【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によれば、本発明は、キャリア構造上にタンク壁を備える密封され熱絶縁されたタンクであって、タンク壁が、外側から内側にかけて、キャリア構造上に保持された絶縁バリアであって、キャリア構造の内側表面を覆う、絶縁バリアと、絶縁バリア上に載る密封されたバリアと、絶縁バリアの上側表面に固定された細長の、密封された金属アンカー固定部材とを備え、
密封されたバリアは、
アンカー固定部材の一方側に位置する絶縁バリアの第1の部分上に配置された第1の波状の金属膜と、
アンカー固定部材の他方側に位置する絶縁バリアの第2の部分上に配置された第2の波状の金属膜と、第1および第2の複数のキャップとを備え、
第1の膜は、アンカー固定部材の長手方向に平行に配向され、アンカー固定部材上に配置された組み立て縁を有し、第1の膜の組み立て縁は、密封式にアンカー固定部材に溶接され、
第1の膜は、第1の組の平行な波状部および第2の組の平行な波状部を備えて波状になり、2つの組の波状部のそれぞれの方向は交差し、第1の組の波状部は、第1の膜の組み立て縁と交差する方向に延び、第1の膜の第1の組の波状部の各々の波状部は、組み立て縁に沿って配置された第1の複数のキャップのキャップによって密封式に閉鎖され、
第2の膜は、第1の組の平行な波状部および第2の組の平行な波状部を備えて波状になり、2つの組の波状部のそれぞれの方向は交差し、第1の組の波状部は、第2の膜の組み立て縁と交差する方向に延び、第2の膜の第1の組の波状部の各々の波状部は、組み立て縁に沿って配置された第2の複数のキャップのキャップによって密封式に閉鎖され、
第2の膜の組み立て縁は、アンカー固定部材に沿って、第1の膜を覆う前進部分と、アンカー固定部材の密封されたゾーンを露出するために第1の膜の第1の組の波状部と連続して位置する凹部分とを備えるように輪郭付けされ、第1の複数のキャップは、常に、第1の膜およびアンカー固定部材の露出された、密封されたゾーンに重なるように配置され、前進部分は、第2の膜の第1の組の波状部の位置合わせ内に位置し、第2の複数のキャップは、常に、第2の膜の前進部分および第1の膜に重なるように配置され、
キャップの各々は、ドームの形態の終端波状部分を有する金属構成要素であって、キャップが閉鎖するそれぞれの波状部に連結されるよう意図され、終端波状部分を取り囲む基部プレートのところまで降下する、金属構成要素を備え、第1の膜の第1の組の波状部に関連付けられた終端波状部分は、組み立て縁に対して横断方向に第2の膜の方向に、第2の膜の第1の組の波状部に関連付けられた終端波状部分を超えて延びる、密封され熱絶縁されたタンクを実現する。
【0008】
これらの特徴の結果、第1の波状膜および第2の波状膜を独立的に生み出し、2つの膜の波状部を正確に位置合わせする必要無く、それによってそれらの位置決めを極めて容易にして、これらを密封式に連結することが可能である。さらに、密封された膜は、密封作用のために波状部の閉鎖を保持しながら連続ゾーン内に可撓性を保持する。
【0009】
実施形態によれば、そのような密封され熱絶縁されたタンクは、以下の特徴の1つまたは複数を含むことができる。
【0010】
一実施形態によれば、第2の膜の第1の組の波状部の波状部は、組み立て縁と平行な方向に、第1の膜の第1の組の波状部の波状部の間隔の半分に等しいずれを形成するために、第1の膜の第1の組の波状部の波状部と位置合わせされない。
【0011】
一実施形態によれば、第2の膜の前進部分の幅は、第1の膜の第1の組の波状部の2つの波状部間の距離未満である。
【0012】
これらの特徴の結果、2つの密封された膜の組み立てが、容易にされる。
【0013】
一実施形態によれば、本発明はまた、キャリア構造上にタンク壁を備える密封され熱絶縁されたタンクであって、タンク壁が、外側から内側にかけて、キャリア構造上に保持された絶縁バリアであって、キャリア構造の内側表面を覆う、絶縁バリアと、絶縁バリア上に載る密封されたバリアと、絶縁バリアの上側表面に固定された細長の、密封された金属アンカー固定部材とを備え、
密封されたバリアが、
アンカー固定部材の一方側に位置する絶縁バリアの第1の部分上に配置された第1の波状の金属膜と、
アンカー固定部材の他方側に位置する絶縁バリアの第2の部分上に配置された第2の波状の金属膜と、第1および第2の複数のキャップとを備え、
第1の膜は、アンカー固定部材の長手方向に平行に配向され、アンカー固定部材上に配置された組み立て縁を有し、第1の膜の組み立て縁は、密封式にアンカー固定部材に溶接され、
