特許第6291471号(P6291471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6291471
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】衛星コンステレーションの形成方法
(51)【国際特許分類】
   B64G 1/10 20060101AFI20180305BHJP
   B64G 1/64 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   B64G1/10
   B64G1/64 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-248658(P2015-248658)
(22)【出願日】2015年12月21日
(65)【公開番号】特開2017-114159(P2017-114159A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2015年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】500302552
【氏名又は名称】株式会社IHIエアロスペース
(74)【代理人】
【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100136700
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 俊博
(72)【発明者】
【氏名】網本 順一
(72)【発明者】
【氏名】藤村 昌伸
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0083865(US,A1)
【文献】 特開2006−188149(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0016934(US,A1)
【文献】 米国特許第05199672(US,A)
【文献】 特開平03−246197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64G 1/10 − 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の衛星を搭載した宇宙機を地球を周回する同一の円軌道に投入し、前記円軌道に複数の前記衛星からなる衛星コンステレーションを形成する衛星コンステレーションの形成方法であって、
(A)前記円軌道において前記宇宙機から1つの前記衛星を前記円軌道に放出する衛星放出ステップと、
(B)前記宇宙機を加速して同一の軌道面内で前記円軌道から遠地点高度が800km以下の宇宙機遷移軌道に軌道変更する宇宙機加速ステップと、
(C)前記宇宙機に前記宇宙機遷移軌道を複数回周回させる宇宙機周回ステップと、
(D)前記宇宙機を減速して同一の前記軌道面内で前記宇宙機遷移軌道から前記円軌道に軌道変更する宇宙機減速ステップと、を有し、
前記(A)〜(D)を順に繰り返す、衛星コンステレーションの形成方法。
【請求項2】
前記(C)において、先行する前記衛星と後行する前記衛星の周期差が設定時間となるように、前記宇宙機の周回回数を設定する、請求項1に記載の衛星コンステレーションの形成方法。
【請求項3】
前記宇宙機遷移軌道の遠地点高度を、前記円軌道の高度の1.05倍から1.6倍に設定する、請求項1に記載の衛星コンステレーションの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一の円軌道上の複数の衛星からなる衛星コンステレーションの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「衛星コンステレーション」とは、複数の人工衛星をシステム設計された軌道に投入し、協調した動作を行わせることを意味する。
例えば、多数の人工衛星を互いに通信範囲が重ならないよう低軌道または中軌道に投入し、全地表面を網羅して動作させ、地球観測や衛星電話、GPSなどに利用することができる。
【0003】
「衛星コンステレーション」は、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2002−530004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば北極と南極の上空を低高度で周回する6つの円軌道上に、それぞれ5機の人工衛星(以下、単に衛星と呼ぶ)をほぼ等間隔に配置した場合、合計30機(=6×5)の衛星で全地表面を網羅して観測することができる。
この場合、特定の緯度の上空には約2時間ごとに1つの円軌道が位置し、特定の経度の上空には約19分ごとに1つの衛星が位置することになる。
【0006】
