(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づき、本発明の一実施形態について説明する。
【0023】
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る回転電機10は、モータ部12と、回路部14と、複数のターミナル16A〜16Dとを備えている。
【0024】
モータ部12は、一例として、10極12スロットのアウタロータ型ブラシレスモータとされている。このモータ部12は、
図5A,
図5Bに示されるように、ロータ18及びステータ20を有している。
【0025】
ステータ20は、ステータコア22と、複数の巻線24U,24V,24Wとを有しており、ステータコア22は、複数のコアシートを積層して形成したコア本体26と、コア本体26に軸方向両側から装着されたインシュレータ28とを有している。ステータコア22の内周側には、環状の円環部30が形成されており、この円環部30の周囲には、複数のティース32U1〜32W4が放射状に形成されている。
【0026】
複数の巻線24U,24V,24Wは、U相、V相、W相の3相を構成しており、複数のティース32U1〜32W4にそれぞれ巻回されている。
図2に示されるように、複数の巻線24U,24V,24Wの端末部34U1,34U2,34W1及び
図2において図示しないその他の端末部は、モータ部12の軸方向一方側に延出されている(
図3A,
図4A,
図5Aも参照)。
【0027】
図1に示されるように、回路部14は、モータ部12の軸方向視にてモータ部12と並んで配置されている。この回路部14は、回路ケース36と、この回路ケース36に収容された制御基板38とを有している。
【0028】
複数のターミナル16A〜16Dの本数は、一例として、4本とされている。各ターミナル16A〜16Dは、導電性を有する金属材料により形成されており、板金製とされている。各ターミナル16A〜16Dの一端は、制御基板38と接続されており、各ターミナル16A〜16Dの他端には、クランプ部40が形成されている。各クランプ部40には、複数の巻線24U,24V,24Wの端末部34U1〜34W2がそれぞれクランプされており、これにより、制御基板38と複数の巻線24U,24V,24Wの端末部34U1〜34W2とは、複数のターミナル16A〜16Dによって結線されている。
【0029】
また、
図2〜
図5Bに示される複数の巻線24U,24V,24Wは、デルタ結線されている。この全ての複数の巻線24U,24V,24Wは、次のように複数のティースへの巻線方法が工夫されており、これにより、各端末部34U1〜34W2は、
図1に示される如くモータ部12の中心軸Cよりも回路部14側(モータ部12の軸方向と直交する方向の一方側であって、矢印X1側)に配置されている。
【0030】
続いて、その複数の巻線24U,24V,24Wの各ティースへの巻回方法について説明する。
【0031】
先ず、
図3Aに示されるように、複数のティース32U1〜32W4を、ステータ20の周方向一方側(矢印R1側)へ順に第1番のティースから第12番のティースとする。つまり、複数のティース32U1〜32W4の番号は、以下の通りである。
図3A〜
図5Bのティースには、第1番〜第12番までの番号が付されている。
(1)U相のティース32U1⇒第1番のティース
(2)U相のティース32U4⇒第2番のティース
(3)W相のティース32W1⇒第3番のティース
(4)W相のティース32W3⇒第4番のティース
(5)V相のティース32V2⇒第5番のティース
(6)V相のティース32V3⇒第6番のティース
(7)U相のティース32U3⇒第7番のティース
(8)U相のティース32U2⇒第8番のティース
(9)W相のティース32W2⇒第9番のティース
(10)W相のティース32W4⇒第10番のティース
(11)V相のティース32V4⇒第11番のティース
(12)V相のティース32V1⇒第12番のティース
【0032】
そして、次のようにして、第1相としてのU相の巻線24Uは、第1番のティース32U1、第8番のティース32U2、第7番のティース32U3、及び、第2番のティース32U4に巻回される。つまり、
図3Aに示されるように、巻線24Uの巻き始めの端末部34U1は、第1番のティース32U1と第2番のティース32U4との間に配置される。このとき、巻線24Uの巻き始めの端末部34U1は、ステータ20の軸方向一方側へ延出される。そして、
