(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基準方向から見たときの前記第1方向と前記第2方向との交点を原点とすると、前記基準方向から見たときに、前記斜め補正制限量の集合によって、前記原点を中心にするとともに前記第1方向と前記第2方向とを対角線の方向とする正方形状の仮想正方形が形成されており、
前記基準方向から見たときに、前記第1振れ補正成分をPtとし、前記第3振れ補正成分をYtとし、前記目標振れ補正量の前記第1方向の振れ補正量をPt1とし、前記目標振れ補正量の前記第2方向の振れ補正量をYt1とし、前記第1方向または前記第2方向と前記仮想正方形との交点と前記原点との距離をGLとすると、
前記制御部は、前記基準方向から見たときに、前記目標振れ補正量が前記振れ補正方向における前記斜め補正制限量よりも大きければ、以下の算出式に基づいて前記第1振れ補正成分Ptと前記第3振れ補正成分Ytとを算出することを特徴とする請求項1記載の撮影用光学装置。
Pt=GL×(Pt1/(Pt1+Yt1))
Yt=GL×(Yt1/(Pt1+Yt1))
前記基準方向から見たときに、前記仮想円と前記第1方向との2個の交点のそれぞれを通過するとともに前記第2方向に平行な2本の第1直線と、前記仮想円と前記第2方向との2個の交点のそれぞれを通過するとともに前記第1方向に平行な2本の第2直線と、前記仮想正方形の一部とによって八角形の領域が画定され、
前記八角形の領域は、前記カメラモジュールが揺動する揺動領域となっていることを特徴とする請求項3記載の撮影用光学装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の撮影用光学装置では、X方向およびY方向において可動体の変位可能な範囲が規制されているが、X方向およびY方向に対して傾いた方向において可動体の変位可能な範囲は規制されていない。したがって、この撮影用光学装置では、X方向およびY方向に対して傾いた方向へ可動体が揺動したときの可動体側の部材と固定体側の部材との接触を防止して可動体側の部材や固定体側の部材の損傷を防止するために、X方向およびY方向に対して傾いた方向において、可動体側の部材と固定体側の部材との間に大きな隙間を設けなければならない。その結果、この撮影用光学装置では、光軸方向に略直交する方向で装置が大型化する。
【0006】
そこで、本発明の課題は、光学像の振れを補正する振れ補正機能を有する撮影用光学装置において、光軸方向に略直交する方向で装置を小型化しても、カメラモジュールが揺動したときのカメラモジュール側の部材と、カメラモジュールを揺動可能に支持する支持体側の部材との接触を防止することが可能な撮影用光学装置を提供することにある。また、本発明の課題は、光学像の振れを補正する振れ補正機能を有する撮影用光学装置の制御方法において、光軸方向に略直交する方向で撮影用光学装置を小型化しても、カメラモジュールが揺動したときのカメラモジュール側の部材と、カメラモジュールを揺動可能に支持する支持体側の部材との接触を防止することが可能となる撮影用光学装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の撮影用光学装置は、レンズおよび撮像素子を有するカメラモジュールと、カメラモジュールを揺動可能に支持する支持体とを備えるとともに、支持体に対してカメラモジュールが所定の基準位置にあるときのレンズの光軸の方向を基準方向とすると、基準方向に直交する所定の第1方向を揺動の軸方向としてレンズの光軸が傾くようにカメラモジュールを揺動させてカメラモジュールの振れを補正する第1揺動機構と、基準方向と第1方向とに直交する第2方向を揺動の軸方向としてレンズの光軸が傾くようにカメラモジュールを揺動させてカメラモジュールの振れを補正する第2揺動機構と、カメラモジュールの傾きの変化を検出するための傾き検出機構と、傾き検出機構が接続されるとともに第1揺動機構と第2揺動機構とを駆動する制御部とを備え、基準方向から見たときに第1方向および第2方向に対して傾いている方向を斜め方向とすると、制御部には、基準方向から見たときに、基準位置にあるカメラモジュールの、第1方向の一方への振れ補正量および第1方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための第1補正制限量と、基準方向から見たときに、基準位置にあるカメラモジュールの、第2方向の一方への振れ補正量および第2方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための第2補正制限量と、基準方向から見たときに、基準位置にあるカメラモジュールの、斜め方向の一方への振れ補正量および斜め方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための斜め補正制限量とが記憶され、制御部は、傾き検出機構での検出結果に基づいて、基準方向から見たときのカメラモジュールの振れ補正方向を特定するとともに振れ補正方向における目標振れ補正量を算出し、振れ補正方向が少なくとも斜め方向である場合、基準方向から見たときに、目標振れ補正量が振れ補正方向における斜め補正制限量よりも大きければ、振れ補正方向における斜め補正制限量と目標振れ補正量とが一致するように目標振れ補正量を補正して振れ補正方向における第1目標振れ補正量とするとともに、目標振れ補正量が振れ補正方向における斜め補正制限量以下であれば、目標振れ補正量をそのまま振れ補正方向における第1目標振れ補正量とし、基準方向から見たときに、第1目標振れ補正量の第1方向の振れ補正量である第1振れ補正成分が第1補正制限量よりも大きければ、第1振れ補正成分を第1補正制限量に補正して第2振れ補正成分とし、第1振れ補正成分が第1補正制限量以下であれば、第1振れ補正成分をそのまま第2振れ補正成分とし、基準方向から見たときに、第1目標振れ補正量の第2方向の振れ補正量である第3振れ補正成分が第2補正制限量よりも大きければ、第3振れ補正成分を第2補正制限量に補正して第4振れ補正成分とし、第3振れ補正成分が第2補正制限量以下であれば、第3振れ補正成分をそのまま第4振れ補正成分とし、第2振れ補正成分を第1方向の最終振れ補正量とし、第4振れ補正成分を第2方向の最終振れ補正量とする振れ補正量をカメラモジュールの実際振れ補正量として確定し、確定された実際振れ補正量と振れ補正方向とに基づいて、第1揺動機構および第2揺動機構を駆動してカメラモジュールの振れを補正することを特徴とする。
