特許第6291331号(P6291331)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6291331
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】ヘッドレスト表皮及びヘッドレスト装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/80 20180101AFI20180305BHJP
   A47C 7/38 20060101ALI20180305BHJP
   B68G 7/05 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   B60N2/48
   A47C7/38
   B68G7/05 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-83071(P2014-83071)
(22)【出願日】2014年4月14日
(65)【公開番号】特開2015-202778(P2015-202778A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2016年12月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】市▲崎▼ 幸志
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−068700(JP,U)
【文献】 実開平05−064013(JP,U)
【文献】 特開2005−170144(JP,A)
【文献】 実開昭51−095128(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/80
A47C 7/38
B68G 7/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドレスト装置のヘッドレストステーを挿通させるためのステー挿通孔と、
前記ステー挿通孔の開口縁から一定距離L1離間した位置に、前記ステー挿通孔を囲んで前記開口縁に沿って表皮本体の表面側から縫い込まれる上糸と裏面側から縫い込まれる下糸とで本縫された補強部と、を有し、
ヘッドレスト本体に着脱可能とされている、ヘッドレスト表皮。
【請求項2】
前記ステー挿通孔が円形である請求項1に記載のヘッドレスト表皮。
【請求項3】
前記距離L1が3mm〜4mmである請求項1又は請求項2に記載のヘッドレスト表皮。
【請求項4】
ヘッドレストステーとクッション材と衝撃吸収部材とを有する前記ヘッドレスト本体と、
前記ヘッドレスト本体に被せられた請求項1〜3の何れか1項に記載のヘッドレスト表皮と、
を備えたヘッドレスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等のシートバックの上端部に取り付けられるヘッドレスト装置のためのヘッドレスト表皮及び該ヘッドレスト表皮を備えたヘッドレスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、ヘッドレスト装置のステーを挿通させるためのステー挿通孔を形成したヘッドレスト表皮において、ヘッドレスト本体の前後移動を許容するために、ステー挿通孔をステーの外径に対応した開口幅の長孔より構成している。そして、ステー挿通孔には、本縫い縫い目がクロスされ、ステー挿通孔の縁部側の位置に上糸と下糸との結節部を有する孔かがりを設け、縫い目を形成する上糸及び下糸よりなる縫製糸は、低摩擦加工が施されている構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第5405051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、ヘッドレスト本体にヘッドレスト表皮を被せる際に、先に、ヘッドレストステーをステー挿通孔に通しておく場合があり、この場合には、ヘッドレスト表皮を引っ張るため、ヘッドレストステーによってステー挿通孔の開口周縁が押圧される。このため、ヘッドレストステーによる押圧力によって、孔かがりの縫い目が緩むことでステー挿通孔が変形する。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、ヘッドレスト本体にヘッドレスト表皮を被せる際のステー挿通孔の変形を防止できるヘッドレスト表皮及びヘッドレスト装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のヘッドレスト表皮は、ヘッドレスト装置のヘッドレストステーを挿通させるためのステー挿通孔と、前記ステー挿通孔の開口縁から一定距離L1離間した位置に、前記ステー挿通孔を囲んで前記開口縁に沿って表皮本体の表面側から縫い込まれる上糸と裏面側から縫い込まれる下糸とで本縫された補強部と、を有し、ヘッドレスト本体に着脱可能とされている