図3A,
図3Bに示されるように、巻線24Uは、第1番のティース32U1に該ティースの先端側から見て反時計回りに巻回される。その後、
図3Bに示されるように、巻線24Uの一部が渡り線42U1として円環部30の軸方向他方側に配索される。
【0033】
また、巻線24Uは、第8番のティース32U2に該ティースの先端側から見て反時計回りに巻回された後、第7番のティース32U3に該ティースの先端側から見て時計回りに巻回される。そして、
図3Aに示されるように、巻線24Uの一部が渡り線42U2として円環部30の軸方向一方側に配索される。その後、巻線24Uは、第2番のティース32U4に該ティースの先端側から見て時計回りに巻回される。また、巻線24Uの巻き終りの端末部34U2は、第2番のティース32U4と第3番のティース32W1との間に配置される。このとき、巻線24Uの巻き終りの端末部34U2は、ステータ20の軸方向一方側へ延出される。以上のようにして、U相の巻線24Uは、第1番のティース32U1、第8番のティース32U2、第7番のティース32U3、及び、第2番のティース32U4に巻回される。
【0034】
続いて、次のようにして、第2相としてのV相の巻線24Vが、第12番のティース32V1、第5番のティース32V2、第6番のティース32V3、及び、第11番のティース32V4に巻回される。つまり、
図4Aに示されるように、巻線24Vの巻き始めの端末部34V1は、第12番のティース32V1と第11番のティース32V4との間に配置される。このとき、巻線24Vの巻き始めの端末部34V1は、ステータ20の軸方向一方側へ延出される。そして、
図4A,
図4Bに示されるように、巻線24Vは、第12番のティース32V1に該ティースの先端側から見て時計回りに巻回される。その後、
図4Bに示されるように、巻線24Vの一部が渡り線42V1として円環部30の軸方向他方側に配索される。
【0035】
また、巻線24Vは、第5番のティース32V2に該ティースの先端側から見て時計回りに巻回された後、第6番のティース32V3に該ティースの先端側から見て反時計回りに巻回される。そして、
図4Aに示されるように、巻線24Vの一部が渡り線42V2として円環部30の軸方向一方側に配索される。その後、巻線24Vは、第11番のティース32V4に該ティースの先端側から見て反時計回りに巻回される。また、巻線24Vの巻き終りの端末部34V2は、第11番のティース32V4と第10番のティース32W4との間に配置される。このとき、巻線24Vの巻き終りの端末部34V2は、ステータ20の軸方向一方側へ延出される。以上のようにして、V相の巻線24Vは、第12番のティース32V1、第5番のティース32V2、第6番のティース32V3、及び、第11番のティース32V4に巻回される。
【0036】
続いて、次のようにして、第3相としてのW相の巻線24Wが、第3番のティース32W1、第9番のティース32W2、第4番のティース32W3、及び、第10番のティース32W4に巻回される。つまり、
図5Aに示されるように、巻線24Wの巻き始めの端末部34W1は、第2番のティース32U4と第3番のティース32W1との間に配置される。このとき、巻線24Wの巻き始めの端末部34W1は、ステータ20の軸方向一方側へ延出される。そして、
図5A,
図5Bに示されるように、巻線24Wは、第3番のティース32W1に該ティースの先端側から見て時計回りに巻回される。その後、
図5Aに示されるように、巻線24Wの一部が第一(一回目)の渡り線42W1として円環部30の軸方向一方側に配索される。
【0037】
また、巻線24Wは、第9番のティース32W2に該ティースの先端側から見て反時計回りに巻回される。そして、その後、巻線24Wの一部が第二(二回目)の渡り線42W2として円環部30の軸方向一方側に配索される。
【0038】
次いで、巻線24Wは、第4番のティース32W3に該ティースの先端側から見て反時計回りに巻回される。そして、
図5Bに示されるように、巻線24Wの一部が渡り線42W3として円環部30の軸方向他方側に配索される。その後、巻線24Wは、第10番のティース32W4に該ティースの先端側から見て時計回りに巻回される。また、巻線24Wの巻き終りの端末部34W2は、第10番のティース32W4と第11番のティース32V4との間に配置される。このとき、巻線24Wの巻き終りの端末部34W2は、ステータ20の軸方向一方側へ延出される。以上のようにして、W相の巻線24Wは、第3番のティース32W1、第9番のティース32W2、第4番のティース32W3、及び、第10番のティース32W4に巻回される。
