(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6291457
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】監視灯
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20180305BHJP
F21S 9/03 20060101ALI20180305BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20180305BHJP
F21V 21/008 20060101ALI20180305BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20180305BHJP
F21L 4/00 20060101ALI20180305BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20180305BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20180305BHJP
【FI】
H05B37/02 E
H05B37/02 M
H05B37/02 J
H05B37/02 D
F21S9/03
F21S9/02 130
F21S9/02 200
F21V21/008
F21V23/00 115
F21V23/00 117
F21V23/00 120
F21L4/00 110
F21L4/00 500
G08B21/10
F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-113583(P2015-113583)
(22)【出願日】2015年6月4日
(65)【公開番号】特開2016-201345(P2016-201345A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2016年12月27日
(31)【優先権主張番号】特願2015-78167(P2015-78167)
(32)【優先日】2015年4月7日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509185099
【氏名又は名称】株式会社日本エナジー研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100091465
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 久夫
(72)【発明者】
【氏名】堀田 繁美
(72)【発明者】
【氏名】広沢 勝
【審査官】
松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−104413(JP,A)
【文献】
特開2013−171828(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/153550(WO,A1)
【文献】
登録実用新案第3017269(JP,U)
【文献】
特開2011−204637(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/110935(WO,A1)
【文献】
特開2009−128961(JP,A)
【文献】
特開2014−153972(JP,A)
【文献】
特開平08−171680(JP,A)
【文献】
特開2005−322608(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0300436(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
F21L 4/00
F21S 9/02
F21S 9/03
F21V 21/008
F21V 23/00
G08B 21/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明灯ランプの点灯時に照明灯ランプの光を受けて充電し、照明灯ランプが消灯したときに、上記充電した電力によって点灯して夜間照明を行うとともに、環境の変化を検知して警報を発するようにした監視灯であって、
U字状のアーム(12)又はワイヤー(72)によって照明灯ランプ管(50)又は照明灯リフレクターに吊り下げられる函体(11)と、
該函体(11)に照明灯ランプ管(50)に対面するように設けられるか又は照明灯ランプ管(50)に貼り付けられ、照明灯ランプの光を受光して発電するソーラパネル(13)と、
上記函体(11)に設けられ、充電された充電池又はコンデンサ(21)を電源として点灯するLED(14)と、
上記函体(11)に内蔵され、上記ソーラパネル(13)の起電力を電源として充電池又はコンデンサ(21)を充電する一方、照明灯ランプが消灯したときに上記LED(14)を点灯させる通電回路(20)と、
上記函体(11)に設けられ、人間の存在、温度、湿度、照度又は炭酸ガスの群から選ばれる1又は複数のパラメーターから環境の変化を検知する環境センサー(15、15A、15B、15C、15D)と、
該環境センサー(15、15A、15B、15C、15D)の信号を受け、警報を発する警報装置(30)と、
を備えたことを特徴とする監視灯。
【請求項2】
上記環境センサーが、人感センサー(15)、温度センサー(15A)、湿度センサー(15B)、照度センサー(15C)、炭酸ガスセンサー(15D)の群から選ばれる1又は複数のセンサーである請求項1記載の監視灯。
【請求項3】
上記警報装置(30)は警告音の発生、光の点滅及び不審者侵入の携帯端末への通信のうちの少なくとも1つを行うようになっている請求項1記載の監視灯。
