特許第6291319号(P6291319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6291319グレモンハンドル構造およびグレモンハンドル構造が設けられたサッシ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6291319
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】グレモンハンドル構造およびグレモンハンドル構造が設けられたサッシ
(51)【国際特許分類】
   E05C 1/06 20060101AFI20180305BHJP
   E05B 65/06 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   E05C1/06 B
   E05B65/06 H
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-74503(P2014-74503)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-196963(P2015-196963A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】飯盛 光洋
(72)【発明者】
【氏名】大東 正樹
(72)【発明者】
【氏名】内田 京助
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−055854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05C 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サッシ枠と、該サッシ枠に吊元を軸として回動可能に支持されるサッシ障子とを備えるサッシに設けられるグレモンハンドル構造において、
前記サッシ障子の戸先框の室内側見込み面に設けられたグレモンハンドルと、
前記戸先框から前記サッシ枠側へ突出し前記サッシ障子と前記サッシ枠とを係止可能な被係止部が設けられたグレモン連動バーと、
該グレモン連動バーを前記グレモンハンドルに連動させる連動部と、を有し、
該連動部は、板面が見付け方向を向き、前記板面に前記グレモンハンドルおよび前記グレモン連動バーがそれぞれ連結されたプレートを有し、
前記グレモン連動バーは、前記プレートにおける前記グレモンハンドルが連結されている位置よりも見込み方向の室外側において前記プレートに連結されていることを特徴とするグレモンハンドル構造。
【請求項2】
前記グレモンハンドルの少なくとも一部と、前記グレモン連動バーの少なくとも一部とは、見付け方向で重なる位置に設けられることを特徴とする請求項1に記載のグレモンハンドル構造。
【請求項3】
前記プレートには、見込み方向の中間部に段部が形成され、前記段部よりも室内側の部分に前記グレモンハンドルが連結され、前記段部よりも室外側の部分に前記グレモン連動バーが連結されていて、前記段部よりも室外側の部分は、前記段部よりも室内側の部分と比べて、前記サッシ枠と離間していることを特徴とする請求項2に記載のグレモンハンドル構造。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載のグレモンハンドル構造が設けられたことを特徴とするサッシ。
【請求項5】
前記サッシ枠は、前記戸先框の室内側で該戸先框と見込み方向に重なるように配置された框隠し部を有していることを特徴とする請求項4に記載のサッシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦辷り出し窓や横辷り出し窓などのサッシ障子がその吊元を軸として回動可能に取り付けられたサッシに設けられるグレモンハンドル構造およびグレモンハンドル構造が設けられたサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サッシ障子がその吊元を軸として回動自在に取り付けられた縦辷り出し窓や、横滑り出し窓などの中には、吊元側と反対側となる戸先框にグレモンハンドルが設けられていて、グレモンハンドルと連動するグレモン連動バーが戸先框側の縦枠に係止されることで施錠されるように構成されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、サッシ障子の戸先框の見付け方向の寸法を小さくし、サッシ障子が開口部を閉鎖している状態において、戸先框がサッシ枠と見込み方向に重なるようにした隠し框構造が知られている(例えば特許文献2参照)。このような隠し框構造は、見栄えを良くすることができるとともに、例えばアルミニウムと樹脂の複合サッシなどに適用すると、断熱性能を更に高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−113688号公報