【0039】
また、ステータ20は、上述の第1番のティース32U1、第2番のティース32U4、第3番のティース32W1、第10番のティース32W4、第11番のティース32V4、第12番のティース32V1が
図1に示されるモータ部12の中心軸Cよりも回路部14側(矢印X1側)に位置するように配置されている。そして、これにより、各端末部34U1〜34W2は、
図1に示される如くモータ部12の中心軸Cよりも回路部14側に配置されている。
【0040】
また、上述のU相の巻線24Uは、各ティース32U1〜32U4に該ティースの基端側から巻回されている(
図11A,
図11Bも参照)。
図12には、U相の巻線24Uが、各ティース32U2,32U3に該ティースの基端側から巻回されていることがより詳細に示されている。つまり、
図12において、巻線24Uの断面中に付された番号1〜49は、巻線24Uの巻き順を表している。上述のV相の巻線24V、W相の巻線24Wも、U相の巻線24Uと同様である。
【0041】
また、第1番のティース32U1から第12番のティース32V1のうち隣り合うティースの一方から他方へ巻線24U,24V,24Wが巻回されるときには、一方のティースに巻回された巻線の最終のターンは、一方のティースに巻回された巻線の最初のターンよりもステータ20の径方向内側を通っている。
【0042】
例えば、
図11A,
図11Bに示されるように、U相の巻線24Uの場合、隣り合うティース32U2,32U3の一方から他方へ巻線24Uが巻回されるときには、一方のティース32U2に巻回された巻線24Uの最終のターンTn+1は、一方のティース32U2に巻回された巻線24Uの最初のターンT1よりもステータ20の径方向内側を通っている。
図11A,
図11Bにおいて、符号T1は、最初のターンを示しており、符号T2は、2ターン目を示している。また、符号Tnは、巻き終りのターンを示しており、Tn+1は、次のティース32U3へ移行する最終ターンを示している。
【0043】
また、上述のV相の巻線24V、W相の巻線24Wも、U相の巻線24Uと同様に、一方のティースに巻回された巻線の最終のターンは、一方のティースに巻回された巻線の最初のターンよりもステータ20の径方向内側を通っている。
【0044】
さらに、
図6に示されるように、ステータ20には、複数の突起部44が形成されている。例えば、
図11Aに示されるように、U相の巻線24Uのための突起部44は、隣り合うティース32U2,U3のうちの一方のティース32U2に形成されている。そして、U相の巻線24Uのための突起部44は、巻線24Uの最初のターンT1と最終のターンTn+1との間に介在されている。U相の他のティース、及び、V相及びW相のティースについても同様である。
【0045】
また、
図6に示されるように、ステータ20には、複数(三つ)の保持部46A〜46Cが形成されている。各保持部46A〜46Cは、所謂、スナップフィット構造となっている。保持部46Aは、ステータ20の周方向に並ぶ一対の保持片48A,48Bによって構成され、保持部46B,46Cは、ステータ20の周方向に並ぶ三つの保持片50A〜50Cによって構成されている。保持部46Bは、保持片50A,50Bによって構成されており、保持部46Cは、保持片50B,50Cによって構成されている。各保持部46A〜46Cは、突条に形成されており、ステータ20の軸方向に延びている。また、保持部46Aは、第2番のティース32U4と第3番のティース32W1との間に形成されており、保持部46B,44Cは、第10番のティース32W4と第11番のティース32V4との間に形成されている。
【0046】
そして、
図7に示されるように、U相の巻線24Uの巻き終りの端末部34U2は、一対の保持片48A,48Bに挟持されるようにして保持部46Aに保持されている。また、
図8に示されるように、V相の巻線24Vの巻き終りの端末部34V2は、一対の保持片50A,50Bに挟持されるようにして保持部46Bに保持されている。さらに、
図10に示されるように、W相の巻線24Wの巻き終りの端末部34W2は、一対の保持片50B,50Cに挟持されるようにして保持部46Cに保持されている。
【0047】
また、
