(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入出力制御部は、前記患者について収集すべき複数の生体情報の種類を記す情報を参照して、前記患者に必要な前記生体情報データを全て収集され、かつ前記患者に必要な前記生体情報データが全て前記患者ID取得時刻情報より後に測定された場合に、前記生体情報データを測定値テーブルに登録する、請求項3に記載の生体情報収集装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態の例である生体情報収集装置の、使用状況を示す概略図である。
病棟内には複数名の患者101a及び101b(これ以降、患者101a及び101bを患者101と総称する)が存在する。看護師(図示せず)は、これら患者101に対し、朝食前や朝食後、昼食前や昼食後、夕食前や夕食後等の定刻に、血糖計102を用いて血糖値を測定する。このような、看護師がある決まった時間帯に複数の患者の生体情報を測定したり、投薬を行う業務を、ラウンドと呼ぶ。
本実施形態において生体情報は、血糖計102が測定する血糖値、体温計103が測定する体温、血圧計104が測定する血圧、パルスオキシメータ105が測定する経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)等の、患者101から生体情報測定装置106を通じて測定する値であるものと定義する。
従来では、看護師はラウンドの際、血糖計102が表示する血糖値を患者名と共に所定のノートに手書きで記入していた。本実施形態の生体情報収集装置107は、そのような手間や不便を解消する。
【0011】
病棟内の患者101には、衣服の胸ポケット近辺等に、患者101を一意に識別するための患者IDが印刷されたバーコード108が貼付されている。看護師は、患者101から血糖値を測定するに先立ち、このバーコード108を、データ中継カード109を用いて読み取る。データ中継カード109にはバーコードリーダと第一の無線インターフェースが内蔵されている。そして、患者IDのバーコード108をバーコードリーダで読み取り、血糖計102が測定した血糖値のデータを第一の無線インターフェースを通じて受信する。そして、データ中継カード109がバーコードリーダで読み取った患者IDと、第一の無線インターフェースを通じて血糖計102から受信した血糖値のデータは、第二の無線インターフェースを通じて、直ちに生体情報収集装置107に転送される。
【0012】
生体情報収集装置107は、近年急速に普及しているスマートフォン等の、無線通信端末である。無線通信端末は周知のパソコンと概ね類似する構成の、CPUを中心とする計算機であり、任意のアプリケーションプログラムを実行させることで、様々な機能を実現する。高速な演算処理能力を持つCPUと、大容量の不揮発性ストレージを備える無線通信端末にとって、患者IDや測定した血糖値のデータベースを持たせることは容易である。無線通信端末には、バーコードリーダや、血糖計102との無線インターフェースを備えていないものが多い。しかし、バーコードリーダと血糖計102との無線インターフェースを備えるデータ中継カード109を設けることで、個人向け血糖計を、病棟向け血糖計と同等の、患者管理機能を備える血糖値測定システムに転化させることができる。
【0013】
図1中、血糖計102とデータ中継カード109との間の無線通信としては、一例としてNFC(Near Field Communication)がある。データ中継カード109と無線通信端末との間の無線通信としては、一例としてBlueTooth(登録商標)がある。
図1に示すように、ある患者101から生体情報を測定するための生体情報測定装置106は、血糖計102に限らず、複数存在する。
図1中、生体情報測定装置106として、血糖計102、体温計103、パルスオキシメータ105、血圧計104がある。これら生体情報測定装置106にも、血糖計102と同様に、NFC規格の近距離無線通信機能が備わっている。
データ中継カード109を設けることで、生体情報収集装置107は、血糖計102から得られる血糖値データに留まらず、体温計103、パルスオキシメータ105、血圧計104等の生体情報測定装置106全般から得られる測定データを収集し、患者101毎に記憶し、管理することができる。
【0014】
周知のように、看護師の業務は過酷である。一方で、医療過誤はあってはならない事故である。本実施形態の生体情報収集装置107は、患者101から測定した生体情報を取り違える等のミスを未然に防ぐために、ラウンドに手順のルールを設ける。このルールは、「ある患者101の生体情報を測定するに先立ち、必ず最初に患者IDをスキャンして、その後に生体情報測定装置106で生体情報を測定し、最後に登録操作を行う」というものである。生体情報収集装置107は、動作するアプリケーションプログラムにおいてこのルールを徹底することで、患者101の取り違え等のミスを防ぐ。
【0015】
[生体情報測定装置106]
図2Aは生体情報測定装置106のハードウェア構成を示すブロック図である。
生体情報測定装置106は、周知のCPU201、ROM202、RAM203、日時情報を出力する計時部であるリアルタイムクロック(以下、「RTC」と略す)204、液晶ディスプレイである表示部205、操作ボタンである操作部206がバス207に接続される、周知のマイクロコンピュータよりなる機器である。
バス207には更に、A/D変換器208が接続されている。A/D変換器208には増幅器209を通じてセンサ210が接続されている。
バス207には更に、NFC規格の無線インターフェース211(
図2A及び
図2B中「無線I/F」と表記)が接続されている。
【0016】
図2Bは生体情報測定装置106のソフトウェア機能を示すブロック図である。
