(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
第1始動入賞口15は、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
【0022】
また、第2始動入賞口16には、
図3に示すように、開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
【0023】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を受けられるようになっている。
【0024】
ゲート20は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
また、当該大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
【0026】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示されるようになっている。そして、各演出図柄50の停止表示態様により、後述する抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
さらに、本形態における演出表示装置21の表示部21aには、後述の第1特図乱数の保留記憶がなされた旨を示す保留表示を行うための保留表示領域52が設けられている。そして、この保留表示領域52における保留表示により、保留記憶がいくつなされているか(すなわち、後述の保留数)が遊技者に報知されるようになっている。また、この保留表示領域52における保留表示の態様により、大当たりの期待度が遊技者に報知されるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図2参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。
【0029】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0030】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0031】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出装置制御基板400を備えている。
【0032】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0033】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0034】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技を制御する。
この主制御基板100は、
図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0035】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0036】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0037】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0038】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0039】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0040】
また、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0041】
さらに、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0042】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0043】
受皿満タン検出センサ7aは、賞球として払い出される遊技球を上皿6から受皿7に導く案内通路の所定位置に設けられており、遊技球が当該所定位置を通過するたびに、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、受皿7に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、案内通路内に遊技球が滞留し、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0044】
また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出装置制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出装置制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0045】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0046】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0047】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0048】
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0049】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0050】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0051】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
【0052】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合せた遊技状態(以下、通常遊技状態という)が設定されるようになっている。
【0053】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かを決定する大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態がいずれかの遊技状態に設定されるようになっている。
【0054】
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間の組み合わせ)の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンは、変動演出の態様及び変動時間の組み合わせにより構成されるものである。すなわち、変動演出の態様及び変動時間の組み合わせを決定することによって、変動演出パターンが決定されるようになっている。この変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0055】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0056】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0057】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、第1特図乱数や第2特図乱数を「保留」というものとし、また、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留記憶」、「保留の記憶」、「保留として記憶」等というものとする。
【0058】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0059】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図5(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0060】
図5(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が10001〜10220であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜10000、10221〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/298となる。
【0061】
また、
図5(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が10001〜11119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜10000、11120〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/59となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0062】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001〜10220)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001〜11119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0063】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図6(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0064】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として3種類の特別図柄(X1、X2、X3)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0065】
図6(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0〜39であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が40〜159であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が160〜199であった場合に特別図柄X3が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率は20%、特別図柄X2が決定される確率は60%、特別図柄X3が決定される確率は20%となっている。
【0066】
また、
図6(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0〜119であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が120〜159であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が160〜199であった場合に特別図柄X3が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率は60%、特別図柄X2が決定される確率は20%、特別図柄X3が決定される確率は20%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0067】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0068】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動演出パターン(変動態様、変動時間)の決定に用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、当該結果を報知する変動演出パターンを決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態ごと、始動入賞口の種別ごと、及び、保留記憶領域に記憶されている乱数の組数(以下、保留数という)ごとに複数設けられている。ここでは、
図7に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112についてのみ詳述し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112の説明は省略する。
【0069】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、始動入賞口の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0070】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図乱数の保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図乱数の保留数が2又は3であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(
図7(a)及び(b)参照)。
また、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときは、当該抽選時の第2特図乱数の保留数がいかなる個数であっても(すなわち、保留数が0〜3のいずれであっても)、第3判定テーブル112cが選択される(
図7(c)参照)。
【0071】
そして、
図7(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0〜3999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が4000〜8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「第4グループ」が決定される。
また、
図7(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0〜5999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が6000〜8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「第4グループ」が決定される。
さらに、
図7(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0〜7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000〜10006であった場合に「第2グループ」が決定される。
【0072】
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
なお、後述する如く、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1特図乱数が記憶されると、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に、当該第1特図乱数について大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理が実行される。そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時においてグループ種別を決定するとともに、上述の事前判定処理においても、上述のリーチグループ決定乱数判定テーブル112に基づき、グループ種別を決定するようになっている。