図6に示されるように、ステータ20には、複数の支持部52A,52Bが形成されている。各支持部52A,52Bは、突条に形成されており、ステータ20の軸方向に延びている。支持部52Aは、第1番のティース32U1と第2番のティース32U4との間に配置されると共に第1番のティース32U1側に近接して設けられている。支持部52Bは、第11番のティース32V4と第12番のティース32V1との間に配置されると共に第12番のティース32V1側に近接して設けられている。
【0048】
そして、
図7に示されるように、U相の巻線24Uの巻き始めの端末部34U1は、第1番のティース32U1の基端部に沿うようにして支持部52Aに支持されている(第1番のティース32U1の基端部と支持部52Aとの間に挟持されている)。また、
図8に示されるように、V相の巻線24Vの巻き始めの端末部34V1は、第12番のティース32V1の基端部に沿うようにして支持部52Bに支持されている(第12番のティース32V1の基端部と支持部52Bとの間に挟持されている)。
【0049】
さらに、
図9に示されるように、保持部46Aを構成する一対の保持片48A,48Bのうち一方の保持片48Aは、支持部としての機能も有しており、W相の巻線24Wの巻き始めの端末部34W1は、第3番のティース32W1の基端部に沿うようにして保持片48Aに支持されている(第3番のティース32W1の基端部と保持片48Aとの間に挟持されている)。
【0050】
続いて、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0051】
以上詳述したように、本発明の一実施形態に係る回転電機10によれば、ステータ20における全ての複数の巻線24U,24V,24Wは、
図1に示されるように、モータ部12の中心軸Cよりも回路部14側(矢印X1側)に各端末部34U1〜34W2が配置されるように複数のティース32U1〜32W4(
図5A,
図5B参照)に巻回されている。従って、ターミナル16A〜16Dの長さが短くて済むので、ターミナル16A〜16Dの歩留まりを向上させることができる。しかも、巻線24U,24V,24Wを結線するターミナル16A〜16Dの構造も簡素化できる。以上より、コストアップを抑制することができる。
【0052】
また、
図5Aに示される第1番のティース32U1から第12番のティース32V1のうち隣り合うティースの一方から他方へ巻線24U,24V,24Wが巻回されるときには、一方のティースに巻回された巻線の最終のターンは、一方のティースに巻回された巻線の最初のターンよりもステータ20の径方向内側を通っている。例えば、
図11A,
図11Bに示されるように、U相の巻線24Uの場合、隣り合うティース32U2,32U3の一方から他方へ巻線24Uが巻回されるときには、一方のティース32U2に巻回された巻線24Uの最終のターンTn+1は、一方のティース32U2に巻回された巻線24Uの最初のターンT1よりもステータ20の径方向内側を通っている。
【0053】
従って、隣り合うティースの一方から他方へ巻線24U,24V,24Wが巻回されるときに、他方のティースについては巻線をティースの基端側から容易に巻回することができるので、他方のティース(次のティース)における巻線の整列性が良好になり、ひいては、高速で巻線24U,24V,24Wを巻回することができる。
【0054】
また、
図6に示されるように、ステータ20には、複数の突起部44が形成されている。例えば、
図12に示されるように、U相の巻線24Uのための突起部44は、隣り合うティース32U2,32U3のうちの一方のティース32U2に形成されている。そして、U相の巻線24Uのための突起部44は、巻線24Uの最初のターンT1と最終のターンTn+1との間に介在されている。V相の巻線24V及びW相の巻線24Wのための突起部44も、隣り合うティースのうちの一方に形成されており、巻線の最初のターンと最終のターンとの間に介在されている。
【0055】
従って、巻線24U,24V,24Wの最初のターンと最終のターンとが干渉することを抑制することができるので、他方のティース(次のティース)における巻線24U,24V,24Wの整列性を良好にすることができる。
【0056】
また、
図6に示されるように、ステータ20には、複数の支持部52A,52Bが形成されている。そして、