センサ210は、被験者(患者101)の生体情報を検出して、アナログ信号を出力する。センサ210は、血糖計102及びパルスオキシメータ105であればフォトトランジスタやフォトダイオード等の受光素子であり、体温計103であればサーミスタや赤外線受光素子等である。また、センサ210が血圧計104であれば圧力センサである。
図1では図示していないが、センサ210が体組成計であれば、体重計としてのセンサ210はひずみゲージである。なお、体組成計が体脂肪を計測するには、人体に微弱な交流信号を流し、インピーダンスを計測することによって行う。したがって、体脂肪計としてのセンサ210は厳密な意味では存在しないが、「信号を検出する」という概念で考えれば、体脂肪計としてのセンサ210は、電流を検出するための抵抗やオペアンプであるともいえる。
本実施形態の生体情報収集装置107は、病棟内のラウンドにおける使用を目的として構築したものであるが、これはそのまま成人病等の検診にも利用可能である。
【0017】
これらセンサ210は全てアナログの電圧信号あるいは電流信号を出力する。センサ210が出力する信号が電流信号である場合は、一旦抵抗やオペアンプで電流信号を電圧信号に変換して、電圧信号である場合はそのまま、増幅器209で増幅する。そして、増幅器209が出力する電圧信号は、A/D変換器208によってデジタルデータの測定情報に変換される。
【0018】
入出力制御部212は、A/D変換器208から得られる測定情報に、RTC204から得られる測定日時を紐付けて、測定値メモリ213に記憶する。そして、ROM202に格納されている生体情報測定装置106の名称やシリアルナンバーである機器情報214を付加して、無線インターフェース211を通じてデータ中継カード109へ送信する。
【0019】
測定値メモリ213は不揮発性ストレージに設けられる記憶領域である。これは、フラッシュメモリのROM202であってもよいし、バッテリバックアップされたRAM203であってもよい。
【0020】
図2Cは生体情報測定装置106が無線インターフェース211を通じてデータ中継カード109に送信するデータの構造を示す概略図である。
生体情報測定装置106は最初に、機器情報214として生体情報測定装置106のモデル名214aと、シリアルナンバー214bをデータ中継カード109へ送信する。その後、測定日時215と測定値216よりなるレコード217をデータ中継カード109へ送信する。
ここで注意すべき点は、生体情報測定装置106は、最新の測定値データのみを生体情報収集装置107へ送信する、という点である。あるいは、生体情報収集装置107は、生体情報測定装置106から受信した生体情報データのうち、最新の測定値データのみを採用し、それ以前の古い測定値データは全て破棄する。
生体情報測定装置106が複数の患者101あるいは被験者の生体情報を測定するためには、患者101毎に測定した測定値データに患者IDを紐付ける手順が必要になる。本実施形態にて開示する生体情報測定装置106には、単体で患者IDと紐付ける機能が備わっていない。このため、生体情報収集装置107は、生体情報測定装置106から最新の測定値データのみを受け付けることになる。
【0021】
[データ中継カード109]
図3Aはデータ中継カード109の斜視図である。データ中継カード109は、略長方形の筐体301の中心に操作ボタン302が設けられている。この操作ボタン302は、筐体301の側面に設けられているバーコードリーダ303を起動させるためのボタンである。また、データ中継カード109の筐体301内部には、後述する無線インターフェースが二つ内蔵されている。
【0022】
図3Bはデータ中継カード109のハードウェア構成を示すブロック図である。
データ中継カード109は、CPU304、ROM305、RAM306、操作ボタン302、バーコードリーダ303がバス307に接続される、周知のマイクロコンピュータよりなる機器である。
操作ボタン302は、例えばメンブレンスイッチである。操作ボタン302は、使用者による電源のオン/オフや、バーコードリーダ303の起動を受け付ける。
バス307には更に、第一無線インターフェース308(
図3B及び
図3C中「第一無線I/F」と表記)と、第二無線インターフェース309(
図3B及び
図3C中「第二無線I/F」と表記)が接続されている。第一無線インターフェース308はNFCであり、第二無線インターフェース309はBlueTooth(登録商標)である。
図2Aの生体情報測定装置106と比較すると、表示部205が省略され、操作部206の代わりに操作ボタン302がバス307に接続され、RTC204とA/D変換器208が省略されている以外は、同様の構成である。操作ボタン302は簡素化した操作部206である。
【0023】
図3Cはデータ中継カード109のソフトウェア機能を示すブロック図である。
入出力制御部310は、操作ボタン302の操作を受けて、バーコードリーダ303から患者IDやスタッフIDを読み取り、一旦、RAM306上に設けられるバッファ311に蓄積する。そして、第二無線インターフェース309を通じて、バーコードリーダ303が読み取ったバーコード108の情報を直ちに生体情報収集装置107へ送信する。
また、データ中継カード109を生体情報測定装置106にかざすことで、入出力制御部310は、第一無線インターフェース308から生体情報データを受信し、一旦、バッファ311に蓄積する。そして、第二無線インターフェース309を通じて、生体情報測定装置106から受信した生体情報データを直ちに生体情報収集装置107へ送信する。なお、NFCによって意図しない生体情報データが受信されるのを防止するため、操作ボタン302は、生体情報測定装置106から生体情報データの受信を開始するボタンを兼ねてもよい。この場合、データ中継カード109を生体情報測定装置106にかざして操作ボタン302を押すことで、入出力制御部310が第一無線インターフェース308から生体情報データを受信する。
