(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
液体を収容したシリンダーと、前記シリンダーの一端側を保持するシリンダー保持部材と、前記シリンダー内に配置されたピストンと、前記ピストンを保持するロッドと、前記シリンダー保持部材に設けられて前記ロッドをガイドするロッドガイド部とを備え、
前記シリンダーの中心軸と前記ロッドガイド部の中心軸と前記ロッドの中心軸とが一致するように構成され、
前記ピストンが前記シリンダーの一端に近づく方向に作動する圧縮動作時、及び、前記ピストンが前記シリンダーの他端に近づく方向に作動する伸長動作時に、前記シリンダー及び前記ピストンの動きを減衰させる減衰力を生じさせるように構成された緩衝器において、
前記ロッドは、前記ピストンに形成された貫通孔を貫通して前記ピストンと一緒に移動するように構成されて、前記圧縮動作時及び前記伸長動作時に、一端側が前記ロッドガイド部で保持され、
前記ロッドガイド部は、中心軸が前記シリンダーの中心軸と一致する筒孔により形成され、前記筒孔は、前記シリンダーの一端側に位置された筒孔の他端開口側に形成された小径部と、前記筒孔の一端側に形成された前記小径部よりも内径寸法が大径の大径部とを備え、
前記小径部を貫通する前記ロッドの外周面と前記小径部の内周面とが液密状態を維持しながら前記ロッドの外周面と前記小径部の内周面とが摺動可能に構成されて前記シリンダー内と大径部内とが区画されているとともに、
前記圧縮動作時の圧縮速度を減速させるロック機構を備え、
前記ロック機構は、前記ピストンよりも前記シリンダーの一端側に位置する前記ロッドの外周に当該ロッドと一緒に移動可能なように設けられたロックカラーと、前記小径部の外周に設けられたロックピースとを備え、
前記ロックカラーは、前記ロッドが貫通する中央貫通孔を有した円形状底板と円筒部とを備え、前記円形状底板が前記シリンダー内の他端側に位置されて前記ピストンの一端面と接触し、前記円筒部の一端が開口した有底円筒状に形成され、
前記ロックピースは、前記圧縮動作時における最大圧縮時の直前にロックカラーの円筒部の内周面と嵌合することで前記圧縮動作時の圧縮速度を減速させるロック状態を形成することを特徴とする緩衝器。
前記シリンダーの一端側が自動二輪車の車体側に連結されて、前記ロッドの他端側が自動二輪車の車軸側に連結されるか、あるいは、前記シリンダーの一端側が自動二輪車の車軸側に連結されて、前記ロッドの他端側が自動二輪車の車体側に連結されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の緩衝器。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1乃至
図6に基づいて油圧緩衝器の一例としての実施形態の自動二輪車用のリアクッション1について説明する。
尚、本明細書においては、
図1;
図2等において矢印で示した側を一端側及び他端側と定義して説明する。
図1;
図2に示すように、リアクッション1は、ダンパーケース2と、シリンダー3と、ピストン4と、ロッド5と、一端側支持部6と、他端側支持部7と、減衰力発生装置8と、温度補償装置9と、懸架ばね10と、ばね荷重調整装置11と、ロッドガイド部100と、オイルロック機構150とを備え、ロッド5が一端側支持部6と他端側支持部7とに跨るように設けられてロッド5とピストン4とが液体としての作動油(オイル)を収容したシリンダー3内を一緒に移動するように構成される。
【0012】
一端側支持部6の一端部には一端側取付孔61が形成され、一端側支持部6の他端部にはダンパーケース2、シリンダー3、ロッドガイド部100を取付けるためのダンパーケース取付穴62、ロッドガイド部取付穴112が形成されている。ダンパーケース取付穴62、ロッドガイド部取付穴112は、円形穴である。
一端側支持部6には、減衰力発生装置8、温度補償装置9、ばね荷重調整装置11が設けられる。