【請求項4】
上記警報装置(30)には環境の変化時にシャッター駆動機構(31A)が作動されるストロボ付きカメラ(31)が設けられている請求項1記載の監視灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は監視灯に関し、特に既存の照明器具にセットして不審者の侵入や火災などの異常を監視できるようにした監視灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不審者の侵入を検出して警報を出力する監視システムが一般住宅、共同住宅、公共施設などに設置され実用化されている。
【0003】
例えば、住宅の監視システムは、屋外に面した部屋の窓などに窓開閉の検知器を設置し、監視モードにセットし、不審者が窓を開けて中に侵入しようとすると、検知器が窓の開放を検知し、監視装置が警報音を発して威嚇し、不審者の侵入を未然に防止するようになっている(特許文献1)。
【0004】
また、最近の監視システムでは不審者の侵入を検知した場合に警報音を出力すると共に、回線網を経由して利用者の携帯端末に警告信号を送信し、利用者に異常を知らせて適切に対処できるようにすることが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−153972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1記載の監視システムでは複雑なシステムを必要とし、コスト高になり、住宅等に設置し難いという問題があった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑み、複雑で高価なシステムを使用することなく、照明器具を利用して不審者等を監視できるようにした監視灯を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明に係る監視灯は、照明灯ランプの点灯時に照明灯ランプの光を受けて充電し、照明灯ランプが消灯したときに、上記充電した電力によって点灯して夜間照明を行うとともに、環境の変化を検知して警報を発するようにした監視灯であって、照明灯ランプ管又は照明灯リフレクタに吊り下げられる函体と、該函体に照明灯ランプ管に対面するように設けられるか又は照明灯ランプ管に貼り付けられ、照明灯の光を受光して発電するソーラパネルと、上記函体に設けられ、充電された上記充電池又はコンデンサを電源として点灯するLEDと、上記函体に内蔵され、上記ソーラパネルの起電力を電源として充電池又はコンデンサを充電する一方、照明灯ランプが消灯したときに上記LEDを点灯させる通電回路と、上記函体に設けられ、人間の存在、温度、湿度、照度又は炭酸ガスの群から選ばれる1又は複数のパラメーターから環境の変化を検知する環境センサーと、該環境センサーの信号を受け、警報を発する警報装置と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の特徴の1つは函体を照明器具にセットし、照明灯ランプの光によって発電して充電池やコンデンサに充電し、夜間等にLEDを点灯させて夜間照明をする一方、夜間等において函体の環境センサーによって環境の変化を検知すると、例えば不審者や火災などと判断して警報を発するようにした点にある。
【0010】
これにより、いわゆる常夜灯を利用して警報装置を安価に構成することができ、複雑で高価なシステムを必要とせず、低コスト性を求められる住宅等に設置するのに最適であるばかりでなく、既存の照明灯に簡単にセットできるので、ユーザーの好みに応じて自由に設置できる。
【0011】
環境センサーには人感センサー、温度センサー、湿度センサー、照度センサー、炭酸ガスセンサーの群から選ばれる1つ又は複数のセンサーを用いるが、これらのセンサーは公知のセンサーを使用できる。例えば、人感センサーは赤外線、超音波、可視光などを照射してその反射を検知して人間の存在を検知できるものであればよい。
【0012】
警報は警報音、警告灯の点灯や点滅などを採用することができる。さらに、警報装置に安価なストロボ付きカメラをセットし、不審者の写真を撮るとともに、フラッシュを点灯させて不審者を撃退するようにしてもよい。
【0013】
函体はU字状やリング状のアームや吊り下げ用ワイヤーで照明灯ランプ管又は照明灯リフレクタに吊り下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る監視灯の実施形態を示す概略斜視図である。
【
図6】第4の実施形態を示す回路構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1ないし
図3は本発明に係る監視灯の好ましい実施形態を示す。監視灯10では長楕円筒状に製作された函体11の両側壁面に嵌込み凹部11Aが形成され、嵌込み凹部11Aには金属板製のアーム12の両下端が嵌め込まれてアーム12が函体11に取付けられるようになっている。
【0016】
函体11の頂面にはソーラパネル13が設けられ、函体11の底面には複数のLED14が並べて設けられ、函体11内にはソーラパネル13の起電力を電源としてスーパーキャパシタ21を充電する一方、照明灯ランプが消灯したときにLED14を点灯させる通電回路20、及びスーパーキャパシタ21の充電電圧を基準電圧と比較して充電電圧が基準電圧に達したときに通電回路20による充電を停止させる充電制御回路22が内蔵されている。
【0017】
図3は通電回路20及び充電制御回路22の回路構成例を示す。図において、ソーラパネル13は通電回路20及びスーパーキャパシタ21が直列に接続され、通電回路20及びスーパーキャパシタ21は相互に並列に接続されている。
