【実施例】
【0056】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中「%」は、特記のない限り「質量%」であり、「部」は、特記のない限り「質量部」である。
【0057】
<製造例1:黒糖芳香画分>
黒糖工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁に石灰乳を添加し不純物を取り除いた清浄汁を効用缶に供給し、Bx.75になるまで加熱濃縮し、得られた濃縮液を常圧でオープンパンに供給し、加熱蒸留して110〜130℃の温度帯で発生する蒸気を回収・冷却し、連続して集めた。蒸留液約150LをダイヤイオンHP−20(商標、三菱化学株式会社製)750mLを充填したカラム(カラムサイズ:内径10cm、高さ40cm)に、SV=50(hr
-1)の流速で通液した。次に、吸着された成分を、80%エタノール水溶液(エタノール/水=80/20(体積/体積))で溶出した。すなわち、SV=2(hr
-1)の流速で1.5L通液し、はじめの溶出液は捨て、その後に溶出液の回収を開始した。溶出液を、ろ紙(定性ろ紙No.2、東洋ろ紙株式会社製)でろ過し、得られた濾液を黒糖芳香画分とした。
【0058】
<製造例2:消臭エキス>
比較のため、特許文献1に記載の従来のエキス(以下、「消臭エキス」ともいう。)を以下の手順で製造した。原料糖工場の製造工程にて得られた甘蔗の圧搾汁(Bx.12.5)2800Lを250L/時の速度で遠心式薄膜真空蒸発装置(商標:エバポールCEP−1、大川原製作所株式会社)に供給し、500〜630mmHgの減圧下で温度90〜95℃で留出する成分を、冷却水温25℃、冷却水量15m
3/時間、コンデンサ面積2m
2の条件でコンデンサにて冷却し、連続して集めた。原料圧搾汁が約2400L、Bx.14.5になったとき、蒸留物の回収を終了した。得られた蒸留液は約400Lであった。この蒸留液をアンバーライトXAD7HP(商標、オルガノ株式会社)40mLを充填したカラム(カラムサイズ:内径2.6cm、高さ20cm)に、SV=100(hr
-1)の流速で通液した。通液終了後、約5分間、同じ流速で水洗した。次に、吸着された成分を、80%エタノール水溶液(エタノール/水=80/20(体積/体積))で溶出した。すなわち、SV=2(hr
-1)の流速で通液し、はじめの15mLの溶出液は捨て、その後に溶出液の回収を開始した。80%エタノール水溶液80mLを通液した後、成分の押し出しのため蒸留水を同じ速度で通液し、回収溶出液の総量が100mLになった時点で溶出を終了した。得られた溶出液を、ろ紙(定性ろ紙No.2、東洋ろ紙株式会社製)でろ過し、得られた濾液を甘蔗由来の画分である風味向上剤サンプルとした。このサンプルは、アルコール濃度計(YSA−200、矢崎計器株式会社)で測定した結果、エタノール58%(体積/体積)の、若干レモン色をした透明な液体であった。
【0059】
<参考例:黒糖芳香画分と消臭エキスの成分分析>
製造例1で得られた黒糖芳香画分及び製造例2で得られた消臭エキスについて、ガスクロマトグラフィー(GC)(GC6850、AgilentTechnologies社製)により、下記の条件で成分分析を行った。黒糖芳香画分の分析結果は下記表1左欄に示し、消臭エキスの分析結果は下記表1右欄に示す。表1の結果から、黒糖芳香画分に含まれる芳香成分の量(1420.58ppm)は、消臭エキスに含まれる芳香成分の量(30.35ppm)を大幅に超えていることが分かった。また、黒糖芳香画分に含まれる芳香成分の種類及び組成は、消臭エキスにおける種類及び組成とは全く異なっていることが分かった。なお、標準物質として、黒糖芳香画分に1%テトラデカン溶液を0.1mL添加し、消臭エキスに0.1%テトラデカン溶液を0.1mL添加した。
GCの分析条件:
カラム:DB−1(0.25mmφ×60m)
オーブン温度:50℃(5min)〜240℃(7℃/min)
サンプル注入方法:Splitle(Split Ratio 30:1)
サンプル注入量:1.0μL
【0060】
【表1】
*:推定化合物
【0061】
以下、黒糖芳香画分を使用した実施例について説明する。なお、各実施例の見出しに付した効果1等の記載は、当該実施例において確認された効果を示すものである。効果1〜6はそれぞれ以下の効果に対応する。
効果1:飲食品の自然な風味を増強する効果
効果2:香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに自然な風味を付与する効果又は増強する効果
効果3:飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールの嫌味を低減する効果
効果4:飲食品、香料、高甘味度甘味料又は糖アルコールに好ましい風味を付与する効果
効果5:香料の安定性を強化する効果
効果6:香料の香りの持続性を強化する効果
【0062】
実施例における被検品の評価基準は、対照品を「1」とした場合に対する被検品の相対評価を「1」〜「4」の数値で表した。すなわち、「1」=対照品と変わらず、「2」=対照品と比較しやや効果あり、「3」=対照品と比較し効果あり、「4」=対照品と比較し大きな効果あり、とした。
