ブレード25の辺25v(辺25w)がブレード24の周方向中間位置に位置するように設定されている。
【0049】
アクセル部材が操作されたとき、その操作量に応じてステッピングモータが回転駆動されるため、回動板23の回動に同期して、駆動溝23aが誘導溝22aに対して相対的に矢印R方向へ移動する。これにより、駆動溝23aから可動軸28,29へ矢印R方向に向かう駆動力が入力され、可動軸28,29の移動に伴ってブレード24,25が各々の支持軸26,27回りに同期回動して略円形状のスロットル通路10Aを形成する。
図9に示すように、アクセル部材の操作量が最大のとき、回動板23が最大限駆動され、12枚のブレード24,25が最大限回動してスロットル通路10Aが最大になる。
このスロットル装置7Aによれば、実施例1のスロットル装置7と同様の作用・効果を得ることができる。アクセル部材が所定量操作されて回動板23が中開度位置のとき、各々のブレード24,25が形成するスロットル通路10Aを略円形状に形成することができ、スロットル通路10Aの通路面積が同じスロットル装置に比べてエンジン1に供給する空気流量を増加することができる。尚、ブレード24,25を全閉状態にした場合、流入する空気が完全に遮断されるため、エンジンアイドル運転に必要な空気を供給可能な通路面積を形成するように回動板23の初期位置を設定する。
【実施例3】
【0050】
次に、実施例3に係るスロットル装置7Bについて
図10〜
図12に基づいて説明する。尚、実施例1と同様の構成については、同一の符号を付し、異なる構成のみ説明する。
実施例3では、3枚の略三角形状のブレード34〜36によって空気流量を調整するためのスロットル通路の通路面積を調整している。
【0051】
スロットル装置7Bは、上流側のケーシングを形成する円環状のケース部材31と、下流側のケーシングを形成する円環状のケース部材32と、これらケース部材31,32の間に軸心回りに回動可能に介装された円環状の回動板33と、3枚の略三角形状のブレード34〜36等を備えている。
ケース部材31,32と回動板33とは、同心状に配設され、ケース部材31,32の外径寸法は同じである。ケース部材31,32の中心側部分には円形の空気導入口31b,32bが形成され、複数のブレード34〜36により空気流量を調整する為のスロットル通路10Bが中心側に形成される。
【0052】
図11に示すように、ケース部材31の半径方向内側部分には下流側に突出したボス部31aが形成され、このボス部31aにニードルベアリング9を介して回動板33が回動自在に枢着される。ケース部材32の上流側壁部には、3本の円弧状の誘導溝32aが形成され、これらの誘導溝32aは120°間隔の位置に形成されている。回動板33には3本の駆動溝33aが軸心方向に貫通状に形成され、これらの駆動溝33aは120°間隔の位置に形成されている。
【0053】
ブレード34は、第1角部34aと第2角部34bと第3角部34cとを備え、第1角部34aと第2角部34bとを結ぶ辺34u及び第1角部34aと第3角部34cを結ぶ辺34wが略直線状に形成され、第2角部34bと第3角部34cとを結ぶ辺34vが円弧状に形成されている。同様に、ブレード35は、第1角部35aと第2角部35bと第3角部35cとを備え、直線状の辺35u,35v及び円弧状の辺35wを形成している。ブレード36は、第1角部36aと第2角部36bと第3角部36cとを備え、直線状の辺36u,36v及び円弧状の辺36wを形成している。
【0054】
ブレード34の前進側の第1角部34aが支持軸37によりケース部材31の半径方向内端側部分に回動自在に支持されている。ブレード34の半径方向外端側且つ第1角部34aよりも追従側且つ半径方向外端側の第2角部34bには可動軸40が固着され、この可動軸40が回動板33の駆動溝33aを貫通し、可動軸40の下流側端部が対応する誘導溝32aに移動自在に嵌合され、可動軸40の上流側端部には駆動溝33aよりも大径の頭部40aが形成されている。
【0055】