ここで、グループ種別の決定を行うにあたっては、この決定を行う時点の保留数に応じたリーチグループ決定乱数判定テーブル112、すなわち、第1判定テーブル112a又は第2判定テーブル112bのいずれかが参照されるようになっているが、本形態における第1判定テーブル112a及び第2判定テーブル112bはいずれも、リーチグループ決定乱数が0〜8999の場合に、第1グループ又は第2グループのいずれかが決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜10006の場合に、第3グループ又は第4グループのいずれかが決定されるように、設定されている(
図7(a)及び(b)参照)。
したがって、変動開始時の保留数と、上述の事前判定処理を実行する際の保留数とが異なっていたとしても、上述の事前判定処理において第1グループ又は第2グループのいずれかのグループ種別が決定された場合には、変動開始時においても、第1グループ又は第2グループのいずれかのグループ種別が決定され、また、上述の事前判定処理において第3グループ又は第4グループのいずれかのグループ種別が決定された場合には、変動開始時においても、第3グループ又は第4グループのいずれかのグループ種別が決定される。
【0073】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様及び変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0074】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、
図8(a)〜(d)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113dについて説明し、他のハズレ用判定テーブルの説明は省略する。
【0075】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0076】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択される(
図8(a)〜(d)参照)。
【0077】
そして、
図8(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に(すなわち、リーチグループ決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第1変動テーブル114aが選択される。
また、
図8(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0〜1999であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。また、リーチモード決定乱数が2000〜2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図8(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に(すなわち、リーチグループ決定乱数がいかなる値であっても)、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第3変動テーブル114cが選択される。
さらに、
図8(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0〜1899であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第3変動テーブル114cが選択される。また、リーチモード決定乱数が1900〜2038であった場合に、「04H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第4変動テーブル114dが選択される。
【0078】
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの抽選時(すなわち、大当たりの当選時)の遊技状態ごと、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
ここでは、
図9(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において特別図柄X1又は特別図柄X2が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113e、及び、非時短遊技状態において特別図柄X3が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113fについて説明し、他の大当たり用判定テーブルの説明は省略する。
【0079】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの抽選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択される。そして、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定の場合と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0080】
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1又は特別図柄X2が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113eが選択され、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X3が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113fが選択される(
図9(a)及び(b)参照)。
【0081】
そして、
図9(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0〜199であった場合に、「30H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第30変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が200〜1299であった場合に、「31H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第30変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300〜2038であった場合に、「32H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第31変動テーブル114fが選択される。
また、第2大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0〜1399であった場合に、「31H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第32変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1400〜2038であった場合に、「32H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第32変動テーブル114gが選択される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、始動入賞口の種別ごと、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0082】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様及び変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、
図10(a)〜(g)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c及び第4変動テーブル114d、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114e、第31変動テーブル114f及び第32テーブル114gについて説明し、他の変動パターン抽選テーブル114の説明は省略する。
【0083】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0〜249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、
図10(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0〜124であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125〜249であった場合に「01H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0〜119であった場合に「03H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が120〜249であった場合に「04H」という変動パターン番号が決定される。
【0084】
また、
図10(e)に示すように、第30変動テーブル114eによれば、変動パターン乱数が0〜124であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125〜249であった場合に「32H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(g)に示すように、第32変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0〜59であった場合に「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が60〜149であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が150〜249であった場合に「32H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、所定の変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(
図10参照)。
【0085】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態及び保留数等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。
そして、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様が定められ、また、変動モード番号及び変動パターン番号の組み合わせに対応して、所定の変動時間が定められるようになっている。
【0086】
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や、特別遊技の制御について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の決定処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
【0087】
変動時間決定テーブル115は、変動時間を決定するためのものである。この変動時間決定テーブル115には、変動モード番号及び変動パターン番号の組み合わせに対応して、所定の変動時間が定められている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、予め、各変動モード番号に対応する変動時間、及び、各変動パターン番号に対応する変動時間がそれぞれ定められている。また、変動時間決定テーブル115には、採り得る変動モード番号及び変動パターン番号の組み合わせごとに、変動モード番号に対応する変動時間と変動パターン番号に対応する変動時間との合計値が定められている。
そして、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び変動パターン番号の組み合わせに応じて、対応する変動時間が決定される。
図11に示すように、本形態における変動時間決定テーブル115によれば、たとえば、決定された変動モード番号が「00H」(変動時間は2秒)及び変動パターン番号が「00H」(変動時間は1秒)であった場合に「3秒」の変動時間が決定され、決定された変動モード番号が「04H」(変動時間は5秒)及び変動パターン番号が「03H」(変動時間は15秒)であった場合に「20秒」の変動時間が決定される。そして、この決定された変動時間が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の時間となる。
【0088】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分とに分けられており、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0089】
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図12(a)〜(c)に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、特別図柄X3が決定された場合に参照される第3作動テーブル116cと、が設けられている。
【0090】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、
図12(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が16回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
そして、この特別遊技においては、遊技者は、所定個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0091】
また、特別図柄X2が決定されると、
図12(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
そして、この特別遊技においては、遊技者は、特別図柄X1が決定された場合の特別遊技よりも少ない期待値の賞球を獲得可能となる。
【0092】
また、特別図柄X3が決定されると、
図12(c)に示すように、第3作動テーブル116cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル116cは、上述の第2作動テーブル116bと同様の内容に設定されている。
【0093】
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別により決定されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、
図13(a)〜(c)に示すように、遊技状態設定テーブル117として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1状態設定テーブル117aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2状態設定テーブル117bと、特別図柄X3が決定された場合に参照される第3状態設定テーブル117cと、が設けられている。