図7に示されるように、U相の巻線24Uの巻き始めの端末部34U1は、第1番のティース32U1の基端部に沿うようにして支持部52Aに支持されている(第1番のティース32U1の基端部と支持部52Aとの間に挟持されている)。また、
図8に示されるように、V相の巻線24Vの巻き始めの端末部34V1は、第12番のティース32V1の基端部に沿うようにして支持部52Bに支持されている(第12番のティース32V1の基端部と支持部52Bとの間に挟持されている)。
【0057】
さらに、
図9に示されるように、保持部46Aを構成する一対の保持片48A,48Bのうち一方の保持片48Aは、支持部としての機能も有しており、W相の巻線24Wの巻き始めの端末部34W1は、第3番のティース32W1の基端部に沿うようにして保持片48Aに支持されている(第3番のティース32W1の基端部と保持片48Aとの間に挟持されている)。
【0058】
従って、巻き始めの端末部34U1,34V1,34W1のスプリングバックを抑制して、各巻き始めの端末部34U1,34V1,34W1をモータ部12の軸方向に延出させることができると共に、巻線24U,24V,24Wをティース32U1,32V1,32W1の基端側から容易に巻回することができる。
【0059】
また、
図6に示されるように、ステータ20には、複数(三つ)の保持部46A〜46Cが形成されている。そして、
図7に示されるように、U相の巻線24Uの巻き終りの端末部34U2は、一対の保持片48A,48Bに挟持されるようにして保持部46Aに保持されている。また、
図8に示されるように、V相の巻線24Uの巻き終りの端末部34U2は、一対の保持片50A,50Bに挟持されるようにして保持部46Bに保持されている。さらに、
図10に示されるように、W相の巻線24Wの巻き終りの端末部34W2は、一対の保持片50B,50Cに挟持されるようにして保持部46Cに保持されている。
【0060】
従って、巻き終りの端末部34U2,34V2,34W2のスプリングバックを抑制して、この巻き終りの端末部34U2,34V2,34W2をモータ部12の軸方向に延出させることができる。
【0061】
続いて、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
【0062】
本実施形態において、モータ部12は、一例として、10極12スロットのアウタロータ型ブラシレスモータとされていたが、14極12スロットのアウタロータ型ブラシレスモータとされていても良い。
【0063】
また、ステータコア22には、U相、V相、W相の順に巻線24U,24V,24Wが巻装されていたが、複数の巻線24U,24V,24Wがその他の順でステータコア22に巻装されても良い。つまり、第1相から第3相の巻線は、U相、V相、W相のいずれでも良い。
【0064】
また、本実施形態において、第3相としてのW相の巻線24Wは、上記以外にも次のようにして巻回されていても良い。以下、W相の巻線24Wの巻回方法の第一変形例及び第二変形例を示す。
【0065】
図13A,
図13Bに示されるW相の巻線24Wの巻回方法の第一変形例において、複数のティース32U1〜32W4の番号は、以下の通りに変更されている。
図13A,
図13Bのティースには、第1番〜第12番までの番号が付されている。
(1)U相のティース32U1⇒第1番のティース
(2)U相のティース32U4⇒第2番のティース
(3)W相のティース32W1⇒第3番のティース
(4)W相のティース32W2⇒第4番のティース
(5)V相のティース32V2⇒第5番のティース
(6)V相のティース32V3⇒第6番のティース
(7)U相のティース32U3⇒第7番のティース
(8)U相のティース32U2⇒第8番のティース
(9)W相のティース32W3⇒第9番のティース
(10)W相のティース32W4⇒第10番のティース
(11)V相のティース32V4⇒第11番のティース
(12)V相のティース32V1⇒第12番のティース
【0066】
本変形例では、
図13Aに示されるように、巻線24Wの巻き始めの端末部34W1は、第2番のティース32U4と第3番のティース32W1との間に配置される。このとき、巻線24Wの巻き始めの端末部34W1は、ステータ20の軸方向一方側へ延出される。そして、
図13A,
図13Bに示されるように、巻線24Wは、第3番のティース32W1に該ティースの先端側から見て時計回りに巻回される。その後、巻線24Wは、第4番のティース32W2に該ティースの先端側から見て反時計回りに巻回される。そして、その後、