第1の膜は、第1の組の平行な波状部および第2の組の平行な波状部を備えて波状になり、2つの組の波状部のそれぞれの方向は、交差し、第1の組の波状部は、第1の膜の組み立て縁と交差する方向に延び、第1の膜の第1の組の波状部の各々の波状部は、組み立て縁に沿って配置された第1の複数のキャップのキャップによって密封式に閉鎖され、
第2の膜は、アンカー固定部材の長手方向に平行に配向され、アンカー固定部材上に配置された組み立て縁を有し、第2の膜の組み立て縁は、密封式にアンカー固定部材に溶接され、
第2の膜は、第1の組の平行な波状部および第2の組の平行な波状部を備えて波状になり、2つの組の波状部のそれぞれの方向は交差し、第1の組の波状部は、第2の膜の組み立て縁と交差する方向に延び、第2の膜の第1の組の波状部の各々の波状部は、組み立て縁に沿って配置された第2の複数のキャップのキャップによって密封式に閉鎖され、
アンカー固定部材は、アンカー固定部材の長手方向に位置合わせされた矩形のアンカー固定プレートの組を備え、
密封されたバリアは、さらに、嵌合された波状連結構成要素の組を備え、この組の各々の嵌合された波状連結構成要素は、その2つの端部において閉鎖され、細長シェルを完全に取り囲む基部プレートまで降下する、ドームの形態の細長シェルを備え、
この組の各々のアンカー固定プレートは、2つの横断方向縁を備え、
第1の膜の組み立て縁は、アンカー固定部材に沿って切欠部の組を備えるように輪郭付けされ、
第2の膜の組み立て縁は、アンカー固定部材に沿って切欠部の組を備えるように輪郭付けされ、
第1の膜の切欠部および第2の膜の切欠部は、2つの隣接するアンカー固定プレート間の横断方向の境界面の位置合わせ内に配置され、横断方向の境界面を露出させ、
この組の各々の嵌合された波状連結構成要素は、2つのアンカー固定プレートの横断方向の境界面の領域内に配置され、それにより、細長シェルは、横断方向の境界面、第1の膜の対応する切欠部および第2の膜の対応する切欠部に重なり、
キャップの各々は、ドームの形態の終端波状部分を有する金属構成要素であって、キャップが閉鎖するそれぞれの波状部分に連結されるよう意図され、終端波状部分を取り囲む基部プレートまで降下する、金属構成要素を備え、
シェルの端部部分は、アンカー固定部材の横断方向に、第1の膜の方向に第1の膜の第1の組の波状部の終端波状部分を超えて、および第2の膜の方向に第2の膜の第1の組の波状部の終端波状部分を超えて延びる、密封され熱絶縁されたタンクを実現する。
【0014】
これらの特徴の結果、密封された膜は、密封作用のために波状部の閉鎖を保持しながら連続ゾーン内に可撓性を保持する。
【0015】
一実施形態によれば、細長シェルは、2つのキャップによって閉鎖された中央波状部を備え、キャップは、ドーム型の形態の終端波状部分を有し、中央波状部の端部に連結された金属構成要素を備える。
【0016】
これらの特徴の結果、連結構成要素は、波状部の特徴、特に、可撓性を有し、さらにこれは生み出すことが容易である。
【0017】
一実施形態によれば、細長シェルの中央波状部は、直線状である。
【0018】
一実施形態によれば、第1の膜および第2の膜は、角度αで交差する2つの平面を画定し、この場合、嵌合された波形の中央波状部は、ベローズによって分離された直線状の波状部分を備え、ベローズは、中央波状部の第1の部分の方向を、中央波状部の第2の部分の方向に角度αで戻す。
【0019】
これらの特徴の結果、二面体を形成する膜の2つの面の連結部に可撓性を保持することが可能である。
【0020】
一実施形態によれば、アンカー固定プレートの横断方向縁は、膜の第1の組の波状部に平行である。
【0021】
これらの特徴の結果、波状部方向に対して垂直な力が、膜の波状部および嵌合された連結構成要素によって一体的に吸収される。
【0022】
一実施形態によれば、膜の組み立て縁の切欠部は、組み立て縁に対して垂直に配向される。
【0023】
これらの特徴の結果、組み立て縁の方向に配向された応力が、膜の波状部および嵌合された波状連結構成要素の波状部が交互になるゾーン内に吸収される。
【0024】
一実施形態によれば、膜の組み立て縁の切欠部の組の切欠部の幅は、2つの隣接するアンカー固定プレート間の境界面の幅より大きく、切欠部の幅は、嵌合された波状連結構成要素の幅より小さい。
【0025】
これらの特徴の結果、切欠部の領域内の膜によって受け入れられる収縮は、2つのプレート間の境界面の幅によって限定されたアンカー固定部材のものより大きい。
【0026】