減衰力発生装置8は、一端側支持部6に形成された装置設置用穴81と、装置設置用穴81に設置された減衰力発生機構82とを備え、装置設置用穴81とダンパーケース2内に形成された他端側油溜室44とが連通路22を介して連通し、かつ、装置設置用穴81とダンパーケース2内に形成された一端側油溜室45とが連通路32を介して連通するように構成されている。
温度補償装置9は、一端側支持部6に設けられ、装置設置用穴81と連通路92を介して連通するように構成されている。
ばね荷重調整装置11は、ダンパーケース取付穴62の外周を取り囲むように設けられ、懸架ばね10に加わる荷重を変更できるように構成されている。
尚、減衰力発生装置8、温度補償装置9、ばね荷重調整装置11の詳細については後述する。
【0013】
オイルロック機構150は、ピストン4よりも一端側に位置するロッド5の外周に設けられたオイルロックカラー160と、ロッドガイド部100の他端側に位置される小径部101の外周に設けられたオイルロックピース170とを備えて構成される。
【0014】
ダンパーケース2は円筒に形成され、シリンダー3はダンパーケース2よりも小径の円筒に形成され、ロッドガイド部100はシリンダー3よりも小径の円筒に形成される。
ダンパーケース2の一端側外周面に形成されたねじ部とダンパーケース取付穴62の一端側内周面に形成されたねじ部とがねじ嵌合されることでダンパーケース2が一端側支持部6のダンパーケース取付穴62に固定されている。
ダンパーケース取付穴62の一端側内周面には、当該内周面とダンパーケース2の一端側外周面との間の液密性を維持するОリング21aが設けられており、当該Оリング21aにより、作動油の外部への漏れが防止される。
【0015】
ロッドガイド部取付穴112は、ダンパーケース取付穴62の一端側底面からさらに一端方向に延長するように形成されている。
ロッドガイド部取付穴112は、一端側の径が他端側の径よりも小径に形成された一端側小径部及び他端側大径部を備えた構成である。当該一端側小径部の内周面に形成されたねじ部とロッドガイド部100の一端側の外周面107に形成されたねじ部とがねじ嵌合されることによってロッドガイド部100がロッドガイド部取付穴112に固定されている。
ロッドガイド部100の一端側の外周には、ロッドガイド部取付穴112の一端側小径部と他端側大径部との境界段差面に接触してロッドガイド部100の一端方向への移動を規制する規制面107aが設けられている。
ロッドガイド部100の一端側の外周面107におけるねじ部と規制面107aとの間にはOリング108が設けられて当該外周面107とロッドガイド部100の内周面との間の液密性が維持されている。
ロッドガイド部100の他端側の外周面114とロッドガイド部取付穴112の内周面との間は連通路32と一端側油溜室45とを連通させる連通路に形成される。
【0016】
ロッドガイド部取付穴112の他端部は、ダンパーケース取付穴62の一端側底面よりも他端方向に突出するように形成されている。
シリンダー3の一端には円筒状のシリンダー一端側位置決め部31が設けられており、当該シリンダー一端側位置決め部31の一端側内周面とロッドガイド部取付穴112の他端部の外周面115とが嵌合されてシリンダー3の一端が位置決めされている。
即ち、シリンダー一端側位置決め部31は、ロッドガイド部取付穴112の他端部の外周面115に嵌め込まれる一端側内周面を有した一端側嵌合部と、シリンダー3の一端開口部の内周面116に嵌め込まれる他端側内周面を有した他端側嵌合部とを備える。
よって、例えば他端側嵌合部がシリンダー3の一端開口部の内周面116に嵌め込まれて取付けられたシリンダー一端側位置決め部31の一端側嵌合部をロッドガイド部取付穴112の他端部の外周面115に嵌め込むことで、シリンダー3の一端がロッドガイド部取付穴112の他端部の外周面115に位置決めされる。