【0094】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、
図13(a)に示すように、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)は70回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、高確率遊技状態が継続する。また、高確率遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に遊技状態が高確率遊技状態に設定された場合、この高確率遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、70回の抽選の結果がすべてハズレとなると、遊技状態は低確率遊技状態に変更されることとなる。
また、特別図柄X2が決定された場合も、
図13(b)に示すように、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確回数が70回に設定される。これに対して、特別図柄X3が決定された場合には、
図13(c)に示すように、特別遊技の終了後の遊技状態は低確率遊技状態に遊技状態に設定される。
【0095】
さらに、特別図柄X1又は特別図柄X2が決定された場合には、
図13(a)及び(b)に示すように、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されるとともに、必ず時短遊技状態に設定され、時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)は70回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、時短遊技状態が継続する。また、時短遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、時短回数が設定されるようになっている。
【0096】
これに対して、特別図柄X3が決定された場合には、
図13(c)に示すように、大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて、異なった時短遊技状態の設定が行われる。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数が70回に設定されるものの、大当たりに当選した時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。
【0097】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
【0098】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0099】
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図14(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0〜65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0100】
この非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1〜65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0101】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
【0102】
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図15に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には変動時間が0.6秒に決定される。そして、変動時間が決定されると、この決定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0103】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計2.4秒開放される。
【0104】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0105】
(パチンコ機Pにおける遊技の進行の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図17のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0106】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0107】
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、及び、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0108】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図18のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0109】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0110】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0111】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0112】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0113】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力処理、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0114】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図19のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時入力処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時入力処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時入力処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0115】
次に、上述したステップ300のゲート検出時入力処理について、
図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時入力処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時入力処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0116】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時入力処理を終了する。
【0117】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時入力処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出スイッチ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出スイッチ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時入力処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出スイッチ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時入力処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0118】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0119】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0120】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0121】
ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ509に進む。
ステップ509において、メインCPU101は、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態であると判定した場合、第1始動入賞口検出時入力処理を終了する。一方、時短遊技状態でない(すなわち、非時短遊技状態である)と判定した場合、次のステップ510に進む。
【0122】
ステップ510において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時入力処理を終了する。
【0123】
次に、上述したステップ510の事前判定処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ550において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと、上述のステップ503で第1保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ551に進む。
【0124】
ステップ551において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、上述のステップ550における判定の結果が大当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを選択し、当該テーブルと、上述のステップ504で第1保留記憶領域の記憶部に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別(大当たり図柄の種別)を判定する。一方、上述のステップ550における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はY1(ハズレ図柄)であると判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。また、この特別図柄判定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を判定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ552に進む。
【0125】
ステップ552において、メインCPU101は、上述のステップ551で判定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ553に進む。一方、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ555に進む。
ステップ553において、メインCPU101は、上述のステップ552で判定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ554に進む。
【0126】
ステップ554において、メインCPU101は、上述のステップ553で確認した大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ561に進む。
また、上述のステップ552で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ555において、メインCPU101は、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数を確認する。そして、次のステップ556に進む。
【0127】
ステップ556において、メインCPU101は、上述のステップ555で確認した現時点の遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ557に進む。
ステップ557において、メインCPU101は、上述のステップ505で第1保留記憶領域の記憶部に記憶されたリーチグループ決定乱数と、上述のステップ556で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を判定し、当該グループの種別をメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ558に進む。
【0128】
ステップ558において、メインCPU101は、上述のステップ557で判定されたグループの種別が、第1グループ又は第2グループであるか否かを判定する。そして、第1グループ又は第2グループであると判定した場合、ステップ559に進む。一方、第1グループ又は第2グループでない(すなわち、第3グループ又は第4グループである)と判定した場合、ステップ560に進む。
なお、上述の如く、この事前判定処理において、第1グループ又は第2グループのいずれかが決定された場合、変動開始時においても、第1グループ又は第2グループのグループ種別が決定され、また、この事前判定処理において、第3グループ又は第4グループのいずれかが決定された場合、変動開始時においても、第3グループ又は第4グループのグループ種別が決定される。
したがって、変動開始時において第1グループ又は第2グループのいずれかが決定される場合、メインCPU101は、上述のステップ558において、必ず、第1グループ又は第2グループであると判定する。また、変動開始時において第3グループ又は第4グループのいずれかが決定される場合、メインCPU101は、上述のステップ558において、必ず、第1グループ又は第2グループでないと判定する。
【0129】
ステップ559において、メインCPU101は、リーチなしコマンド(事前判定コマンド)を演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、事前判定処理を終了する。
また、上述のステップ558で第1グループ又は第2グループでないと判定した場合に進むステップ560において、メインCPU101は、上述のステップ557で判定されたグループの種別(すなわち、第3グループ又は第4グループのいずれか)に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ561に進む。
【0130】
ステップ561において、メインCPU101は、上述のステップ554で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ560で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ506で第1保留記憶領域の記憶部に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を判定する変動モード番号判定処理を実行するとともに、変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ562に進む。
