特許第6291480号(P6291480)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6291480バイパス弁、特にコンプレッサバイパス弁
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6291480
(24)【登録日】2018年2月16日
(45)【発行日】2018年3月14日
(54)【発明の名称】バイパス弁、特にコンプレッサバイパス弁
(51)【国際特許分類】
   F02B 37/16 20060101AFI20180305BHJP
   F16K 17/30 20060101ALI20180305BHJP
【FI】
   F02B37/16 B
   F16K17/30 A
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-510312(P2015-510312)
(86)(22)【出願日】2013年4月22日
(65)【公表番号】特表2015-517616(P2015-517616A)
(43)【公表日】2015年6月22日
(86)【国際出願番号】US2013037543
(87)【国際公開番号】WO2013165718
(87)【国際公開日】20131107
【審査請求日】2015年12月16日
(31)【優先権主張番号】102012008964.3
(32)【優先日】2012年5月3日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500124378
【氏名又は名称】ボーグワーナー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・ルー
(72)【発明者】
【氏名】フレッド・マウエ
【審査官】 小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0054848(US,A1)
【文献】 特開平01−087981(JP,A)
【文献】 特開昭48−045925(JP,A)
【文献】 特開2002−228026(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/099031(WO,A2)
【文献】 特開平03−020181(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 33/00−41/10
F16K 15/00−15/20、17/18−17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ハウジング(2)を有し、
弁ガイド本体(3)であって、
前記弁ハウジング(2)に固定される弁ガイド本体(3)を有し、
弁ディスク(4)であって、
前記弁ハウジング(2)の前記弁ガイド本体(3)によって閉位置と開位置との間で案内される弁ディスク(4)を有する、
バイパス弁(1)、特にコンプレッサバイパス弁において、
前記弁ガイド本体(3)及び前記弁ディスク(4)がプラスチック部品の形態であり、
前記弁ディスク(4)が一体化されたガイドロッド(6)であって、キャストインのガイドロッド(6)を有し、
前記ガイドロッド(6)が十字形の断面で形成され、前記ガイドロッドの4つの自由端領域(13〜16)に、ガイドチューブ(25)の受入れ凹部(21〜24)内に係合するリブ(17〜20)を有する、
バイパス弁(1)。
【請求項2】
前記弁ディスク(4)にOリング溝(5)が設けられる請求項1に記載のバイパス弁。
【請求項3】
Oリングが前記Oリング溝(5)内に成形される請求項2に記載のバイパス弁。
【請求項4】
前記ガイドロッド(6)の自由端(7)に組立体固定装置(8)が設けられ、前記組立体固定装置(8)が前記ガイドロッド(6)の上にキャストされる請求項に記載のバイパス弁。
【請求項5】
ばねガイド装置(9)が前記弁ディスク(4)の内部空間(10)に設けられる請求項1〜4のいずれか一項に記載のバイパス弁。
【請求項6】
前記ばねガイド装置(9)が、複数のキャストオンのガイドウェブ(9A〜9G)を有する請求項5に記載のバイパス弁。
【請求項7】
ばねガイド装置(12)が前記弁ガイド本体(3)の内部空間(11)に配置される請求項1〜6のいずれか一項に記載のバイパス弁。
【請求項8】
前記ばねガイド装置(12)が、複数のキャストオンのガイドウェブ(12A〜12H)を有する請求項7に記載のバイパス弁。
【請求項9】
前記ガイドチューブ(25)が、保持リブ装置(26)によって前記弁ガイド本体(3)の内部空間(11)の中心に配置される請求項に記載のバイパス弁。
【請求項10】
環状ガイド突出部(27)が、前記弁ガイド本体(3)の前記弁ディスク(4)の平面に対向する位置に設けられる請求項1〜9のいずれか一項に記載のバイパス弁。
【請求項11】