シリンダー一端側位置決め部31の一端側嵌合部の内周面には、当該内周面とロッドガイド部取付穴112の外周面115との間の液密性を維持するОリング31aが設けられ、シリンダー一端側位置決め部31の他端側嵌合部の外周面には、当該外周面とシリンダー3の一端開口部の内周面116との間の液密性を維持するОリング31bが設けられ、当該Оリング31a;31bにより、作動油が一端側油溜室45と後述する円環筒状連通路35とに連通することが防止される。
【0017】
ロッドガイド部100は、ロッド5の一端側を保持する筒孔を備え、当該筒孔は、筒孔の他端開口側に形成されてシリンダー3の一端側の内側に位置された小径部101と、小径部101より一端に向けて延長し、かつ、小径部101よりも内径寸法が大径に形成された大径部102とを備える。小径部101の内径は、ロッド5の一端側の外径に対応した寸法に形成されている。
【0018】
ロッド5の一端側が進退する大径部102内の空間103は、一端開口が一端側支持部6に形成された大気解放室110と連通して大気解放されている。大気解放室110は大気解放孔109を介して大気に解放されている。
小径部101の内周面には、ロッド5の一端側の外周面との液密性を維持するためのXリング104が設けられるとともに、ブッシュ105が設けられていることにより、小径部101を貫通するロッド5の一端側の外周面と小径部101の内周面とが液密状態を維持しながらロッド5の外周面と小径部101の内周面とが摺動可能に構成されてシリンダー3内と大径部102内の空間103とが区画されている。
【0019】
ロッド5は、圧縮動作時及び伸長動作時に、一端側がロッドガイド部100で保持された構成である。
ロッド5は、最大伸長時に、一端部が小径部101を貫通した状態となるような長さに形成される。
ロッド5は、他端側ロッド部5a、中間ロッド部5b、一端側ロッド部5cとが組み合わされて構成される。
他端側ロッド部5aは、中空ロッドにより形成され、中空部の一端開口が液密封止部材120により封止されている。
中間ロッド部5bは、他端側が他端開口の円筒部に形成され、中間部がピストン4の中央貫通孔41及びオイルロックカラー160の中央貫通孔165を貫通する径寸法の軸部に形成され、一端側が液密封止部41Cに形成される。
一端側ロッド部5cは、中空ロッドにより形成され、中空部の一端開口部は工具挿入部106に形成されている。
他端側ロッド部5aの一端部の外周面に形成されたねじ部と中間ロッド部5bの他端側の円筒部の内周面に形成されたねじ部とがねじ嵌合されることで他端側ロッド部5aの一端部と中間ロッド部5bの他端部とが連結される。
一端側ばね受け部材52aのロッド通し孔52x、ピストン4の中央貫通孔41及びオイルロックカラー160の中央貫通孔165を貫通させた中間ロッド部5bの一端部及び中間部が一端側ロッド部5cの中空部の他端開口より当該中空部に挿入されて、一端側ばね受け部材52a、ピストン4、オイルロックカラー160の他端側への移動が中間ロッド部5bの円筒部と中間部との境界段差面121で規制され、一端側ロッド部5cの中空部の他端側内周面に形成されたねじ部と中間ロッド部5bの中間部の外周面に形成されたねじ部とがねじ嵌合されることによって、中間ロッド部5bと一端側ロッド部5cの他端部とが連結される。
【0020】
一端側ロッド部5cと中間ロッド部5bとのねじ嵌合は、工具挿入部106に工具を挿入して一端側ロッド部5cを回転させればよく、これにより、オイルロックカラー160の円形状底板161が、ピストン4の一端面と一端側ロッド部5cの他端面との間に挟み付けられて固定される。
【0021】
中間ロッド部5bに一端側ばね受け部材52a、ピストン4、オイルロックカラー160が装着されたロッド5の他端側から、ロッド5を、リバウンドスプリング53の中心軸に沿った中央空間、他端側ばね受け部材52bのロッド通し孔52y、ロッドガイド51の貫通孔52に順番に通し、ロッド5の一端側をロッドガイド部100の小径部の内側に挿入するとともに、ロッドガイド51の一端部に形成されたシリンダー他端位置決め穴56の内周面とシリンダー3の他端開口部の外周面とが嵌まり合うように、ロッドガイド51の外周面55とダンパーケース2の内周面とがねじ嵌合される。