ステップ562において、メインCPU101は、上述のステップ507で第1保留記憶領域の記憶部に記憶された変動パターン乱数と、上述のステップ561で選択された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号を判定する変動パターン番号判定処理を実行する。そして、次のステップ563に進む。
【0131】
ステップ563において、メインCPU101は、上述のステップ561で判定された変動モード番号、及び、上述のステップ562で判定された変動パターン番号に対応するリーチありコマンド(事前判定コマンド)を演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、新たに記憶された第1特図乱数(保留)について、特別図柄の変動開始時に決定される変動モード番号及び変動パターン番号が、当該保留が記憶された時点で、事前に副制御基板300に伝達される。
【0132】
次に、上述したステップの第2始動入賞口検出時入力処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出スイッチ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出スイッチ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時入力処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出スイッチ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時入力処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0133】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0134】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0135】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0136】
ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶し、第2始動入賞口検出時入力処理を終了する。
【0137】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0138】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
【0139】
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ811に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
【0140】
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ806に進む。
【0141】
ステップ806において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ805における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への遊技球の入球によるものか(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)を確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を選択し、選択したテーブルと、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ805における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ807に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0142】
ステップ807において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ809に進む。
【0143】
ステップ809において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ810に進む。
【0144】
ステップ810において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ811において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間の間、特別図柄の変動表示が行われない場合に、演出表示装置21にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0145】
次に、上述したステップ808の変動演出パターン決定処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。一方、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0146】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0147】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と、上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0148】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブルを決定し、この決定された変動モード番号を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0149】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブルを取得する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で取得された変動パターン抽選テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0150】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、上述のステップ907で決定された変動モード番号、及び、上述のステップ909で決定された変動パターン番号とに基づいて、変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、上述のステップ909で決定された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0151】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0152】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0153】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間カウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0154】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0155】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間カウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0156】
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0157】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高遊技確フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1112に進む。
【0158】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態であるか、又は、時短遊技状態であるかを副制御基板300に伝達するための大当たり当選時遊技状態コマンドをセットする。そして、ステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする処理を実行する。そして、次のステップ1108に進む。
【0159】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をタイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶するそして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド遊技数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド遊技数として「16」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2又はX3であれば、ラウンド遊技数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0160】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、次のステップ1111に進む。
ステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。なお、この遊技状態コマンドには、ステップ1103で更新された時短回数の情報、ステップ1104で更新された高確回数の情報も含まれている。これにより、遊技状態コマンドを受信した副制御基板300において、時短回数及び高確回数を把握できるようになっている。そして、停止後処理を終了する。
【0161】
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、ステップ1111に進む。
【0162】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でタイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0163】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0164】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、ステップ1205に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0165】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド遊技数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0166】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド遊技数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド遊技数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド遊技数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をタイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0167】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でタイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0168】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0169】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)、及び、大当たり当選時の遊技状態(遊技状態バッファの記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。たとえば、上述の大当たり図柄が特別図柄X1であった場合には、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「70」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
【0170】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、ステップ1301で設定された高確遊技フラグのオン又はオフの情報、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0171】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御終了処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0172】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0173】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0174】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0175】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
【0176】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0177】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0178】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0179】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する停止表示時間を普図停止表示時間カウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0180】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0181】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間カウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0182】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0183】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0184】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0185】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0186】