【0024】
血糖計102、体温計103、パルスオキシメータ105、血圧計104等の生体情報測定装置106には、NFC規格の無線インターフェースが備わっている。しかし、携帯型無線端末である生体情報収集装置107には、NFC規格の無線インターフェースが備わっていない場合がある。また、生体情報収集装置107にはバーコードリーダ303は備わっていない。そこで、バーコードリーダ303と血糖計102との無線インターフェースを備えるデータ中継カード109を設ける。データ中継カード109は生体情報収集装置107とBlueTooth(登録商標)におけるHID(Human Interface Device Profile)という周辺機器として接続を確立し、生体情報収集装置107にとっての情報入力装置として稼働する。
【0025】
[生体情報収集装置107]
図4Aは生体情報収集装置107のハードウェア構成を示すブロック図である。
携帯型無線端末である生体情報収集装置107は、周知のCPU401、ROM402、RAM403、フラッシュメモリ等の不揮発性ストレージ404、液晶ディスプレイである表示部405、静電式位置検出装置である操作部406とRTC407がバス408に接続される。透明電極の操作部406と表示部405は、タッチパネル409を構成する。
バス408には更に、BlueTooth(登録商標)規格の無線インターフェース410(
図4A及び
図4B中「無線I/F」と表記)と、D/A変換器412(
図4A中「D/A」と表記)を通じてスピーカ413が接続されている。スピーカ413は後述するアラーム音を発する際に用いられる。
なお、
図4Aにおいて、生体情報収集装置107の機能には無関係な、携帯型無線端末を電話機として使用するためのマイクや、LTE(Long Term Evolution)等の公衆電話回線に接続するための無線インターフェース等については表記を省略している。
【0026】
図4Bは生体情報収集装置107のソフトウェア機能を示すブロック図である。
入出力制御部414は、無線インターフェース410を通じてデータ中継カード109から受信した情報を、一旦、一時メモリ415に蓄積する。そして、操作部406の操作を受けて、一時メモリ415の内容を測定値テーブル416へ転記(追記録)する。
【0027】
図4Cは、生体情報収集装置107のソフトウェア機能の一部について、仮想的に解釈した図である。紙面の都合上、テーブル類は図示を省略している。
前述の通り、データ中継カード109は生体情報収集装置107とHIDという周辺機器として接続を確立し、生体情報収集装置107にとっての情報入力装置として稼働する。したがって、生体情報収集装置107の入出力制御部414にとって、バーコードリーダ303と第一無線インターフェース308が仮想的に接続されているに等しい状態である。
【0028】
図5は、生体情報収集装置107が備えるテーブルのフィールド構成を示す図である。これらのテーブルは、不揮発性ストレージ404に格納されている。
患者マスタ417は、患者IDフィールドと、患者氏名フィールドと、生年月日フィールドと、性別フィールドと、測定対象生体情報フィールド等よりなる。
患者IDフィールドには、患者101を一意に識別する患者IDが格納されている。患者氏名フィールドには、患者101の氏名が格納されている。生年月日フィールドには、患者101の生年月日が格納されている。性別フィールドには、患者101の性別が格納されている。
測定対象生体情報フィールドには、患者101に対する測定対象となる生体情報の種類が格納されている。例えば、患者Aは血糖値のみ、患者Bは血糖値と体温、患者Cは血糖値と体温とSpO2と血圧、といった情報である。
【0029】
測定値テーブル416は、患者IDフィールドと、測定値種別フィールドと、測定日時フィールドと、測定値フィールドよりなる。
患者IDフィールドは、患者マスタ417の同名のフィールドと同じである。
測定値種別フィールドには、測定値の種別を示す情報が格納されている。測定値の種別とは、例えば「血糖値」、「体温」、「SpO2」、「血圧」等の、その測定値が何の測定値であるのかを示す識別情報である。
測定日時フィールドには、測定値が測定された日時情報が格納されている。
測定値フィールドには、測定値が格納されている。
すなわち、測定値テーブル416は、複数の患者101の、複数種類の生体情報を格納する。
【0030】
機器マスタ418は、モデル名フィールドと、測定値種別フィールドよりなる。
モデル名フィールドには、生体情報測定装置106のモデル名214aが格納されている。
測定値種別フィールドは、測定値テーブル416の同名フィールドと同じである。
つまり、入出力制御部414は、生体情報測定装置106から受信した測定値データの、先頭部分にあるモデル名214aから、測定値の種別を特定する。
【0031】
一時メモリ415は、患者IDフィールドと、患者ID取得日時フィールドと、測定対象生体情報フィールドと、第一測定値種別フィールドと、第一測定日時フィールドと、第一生体情報フィールドと、第二測定値種別フィールドと、第二測定日時フィールドと、第二生体情報フィールドと…よりなる。
患者IDフィールドと、測定対象生体情報フィールドは、患者マスタ417の同名のフィールドと同じである。
第一測定値種別フィールドと、第一測定日時フィールドと、第一生体情報フィールドは、第一の生体情報測定装置から受信した測定値データを格納するフィールドである。
第一測定値種別フィールドには、測定値テーブル416の測定値種別フィールドと同じ、測定値の種別を示す情報が格納される。