上述した衛星コンステレーションを形成するためには、例えば1つのロケットに複数の衛星を搭載し、所定の円軌道上において、ロケットから複数の衛星を円軌道上に放出する。
各衛星は、放出された後に、それぞれ増速して異なる遷移軌道(楕円軌道)を飛行し、それぞれ異なる時間が経過した後、それぞれ減速して同一の円軌道上の異なる位置の衛星となる。
【0007】
しかし、例えば同一の円軌道上に、5機の衛星を等間隔に配置する場合、各衛星の周期差(例えば、約19分)を得るためには、衛星の最大周期差は、約76分(=19×4)となる。最初の衛星は、その分、遠地点の遠い遷移軌道を飛行するため、増速と減速に大量の燃料を必要とする。
その結果、上述した従来の方法では、各衛星にそれぞれの遷移軌道を飛行するための燃料を搭載する必要があり、かつその総燃料が過大となる。
【0008】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、各衛星に搭載する燃料(推薬)を大幅に低減でき、かつ衛星コンステレーションの形成に必要な推薬の総量も大幅に低減できる衛星コンステレーションの形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、複数の衛星を搭載した宇宙機を地球を周回する同一の円軌道に投入し、前記円軌道に複数の前記衛星からなる衛星コンステレーションを形成する衛星コンステレーションの形成方法であって、
(A)前記円軌道において前記宇宙機から1つの前記衛星を前記円軌道に放出する衛星放出ステップと、
(B)前記宇宙機を加速して同一の軌道面内で前記円軌道から遠地点高度が800km以下の宇宙機遷移軌道に軌道変更する宇宙機加速ステップと、
(C)前記宇宙機に前記宇宙機遷移軌道を複数回周回させる宇宙機周回ステップと、
(D)前記宇宙機を減速して同一の前記軌道面内で前記宇宙機遷移軌道から前記円軌道に軌道変更する宇宙機減速ステップと、を有し、
前記(A)〜(D)を順に繰り返す、衛星コンステレーションの形成方法が提供される。
【0010】
前記(C)において、先行する前記衛星と後行する前記衛星の周期差が設定時間となるように、前記宇宙機の周回回数を設定する。
【0011】
前記宇宙機遷移軌道の遠地点高度を、前記円軌道の高度の1.05倍から1.6倍に設定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、1つの衛星を円軌道に放出した後、次の衛星を同一の円軌道に放出するまでに、宇宙機を加速して宇宙機遷移軌道に軌道変更し、宇宙機遷移軌道を複数回周回後に、宇宙機を減速して円軌道に軌道変更する。
【0014】
各衛星は、宇宙機から放出された円軌道で加速又は減速することなくそのまま円軌道を飛行するので、各衛星の加速と減速は実質的に不要であり、各衛星に搭載する燃料(推薬)を従来よりも大幅に低減することができる。
【0015】
隣接する2つの衛星間の周期差は、宇宙機の周回回数により設定することができ、この周回には推薬を必要としない。また、宇宙機は、宇宙機遷移軌道を複数回周回するので、宇宙機遷移軌道を円軌道近傍に設定することができ、宇宙機の加速と減速の必要燃料(推薬)を少なくできる。
【0016】
従って、本発明によれば、宇宙機の1回の加速と減速で、後行の衛星を適切な周期差で同一の円軌道に放出することができる。これにより、例えば宇宙機の4回の加速と減速で、5機の衛星を放出して衛星コンステレーションを形成でき、衛星コンステレーションの形成に必要な推薬の総量を従来よりも大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の衛星コンステレーションの形成装置を構成する宇宙機を示している。
図2】宇宙機を円軌道に投入するロケットの全体図である。
図3】本発明の衛星コンステレーションの形成方法の全体フロー図である。
図4】本発明の方法のロケットの打ち上げから宇宙機周回ステップまでの説明図である。
図5】本発明の方法の宇宙機周回ステップから2番目の衛星放出ステップまでの説明図である。
図6】本発明の方法の衛星コンステレーションの完成時の説明図である。
図7】本発明の試算例を示す図である。
図8】従来方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0019】
図1は、本発明の衛星コンステレーションの形成装置100を構成する宇宙機10を示している。この図において、(A)は宇宙機10の全体図、(B)は宇宙機10の分解図である。
【0020】
図1において、宇宙機10は、衛星搭載放出装置12、宇宙機推進装置14、及び宇宙機制御装置16を有する。
【0021】
衛星搭載放出装置12は、複数(この例で5機)の衛星1を搭載し、各衛星1を順に放出する機能を有する。
【0022】
宇宙機推進装置14は、例えば燃料タンク15aとガス噴射装置15bとを有し、宇宙機10の前方及び後方に推進ガスを噴射して、軌道上において加速及び減速が可能に構成されている。