【0018】
通電回路20ではトランジスタ20B、20C、20D、チョークコイル20E、コンデンサ20F、20G、ショットキーバリアダイオード20H、抵抗20J、20K及びCdSセル20Lによってブロッキング発振回路が構成されており、ブロッキング発振回路は通電停止や故障などによって照明灯が消灯されたときに発振してLED14を点灯させるようになっている。
【0019】
また、スーパーキャパシタ21には充電制御回路22が設けられている。この充電制御回路22はトランジスタ22Aと比較器22Bを有し、ソーラパネル13の発電電圧を抵抗で降圧した電圧を基準電圧とし、スーパーキャパシタ21の充電電圧と比較し、充電電圧が基準電圧に達したときにトランジスタ22AをOFFとし、スーパーキャパシタ21の充電を停止させるようになっている。
【0020】
また、函体11の底面には人感センサー15、赤色LED16及びスピーカー17が取付けられ、函体11内には警報装置30が内蔵され、警報装置30は人感センサー15の信号を受け、赤色LED16を点灯又は点滅させるとともに、スピーカー17から警報音を発生させ、さらにカメラ31のシャッター機構31Aを作動させてカメラ31に撮影させるとともに、フラッシュを点灯させ、又予め登録された携帯端末32に不審者の侵入を通知するようになっている。
【0021】
本例の監視灯10ではアーム12を既存の照明器具の照明灯ランプ管50にまたがらせ、アーム12の先端部分を函体11の係止凹部11Aに係合させると、監視灯10を照明灯ランプ管50から吊り下げることができる。
【0022】
照明灯ランプの点灯中にはソーラパネル13が受光して電力を発電し、スーパーキャパシタ21を充電している。スーパーキャパシタ21の充電電圧が基準電圧に達すると、充電制御回路22では比較回路22Bの出力が’L’となり、トランジスタ22AがOFFとなるので、スーパーキャパシタ21の充電は停止され、これによって過充電は未然に防止される。
【0023】
他方、通電回路20ではトランジスタ20Bのベースにはスーパーキャパシタ21の電圧がCdSセル20L及び抵抗20Jの抵抗値によって決まる電圧が印加されるが、照明灯ランプが点灯して明るい状態ではCdSセル20Lの抵抗値は低く、トランジスタ20Bのベースには高電圧が印加されてトランジスタ20BはONとなり、通電回路20はブロッキング発振を行わず、LED14は点灯しない。
【0024】
また、照明灯ランプが消灯すると、CdSセル20Lの抵抗値が大きくなり、トランジスタ20Bのベース電圧は低くなり、トランジスタ20BはOFFとなる。すると、トランジスタ20DもOFFとなり、発振回路がブロッキング発振をしてLED14を点灯させ、これによって常夜灯として利用することができる。
【0025】
他方、監視灯10の照明の範囲内に不審者が侵入すると、人感センサー15がそれを検知し、警報装置30が人感センサー15の信号を受けると、赤色LED16を点灯又は点滅させるとともに、スピーカー17から警報音を発生させ、さらにカメラ31のシャッター機構31Aを作動させてカメラ31に撮影させるとともに、フラッシュを点灯させ、又予め登録された携帯端末32に不審者の侵入を通知する。
【0026】
これによって侵入した不審者を驚かせて撃退し、又住人には不審者の侵入を通知して警戒その他の対処をとらせることができる。
【0027】
図4は第2の実施形態を示す。図において、水銀灯(高電圧放電灯)60は傘61内に水銀灯ランプ管62を内蔵して構成され、傘61の下端61Aには3つのクリップ(係止手段)71が等しい角度間隔をあけて着脱可能に係止され、クリップ71はワイヤー(吊り具)70の先端に取付けられ、ワイヤー70は監視灯12の函体11に固定されており、こうして監視灯10は水銀灯ランプ管62から40°C〜50°Cの温度領域に吊り下げることもできる。
【0028】
なお、監視灯10による警報機能については第1の実施形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0029】
図5は第3の実施形態を示し、
図1ないし
図3と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例では蛍光灯ランプ管50の背面に帯状のソーラパネル13を貼り付け、その発電電力を監視灯10のスーパーキャパシタに充電し、LED14の点灯時間を長く維持できるようにしている。
【0030】
図6及び
図7は第4の実施形態を示し、図において
図1ないし
図5と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例では人感センサー15に加え、温度センサー15A、湿度センサー15B、照度センサー15C、炭酸ガスセンサー15Dがさらに設けられ、警報装置30が人感センサー15、温度センサー15A、湿度センサー15B、照度センサー15C、炭酸ガスセンサー15Dの信号を受け、人間の存在、温度、湿度、照度又は炭酸ガスの変化から、不審者の存在や火災など、環境が変化したことを検知して警報、例えば赤色LED16を点灯又は点滅させ、スピーカー17から警報音を発生させ、さらにカメラ31のシャッター機構31Aを差動させてカメラ31に撮影させるとともに、フラッシュを点灯させ、又予め登録された携帯端末32に環境の変化を通知するようになっている。
【符号の説明】
【0031】
10 監視灯
11 函板
12 アーム
13 ソーラパネル
14 LED
15 人感センサー
15A 温度センサー
15B 湿度センサー
15C 照度センサー
15D 炭酸ガスセンサー
16 赤色LED
17 スピーカー
20 通電回路
30 警報装置
31 カメラ
32 携帯端末
50 照明灯ランプ管