第一測定日時フィールドには、測定値テーブル416の測定日時フィールドと同じ、測定値が測定された日時情報が格納される。
第一生体情報フィールドには、測定値テーブル416の測定値フィールドと同じ、測定値が格納される。
これらと同様に、第二の生体情報測定装置から受信した測定値データは、第二測定値種別フィールドと、第二測定日時フィールドと、第二生体情報フィールドに格納される。以下同様に、第三の生体情報測定装置、第四の生体情報測定装置…と続く。
【0032】
[第一の実施形態:血糖値のみを収集する、生体情報収集装置107の動作]
これより、生体情報収集装置107の動作を説明する。
説明を容易にするために、第一の実施形態では、生体情報収集装置107が血糖値のみを収集するものとして説明する。生体情報収集装置107の入出力制御部414は、一時メモリ415の、患者IDフィールドと、患者ID取得日時フィールドと、第一測定日時フィールドと、第一生体情報フィールドのみを使用する。
後述する第二の実施形態では、生体情報収集装置107が血糖値に加えて、体温等、様々な生体情報を収集するものとして説明する。
【0033】
図6は、生体情報収集装置107の全体的な動作の流れを説明するフローチャートである。
処理を開始すると(S601)、先ず、生体情報収集装置107の入出力制御部414は、データ中継カード109を通じてバーコードリーダ303から看護師のIDを読み取る、スタッフID登録処理を行う(S602)。
【0034】
これ以降はループ処理になる。
先ず、入出力制御部414は、現在の一時メモリ415の内容を表示部405に表示する、表示処理を行い(S603)、情報の入力を待つ(S604)。
次に、入出力制御部414は、自身に入来した情報が患者IDであるか否かを確認する(S605)。入来した情報が、バーコードリーダ303が読み取った患者IDであるならば(S605のYES)、入出力制御部414は、一時メモリ415に患者IDが未登録の状態であるか否かを確認する(S606)。患者IDが未登録であるならば(S606のYES)、入出力制御部414は、バーコードリーダ303が読み取った患者IDを一時メモリ415の患者IDフィールドへ、RTC407から取得した現在日時情報を一時メモリ415の患者ID取得日時フィールドへ記憶させる(S607)。そして、再度ステップS603から処理を繰り返す。もし、ステップS606において患者IDが既に一時メモリ415内に記憶済みであるならば(S606のNO)、入出力制御部414はエラーメッセージを表示部405に表示して(S608)、再度ステップS603から処理を繰り返す。
【0035】
ステップS605において、入来した情報が、バーコードリーダ303が読み取った患者IDでないならば(S605のNO)、次に入出力制御部414は、自身に入来した情報が血糖値であるか否かを確認する(S609)。入来した情報が、無線インターフェース410を通じて血糖計102から受信した血糖値であるならば(S609のYES)、次に入出力制御部414は、一時メモリ415の患者IDフィールドに患者IDが記憶されているか、すなわち一時メモリ415に患者IDが登録済みの状態であるか否かを確認する(S610)。一時メモリ415に患者IDが登録済みであるならば(S610のYES)、入出力制御部414は無線インターフェース410を通じて血糖計102から受信した血糖値及び血糖値の測定日時を一時メモリ415に一時的に記憶させる(S611)。そして、再度ステップS603から処理を繰り返す。もし、ステップS610において患者IDが一時メモリ415内に未登録の状態であるならば(S610のNO)、入出力制御部414はエラーメッセージを表示部405に表示して(S612)、再度ステップS603から処理を繰り返す。
【0036】
ステップS609において、入来した情報が、無線インターフェース410を通じて血糖計102から受信した血糖値でないならば(S609のNO)、次に入出力制御部414は、自身に入来した情報が、操作部406から受け取った、看護師等の使用者による登録操作を示す情報であるか否かを確認する(S613)。入来した情報が、操作部406から受け取った、看護師等の使用者による登録操作を示す情報であるならば(S613のYES)、次に入出力制御部414は、一時メモリ415に一時的に記憶されている患者ID取得日時と、血糖値の測定日時(第一測定日時)を比較して、血糖値は患者ID取得日時以降に測定されたか否かを確認する(S614)。血糖値が患者ID取得日時以降に測定されたのであるならば(S614のYES)、入出力制御部414は、一時メモリ415に記憶されている患者ID、患者ID取得日時、血糖値(第一生体情報)及び血糖値の測定日時(第一測定日時)を、測定値テーブル416に追記録して(S615)、一時メモリ415の内容を消去する。そして、再度ステップS603から処理を繰り返す。
ステップS614において、血糖値が患者ID取得日時以降に測定されたのでないならば(S614のNO)、入出力制御部414は、血糖値が患者ID取得日時以前に測定されたものであることを示すワーニングメッセージを表示部405に表示する(S616)。そして、再度ステップS603から処理を繰り返す。
【0037】
図7を参照して、フローチャートの続きを説明する。
図6のステップS613において、入来した情報が、操作部406から受け取った、看護師等の使用者による登録操作を示す情報でないならば(S613のNO)、次に入出力制御部414は、自身に入来した情報が、操作部406から受け取った、看護師等の使用者による生体情報収集作業の終了を命ずる情報であるか否かを確認する(S717)。
入来した情報が、操作部406から受け取った、看護師等の使用者による生体情報収集作業の終了を命ずる情報であるならば(S717のYES)、次に入出力制御部414は、ファイルクローズ処理等の、一連の動作を終了するための処理を行った後(S718)、一連の動作を終了する(S719)。