【0023】
宇宙機制御装置16は、例えば太陽電池パネル17、電源装置、及び通信装置を有し、地上又は各衛星1と通信して、衛星搭載放出装置12と宇宙機推進装置14を制御する。
【0024】
衛星1は、加速又は減速用の推進装置と燃料(推薬)とを搭載しない小型衛星であることが好ましい。
【0025】
図2は、宇宙機10を円軌道2に投入するロケット20の全体図である。
このロケット20は、複数段(例えば3段)の固体モータを有し、上述した宇宙機10を所定の円軌道2まで搬送し、その円軌道2に投入する機能を有する。
所定の円軌道2(図4参照)は、例えば北極と南極の上空を低高度(高度500〜700km)で周回する太陽同期軌道などが想定される。
【0026】
図3は、本発明の衛星コンステレーションの形成方法(以下、単に「形成方法」と呼ぶ)の全体フロー図である。この図において、本発明の形成方法は、S1〜S7の各ステップ(工程)からなる。
【0027】
図4図6は、本発明の形成方法の説明図である。このうち、図4は、ロケット20の打ち上げから宇宙機周回ステップS5まで、図5は宇宙機周回ステップS5から2番目の衛星放出ステップS2(S2−2)まで、図6は衛星コンステレーションの完成時の説明図である。
以下、図3図6を用いて、本発明の形成方法を説明する。
【0028】
打ち上げステップS1では、図4の地球Eの地点aからロケット20により宇宙機10を打ち上げ(S1−1)、ステップ(S1−2)において宇宙機10を円軌道2に投入する。次いで、ステップ(S1−3)において太陽電池パネル17を展開する。
衛星放出ステップS2では、円軌道2において宇宙機10から1つの衛星1(この例では第1衛星1A)を円軌道2に放出する(S2−1)。
図3のステップS3において、放出した衛星1が最後の衛星1(この例では第5衛星1E)ではない(NO)の場合、宇宙機加速ステップS4において、宇宙機10を加速して同一の軌道面内で円軌道2から宇宙機遷移軌道3に軌道変更する。
【0029】
宇宙機遷移軌道3は、円軌道2の近傍に設定することが好ましい。例えば、宇宙機遷移軌道3の遠地点高度を、円軌道2の高度の1.05倍から1.6倍程度に設定するのがよい。この倍数が小さい方が使用燃料は少なくなる。宇宙機遷移軌道3の近地点高度は、円軌道2と同じである。
以下、円軌道2の高度が500kmであり、宇宙機遷移軌道3の遠地点高度が559kmの場合を説明する。
【0030】
宇宙機周回ステップS5では、宇宙機10を宇宙機遷移軌道3を複数回周回させる。ステップS5における宇宙機10の周回回数は、先行する衛星1(例えば第1衛星1A)と後行する衛星1(例えば第2衛星1B)の周期差が設定時間となるように設定する。この周期差は、例えば、約19分であり、この周期差を得る宇宙機10の周回回数は、例えば31回である。
【0031】
この周回の間に、図5のステップ(S5−4)の宇宙機10の姿勢変更を行い、宇宙機10が減速できるようにすることが好ましい。
なお、本発明では、宇宙機10が宇宙機推進装置14を備え、軌道上において、加速及び減速が可能であるので、この姿勢変更を省略してもよい。
【0032】
宇宙機減速ステップS6では、宇宙機10の所定の周回後に、宇宙機10を減速して同一の軌道面内で宇宙機遷移軌道3から円軌道2に軌道変更する(図5参照)。
ステップS6の後、衛星放出ステップS2に戻り、円軌道2おいて宇宙機10から1つの衛星1(この例では第2衛星1B)を円軌道2に放出する(S2−2)。
【0033】
ステップS2〜S6は、最後の衛星1(この例では第5衛星1E)の衛星放出ステップS2が終了するまで、順に繰り返す。
図3のステップS3において、放出した衛星1が最後の衛星1(第5衛星1E)である(YES)の場合、ステップS7で衛星コンステレーション(図6)の形成を終了(完了)する。
図6は形成された衛星コンステレーションを示している。
【0034】
上述したステップS1〜S7は、衛星1が、加速又は減速用の推進装置と推薬とを搭載しない小型衛星である場合である。
【0035】
図1において、衛星1は、衛星推進装置1aと衛星制御装置1bを備えてもよい。この場合、衛星推進装置1aは、軌道上において加速及び減速をそれぞれ1回可能であればよい。
衛星制御装置1bは、衛星推進装置1aを制御し、加速又は減速により軌道変更する。
【実施例】
【0036】
上述した本発明を以下の条件で試算した。
5機の衛星1で衛星コンステレーションを構成する。各衛星1は、加速又は減速用の推進装置と推薬とを搭載しない小型衛星であり、重量は100kgである。円軌道2の高度は500kmの低軌道である。宇宙機の燃費にあたる比推力(ISP、Specific impulse)は215秒とした。
【0037】
図7は、本発明の試算例を示す図である。
この図において、横軸は宇宙機遷移軌道3の遠地点高度[km]であり、左側の縦軸は、必要となる宇宙機10の周回回数[回]と日数[日]であり、右側の縦軸は、必要となる宇宙機10の推薬重量[kg]である。