【0008】
また、上記の課題を解決するため、本発明の撮影用光学装置の制御方法は、レンズおよび撮像素子を有するカメラモジュールと、カメラモジュールを揺動可能に支持する支持体と、支持体に対してカメラモジュールが所定の基準位置にあるときのレンズの光軸の方向を基準方向とすると、基準方向に直交する所定の第1方向を揺動の軸方向としてレンズの光軸が傾くようにカメラモジュールを揺動させてカメラモジュールの振れを補正する第1揺動機構と、基準方向と第1方向とに直交する第2方向を揺動の軸方向としてレンズの光軸が傾くようにカメラモジュールを揺動させてカメラモジュールの振れを補正する第2揺動機構と、カメラモジュールの傾きの変化を検出するための傾き検出機構と、基準方向から見たときに第1方向および第2方向に対して傾いている方向を斜め方向とすると、基準方向から見たときに、基準位置にあるカメラモジュールの、第1方向の一方への振れ補正量および第1方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための第1補正制限量と、基準方向から見たときに、基準位置にあるカメラモジュールの、第2方向の一方への振れ補正量および第2方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための第2補正制限量と、基準方向から見たときに、基準位置にあるカメラモジュールの、斜め方向の一方への振れ補正量および斜め方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための斜め補正制限量とが記憶される制限量記憶部とを備える撮影用光学装置の制御方法であって、傾き検出機構での検出結果に基づいて基準方向から見たときのカメラモジュールの振れ補正方向を特定するとともに振れ補正方向における目標振れ補正量を算出する目標振れ補正量算出ステップと、目標振れ補正量算出ステップで特定された振れ補正方向が少なくとも斜め方向である場合、基準方向から見たときに、目標振れ補正量が振れ補正方向における斜め補正制限量よりも大きければ、振れ補正方向における斜め補正制限量と目標振れ補正量とが一致するように目標振れ補正量算出ステップで算出された目標振れ補正量を補正して第1目標振れ補正量とするとともに、目標振れ補正が振れ補正方向における斜め補正制限量以下であれば、目標振れ補正量算出ステップで算出された目標振れ補正量をそのまま第1目標振れ補正量とする第1補正ステップと、第1補正ステップ後、基準方向から見たときに、第1目標振れ補正量の第1方向の振れ補正量である第1振れ補正成分が第1補正制限量よりも大きければ、第1振れ補正成分を第1補正制限量に補正して第2振れ補正成分とし、第1振れ補正成分が第1補正制限量以下であれば、第1振れ補正成分をそのまま第2振れ補正成分とするとともに、基準方向から見たときに、第1目標振れ補正量の第2方向の振れ補正量である第3振れ補正成分が第2補正制限量よりも大きければ、第3振れ補正成分を第2補正制限量に補正して第4振れ補正成分とし、第3振れ補正成分が第2補正制限量以下であれば、第3振れ補正成分をそのまま第4振れ補正成分とする第2補正ステップと、第2振れ補正成分を第1方向の最終振れ補正量とし、第4振れ補正成分を第2方向の最終振れ補正量とする振れ補正量をカメラモジュールの実際振れ補正量として確定する振れ補正量確定ステップと、振れ補正量確定ステップで確定された実際振れ補正量と目標振れ補正量算出ステップで特定された振れ補正方向とに基づいて、第1揺動機構および第2揺動機構を駆動してカメラモジュールの振れを補正する振れ補正ステップとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の撮影用光学装置および本発明の撮影用光学装置の制御方法では、基準方向から見たときに、基準位置にあるカメラモジュールの、第1方向の一方への振れ補正量および第1方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための第1補正制限量と、基準方向から見たときに、基準位置にあるカメラモジュールの、第2方向の一方への振れ補正量および第2方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための第2補正制限量と、基準方向から見たときに、基準位置にあるカメラモジュールの、斜め方向の一方への振れ補正量および斜め方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための斜め補正制限量とが記憶されている。また、本発明では、カメラモジュールの振れ補正方向が斜め方向である場合に、振れ補正方向における斜め補正制限量と目標振れ補正量とを比較して、振れ補正方向における斜め補正制限量以下となる第1目標振れ補正量を特定するとともに、第1目標振れ補正量の第1方向の振れ補正量である第1振れ補正成分と第1補正制限量とを比較して、第1補正制限量以下となるように第2振れ補正成分を特定し、かつ、第1目標振れ補正量の第2方向の振れ補正量である第3振れ補正成分と第2補正制限量とを比較して、第2補正制限量以下となるように第4振れ補正成分を特定している。また、第2振れ補正成分を第1方向の最終振れ補正量とし、第4振れ補正成分を第2方向の最終振れ補正量とする振れ補正量をカメラモジュールの実際振れ補正量として確定し、確定された実際振れ補正量と振れ補正方向とに基づいて、第1揺動機構および第2揺動機構を駆動してカメラモジュールの振れを補正している。