入来した情報が、操作部406から受け取った、看護師等の使用者による生体情報収集作業の終了を命ずる情報でないならば(S717のNO)、入出力制御部414は、再度
図6のステップS603から処理を繰り返す。
【0038】
図8は、看護師が生体情報収集装置107を使用してラウンドを遂行する流れを示すタイムチャートである。このタイムチャートでは、最初に正常に血糖値を登録できた場合の処理の流れを説明した後、看護師のミスで血糖値を登録できなかった場合の処理の流れを説明する。
【0039】
ある日の11時35分、看護師831は、最初にデータ中継カード109のバーコードリーダ303を用いて、患者101のバーコード108に記述されている患者IDを読み取る(S801)。すると、データ中継カード109はバーコードリーダ303から読み取った患者IDを一旦バッファ311に記憶した後、直ちにBlueTooth(登録商標)規格の無線通信にて生体情報収集装置107に患者IDを転送する。すると、生体情報収集装置107はデータ中継カード109から患者IDを受け取る。そして、内部のRTC407から現在日時である「某年某月某日11時35分」という情報を取得して、一時メモリ415に患者IDと現在日時情報を記憶する(S802)。そして、表示部405に患者IDを表示して、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S803)。
【0040】
11時38分に、看護師831は、血糖計102を用いて、患者101の血糖値を測定する(S804)。血糖計102は、測定した血糖値と、内部のRTC204から現在日時(測定日時)である「某年某月某日11時38分」という情報を取得して、測定値メモリ213に記憶する。そして、看護師831は血糖計102をデータ中継カード109にかざす(S805)。すると、血糖計102とデータ中継カード109との間でNFC規格の無線通信が行われ、血糖計102から血糖値と測定日時情報がデータ中継カード109に転送される。データ中継カード109は血糖計102から受信した血糖値と測定日時情報を一旦バッファ311に記憶した後、直ちに生体情報収集装置107に血糖値と測定日時情報を転送する。すると、生体情報収集装置107はデータ中継カード109から血糖値と測定日時情報を受け取る。そして、一時メモリ415に血糖値と測定日時情報を記憶する(S806)。そして、表示部405に血糖値を表示して、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S807)。
【0041】
この後、看護師831は生体情報収集装置107のタッチパネル409に触れて、登録操作を行う(S808)。タッチパネル409を構成する操作部406が登録操作を受け付けると(S809)、登録操作情報が入出力制御部414に送られる。入出力制御部414は操作部406から登録操作情報を受けて、一時メモリ415内の、患者ID取得日時(某年某月某日11時35分)と、第一測定日時(某年某月某日11時38分)とを比較し、血糖値は患者ID取得後に測定されたか否かを確認する。その結果、血糖値は正常に患者ID取得後に測定されたことが判る(S810)。入出力制御部414はこの判定結果を踏まえ、患者IDと血糖値と血糖値の測定日時(第一測定日時)を測定値テーブル416に新規レコードとして追記録する(S811)。そして、測定値テーブル416に対する新規レコードの追記録が正常に終了した旨のメッセージを表示部405に表示させると共に、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S812)。
【0042】
11時41分、看護師831は、最初にデータ中継カード109のバーコードリーダ303を用いて、次の患者101のバーコード108に記述されている患者IDを読み取る(S813)。すると、データ中継カード109はバーコードリーダ303から読み取った患者IDを一旦バッファ311に記憶した後、直ちに生体情報収集装置107に患者IDを転送する。すると、生体情報収集装置107はデータ中継カード109から患者IDを受け取る。そして、内部のRTC407から現在日時である「某年某月某日11時41分」という情報を取得して、一時メモリ415に患者IDと現在日時情報を記憶する(S814)。そして、表示部405に患者IDを表示して、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S815)。
【0043】
次に、看護師831は血糖計102を用いて、患者101の血糖値を測定するつもりであったが、疲労により血糖値の測定を忘れてしまった(S816)。この時点で、血糖計102には、ステップS804の時点である11時38分に測定した、前の患者101の血糖値が測定値メモリ213に記憶されたままである。そして、看護師831は血糖計102をデータ中継カード109にかざす(S817)。すると、血糖計102からステップS804の時点における、前の患者101の血糖値と測定日時情報がデータ中継カード109に転送される。データ中継カード109は血糖計102から受信した血糖値と測定日時情報を一旦バッファ311に記憶した後、直ちに生体情報収集装置107に血糖値と測定日時情報を転送する。すると、生体情報収集装置107はデータ中継カード109から血糖値と測定日時情報を受け取る。そして、一時メモリ415に血糖値と測定日時情報を記憶する(S818)。そして、表示部405に血糖値を表示して、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S819)。
【0044】