【0063】
<実施例1:紅茶飲料の風味増強(効果1)>
下記表2に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を紅茶飲料に20ppm添加した被検品と、対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品を調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表3に示すように、被検品は、対照品と比べて自然な茶葉感が増強され、紅茶風味が向上されていた。
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
<実施例2:オレンジ果汁入り飲料の風味増強効果(効果1)>
下記表4に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を添加したオレンジ果汁入り飲料(被検品)及び黒糖芳香画分を添加しなかったオレンジ果汁入り飲料(対照品)をそれぞれ調製した。
【0067】
【表4】
【0068】
5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表5に示すように、被検品は対照品と比べて果汁感やボリューム感が補てんされ、呈味が強化されていた。
【0069】
【表5】
【0070】
<実施例3:コーヒー香料の風味増強効果(効果2)>
下記表6に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を5%添加したコーヒー香料を0.1%賦香した被検品と対照品のコーヒー飲料を調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表7に示すように、被検品は対照品と比べてロースト感や旨味、柔らかい酸味が付与され、ドリップコーヒーのような高級感のあるナチュラルな風味が付与されていた。
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
<実施例4:黒糖香料の風味増強効果)(効果2)>
下記表8〜10に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を10%添加した黒糖香料を、シュガーキャンディー、ビスケット及びラクトアイスにそれぞれ0.1%賦香した被検品、並びに対照として、シュガーキャンディー、ビスケット及びラクトアイスにそれぞれ黒糖香料だけを0.1%賦香した対照品をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表11〜13に示すように、被検品は、対照品と比べて黒糖香が非常にナチュラルで、やや青みのあるリアルな黒糖の香りやジャリジャリとした固形感、ボリュームのある風味が付与されていた。
【0074】
【表8】
【0075】
【表9】
【0076】
【表10】
【0077】
【表11】
【0078】
【表12】
【0079】
【表13】
【0080】
<実施例5:レモン風味炭酸飲料の酸味増強効果(効果2)>
下記表14に示す処方により、レモン風味炭酸飲料に製造例1で得られた黒糖芳香画分を約8ppm添加した被検品及び黒糖芳香画分を添加しなかった対照品を調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表15に示すように、被検品は、対照品と比べてレモン風味が増強され、果汁感や酸味感が向上されていた。
【0081】
【表14】
【0082】
【表15】
【0083】
<実施例6:カロリーゼロ飲料の風味増強効果(効果2+効果3)>
下記表16に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を添加したグレープフルーツ風味カロリーゼロ飲料(被検品)及び黒糖芳香画分を添加しなかったグレープフルーツ風味カロリーゼロ飲料(対照品)をそれぞれ調製した。
【0084】
【表16】
【0085】
5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表17に示すように、被検品は、対照品と比べて、高甘味度甘味料や糖アルコールの後味や異味が、ショ糖、ブドウ糖、果糖のような自然な甘味感を感じるようになり、グレープフルーツ風味も増強されていた。
【0086】
【表17】
【0087】
<実施例7:ビール風味飲料の風味増強効果(効果2+効果3)>
下記表18に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をビール風味飲料に約17ppm添加し、被検品を調製した。一方、対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表19に示すように、被検品は、対照品1と比べて生地の酸味が低減されると共に、ビール特有のコク味や厚み、広がりが付与され、ビールらしいトップ香や自然なビールらしい風味が増強されていた。また、下記表20に示すように、対照品2と比べて、対照品2が風味を抑え込んでいたのに対して被検品はビール特有のコク味や厚み、広がりが付与され、ビールらしいトップ香や自然なビールらしい風味が増強されていた。