【0010】
すなわち、本発明では、第1方向および第2方向におけるカメラモジュールの振れ補正量が制限されるとともに、斜め方向におけるカメラモジュールの振れ補正量が制限されている。そのため、本発明では、第1方向、第2方向および斜め方向で支持体を小型化しても、カメラモジュールが揺動したときのカメラモジュール側の部材と、支持体側の部材との接触を防止することが可能になる。したがって、本発明では、光軸方向に略直交する方向で撮影用光学装置を小型化しても、カメラモジュールが揺動したときのカメラモジュール側の部材と、支持体側の部材との接触を防止することが可能になる。
【0011】
また、本発明では、振れ補正方向における斜め補正制限量よりも目標振れ補正量が大きければ、振れ補正方向における斜め補正制限量と目標振れ補正量とが一致するように目標振れ補正量を補正して振れ補正方向における第1目標振れ補正量とした後、第1目標振れ補正量の第1振れ補正成分が第1補正制限量よりも大きければ、第1振れ補正成分を第1補正制限量に補正して第2振れ補正成分とするとともに、第1目標振れ補正量の第3振れ補正成分が第2補正制限量よりも大きければ、第3振れ補正成分を第2補正制限量に補正して第4振れ補正成分としている。そのため、本発明では、傾き検出機構での検出結果に基づいて特定されたカメラモジュールの振れ補正方向と、カメラモジュールの実際の振れの補正方向とのずれを防止することが可能になるか、あるいは、傾き検出機構での検出結果に基づいて特定されたカメラモジュールの振れ補正方向と、カメラモジュールの実際の振れの補正方向とがずれたとしても、そのずれ量を小さくすることが可能になる。したがって、本発明では、カメラモジュールの適切な振れ補正動作を行うことが可能になる。
【0012】
本発明において、基準方向から見たときの第1方向と第2方向との交点を原点とすると、基準方向から見たときに、斜め補正制限量の集合によって、原点を中心にするとともに第1方向と第2方向とを対角線の方向とする正方形状の仮想正方形が形成されており、基準方向から見たときに、第1振れ補正成分をPtとし、第3振れ補正成分をYtとし、目標振れ補正量の第1方向の振れ補正量をPt1とし、目標振れ補正量の第2方向の振れ補正量をYt1とし、第1方向または第2方向と仮想正方形との交点と原点との距離をGLとすると、制御部は、基準方向から見たときに、目標振れ補正量が振れ補正方向における斜め補正制限量よりも大きければ、以下の算出式に基づいて第1振れ補正成分Ptと第3振れ補正成分Ytとを算出することが好ましい。
Pt=GL×(Pt1/(Pt1+Yt1))
Yt=GL×(Yt1/(Pt1+Yt1))
このように構成すると、第1振れ補正成分Ptと第3振れ補正成分Ytとを簡易な演算で算出することが可能になる。したがって、制御部での演算処理を軽減することが可能になる。
【0013】
本発明において、第1補正制限量と第2補正制限量とが等しくなっており、基準方向から見たときに、原点を中心にするとともに第1補正制限量および第2補正制限量を半径とする仮想円が仮想正方形に内接していることが好ましい。すなわち、基準方向から見たときに、仮想正方形の一辺の長さと仮想円の直径とが等しくなっていることが好ましい。このように構成すると、仮想正方形の一辺の長さが仮想円の直径よりも長くなっている場合と比較して、斜め方向におけるカメラモジュールの振れ補正量をより制限することが可能になる。したがって、仮想正方形の一辺の長さが仮想円の直径よりも長くなっている場合と比較して、斜め方向において、撮影用光学装置をより小型化することが可能になる。
【0014】
本発明において、たとえば、基準方向から見たときに、仮想円と第1方向との2個の交点のそれぞれを通過するとともに第2方向に平行な2本の第1直線と、仮想円と第2方向との2個の交点のそれぞれを通過するとともに第1方向に平行な2本の第2直線と、仮想正方形の一部とによって八角形の領域が画定され、八角形の領域は、カメラモジュールが揺動する揺動領域となっている。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明では、光軸方向に略直交する方向で撮影用光学装置を小型化しても、カメラモジュールが揺動したときのカメラモジュール側の部材と、支持体側の部材との接触を防止することが可能になる。また、本発明では、カメラモジュールの適切な振れ補正動作を行うことが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
(撮影用光学装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる撮影用光学装置1の概略平面図である。
図2は、
図1のE−E断面の概略断面図である。
図3は、
図1に示す撮影用光学装置1の制御部10および制御部10に関連する構成のブロック図である。以下の説明では、
図1、
図2に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とし、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とする。また、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
【0019】