前記弁ディスク(4)に、前記弁ガイド本体(3)と前記弁ディスク(4)との重なりを生じさせるための長くした弁ディスク部分(28)が設けられる請求項1〜10のいずれか一項に記載のバイパス弁。
【請求項12】
前記弁ガイド本体(3)に、前記弁ガイド本体(3)と前記弁ディスク(4)との重なりを生じさせるための長くした弁ガイド本体部分(28)が設けられる請求項1〜10のいずれか一項に記載のバイパス弁。
【請求項13】
前記弁ガイド本体(3)に、円周方向に突出する保持カラー(29)が設けられる請求項1〜12のいずれか一項に記載のバイパス弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイパス弁、特に請求項1の前提部に記載のコンプレッサバイパス弁に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのバイパス弁は、欧州特許第640584B1号明細書から公知である。
【0003】
この公知のバイパス弁のディスプレーサ本体が軽金属又は軽金属合金から製造されるという事実は、比較的多数の部品の問題、したがって、高い製造出費の問題を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、構造が単純化され、流れ最適化された構造を可能にする、請求項1の前提部に示したタイプのバイパス弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の特徴によって達成される。
【0006】
公知のバイパス弁と比較して、本発明に従って、本発明によるバイパス弁を構成するための構成要素の数を概ね半減することが可能である。
【0007】
さらに、組立体固定要素及びガイドロッドを弁ディスクに一体化できることが有利である。
【0008】
この場合、ガイドロッドの形状により、動作中の弁ディスクの回転を回避することができ、耐久性が高められる。さらに、弁ガイド本体及び弁ディスクの特別な形状を提供することによって、これらの2つの構成要素の遊びを調整することが可能である。
【0009】
さらに、特にこれらの構成要素がプラスチック射出成形構成要素として形成される場合、弁ガイド本体及び弁ディスクをプラスチック部品として設計することによって機械加工を省略できることが有利である。
【0010】
最後に、シフト行程全体に弁ディスクと弁ガイド本体との重なりを設けることによって、流れを阻害し、かつ公知のバイパス弁の場合に存在するこれらの構成要素間の間隙を排除することが可能である。
【0011】
言及すべき別の特定の利点は、特にOリングの形態のシールリングを弁ディスクの上に成形することができ、したがって、弁ディスクの対応する溝に別個のOリングを取り付ける必要性を回避することが可能であることである。
【0012】
本発明のさらなる詳細、利点及び特徴は、図面を参照して例示的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明によるバイパス弁を使用することができる排気ガスターボチャージャの大幅に単純化した概略図である。
図2】本発明によるバイパス弁の一実施形態の大幅に単純化した基本概略図である。
図3-4】本発明によるバイパス弁の弁ディスクの前部及び後部の斜視図である。
図5-6】本発明によるバイパス弁の弁ガイド本体の図3及び図4に対応する図面である。
図7】説明を簡略化するために弁ハウジングが省略された本発明によるバイパス弁の図1に対応する図面である。
図8図7に示した線A−Aに沿った断面図である。
図9図7に対応する本発明によるバイパス弁の別の実施形態の図面である。
図10図9に示した細部Xの拡大図である。
図11-12】閉位置及び開位置の本発明によるバイパス弁の別の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、特にコンプレッサバイパス弁の形態のバイパス弁を設けることができる排気ガスターボチャージャ31の大幅に単純化した基本概略図を示しており、このバイパス弁について、図2図12を参照して以下に説明する。
【0015】
通例のように、排気ガスターボチャージャは、タービンホイール33を有するタービン32と、コンプレッサホイール37を有するコンプレッサ36と、ロータ34用の軸受ハウジング35とを有し、軸受ハウジングの2つの端部領域に、タービンホイール33、コンプレッサホイール37がそれぞれ締結される。
【0016】
図2は、本発明によるバイパス弁1の第1の実施形態の大幅に単純化した基本概略図を示している。バイパス弁1は弁ハウジング2を有する。弁ハウジング2には、弁ハウジング2のハウジング半部2Aと2Bとの間にクランプすることができる円周保持カラー29を有する弁ガイド本体3が設けられる。
【0017】