【特許文献2】特開2010‐285836号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、隠し框構造の縦辷り出し窓のサッシにグレモンハンドルが設けられる場合、戸先框の室内側にグレモンハンドルとグレモン連動バーとが平面視において見付け方向に並んで配列されている。このため、戸先框の見付け方向の寸法は、グレモンハンドルとグレモン連動バーとが、平面視において見付け方向に並んで配列可能な寸法とする必要があり、小さくすることができず、断熱性能を向上させることができないという問題がある。
【0005】
また、グレモン連動バーは、サッシ障子が吊元を軸として回動する際には、縦枠と対向する側の先端部のピンが縦枠側に膨む円弧上の軌跡を描くため、縦枠と当たらないようにピンと縦枠との間にクリアランスをとる必要がある。ここで、隠し框構造の場合は、戸先框の見込み方向の室内側にグレモンハンドルおよびグレモン連動バーが設けられていることにより、戸先框の見付け方向の縦枠側にグレモン連動バーが設けられている場合と比べて、サッシ障子が吊元を軸として回動する際に、ピンが縦枠側に大きく膨らむ円弧状の軌跡を描くため、ピンと縦枠との間のクリアランスを大きくする必要があり、断熱性能が低くなるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、断熱性能を向上させることができるグレモンハンドル構造およびグレモンハンドル構造が設けられたサッシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るグレモンハンドル構造は、サッシ枠と、該サッシ枠に吊元を軸として回動可能に支持されるサッシ障子とを備えるサッシに設けられるグレモンハンドル構造において、前記サッシ障子の戸先框の室内側見込み面に設けられたグレモンハンドルと、前記戸先框から前記サッシ枠側へ突出し前記サッシ障子と前記サッシ枠とを係止可能な被係止部が設けられたグレモン連動バーと、該グレモン連動バーを前記グレモンハンドルに連動させる連動部と、を有し、該連動部は、板面が見付け方向を向き、前記板面に前記グレモンハンドルおよび前記グレモン連動バーがそれぞれ連結されたプレートを有し、前記グレモン連動バーは、前記プレートにおける前記グレモンハンドルが連結されている位置よりも見込み方向の室外側において前記プレートに連結されていることを特徴とする。
また、本発明に係るサッシは、上記のグレモンハンドル構造が設けられたことを特徴とする
【0008】
本発明では、グレモン連動バーは、グレモンハンドルよりも見込み方向の室外側に配置されていることにより、グレモン連動バーがグレモンハンドルと見込み方向で重なる位置に配置されている場合と比べて、サッシ障子が吊元を軸として回動した際に、戸先框から突出する被係止部が描くサッシ枠に膨らむ円弧状の軌跡を小さくできるため、被係止部とサッシ枠との間のクリアランスを小さくできる。
これにより、戸先框とサッシ枠との間隔を小さくすることができて、サッシの断熱性能を向上させることができる。
【0009】
また、本発明に係るグレモンハンドル構造では、前記グレモンハンドルの少なくとも一部と、前記グレモン連動バーの少なくとも一部とは、見付け方向で重なる位置に設けられることが好ましい。
このような構成とすることにより、グレモンハンドルとグレモン連動バーとを合わせた
見付け方向の寸法を小さくできるため、戸先框の見付け方向の寸法を小さくでき、サッシの断熱性能を向上させることができる。
【0010】
また、本発明に係るグレモンハンドル構造では、前記プレートには、見込み方向の中間部に段部が形成され、前記段部よりも室内側の部分に前記グレモンハンドルが連結され、前記段部よりも室外側の部分に前記グレモン連動バーが連結されていて、前記段部よりも室外側の部分は、前記段部よりも室内側の部分と比べて、前記サッシ枠と離間していることが好ましい。