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0187】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0188】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
以下では、非時短遊技状態における特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、保留数を表示する保留表示演出、及び、変動演出中に実行可能な先読み演出について説明する。
【0189】
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pで実行される変動演出は、演出図柄50によるリーチ表示(先に停止表示される2つの演出図柄50が同一の図柄(態様)となる表示)がなされないリーチなし変動パターンと、演出図柄50によるリーチ表示がなされるリーチ変動パターンとに大別される。
この変動演出では、演出表示装置21に表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
【0190】
具体的には、特別図柄の変動表示の開始とともに、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(
図36(a)及び(b)、
図37(a)及び(b)等参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(
図36(c)〜(e)、
図37(c)〜(e)等参照)が、リーチなし変動パターンでは、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示され(
図36(d)参照)、リーチ変動パターンでは、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(
図37(d)参照)。
【0191】
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図37(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(
図36(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄では停止表示されないことにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0192】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0193】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、リーチ変動パターンとして、演出表示装置21においてリーチ表示のみを行うリーチ変動パターン(
図37参照)の他、リーチ表示に加えてカットイン演出を行うリーチ変動パターン(
図38参照)や、リーチ表示後にリーチ発展演出を行うリーチ変動パターン(
図39参照)が設けられている。
ここで、カットイン演出は、演出図柄50の変動表示の開始と同時に、当該変動表示に重ねて所定のカットイン画像(たとえば、「CHANCE!」という文字が付された静止画等)を表示するものである(
図38(c)参照)。このカットイン演出を行うリーチ変動パターンにおいては、カットイン画像の表示後、リーチ表示が行われる。
また、リーチ発展演出は、リーチ表示がなされた後、所定の発展演出画像(たとえば、演出図柄50が次々と破壊されていくような動画等)を表示するものである(
図39(d)参照)。
上述のようなカットイン演出やリーチ発展演出が行われるリーチ変動パターンは、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されているため、遊技者の期待感を高めることとなる。
【0194】
なお、リーチ変動パターンは、これらに限定されるものではなく、カットイン演出及びリーチ発展演出の双方を行うリーチ変動パターン、リーチ発展演出中にさらにカットイン演出を行うリーチ変動パターン等を設けることもできる。
また、これらの演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。また、カットイン画像や発展演出画像の表示中の所定の期間内に、演出操作装置9(操作ダイヤル9a、操作ボタン9b)が操作されることにより、他の画像が表示されるようにしてもよい。
【0195】
次に、上述の変動演出の態様の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、
図40(a)及び(b)に示すように、変動演出の態様を決定するための変動演出決定テーブル121が設けられている。そして、この変動演出決定テーブル121は、
図40(a)及び(b)に示すように、変動演出の前半部分の態様を決定するための前半決定テーブル121aと、変動演出の後半部分の態様を決定するための後半決定テーブル121bと、を備えている。
【0196】
前半決定テーブル121aには、主制御基板100のメインCPU101から受信し得る変動モード番号(変動モードコマンド)、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される演出乱数ごとに対応付けられて、変動演出の前半部分の態様が定められている。
具体的には、この前半決定テーブル121aには、変動モード番号及び演出乱数ごとに、演出図柄50が変動表示を開始してから第2停止図柄が停止するまでの態様(リーチ表示なしの態様、リーチ表示ありの態様、カットイン演出が実行された後にリーチ表示がなされる態様)が定められている。なお、リーチ表示ありの態様としては、演出表示装置21に表示される画像のパターンが異なるパターンA及びパターンBを有しており、また、カットイン演出が実行された後にリーチ表示がなされる態様としては、演出表示装置21に表示されるカットイン画像のパターンが異なるパターンC及びパターンDを有している(
図40(a)参照)。
そして、副制御基板300のサブCPU301が、主制御基板100のメインCPU101から変動モード番号を受信すると、当該サブCPU301は、所定の数値範囲(0〜249)から1の演出乱数を取得するとともに、前半決定テーブル121aを取得する。そして、取得した演出乱数及び前半決定テーブル121aに基づいて、変動演出の前半部分の態様が決定される。
【0197】
後半決定テーブル121bには、主制御基板100のメインCPU101から受信し得る変動パターン番号(変動パターンコマンド)、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される演出乱数ごとに対応付けられて、変動演出の後半部分の態様が定められている。
具体的には、この後半決定テーブル121bには、変動パターン番号及び演出乱数ごとに、第2停止図柄が停止してから第3停止図柄が停止するまでの態様が(リーチ発展演出なしの態様、リーチ発展演出ありの態様)が定められている。なお、リーチ発展演出ありの態様としては、演出表示装置21に表示されるリーチ発展画像のパターンが異なるパターンE及びパターンFを有している(
図40(b)参照。)
そして、副制御基板300のサブCPU301が、主制御基板100のメインCPU101から変動パターン番号を受信すると、当該サブCPU301は、所定の数値範囲(0〜249)から1の演出乱数を取得するとともに、後半決定テーブル121bを取得する。そして、取得した演出乱数及び後半決定テーブル121bに基づいて、変動演出の後半部分の態様が決定される。
【0198】
なお、
図40(a)及び(b)において、変動モード番号又は変動パターン番号と変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、
図40(a)に示すように、1の変動モード番号に対応して、リーチ表示なしの態様、リーチ表示ありの態様及びカットイン演出が実行された後にリーチ表示がなされる態様のいずれかが必ず決定されるように、前半決定テーブル121aが設定されている。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号ごとに、変動演出の前半部分の態様の種類が一義的に決定されるようになっている。
【0199】
また、
図40(b)に示すように、1の変動パターン番号に対応して、リーチ発展演出なしの態様及びリーチ発展演出ありの態様のいずれかが必ず決定されるように、後半決定テーブル121bが設定されている。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターン番号ごとに、変動演出の後半部分の態様の種類が一義的に決定されるようになっている。
【0200】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレの場合に実行する変動演出の態様(すなわち、リーチなし変動パターン又はリーチ変動パターン)は、主制御基板100で決定される変動モード番号及び変動パターン番号によって、決定される。
ここで、大当たりの抽選の結果がハズレの場合には、上述の如く、変動パターン抽選テーブル114を決定するためのグループとして、第1グループ〜第4グループのいずれかが決定され、この決定されたグループに対応するハズレ用判定テーブル(リーチモード決定乱数判定テーブル113)に基づいて、変動モード番号と変動パターン抽選テーブル114とが決定される。
【0201】
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、特に図示していないが、第1グループ又は第2グループのいずれかが決定された場合には、変動演出の態様が必ずリーチなし変動パターンとなる変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定されるように、ハズレ用判定テーブルが設定されている。これに対して、第3グループ又は第4グループのいずれかが決定された場合には、変動演出の態様が必ずリーチ変動パターンとなる変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定されるように、ハズレ用判定テーブルが設定されている。
また、大当たりに当選した場合にも、変動演出の態様が必ずリーチ変動パターンとなる変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定されるように、大当たり用判定テーブルが設定されている。
【0202】
したがって、上述の事前判定処理において、リーチなしコマンド(事前判定コマンド)がセットされた保留(第1特図乱数)については、変動演出の態様が必ずリーチなし変動パターンとなり、リーチありコマンド(事前判定コマンド)がセットされた保留については、変動演出の態様が必ずリーチ変動パターンとなるのである。
【0203】
また、上述の事前判定処理においては、変動モード番号及び変動パターン番号に対応するリーチありコマンドが決定されるようになっている。また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号ごとに、変動演出の前半部分の態様の種類が一義的に決定され、変動パターン番号ごとに、変動演出の後半部分の態様の種類が一義的に決定される。したがって、本形態に係るパチンコ機Pでは、決定されたリーチありコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の態様の種類及び後半部分の態様の種類を判定できるようになっている。
【0204】
(先読み演出の概要)
次に、先読み演出について説明する。
先読み演出は、保留記憶領域に記憶されたいずれか1の保留を対象として実行され、当該対象の保留に係る変動演出の実行前から所定の示唆を開始可能な演出である。
本形態に係るパチンコ機Pでは、この先読み演出として、特殊保留表示演出(いわゆる保留先読み演出)と、特殊表示演出と、が実行されるようになっている。
【0205】
(特殊保留表示演出の概要)
特殊保留表示演出は、新たな保留(第1特図乱数)が記憶され、大当たりの当選の期待度の高い特殊な表示態様(本形態では赤色の丸印)で保留表示を行う旨が決定された場合に、演出表示装置21において、この決定された特殊な表示態様で保留表示を行うものである。
また、特殊な表示態様で保留表示を行う旨が決定されなかった場合には、通常の表示態様(本形態では白色の丸印)で保留表示が行われるようになっている。
【0206】
ここで、
図41(a)及び(b)に示すように、本形態における演出表示装置21の表示部21aには、保留表示領域52が設けられている。そして、第1特図乱数について保留記憶がなされると、この保留表示領域52に、保留記憶がなされた旨を示す上述の保留表示が行われ、この保留表示により保留数が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、この保留表示領域52には、計4つの保留表示部53(第1保留表示部53a、第2保留表示部53b、第3保留表示部53c、第4保留表示部53d)が設けられており、この4つの保留表示部53により第1特図保留数が示されるようになっている。
なお、保留表示領域52には、第1特図保留数を示すための保留表示部53のみならず、第2特図保留数を示すための保留表示部53を設けてもよい。
【0207】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述したように、主制御基板100のメインRAM103に第1特図乱数を記憶する保留記憶領域が設けられているが、副制御基板300のサブRAM303にも、第1特図乱数に係る大当たり情報、事前判定コマンドが有する変動モード番号及び変動パターン番号等の事前判定情報、保留表示の態様を示す保留情報が記憶される保留記憶領域が設けられている。
このサブRAM303に設けられる保留記憶領域には、第1記憶部〜第4記憶部の計4つの記憶部から構成されており、第1記憶部が第1保留表示部53aに対応し、以下、第2記憶部〜第4記憶部が、それぞれ第2保留表示部53b〜第4保留表示部53dに対応している。そして、各記憶部に保留情報が記憶されると、対応する保留表示部53において保留表示が行われるようになっている。
【0208】
たとえば、第1特図保留数が「1」である場合には、第1記憶部に保留情報が記憶されるため、第1保留表示部53aにおいて保留表示が行われる。また、第1特図保留数が「4」である場合には、第1記憶部〜第4記憶部に保留情報が記憶されるため、第1保留表示部53a、第2保留表示部53b、第3保留表示部53c、第4保留表示部53dにおいて保留表示が行われる。
【0209】
そして、保留記憶が読み出されたり、新たに保留記憶がなされたりすることで、第1特図保留数が増減すると、これに伴って、上述の保留表示部53における保留表示の数も増減するようになっている。
なお、上述の特殊な表示態様としては、1の態様のみならず、複数の態様を設けてもよい。また、特殊な表示態様は、赤色の丸印が表示される態様に限定されるものではなく、他の色の丸印が表示される態様としてもよいし、三角印や星印等が表示される態様や所定のキャラクターが表示される態様としてもよい。
【0210】
次に、特殊保留表示演出の実行の可否の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、
図42に示すように、特殊保留表示演出の実行の可否を決定するための特殊保留表示決定テーブル122が設けられている。
この特殊保留表示決定テーブル122には、リーチありコマンドが有する変動パターン番号ごと、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される演出乱数ごとに対応付けられて、特殊保留表示演出の実行の可否が定められている。