【0088】
【表18】
【0089】
【表19】
【0090】
【表20】
【0091】
<実施例8:チョコレートの好ましくない油脂感の改良効果及びバニラ香料の風味増強効果(効果3+効果4)>
下記表21に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を5%添加したバニラ香料をスイートチョコレートに0.1%賦香して、被検品を調製した。対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表22に示すように、被検品は、対照品1と比べてチョコレートの好ましくない油脂感がマスキングされると共に、コク味やボリューム感等の呈味性が付与され、且つ、バニラ香料の高級感アップやトップを押し上げる香料の増強効果も見られた。また、下記表23に示すように、被検品は、対照品2と比べても、好ましくない油脂感のマスキング効果や、コク味やボリューム感等の呈味性付与効果、バニラ香料の高級感アップ及びトップを押し上げる香料の増強効果がより強く確認された。
【0092】
【表21】
【0093】
【表22】
【0094】
【表23】
【0095】
<実施例9:ラクトアイスの好ましくない油脂感の改良効果及びバニラ香料の風味増強効果(効果3+効果4)>
下記表24に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を5%添加したバニラ香料をラクトアイスに0.1%賦香した被検品、並びに対照として黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、表25に示すように、被検品は、対照品1と比べてラクトアイスの好ましくない油脂感がマスキングされると共に、コク味やボリューム感等の呈味性が付与され、且つ、バニラ香料の高級感アップやトップを押し上げる香料の増強効果も見られた。また、表26に示すように、対照品2と比べても、好ましくない油脂感のマスキング効果や、コク味やボリューム感等の呈味性付与効果、バニラ香料の高級感アップ及びトップを押し上げる香料の増強効果がより強く確認された。
【0096】
【表24】
【0097】
【表25】
【0098】
【表26】
【0099】
<実施例10:好ましくない高甘味度甘味料の後甘味の改良効果(効果3)>
下記表27に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を高甘味度甘味料ステビア甘味料の0.2%水溶液に0.01%添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表28に示すように、被検品は、対照品1と比べて高甘味度甘味料特有の好ましくない後味及び苦味が低減されていた。また、下記表29に示すように、対照品2と比べても高甘味度甘味料特有の好ましくない後味及び苦味がより低減されていた。
【0100】
【表27】
【0101】
【表28】
【0102】
【表29】
【0103】
<実施例11:コーヒー飲料の好ましくないレトルト殺菌臭の改良効果(効果3)>
下記表30に示す処方により、コーヒー飲料に製造例1で得られた黒糖芳香画分を0.005%添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。被検品と対照品1及び2について、それぞれ121℃、30分の条件で、加熱殺菌を行った。その後、5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表31に示すように、被検品は、対照品1と比べて後味やレトルト殺菌後の好ましくない風味が改善されていた。また、下記表32に示すように、対照品2と比べても後味やレトルト殺菌後の好ましくない風味がより改善されていた。
【0104】
【表30】
【0105】
【表31】
【0106】
【表32】
【0107】
<実施例12:アルコール飲料の好ましくない苦味の改良効果(効果3)>
下記表33に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をレモン味チューハイ(アルコール濃度約6%)に100ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表34に示すように、被検品は、対照品1と比べて苦味やアルコールに由来した刺激感がマスキングされ、飲みやすさ及び飲み口のスムースさが付与されていた。また、下記表35に示すように、対照品2と比べても苦味やアルコールに由来した刺激感がよりマスキングされ、飲みやすさ及び飲み口のスムースさも良好であった。
【0108】
【表33】
【0109】
【表34】
【0110】
【表35】
【0111】
<実施例13:レモン味チューハイの劣化臭の改良効果(効果3+効果5)>