このような構成とすることにより、グレモンハンドルの少なくとも一部と、グレモン連動バーの少なくとも一部とが見付け方向で重なる位置に設けられる場合にも、グレモンハンドルとグレモン連動バーと連結することができて、グレモンハンドルの操作によって確実にグレモン連動バーを連動させることができる。
【0011】
また、本発明に係るサッシは、前記サッシ枠は、前記戸先框の室内側で該戸先框と見込み方向に重なるように配置された框隠し部を有していることが好ましい。
このような構成とすることにより、サッシの断熱性能をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、グレモン連動バーは、グレモンハンドルよりも見込み方向の室外側に配置されていることにより、グレモン連動バーがグレモンハンドルと見込み方向で重なる位置に配置されている場合と比べて、サッシ障子が吊元を軸として回動した際に、戸先框から突出する被係止部が描くサッシ枠に膨らむ円弧状の軌跡を小さくできるため、被係止部とサッシ枠との間のクリアランスを小さくできる。
これにより、戸先框とサッシ枠との間隔を小さくすることができて、サッシの断熱性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態によるサッシの一例を示す図で室内側から見た正面図である。
図2図1のA−A線断面図である。
図3図2のB方向矢視図である。
図4図2のC方向矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態によるグレモンハンドル構造およびグレモンハンドル構造が設けられたサッシについて、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態によるサッシ1は、縦辷り出し窓のアルミニウムと樹脂の複合のサッシで、建物11の開口部12に固定されたサッシ枠2と、サッシ枠2の内部に上下方向(図中の矢印Dの方向)に延びる吊元3aを軸として回動可能に取り付けられるサッシ障子3と、を備えている。
【0015】
サッシ枠2は、開口部12の縁部に沿った矩形状に形成されていて、見付け方向(図中の矢印Eの方向)に延在する上枠21および下枠22と、上下方向に延在する一対の縦枠4,23と、を有している。ここで、一対の縦枠4,23のうち、サッシ障子3が開口部12を閉鎖した状態において、サッシ障子3の戸先框5に対向する縦枠4を第1縦枠4とし、サッシ障子3の吊元框33と対向する縦枠23を第2縦枠23として以下説明する。
【0016】
サッシ障子3は、見付け方向に延在する上框31および下框32と、上下方向に延在する戸先框5および吊元框33と、これらの框5,31〜33の内側に配置されるガラス34と、を有している。
ここで、サッシ枠2の第1縦枠4およびサッシ障子3の戸先框5以外は、公知のものとして以下説明する。
【0017】
図2に示すように、第1縦枠4は、建物11に固定されて板面が見付け方向を向く板状の本体部41と、本体部41に支持された框隠し部42と、を有している。
本体部41および框隠し部42は、いずれもサッシ枠2の全高さにわたって延在する部材で、本体部41は、アルミニウムなどの金属を材料として形成されていて、框隠し部42は、本体部41を形成する材料よりも熱伝導率の低い塩ビ(PVC)などの樹脂を材料として形成されている。
框隠し部42は、サッシ障子3が開口部12を閉鎖している状態において、戸先框5の室内14側で戸先框5と見込み方向(図中の矢印Fの方向)に重なるように配置されている。
【0018】
戸先框5は、室外13側に配置される室外側形材51と、室外側形材51の室内14側に配置される室内側形材52と、を有している。
室外側形材51および室内側形材52は、いずれもサッシ障子3の全高さにわたって延在する部材で、室外側形材51は、アルミニウムなどの金属を材料として形成されていて、室内側形材52は、室外側形材51を形成する材料よりも熱伝導率の低い塩ビ(PVC)などの樹脂を材料として形成されている。
【0019】
室外側形材51は、板面が見付け方向を向き、見込み方向の寸法が戸先框5の見込み方向の寸法と略同じ第1板部53と、板面が見付け方向を向き、第1板部53よりも見込み方向の寸法が小さい第2板部54と、を有している。
第1板部53は、見込み方向の中間部に室内側形材52と係合可能な係合部53aが形成されていて、係合部53aよりも室内14側の部分は、室内側形材52の第1縦枠4側の端面を押さえるように構成されている。第1板部53には、上下方向に延びる第1長孔55が形成されている。