【0007】
請求項1に記載のヘッドレスト表皮では、ヘッドレスト本体にヘッドレスト表皮を被せる際に、ヘッドレスト表皮を引っ張るため、ヘッドレスト装置のヘッドレストステーが、ステー挿通孔の開口周縁に当たり、ステー挿通孔の開口周縁に押圧力が作用する。このとき、ステー挿通孔の開口縁から一定距離L1離間した位置に、ステー挿通孔を囲んで開口縁に沿って、ヘッドレスト表皮の表皮本体の表面側から縫い込まれる上糸と、裏面側から縫い込まれる下糸とで本縫された補強部が、ヘッドレストステーによる押圧力によって、ステー挿通孔が変形するのを防止する。
【0008】
請求項2に記載のヘッドレスト表皮は、請求項1に記載のヘッドレスト表皮において、前記ステー挿通孔が円形である。
【0009】
請求項2に記載のヘッドレスト表皮では、補強部が円形とされたステー挿通孔の開口縁から一定距離L1離間した位置に、円形とされたステー挿通孔を囲んで、ステー挿通孔の開口縁に沿って設けられている。このため、ステー挿通孔の開口周縁における周方向に沿ったどの部位が、ヘッドレストステーによって押圧されても同じようにステー挿通孔の変形を防止できる。
【0010】
請求項3に記載のヘッドレスト表皮は、請求項1又は請求項2に記載のヘッドレスト表皮において、前記距離L1が3mm〜4mmである。
【0011】
請求項3に記載のヘッドレスト表皮では、ステー挿通孔の開口と補強部との距離L1が3mm〜4mmであるため、ミシンを使用してステー挿通孔を囲んで上糸と下糸とで本縫する際に、ミシンによるヘッドレスト表皮の押さえ代を確保し易く縫製作業性が良い。また、ステー挿通孔の開口周縁の強度を上げることができるため、ステー挿通孔の変形防止効果も高い。
【0012】
なお、ステー挿通孔の開口と補強部との距離L1が3mmより小さい場合には、ステー挿通孔を囲んで上糸と下糸とで本縫する際に、ミシンによるヘッドレスト表皮の押さえ代を確保し難く、作業性が低下する。一方、ステー挿通孔の開口と補強部との距離L1が4mmより大きい場合には、ステー挿通孔の開口周縁の強度を確保し難く、ステー挿通孔の変形防止効果が低下する。
【0013】
請求項4に記載のヘッドレスト装置は、ヘッドレストステーとクッション材と衝撃吸収部材とを有する前記ヘッドレスト本体と、前記ヘッドレスト本体に被せられた請求項1〜3の何れか1項に記載のヘッドレスト表皮と、を備えている。
【0014】
請求項4に記載のヘッドレスト装置では、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のヘッドレスト表皮を備えているため、前述した如き作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の本発明によれば、ヘッドレスト本体にヘッドレスト表皮を被せる際のステー挿通孔の変形を防止できる。
【0016】
請求項2に記載の本発明によれば、ステー挿通孔の開口周縁におけるどの部位が、ヘッドレストステーによって押圧されても同じようにステー挿通孔の変形を防止できる。
【0017】
請求項3に記載の本発明によれば、縫製作業性が良いと共に、ステー挿通孔の変形防止効果も高い。
【0018】
請求項4に記載の本発明によれば、ヘッドレスト本体にヘッドレスト表皮を被せる際のステー挿通孔の変形を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態のヘッドレスト表皮の一部を示す底面図である。
図2】本発明の一実施形態のヘッドレスト表皮の補強部を示す側断面図である。
図3】本発明の一実施形態のヘッドレスト表皮が適用されたヘッドレスト装置を示す斜め前方下側から見た斜視図である。
図4】本発明の一実施形態のヘッドレスト表皮が適用されたヘッドレスト装置及びその周辺部材の構成を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図1図4を用いて、本発明に係るヘッドレスト表皮及びヘッドレスト装置の一実施形態について説明する。なお、図面に適宜示される矢印FRはヘッドレスト表皮を有するヘッドレスト装置が設けられた車両(自動車)の前方を示し、矢印LHは車両左方(車幅方向一側)を示し、矢印RHは車両右方(車幅方向一側)を示し、矢印UPは車両上方を示す。
【0021】
図4に示されるように、本実施形態に係るヘッドレスト装置10は、車両用シート12のシートバック14の上端部に取り付けられている。また、ヘッドレスト装置10のヘッドレスト本体10Aは、一例として、骨格部材となるヘッドレストステー16と、クッション材であるヘッドレストパッド18と、衝撃吸収部材である内部構造物19とによって構成されている。また、ヘッドレスト本体10Aは、ヘッドレスト装置10の意匠面を構成するヘッドレスト表皮20によって被覆されており、ヘッドレスト表皮20は、布、皮革又は合成皮革などの材料によって袋状に縫製されている。