【0211】
そして、副制御基板300が主制御基板100から送信されるリーチありコマンドを受信すると、サブCPU301が、大当たり情報、リーチありコマンドが有する変動モード番号及び変動パターン番号等の事前判定情報を上述の記憶部に記憶するとともに、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得する。そして、サブCPU301は、この記憶部に記憶された変動パターン番号、取得した演出乱数、及び、特殊保留表示決定テーブル122に基づいて、特殊保留表示演出の実行の可否を抽選により決定する。
また、副制御基板300が主制御基板100から、事前判定コマンドとしてリーチなしコマンドを受信した場合には、サブCPU301は、上述の特殊保留表示決定テーブル122によることなく、特殊保留表示演出を実行しない旨(すなわち、通常の表示態様で保留表示を行う旨)を決定する。
そして、サブCPU301は、この決定の結果(特殊な表示態様での保留表示、通常の表示態様での保留表示)を、保留情報として、事前判定情報が記憶されている記憶部と同じの記憶部に記憶する。
なお、
図42において、変動パターン番号と特殊保留表示演出の実行の可否とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
【0212】
(特殊表示演出の概要)
特殊表示演出は、新たな保留が記憶された場合に、当該保留に係る変動演出中に、又は、当該当該保留に基づく変動演出よりも先に実行される変動演出から当該保留に基づく変動演出までの複数回の変動演出に跨って、演出表示装置21において、特定の背景画像の表示等を行うものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、
図43に示すように、複数回の変動演出に跨って雷の画像が表示される特殊表示演出が実行されるようになっている。
【0213】
具体的には、
図43(b)及び(c)に示すように、第1特図保留数が「2」であるときに行われている変動演出中に、第1始動入賞口15に遊技球が入球し、新たに第1特図乱数が保留として記憶されたものとする。そして、この保留を対象として先読み演出を実行する旨が決定されたものとする。すると、通常の背景画像の表示から特定の背景画像の表示に切り替わる(
図43(c)参照)。そして、これ以降、先読み演出の対象となった保留に基づいて実行される変動演出中の所定時点(たとえば、リーチ表示がされる時点)まで、特定の背景画像が表示され続けることとなる(
図43(d)〜(f)参照)。
【0214】
次に、特殊表示演出の実行の可否の決定について説明する。
本形態における副制御基板300のサブROM302には、
図44に示すように、特殊表示演出の実行の可否を決定するための特殊表示決定テーブル123が記憶されている。
この特殊表示決定テーブル123には、大当たりの抽選の結果(大当たり情報)ごと、及び、所定の数値範囲(本形態では0〜249)内で取得される演出乱数ごとに対応付けられて、特殊表示演出の実行の可否が定められている。
そして、副制御基板300が主制御基板100から送信されるリーチありコマンドを受信すると、サブCPU301が、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得し、大当たりの抽選の結果、取得した演出乱数、及び、特殊表示決定テーブル123に基づいて、特殊表示演出の実行の可否を抽選により決定する。
【0215】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300がリーチなしコマンドを受信した場合には、このリーチなしコマンドに係る保留を対象とした特殊表示演出の実行が決定されることはない。そして、副制御基板300がリーチありコマンドを受信した場合に限り、このリーチありコマンドに係る保留を対象とした特殊表示演出の実行の可否が、上述の抽選により決定される。
なお、リーチありコマンドに係る保留については、当該保留に基づく大当たりの抽選の結果が大当たりの当選となる場合と、ハズレとなる場合の両方があるが、いずれの場合であっても、特殊表示演出の実行の可否が、上述の抽選により決定される。
なお、
図44において、大当たりの抽選の結果と、特殊表示演出の実行の可否とが対応付けられた各選択領域に示された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
【0216】
また、この特殊表示決定テーブル123においては、大当たりの抽選の結果が、ハズレの場合よりも大当たりの当選の場合のほうが、特殊表示演出を実行する確率が高くなるように、乱数が割り振られている。
すなわち、大当たりに当選した場合には、特殊表示演出が実行されやすくなっているため、特殊表示演出が実行された場合には、大当たりの当選への期待度を高めることができるようになっている。
【0217】
(先読み演出の禁止、禁止中に記憶された保留についての先読み演出の概要)
ここで、大当たりの当選の期待度の高い変動演出(たとえば、リーチ発展演出が実行されるリーチ変動パターン等)の実行中や特殊表示演出の実行中等に、新たな保留が記憶され当該保留を対象とした特殊保留表示演出が実行されてしまうと、上述の変動演出や特殊表示演出について大当たりの当選の期待感を低下させるおそれがある。
また、たとえば、カットイン演出が実行されるリーチ変動パターン等の所定の変動演出が実行される場合に、新たな保留が記憶され当該保留を対象とした特殊表示演出が実行されると、当該対象の保留に係る変動演出が実行されるより前の変動演出においてカットイン演出が実行されてしまい、遊技者に対して、演出の違和感を与えるおそれがある。さらに、特殊表示演出の実行中等に、新たな保留が記憶され当該保留を対象とした特殊表示演出が実行されると、先に実行されていた特殊表示演出との区別がつかなくなり、やはり演出の違和感を与えるおそれがある。
【0218】
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、先読み演出(特殊保留表示演出、特殊表示演出)を実行するのに相応しくない演出実行状態において、先読み演出の実行可否の決定を行えない先読み演出決定禁止状態とするための所定の決定禁止条件が予め定められている。また、先読み演出を実行するのに相応しくない演出実行状態が解消される場合において、上述の先読み演出決定禁止状態から、先読み演出の実行可否の決定を行える先読み演出決定可能状態とするための所定の禁止解除条件が予め定められている。
そして、当該決定禁止条件が成立してから当該禁止解除条件が成立するまでの間においては、新たな保留が記憶されたとしても、この時点において当該保留を対象とした先読み演出の実行を決定しないように設定されている。
すなわち、当該決定禁止条件の成立から当該禁止解除条件の成立までの間に新たな保留が記憶された場合には、通常の表示態様で保留表示が行われ、また、特殊表示演出は実行されない。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、決定禁止条件として、大当たりの当選の期待度の高い変動演出(たとえば、リーチ発展演出が実行されるリーチ変動パターン)が実行されること、特殊表示演出中に発生することが適切でない演出(たとえば、カットイン演出)の実行が決定されること、特殊保留表示演出や特殊表示演出が実行されることが定められている。なお、決定禁止条件としては、これらに限定されるものではなく、上述の条件に加え、遊技状態が切り替わった直後であること、大当たりの当選に係る変動パターンが決定されていること等を定めてもよい。
また、禁止解除条件として、上述の大当たりの当選の期待度の高い変動演出の実行が終了したこと、上述の特殊表示演出中に発生することが適切でない演出の実行が終了したこと、上述の特殊保留表示演出や特殊表示演出が終了した時点で実行されていた変動演出の次に実行される変動演出が終了したことが定められている。
上述のように、禁止解除条件として、特殊保留表示演出や特殊表示演出が終了した時点で実行されていた変動演出の次に実行される変動演出が終了したことを定めることにより、連続して特殊保留表示演出や特殊表示演出が実行されることを防止することができ、先に実行されていた特殊保留表示演出や特殊表示演出と、これらの演出の終了後に新たに実行される特殊保留表示演出や特殊表示演出との区別を明確にすることができるのである。
なお、禁止解除条件としては、特殊保留表示演出や特殊表示演出が終了した時点で実行されていた変動演出が終了したことを定めてもよい。
【0219】
しかし、上述のような設定においては、上述の決定禁止条件が成立してから上述の禁止解除条件が成立するまでの間に記憶された保留については、特殊な表示態様での保留表示や特殊表示演出が全く行われないこととなるため、特殊保留表示演出や特殊表示演出の実行機会が制限され、これらの演出に対する興趣を高めることができない。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300が主制御基板100から図柄確定コマンドを受信した時点で、サブCPU301が、上述の禁止解除条件が成立したか否かを判定し、当該禁止解除条件が成立したと判定した場合には、上述の決定禁止条件が成立してから上述の禁止解除条件が成立するまでの間に記憶され、まだ読み出されていない保留について、特殊保留表示演出の実行の可否を決定するようになっている。
【0220】
以下、上述のような先読み演出の禁止、禁止中に記憶された保留についての先読み演出の例について、説明する。
たとえば、
図45(a)に示すように、保留<1>が記憶されている状態で、演出図柄50の変動表示が実行されているときに、新たに2個目の保留(保留<2>)が記憶されたものとする。そして、この新たに記憶された保留<2>について先読み演出(特殊保留表示演出、特殊表示演出)を実行する旨が決定されると、当該保留<2>について特殊な表示態様で保留表示が行われ、さらに、特定の背景画像が表示される。そして、先読み演出が開始されたため、決定禁止条件が成立することとなる。
【0221】
当該変動演出が終了すると、次に、先に記憶されている保留<1>についての変動演出が開始される(
図45(b)参照)。そして、
図45(c)に示すように、この保留<1>についての変動演出の実行中に、新たに保留<3>及び保留<4>が記憶されたとする。すると、現時点においては、いまだ禁止解除条件は成立していないため、この新たに記憶された保留<3>及び保留<4>については、先読み演出の実行の可否を決定しない。したがって、保留<3>及び保留<4>ともに、通常の態様での保留表示のみ実行されることとなる(
図45(c)参照)。
【0222】
保留<1>についての変動演出が終了すると、次に、先読み演出の対象である保留<2>についての変動演出が開始される。そして、
図45(d)に示すように、この保留<2>についての変動演出の実行中に、新たに保留<5>が記憶されたとする。すると、この時点においても、いまだ禁止解除条件は成立していないため、この新たに記憶された保留<5>についても、先読み演出の実行の可否は決定されず、通常の態様での保留表示のみ実行される(
図45(d)参照。)
そして、
図45(e)に示すように、先読み演出の対象である保留<2>についてリーチ表示がなされると、先読み演出としての特殊表示演出が終了し、特定の背景画像から通常の背景画像に切り替わる。その後、保留<2>についての変動演出が終了する。ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特殊表示演出が終了した時点で実行されていた変動演出の次に実行される変動演出が終了することで、禁止解除条件が成立することとなるが、保留<2>についての変動演出の終了は、上記条件を満たさないため、この時点では、いまだ禁止解除条件が成立していないこととなる。
【0223】
そして、
図45(f)及び(g)に示すように、保留<3>についての変動演出が終了する(図柄確定コマンドを受信する)と、特殊表示演出が終了した時点で実行されていた変動演出の次に実行される変動演出が終了することとなり、禁止解除条件が成立することとなる。そして、
図45(g)に示すように、この時点で記憶されている保留<4>及び<5>について、先読み演出の実行の可否が決定される。
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、先に記憶されている保留から順に、先読み演出の実行の可否の決定を行い、所定の保留について先読み演出を実行する旨が決定された場合には、先読み演出の実行の可否の決定を終了する。すなわち、1の保留について先読み演出を実行する旨が決定された場合には、この保留よりも後に記憶されている保留については、先読み演出の実行の可否を決定しないようになっている。
【0224】
そして、
図45(h)に示すように、保留<5>を対象とする先読み演出(特殊保留表示演出、特殊表示演出)の実行が決定されたものとする。
ここで、先読み演出の実行が決定された保留<5>については、既に、通常の表示態様で保留表示が行われており、これを、そのまま特殊な表示態様での保留表示に切り替えたのでは、遊技者に演出の違和感を与えるおそれがある。そこで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、
図45(h)に示すように、表示を切り替える旨を示唆する変換画像(本形態では、「?」マークのシャッターを開閉する画像)を表示した後に、特殊な表示態様での保留表示に切り替えるようにしている。また、保留表示の切り替えとともに、特定の背景画像が表示される(
図45(i)参照)。さらに、先読み演出が開始されたため、決定禁止条件が成立することとなる。その後、
図45(j)に示すように、保留<4>についての変動演出が開始される。
【0225】
次に、
図46(a)及び(b)に示すように、保留<1>が記憶されている状態で実行されている変動演出が終了し、次に、保留<1>についての変動演出が開始されたものとする。そして、この保留<1>についての変動演出の態様として、リーチ発展演出が実行されるリーチ変動パターンが決定されていたものとする。
すると、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、大当たりの当選の期待度の高い変動演出(リーチ発展演出が実行されるリーチ変動パターン)が実行されることにより、決定禁止条件が成立することとなる。
【0226】
その後、
図46(c)及び(d)に示すように、保留<1>についての変動演出において、リーチ表示がなされ、さらには、リーチ発展演出が実行される。そして、
図46(d)に示すように、このリーチ発展演出の実行中に、新たに保留<2>が記憶されたとする。すると、現時点においては、いまだ禁止解除条件が成立していないため、この新たに記憶された保留<2>については、先読み演出の実行の可否を決定しない。したがって、保留<2>は、通常の態様での保留表示のみ実行されることとなる(
図46(d)参照)。
【0227】
図46(e)に示すように、この保留<2>についての変動演出が終了する(図柄確定コマンドを受信する)と、大当たりの当選の期待度の高い変動演出の実行が終了したこととなり、禁止解除条件が成立する。そして、
図46(e)に示すように、この時点で記憶されている保留<2>について、先読み演出の実行の可否が決定される。
そして、保留<2>を対象とする先読み演出(特殊保留表示演出、特殊表示演出)の実行が決定されると、上述したように、変換画像を表示した後に、特殊な表示態様での保留表示及び特定の背景画像の表示がなされ、保留<2>についての変動演出が開始される(