本形態の撮影用光学装置1は、携帯電話等の携帯機器、ドライブレコーダあるいは監視カメラシステム等に搭載される小型かつ薄型のカメラであり、光学像の振れを補正する振れ補正機能を備えている。この撮影用光学装置1は、撮影用のレンズの光軸Lの方向(光軸方向)から見たときの形状が略正方形状となる直方体状に形成されており、撮影用光学装置1の4つの側面は、前後方向と上下方向とから構成されるYZ平面または左右方向と上下方向とから構成されるZX平面と略平行になっている。
【0020】
撮影用光学装置1は、レンズおよび撮像素子を有するカメラモジュール3と、カメラモジュール3を揺動可能に支持する支持体4と、手振れ等の振れを補正するために支持体4に対してカメラモジュール3を揺動させる揺動機構5とを備えている。
図2に示すように、カメラモジュール3と支持体4とは、板バネ6によって繋がれており、カメラモジュール3は、板バネ6を介して支持体4に揺動可能に保持されている。また、撮影用光学装置1は、光軸Lの傾きの変化を検出するための傾き検出機構7と、支持体4に対するカメラモジュール3の相対位置を検出するための位置検出機構8、9と、撮影用光学装置1の制御部10とを備えている。
【0021】
本形態では、上下方向は、カメラモジュール3が揺動していないときのカメラモジュール3の光軸Lの方向と一致している。また、本形態では、カメラモジュール3が揺動していないときに、支持体4に対してカメラモジュール3が所定の基準位置にある。すなわち、本形態の上下方向は、支持体4に対してカメラモジュール3が基準位置にあるときの光軸Lの方向であり、基準方向である。また、本形態では、カメラモジュール3の下端側に撮像素子が取り付けられており、上側に配置される被写体が撮影される。すなわち、本形態では、上側(Z1方向側)は被写体側(物体側)であり、下側(Z2方向側)は反被写体側(撮像素子側、像側)である。また、本形態では、前後方向(Y方向)は、基準方向である上下方向に直交する第1方向であり、左右方向(X方向)は、基準方向と第1方向とに直交する第2方向である。
【0022】
カメラモジュール3は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となる直方体状に形成されている。カメラモジュール3が基準位置にあるときのカメラモジュール3の4つの側面は、YZ平面またはZX平面と略平行になっている。このカメラモジュール3は、たとえば、下方向へ突出する略円錐形状または略角錐形状の支点部材11を備えている。支点部材11は、その頂点が下側を向くように配置されている。上下方向から見たときに、支点部材11の頂点は、カメラモジュール3の中心に配置されており、光軸Lは、支点部材11の頂点を通過している。
【0023】
また、カメラモジュール3は、上述のレンズおよび撮像素子に加え、レンズを光軸方向へ駆動するためのレンズ駆動機構を備えている。すなわち、本形態の撮影用光学装置1は、オートフォーカス機能も備えている。レンズ駆動機構は、たとえば、駆動用のコイルと駆動用の磁石とによって構成されている。なお、カメラモジュール3は、レンズ駆動機構を備えていなくても良い。すなわち、撮影用光学装置1は、オートフォーカス機能を備えていなくても良い。
【0024】
支持体4は、撮影用光学装置1の前後左右の4つの側面(外周面)を構成する略四角筒状の筒部4aと、撮影用光学装置1の下面を構成する底部4bとを有する底付きの略四角筒状に形成されている。この支持体4は、撮影用光学装置1が搭載される携帯機器等のフレームに固定されている。
【0025】
カメラモジュール3は、支持体4の中に収容されている。支点部材11の頂点は、底部4bの上面に接触しており、支点部材11の頂点と底部4bとの接触点が、支持体4に対するカメラモジュール3の揺動の支点12となっている。上述のように、支点部材11の頂点を光軸Lが通過しており、支点12は光軸L上に配置されている。なお、支点部材11に代えて、略円錐形状または略角錐形状に形成される支点部材を支持体4が備えていても良い。この場合、支持体4が備える支点部材は、その頂点が上側を向くように配置され、この支点部材の頂点とカメラモジュール3の底面との接触点がカメラモジュール3の揺動の支点となる。
【0026】
板バネ6は、カメラモジュール3の下端側に固定される可動側固定部と、支持体4の下端側に固定される固定側固定部と、可動側固定部と固定側固定部とを繋ぐ複数本の腕部とを備えており、固定側固定部に対して腕部が撓むことで、カメラモジュール3の揺動動作が可能となっている。この板バネ6は、揺動機構5を構成する後述の駆動用コイル16、18に電流が供給されていないときに、カメラモジュール3が基準位置に配置されるように、支持体4に対してカメラモジュール3を付勢している。また、板バネ6は、支点部材11の頂点と底部4bの上面とを確実に接触させるための与圧が発生するように(すなわち、カメラモジュール3を下方向へ付勢する付勢力が発生するように)、撓んだ状態で固定されている。
【0027】
揺動機構5は、支点12を中心に前後方向を揺動の軸方向として光軸Lが左右方向へ傾くようにカメラモジュール3を揺動させてカメラモジュール3の振れを補正する第1揺動機構14と、支点12を中心に左右方向を揺動の軸方向として光軸Lが前後方向へ傾くようにカメラモジュール3を揺動させてカメラモジュール3の振れを補正する第2揺動機構15とを備えている。
【0028】
第1揺動機構14は、2個の駆動用コイル16と、2個の駆動用コイル16のそれぞれに対向配置される2個の駆動用磁石17とを備えている。第2揺動機構15は、2個の駆動用コイル18と、2個の駆動用コイル18のそれぞれに対向配置される2個の駆動用磁石19とを備えている。駆動用コイル16、18は、たとえば、略長方形状に巻回されて形成された空芯コイルである。駆動用磁石17、19は、たとえば、略長方形の平板状に形成されている。