第2板部54は、第1板部53の係合部53aよりも室外13側の部分の第1縦枠4側の面と重なるように設けられている。第2板部54には、上下方向に延びる第2長孔56および第3長孔57が上下方向に間隔をあけて形成されている。
なお、第1長孔55、第2長孔56および第3長孔57は、上下方向の長さが略同じ寸法となるように形成されている。
これらの第1板部53および第2板部54は、サッシ障子3の全高さにわたって延在している。
【0020】
本実施形態によるグレモンハンドル構造10は、戸先框5の室内側形材52に設けられたグレモンハンドル6と、戸先框5の室外側形材51の第1縦枠4側に設けられたグレモン連動バー7と、グレモンハンドル6にグレモン連動バー7を連動させる連動部8と、第1縦枠4に設けられてグレモン連動バー7を係止可能な係止部9と、を備えている。
【0021】
グレモンハンドル6は、室内側形材52の上下方向の中間部に設けられていて、室内側形材52から吊元3a側へ突出し使用者が把持可能な把持部61と、把持部61と連結され室内側形材52の内部に配置されるインナー部62と、を有している。
グレモンハンドル6は、把持部61とインナー部62との連結部に位置し見込み方向に延びる軸6aを中心に回動可能に構成されている。そして、軸6aを中心に把持部61が下側に向かって回動するとインナー部62が上側へ向かって回動し、軸6aを中心に把持部61が上側へ向かって回動するとインナー部62が下側へ向かって回動するように構成されている。
【0022】
インナー部62は、戸先框5の第1板部53に形成された第1長孔55に挿通されたビスなどの第1固定具82を介して、連動部8のプレート81と連結されている。この第1固定具82は、第1長孔55内を上下方向に移動可能に構成されている。
【0023】
グレモン連動バー7は、グレモンハンドル6よりも上側に設けられていて、見付け方向に延在する基部71と、基部71の第1縦枠4側の端部に設けられたピン(被係止部)72と、を有している。
基部71は、ピン72が設けられている側と反対側の端部が、戸先框5の第2板部54に形成された第2長孔56に挿入されている。基部71は、第2長孔56内を上下方向に移動可能に構成されている。
ピン72は、基部71よりも径が大きく形成されていて、第2長孔56に挿通できないように構成されている。
このようなグレモン連動バー7は、ピン72が設けられている側が戸先框5の第2板部54から第1縦枠4側に突出している。
【0024】
連動部8は、戸先框5の第1板部53および第2板部54の第1縦枠4側に設けられたプレート81と、第1板部53と第2板部54との間に設けられてプレート81とグレモン連動バー7の基部71とを連結する連結材83と、を有している。
プレート81は、板面が見付け方向を向く略矩形状の板材で、見込み方向の中間部に段部81aが形成されている。プレート81は、段部81aより室外13側の部分81bが、段部81aより室内14側の部分81cよりも第1縦枠4と離間している。
連結材83は、戸先框5の第2板部54に形成された第3長孔57に挿通されたビスなどの第2固定具84を介して、連動部8のプレート81と連結されている。この第2固定具84は、第3長孔57内を上下方向に移動可能に構成されている。
【0025】
係止部9は、グレモン連動バー7と対応する高さにおいて第1縦枠4の本体部41に固定されていて、板面が見付け方向を向く板部91と、板部91を第1縦枠4に固定する固定部92と、有している。なお、板部91と固定部92とは一体に形成されていてもよいし、別の部材で構成されていてもよい。
係止部9は、第1縦枠4の本体部41に固定されると、板部91が第1縦枠4の本体部41と見付け方向に離間している。板部91と第1縦枠4の本体部41との間隔は、ピン72の見付け方向の寸法よりも大きくなるように設定されている。
【0026】
また、板部91は、見込み方向の略中央部よりも室内14側が、室外13側よりも下側に突出しているとともに、見込み方向の略中央部よりも室外13側に下側に開口する切欠き部93が形成されている。切欠き部93の見込み方向の寸法は、グレモン連動バー7の基部71の見込み方向の寸法よりも大きく、ピン72の見込み方向の寸法よりも小さくなるように設定されている。
そして、係止部9は、第1縦枠4の本体部41との間に下側からグレモン連動バー7のピン72が挿入され、係止部9の切り込み93にグレモン連動バー7の基部71が挿入されると、ピン72を係止して、グレモン連動バー7の見付け方向および見込み方向の移動を拘束可能に構成されている。