この後、看護師831は生体情報収集装置107のタッチパネル409に触れて、登録操作を行う(S820)。タッチパネル409を構成する操作部406が登録操作を受け付けると(S821)、登録操作情報が入出力制御部414に送られる。入出力制御部414は操作部406から登録操作情報を受けて、一時メモリ415内の、患者ID取得日時(某年某月某日11時41分)と、第一測定日時(某年某月某日11時38分)とを比較し、血糖値は患者ID取得後に測定されたか否かを確認する。その結果、血糖値は患者ID取得前に測定されたことが判る(S822)。入出力制御部414はこの判定結果を踏まえ、血糖値が患者ID取得後に測定されていない旨を示す異常メッセージを表示部405に表示させると共に、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S823)。
【0045】
ステップS823の後、改めて血糖計102を用いて患者101の血糖値を測定して(S804)、登録操作を行えば(S808)、血糖値と測定日時情報が一時メモリ415に上書きされるので(S806)、時刻の比較結果も正常を示し(S810)、測定値テーブル416に対する新規レコードの追記録が正常に行われる(S811)。
【0046】
[第二の実施形態:複数種類の生体情報を収集する、生体情報収集装置107の動作]
図9は、生体情報収集装置107の全体的な動作の流れを説明するフローチャートである。
図9のフローチャートの、第一の実施形態における
図6のフローチャートとの相違点は、以下の通りである。
【0047】
(1)
図6のステップS607に相当するステップS907において、入出力制御部414は、バーコードリーダ303が読み取った患者IDを一時メモリ415の患者IDフィールドへ、RTC407から取得した現在日時情報を一時メモリ415の患者ID取得日時フィールドへ記憶させる他、当該患者IDに係る患者マスタ417のレコードの、測定対象生体情報フィールドを読み取り、この測定対象生体情報も一時メモリ415の測定対象生体情報フィールドに記憶させる。
【0048】
(2)
図6のステップS609に相当するステップS909の後に、ステップS910として、入出力制御部414は、一時メモリ415内の測定対象生体情報を参照して、自身に入来した生体情報が真に測定すべき、測定対象生体情報であるのか否かを確認する。正常な測定対象生体情報であるならば(S910のYES)、
図6のステップS610に相当するステップS911に移行する。正常な測定対象生体情報でないならば(S910のNO)、
図6のステップS612に相当するステップS913に移行し、エラーメッセージを表示部405に表示する。
【0049】
(3)
図6のステップS613に相当するステップS914では、一時メモリ415内に記憶されている全ての生体情報の測定日時情報と、患者ID取得日時とを比較する。一つでも患者ID取得日時より以前の測定日時情報がある場合は、
図6のステップS616に相当するステップS918に移行し、ワーニングメッセージを表示部405に表示する。
【0050】
(4)
図6のステップS614に相当するステップS915の後に、ステップS916として、入出力制御部414は、一時メモリ415内の測定対象生体情報を参照して、一時メモリ415内には当該患者101に対して測定すべき生体情報が全て記憶されているか否かを確認する。全ての測定対象生体情報が揃ったならば(S916のYES)、
図6のステップS615に相当するステップS917に移行する。未だ全ての測定対象生体情報が揃っていないならば(S916のNO)、
図6のステップS616に相当するステップS918に移行し、ワーニングメッセージを表示部405に表示する。
【0051】
なお、ステップS914のNOの後は、
図7に移行し、
図7のステップS717のNOの後は、
図9のステップS903に移行する。すなわち、
図7のフローチャートは第一の実施形態と第二の実施形態とで共通する。
【0052】
図10は、看護師1031が生体情報収集装置107を使用してラウンドを遂行する流れを示すタイムチャートである。このタイムチャートでは、最初に血糖値と体温を測定する必要がある患者101に対し、看護師1031がミスで血糖値を測定し忘れたと共に、体温の登録をし忘れた場合の処理の流れを説明した後、看護師が血糖値を測定して登録し、体温を測定して登録して、正常に血糖値と体温を登録できた場合の処理の流れを説明する。
【0053】
ある日の11時41分、看護師1031は、最初にデータ中継カード109のバーコードリーダ303を用いて、患者101のバーコード108に記述されている患者IDを読み取る(S1001)。すると、データ中継カード109はバーコードリーダ303から読み取った患者IDを一旦バッファ311に記憶した後、直ちにBlueTooth(登録商標)規格の無線通信にて生体情報収集装置107に患者IDを転送する。すると、生体情報収集装置107はデータ中継カード109から患者IDを受け取る。そして、内部のRTC407から現在日時である「某年某月某日11時41分」という情報を取得して、一時メモリ415に患者IDと現在日時情報を記憶する他、当該患者IDに係る患者マスタ417のレコードの、測定対象生体情報フィールドを読み取り、この測定対象生体情報も一時メモリ415の測定対象生体情報フィールドに記憶させる(S1002)。この時点で、当該患者IDについて、測定すべき生体情報が特定される。そして、表示部405に患者IDを表示して、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S1003)。
【0054】