一実施形態によれば、膜の組み立て縁の切欠部は、2つの隣接するアンカー固定プレート間の境界面に平行である。
【0027】
これらの特徴の結果、膜は、切欠部の全深さにわたって同じ圧縮閾値を受け入れる。
【0028】
一実施形態によれば、嵌合された波状連結構成要素のシェルは、2つの周縁壁を備え、これらの壁は、その長さにわたって均一である壁間の間隔を有する。
【0029】
これらの特徴の結果、壁の直線ゾーン内の嵌合された波状連結構成要素の力に対する反応は、均一である。
【0030】
一実施形態によれば、膜の第1の組の波状部は、膜の組み立て縁に対して垂直である。
【0031】
これらの特徴の結果、密封された膜は、これがアンカー固定部材の長手方向の応力によって付勢されたときに最適な挙動を有する。
【0032】
一実施形態によれば、第1の膜の第1の組の波状部の各々の波状部は、第1の直線部分と、曲がり部と、第2の直線部分とを備え、この場合、曲がり部は、第2の直線部分を、アンカー固定部材と共に第1の膜の組み立て縁に対して垂直に配向することができる角度を有する。
【0033】
これらの特徴の結果、非直交の二面体を形成する2つの壁が接合されたとき、波状部は、2つの平面部における真っすぐな交差ラインおよびアンカー固定部材の長手方向配向に対して垂直に到達する。
【0034】
一実施形態によれば、第2の膜の第2の組の波状部の方向は、第1の膜の第2の組の波状部の方向に平行である。
【0035】
一実施形態によれば、膜の第1の組の波状部は、膜の組み立て縁に対して垂直であり、膜の第2の組の波状部は、膜の組み立て縁に平行である。
【0036】
これらの特徴の結果、第2の組の波状部は、組み立て縁と交差せず、この組み立て縁上で終端キャップを必要としない。さらに、2つの組の波状部は、応力を、膜によって画定された平面の全方向に支持することを可能にする膜の規則的かつ均一な格子を画定する。
【0037】
一実施形態によれば、第2の膜の第1の組の波状部の方向は、第1の膜の第1の組の波状部の方向に平行である。
【0038】
これらの特徴の結果、第1および第2の組の波状部による直交力に対する反応は、同一である。
【0039】
一実施形態によれば、膜の第1の組の波状部の波状部は、規則的な間隔で離間される。
【0040】
これらの特徴の結果、特に熱収縮力に対する膜の挙動は、膜のすべてにわたって一様である。
【0041】
そのようなタンクは、たとえば、LNGを貯蔵するための地上ベースの貯蔵設備の一部でよく、または、浮体式構造内に、海辺にまたは深海中に、特にメタンタンカー、浮体式貯蔵および再ガス化ユニット(FSRU)、海洋浮体式生成および貯蔵ユニット(FPSO)など内に設置されてよい。
【0042】
一実施形態によれば、低温液体製品の輸送用のタンカーは、二重外郭構造と、二重外郭構造内に配置された上記で述べられたタンクとを備える。
【0043】
一実施形態によれば、本発明はまた、そのようなタンカーに積み込むまたは積み下ろしするための方法であって、低温液体製品が、絶縁されたチャネルを通って、浮体式もしくは地上貯蔵設備から、または浮体式もしくは地上貯蔵設備まで、タンカーのタンクから、またはタンカーのタンクまで運ばれる、方法も実現する。
【0044】
一実施形態によれば、本発明はまた、低温液体製品の移送システムであって、上記で述べられたタンカーと、タンカーの外郭構造内に設置されたタンクを、浮体式または地上貯蔵設備に連結するように配置された絶縁チャネルと、低温液体製品の流れを絶縁されたチャネルを通して、浮体式もしくは地上の貯蔵設備から、または浮体式もしくは地上の貯蔵設備まで、タンカーのタンクまで、またはタンカーのタンクから駆動するためのポンプとを備える、移送システムも実現する。
【0045】
本発明の一部の態様は、膜の連結を生み出すために標準的な要素を使用することができるという概念に基づく。
【0046】
本発明の一部の態様は、一連ブロックを生み出す概念に基づき、一連ブロックは、工場内または船上構築現場上に装備され、キャリア構造体と、絶縁バリアと、密封された膜とを備え、このとき、キャリア構造の周囲ゾーンは、隣接するブロックとの溶接による組み立てのために自由にされている。本発明の一部の態様は、組み立てスペースを絶縁材で充填する2つのブロックの組み立ての後、次いで、密封された膜の閉鎖を実施するという概念に基づく。本発明の一部の態様は、相補的あそびが存在する場合でも、閉鎖構成要素の波形が2つの波形の間に配置されることを可能にするために、2つの隣接するブロックの膜間の膜の平面内に意図的なずれを生み出すという概念に基づく。