ブレード35はブレード34よりも下流側に配設され、ブレード35の前進側の第1角部35aが支持軸38によりケース部材31の半径方向内端側部分に回動自在に支持されている。ブレード35の半径方向外端側且つ第1角部35aよりも追従側且つ半径方向外端側の第2角部35bには可動軸41が固定され、この可動軸41が回動板33の駆動溝33aを貫通し、可動軸41の下流側端部が対応する誘導溝32aに移動自在に嵌合され、可動軸41の上流側端部には駆動溝33aよりも大径の頭部(図示略)が形成されている。
【0056】
ブレード36はブレード35よりも下流側に配設され、ブレード36の前進側の第1角部36aが支持軸39によりケース部材31の半径方向内端側部分に回動自在に支持されている。ブレード36の半径方向外端側且つ第1角部36aよりも追従側且つ半径方向外端側の第2角部36bには可動軸42が固定され、この可動軸42が回動板33の駆動溝33aを貫通し、可動軸42の下流側端部が対応する誘導溝32aに移動自在に嵌合され、可動軸42の上流側端部には駆動溝33aよりも大径の頭部(図示略)が形成されている。
【0057】
3つの誘導溝32aは、ブレード34〜36が支持軸37〜39を中心にして回動するのを許容するように可動軸40〜42を誘導する円弧形の溝である。3つの駆動溝33aは、回動板33が回動することによって生じた駆動力を可動軸40〜42に伝達可能な回動板33の半径方向に直線的に延びる溝であるため、回動板33が回動する際に可動軸40〜42の軸心X回りの移動を許容し且つ可動軸40〜42の半径方向への移動を許容している。
【0058】
3つの誘導溝32aと3つの駆動溝33aについて、
図10に示すように、スロットル通路10Bが全閉状態のとき、各駆動溝33aの半径方向内側端部と、それに対応する誘導溝32aの半径方向内側端部とが重なり合い、
図12に示すように、スロットル通路10Bが全開状態のとき、各駆動溝33aの半径方向外側端部と、それに対応する誘導溝32aの半径方向外側端部とが重なり合うように設定されている。
【0059】
図10に示すように、3枚のブレード34〜36が全閉状態のとき、ブレード34〜36が相互に部分的に重合することで空気導入口21b,22bが全閉状態にされる。
アクセル部材が操作されたとき、その操作量に応じてステッピングモータが回転駆動されるため、回動板33の回動に同期して、駆動溝33aが誘導溝32aに対して相対的に矢印R方向へ移動する。これにより、駆動溝33aから可動軸40〜42へ矢印R方向に向かう駆動力が入力され、可動軸40〜42の移動に伴ってブレード34〜36が各々の支持軸37〜39回りに同期回動して略円形状のスロットル通路10Bを形成する。
図12に示すように、アクセル部材の操作量が最大のとき、回動板33が最大限駆動され、ブレード34〜36が最大限回動してスロットル通路10Bが最大になる。
このスロットル装置7Bによれば、実施例1のスロットル装置7と同様の作用・効果を得ることができる。また、複数のブレード34〜36を片方のケース部材31に集中して配置することができ、一層構造の簡単化を図ることができる。
【0060】
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、空気導入口の軸心部分を流れる空気を遮断するブレードの例を説明したが、回動板が初期位置のとき、空気導入口の軸心部分を空気が流れるように、各ブレードに、アイドリングに必要な空気流量の通過を許容する開口を形成する切欠き部分を形成しても良い。
【0061】
2〕前記実施例においては、ケース部材及び回動プレートをAl合金材料で形成した例を説明したが、ステンレス鋼材等仕様に応じて各種金属を選択可能である。また、ケース部材をAl合金材料で形成し、回動プレートをステンレス鋼材で形成しても良い。
3〕前記実施例においては、回転板をギヤ歯を介してステップモータにより回動駆動する例を説明したが、回転板をアクセル部材にワイヤ等を介して連結し、アクセル部材の操作量によって回転板を直接的に回動駆動しても良い。
【0062】
4〕前記実施例3においては、一方のケース部材にブレード支持部を形成し、他方のケース部材に誘導溝を形成した例を説明したが、片方の固定プレートにブレード支持部と誘導溝とを形成し、他方の固定プレートを省略しても良い。
5〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。