【0022】
ロッドガイド51の一端部にはシリンダー他端位置決め穴56より他端側に延長するように他端側ばね受け部材設置穴57が設けられている。
リバウンドスプリング53の一端が一端側ばね受け部材52aの着座面に着座し、リバウンドスプリング53の他端が他端側ばね受け部材52bの着座面に着座するように、当該リバウンドスプリング53が一端側ばね受け部材52aの着座面と他端側ばね受け部材52bの着座面との間に配置される。
他端側ばね受け部材52bのロッド通し孔52yの内周面の他端側にはブッシュ51fが配置される。
以上の構成により、圧縮動作時には、ロッド5と一端側ばね受け部材52aとリバウンドスプリング53と他端側ばね受け部材52bとピストン4とオイルロックカラー160とが一緒に移動し、伸長動作時には、他端側ばね受け部材52bが他端側ばね受け部材設置穴57の穴底に衝突して伸長動作時の衝撃がリバウンドスプリング53により吸収緩和される。
【0023】
ロッドガイド51の貫通孔52の内周面には、他端側から順に、ダストシール51a、Xリング51b、ブッシュ51cが設けられ、ロッド5の外周面とロッドガイド51の貫通孔52の内周面との間の液密性が維持されつつロッド5がシリンダー3の中心軸3Cに沿ってスムーズに移動できるようになっている。また、ロッドガイド51の外周面55とダンパーケース2の内周面との間の液密性を維持するOリング55bが設けられ、ロッドガイド51の他端面側にはロッドガイド51がダンパーケース2から抜けないように抜け止めリング55aが装着されている。
ロッドガイド51の他端面には工具挿入穴51gが形成され、当該工具挿入穴51gに図外の工具を挿入してロッドガイド51を回転させることにより、ロッドガイド51がダンパーケース2の他端開口側の内周面にねじ嵌合される。
【0024】
以上のように、シリンダー3がダンパーケース2の内側に挿入され、シリンダー一端側位置決め部31を介して一端側支持部6に固定されるとともに、ロッドガイド51の一端部に形成されたシリンダー他端位置決め穴56の内周面とシリンダー3の他端開口部の外周面とが嵌まり合うように、ロッドガイド51の外周面55とダンパーケース2の内周面とがねじ嵌合されたことにより、シリンダー3の中心軸3Cとダンパーケース2の中心軸とが一致したダンパーケース2とシリンダー3とによる二重円筒構造が構成される。
【0025】
そして、シリンダー3内の空間が、ピストン4よりも一端側の一端側油溜室45とピストン4よりも他端側の他端側油溜室44とに区画され、ダンパーケース2の内周面とシリンダー3の外周面との間で形成された円筒壁空間のような円環筒状連通路35が形成される。また、シリンダー3の他端側には、他端側油溜室44と円環筒状連通路35とを連通させる連通孔34が形成されている。
また、シリンダー3の外周面とダンパーケース2の内周面との間で形成された円環筒状連通路35の一端側開口と連通するように一端側支持部6に連通路22が形成されている。
【0026】
図3に示すように、ピストン4は、上述したように中間ロッド部5bの一端部及び中間部を貫通させる中央貫通孔41を備えた円板により形成される。
ピストン4には、ピストン4の円板の外周面に形成された円板の中心軸を中心とする環状溝であるピストンリング設置用環状溝41aと、ピストンリング設置用環状溝41aの溝底面より中心軸側に向けて形成された円板の中心軸を中心とする環状溝であるOリング設置用環状溝41cとが形成される。
ピストン4は、Oリング41dがOリング設置用環状溝41cに装填された後に、ピストンリング41bがピストンリング設置用環状溝41aに装填されたことによって、Oリング41dがピストンリング41bを押圧してピストンリング41bの外周面がシリンダー3の内周面を押圧する方向に付勢されるように構成されている。