【0027】
このようなグレモンハンドル構造10では、サッシ障子3が開口部12を閉鎖した状態で、使用者がグレモンハンドル6の把持部61をその軸6aを中心に下側へ回動させると、インナー部62が上側へ移動し、これに伴いプレート81も上側へ移動する。そして、プレート81が上側へ移動することで連結材83を介してグレモン連動バー7も上側へ移動する。これにより、係止部9の板部91と第1縦枠4との間にピン72が挿入され、ピン72が係止部9に係止されて施錠されるように構成されている。
また、施錠された状態から、使用者が把持部61をその軸6aを中心に上側へ回動させると、インナー部62が下側へ移動し、これに伴いプレート81も下側へ移動する。そして、プレート81が下側へ移動することで連結材83を介してグレモン連動バー7も下側へ移動する。これにより、板部91と第1縦枠4との間からピン72が外れて、解錠されるように構成されている。
【0028】
次に、上述したグレモンハンドル構造およびサッシの作用・効果について図面を用いて説明する。
本実施形態によるグレモンハンドル構造10では、グレモン連動バー7は、グレモンハンドル6よりも見込み方向の室外13側に配置されていることにより、グレモン連動バー7がグレモンハンドル6と見込み方向で重なる位置に配置されている場合と比べて、サッシ障子3が吊元3aを軸として回動した際に、グレモン連動バー7のピン72が描く第1縦枠4側に膨らむ円弧状の軌跡を小さくできるため、ピン72と第1縦枠4との間のクリアランスを小さくできる。
このため、戸先框5と第1縦枠4との間隔を小さくすることができて、サッシ1の断熱性能を向上させることができる。
【0029】
また、グレモンハンドル6のインナー部62の一部と、グレモン連動バー7の基部71の一部と、が見付け方向で重なる位置に設けられていることにより、インナー部62からグレモン連動バー7のピン72までの寸法を小さくできるため、戸先框5の見付け方向の寸法を小さくすることができ、サッシ1の断熱性能をより向上させることができる。
また、戸先框5の見付け方向の寸法を小さくできることにより、ガラス34の面積を大きくできるため、ガラス34からより多く採光できるとともに、眺望性をよくすることができる。
また、第1縦枠4は、框隠し部42を有することにより、サッシ1の断熱性能をより向上させることができる。
【0030】
また、プレート81には、見込み方向の中間部に段部81aが形成されていることにより、グレモンハンドル6のインナー部62の一部と、グレモン連動バー7の基部71の一部と、が見付け方向で重なる位置に設けられている場合にも、グレモンハンドル6のインナー部62とグレモン連動バー7の基部71とを、プレート81および連結材83を介して確実に連結することができる。
【0031】
以上、本発明によるグレモンハンドル構造およびグレモンハンドル構造が設けられたサッシの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、サッシ1は、縦辷り出し窓としているが、横滑り出し窓としてもよい。
また、上記の実施形態では、グレモン連動バー7の先端部に被係止部としてピン72が設けられていて、第1縦枠4に係止部9として切欠き部93が形成された板部91が設けられているが、グレモン連動バー7が第1縦枠4に係止される形態は上記以外の形態としてもよい。
【0032】
また、上記の実施形態では、プレート81には、段部81aが形成されているが、段部81aが形成されていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、グレモンハンドル6のインナー部62の一部と、グレモン連動バー7の基部71の一部とが、見付け方向で重なる位置に設けられているが、このように設けられていなくてもよい。
また、上記の実施形態では、第1縦枠4には、框隠し部42が設けられているが、框隠し部42が設けられていなくてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 サッシ
2 サッシ枠
3 サッシ障子
3a 吊元
4 第1縦枠
5 戸先框
6 グレモンハンドル
7 グレモン連動バー
8 連動部
9 係止部
10 グレモンハンドル構造
12 開口部
13 室外
14 室内
42 框隠し部
61 把持部
72 ピン(被係止部)
81 プレート
81a 段部
図1
図2
図3
図4