図13Bに示されるように、巻線24Wの一部が渡り線42W1として円環部30の軸方向他方側に配索される。
【0067】
次いで、
図13A,
図13Bに示されるように、巻線24Wは、第9番のティース32W3に該ティースの先端側から見て反時計回りに巻回される。その後、巻線24Wは、第10番のティース32W4に該ティースの先端側から見て時計回りに巻回される。また、巻線24Wの巻き終りの端末部34W2は、第10番のティース32W4と第11番のティース32V4との間に配置される。このとき、巻線24Wの巻き終りの端末部34W2は、ステータ20の軸方向一方側へ延出される。以上のように、本変形例において、W相の巻線24Wは、第3番のティース32W1、第4番のティース32W2、第9番のティース32W3、及び、第10番のティース32W4に巻回される。
【0068】
このようにW相の巻線24Wが各ティースに巻回されていても、
図1に示されるように、全ての複数の巻線24U,24V,24Wにおける各端末部34U1〜34W2を、モータ部12の中心軸Cよりも回路部14側に配置させることができる。
【0069】
また、この
図13A,
図13Bに示される変形例によれば、W相の巻線24Wにおける渡り線の本数が1本(
図13Bに示される渡り線42W1のみ)で済むので、W相の巻線24Wの全長を短くすることができ、ひいては、コストダウンすることができる。
【0070】
一方、
図14A,
図14Bに示されるW相の巻線24Wの巻回方法の第二変形例において、複数のティース32U1〜32W4の番号は、以下の通りに変更されている。
図14A,
図14Bのティースには、第1番〜第12番までの番号が付されている。
(1)U相のティース32U1⇒第1番のティース
(2)U相のティース32U4⇒第2番のティース
(3)W相のティース32W4⇒第3番のティース
(4)W相のティース32W3⇒第4番のティース
(5)V相のティース32V2⇒第5番のティース
(6)V相のティース32V3⇒第6番のティース
(7)U相のティース32U3⇒第7番のティース
(8)U相のティース32U2⇒第8番のティース
(9)W相のティース32W2⇒第9番のティース
(10)W相のティース32W1⇒第10番のティース
(11)V相のティース32V4⇒第11番のティース
(12)V相のティース32V1⇒第12番のティース
【0071】
本変形例では、
図14Aに示されるように、巻線24Wの巻き始めの端末部34W1は、第10番のティース32W1と第11番のティース32V4との間に配置される。このとき、巻線24Wの巻き始めの端末部34W1は、ステータ20の軸方向一方側へ延出される。そして、
図14A,
図14Bに示されるように、巻線24Wは、第10番のティース32W1に該ティースの先端側から見て反時計回りに巻回される。その後、巻線24Wは、第9番のティース32W2に該ティースの先端側から見て時計回りに巻回される。そして、その後、
図14Bに示されるように、巻線24Wの一部が渡り線42W1として円環部30の軸方向他方側に配索される。
【0072】
次いで、
図14A,
図14Bに示されるように、巻線24Wは、第4番のティース32W3に該ティースの先端側から見て時計回りに巻回される。その後、巻線24Wは、第3番のティース32W4に該ティースの先端側から見て反時計回りに巻回される。また、巻線24Wの巻き終りの端末部34W2は、第2番のティース32U4と第3番のティース32W4との間に配置される。このとき、巻線24Wの巻き終りの端末部34W2は、ステータ20の軸方向一方側へ延出される。以上のように、本変形例において、W相の巻線24Wは、第10番のティース32W1、第9番のティース32W2、第4番のティース32W3、及び、第3番のティース32W4に巻回される。
【0073】
このようにW相の巻線24Wが各ティースに巻回されていても、全ての複数の巻線24U,24V,24Wにおける各端末部34U1〜34W2を、
図1に示されるモータ部12の中心軸Cよりも回路部14側に配置させることができる。なお、
図14A,
図14Bに示される巻線24Wの巻き始めの端末部34W1と、巻線24Wの巻き終りの端末部34W2とは、
図1に示される巻線24Wの巻き始めの端末部34W1と、巻線24Wの巻き終りの端末部34W2に対して、位置が入れ替わっている。
【0074】
この
図14A,
図14Bに示される変形例によれば、W相の巻線24Wにおける渡り線の本数が1本(