【0029】
2個の駆動用コイル16のそれぞれは、支持体4の筒部4aの左右の側面部の内側面のそれぞれに固定され、2個の駆動用コイル18のそれぞれは、筒部4aの前後の側面部の内側面のそれぞれに固定されている。2個の駆動用磁石17のそれぞれは、左右方向で駆動用コイル16と対向するように、カメラモジュール3の左右の側面のそれぞれに固定され、2個の駆動用磁石19のそれぞれは、前後方向で駆動用コイル18と対向するように、カメラモジュール3の前後の側面のそれぞれに固定されている。2個の駆動用コイル16は、互いに直列に接続されている。また、2個の駆動用コイル18は、互いに直列に接続されている。
【0030】
傾き検出機構7は、前後方向への光軸Lの傾きの変化および左右方向への光軸Lの傾きの変化のそれぞれを検出するジャイロスコープ(角速度センサ)である。この傾き検出機構7は、たとえば、支持体4の底部4bの下面に固定されている。位置検出機構8、9は、たとえば、カメラモジュール3の底面に固定されており、支持体4の底部4bの上面に対向するように配置されている。この位置検出機構8、9は、たとえば、発光ダイオード等の発光素子と、発光素子から射出され底部4bの上面で反射された光を受光するフォトトランジスタ等の受光素子とを備える反射型の光学センサである。本形態では、位置検出機構8は、前後方向を軸方向とするカメラモジュール3の揺動方向において支持体4に対するカメラモジュール3の相対位置を検出し、位置検出機構9は、左右方向を軸方向とするカメラモジュール3の揺動方向において支持体4に対するカメラモジュール3の相対位置を検出する。なお、傾き検出機構7は、撮影用光学装置1が搭載される携帯機器等のフレームに固定されても良い。また、位置検出機構8、9は、ホール素子等を有する磁気センサであっても良い。
【0031】
制御部10は、第1揺動機構14および第2揺動機構15を駆動するための駆動回路を備えている。この駆動回路は、駆動用コイル16、18に電流を供給して、第1揺動機構14と第2揺動機構15とを駆動する。また、制御部10は、後述の第1補正制限量PL0と第2補正制限量YL0と斜め補正制限量とが記憶される制限量記憶部21を備えている。制御部10には、傾き検出機構7と位置検出機構8、9とが接続されている。
【0032】
以上のように構成された撮影用光学装置1では、傾き検出機構7によって光軸Lの傾きの変化が検出されると、傾き検出機構7での検出結果に基づいて、駆動用コイル16、18に電流が供給される。具体的には、傾き検出機構7の出力がゼロになるように、駆動用コイル16、18に電流が供給される。駆動用コイル16、18に電流が供給されると、支点12を中心に、左右方向および/または前後方向を軸方向として、カメラモジュール3が光軸Lを傾けるように揺動して振れが補正される。また、振れ補正時には、位置検出機構8、9での検出結果に基づいて、駆動用コイル16、18に供給される電流の値(電流値)が制御される。
【0033】
なお、上述のように、カメラモジュール3と支持体4とは、板バネ6によって繋がれており、また、板バネ6は、駆動用コイル16、18に電流が供給されていないときにカメラモジュール3が基準位置に配置されるように、支持体4に対してカメラモジュール3を付勢している。そのため、基準位置からのカメラモジュール3の傾きが大きくなるにしたがって、板バネ6の付勢力が大きくなる。したがって、振れ補正時には、基準位置からのカメラモジュール3の傾きが大きくなるにしたがって、駆動用コイル16、18に供給される電流値が大きくなる。
【0034】
本形態では、カメラモジュール3が揺動したときのカメラモジュール3側の部材(具体的には、カメラモジュール3および駆動用磁石17、19)と、支持体4側の部材(具体的には、支持体4および駆動用コイル16、18)との接触を防止するために、振れ補正時におけるカメラモジュール3の振れ補正量が電気的に制限されている。具体的には、駆動用コイル16、18に供給される電流値、あるいは、駆動用コイル16、18に印加される電圧が制限されている。すなわち、本形態では、カメラモジュール3の振れ補正量を電気的に制限するための振れ補正量制限制御が行われている。以下、カメラモジュール3の振れ補正量制限制御について具体的に説明する。
【0035】
(カメラモジュールの振れ補正量制限制御)
図4、
図5は、
図1に示す撮影用光学装置1におけるカメラモジュール3の振れ補正量制限制御を説明するための概念図である。
図6は、
図1に示す撮影用光学装置1のカメラモジュール3の振れ補正量制限制御のフローの一例を示すフローチャートである。
【0036】
図4に示すように、上下方向から見たときの前後方向(Y方向)と左右方向(X方向)との交点を原点Oとすると、制御部10の制限量記憶部21には、上下方向から見たときに、基準位置にあるカメラモジュール3(すなわち、光軸Lの方向と上下方向とが一致しているときのカメラモジュール3)の、前後方向の一方への振れ補正量および前後方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための第1補正制限量PL0と、基準位置にあるカメラモジュール3の、左右方向の一方への振れ補正量および左右方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための第2補正制限量YL0とが記憶されている。本形態では、第1補正制限量PL0と第2補正制限量YL0とが等しくなっている。なお、機械的には、上下方向から見たときに原点Oと支点12とが一致している。
【0037】
また、上下方向から見たときに前後方向および左右方向に対して傾いている方向を斜め方向とすると、制御部10の制限量記憶部21には、基準位置にあるカメラモジュール3の、任意の斜め方向の一方への振れ補正量およびこの斜め方向の他方への振れ補正量を電気的に制限するための斜め補正制限量が記憶されている。