図46(f)〜(h)参照)。また、先読み演出が開始されたため、決定禁止条件が成立することとなる。
【0228】
次に、
図47(a)及び(b)に示すように、保留<1>についての変動演出が開始され、当該保留<1>の変動演出の実行中に保留<2>が記憶されたものとする。そして、この保留<2>についての変動演出の態様として、カットイン演出が実行されるリーチ変動パターンが決定されたものとする。
すると、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特殊表示演出中に発生することが適切でない演出の実行が決定されることにより、決定禁止条件が成立することとなる。
【0229】
なおここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、主制御基板100から受信する事前判定コマンドに基づいて、記憶された保留について実行される変動演出の態様の種類を把握することができるようになっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、変動モード番号ごとに、変動演出の前半部分の態様の種類が一義的に決定され、また、変動パターン番号ごとに、変動演出の後半部分の態様の種類が一義的に決定されるようになっている。そして、事前判定コマンドは変動モード番号及び変動パターン番号に対応するものとなっている。したがって、事前判定コマンドに対応する変動モード番号及び変動パターン番号に基づいて、変動演出の態様の種類を決定することができ、これにより、変動演出の実行前においても、記憶された保留について、特殊表示演出中に発生することが適切でない演出の実行が決定されるか否かを判定することができるのである。
【0230】
その後、
図47(c)に示すように、保留<1>についての変動演出の実行中に、新たに保留<3>及び保留<4>が記憶されたとする。すると、現時点においては、いまだ禁止解除条件が成立していないため、この新たに記憶された保留<3>及び保留<4>については、先読み演出の実行の可否を決定しない。したがって、保留<3>及び保留<4>は、通常の態様での保留表示のみ実行されることとなる(
図47(c)参照)。
【0231】
そして、保留<1>についての変動演出が終了すると、次に、保留<2>についての変動演出が開始される。この保留<2>についての変動演出の開始時には、
図47(d)及び(e)に示すように、「CHANCE!」という文字が付された静止画を表示するカットイン演出が実行された後、リーチ表示がなされ、その後、変動演出が終了する。
【0232】
図47(e)に示すように、この保留<2>についての変動演出が終了する(図柄確定コマンドを受信する)と、特殊表示演出中に発生することが適切でない演出の実行が終了したこととなり、禁止解除条件が成立する。そして、
図47(e)に示すように、この時点で記憶されている保留<3>及び<4>について、先読み演出の実行の可否が決定される。
そして、保留<3>を対象とする先読み演出(特殊保留表示演出、特殊表示演出)の実行が決定されると、上述したように、変換画像を表示した後に、特殊な表示態様での保留表示及び特定の背景画像の表示がなされ、保留<3>についての変動演出が開始される(
図47(g)〜(h)参照)。また、先読み演出が開始されたため、決定禁止条件が成立することとなる。
【0233】
次に、上述のような各種演出を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図48に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0234】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図49に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301は
タイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図49に示すタイマ割込処理を開始する。
【0235】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0236】
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の演出進行状況に応じて、演出操作装置9の操作(操作ダイヤル9aの回転操作、操作ボタン9bの押下操作)の受け付け可否を判定するとともに、演出操作装置9の操作を検出するセンサ(回転操作検出センサ9c、押下操作検出センサ9d)の信号の有無をチェックする。そして、当該センサからの信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装置9が操作されたことを、画像制御基板(特に図示しておらず)や音声制御基板(特に図示しておらず)に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
【0237】
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0238】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、事前判定コマンドを受信した場合に実行される事前判定コマンド受信処理について、
図50のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、事前判定コマンドは、主制御基板100において、事前判定処理のステップ559又はステップ563で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0239】
ステップ2200において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに基づき、当該事前判定コマンドに対応する保留(第1特図乱数)についての大当たり情報(大当たりの抽選の結果)、事前判定コマンドが有する変動モード番号及び変動パターン番号等の事前判定情報を、サブRAM303の保留記憶領域のうち対応する記憶部に記憶する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、変動演出決定テーブル121と、上述のステップ2200で記憶部に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号と、に基づいて、変動演出の態様の種別(リーチ表示なしの態様、リーチ表示ありの態様、カットイン演出が実行された後にリーチ表示がなされる態様、リーチ発展演出なしの態様、リーチ発展演出ありの態様)を判定し、この判定の結果を、上述の記憶部と同じ記憶部に記憶する。そして、次のステップ2202に進む。
【0240】
ステップ2202において、サブCPU301は、決定禁止フラグがONであるか否かを判定する。そして、決定禁止フラグがONであると判定した場合、ステップ2205に進む。一方、決定禁止フラグがONでない(すなわち、決定禁止フラグがOFFである)と判定した場合、次のステップ2203に進む。
なお、ここで、決定禁止フラグとは、上述の決定禁止条件が成立し、禁止解除条件が成立していない旨を示すためのものであり、決定禁止条件が成立することにより決定禁止フラグがONとなり、禁止解除条件が成立することにより決定禁止フラグがOFFとなる。
ステップ2203において、サブCPU301は、ステップ2201の結果に基づいて、記憶部に記憶された変動演出の態様が、決定禁止条件の成立となる所定の態様であるか否か、具体的には、特殊表示演出中に発生することが適切でない演出に相当するもの、又は、大当たりの期待度の高い変動演出であるか否かを判定する。そして、所定の態様でないと判定した場合、ステップ2205に進む。一方、所定の態様であると判定した場合、次のステップ2204に進む。
【0241】
ステップ2204において、サブCPU301は、決定禁止フラグをONにする。そして、次のステップ2205に進む。
ステップ2205において、サブCPU301は、特殊保留表示処理を実行する。そして、次のステップ2206に進む。
【0242】
ステップ2206において、サブCPU301は、特殊表示処理を実行する。そして、次のステップ2207に進む。
ステップ2207において、サブCPU301は、特殊保留表示演出又は特殊表示演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、特殊保留表示演出及び特殊表示演出いずれの実行も決定されていないと判定した場合、事前判定コマンド受信処理を終了する。一方、特殊保留表示演出又は特殊表示演出の実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2208に進む。
【0243】
ステップ2208において、サブCPU301は、決定禁止フラグをONにする。そして、事前判定コマンド受信処理を終了する。
【0244】
次に、上述したステップ2205の特殊保留表示処理について、
図51のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2300において、サブCPU301は、遊技状態が非時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態でない(すなわち、時短遊技状態である)と判定した場合、ステップ2306に進む。一方、非時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ2301に進む。
ステップ2301において、サブCPU301は、決定禁止フラグがONであるか否かを判定する。そして、決定禁止フラグがONであると判定した場合、ステップ2306に進む。一方、決定禁止フラグがONでない(すなわち、決定禁止フラグがOFFである)と判定した場合、次のステップ2302に進む。
【0245】
ステップ2302において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドはリーチありコマンドであるか否か、すなわち、リーチありコマンドに基づく変動パターン番号が記憶部に記憶されたか否かを判定する。そして、リーチありコマンドでないと判定した場合、ステップ2306に進む。一方、リーチありコマンドであると判定した場合、次のステップ2303に進む。
ステップ2303において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された演出乱数を取得し、取得された演出乱数、特殊保留表示決定テーブル122、及び、上述のステップ2201で記憶部に記憶された変動パターン番号に基づいて、特殊保留表示演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2304に進む。
【0246】
ステップ2304において、サブCPU301は、上述のステップ2303で特殊保留表示演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、特殊保留表示演出の実行が決定されていないと判定した場合、ステップ2306に進む。一方、特殊保留表示演出の実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2305に進む。
ステップ2305において、サブCPU301は、演出表示装置21において特殊な表示態様での保留表示を実行するとともに、保留情報として、特殊な表示態様での保留表示である旨を、上述の事前判定コマンドが記憶されたのと同じ記憶部に、記憶する。そして、特殊保留表示処理を終了する。
また、上述のステップ2300で非時短遊技状態でないと判定した場合、上述のステップ2301で決定禁止フラグがONであると判定した場合、上述のステップ2302でリーチありコマンドでないと判定した場合、上述のステップ2304で特殊保留表示演出の実行が決定されていないと判定した場合に進むステップ2306において、サブCPU301は、演出表示装置21において通常の表示態様での保留表示を実行するとともに、保留情報として、通常の表示態様での保留表示である旨を、上述の事前判定コマンドが記憶されたのと同じ記憶部に、記憶する。そして、特殊保留表示処理を終了する。
【0247】
次に、上述したステップ2206の特殊表示処理について、
図52のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2400において、サブCPU301は、決定禁止フラグがONであるか否かを判定する。そして、決定禁止フラグがONであると判定した場合、特殊表示処理を終了する。一方、決定禁止フラグがONでない(すなわち、決定禁止フラグがOFFである)と判定した場合、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、上述のステップ2303で特殊保留表示演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、特殊保留表示演出の実行が決定されていないと判定した場合、特殊表示処理を終了する。一方、特殊保留表示演出の実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2402に進む。
【0248】
ステップ2402において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された演出乱数を取得し、取得された演出乱数、特殊表示決定テーブル123、及び、上述のステップ2201で記憶部に記憶された大当たり情報(大当たりの抽選の結果)に基づいて、特殊表示演出の実行の可否を決定する。そして、次のステップ2403に進む。
ステップ2403において、サブCPU301は、上述のステップ2402で特殊表示演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、特殊表示演出の実行が決定されていないと判定した場合、特殊表示処理を終了する。一方、特殊表示演出の実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2404に進む。
【0249】
ステップ2404において、サブCPU301は、演出表示装置21において特定の背景画像を表示する特殊表示を実行する。そして、特殊表示処理を終了する。
【0250】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動モードコマンド・変動パターンコマンド受信処理について、
図53のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0251】
ステップ2500において、サブCPU301は、保留数が1減少するのに伴って、対応する保留表示部53の表示をシフトする保留シフト処理を実行する。
具体的には、サブCPU301は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信すると、保留記憶領域の各記憶部のシフト処理を行う。ここでは、第1記憶部に記憶されている情報(大当たり情報、事前判定コマンドに基づく変動モード番号及び変動パターン番号等の事前判定情報、保留情報等)をクリアするとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている情報を1つ番号の小さい記憶部にシフトする。そして、サブCPU301は、シフト後の各記憶部に記憶されている保留情報に基づいて、保留表示を実行する。