次に、看護師1031は血糖計102を用いて、患者101の血糖値を測定するつもりであったが、疲労により血糖値の測定を忘れてしまった(S1004)。この時点で、血糖計102には、患者IDを取得した11時41分より前に測定した、前の患者101の血糖値が測定値メモリ213に記憶されたままである。ここでは、血糖計102には11時38分に測定した血糖値が測定値メモリ213に記憶されたままであるものとする。そして、看護師1031は11時43分に血糖計102をデータ中継カード109にかざす(S1005)。すると、血糖計102から、前の患者101の血糖値と測定日時情報(某年某月某日11時38分)がデータ中継カード109に転送される。データ中継カード109は血糖計102から受信した血糖値と測定日時情報を一旦バッファ311に記憶した後、直ちに生体情報収集装置107に血糖値と測定日時情報を転送する。すると、生体情報収集装置107はデータ中継カード109から血糖値と測定日時情報を受け取る。そして、一時メモリ415に血糖値と測定日時情報を記憶する(S1006)。そして、表示部405に血糖値を表示して、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S1007)。
【0055】
この後、看護師1031は生体情報収集装置107のタッチパネル409に触れて、登録操作を行う(S1008)。タッチパネル409を構成する操作部406が登録操作を受け付けると(S1009)、登録操作情報が入出力制御部414に送られる。入出力制御部414は操作部406から登録操作情報を受けて、一時メモリ415内の、患者ID取得日時(某年某月某日11時41分)と、第一測定日時(某年某月某日11時38分)とを比較し、血糖値は患者ID取得後に測定されたか否かを確認する。その結果、血糖値は患者ID取得前に測定されたことが判る(S1010)。更に、入出力制御部414は当該患者101に必要な生体情報を全て測定しているか否かを確認する。その結果、未だ体温のデータが転送されていないことが判る(S1011)。入出力制御部414はこれらの判定結果を踏まえ、血糖値が患者ID取得後に測定されていない旨と、体温のデータが未だ登録されていない旨を示す異常メッセージを表示部405に表示させると共に、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S1012)。
【0056】
11時45分に、看護師1031は、生体情報収集装置107のタッチパネル409ディスプレイ(表示部405)に表示されている警告メッセージを確認し、患者101の血糖値を血糖計102で測定する(S1013)。血糖計102は、測定した血糖値と、内部のRTC204から現在日時(測定日時)である「某年某月某日11時45分」という情報を取得して、測定値メモリ213に記憶する。そして、看護師1031は血糖計102をデータ中継カード109にかざす(S1014)。すると、血糖計102とデータ中継カード109との間でNFC規格の無線通信が行われ、血糖計102から血糖値と測定日時情報がデータ中継カード109に転送される。データ中継カード109は血糖計102から受信した血糖値と測定日時情報を一旦バッファ311に記憶した後、直ちに生体情報収集装置107に血糖値と測定日時情報を転送する。すると、生体情報収集装置107はデータ中継カード109から血糖値と測定日時情報を受け取る。そして、一時メモリ415に血糖値と測定日時情報を記憶する(S1015)。そして、表示部405に血糖値を表示して、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S1016)。
【0057】
次に、看護師1031は11時48分に体温計103を用いて患者101の体温を測定する(S1017)。体温計103は、測定した体温と、内部のRTC204から現在日時(測定日時)である「某年某月某日11時48分」という情報を取得して、測定値メモリ213に記憶する。そして、看護師1031は体温計103をデータ中継カード109にかざす(S1018)。すると、体温計103とデータ中継カード109との間でNFC規格の無線通信が行われ、体温計103から体温と測定日時情報がデータ中継カード109に転送される。データ中継カード109は体温計103から受信した体温データと測定日時情報を一旦バッファ311に記憶した後、直ちに生体情報収集装置107に体温データと測定日時情報を転送する。
すると、生体情報収集装置107はデータ中継カード109から体温データと測定日時情報を受け取る。そして、一時メモリ415に体温データと測定日時情報を記憶する(S1019)。そして、表示部405に体温を表示して、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S1020)。
【0058】
この後、看護師1031は生体情報収集装置107のタッチパネル409に触れて、登録操作を行う(S1021)。操作部406が登録操作を受け付けると(S1022)、登録操作情報が入出力制御部414に送られる。入出力制御部414は操作部406から登録操作情報を受けて、一時メモリ415内の患者ID取得日時(某年某月某日11時41分)と、第一測定日時(某年某月某日11時45)とを比較し、血糖値は患者ID取得後に測定されたか否かを確認する。その結果、血糖値は患者ID取得後に測定されたことが判る。更に、入出力制御部414は一時メモリ415内の、患者ID取得日時(某年某月某日11時41分)と、第二測定日時(某年某月某日11時48分)とを比較し、体温は患者ID取得後に測定されたか否かを確認する。その結果、体温は患者ID取得後に測定されたことが判る(S1023)。更に、入出力制御部414は当該患者101に必要な生体情報を全て測定しているか否かを確認する。その結果、当該患者101に必要な血糖値と体温のデータを全て取得済みであることが判る(S1024)。入出力制御部414はこれらの判定結果を踏まえ、患者IDと、血糖値と、血糖値の測定日時(第一測定日時)と、体温と、体温の測定日時(第二測定日時)とを測定値テーブル416に新規レコードとして追記録する(S1025)。そして、測定値テーブル416に対する新規レコードの追記録が正常に終了した旨のメッセージを表示部405に表示させると共に、スピーカ413からアラーム音を鳴動させる(S1026)。