下記表36に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をレモン味チューハイ(アルコール濃度約8%、レモン香料含有)に100ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。次に、被検品と対照品1及び2をそれぞれ50℃、10日間の虐待試験に供した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表37に示すように、被検品は、対照品1と比べてオフフレーバー(劣化臭)がマスキングされ、良好なレモン香味が保持されていた。また、下記表38に示すように、対照品2と比べても、より劣化臭がマスキングされ、良好なレモン香味が保持されていた。
【0112】
【表36】
【0113】
【表37】
【0114】
【表38】
【0115】
<実施例14:アミノ酸飲料の好ましくない香味の改良効果(効果3+効果5)>
下記表39に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をアミノ酸飲料(グレープフルーツ香料含有)に200ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。次に、被検品と対照品1及び2について、それぞれ85℃で2時間の殺菌を行った。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表40に示すように、被検品は、対照品1と比べてグレープフルーツ香料の香味が保持され、風味の劣化が少なく、アミノ酸由来の劣化臭の発生も少なかった。また、下記表41に示すように、対照品2と比べても、よりグレープフルーツ香料の香味が保持され、風味の劣化が少なく、アミノ酸由来の劣化臭の発生も少なかった。
【0116】
【表39】
【0117】
【表40】
【0118】
【表41】
【0119】
<実施例15:ヨーグルトの好ましくない酸味改良効果(効果3)>
下記表42に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をドリンクヨーグルトに200ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。次に、被検品と対照品1及び2について、それぞれ5℃、10日での経時劣化試験を行った。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表43に示すように、被検品は、対照品1と比べて経時的に生成する酸味が低減されていた。また、下記表44に示すように、対照例2と比べても、より経時的に生成する酸味が低減されていた。
【0120】
【表42】
【0121】
【表43】
【0122】
【表44】
【0123】
<実施例16:クッキーの風味増強効果(効果3+効果4)>
下記表45に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を、マーガリンと薄力粉を使用したクッキーに0.03%添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表46に示すように、被検品は、対照品1と比べて好ましくない油臭さと粉っぽさが低減され、しっとりとした良好な風味になった。また、下記表47に示すように、対照品2と比べても、好ましくない油臭さと粉っぽさがより低減され、しっとりとした良好な風味になった。
【0124】
【表45】
【0125】
【表46】
【0126】
【表47】
【0127】
<実施例17:卵加工食品の好ましくない風味改善(効果3+効果4)>
下記表48に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分を、卵黄レシチンが配合されたカスタードクリームに200ppm添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表49に示すように、被検品は、対照品1と比べて好ましくない卵の臭みが低減され、マイルドで良好な風味になった。また、下記表50に示すように、対照品2と比べても、好ましくない卵の臭みがより低減され、マイルドで良好な風味になった。
【0128】
【表48】
【0129】
【表49】
【0130】
【表50】
【0131】
<実施例18:高甘味度甘味料入りガムの甘みの改良効果及び香味持続力増強効果(効果2+効果3+効果6)>
下記表51に示す処方により、製造例1で得られた黒糖芳香画分をシュガーレスガムに添加した被検品、並びに対照として、黒糖芳香画分を添加しなかった対照品1及び黒糖芳香画分の代わりに製造例2で得られた消臭エキスを添加した対照品2をそれぞれ調製した。5名のパネリストで官能評価を行った結果、下記表52に示すように、被検品は、対照品1と比べてグレープ香料のガム生地への味乗りが良くなり、グレープの丸みのある甘みが付与されると共に、酸味もはっきりと感じるようになり、美味しさが加味されていた。また、高甘味度甘味料独特の味のベタ付を抑えるマスキング効果や甘味の発現性をショ糖やブドウ糖等の糖質に近くするリフティング効果も認められた。更に、香味の持続性について、TIME−INTENSITY法で評価した結果、対照品1と比べて、5〜10分ほど伸びることが判明した。また、下記表53に示すように、対照品2と比べてもグレープ様の風味、酸味、美味しさの増強効果、甘味料のマスキング効果、香味の持続効果は良好であった。
【0132】
【表51】
【0133】
【表52】
【0134】
【表53】