【0022】
なお、車両用シート12は、乗員が前方を向いて着座するように図示しない車体床部に連結されており、車両用シート12における前後上下左右の方向は、車両の前後上下左右の方向と一致している。
【0023】
また、ヘッドレストステー16は、金属製のパイプ材等が曲げ加工されることにより形成されたものであり、前後方向から見て略逆U字状に形成されている。このヘッドレストステー16は、左右一対の脚部16Aと、左右の脚部16Aの上端部を車幅方向に連結した連結部16Bとによって構成されている。また、左右の脚部16Aは、上下方向中央部付近が側面視で僅かに屈曲しており、当該屈曲部よりも上端側が上方側へ向かうに従い前方へ向かうように傾斜している。
【0024】
左右の脚部16Aの下端側(すなわちヘッドレストステー16の下端側)は、シートバック14の上端部に設けられたヘッドレストサポート26に連結されている。このヘッドレストサポート26は、シートバック14の骨格部材であるシートバックフレーム28の上端部に固定されたヘッドレストサポートブラケット30に装着されている。これにより、ヘッドレストステー16の下端側がヘッドレストサポート26及びヘッドレストサポートブラケット30を介してシートバックフレーム28の上端部に高さを調節可能に連結されている。
【0025】
ヘッドレストパッド18は、発泡ウレタン等の発泡弾性材によって構成されており、ヘッドレストパッド18内にヘッドレストステー16の上端側が埋設されている。これにより、ヘッドレストパッド18がヘッドレストステー16に支持されている。なお、ヘッドレストパッド18の表面をヘッドレスト表皮20が覆っている。
【0026】
ヘッドレストパッド18の内部には、内部構造物19が埋設されている。この内部構造物19は、硬質発泡ウレタン等の硬質材料によってヘッドレストパッド18よりも小さな略ブロック状に形成されている。この内部構造物19は、例えば、後面側に形成された左右一対の縦溝に、ヘッドレストステー16の左右の脚部16Aが嵌合することにより、ヘッドレストステー16に取り付けられており、ヘッドレストステー16によって後方から支持されている。
【0027】
図3に示すように、ヘッドレスト表皮20の底部20Aには、ヘッドレストステー16の左右の脚部16Aを挿通させるための一対のステー挿通孔32が形成されている。
【0028】
図1に示すように、ステー挿通孔32は円形に形成されている。また、ステー挿通孔32の開口縁32Aから一定距離L1(例えば、L1=3mm)離間した位置には、ステー挿通孔32を囲んで、ステー挿通孔32の開口縁32Aに沿って補強部34が形成されている。
【0029】
図2に示すように、補強部34は、ヘッドレスト表皮20の表皮本体36の表面20B側から縫い込まれる上糸34Aと、裏面20C側から縫い込まれる下糸34Bとで本縫されている。具体的には、ミシンを使用して、上糸34Aを先端の穴K1に通したミシン針Kを、表面20B側から表皮本体36に突き刺し、表皮本体36の裏面20C側に上糸34Aがたるんでできたループに下糸34Bを通し、その後、表皮本体36からミシン針Kを抜き、上糸34Aと下糸34Bとの結び目34Cが表皮本体36の厚さ方向(矢印M1方向)中央にくるように上糸34Aを引き上げる。これの繰り返しによって補強部34が構成されている。なお、下糸34Bは上糸34Aの略真下にあるが、図1では説明上、下糸34Bを上糸34Aと平行に記載している。
【0030】
図1に示すように、補強部34とステー挿通孔32の開口縁32Aとの距離L1は、開口縁32Aの周方向に沿って一定とされ、3mm〜4mmに設定されている。このため、ミシンを使用してステー挿通孔32を囲んで上糸34Aと下糸34Bとで本縫する際に、ミシンによるヘッドレスト表皮20の押さえ代を確保し易く、縫製作業性が良い。また、ステー挿通孔32の開口周縁の強度を上げることができるため、ステー挿通孔32の変形防止効果も高い。
【0031】
なお、ステー挿通孔32の開口縁32Aと補強部34との距離L1が3mmより小さい場合には、ステー挿通孔32を囲んで上糸34Aと下糸34Bとで本縫する際に、ミシンによるヘッドレスト表皮20の押さえ代を確保し難く、作業性が低下する。一方、ステー挿通孔32の開口縁32Aと補強部34との距離L1が4mmより大きい場合には、距離L1が広すぎることで、ステー挿通孔32の開口周縁の強度を確保し難く、ステー挿通孔32の変形防止効果が低下する。
【0032】
図2に示すように、補強部34のピッチP1は、3mm〜5mmに設定されている。このため、ステー挿通孔32の開口周縁の強度を確保でき、ステー挿通孔32の変形防止効果が低下することがない。また、本縫する際の作業時間が長くなることもないので作業性が低下することがない。
【0033】