【0059】
このように、生体情報収集装置107は、看護師や医師等の使用者に対し、「ある患者101の生体情報を測定するに先立ち、必ず最初に患者IDをスキャンして、その後に生体情報測定装置106で生体情報を測定し、最後に登録操作を行う」というラウンドのルールを、プログラムにて徹底させる。
患者IDを読み取った日時より以前に測定された生体情報を生体情報測定装置106から読み取ろうとすれば、登録時にワーニングを告知して、生体情報の測定を促す。改めて正しい日時の生体情報を読み取ったら、正常に登録する。
ある患者101から必要な種類の生体情報が全て揃っていない場合は、登録時にワーニングを告知して、不足している生体情報の測定を促す。改めて不足している生体情報を読み取ったら、正常に登録する。
【0060】
本実施形態は、以下の様な応用例が可能である。
(1)
図6のステップS614及び
図9のステップS915における日時情報の比較は、時間だけを比較してもよい。生体情報には日時情報、すなわち測定日の情報が付随するが、データを取得したタイミングを比較するには、時刻情報だけあればよい。したがって生体情報収集装置107は、
図6のステップS607及び
図9のステップS907において、RTC407から患者IDを取得した時刻だけ取得すればよい。
【0061】
(2)患者IDはバーコード以外にも、RFID等が利用可能である。この場合、データ中継カード109はバーコードリーダ303に代えて、RFIDリーダを備えることとなる。これら、バーコードリーダ303やRFIDリーダは、患者ID取得部と総称できる。データ中継カード109は、患者ID取得部と、生体情報測定装置106から生体情報データ等を受信する生体情報受信部を備えている。
(3)第一及び第二の実施形態において、日時を比較してワーニングを告知するタイミングは、生体情報が一時メモリ415へ記憶された時点であってもよい。
【0062】
(4)第二の実施形態において、複数の種類の生体情報を受け付ける際、全ての生体情報が一時メモリ415に記憶されたら、その時点でレコード追記録が可能である旨を示すビープ音やメロディ等を発音してもよい。
(5)生体情報収集装置107とデータ中継カード109との間の接続は、BlueTooth(登録商標)に限らない。例えば、有線のUSBであってもよい。
(6)生体情報収集装置107に携帯型無線端末を使用する以外にも、データ中継カード109と一体化した携帯型情報端末を用いてもよい。
【0063】
(7)携帯型無線端末の代表格であるスマートフォンは、バッテリ駆動時間をできるだけ長く維持するために、きめ細かい節電対策を施していることが多い。本実施形態の生体情報収集装置107をスマートフォンで実現する際、この節電対策(節電モード)が看護師の操作の邪魔になることが考えられる。生体情報収集装置107を実現するアプリケーションプログラムは、無線インターフェース410を常時稼働させ、データ中継カード109から任意のデータが入来したら、その時点から節電モード解除時間を長めに、例えば2分間だけ確保して、タッチパネル409を動作状態に維持することが好ましい。
【0064】
本実施形態においては、生体情報収集装置107を開示した。
生体情報収集装置107は、看護師や医師等の使用者に対し、「ある患者101の生体情報を測定するに先立ち、必ず最初に患者IDをスキャンして、その後に生体情報測定装置106で生体情報を測定し、最後に登録操作を行う」というラウンドのルールを、プログラムにて徹底させる。
データ中継カード109を通じて患者IDをバーコードリーダ303にて読み取る際、患者IDを読み取った時点の日時情報を、生体情報収集装置107が内蔵するRTC407から取得して、一時メモリ415に記憶する。更に、データ中継カード109を通じて生体情報を生体情報測定装置106から受信する際、生体情報を測定した時点の日時情報を、生体情報測定装置106が内蔵するRTC204から取得して、一時メモリ415に記憶する。
そして、生体情報収集装置107は、患者IDを読み取った日時より以前に測定された生体情報を生体情報測定装置106から読み取ろうとすれば、登録時にワーニングを告知して、生体情報の測定を促す。改めて正しい日時の生体情報を読み取ったら、正常に登録する。
生体情報収集装置107は、このように日時情報に基づくエラーチェック機能を設けることで、医療過誤を未然に防ぐ。
更に、ある患者101から必要な種類の生体情報が全て揃っていない場合は、登録時にワーニングを告知して、不足している生体情報の測定を促す。改めて不足している生体情報を読み取ったら、正常に登録する。生体情報収集装置107は、このように生体情報種別のチェック機能を設けることで、医療過誤を未然に防ぐ。
【0065】
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
例えば、上記した実施形態例は本発明をわかりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることは可能であり、更にはある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行するためのソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の揮発性あるいは不揮発性のストレージ、または、ICカード、光ディスク等の記録媒体に保持することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。