【0027】
図3;
図6に示すように、オイルロックカラー160は、上述したように中間ロッド部5bの一端部及び中間部を貫通させる中央貫通孔165を有した円形状底板161と円筒部162とを備え、円形状底板161がシリンダー3内の他端側に位置されてピストン4の一端面と接触し、円筒部162の一端が開口した有底円筒状に形成される。即ち、オイルロックカラー160は、ロッド5が中央貫通孔165を貫通してピストン4よりもシリンダー3の一端側に位置するロッド5の外周に当該ロッド5と一緒に移動可能なように設けられている。
円筒部162の内径は、オイルロックピース170の外径寸法よりも0.1mm程度大きい寸法に形成され、円筒部162の内周面の中心軸に沿った方向の長さは、オイルロックピース170を形成する円筒体の中心軸に沿った方向の長さよりも長い寸法に形成される。
【0028】
図3;
図6に示すように、小径部101の外周には、オイルロックピース170が設けられている。
オイルロックピース設置部180がロッドガイド部100の他端側の外周に形成され、オイルロックピース170がオイルロックピース設置部180に設置される。
オイルロックピース設置部180は、小径部101の外周面181と、当該外周面181の一端よりロッドガイド部100の径方向に延長して小径部101の外径よりも大径に形成された一端側環状規制壁体182と、小径部101の外周面181の他端側に設けられて小径部101の外径よりも大径に形成された他端側環状規制壁体183とで区画された溝、即ち、中心軸がロッドガイド部100の中心軸と同じ円環状溝により構成される。
オイルロックピース170は、オイルロックピース設置部180を形成する円環状溝の外周面181を取り囲むよう当該円環状溝内に設置される円筒体により構成される。
オイルロックピース170を形成する円筒体の内径寸法は、小径部101の外周面181の径寸法より大きくてかつ一端側環状規制壁体182の外径寸法及び他端側環状規制壁体183の外径寸法よりも小さい寸法に形成され、オイルロックピース設置部(円環状溝)180に設置されたオイルロックピース170の内周面171と小径部101の外周面181との間は、作動油が連通可能な連通路172に形成される。
オイルロックピース170を形成する円筒体の全長(円筒体の中心軸に沿った方向の長さ)は、一端側環状規制壁体182と他端側環状規制壁体183との間の距離よりも短い寸法に形成され、オイルロックピース設置部180に設置されたオイルロックピース170は、シリンダー3の中心軸3Cに沿った方向に移動可能に設置されている。
オイルロックピース170を形成する円筒体の他端側の外周径は、他端に近づくほど漸次小さくなるように形成されており、圧縮動作時にオイルロックピース170がオイルロックカラー160の内側に入り込みやすいようになっている。
他端側環状規制壁体183には、当該他端側環状規制壁体183を貫通する貫通孔185が形成されており、当該貫通孔185を介してオイルロックピース170の内周面171と小径部101の外周面181との間の連通路172と一端側油溜室45とに作動油が連通可能に構成されている。
【0029】
図1;
図2に示すように、他端側支持部7の他端側には他端側取付孔71が形成され、他端側支持部7の一端部にはロッド取付穴72が形成されている。ロッド5の他端部に形成されたねじ部にロックナット73を螺着しておいて、ロッド5のねじ部とロッド取付穴72のねじ部とをねじ嵌合し、かつ、ロックナット73を締結することで、ロッド5の他端部が他端側支持部7に固定される。
他端側支持部7の一端部の外周には他端側ばね受け74が取付けられている。
他端側支持部7の一端部には、円環状のバンプラバー75の円環の中心軸とロッド5の中心軸とが一致するようにバンプラバー75がロックナット73の外周面に形成された係合溝76に係合するように取付けられている。
【0030】