なお、補強部34のピッチP1が5mmより大きい場合には、ピッチP1が広すぎることで、ステー挿通孔32の変形防止効果が低下する。一方、補強部34のピッチP1が3mmより小さい場合には、ピッチP1が短すぎて本縫の作業時間が長くなり作業性が低下すると共に、ピッチP1が短すぎて補強部34に亀裂が発生し易くなる。
【0034】
また、袋状とされたヘッドレスト表皮20には、ステー挿通孔32の他にヘッドレスト本体10Aを挿入するための開口部40が形成されている。この開口部40には、ヘッドレスト本体10Aを開口部40からヘッドレスト表皮20の内側に挿入し、ヘッドレスト表皮20で覆った後に、この開口部40を閉止するための図示しない閉止手段を備えている。なお、閉止手段としては、オス、メス一対のファスナーとしてもよく、閉止手段に代えて、接着剤による接着や縫製によって閉止してよく、その方法は特に限定されない。
【0035】
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0036】
本実施形態では、ヘッドレスト装置10のヘッドレスト本体10Aに、ヘッドレスト表皮20を被せる際に、先ず、ヘッドレストステー16の脚部16Aをヘッドレスト表皮20のステー挿通孔32に通す。その後、ヘッドレスト本体10Aを開口部40からヘッドレスト表皮20の内側に挿入し、ヘッドレスト本体10Aをヘッドレスト表皮20で覆う。
【0037】
そして、ヘッドレスト表皮20における、ステー挿通孔32の開口縁32Aから一定距離L1離間した位置には、ステー挿通孔32を囲んで開口縁32Aに沿って、ヘッドレスト表皮20の表皮本体36の表面20B側から縫い込まれる上糸34Aと、裏面20C側から縫い込まれる下糸34Bとで本縫された補強部34が形成されている。
【0038】
このため、ヘッドレスト本体10Aをヘッドレスト表皮20で覆う際の引っ張り力によって、ヘッドレストステー16の脚部16Aが、ヘッドレスト表皮20のステー挿通孔32の開口周縁に当たり、ヘッドレスト表皮20のステー挿通孔32の開口周縁に押圧力(図1の矢印F1)が作用しても、補強部34によって、この押圧力F1によってステー挿通孔32が変形する(広がる)のを防止できる。この結果、ヘッドレスト本体10Aとヘッドレスト表皮20との位置ずれを防止でき、ヘッドレスト装置10の仕上がり品質が良好となる。また、ヘッドレスト表皮20のステー挿通孔32の開口周縁の切り裂けを防止できるため、ヘッドレスト表皮20が使用できなくなることも防止できる。
【0039】
また、本実施形態では、ヘッドレスト表皮20の補強部34が、円形とされたステー挿通孔32の開口縁32Aから一定距離L1離間した位置に、ステー挿通孔32を囲んで、ステー挿通孔32の開口縁32Aに沿って設けられている。このため、ステー挿通孔32の開口周縁における周方向どの部位に、ヘッドレストステー16の脚部16Aによってどの方向から押圧力F1が作用しても同じようにステー挿通孔32の変形を防止できる。
【0040】
また、本実施形態では、ヘッドレスト表皮20のステー挿通孔32の開口縁32Aと補強部34との距離L1が3mm〜4mmである。このため、ミシンを使用してステー挿通孔32を囲んで上糸34Aと下糸34Bとで本縫する際に、ミシンによるヘッドレスト表皮20の押さえ代を確保し易く、縫製作業性が良い。また、ステー挿通孔32の開口周縁の強度を上げることができるため、ステー挿通孔32の変形防止効果も高い。
【0041】
また、本実施形態では、補強部34のピッチP1が、3mm〜5mmに設定されている。このため、ステー挿通孔32の開口周縁の強度を確保でき、ステー挿通孔32の変形防止効果が低下することがない。また、本縫する際の作業時間が長くなることもないので作業性が低下することがない。
【0042】
また、本実施形態では、ヘッドレスト表皮20のステー挿通孔32に変形防止用のキャップを用いたりすることが不要となり、部品点数の増加を抑えることができ、にヘッドレスト装置10の作製の容易化に寄与できる。
【0043】
(実施形態の補足説明)
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、ステー挿通孔32を円形に形成したが、ステー挿通孔32の形状は、長円、楕円等の他の形状としてもよい。また、本発明のヘッドレスト表皮は、単層構造であっても積層(複層)構造であってもよい。
【0044】
また、本発明のヘッドレスト表皮及びヘッドレスト装置は、車両用シート以外のシートのヘッドレスト表皮及びヘッドレスト装置にも適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
10 ヘッドレスト装置
10A ヘッドレスト本体
16 ヘッドレストステー
16A ヘッドレストステーの脚部
18 ヘッドレストパッド(クッション材)
19 内部構造物(衝撃吸収部材)
20 ヘッドレスト表皮
32 ステー挿通孔
34 補強部
34A 上糸
34B 下糸
36 表皮本体
図1
図2
図3
図4