図14Bに示される渡り線42W1のみ)で済むので、W相の巻線24Wの全長を短くすることができ、ひいては、コストダウンすることができる。
【0075】
また、この
図14A,
図14Bに示される変形例によれば、巻線24Uが最後のティースである第2番のティース32U4に巻回される巻回方向と、その次の相である巻線24Vが最初のティースである第12番のティース32V1に巻回される巻回方向とは、同一(ティースの先端側から見て時計回り)とされている。同様に、巻線24Vが最後のティースである第11番のティース32V4に巻回される巻回方向と、その次の相である巻線24Wが最初のティースである第10番のティース32W1に巻回される巻回方向とは、同一(ティースの先端側から見て反時計回り)とされている。
【0076】
これにより、
図15Aに示されるように、ティース32V4の先端側から見て、巻線24Vの巻き終りの端末部34V2を保持治具60Aの右側で保持すると共に、
図15Bに示されるように、ティース32W1の先端側から見て、巻線24Wの巻き始めの端末部34W1を保持治具60Bの左側で保持することが可能になる。従って、巻線24Vの巻き終りの端末部34V2と保持治具60Bとの干渉を回避することができる。
【0077】
なお、
図15Cに示されるように、ティース32W1の先端側から見て、巻線24Wの巻き始めの端末部34W1を保持部60Bの右側で保持すると、巻線24Vの巻き終りの端末部34V2と保持治具60Bとの干渉を避ける必要があり、巻線24Vの巻き終りの端末部34V2と巻線24Wの巻き始めの端末部34W1とを並べて配置することが困難になる。しかしながら、
図15Bに示されるように、巻線24Wの巻き始めの端末部34W1を保持治具60Bの左側で保持することにより、巻線24Vの巻き終りの端末部34V2と巻線24Wの巻き始めの端末部34W1とを並べて配置することができる。
【0078】
また、この
図14A,
図14Bに示される変形例では、上述の如く、巻線24Wの巻き始めの端末部34W1と、巻線24Wの巻き終りの端末部34W2とは、
図1に示される巻線24Wの巻き始めの端末部34W1と、巻線24Wの巻き終りの端末部34W2に対して、位置が入れ替わっている。
図14Aにおいて、巻線24Wの巻き始めの端末部34W1は、保持部46Cによって保持されているが、この巻線24Wの巻き始めの端末部34W1は、上述の支持部52A,52B(
図7,
図8参照)や、支持部としての機能を有する保持部48A(
図9参照)と同様の支持部により支持されても良い。また、
図14Aにおいて、巻線24Wの巻き終りの端末部34W2は、保持部46Cと同様の保持部によって保持されても良い。
【0079】
また、本実施形態において、モータ部12は、モータ部12の軸方向と直交する方向の一方側(矢印X1側)へモータ部12に対してずれて配置されていた。しかしながら、
図16に示されるように、モータ部12は、モータ部12の軸方向と直交する方向の他方側(矢印X2側)へモータ部12に対してずれて配置されていても良い。
【0080】
この
図16に示される変形例において、モータ部12の構成、配置、向きは上記実施形態に対して変更されておらず、各端末部34U1〜34W2は、モータ部12の中心軸Cよりも回路部14と反対側(モータ部12の軸方向と直交する方向の一方側であって、矢印X1側)に配置されている。このように構成されていても、巻線24U,24V,24Wを結線するターミナル16A〜16Dの構造を簡素化することができるので、コストアップを抑制することができる。
【0081】
なお、この
図16に示される変形例において、回路部14は、モータ部12の軸方向にモータ部12と重なって配置されており、回路部14とモータ部12とが重なる面積は、
図16に示される変形例の方が上記実施形態(
図1参照)よりも大きくなっている。この
図16に示される変形例のように構成されていると、モータ部12の軸方向視における回転電機10の投影面積を小さくすることができる。従って、
図16に示される変形例をファンモータに適用すれば、冷却風の流路面積を確保することができる(流路中の障害物の大きさを小さくすることができる)。
【0082】
また、上記複数の変形例のうち組み合わせ可能な変形例は、適宜、組み合わされて実施されても良い。
【0083】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。