そして、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された演出乱数を取得し、取得された演出乱数、前半決定テーブル121a、及び、受信した変動モードコマンド(変動モード番号)に基づいて、変動演出の前半部分の態様を決定する。そして、次のステップ2502に進む。
【0252】
ステップ2502において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された演出乱数を取得し、取得された演出乱数、後半決定テーブル121b、及び、受信した変動パターンコマンド(変動パターン番号)に基づいて、変動演出の後半部分の態様を決定する。そして、次のステップ2503に進む。
ステップ2503において、サブCPU301は、上述のステップ2501及びステップ2502で決定した変動演出の態様に対応する演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)へ送信されるとともに、これらの制御基板において、受信した演出実行コマンドに対応する変動演出が実行されることとなる。そして、次のステップ2504に進む。
【0253】
ステップ2504において、サブCPU301は、決定禁止フラグがONであるか否かを判定する。そして、決定禁止フラグがONでない(すなわち、決定禁止フラグがOFFである)と判定した場合、変動モードコマンド・変動パターンコマンド受信処理を終了する。一方、決定禁止フラグがONであると判定した場合、次のステップ2505に進む。
ステップ2505において、サブCPU301は、当該変動演出は、特殊表示演出の対象の保留に係るものであるか否かを判定する。そして、特殊表示演出の対象の保留に係るものでないと判定した場合、変動モードコマンド・変動パターンコマンド受信処理を終了する。一方、特殊表示演出の対象の保留に係るものでると判定した場合、次のステップ2506に進む。
【0254】
ステップ2506において、サブCPU301は、表示されている特定の背景画像を、通常の背景画像に切り替える背景画像切り替え処理を実行する。そして、変動モードコマンド・変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0255】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、図柄確定コマンドを受信した場合に実行される図柄確定コマンド受信処理について、
図54のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、図柄確定コマンドは、主制御基板100において、特別図柄変動停止処理のステップ1003で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2600において、サブCPU301は、演出図柄50を停止表示させて、当該演出図柄50の変動演出を終了するための停止表示処理を実行する。そして、次のステップ2601に進む。
ステップ2601において、サブCPU301は、決定禁止フラグがONであるか否かを判定する。そして、決定禁止フラグがONでない(すなわち、決定禁止フラグがOFFである)と判定した場合、図柄確定コマンド受信処理を終了する。一方、決定禁止フラグがONであると判定した場合、次のステップ2602に進む。
【0256】
ステップ2602において、サブCPU301は、禁止解除条件が成立したか否かを判定する。そして、禁止解除条件が成立していないと判定した場合、図柄確定コマンド受信処理を終了する。一方、禁止解除条件が成立したと判定した場合、次のステップ2603に進む。
ステップ2603において、サブCPU301は、決定禁止フラグをOFFとする。そして、次のステップ2604に進む。
【0257】
ステップ2604において、サブCPU301は、禁止中保留先読み演出決定処理を実行する。そして、図柄確定コマンド受信処理を終了する。
【0258】
次に、上述したステップ2604の禁止中保留先読み演出決定処理について、
図55のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2700において、サブCPU301は、決定禁止フラグがOFFで、かつ、第1特図保留数が1以上であるか否かを判定する。そして、決定禁止フラグがON、又は、第1特図保留数が1未満(すなわち0)であると判定した場合、禁止中保留先読み演出決定処理を終了する。一方、決定禁止フラグがOFFで、かつ、第1特図保留数が1以上であると判定した場合、次のステップ2701に進む。
ステップ2701において、サブCPU301は、所定の変数Nに1を入力する。この変数Nは、第1保留記憶領域における記憶部の番号として用いられるものであり、当該変数Nの値により、後述の処理の対象となる記憶部(第1記憶部〜第4記憶部)が特定されるようになっている。たとえば、N=1の場合には、後述の処理の対象となる記憶部は第1記憶部となり、N=4の場合には、後述の処理の対象となる記憶部は第4記憶部となる。そして、次のステップ2702に進む。
【0259】
ステップ2702において、サブCPU301は、第N記憶部に記憶されている大当たり情報、事前判定コマンドに対応する変動モード番号、変動パターン番号等の事前判定情報を取得する。そして、次のステップ2703に進む。
ステップ2703において、サブCPU301は、先読み演出(特殊保留表示演出、特殊表示演出)の実行の可否を決定する。具体的には、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された演出乱数を取得し、取得された演出乱数、特殊保留表示決定テーブル122、及び、上述のステップ2702で取得した変動パターン番号に基づいて、特殊保留表示演出を実行するか否かを決定する。また、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された演出乱数を取得し、取得された演出乱数、特殊表示決定テーブル123、及び、上述のステップ2702で取得した大当たり情報に基づいて、特殊表示演出を実行するか否かを決定する。そして、次のステップ2704に進む。
【0260】
ステップ2704において、サブCPU301は、上述のステップ2703において先読み演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、先読み演出の実行が決定されたと判定した場合、ステップ2707に進む。一方、先読み演出の実行が決定されていないと判定した場合、次のステップ2705に進む。
ステップ2705において、サブCPU301は、変数Nを1インクリメントする。そして、次のステップ2706に進む。
【0261】
ステップ2706において、サブCPU301は、変数Nが第1特図保留数よりも大きいか否かを判定する。そして、変数Nが第1特図保留数よりも大きくない(すなわち、変数Nが第1特図保留数以下である)と判定した場合、ステップ2702に進む。一方、変数Nが第1特図保留数よりも大きいと判定した場合、禁止中保留先読み演出決定処理を終了する。
また、上述のステップ2704で先読み演出の実行が決定されたと判定した場合に進むステップ2707において、サブCPU301は、第N記憶部に記憶されている保留を対象として、特殊保留表示演出及び特殊表示演出を実行する。
具体的には、サブCPU301は、第N記憶部に対応する保留表示について、変換画像を表示した後に、特殊な表示態様での保留表示を行う処理を実行し、また、特定の背景画像の表示を行う処理を実行する。さらに、サブCPU301は、決定禁止フラグをONとする。そして、禁止中保留先読み演出決定処理を終了する。
なお、この禁止中保留先読み演出決定処理においては、先に記憶された保留から順に先読み演出の実行の可否が決定されるようになっている。これにより、先に読み出されてしまう保留についても、確実に先読み演出の実行の可否の決定を行うことができる。
また、この禁止中保留先読み演出決定処理においては、1の保留について先読み演出を実行する旨が決定されると、これよりも後に記憶されている保留については先読み演出の実行の可否を決定しないようになっている。これにより、先読み演出が重複して行われることを防止することができる。さらに、先読み演出を実行する旨が決定された保留についての先読み演出が終了した後、当該保留よりも後に記憶されている保留についての先読み演出の実行の可否の決定が行われるため、先読み演出の実行の機会を確実に確保できるのである。
【0262】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、先読み演出(特殊保留表示演出、特殊表示演出)の実行可否の決定の対象となっていなかった、決定禁止条件が成立してから禁止解除条件が成立するまでの間に記憶された保留についても、先読み演出の実行可否の決定の対象とすることができる。したがって、先読み演出の実行機会を増加させることができ、これにより、先読み演出に対する遊技者の興趣を高めることができるのである。
また、決定禁止条件が成立してから禁止解除条件が成立するまでの間に記憶された保留については、禁止解除条件の成立後、すなわち、先読み演出を実行するのに相応しくない演出実行状態が解消した後に先読み演出の実行の可否が決定されるため、遊技者に演出の違和感を与えたり、特別遊技への期待感を低下させたりするのを確実に防止しつつ、先読み演出の実行機会を増加させることができるのである。
【0263】
最後に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、先読み演出として、特殊な表示態様で保留表示を行う特殊保留表示演出、及び、特定の背景画像を表示する特殊表示演出を実行できるようになっていたが、いずれか一方のみを実行できるようにしてもよいし、他の先読み演出を実行できるようにしてもよい。
上述のように、他の先読み演出を実行できるようにすることで、先読み演出のバリエーションを豊富にすることができ、先読み演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の実施の形態では、図柄確定コマンドの受信を契機として、禁止解除条件の成立の判定、及び、決定禁止条件が成立してから禁止解除条件が成立するまでに記憶された保留を対象とした先読み演出の実行の可否の決定を実行するようになっていたが、これに限定されるものではなく、図柄変動の停止の際に主制御基板100から副制御基板300へ送信される他のコマンド(たとえば、時短回数の情報や高確回数の情報が含まれている遊技状態コマンド等)の受信を契機として、上述の処理を実行するようにしてもよい。
このようにすることで、図柄変動の停止の処理と別個に、先読み演出の実行の可否の決定が行われるため、図柄変動の停止の処理時におけるサブCPU301等のハードウェア資源の負荷を減らすとともに、図柄変動の停止の処理を確実に行った上で、先読み演出の実行の可否を決定することができる。
また、主制御基板100から副制御基板300へ送信される他のコマンドの受信や、副制御基板300において生成される任意のコマンド(たとえば、副制御基板300から画像制御基板へ送信されるコマンド)のセット等を契機として、上述の処理を実行するようにしてもよい。
上述のように、副制御基板300において生成される任意のコマンド(副制御基板300から画像制御基板へ送信されるコマンド)のセット等を契機として、上述の処理を実行することで、サブCPU301等のハードウェア資源の負荷を減らしつつ、先読み演出の実行の可否を決定することができる。
【0264】
また、上述の実施の形態では、決定禁止条件が成立してから禁止解除条件が成立するまでに記憶された保留について、先に記憶された保留から順に、先読み演出の実行の可否を決定するようになっていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、最後に記憶された保留から順に、先読み演出の実行の可否を決定してもよい。
このようにすることで、複数回の図柄変動に跨った先読み演出が実行されやすくなるため、先読み演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の実施の形態では、1の保留について先読み演出を実行する旨が決定されると、これよりも後に記憶されている保留については先読み演出の実行の可否を決定しないようになっていたが、これに限定されるものではなく、1の保留について先読み演出を実行する旨が決定されても、全ての保留について先読み演出の実行の可否を実行するようにしてもよい。
このとき、複数の保留について先読み演出を実行する旨が決定された場合には、所定の条件に基づいて、先読み演出の対象となる保留を決定するようにしてもよい。
たとえば、大当たりの当選の期待度がより高い先読み演出の実行が決定された保留を、先読み演出の対象として決定(すなわち、決定された先読み演出についての大当たりの当選の期待度の高さに基づいて、先読み演出の対象となる保留を決定)することができる。
また、当該時点までにおける実行回数の少ない先読み演出の実行が決定された保留、又は、当該時点までにおける実行回数の多い先読み演出の実行が決定された保留を、先読み演出の対象として決定(すなわち、当該時点までにおける先読み演出の実行回数に基づいて、先読み演出の対象となる保留を決定)することもできる。
このようにすることで、先読み演出の実行のバリエーションを変化に富んだものとすることができるため、先読み演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0265】
また、決定禁止条件が成立してから禁止解除条件が成立するまでに記憶された保留について、先読み演出の実行可否の決定処理を実行している最中に、新たな保留が記憶された場合には、決定禁止条件が成立してから禁止解除条件が成立するまでに記憶された保留について優先して先読み演出の実行可否の決定を行ってもよいし、新たに記憶された保留について優先して先読み演出の実行可否の決定を行ってもよい。
上述のように、新たに記憶された保留について優先して先読み演出の実行可否の決定を行うことで、複数回の図柄変動に跨った先読み演出が実行されやすくなるため、先読み演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0266】
なお、上述の実施の形態におけるステップ503〜ステップ507の処理、ステップ603〜ステップ607の処理を実行するメインCPU101は、本発明の乱数取得手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるメインRAM103の保留記憶領域は、本発明の保留記憶手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ805の処理を実行するメインCPU101は、本発明の特別遊技決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ900〜ステップ911の処理を実行するメインCPU101は、本発明の変動演出決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における画像制御基板、演出表示装置21は、本発明の変動演出実行手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2303の処理、ステップ2402の処理を実行するサブCPU301は、本発明の先読み演出実行可否決定手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ2703の処理を実行するサブCPU301は、本発明の禁止中保留先読み演出実行可否決定手段に相当する。また、上述の実施の形態における画像制御基板、演出表示装置21は、本発明の先読み演出実行手段に相当する。