懸架ばね10は、ダンパーケース2の外周にシリンダー3の中心軸3Cに沿った螺旋を描くスプリングにより形成され、一端が、ばね荷重調整装置11に設けられた一端側ばね受け12に支持され、他端が、他端側支持部7の一端部の外周には他端側ばね受け74に支持されている。懸架ばね10のばね力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
そして、ばね荷重調整装置11により一端側ばね受け12をシリンダー3の中心軸3Cに沿った方向に移動させることにより、懸架ばね10の設定長さ(ばね荷重)が調整される。
【0031】
以上により、ダンパーケース2、シリンダー3、ロッド5、ロッドガイド部100、オイルロックカラー160、オイルロックピース170は、それぞれ中心軸が一致するように設置されて、ロッド5及びピストン4とシリンダー3及びダンパーケース2とがそれぞれシリンダー3の中心軸3Cに沿った方向に相対移動可能となったリアクッション1が構成される。
尚、リアクッション1を構成する各部品は、以上の説明からわかるように、主としてシリンダー3の中心軸3Cを中心軸とするように設けられる円筒状部品、環状部品、螺旋状部品等により構成される。
【0032】
ばね荷重調整装置11は、油圧ジャッキと図外のポンプとを備える。
油圧ジャッキは、
図3に示すように、ダンパーケース2の外周に固定されるハウジング11aと、ハウジング11a内に設けられたプランジャ11bと、プランジャ11bの他端より延長するよう設けられた一端側ばね受け12と、一端側ばね受け12の外周縁より一端側に延長するように設けられたプランジャ移動ガイド11cとを備えて構成される。プランジャ移動ガイド11cがハウジング11aの外周面と液密を維持した状態でシリンダー3の中心軸3Cに沿って移動可能なように設けられている。ハウジング11aとプランジャ11bとで囲まれた空間でジャッキ油室11fが構成されている。ハウジング11aの外側周面とプランジャ11bの外周面との間にはダスト侵入防止用のOリング11hが設けられ、ハウジング11aの内側周面とプランジャ11bの内周面との間に液密性を維持するためのOリング11iが設けられている。プランジャ移動ガイド11cの内周面にはダスト侵入防止用のOリング11gが設けられている。プランジャ移動ガイド11cの内周面とハウジング11aの外周面とには、プランジャ移動ガイド11cのシリンダー3の中心軸3Cに沿った方向への移動をガイドするねじ係合による直線ガイド11dが設けられている。
【0033】
ばね荷重調整装置11は、図外のポンプから図外の供給管を介してジャッキ油室11f内に作動油もしくは気体が供給されることで、プランジャ11bが他端側に押し出されて懸架ばね10が押圧され、懸架ばね10の反力を得てダンパーケース2が持ち上がって車高が上がるように構成され、逆に、ジャッキ油室11fから作動油もしくは気体が図外の排出管を介して排出されることによって、プランジャ11bが懸架ばね10の反力により押し戻され、ダンパーケース2が下降して車高が下がるように構成された装置である。
ジャッキ油室11fに対する作動油もしくは気体の給排は、図外の制御装置によって制御される。
尚、ばね荷重調整装置11としては、手動で調整されるアジャスター機構を備えた構成のものであってもよい。
【0034】
図5に示すように、減衰力発生装置8は、圧側行程(圧縮動作時)では連通路32から装置設置用穴81内の圧側室70xに流入した作動油に減衰力を与えて連通路22に流出させ、伸側行程(伸長動作時)では連通路22から装置設置用穴81内の伸側室70yに流入した作動油に減衰力を与えて連通路32に流出させることで圧側及び伸側行程におけるリアクッション1の動作に減衰力を付与する。
【0035】
減衰力発生装置8の減衰力発生機構82は、中心筒体70aと、この中心筒体70aの両側外周に固着された円板状の仕切板70b,70cと、仕切板70bと仕切板70cとで区画された中間室70iと、圧側室70xを区画する仕切板70bに形成された貫通孔70dを塞ぐように仕切板70bの中間室70i側に取り付けられた圧側減衰バルブ70eと、伸側室70y側の仕切板70cに形成された貫通孔70gを塞ぐように仕切板70cの中間室70i側に取り付けられた伸側減衰バルブ70hと、中心筒体70aの中心に位置される針弁70jとを備える。