図4に示すように、本形態では、上下方向から見たときに、斜め補正制限量の集合によって原点Oを中心にするとともにX方向およびY方向を対角線の方向とする正方形状の仮想正方形Sが形成されるように斜め補正制限量が設定されている。また、本形態では、上下方向から見たときに、原点Oを中心にするとともに第1補正制限量PL0および第2補正制限量YL0を半径とする仮想円Cが仮想正方形Sに内接するように斜め補正制限量が設定されている。以下の説明では、前後方向または左右方向と仮想正方形Sとの交点(すなわち、
図4におけるY軸と仮想正方形Sとの交点、または、X軸と仮想正方形Sとの交点)と原点Oとの距離をGLとする。
【0038】
撮影用光学装置1では、傾き検出機構7によって光軸Lの傾きの変化が検出されると、制御部10は、まず、傾き検出機構7での検出結果に基づいて、上下方向から見たときのカメラモジュール3の振れ補正の方向である振れ補正方向(たとえば、
図4、
図5の角度θで示す方向)を特定するとともに、この振れ補正方向θにおける目標振れ補正量を算出する(ステップS1)。
【0039】
上下方向から見たときに、ステップS1で算出された目標振れ補正量の前後方向の振れ補正量(目標振れ補正量の前後方向の大きさ)をPt1とし、目標振れ補正量の左右方向の振れ補正量(目標振れ補正量の左右方向の大きさ)をYt1とすると、その後、制御部10は、Pt1とYt1との和がGLよりも大きいか否かを判断する(ステップS2)。すなわち、ステップS2において、制御部10は、上下方向から見たときに、ステップS1で算出された目標振れ補正量が振れ補正方向θにおける斜め補正制限量よりも大きいか否かを判断する。
【0040】
図4、
図5(A)に示すように、振れ補正方向θにおける斜め補正制限量よりも目標振れ補正量が大きい場合(すなわち、Pt1とYt1との和がGLよりも大きい場合)、制御部10は、振れ補正方向θにおける斜め補正制限量と目標振れ補正量とが一致するように目標振れ補正量を補正して、振れ補正方向θにおける第1目標振れ補正量とする(ステップS3)。具体的には、上下方向から見たときに、第1目標振れ補正量の前後方向の振れ補正量(第1目標振れ補正量の前後方向の大きさ)を第1振れ補正成分Ptとし、第1目標振れ補正量の左右方向の振れ補正量(第1目標振れ補正量の左右方向の大きさ)を第3振れ補正成分Ytとすると、制御部10は、ステップS3において、以下の式(1)、(2)に基づいて第1振れ補正成分Ptおよび第3振れ補正成分Ytを算出して、第1振れ補正成分Ptと第3振れ補正成分Ytとからなる振れ補正量を振れ補正方向θにおける第1目標振れ補正量とする。
Pt=GL×(Pt1/(Pt1+Yt1))・・・式(1)
Yt=GL×(Yt1/(Pt1+Yt1))・・・式(2)
なお、式(1)、(2)に示すPt、Ytは、たとえば、
図4に示すように、以下の2式の交点であり、以下の連立方程式を解くことで求めることができる。
Y=−X+GL
Y=(Pt1/Yt1)×X
【0041】
一方、
図5(B)、
図5(C)に示すように、目標振れ補正量が振れ補正方向θにおける斜め補正制限量以下である場合(すなわち、Pt1とYt1との和がGL以下である場合)、制御部10は、ステップS1で算出された目標振れ補正量をそのまま振れ補正方向θにおける第1目標振れ補正量とする(ステップS4)。すなわち、制御部10は、Pt1をそのまま第1振れ補正成分Ptとするとともに、Yt1をそのまま第3振れ補正成分Ytとして、第1振れ補正成分Ptと第3振れ補正成分Ytとからなる振れ補正量を振れ補正方向θにおける第1目標振れ補正量とする。
【0042】
ステップS3またはステップS4において、第1目標振れ補正量が特定されると(すなわち、第1振れ補正成分Ptおよび第3振れ補正成分Ytが特定されると)、その後、制御部10は、第1振れ補正成分Ptが第1補正制限量PL0よりも大きいか否かを判断する(ステップS5)。
図5(B)に示すように、第1振れ補正成分Ptが第1補正制限量PL0よりも大きい場合、制御部10は、第1振れ補正成分Ptを第1補正制限量PL0に補正して第2振れ補正成分PtLとする(ステップS6)。一方、
図4、
図5(A)および
図5(C)に示すように、第1振れ補正成分Ptが第1補正制限量PL0以下である場合、制御部10は、第1振れ補正成分Ptをそのまま第2振れ補正成分PtLとする(ステップS7)。
【0043】
ステップS6またはステップS7において、第2振れ補正成分PtLが特定されると、その後、制御部10は、第3振れ補正成分Ytが第2補正制限量YL0よりも大きいか否かを判断する(ステップS8)。
図5(A)に示すように、第3振れ補正成分Ytが第2補正制限量YL0よりも大きい場合、制御部10は、第3振れ補正成分Ytを第2補正制限量YL0に補正して第4振れ補正成分YtLとする(ステップS9)。一方、
図4、
図5(B)および
図5(C)に示すように、第2振れ補正成分Ytが第2補正制限量YL0以下である場合、制御部10は、第2振れ補正成分Ytをそのまま第4振れ補正成分YtLとする(ステップS10)。
【0044】
その後、制御部10は、ステップS6またはステップS7において特定された第2振れ補正成分PtLを前後方向の最終振れ補正量とし、ステップS9またはステップS10において特定された第4振れ補正成分YtLを左右方向の最終振れ補正量とする振れ補正量をカメラモジュール3の実際振れ補正量として確定する(ステップS11)。その後、制御部10は、ステップS11で確定された実際振れ補正量とステップS1で特定された振れ補正方向θとに基づいて、第1揺動機構14および第2揺動機構15を駆動してカメラモジュール3の振れを補正する(ステップS12)。