また図中のAは、目標周期差(72°)を付けるための宇宙機10の周回回数[回]、Bは、最初の衛星放出ステップS2(S2−1)から衛星コンステレーションの完成までに必要な日数[日]、Cは、衛星コンステレーションの完成までに必要な宇宙機10の軌道遷移用の推薬重量[kg]である。
【0038】
図7から、遠地点高度が高いほど、宇宙機10の周回回数と必要日数が少なくなるが、宇宙機10の推薬重量は増加することがわかる。
また、この図から宇宙機遷移軌道3の遠地点高度が559kmの場合、周回回数は約31回、必要日数は約8.2日、推薬重量は約46kgとなることがわかる。
すなわち、本発明では、宇宙機遷移軌道3の遠地点高度を円軌道近傍に設定することができるので、宇宙機10の1回の周回(加速と減速)に必要となる推薬重量を、約9〜13kgに抑えることができる。
【0039】
図8は、従来方法の説明図である。この図において、(A)は衛星コンステレーションの形成過程、(B)は完成した衛星コンステレーションを示している。
【0040】
従来方法では、例えば1つのロケットに複数の衛星1を搭載し、所定の円軌道2において、ロケットから複数の衛星1を円軌道上に放出する。
各衛星1は、放出された後に、それぞれ増速して異なる遷移軌道5a,5b,5c,5d,5e(楕円軌道)を飛行し、それぞれ異なる時間が経過した後、それぞれ減速して同一の円軌道2の異なる位置の衛星1(1A,1B,1C,1D)となる。
完成した衛星コンステレーション(図8(B))は、図6と同様である。
【0041】
従来方法では、同一の円軌道2に、5機の衛星1を等間隔に配置する場合、各衛星1の周期差(例えば、約19分)を得るためには、最初と最後の衛星1の周期差は、約76分(=19×4)となる。最初の衛星1(1A)は、その分、遠地点の遠い遷移軌道5a,5b,5c,5d,5eを飛行するため、増速と減速に大量の推薬を必要とする。
【0042】
例えば、従来の方法の場合、同一条件において、5機の衛星1には、加速と減速のため、第1衛星1Aから第5衛星1Eまで順に、約225kg,約155kg,約98kg,約45kg,0kgの推薬を搭載する必要がある。すなわち、従来の方法の場合、同一条件において、衛星コンステレーションの完成までに必要な軌道遷移用推薬の重量は、試算では約523kgとなる。従って本発明により、必要な推薬重量を従来よりも大幅に低減できることがわかる。
【0043】
上述した本発明によれば、1つの衛星1を円軌道2に放出した後、次の衛星1を円軌道2に放出するまでに、宇宙機10を加速して宇宙機遷移軌道3に軌道変更し、宇宙機遷移軌道3を複数回周回後に、宇宙機10を減速して円軌道2に軌道変更する。
【0044】
各衛星1は、宇宙機10から放出された円軌道2で加速又は減速することなくそのまま円軌道2を飛行するので、各衛星1の加速と減速は実質的に不要であり、各衛星1に搭載する燃料(推薬)を従来よりも大幅に低減することができる。
【0045】
隣接する2つの衛星間の周期差は、宇宙機10の周回回数により設定することができ、この周回には推薬を必要としない。また、宇宙機10は、宇宙機遷移軌道3を複数回周回するので、宇宙機遷移軌道3を円軌道2の近傍に設定することができ、宇宙機10の加速と減速の必要燃料(推薬)を少なくできる。
【0046】
従って、本発明によれば、宇宙機10の1回の加速と減速で、後行の衛星1を適切な周期差で同一の円軌道2に放出することができる。これにより、例えば宇宙機10の4回の加速と減速で、5機の衛星1を放出して衛星コンステレーションを形成でき、衛星コンステレーションの形成に必要な推薬の総量を従来よりも大幅に低減することができる。
【0047】
本発明は更に、以下の付随した効果を有する。
(1)各衛星1の加速と減速が実質的に不要であり、各衛星1を従来よりも大幅に小型化、軽量化できる。
(2)宇宙機10の軌道遷移用の推薬重量が大幅に低減されるので、宇宙機10を大幅に小型化、軽量化できる。
(3)ロケット20のペイロードが低減されるので、同一のミッションに必要なロケット20を小型化できる。あるいは、同一のロケット20でより多くのミッションを実行できる。
【0048】
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
a 地点、E 地球、1 衛星、1a 衛星推進装置、1b 衛星制御装置、
1A 第1衛星、1B 第2衛星、1C 第3衛星、1D 第4衛星、
1E 第5衛星、2 円軌道、3 宇宙機遷移軌道、
5a,5b,5c,5d,5e 遷移軌道、10 宇宙機、
12 衛星搭載放出装置、14 宇宙機推進装置、15a 燃料タンク、
15b ガス噴射装置、16 宇宙機制御装置、17 太陽電池パネル、
20 ロケット、100 衛星コンステレーションの形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8