尚、装置設置用穴81を塞ぐとともに調整機構90eを備えた蓋体83の外周面にOリング90xが設けられて蓋体83の外周面と装置設置用穴81の内周面との液密性が維持されて装置設置用穴81が液密に形成される。また、仕切板70cの外周面にOリング90yが設けられて仕切板70cの外周面と装置設置用穴81の内周面との液密性が維持され、Oリング90xとOリング90yとで伸側室70yが液密に維持される。また、仕切板70bの外周面にOリング90zが設けられて仕切板70bの外周面と装置設置用穴81の内周面との液密性が維持され、Oリング90yとOリング90zとで中間室70iが液密に維持されるとともに、Oリング90zで圧側室70xが液密に維持される。
【0036】
圧側減衰バルブ70eと伸側減衰バルブ70hとの間には、円板状のリング体80aが設けられる。リング体80aには、厚さ方向中央部分に、内周から外周にかけて径方向に貫通する複数の貫通孔80bが放射状に形成される。また、この貫通孔80bに対応するように中心筒体70aには、この中心筒体70aを径方向に貫通する貫通孔80cが設けられている。中心筒体70aの中央孔80dは圧側室70x側が小径孔80eとなり、反対側が大径孔80fとなり、小径孔80eの伸側室70y側で針弁70jの先端のテーパ80gとで間隙90aを形成する角部90bが形成される。また、針弁70jの根元側にテーパ部材90fが設けられ、このテーパ部材90fのテーパとで間隙90cを形成する角部90dが形成される。
【0037】
針弁70jは、伸側アジャスター70及び圧側アジャスター80を備えた調整機構90eにより進退自在に微調整される。なお、91aは貫通孔70mを圧側室70x側から塞ぐチェック弁、91bは貫通孔70nを伸側室70y側から塞ぐチェック弁である。圧側減衰バルブ70e、伸側減衰バルブ70h、チェック弁91a,91bはいずれも弾性薄板を複数重ねて層状化して構成される。
【0038】
以上の構成によれば、圧側行程では、一端側油溜室45から連通路32を介して圧側室70x内に流入した作動油が、貫通孔70dから流入し圧側減衰バルブ70eを押し開いて中間室70iに供給されるとともに小径孔80eにも先端側から流入し、間隙90aを介して中央孔80dの貫通孔80cからリング体80aの貫通孔80bを介して中間室70iに供給される。中間室70iの作動油は、貫通孔70nを介してチェック弁91bを押し開いて、伸側室70yを経由して連通路22内に供給され、円環筒状連通路35を介して他端側油溜室44に供給される。
また、伸側行程では、他端側油溜室44及び円環筒状連通路35から連通路22を介して伸側室70yに流入した作動油が、貫通孔70gに流入し、伸側減衰バルブ70hを押し開いて中間室70iに供給されるとともに大径孔80fに連通する孔93から中央孔80dの貫通孔80cを介して中間室70iに供給される。中間室70iの作動油は、貫通孔70mからチェック弁91aを押し開いて、圧側室70x、連通路32を経由して一端側油溜室45に供給される。
【0039】
上述の減衰力発生装置8による減衰力の発生動作において、作動油の温度変化による作動油の体積変化は、中間室70iに開口する連通路92を介して温度補償装置9に導かれることで、温度補償がなされる。
図4に示すように、温度補償装置9は、一端開口が一端側支持部6にOリング9gで液密状態に取付けられて他端開口がキャップ9dにより封着された密閉容器9a内が、ブラダ9cによってエア室9xと油溜室9bとに区画された構成であり、キャップ9dに設けられたエアバルブ9eを介して高圧化されるエア室9x内の圧力によって加圧される油溜室9bが減衰力発生装置8を介して一端側油溜室45に連通する。この油溜室9bにより、一端側油溜室45及び他端側油溜室44内の油の温度膨張分の容積が補償される。即ち、温度補償装置9は、油溜室9bに作動油を流入出させて、減衰力発生装置8側の作動油の容積を一定に維持し、外気温度や、リアクッション1の動作による作動油の温度上昇などに依存しない安定した減衰力が得られるように構成されている。