【0045】
なお、ステップS1において、傾き検出機構7での検出結果に基づいて、たとえば、
図4に示すように振れ補正方向θにおける目標振れ補正量が算出された場合には、ステップS11で特定される前後方向の最終振れ補正量は
図4に示すPtであり、左右方向の最終振れ補正量は
図4に示すYtである。また、ステップS1において、傾き検出機構7での検出結果に基づいて、たとえば、
図5(A)に示すように振れ補正方向θにおける目標振れ補正量が算出された場合には、ステップS11で特定される前後方向の最終振れ補正量は
図5(A)に示すPtであり、左右方向の最終振れ補正量はYL0である。さらに、ステップS1において、傾き検出機構7での検出結果に基づいて、たとえば、
図5(B)に示すように振れ補正方向θにおける目標振れ補正量が算出された場合には、ステップS11で特定される前後方向の最終振れ補正量はPL0であり、左右方向の最終振れ補正量はYt1である。さらにまた、ステップS1において、傾き検出機構7での検出結果に基づいて、たとえば、
図5(C)に示すように振れ補正方向θにおける目標振れ補正量が算出された場合には、ステップS11で特定される前後方向の最終振れ補正量はPt1であり、左右方向の最終振れ補正量はYt1である。また、ステップS1において特定された振れ補正方向θが前後方向と一致する場合には、目標振れ補正量の左右方向の振れ補正量Yt1が0(ゼロ)となり、振れ補正方向θが左右方向と一致する場合には、目標振れ補正量の前後方向の振れ補正量Pt1が0(ゼロ)となる。
【0046】
本形態のステップS1は、目標振れ補正量算出ステップであり、ステップS11は、振れ補正量確定ステップであり、ステップS12は、振れ補正ステップである。また、本形態では、ステップS2〜S4によって第1補正ステップが構成され、ステップS5〜S10によって第2補正ステップが構成されている。また、
図4に示すように、本形態では、上下方向から見たときに、仮想円Cと前後方向との2個の交点のそれぞれを通過するとともに左右方向に平行な2本の第1直線LN1と、仮想円Cと左右方向との2個の交点のそれぞれを通過するとともに前後方向に平行な2本の第2直線LN2と、仮想正方形Sの一部とによって八角形の領域が画定されており、この八角形の領域が、カメラモジュール3が揺動する揺動領域となっている。なお、本形態では、2本の第1直線LN1と2本の第2直線LN2と仮想正方形Sの一部とによって正八角形の領域が画定されている。
【0047】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、前後方向および左右方向におけるカメラモジュール3の振れ補正量が制限されるとともに、斜め方向におけるカメラモジュール3の振れ補正量が制限されている。そのため、本形態では、前後方向および左右方向に加えて斜め方向で支持体4を小型化しても、カメラモジュール3が揺動したときのカメラモジュール3側の部材と、支持体4側の部材との接触を防止することができる。したがって、本形態では、光軸Lの方向に略直交する方向で撮影用光学装置1を小型化しても、カメラモジュール3が揺動したときのカメラモジュール3側の部材と、支持体4側の部材との接触を防止することが可能になる。また、本形態では、前後方向、左右方向および斜め方向におけるカメラモジュール3の振れ補正量が制限されるため、駆動用コイル16、18の消費電流を抑制することが可能になる。
【0048】
本形態では、振れ補正方向θにおける斜め補正制限量よりも目標振れ補正量が大きい場合に、制御部10は、ステップS3において、振れ補正方向θにおける斜め補正制限量と目標振れ補正量とが一致するように目標振れ補正量を補正して、振れ補正方向θにおける第1目標振れ補正量とした後、第1振れ補正成分Ptが第1補正制限量PL0よりも大きいか否かを判断して、第1振れ補正成分Ptが第1補正制限量PL0よりも大きい場合に、第1振れ補正成分Ptを第1補正制限量PL0に補正して第2振れ補正成分PtLとするとともに、第3振れ補正成分Ytが第2補正制限量YL0よりも大きいか否かを判断して、第3振れ補正成分Ytが第2補正制限量YL0よりも大きい場合に、第3振れ補正成分Ytを第2補正制限量YL0に補正して第4振れ補正成分YtLとしている。そのため、本形態では、傾き検出機構7での検出結果に基づいて特定されたカメラモジュール3の振れ補正方向θと、カメラモジュール3の実際の振れの補正方向とのずれを防止することが可能になるか、あるいは、傾き検出機構7での検出結果に基づいて特定されたカメラモジュール3の振れ補正方向θと、カメラモジュール3の実際の振れの補正方向とがずれたとしても、そのずれ量を小さくすることが可能になる。
【0049】
すなわち、振れ補正方向θにおける斜め補正制限量よりも目標振れ補正量が大きい場合に、
図4の二点鎖線の矢印で示すように、まず、目標振れ補正量の前後方向の振れ補正量Pt1が第1補正制限量PL0よりも大きいか否かを判断して、Pt1が第1補正制限量PL0よりも大きければ、Pt1を第1補正制限量PL0に補正するとともに、目標振れ補正量の左右方向の振れ補正量Yt1が第2補正制限量YL0よりも大きいか否かを判断して、Yt1が第2補正制限量YL0よりも大きければ、Yt1を第2補正制限量YL0に補正した後に、この補正後の振れ補正量が斜め補正制限量よりも大きくなっているか否かを判断して、この補正後の振れ補正量が斜め補正制限量よりも大きければ、この補正後の振れ補正量が斜め補正制限量と一致するようにこの補正後の振れ補正量を補正して、