同様に、弁ハウジング2に同様に配置され、かつ弁ガイド本体3で案内される弁ディスク4が設けられる。この点に関し、弁ディスク4を閉位置と開位置との間で移動させることができる。それぞれ第1及び第2のディスプレーサ部分とも称すことができる弁ディスク4及び弁ガイド本体3は、半円形(弁ディスク4)の及び流れに有益な半長円(弁ガイド本体3)の形状を有する。弁ディスク4と弁ガイド本体3との間に、ばね30が配置される。弁ガイド本体3の弁ディスク4を案内するために、弁ディスク4は、以下により詳細に説明する一体化されたガイドロッド6を有する。
【0018】
図3は、弁ディスク4の内部空間10の図面を示している。図3が示すように、弁ディスク4は、したがって中空体の形状であり、ばね30用のばねガイド装置9は、弁ディスクの内部空間に設けられる。このばねガイド装置9は、複数の一体化された又はキャストオンのガイドウェブを有する。全体として、図示した実施例では、ばね30用のこのような8つのガイドウェブが設けられ、この内、図3に選択した図面のためガイドウェブ9A〜9Gのみを見ることができる。
【0019】
図3はまた、ガイドロッド6がばねガイド装置9によって弁ディスク4に一体に接続されることを示している。ガイドロッド6の自由端7には、複数のフック状の部分を備える組立体固定装置8が設けられる。
【0020】
図4は、再び、実施例ではほぼ半円形でありかつ流れに有益である弁ディスク4の形状を示しており、Oリングを挿入することができる溝5を有する。この代わりとして、弁ディスクが射出成形されるときに、このタイプのOリングを弁ディスク4に一体形成することもできる。
【0021】
図5及び図6は、図3及び図4に対応する弁ガイド本体3の図面を示している。
【0022】
したがって、図5から、弁ガイド本体3も、ばねガイド装置12が配置される内部空間11を有する中空体であることを理解することができる。ばねガイド装置12も、同一の間隔で円周方向に配置される複数のガイドウェブ12A〜12Hを有する。
【0023】
図5及び図6はまた、弁ガイド本体3が、中心に配置された本体38を有し、この本体は、流れに有益なほぼ半長円の形状を有しかつ内部空間11が設けられることを示している。
【0024】
ウェブ29A〜29Cを接続することによって、この本体38に、ハウジング半部2Aと2Bとの間にクランプすることができる環状保持カラー29が設けられる。
【0025】
図7に示した線A−Aに沿った断面図を示す図8から、ガイドロッド6が、自由端領域13、14、15及び16を有する十字形の断面を有することを理解することができる。横方向リブ17、18、19及び20は、これらの端部領域13〜16にそれぞれ一体形成され、図8に示した断面図から詳細に明白であるように長方形凹部21、22、23及び24に係合する。この構成により、十字形のガイドロッド6によって、弁ガイド本体3と弁ディスク4との間の遊びを補償することが可能になる。
【0026】
図8はまた、受入れ凹部21〜24が、保持リブ装置26(図示した実施例では同一の角度間隔で配置された8つの保持リブから構成)によって弁ガイド本体3の内部空間11に配置されるガイドチューブ25の部分であることを示している。
【0027】
図9及び図10の接合措置は、弁ガイド本体3に配置されかつ弁ディスク4の平面に位置する環状ガイド突出部27を示している。このことは、弁ディスク4と弁ガイド本体3との間に線接触が存在するという利点をもたらし、この線接触は、特に全負荷の下における比較的長い動作の場合の付着に対抗作用する。
【0028】
図11及び図12の接合措置は、最後に、長くした部分28を明らかにしており、この部分は、長くした弁ディスク部分又は長くした弁ガイド本体部分であることができる。この長くした部分28は、構成要素3と4との間の重なりを生じさせ、したがって、流れを阻害するこれらの構成要素3、4の間の間隙が防止される。
【0029】
本発明の上述の開示に加えて、本発明の開示を補完するために図1〜12の例示的な図面が本明細書により明示的に参照される。
【符号の説明】
【0030】
1 バイパス弁、特にコンプレッサバイパス弁
2 弁ハウジング
2A、2B ハウジング半部
3 弁ガイド本体
4 弁ディスク
5 Oリング溝
6 ガイドロッド
7 ガイドロッドの自由端
8 組立体固定装置
9 ばねガイド装置
9A〜9G ガイドウェブ
10 内部空間
11 内部空間
12 ばねガイド装置
12A〜12H ガイドウェブ
13〜16 端部部分
17〜20 リブ
21〜24 受入れ凹部
25 ガイドチューブ
26 保持リブ装置
27 ガイド突出部
28 長くした部分
29 保持カラー
30 ばね
31 排気ガスターボチャージャ
32 コンプレッサ
33 コンプレッサホイール
34 ロータ/チャージャの筋目
35 軸受ハウジング
36 コンプレッサ
37 コンプレッサホイール
38 本体
L チャージャの長手方向軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12