【0040】
実施形態では、例えば、一端側支持部6が自動二輪車の車体側であるフレーム等に連結されて、他端側支持部7が自動二輪車の車軸側に連結されたリアクッション1に対して、シリンダー3の中心軸3Cに沿った方向に力が加わってリアクッション1の一端と他端とが互いに近づくように動作する圧縮動作時において、
図6(a)に示すように、オイルロックピース170とオイルロックカラー160とが矢印F;Fに示す如く互いに近づく方向に移動して、圧縮動作時における最大圧縮時の直前にオイルロックピース170の外周面173とオイルロックカラー160の円筒部162の内周面163とが対向し、かつ、一端側環状規制壁体182とオイルロックピース170の一端面175とが接触して一端側環状規制壁体182とオイルロックカラー160の円形状底板161の内底面との間の密閉された油圧室の油圧が上がることで、圧縮動作時の圧縮速度を減速させるオイルロック状態となる。当該オイルロック状態となることで圧縮動作時の大入力を吸収できるようになるので、バンプラバー75におけるリアクッション1の中心軸に沿った方向の厚さ寸法を小さくすることが可能となり、従来のリアクッションとリアクッションの全長を同じにした場合において、従来のリアクッションと比べて有効ストロークを長くできる。
また、伸長動作時においては、
図6(b)に示すように、他端側環状規制壁体183とオイルロックピース170の他端面176とが接触することによって、一端側環状規制壁体182とオイルロックピース170の一端面175との間隔、オイルロックピース170の内周面171と小径部101の外周面181との間の連通路172、他端側環状規制壁体183に形成されている貫通孔185を経由して、小径部101の他端面186とオイルロックカラー160の円形状底板161の内底面169との間の油室内に作動油が流入して当該油室の油圧が上がり、オイルロックピース170とオイルロックカラー160とを互いに離れさせようとする力R;Rが発生する。
【0041】
実施形態では、オイルロックピース170とオイルロックカラー160とを有したオイルロック機構150を備えているので、圧縮動作時の大入力を吸収するための十分な緩衝作用(リアクッション1の底付き緩衝作用)を持たせることができるとともに、従来のリアクッションと比べて有効ストロークを長くできるリアクッション1を提供できる。
例えば、オンロード用のリアクッションにおいては、リニアな反力特性を確保するために、バンプラバー75におけるリアクッション1の中心軸に沿った方向の厚さ寸法を小さくして、有効ストロークを長くするが、このようなオンロード用のリアクッション等において実施形態のオイルロック機構150を設けることによって、圧縮動作時の大入力を吸収するための十分な緩衝作用を持つリアクッション1を提供できるようになる。
【0042】
また、シリンダー3の中心軸3Cとロッド5の中心軸とが一致するようにロッド5の進退動作をガイドするロッドガイド部100を備えているので、ロッド5の直進動作性が向上する。
また、ロッドガイド部100の筒孔の一端が大気解放されているので、筒孔の大径部102内に進退するロッド5の進退動作がスムーズに行われるリアクッション1となる。
【0043】
なお、本発明のリアクッション1は、シリンダー3の一端側が取付けられた一端側支持部6が自動二輪車の車軸側に連結されて、ロッド5の他端側が取付けられた他端側支持部7が自動二輪車の車体側に連結されてもよい。
また、油以外の液体を使用してもよい。
本発明の特徴構成は、リアクッションの他、フロントフォーク、その他の用途に使用される緩衝器にも適用可能である。