図4に示すPt´を前後方向の最終振れ補正量とし、Yt´左右方向の最終振れ補正量とする振れ補正量をカメラモジュール3の実際振れ補正量として確定する場合には、傾き検出機構7での検出結果に基づいて特定されたカメラモジュール3の振れ補正方向θと、カメラモジュール3の実際の振れの補正方向とがずれるが、本形態では、このずれが生じない。したがって、本形態では、カメラモジュール3の適切な振れ補正動作を行うことが可能になる。
【0050】
また、振れ補正方向θにおける斜め補正制限量よりも目標振れ補正量が大きい場合に、
図5(A)の二点鎖線の矢印で示すように、まず、目標振れ補正量の前後方向の振れ補正量Pt1が第1補正制限量PL0よりも大きいか否かを判断して、Pt1が第1補正制限量PL0よりも大きければ、Pt1を第1補正制限量PL0に補正するとともに、目標振れ補正量の左右方向の振れ補正量Yt1が第2補正制限量YL0よりも大きいか否かを判断して、Yt1が第2補正制限量YL0よりも大きければ、Yt1を第2補正制限量YL0に補正した後に、この補正後の振れ補正量が斜め補正制限量よりも大きくなっているか否かを判断すると、傾き検出機構7での検出結果に基づいて特定されたカメラモジュール3の振れ補正方向θと、カメラモジュール3の実際の振れの補正方向とのずれ量が大きくなるが、本形態では、そのずれ量を小さくすることが可能になる。したがって、本形態では、カメラモジュール3の適切な振れ補正動作を行うことが可能になる。
【0051】
本形態では、振れ補正方向θにおける斜め補正制限量よりも目標振れ補正量が大きい場合、制御部10は、上述の式(1)、(2)に基づいて第1振れ補正成分Ptおよび第3振れ補正成分Ytを算出して、第1振れ補正成分Ptと第3振れ補正成分Ytとからなる振れ補正量を振れ補正方向θにおける第1目標振れ補正量としている。そのため、本形態では、第1振れ補正成分Ptと第3振れ補正成分Ytとを簡易な演算で算出することが可能になる。したがって、本形態では、制御部10での演算処理を軽減することが可能になる。
【0052】
本形態では、上下方向から見たときに、仮想円Cが仮想正方形Sに内接しており、仮想正方形Sの一辺の長さと仮想円Cの直径とが等しくなっている。そのため、本形態では、仮想正方形Sの一辺の長さが仮想円Cの直径よりも長くなっている場合と比較して、斜め方向におけるカメラモジュール3の振れ補正量をより制限することが可能になる。したがって、本形態では、仮想正方形Sの一辺の長さが仮想円Cの直径よりも長くなっている場合と比較して、斜め方向において、撮影用光学装置1をより小型化することが可能になる。
【0053】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0054】
上述した形態において、ステップS1の後に、振れ補正方向θが前後方向と一致するか否かを判断するステップと、振れ補正方向θが左右方向と一致するか否かを判断するステップとを設けても良い。この場合には、振れ補正方向θが前後方向と一致せず、かつ、振れ補正方向θが左右方向と一致しないときにステップS2に進めば良い。すなわち、振れ補正方向θが斜め方向であれば、ステップS2に進めば良い。また、振れ補正方向θが前後方向と一致する場合には、制御部10は、目標振れ補正量の前後方向の振れ補正量Pt1が第1補正制限量PL0よりも大きければ、第1補正制限量PL0を第2振れ補正成分PtLとし、Pt1が第1補正制限量PL0以下であれば、Pt1を第2振れ補正成分PtLとすれば良い。また、振れ補正方向θが左右方向と一致する場合には、制御部10は、目標振れ補正量の左右方向の振れ補正量Yt1が第2補正制限量YL0よりも大きければ、第2補正制限量YL0を第4振れ補正成分YtLとし、Yt1が第2補正制限量YL0以下であれば、Yt1を第4振れ補正成分YtLとすれば良い。
【0055】
上述した形態では、ステップS5〜ステップS10において、第2振れ補正成分PtLを特定した後に、第4振れ補正成分YtLを特定している。この他にもたとえば、ステップS5〜ステップS10において、第4振れ補正成分YtLを特定した後に、第2振れ補正成分PtLを特定しても良い。
【0056】
上述した形態では、上下方向から見たときに仮想円Cが仮想正方形Sに内接するように斜め補正制限量が設定されている。この他にもたとえば、上下方向から見たときに仮想円Cと仮想正方形Sとの間に隙間が形成されて仮想円Cが仮想正方形Sに内接しないように斜め補正制限量が設定されても良い。また、上下方向から見たときに仮想円Cと仮想正方形Sとが交わるように斜め補正制限量が設定されても良い。
【0057】
上述した形態では、斜め補正制限量の集合によって正方形状の仮想正方形Sが形成されるように斜め補正制限量が設定されている。この他にもたとえば、斜め補正制限量の集合によって円形状の仮想円や楕円形状の仮想楕円が形成されるように斜め補正制限量が設定されても良いし、斜め補正制限量の集合によって菱形状の仮想四角形が形成されるように斜め補正制限量が設定されても良い。また、上述した形態では、第1補正制限量PL0と第2補正制限量YL0とが等しくなっているが、第1補正制限量PL0と第2補正制限量YL0とが異なっていても良い。
【0058】
上述した形態では、駆動用コイル16、18が支持体4に取り付けられ、駆動用磁石17、19がカメラモジュール3に取り付けられている。この他にもたとえば、駆動用コイル16、18がカメラモジュール3に取り付けられ、駆動用磁石17、19が支持体4に取り付けられても良い。また、上述した形態では、撮影用光学装置1は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されているが、撮影用光学装置1は、光軸方向から見たときの形状が略長方形状等の他の略四角形状となるように形成されても良いし、光軸方向から見たときの形状が四角形以外の多角形状となるように形成されても良い。また、撮影用光学装置1は、光軸方向から見たときの形状が略円形状や楕円形状となるように形成されても良い。